光遮蔽装置及びそれを備えた電子機器
【課題】光遮蔽装置とそれを用いる撮像装置やディスプレイ装置のような電子機器を提供する。
【解決手段】光遮蔽装置は、ベース板と、ロールアップブレードと、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、光が通過する光透過領域を有する。そして、ロールアップブレードは、上部電極を含むが、光学的特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、駆動部は、ベース板とロールアップブレードと電気的に連結されてロールアップブレードを駆動させて、ベース板の光透過領域を通じて通過する光量を制御する。ロールアップブレードの外周面は、反射防止面を形成しうる。
【解決手段】光遮蔽装置は、ベース板と、ロールアップブレードと、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、光が通過する光透過領域を有する。そして、ロールアップブレードは、上部電極を含むが、光学的特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、駆動部は、ベース板とロールアップブレードと電気的に連結されてロールアップブレードを駆動させて、ベース板の光透過領域を通じて通過する光量を制御する。ロールアップブレードの外周面は、反射防止面を形成しうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置(optical apparatus)に係り、より具体的に、光遮蔽装置(light screening apparatus)及びそれを備えた電子機器(electronic device)に関する。
【背景技術】
【0002】
光遮蔽装置は、光の通過を遮断する装置の総称である。光遮蔽装置の一つである光シャッター(optical shutter)は、選択的に光を通過させる装置である。例えば、カメラに備えられる光シャッターは、カメラのレンズを通過してイメージセンサーに到逹する光を遮断するか、開放することができる。そして、光シャッターの動作速度及び/またはカメラレンズを遮断する面積(すなわち、開放されるカメラレンズの面積)を変化させることによって、光シャッターは、イメージセンサーに光が受信される時間及び/または受信される光量などを調節することができる。光シャッターのような光遮蔽装置は、カメラ以外にも、一時的または永久的な光遮蔽機能や、または選択的な光の遮蔽と通過とが要求される他の電子機器(例えば、光スイッチング素子(optical switching device))にも利用されうる。
【0003】
光シャッターとしては、機械的に作動する機械式光シャッターと電子式光シャッターとがある。電子式光シャッターは、イメージセンサーのオン(on)/オフ(off)を制御することによって、イメージセンサーが光を受信すること自体及び/または受信時間を制御することができる。このような電子式光シャッターは、回路的な方法で動作を行うので、カメラモジュールの大きさに制約がある携帯用デジタルカメラの光シャッターとして広く利用されている。ところが、電子式光シャッターは、カメラモジュールの画素数が増加しながら、モーションブラー現象が表われるという欠点をある。
【0004】
モーションブラー現象は、一般的に電子式ローリングシャッター(ElectronicRolling Shutter、ERS)において表われる。これは、ERSシステムでは、ピクセルマトリックスの一側のコーナー(例えば、左上コーナー)から反対側のコーナー(例えば、右下コーナー)に連続してイメージセンサーを活性化させることでイメージを得るためである。したがって、被写体が早く動く場合に、イメージセンサーが連続して活性化される時間の間に被写体の位置変化が発生しうる。これが、所望しないモーションブラー現象を引き起こせる。
【0005】
最近、モバイル機器に装着されるカメラモジュールの画素数が多くなるにつれ、機械的光シャッターについての関心が再び高まっている。デジタルカメラを含めてカメラモジュールを備えた電子機器が、小型化及び薄型化されているので、電子機器に採用されるためには、機械的光シャッターも、その大きさや厚さを小さくして製造する必要があり、非常に速い応答(シャッターリング)速度を達成しなければならない。本出願の出願人と同じ出願人によって出願されて2009年6月30日付で公開された韓国公開特許第2009−0055996号、“シャッター及びそれを備えたマイクロカメラモジュール”には、複数枚のロールアップブレードを用いて速い応答速度が得られる機械的光シャッターの一例が開示されている。
【0006】
一方、ディスプレイ装置の製造技術が発達するにつれ、ディスプレイ装置が、高画質化、高機能化、及び普遍化されることによって、大部分の電子機器には、ディスプレイ装置が備わっている。特に、携帯用電子機器には、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)パネルなどを利用したタッチスクリーンがディスプレイ装置として必須として備えられているのが趨勢である。ディスプレイ装置は、透過型と反射型との2種があるが、前者は、パネルを通過した光を用いるディスプレイ装置であり、後者は、パネルを反射する光を用いるディスプレイ装置である。透過型ディスプレイ装置は、暗い環境では視認性が高い一方、周りが明るい野外や室内では視認性が低く、反射型ディスプレイ装置は、逆に暗い環境では視認性が低いが、明るい環境では視認性が高い。
【0007】
最近、このような透過型ディスプレイ装置と反射型ディスプレイ装置との長所のみを利用する半透過ディスプレイ装置が開発された。半透過ディスプレイ装置は、周りの環境の明るさなどによって、反射モードや透過モードで選択的に動作するので、周りの環境の変化が頻繁なモバイル電子機器に特に有用である。このような半透過ディスプレイ装置は、通常、セルを反射型構造と透過型構造とで分割して製造する。その結果、半透過ディスプレイ装置は、既存の単一モードディスプレイ装置、すなわち、透過型ディスプレイ装置や反射型ディスプレイ装置に比べてディスプレイ面の明るさが低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、開放時に所望しない光反射を防止する光遮蔽装置を提供することである。
【0009】
本発明は、光遮蔽装置を用いてノイズパターンの発生を防止することによって、優れたイメージ品質が得られる撮像装置を提供することである。
【0010】
本発明は、光遮蔽装置を用いて透過モードと反射モードとのうちから選択的な動作が可能であり、また各モードで既存の単一モードディスプレイ装置に比べて視認性に劣らないディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による光遮蔽装置は、ベース板(base plate)と、ロールアップブレード(roll−up blade)と、駆動部(driving unit)と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、ロールアップブレードは、上部電極を含む。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域(light transmitting portion)と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2つの層を含む。そして、上部電極及び下部電極と電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【0012】
本発明の一実施形態による撮像装置は、イメージセンサー(image sensor)と、ベース板と、ロールアップブレードと、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、ロールアップブレードは、上部電極を含むが、ベース板の光透過領域は、イメージセンサーに対応して配されている。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、上部電極と下部電極とを電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【0013】
本発明の一実施形態によるディスプレイ装置は、バックライトユニット(back light unit)と、ベース板と、ロールアップブレードと、カラーフィルター(color filter)と、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、バックライトユニットの上側に配されており、ロールアップブレードは、上部電極を含む。カラーフィルターは、ロールアップブレードの上側に配されている。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、上部電極と下部電極とを電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を遮断させる状態である。
【図2A】本発明の一実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を通過させる状態である。
【図2B】図2Aの光遮蔽装置に対する側面図である。
【図3A】図2Bの点線部分を拡大した拡大図の一例である。
【図3B】図2Bの点線部分を拡大した拡大図の他の例である。
【図3C】本発明の一実施形態による第1位相補償層、光吸収層、第2位相補償層、及び上部電極を含むロールアップブレードの反射率を示すグラフである。
【図4】図2Bの点線部分を拡大した拡大図のまた他の例である。
【図5A】本発明の他の実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を遮断させる状態である。
【図5B】本発明の他の実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を通過させる状態である。
【図5C】本発明の一実施形態による光シャッターによって提供される開口、光シャッターの下部に配される光要素の大きさ、及び光要素とカバーガラスとの間の垂直距離間の関係の一例を示すチャートである。
【図6】光遮蔽装置を備える一実施形態による撮像装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、反射モードで動作する場合である。
【図7B】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、反射モードで動作する場合である。
【図8A】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、透過モードで動作する場合である。
【図8B】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、透過モードで動作する場合である。
【図9A】ディスプレイ装置が透過モードで動作する場合に、ピクセルの階調を表現する方法の一例を説明するための図である。
【図9B】ディスプレイ装置が反射モードで動作する場合に、ピクセルの階調を表現する方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。使われる用語は、実施形態での機能を考慮して選択された用語であって、その用語の意味は、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、後述する実施形態で使われた用語の意味は、本明細書に具体的に定義された場合には、その定義に従い、具体的な定義のない場合は、当業者が一般的に認識する意味として解釈しなければならない。
【0016】
そして、第1物質層が、第2物質層上に形成されるとする場合に、それは、第1物質層が、第2物質層の真上(directly on)に形成される場合はもとより、明示的にこれを排除する記載のない限り、他の第3の物質層が、第2物質層と第1物質層との間に介在されている場合も含むものと解釈しなければならない。
【0017】
図1及び図2Aは、本発明の一実施形態による光遮蔽装置100の構成を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aの光遮蔽装置100に対する側面図である。図1、図2A、及び図2Bを参照すると、光遮蔽装置100は、ベース板110、ロールアップブレード120、及び駆動部130を含む(但し、図示の便宜上、図2A及び図2Bで駆動部130に対する図示は省略した)。光遮蔽装置100は、それ自体が一つの光シャッターとして機能するか(図7A及び図7B参照)、または光シャッターを構成する一部であり得る(図5A及び図5B参照)。図1は、光遮蔽装置100が駆動されて光を遮断させる状態を示したものであって、説明の便宜上、ベース板110とロールアップブレード120とを分離して示した。そして、図2A及び図2Bは、図1の光遮蔽装置100が光を通過させる状態を示した図である。
【0018】
ベース板110は、光を通過できる光透過領域110aを有し、光透過領域110aは、透明(transparent)、または半透明(translucent)であり得る。光透過領域110aは、図2Aに示すように、ロールアップブレード120が上に巻回されている状態、すなわち、ロールアップされた状態(ロールアップブレード120が反時計周りの方向に巻回されている状態)で光が通過することができる透光部に該当する。例えば、光遮蔽装置100が、撮像装置の光シャッターとして機能する場合には、ベース板110の光透過領域110aは、撮像装置の光経路上に位置して光透過領域110aを通過した光は光学レンズを経てイメージセンサーに到逹する。そして、図1に示されたように、ロールアップブレード120が駆動されれば、開かれてロールアップブレード120によって光透過領域110aは、一部または全部が隠されるので、光透過領域110aを通じて通過する光量の調節が可能である。光透過領域110aではないベース板110の領域は、光学的に透明であるか、または不透明である。
【0019】
ベース板110の形状は、図1に示した一例のように、平坦(flat)な形状を有しうるが、これは単に例示的なものである。ベース板110は、必要に応じて制限なしにさまざまな他の形状(一例として、反った(curved)、曲がった(banded)、または屈曲を有した形状)を有することもある。そして、光透過領域110aの形状も、特に制限はないが、四角形、円形、楕円形、多角形などになりうる。ベース板110は、基板(substrate)112と下部電極(lower electrode)114とを含む。基板112は、全体が透明または半透明な材質で形成されるか、または少なくとも光透過領域110aを含む一部領域のみ透明または半透明な材質で形成されうる。基板112は、ガラス基板(glass substrate)であり得るが、これに限定されるものではなく、透明または半透明な他の物質、例えば、石英(quartz)、プラスチック(plastic)、またはシリカ(silica)などの物質でも形成されうる。
【0020】
下部電極114は、透明または半透明であり、また電気伝導性物質で形成される。例えば、下部電極114は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)や透明または半透明な酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、炭素ナノチューブ(Carbon Nano Tube、CNT)、導電性ポリマー(conductive polymer)などで形成される。下部電極114は、駆動部130と電気的に連結されて、光遮蔽装置100、より具体的には、ロールアップブレード120を駆動させるための駆動電極の一つとして機能する。
【0021】
下部電極114は、基板112の上面に形成されるか、または基板112に組み込まれている(エンベデッド(embed)されている)。そして、下部電極114は、光透過領域110aの全面を覆うように形成されるか、または光透過領域110a内で所定のパターンを有するように一部にのみ形成されうる。後者の場合より前者の場合に、下部電極114は、ロールアップブレード120の上部電極とより大きい引力を発生させることができるので、ロールアップブレード120は、より早く駆動されて平滑な状態にすることができる。しかし、本実施形態が、これに限定されるものではなく、下部電極114は、光透過領域110aの一部領域にのみ形成されるか、または光透過領域110aと、その周辺領域に亙って形成されうる。
【0022】
ロールアップブレード120は、ベース板110との間に駆動力が加えられなければ、所定の曲率を有して上に巻回されている状態で存在する(図2A及び図2B参照)。この状態では、少なくともベース基板110の透明領域である光透過領域110aは露出され、外部からの入射光は、当該透明領域110aを通過することができる。一方、駆動部130からロールアップブレード120とベース板110との間に所定の駆動力が加えられれば、ロールアップブレード120は平坦な状態(フラット状態)になる(図1参照)。この状態では、ベース板110の光透過領域110aはロールアップブレード120によって覆い隠され、外部からの入射光が遮断される。図1に示されたものと異なり、ロールアップブレードによって入射光が部分的に遮断できるということは自明である。
【0023】
光が遮断されるように、ロールアップブレード120は、光が通過できない特性を有する一枚以上の物質層を含みうる。光遮蔽装置100は、図1、図2A、及び図2Bに示されたように、光透過領域110aを全部被覆できる大きさを有する一枚のロールアップブレード120のみを有するか、または光透過領域110aを分割して被覆するように、複数枚のロールアップブレードを含むこともできる(図5A及び図5B参照)。
【0024】
そして、ロールアップブレード120は、ベース板に取り付けられる固定部(fixing portion)120aとベース板に対して可動部(moving portion)120bとに区分されうる。ロールアップブレード120の固定部120aは、図2Aで示されるように、ベース板110の端部(光透過領域110aの外側に位置する端部)で固定される。また、固定部120aは、ベース板110の他の領域やベース板110の上側に配された他の構造物(図示せず)に固定されることもある。固定部120aを除いたロールアップブレード120の残りの部分は、巻き上げられる可動部120bを含み、駆動部130の制御によって平坦化される。例えば、駆動部130によって駆動電圧をベース板110(例えば負)およびロールアップブレード120(例えば正)に印加して、ベース板110とロールアップブレード120との間に互いに反対の電荷が形成されれば、ベース板110とロールアップブレード120との間には引力が作用して、ロールアップ状態にあった可動部120bは、光透過領域110aを被覆するように平坦化される。そして、印加された駆動電圧が解除されると、可動部120bは、再びロールアップされた状態に復元される。すなわち、本発明のロールアップブレードは、ベース板の光透過領域を覆うように閉じたフラットな位置と、ロールアップ位置とをとることが好ましい。
【0025】
ロールアップブレード120は、光学特性の異なる少なくとも2つの層を含みうる。光学特性の異なる2つ以上の層は、互いに対応して配される(図3A参照)、または同じ側に配置されることもある(図示せず)。ここで、異なる光学特性を有するということは、光学的特性が異なる異種物質を使うことにのみに限定されるものではない。例えば、同じ物質を使う場合でも、異なる表面処理を行うか、及び/またはパターニング(patterning)することによって、相異なる光学特性を有した面を形成することもできる。
【0026】
そして、ロールアップブレード120の一方の表面は、光の反射を防止する反射防止面が形成されていてもよい。より具体的には、ロールアップブレード120は、図2A及び図2Bのように、ロールアップされている状態において外周面(outer circumference surface)122aおよび内周面124aを有し、外周面122aは、当該外周面122aから光の反射を防止する反射防止面(anti−reflection surface)を形成しうる。ここで、“反射防止面”というものは、表面からの反射光が最小化される構造を示すが、反射防止面を形成するロールアップブレード120の外周面122aは、黒色であってもよく、かつ光黒体面(optical black surface)のように黒く見えてもよい。
【0027】
例えば、表面での低い反射率(reflectance)は、反射防止面を形成することができる一つの条件になりうる。但し、内部で光伝達率(transmittance)が高く、かつ内部反射(internal reflection)によって戻ってくる光が相対的に多い場合には、たとえ表面反射率が低くくても、反射防止面を形成するとは言えない。既存の反射防止コーティング(Anti−Reflection Coating、ARC)は、光伝達率を向上させて表面反射を減少させるので、反射防止面を形成することもできる。ロールアップブレード120は、反射防止コーティング(ARC)の反対側面に金属物質で形成された上部電極層124を含む。上部電極層124は、クロムで形成されることが好ましい。上部電極層124は、光を吸収し、また反射する。上部電極層124の反射特性によって、上部電極層124によって内部反射されてくる光が多くなる。したがって、外周面に反射防止コーティング(ARC)のみが追加されているロールアップブレードは、反射されてくる光量を最小化させることができないので、反射防止面を形成するとは言えない。
【0028】
ロールアップブレード120の外周面122aに、反射防止面を形成しない場合、ロールアップされた状態のロールアップブレード120に入射された光の相当部分が外周面122aで反射される。反射光のうちの一部は、外部に再び反射されうるが、他の反射光の一部が光透過領域110aに反射されうる。当該外周面122aの側面が光透過領域110aに対してほぼ垂直であるため(図2Bに示す)、外周面122aの側面から反射される多くの光は、光透過領域110aを通過する。特に、ロールアップされたロールアップブレード120の側面(光透過領域110aに対して垂直であるロールアップブレード120の一部)で反射される光は、光透過領域110aを通過することもできる。光透過領域110aに向かって反射される光は、非常に好ましくない。例えば、光遮蔽装置110が、撮像装置の光シャッターとして使われる場合には、この反射光がイメージセンサーに受信されるので、撮影映像にノイズパターン(ghost image)を生じさせうる。
【0029】
前述したように、ERSシステムは、モーションブラー現象が表われる問題がある。ERSシステムとは反対に、本発明の一実施形態では、ピクセルマトリックスにあるあらゆるイメージセンサーが同時に活性化される機械的シャッターシステムが使われる。したがって、モーションブラー現象が表われない。
【0030】
ノイズパターンの発生を防止するための一つの方法は、ロールアップブレード120を光透過領域110aから相対的に遠くの位置に設け、反射光が光透過領域110aを通過できなくすることである。但し、この場合には、ロールアップブレード120の大きさが増加するので、応答時間が長くなり、ロールアップブレード120のロールアップ状態からフラット状態への変形にかかる応答速度が低下する。しかし、本実施形態のように、ロールアップブレード120の外周面122aに、反射防止面を形成する場合には、このようなノイズパターンの発生を防止して、映像の品質低下を防止し、かつ応答時間や応答速度の低下問題も発生しないようにする。
【0031】
上部電極層124を含むロールアップブレード120の表面に、反射防止面を形成させる一つの方法は、ロールアップブレード120の表面に反射防止面として光黒体層(opticalblack layer)122を設けるものである。光黒体層122は、実質的に表面反射および層内部の反射が無く入射する光を吸収する物資層(通過する可視光を吸収して消滅させる物質層)である。この場合に、ロールアップブレード120は、単一物質膜で形成された光黒体層122と、当該光黒体層122上に堆積されている上部電極層124とを含みうる。光黒体層122は、単一物質膜の単層構造であっても(図3A参照)、同じ物質や異種物質で形成された多層構造でもよい(図3B参照)。
【0032】
光黒体層122に入射される光の相当部分は、当該光黒体層122の表面で反射されることなく、ロールアップブレード120の内部に入る。そして、ロールアップブレード120の内部に入った光の大部分は、光黒体層122を通過しながら吸収されて消滅される。光黒体層122で吸収および消滅される光は、外部からの入射光はもとより、上部電極層124によって内部反射されて外周面122a側に出る光も含まれる。このように、光黒体層122は、周辺の光の反射を防止するだけでなく、上部電極層124からの反射光をさらに反射した光も防ぐことができる。したがって、ロールアップブレード120において、光黒体層122の表面が反射防止面であり、当該反射防止面122aは上部電極層124と向かい合ってが形成されている形成されている。
【0033】
上部電極層124を含むロールアップブレード120の表面に反射防止面を形成させる他の一つの方法は、ロールアップブレード120に光(例えば、可視光)の強度を弱める光吸収層(light absorbing layer)を設けた多層構造を備えるものである。光吸収層を含む多層構造のロールアップブレード120は、吸収型反射防止構造として機能することができる。この場合に、表面で反射されずに内部に透過した光は、まず光吸収層を通過しながら強度が弱くなる。また、光吸収層を通過して強度が弱くなった光は、内部の多層構造体を進行して、ロールアップブレード120の上部電極層124により反射される。この上部電極層124によって内部反射された光は、再度光吸収層を通過するため強度がより弱くなる。そのため、光吸収層を備えた多層構造のロールアップブレード120は、吸収型の反射防止面としての役割を担うことができる。さらに、少なくとも3層以上の多層構造のロールアップブレードに入射する光は、種々の面(例えば、表面、および/または層間の界面)で反射されうる。ロールアップブレード120を少なくとも3層以上の多層構造にして表面で反射される光と内部で反射される光とが相殺干渉を起こさせることによって、吸収型の反射防止構造は、ロールアップブレード120の反射防止面から出る光を最小化させることができる。
【0034】
そして、ロールアップブレード120の他の実施形態としては、ロールアップブレード120は、外周面122aと反対側の内周面(inner circumference surface)124aを有する。図2A及び図2Bのように、ロールアップブレード120がロールアップ状態であると、内周面124aは周囲の光(外部光源)から見て外方に向いている。または図1のように、ロールアップブレード120がフラット状態である場合、ロールアップブレード120の上面124aは、光を反射する反射面(reflection surface)を形成することもできる。このように、相異なる光学特性を有した面(前で例示的に記述したような反射面と反射防止面)は、ロールアップブレード120の対称面(すなわち、外周面122aと内周面124a)にそれぞれ形成され(図3A参照)、または同じ側(例えば、外周面122a)に形成されうる。但し、ロールアップブレード120の表面に反射面を形成することは、種々の光遮蔽装置に必要なものではなく、光透過領域110aをカバーした状態でロールアップブレード120の反射面から反射さる光を用いる電子機器(例えば、反射透過兼用ディスプレイ装置)に備えられうるが、これに関しては後述する。
【0035】
ここで、“反射面”とは、単にその表面での反射率が高いということのみを示す。また、表面反射率が高いだけではなく、表面で反射されずに内部に入った光が消滅されずに再反射されてくる多層構造も、反射面を形成すると言える。したがって、“ロールアップブレード120の内周面124aが反射面を形成する”というものは、内周面124aの表面反射率が高いロールアップブレード120の表面特性のみを示すこともでき、これに加えて、入射光のうちからロールアップブレード120の内周面124aから再び出る光を最大化する1以上の物質層を含むか、及び/またはこのような効果を果たすことができる反射構造を有することを示すこともできる。
【0036】
図3Aと図3Bは、それぞれロールアップブレード120の構造を例示的に示すものであって、図2Bのロールアップブレード120の点線部分を拡大して示す図である。図2Bのロールアップブレード120は、左上方向にロールアップされた状態であるので、図3A及び図3Bでロールアップブレード120の右側面が、図2Bのロールアップブレード120の外周面122aに該当する。図3A及び図3Bを参照すると、ロールアップブレード120は、ベース板110と接する光黒体層122と、その上側に積層されている上部電極層(upper electrode layer)124とを含みうる。
【0037】
図3Aを参照すると、光黒体層122は、単一物質層であり、かつ少なくとも1つの表面(右側面)が反射防止面を形成する。光黒体層122を形成する物質は、導電性物質であるか、または前述した光学的特性を有する誘電体やポリマーのような電気絶縁性物質であり得る。但し、光黒体層122が、導電性物質で形成される場合には、絶縁性物質で形成された絶縁層を光黒体層122の下面や、及び/またはベース板110の上面にさらに形成してもよい。
【0038】
光黒体層122は、表面反射率が低く、消滅係数(extinction coefficient)が非常に大きい物質、すなわち、光の吸収量が非常に多い物質で形成される。一般的に、入射される光は、表面で反射されて残った光が媒質に進入し、媒質では消滅係数に比例して消滅され、残った光のみが媒質を透過する。これによれば、消滅係数が大きくても、表面反射係数が大きいと、吸収されて消滅される光量は多くないので、消滅係数が大きくても吸収量は多くならない。したがって、光黒体層122を形成する物質は、一般的に消滅係数が大きい物質でなければならないが、これと共に表面反射係数も小さな物質でなければならない。例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)のような物質は、消滅係数がクロム(Cr)やモリブデン(Mo)より大きいが、表面反射係数が大きいために、光黒体層122を形成する物質としては適していない。
【0039】
そして、光黒体層122の表面反射率を低下させるために、光黒体層122の右側面は、粗い表面(rough surface)を有しうる。粗い表面の形態は、特に制限がなく、例えば、光黒体層122の表面には、エンボシングのような微細突起が形成されていることが好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、光の表面反射率を低めることができる如何なる形状(必ずしも規則的なパターンである必要はない)も粗い表面として本発明に適用しうる。
【0040】
上部電極層124は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)のような不透明な金属や、これらの組合わせの金属または合金で形成されるか、または不透明で導電性を有するポリマーなどで形成される。特に、上部電極層124で反射されて光黒体層122の表面から再び出る光度が非常に小さくなるように、上部電極層124は、厚さ及び/または材質などを適宜選択して形成されうる。光黒体層122を通過して上部電極層124で反射された光は、再び光黒体層122を通過しながら大部分消滅されて消えるか、及び/または光黒体層122の表面で反射される光と相殺干渉を起こすこともできる。
【0041】
そして、ロールアップブレード120の光黒体層122と上部電極層124は、相異なる残留応力(residual stress)を有するように形成される。より具体的に、上部電極層124は、引張残留応力を有するように形成される。そして、光黒体層122は、圧縮残留応力を有するか、残留応力を有さないか、または引張残留応力を有するが、上部電極層124よりその大きさが小さな引張残留応力を有するように形成される。このような上部電極層124と光黒体層122との間の残留応力差によって、駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bは、巻回されている状態(図2A及び図2B参照)になる。そして、残留応力差を調節すれば、ロールアップされている可動部120bの曲率を調節することができる。
【0042】
逆に、駆動部130から駆動電圧が印加されて下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124との間に所定の駆動力(引力)が作用すれば、ロールアップブレード120の可動部120bは平滑に伸延されてベース板110の光透過領域110aを覆い隠す(図1参照)。駆動力は、下部電極112と上部電極層124との間に作用する静電力であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、上部電極層124が、圧電層を含む場合には、静電力以外にも圧電駆動力もロールアップブレード120の可動部120bを駆動させる駆動力になることもある。
【0043】
図3Bを参照すると、光黒体層122は、複数の物質層が積層された多層構造であってもよい。ここで、複数の物質層は、3以上の層であることが好ましい。例えば、光黒体層122は、ベース板110と接する第1位相補償層(first phase compensation layer)1222、第1位相補償層1222上に形成された光吸収層1224、及び光吸収層1224上に形成された第2位相補償層(second phase compensation layer)1226を含みうる。光吸収層1224は、光を吸収し、また反射することができる物質、例えば、クロムで形成される。光吸収層1224が光を吸収する特性は、光黒体層の他の層と組み合わせて、光黒体層が幅広い波長範囲で反射を減少させる。
【0044】
第1位相補償層1222は、ベース板110、より具体的には、ベース板110の下部電極114と接するので、電気絶縁性物質で形成される。そして、第1位相補償層1222は、外部から光吸収層1224に入射される光L1の初期反射を防止する作用を奏する。そのために、第1位相補償層1222は、空気と光吸収層1224との間の屈折率(refractive index)の変化を緩和させることができる物質、すなわち、空気の屈折率よりは大きいが、光吸収層1224の屈折率よりは小さな屈折率を有する物質で形成される。例えば、光吸収層1224としてクロム(Cr)やモリブデン(Mo)のような金属物質を使用する場合に、第1位相補償層1222としては、シリコンオキシド(silicon oxide)のような誘電体(dielectric)で形成されることが好ましい。第1位相補償層1222は、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層からなりうる。
【0045】
そして、第1位相補償層1222は、通過する光の位相を調節する作用も奏する。例えば、第1位相補償層1222が、シリコンオキシドで形成される場合に、光吸収層1224で反射される光L2と上部電極層124で反射される光L3とが相殺干渉を起こすように、第1位相補償層1222の厚さが調節される。もちろん、上部電極層124で反射される光L3は、第2位相補償層1226も通過するので、相殺干渉を起こすことができる第1位相補償層1222の厚さは、第2位相補償層1226による位相調整程度によって変わりうる。
【0046】
光吸収層1224は、光を吸収して強度を低減させる作用を奏する。そのために、光吸収層1224は、吸収係数(absorption coefficient)が大きい半透明金属物質、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、またはこれらの組み合わせなどで形成することが好ましい。または、光吸収層1224は、吸収係数が相対的に大きい誘電体やポリマーなどで形成されてもよい。ロールアップブレード120に入射される光L1は、光吸収層1224を通過する度に強度が減少する。上部電極124の表面に単に薄い薄膜のみを付け加えて相殺干渉を起こす場合には、可視光線の全帯域に亙って反射防止を果たしにくいが、光吸収層1224は、通過する光の強度を低減させることで広帯域に亙って反射防止を可能にする。光吸収層1224も、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層からなりうる。
【0047】
第2位相補償層1226は、光吸収層1224と上部電極層124との間の電気的絶縁のために、電気絶縁性物質で形成される。そして、第2位相補償層1226は、第1位相補償層1222と同様に通過する光の位相を調節する作用も奏する。そのために、第2位相補償層1226は、第1位相補償層1222と同じ物質、例えば、シリコンオキシドのような誘電体で形成される。そして、光吸収層1224で反射される光L2と上部電極層124で反射される光L3とが相殺干渉を起こすように、第2位相補償層1226の厚さが調節される。第2位相補償層1226も、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層から構成されることが好ましい。
【0048】
上部電極層124は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはこれらの組み合わせで形成された不透明な金属層、または不透明で導電性を有するポリマーなどで形成される。後者の場合に、導電性ポリマーの種類には制限がなく、透明な導電性ポリマーとしても、着色などの方法で不透明な特性を有しうる。上部電極層124は、光黒体層122に光を送り返す反射板(reflector)の役割を行える。これは、上部電極層124で反射される光L3と光吸収層1224で反射される光L2との間の相殺干渉を誘導することによって、ロールアップブレード120の外周面で反射される光を最小化するためである。
【0049】
そして、駆動部130から駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bが上に巻回されている状態(図2A参照)を保持できるように、ロールアップブレード120の第1位相補償層1222、光吸収層1224、第2位相補償層1226、及び上部電極層124は、相異なる残留応力を有するように形成される。より具体的には、第1位相補償層1222から上部電極層124まで順次に増加する引張残留応力を有するように形成するか、または第1位相補償層1222は圧縮残留応力を有し、上部電極層124は引張残留応力を有し、光吸収層1224と第2位相補償層1226とは、それぞれこれより小さな引張残留応力及び/または圧縮残留応力を有するように形成されうる。
【0050】
このような上部電極層124、第2位相補償層1226、光吸収層1224、及び第1位相補償層1222の間の残留応力差によって、駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bは巻回されている状態になる。この場合に、残留応力差を調節してロールアップされている可動部120bの曲率を調整することができる。そして、駆動部130から駆動電圧が印加されて下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124との間に所定の駆動力(引力)が作用すれば、ロールアップブレード120の可動部120bがベース板110上で平滑に伸延してベース板110の光透過領域110aを覆い隠す(フラット位置またはフラットな状態)。駆動力は、下部電極112と上部電極層124との間に作用する静電力であり得るが、これに限定されるものではない。
【0051】
図3A及び図3Bで、上部電極層124の少なくとも1つの表面(図3A及び図3Bでは、左側面)に反射面を形成することもできる。そのために、上部電極層124は、高い表面反射率を有する導電性物質で形成される。または、図4に示されたように、上部電極層124は、導電性物質で形成された導電層1242と、導電層1242の表面上、すなわち光黒体層122が形成されている面の反対側面上に、表面反射率が高い物質で形成された光反射層1244を形成することもできる。この場合に、光反射層1244の外面が反射面になる。後述するように、光反射層1244を備えた上部電極層124を含む光遮蔽装置は、反射透過兼用ディスプレイ装置などに利用されうる。
【0052】
次いで、図1、図2A、及び図2Bを参照すると、駆動部130は、ベース板110の下部電極114とロールアップブレード120の上部電極124と電気的に連結される。より具体的に、駆動部130は、ベース板110の下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124と電気的に接続されうる。そして、駆動部130は、下部電極114と上部電極層124とに互いに対の電位の駆動電圧を印加して、ロールアップブレード120の可動部120aをフラット状態に制御することができる。
【0053】
前述した一実施形態によるロールアップブレード120は、反射防止面を形成する外周面120aで可視光の反射度が非常に低いと実際の実験で観測された。より具体的に、下部絶縁層が、シリコンナイトライド(silicon nitride、厚さは、約300nm)で形成され、また上部電極層がアルミニウム(Al、厚さは、約500nm)で形成された従来のロールアップブレードは、あらゆる入射角に対して可視光の波長範囲で反射度が約60〜90%程度になる。一方、図3Bに示されたような吸収型反射防止構造を有するロールアップブレード120、すなわちシリコンオキシドで形成された第1位相補償層1222(厚さは、約90nm)、クロムで形成された光吸収層1224(厚さは、約7nm)、シリコンオキシドで形成された第2位相補償層1226(厚さは、約90nm)、及びクロムで形成された上部電極層124(厚さは、約60nm)を含むロールアップブレード120は、あらゆる入射角に対して可視光の波長範囲で反射度が約20%以下の反射度を示した。このような多層構造で、全体可視光波長範囲で低い反射度を示すことは、光吸収層1224による強度減少と第1及び第2位相補償層1222、1226による相殺干渉との組み合わせによって可能になりうる。光吸収層1224での強度減少は、光吸収層1224が相対的に高い吸収係数を有する薄い金属(例えば、クロム(Cr))で形成された場合に重要になりうる。大部分の入射光は、第1位相補償層1222を通過して光吸収層1224に伝達になりうる。光吸収層1224の表面によって反射される光の一部は、相殺干渉に寄与することができる。入射光の残りの部分は、光吸収層1224を通過して伝達されるが、この際、相当な強度の減少がなされる。したがって、最初に入射される光のうち比較的少量が、薄い金属層1224によって吸収されることなく、第2位相補償層1226を通過した後、上部電極層124に到逹する。また、このような少ない量の光は、上部電極層124で再び反射されて吸収されるが、この上部電極層124は、光吸収層1224と同じ物質(例えば、クロム(Cr))で形成されているが、当該上部電極層124の厚さは光吸収層1224と比較して非常厚いことがある。上部電極層124によって反射される光は、第2位相補償層1226を通過して伝達されうるが、この際、光吸収層1224での吸収によって強度が非常に多く減少することができる。入射光が、薄い金属(例えば、クロム(Cr))で形成された光吸収層1224を通過する場合に、光強度の減少は、可視光の全体範囲で起こりうる。または、光吸収層による強度の減少と位相補償層による相殺干渉との組み合わせによって反射を減少させるように、位相補償層1222、1226の厚さを調節することによって、可視光波長の中間部分にのみ相殺干渉を制限させることもできる。本実施形態では、低い反射率を提供することができる一つの例として、相対的に高い吸収係数を有する同じ金属物質(例えば、クロム(Cr))が、上部電極と光吸収層とで使用された。しかし、上部電極と光吸収層は、相異なる物質でも形成されうる。
【0054】
図3Bに記載の一実施形態によれば、ロールアップブレード120は、シリコン酸化物(SiO2)で作られた第1位相補償層1222、クロム(Cr)で作られた光吸収層1224、シリコン酸化物(SiO2)で作られた第2位相補償層1226、及びクロム(Cr)で作られた上部電極124を含む。光吸収層1224の厚さは、約5nmないし50nm範囲、または5nmないし15nm範囲であり得る。一例として、光吸収層の厚さが、7nmである場合に、位相補償層は、それぞれ90nm程度の厚さを有し、上部電極は、約63nmの厚さを有しうる。このような一例による反射率は、図3Cのグラフに示されている。
【0055】
図5A及び図5Bは、本発明の他の実施形態による光遮蔽装置200を示す斜視図であって、図5Aは、光遮蔽装置200が光を遮断させる状態を示したものであり、図5Bは、光遮蔽装置200が光を通過させる状態を示したものである。図5A及び図5Bの光遮蔽装置200は、デジタルカメラのような撮像装置のための機械的光シャッター(mechanical optical shutter)として使われうるが、これは単に例示的なものである。本発明の光遮蔽装置は、下部電極を備え、好ましくは平坦なベース板と、当該ベース板上に設けられ、上部電極を備え、かつ当該ベース板の一部の領域である光透過領域を決定するために、一方向に中心からめくれあがるように構成されたロールアップブレードと、前記下部電極と上部電極とが電気的に連結された駆動部と、を含むものであって、当該駆動部の電圧を制御することにより、当該光透過領域を露出させたロールアップブレードの巻き上げ状態および当該光透過領域を被覆させた閉口状態(フラット状態)を自在に操作する。図5A及び図5Bの光遮蔽装置200では、扇状の複数枚のロールアップブレード220を周方向に整列することによって円形の形状を示しているが、この形状に限定されることはなく、多角形、略楕円型など種々の形状であってもよい。
【0056】
そして、図5A及び図5Bのの光遮蔽装置200は、複数枚のロールアップブレード220を含む。ロールアップブレード220の固定部は、ベース板210の円状の光透過領域210aの端部に沿って固定されている。また、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれの可動部は、当該円状の光透過領域210aの中心から放射状に延設されるようベース板210の光透過領域210aを面積分割して被覆されておりに、複数個のロールアップブレード220のそれぞれの固定端は、光透過領域210aの周りに固定されている。図5A及び図5Bに示されたように、各ロールアップブレードは、実質的に楔状(wedge−shaped)であり、そして、ロールアップブレードは、円形に配列されているため、各楔状のブレードをロールアップされた状態では実質的に円形の開口(circular aperture)を提供することができる。または、ロールアップブレードは、同期化されて同時的に動作ができる限り、他の形状を有し、及び/または他の形状の開口を提供するように配列されてもよい。
【0057】
ロールアップブレードは、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される開口と、その下部に配されるイメージセンサー、ディスプレイまたは他の光学装置との間に特定の関連性を有するようにデザインされうる。ロールアップブレードが、図5A及び図5Bに示されたような配列を有する場合に、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される実質的な円形開口の直径L’は、
【0058】
【数1】
【0059】
と定義されうるが、ここで、rは、各ロールアップブレードによって形成される曲線の半径である。光遮蔽装置が、ディスプレイ装置の光シャッターとして使われる例では、実質的な円形開口の直径L’とディスプレイ領域の直径Lとの間の関係は、
【0060】
【数2】
【0061】
と定義されるか、または他の形態で
【0062】
【数3】
【0063】
と定義されうる。この例によれば、光遮蔽装置が、ディスプレイ装置の光シャッターとして使われる場合に、
【0064】
【数4】
【0065】
は0より大きく、0.8以下である。より具体的に、
【0066】
【数5】
【0067】
は0より大きく、0.55以下である。本発明の好ましい一実施形態よれば、
【0068】
【数6】
【0069】
は0.58であり得る。光遮蔽装置が、カメラのようなイメージ装置の光シャッターとして使われる場合に、開口の直径L’とその下部に配されている受光領域の直径Lとの間の比は、
【0070】
【数7】
【0071】
より具体的に、
【0072】
【数8】
【0073】
を満足することが好ましい。
【0074】
図5Cは、光シャッターによって提供される開口、光シャッターの下部に配されているレンズまたは他の光要素の大きさ、及びレンズまたは他の光要素の面とカバーガラスとの間の垂直距離間の関係を例示的に示すものである。図5Cには、各構成要素の寸法の一例が開示されている。図5Cにおける記号は、FOVは、視野角(Field Of View)、r_rollは、ロールアップ状態にあるロールアップブレードの半径、rosは、光シャッターの下部に配された光学システムの光ストップ(optical stop)の半径、R1は、カバーガラスに形成された開口の半径、R2は、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される開口の半径、dは、カバーガラスと第1レンズまたは光要素の平面との距離、そして、αは、視野角(FOV)の角度を示す。これにより、
【0075】
【数9】
【0076】
図5Cを参照すると、第1レンズの半径が0.645mm、αが30°、dが0.88mmである場合に、R1は1.28mm、R2は1.058mm、そして、rrollは0.222mmであることが分かる。
【0077】
図1、図2A、及び図2Bの光遮蔽装置100は、図5A及び図5Bに示された光遮蔽装置200を構成する一つのロールアップブレードのみを拡大して示すものである。以下、前述した光遮蔽装置100との差異点を中心に光遮蔽装置200に関して説明する。
【0078】
図5A及び図5Bを参照すると、光遮蔽装置200は、光透過領域210aを有するベース板210を含む。光透過領域210aの形状は、円形であるか、または楕円形、正多角形などであり得る。ベース板210は、透明基板212及び透明基板212上に形成されている下部電極214を含む。
【0079】
そして、光遮蔽装置200は、複数個のロールアップブレード220を含む。複数個のロールアップブレード220のそれぞれは、図5Bに示されたようなロールアップされた状態で外周面222aが反射防止面を有する。そのために、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれは、光黒体層222を含む反射防止構造を有しうる。そして、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれは、図5Aに示されたようなフラット状態では上面224aが反射面を形成することもできる。
【0080】
複数枚のロールアップアクチュエータ220のそれぞれの固定端は、光透過領域210aの外側周りに円形、楕円形または正多角形を形成するようにベース板210上に固定されている。そして、複数枚のロールアップブレード220が駆動されて、それぞれの可動部が開かれた場合に、それぞれの可動部は、光透過領域210aの中心から放射状に外方に延設される形状(例えば、光透過領域210aの中心でそれぞれのロールアップブレード220が所定の大きさの中心角を有する扇状または所定の大きさの頂角を有する三角形状など)に光透過領域210aを面積分割して覆うことができる。この場合に、隣接したロールアップブレード220の間、少なくとも隣接したロールアップブレード220の少なくとも可動部の間には、所定の間隙が形成されている。また、隣接したロールアップアクチュエータ220の間に機械的なカップルリングがなされるように、固定端に隣接した可動部の一部は、間隙なしに互いに一体になることもある。
【0081】
また、光遮蔽装置200は、ベース板210と複数枚のロールアップブレード220と電気的に接続されて、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれの可動部が中心方向に伸延するように(フラット状態になるように)制御する駆動部230を含む。この際、駆動部230は、複数枚のロールアップブレード220が同時に中心方向に伸延するように駆動させるか、または個別的に中心方向に伸延するように駆動させることができる。また、駆動部230は、複数枚のロールアップブレード220が中心方向に伸延する程度を調節して、光透過領域210aが開放される程度を調節することもできる。
【0082】
このような構造の光遮蔽装置200は、駆動部230から駆動電圧が加えられなければ、図5Bに示されているように、それぞれのロールアップブレード220の可動部は、これを形成する光黒体層222(単層構造であるか、または3層以上の多層構造であり得る)と上部電極層224との間の残留応力差によって巻回されている状態になる。すなわち、それぞれのロールアップブレード220の可動部は、光透過領域210aの中心から外側方向にめくれあがってベース板210の光透過領域210aを露出させる。そして、ベース板210とロールアップブレード220との間に駆動電圧が加えられれば、それぞれのロールアップブレード220の可動部は中心方向に伸延するように光透過領域210aを覆い隠すので、光の通過を遮断することができる。
【0083】
図6は、光遮蔽装置を備える一実施形態による撮像装置の構成を概略的に示す断面図である。図6を参照すると、撮像装置Aは、光遮蔽装置310、レンズユニット320、及びイメージセンサー330を含む。
【0084】
光遮蔽装置310は、例えば、図5A及び図5Bに示されている光遮蔽装置200と同一であるか、または本明細書に例示的に記述される他の光遮蔽装置であり得るが、これに限定されるものではない。但し、図6では、光遮蔽装置310の駆動部に対する図示は省略したが、これは単に図示の便宜のためである。光遮蔽装置310の駆動部は、複数枚のロールアップブレード314がロールアップされた状態にあるか、または中心方向に伸延するようにロールアップブレード314の駆動を制御し、これを通じてイメージセンサー330に光が受信されるか、または受信される光を遮断することができる。また、光遮蔽装置310の駆動部は、ロールアップブレード314がロールアップされている時間及び/またはロールアップブレード314が中心方向に伸延する程度などを調節して、イメージセンサー330に受信される光量を調節することもできる。そして、ロールアップブレード314の外周面314aに、反射防止面を形成してもよい。
【0085】
光遮蔽装置310のベース板312上に、より具体的に、ロールアップブレード314が配されていないベース板312の周辺領域上には、ロールアップブレード314を保護するためのスぺーサフレーム316が配されている。または、スぺーサフレーム316の代りに、ベース板312の全体を覆い隠すことができる透明なカバー(図示せず)が、ベース板312上に設けられていることもある。また、光遮蔽装置310のベース板312には、光透過領域を通過した光の調節に使われるフィルター、レンズのような光学部品318がさらに備えられうる。
【0086】
レンズユニット320は、光遮蔽装置310、より具体的に、ベース板312の光透過領域を通過した光をイメージセンサー330で結像させる結像光学系である。レンズユニット320は、一つまたは複数のレンズで構成され、撮像装置Aの焦点距離を調節することができる手段を含むこともできる。図面に図示されていないが、光遮蔽装置310の上側にも、他のレンズユニットがさらに備えられうる。
【0087】
イメージセンサー330は、ベース板312の光透過領域を通過する光を受信してイメージを生成させる素子であって、多様な画素(pixel)を有しうる。イメージセンサー330の種類には特に制限はないが、例えば、CMOSイメージセンサー(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)image sensor)や電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)が挙げられる。そして、複数のロールアップブレード314が駆動されて開かれれば、光透過領域を通じて光が通過しないので、イメージセンサー330には光が受信されない。
【0088】
次いで、前述した光遮蔽装置を用いる反射透過兼用ディスプレイ装置について説明する。図7A、図7B、図8A、及び図8Bは、本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、図7A及び図7Bは、反射透過兼用ディスプレイ装置が反射モードで動作する場合であり、図8A及び図8Bは、反射透過兼用ディスプレイ装置が透過モードで動作する場合である。図7A、図7B、図8A、及び図8Bを参照すると、ディスプレイ装置Bは、光遮蔽装置410、バックライトユニット(BLU)420、及びカラーフィルター430を含む。光遮蔽装置410は、例えば、図1、図2A、及び図2Bに示されている光遮蔽装置100と同一であり得る。但し、図7A及び図7Bには、光遮蔽装置410の駆動部に対する図示は省略したが、これは単に図示の便宜のためである。そして、バックライトユニット420とカラーフィルター430の構成や種類などには特別な制限がない。
【0089】
図7A、図7B、図8A、及び図8Bに示された断面図は、ディスプレイ装置Bの単位ピクセルの構成を概略的に示すものであり得るが、これは、光遮蔽装置410がピクセル当たり一つずつ配されることを意味するが、必ずしもあらゆるピクセルに光遮蔽装置410が配されなければならないということを意味するものではない。ここで、‘単位ピクセル’とは、ディスプレイ面に対するものであるか、またはカラーフィルター430に対するものであり得る。前者の場合に、単位ピクセルのカラーフィルター430は、RGBをいずれも含むが、後者の場合に、単位ピクセルのカラーフィルター430は、RGBのうちから何れか一つのカラーのみを含みうる。
【0090】
図7A及び図7Bに示されたように、反射モードで動作する場合に、ディスプレイ装置Bは、外部から入射されて光遮蔽装置410で反射される光を光源として利用する。そのために、ディスプレイ装置Bの光遮蔽装置410は、上面414aが反射面を形成するロールアップブレード414を含みうる(図4参照)。反射モードで動作する場合には、バックライトユニット420はオフ状態になりうる。反射モードで、図7Aに示されたように、ロールアップブレード414が円滑な状態になれば、入射光の大部分が反射されて戻るので、当該ピクセルは明るくなる。一方、反射モードで、図7Bに示されたように、ロールアップブレード414がロールアップされた状態になれば、反射光がまたは少ないため、当該ピクセルは暗くなる。同時に、ロールアップブレード414が、反射防止面を形成する下面(例えば、外周面)を有すると、図7Bで示すようにロールアップブレード414がロールアップされた場合、当該ロールアップブレード414の外周面からで不要な反射光が生じてディスプレイの視認性が劣ることを防止することができる。
【0091】
図8A及び図8Bに示されたように、透過モードで動作する場合に、ディスプレイ装置Bは、バックライトユニット420から放射される光を光源として利用する。図8Aに示されたように、ロールアップブレード414がロールアップされた状態になれば、バックライトユニット420から放射される光の大部分が外部に放出される。この場合に、ロールアップブレード414の下面(例えば、外周面)が反射防止面で形成されていると、ロールアップされたロールアップブレード414で不要な反射光が生じてディスプレイの視認性が劣ることを防止することができる。そして、図8Bに示されたように、ロールアップブレード414が円滑な状態になれば、バックライトユニット420から放射される光は遮断されて、当該ピクセルは暗い状態になる。
【0092】
光遮蔽装置410の駆動部は、ロールアップブレード414がロールアップされた状態、または円滑な状態をとれるようににロールアップブレード414の状態を制御しうる。これにより、ディスプレイ装置Bは、透過モードである場合においては、単位ピクセルごとにバックライトユニット420から放射される光を通過もしくは遮断し、または、反射モードである場合においては、外部からの入射光を最大に反射、もしくはは反射が起こらないように調節することができる。そして、駆動部は、マトリックス状に配列されたピクセルに対応して配列されている多数のロールアップブレード414の駆動を個別的に制御することができる。
【0093】
また、光遮蔽装置410の駆動部は、ロールアップブレード414が、特定の状態(例えば、ロールアップ状態、または平滑な状態)をとるまでにかかる時間及び/またはロールアップブレード414の巻き上げや平滑の度合いを調節して、バックライトユニット420から放射される光量やロールアップブレード414の上面で反射される光量を調節することもできる。より具体的に、透過モードで、各ピクセルの明るさはロールアップブレード414がロールアップ状態にある時間に比例し、また、反射モードでは、各ピクセルの明るさはロールアップブレード414が円滑な状態にある時間に比例する。したがって、光遮蔽装置410の駆動部は、フレーム(所定の単位時間)当たりロールアップブレード414の可動部が円滑な状態にある平均時間を調節して、当該ピクセルの階調を表現することもできる。
【0094】
図9A及び図9Bは、それぞれディスプレイ装置Bが透過モードと反射モードとで動作する場合に、それぞれのピクセルのグレースケールを表現する方法の一例を説明するための図である。例えば、図9Aおよび図9Bにおいて、ピクセルの輝度Yを、下の長方形で示す。図9A(a)に示すピクセルの輝度Yaが最も高く、図9A(c)に示すピクセルの輝度Ycが最も低く、図9A(b)に示す輝度Ybが輝度Yaと輝度Ycとの中間である。また、図9Aにおいて、それぞれの長方形上のダイアグラムは、所定の間隔でピクセルに印加する駆動電圧Vdのパルス形状を示すものである。駆動電圧を印加したパルスP1の平均駆動時間が最も短いのは図9A(a)および図9B(c)の場合であり(平均駆動時間は0)、駆動電圧を印加したパルスP3の平均駆動時間が最も長いのは図9A(c)および図9B(a)の場合であり(平均駆動時間は0)、図9A(b)および図9B(b)のパルスP2の平均駆動時間は、P1とP3との中間である。図8A、図8B、および図9Aにおいて、本発明の反射―透過複合タイプディスプレイは、透過モードで稼働される。図9A(c)に示すように、駆動電圧を印加して対応するロールアップブレード414が平滑な状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も低くなる。一方、図9A(a)に示すように、駆動電圧を印加することなく対応するロールアップブレード414がロールアップ状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も高くなる。これにより、それぞれのピクセルの輝度は、平均時間に反比例する。例えば、図9Aを参照すると、ディスプレイ装置Bが、透過モードで動作する場合(図8A及び図8B参照)には、ピクセルの輝度は駆動電圧が加えられた平均時間((a)<(b)<(c))、すなわち、フレーム当たりロールアップブレード414が平滑な状態にある平均時間に反比例するということが分かる。そして、図7A、図7B、および図9Bにおいて、本発明の反射―透過複合タイプディスプレイは、反射モードで稼働される。図9A(c)に示すように、駆動電圧を印加することなく対応するロールアップブレード414がロールアップ状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も低くなる。一方、図9A(a)に示すように、駆動電圧を印加して対応するロールアップブレード414が円滑な状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も高くなる。反射モードで動作する場合、ディスプレイ装置Bが、、ピクセルの輝度は駆動電圧が加えられた平均時間((a)>(b)>(c))、すなわち、フレーム当たりロールアップブレード414が平滑な状態にある平均時間に比例するということが分かる。そして、図9A及び図9Bを参照すると、同じグレイスケールを表現するための駆動電圧信号が透過モードと反射モードとで互いに反対であるので、駆動部で印加される駆動電圧信号を単にインバーティング(inverting)することによって、ディスプレイ装置Bは、透過モードと反射モードとの間の転換が可能であるということが分かる。
【0095】
以上の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、この実施形態によって、本発明の技術思想が限定されると解してはならない。本発明の技術思想は、特許請求の範囲に記載の発明によってのみ特定されなければならない。したがって、本発明の技術思想を外れない範囲で前述した実施形態は、多様な形態で変形されて具現可能であるということは、当業者に自明である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、光遮蔽装置及びそれを備えた電子機器関連の技術分野に適用されうる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置(optical apparatus)に係り、より具体的に、光遮蔽装置(light screening apparatus)及びそれを備えた電子機器(electronic device)に関する。
【背景技術】
【0002】
光遮蔽装置は、光の通過を遮断する装置の総称である。光遮蔽装置の一つである光シャッター(optical shutter)は、選択的に光を通過させる装置である。例えば、カメラに備えられる光シャッターは、カメラのレンズを通過してイメージセンサーに到逹する光を遮断するか、開放することができる。そして、光シャッターの動作速度及び/またはカメラレンズを遮断する面積(すなわち、開放されるカメラレンズの面積)を変化させることによって、光シャッターは、イメージセンサーに光が受信される時間及び/または受信される光量などを調節することができる。光シャッターのような光遮蔽装置は、カメラ以外にも、一時的または永久的な光遮蔽機能や、または選択的な光の遮蔽と通過とが要求される他の電子機器(例えば、光スイッチング素子(optical switching device))にも利用されうる。
【0003】
光シャッターとしては、機械的に作動する機械式光シャッターと電子式光シャッターとがある。電子式光シャッターは、イメージセンサーのオン(on)/オフ(off)を制御することによって、イメージセンサーが光を受信すること自体及び/または受信時間を制御することができる。このような電子式光シャッターは、回路的な方法で動作を行うので、カメラモジュールの大きさに制約がある携帯用デジタルカメラの光シャッターとして広く利用されている。ところが、電子式光シャッターは、カメラモジュールの画素数が増加しながら、モーションブラー現象が表われるという欠点をある。
【0004】
モーションブラー現象は、一般的に電子式ローリングシャッター(ElectronicRolling Shutter、ERS)において表われる。これは、ERSシステムでは、ピクセルマトリックスの一側のコーナー(例えば、左上コーナー)から反対側のコーナー(例えば、右下コーナー)に連続してイメージセンサーを活性化させることでイメージを得るためである。したがって、被写体が早く動く場合に、イメージセンサーが連続して活性化される時間の間に被写体の位置変化が発生しうる。これが、所望しないモーションブラー現象を引き起こせる。
【0005】
最近、モバイル機器に装着されるカメラモジュールの画素数が多くなるにつれ、機械的光シャッターについての関心が再び高まっている。デジタルカメラを含めてカメラモジュールを備えた電子機器が、小型化及び薄型化されているので、電子機器に採用されるためには、機械的光シャッターも、その大きさや厚さを小さくして製造する必要があり、非常に速い応答(シャッターリング)速度を達成しなければならない。本出願の出願人と同じ出願人によって出願されて2009年6月30日付で公開された韓国公開特許第2009−0055996号、“シャッター及びそれを備えたマイクロカメラモジュール”には、複数枚のロールアップブレードを用いて速い応答速度が得られる機械的光シャッターの一例が開示されている。
【0006】
一方、ディスプレイ装置の製造技術が発達するにつれ、ディスプレイ装置が、高画質化、高機能化、及び普遍化されることによって、大部分の電子機器には、ディスプレイ装置が備わっている。特に、携帯用電子機器には、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)パネルなどを利用したタッチスクリーンがディスプレイ装置として必須として備えられているのが趨勢である。ディスプレイ装置は、透過型と反射型との2種があるが、前者は、パネルを通過した光を用いるディスプレイ装置であり、後者は、パネルを反射する光を用いるディスプレイ装置である。透過型ディスプレイ装置は、暗い環境では視認性が高い一方、周りが明るい野外や室内では視認性が低く、反射型ディスプレイ装置は、逆に暗い環境では視認性が低いが、明るい環境では視認性が高い。
【0007】
最近、このような透過型ディスプレイ装置と反射型ディスプレイ装置との長所のみを利用する半透過ディスプレイ装置が開発された。半透過ディスプレイ装置は、周りの環境の明るさなどによって、反射モードや透過モードで選択的に動作するので、周りの環境の変化が頻繁なモバイル電子機器に特に有用である。このような半透過ディスプレイ装置は、通常、セルを反射型構造と透過型構造とで分割して製造する。その結果、半透過ディスプレイ装置は、既存の単一モードディスプレイ装置、すなわち、透過型ディスプレイ装置や反射型ディスプレイ装置に比べてディスプレイ面の明るさが低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、開放時に所望しない光反射を防止する光遮蔽装置を提供することである。
【0009】
本発明は、光遮蔽装置を用いてノイズパターンの発生を防止することによって、優れたイメージ品質が得られる撮像装置を提供することである。
【0010】
本発明は、光遮蔽装置を用いて透過モードと反射モードとのうちから選択的な動作が可能であり、また各モードで既存の単一モードディスプレイ装置に比べて視認性に劣らないディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による光遮蔽装置は、ベース板(base plate)と、ロールアップブレード(roll−up blade)と、駆動部(driving unit)と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、ロールアップブレードは、上部電極を含む。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域(light transmitting portion)と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2つの層を含む。そして、上部電極及び下部電極と電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【0012】
本発明の一実施形態による撮像装置は、イメージセンサー(image sensor)と、ベース板と、ロールアップブレードと、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、ロールアップブレードは、上部電極を含むが、ベース板の光透過領域は、イメージセンサーに対応して配されている。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、上部電極と下部電極とを電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【0013】
本発明の一実施形態によるディスプレイ装置は、バックライトユニット(back light unit)と、ベース板と、ロールアップブレードと、カラーフィルター(color filter)と、駆動部と、を含む。ベース板は、下部電極を含み、バックライトユニットの上側に配されており、ロールアップブレードは、上部電極を含む。カラーフィルターは、ロールアップブレードの上側に配されている。ロールアップブレードは、ベース板の光透過領域と相応されるように配されているが、光学特性の異なる少なくとも2層を含む。そして、上部電極と下部電極とを電気的に接続されている駆動部は、ロールアップブレードを駆動して光透過領域を通じて通過する光量を調節する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を遮断させる状態である。
【図2A】本発明の一実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を通過させる状態である。
【図2B】図2Aの光遮蔽装置に対する側面図である。
【図3A】図2Bの点線部分を拡大した拡大図の一例である。
【図3B】図2Bの点線部分を拡大した拡大図の他の例である。
【図3C】本発明の一実施形態による第1位相補償層、光吸収層、第2位相補償層、及び上部電極を含むロールアップブレードの反射率を示すグラフである。
【図4】図2Bの点線部分を拡大した拡大図のまた他の例である。
【図5A】本発明の他の実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を遮断させる状態である。
【図5B】本発明の他の実施形態による光遮蔽装置の構成を示す斜視図であって、光を通過させる状態である。
【図5C】本発明の一実施形態による光シャッターによって提供される開口、光シャッターの下部に配される光要素の大きさ、及び光要素とカバーガラスとの間の垂直距離間の関係の一例を示すチャートである。
【図6】光遮蔽装置を備える一実施形態による撮像装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、反射モードで動作する場合である。
【図7B】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、反射モードで動作する場合である。
【図8A】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、透過モードで動作する場合である。
【図8B】本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、透過モードで動作する場合である。
【図9A】ディスプレイ装置が透過モードで動作する場合に、ピクセルの階調を表現する方法の一例を説明するための図である。
【図9B】ディスプレイ装置が反射モードで動作する場合に、ピクセルの階調を表現する方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。使われる用語は、実施形態での機能を考慮して選択された用語であって、その用語の意味は、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、後述する実施形態で使われた用語の意味は、本明細書に具体的に定義された場合には、その定義に従い、具体的な定義のない場合は、当業者が一般的に認識する意味として解釈しなければならない。
【0016】
そして、第1物質層が、第2物質層上に形成されるとする場合に、それは、第1物質層が、第2物質層の真上(directly on)に形成される場合はもとより、明示的にこれを排除する記載のない限り、他の第3の物質層が、第2物質層と第1物質層との間に介在されている場合も含むものと解釈しなければならない。
【0017】
図1及び図2Aは、本発明の一実施形態による光遮蔽装置100の構成を示す斜視図であり、図2Bは、図2Aの光遮蔽装置100に対する側面図である。図1、図2A、及び図2Bを参照すると、光遮蔽装置100は、ベース板110、ロールアップブレード120、及び駆動部130を含む(但し、図示の便宜上、図2A及び図2Bで駆動部130に対する図示は省略した)。光遮蔽装置100は、それ自体が一つの光シャッターとして機能するか(図7A及び図7B参照)、または光シャッターを構成する一部であり得る(図5A及び図5B参照)。図1は、光遮蔽装置100が駆動されて光を遮断させる状態を示したものであって、説明の便宜上、ベース板110とロールアップブレード120とを分離して示した。そして、図2A及び図2Bは、図1の光遮蔽装置100が光を通過させる状態を示した図である。
【0018】
ベース板110は、光を通過できる光透過領域110aを有し、光透過領域110aは、透明(transparent)、または半透明(translucent)であり得る。光透過領域110aは、図2Aに示すように、ロールアップブレード120が上に巻回されている状態、すなわち、ロールアップされた状態(ロールアップブレード120が反時計周りの方向に巻回されている状態)で光が通過することができる透光部に該当する。例えば、光遮蔽装置100が、撮像装置の光シャッターとして機能する場合には、ベース板110の光透過領域110aは、撮像装置の光経路上に位置して光透過領域110aを通過した光は光学レンズを経てイメージセンサーに到逹する。そして、図1に示されたように、ロールアップブレード120が駆動されれば、開かれてロールアップブレード120によって光透過領域110aは、一部または全部が隠されるので、光透過領域110aを通じて通過する光量の調節が可能である。光透過領域110aではないベース板110の領域は、光学的に透明であるか、または不透明である。
【0019】
ベース板110の形状は、図1に示した一例のように、平坦(flat)な形状を有しうるが、これは単に例示的なものである。ベース板110は、必要に応じて制限なしにさまざまな他の形状(一例として、反った(curved)、曲がった(banded)、または屈曲を有した形状)を有することもある。そして、光透過領域110aの形状も、特に制限はないが、四角形、円形、楕円形、多角形などになりうる。ベース板110は、基板(substrate)112と下部電極(lower electrode)114とを含む。基板112は、全体が透明または半透明な材質で形成されるか、または少なくとも光透過領域110aを含む一部領域のみ透明または半透明な材質で形成されうる。基板112は、ガラス基板(glass substrate)であり得るが、これに限定されるものではなく、透明または半透明な他の物質、例えば、石英(quartz)、プラスチック(plastic)、またはシリカ(silica)などの物質でも形成されうる。
【0020】
下部電極114は、透明または半透明であり、また電気伝導性物質で形成される。例えば、下部電極114は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)や透明または半透明な酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、炭素ナノチューブ(Carbon Nano Tube、CNT)、導電性ポリマー(conductive polymer)などで形成される。下部電極114は、駆動部130と電気的に連結されて、光遮蔽装置100、より具体的には、ロールアップブレード120を駆動させるための駆動電極の一つとして機能する。
【0021】
下部電極114は、基板112の上面に形成されるか、または基板112に組み込まれている(エンベデッド(embed)されている)。そして、下部電極114は、光透過領域110aの全面を覆うように形成されるか、または光透過領域110a内で所定のパターンを有するように一部にのみ形成されうる。後者の場合より前者の場合に、下部電極114は、ロールアップブレード120の上部電極とより大きい引力を発生させることができるので、ロールアップブレード120は、より早く駆動されて平滑な状態にすることができる。しかし、本実施形態が、これに限定されるものではなく、下部電極114は、光透過領域110aの一部領域にのみ形成されるか、または光透過領域110aと、その周辺領域に亙って形成されうる。
【0022】
ロールアップブレード120は、ベース板110との間に駆動力が加えられなければ、所定の曲率を有して上に巻回されている状態で存在する(図2A及び図2B参照)。この状態では、少なくともベース基板110の透明領域である光透過領域110aは露出され、外部からの入射光は、当該透明領域110aを通過することができる。一方、駆動部130からロールアップブレード120とベース板110との間に所定の駆動力が加えられれば、ロールアップブレード120は平坦な状態(フラット状態)になる(図1参照)。この状態では、ベース板110の光透過領域110aはロールアップブレード120によって覆い隠され、外部からの入射光が遮断される。図1に示されたものと異なり、ロールアップブレードによって入射光が部分的に遮断できるということは自明である。
【0023】
光が遮断されるように、ロールアップブレード120は、光が通過できない特性を有する一枚以上の物質層を含みうる。光遮蔽装置100は、図1、図2A、及び図2Bに示されたように、光透過領域110aを全部被覆できる大きさを有する一枚のロールアップブレード120のみを有するか、または光透過領域110aを分割して被覆するように、複数枚のロールアップブレードを含むこともできる(図5A及び図5B参照)。
【0024】
そして、ロールアップブレード120は、ベース板に取り付けられる固定部(fixing portion)120aとベース板に対して可動部(moving portion)120bとに区分されうる。ロールアップブレード120の固定部120aは、図2Aで示されるように、ベース板110の端部(光透過領域110aの外側に位置する端部)で固定される。また、固定部120aは、ベース板110の他の領域やベース板110の上側に配された他の構造物(図示せず)に固定されることもある。固定部120aを除いたロールアップブレード120の残りの部分は、巻き上げられる可動部120bを含み、駆動部130の制御によって平坦化される。例えば、駆動部130によって駆動電圧をベース板110(例えば負)およびロールアップブレード120(例えば正)に印加して、ベース板110とロールアップブレード120との間に互いに反対の電荷が形成されれば、ベース板110とロールアップブレード120との間には引力が作用して、ロールアップ状態にあった可動部120bは、光透過領域110aを被覆するように平坦化される。そして、印加された駆動電圧が解除されると、可動部120bは、再びロールアップされた状態に復元される。すなわち、本発明のロールアップブレードは、ベース板の光透過領域を覆うように閉じたフラットな位置と、ロールアップ位置とをとることが好ましい。
【0025】
ロールアップブレード120は、光学特性の異なる少なくとも2つの層を含みうる。光学特性の異なる2つ以上の層は、互いに対応して配される(図3A参照)、または同じ側に配置されることもある(図示せず)。ここで、異なる光学特性を有するということは、光学的特性が異なる異種物質を使うことにのみに限定されるものではない。例えば、同じ物質を使う場合でも、異なる表面処理を行うか、及び/またはパターニング(patterning)することによって、相異なる光学特性を有した面を形成することもできる。
【0026】
そして、ロールアップブレード120の一方の表面は、光の反射を防止する反射防止面が形成されていてもよい。より具体的には、ロールアップブレード120は、図2A及び図2Bのように、ロールアップされている状態において外周面(outer circumference surface)122aおよび内周面124aを有し、外周面122aは、当該外周面122aから光の反射を防止する反射防止面(anti−reflection surface)を形成しうる。ここで、“反射防止面”というものは、表面からの反射光が最小化される構造を示すが、反射防止面を形成するロールアップブレード120の外周面122aは、黒色であってもよく、かつ光黒体面(optical black surface)のように黒く見えてもよい。
【0027】
例えば、表面での低い反射率(reflectance)は、反射防止面を形成することができる一つの条件になりうる。但し、内部で光伝達率(transmittance)が高く、かつ内部反射(internal reflection)によって戻ってくる光が相対的に多い場合には、たとえ表面反射率が低くくても、反射防止面を形成するとは言えない。既存の反射防止コーティング(Anti−Reflection Coating、ARC)は、光伝達率を向上させて表面反射を減少させるので、反射防止面を形成することもできる。ロールアップブレード120は、反射防止コーティング(ARC)の反対側面に金属物質で形成された上部電極層124を含む。上部電極層124は、クロムで形成されることが好ましい。上部電極層124は、光を吸収し、また反射する。上部電極層124の反射特性によって、上部電極層124によって内部反射されてくる光が多くなる。したがって、外周面に反射防止コーティング(ARC)のみが追加されているロールアップブレードは、反射されてくる光量を最小化させることができないので、反射防止面を形成するとは言えない。
【0028】
ロールアップブレード120の外周面122aに、反射防止面を形成しない場合、ロールアップされた状態のロールアップブレード120に入射された光の相当部分が外周面122aで反射される。反射光のうちの一部は、外部に再び反射されうるが、他の反射光の一部が光透過領域110aに反射されうる。当該外周面122aの側面が光透過領域110aに対してほぼ垂直であるため(図2Bに示す)、外周面122aの側面から反射される多くの光は、光透過領域110aを通過する。特に、ロールアップされたロールアップブレード120の側面(光透過領域110aに対して垂直であるロールアップブレード120の一部)で反射される光は、光透過領域110aを通過することもできる。光透過領域110aに向かって反射される光は、非常に好ましくない。例えば、光遮蔽装置110が、撮像装置の光シャッターとして使われる場合には、この反射光がイメージセンサーに受信されるので、撮影映像にノイズパターン(ghost image)を生じさせうる。
【0029】
前述したように、ERSシステムは、モーションブラー現象が表われる問題がある。ERSシステムとは反対に、本発明の一実施形態では、ピクセルマトリックスにあるあらゆるイメージセンサーが同時に活性化される機械的シャッターシステムが使われる。したがって、モーションブラー現象が表われない。
【0030】
ノイズパターンの発生を防止するための一つの方法は、ロールアップブレード120を光透過領域110aから相対的に遠くの位置に設け、反射光が光透過領域110aを通過できなくすることである。但し、この場合には、ロールアップブレード120の大きさが増加するので、応答時間が長くなり、ロールアップブレード120のロールアップ状態からフラット状態への変形にかかる応答速度が低下する。しかし、本実施形態のように、ロールアップブレード120の外周面122aに、反射防止面を形成する場合には、このようなノイズパターンの発生を防止して、映像の品質低下を防止し、かつ応答時間や応答速度の低下問題も発生しないようにする。
【0031】
上部電極層124を含むロールアップブレード120の表面に、反射防止面を形成させる一つの方法は、ロールアップブレード120の表面に反射防止面として光黒体層(opticalblack layer)122を設けるものである。光黒体層122は、実質的に表面反射および層内部の反射が無く入射する光を吸収する物資層(通過する可視光を吸収して消滅させる物質層)である。この場合に、ロールアップブレード120は、単一物質膜で形成された光黒体層122と、当該光黒体層122上に堆積されている上部電極層124とを含みうる。光黒体層122は、単一物質膜の単層構造であっても(図3A参照)、同じ物質や異種物質で形成された多層構造でもよい(図3B参照)。
【0032】
光黒体層122に入射される光の相当部分は、当該光黒体層122の表面で反射されることなく、ロールアップブレード120の内部に入る。そして、ロールアップブレード120の内部に入った光の大部分は、光黒体層122を通過しながら吸収されて消滅される。光黒体層122で吸収および消滅される光は、外部からの入射光はもとより、上部電極層124によって内部反射されて外周面122a側に出る光も含まれる。このように、光黒体層122は、周辺の光の反射を防止するだけでなく、上部電極層124からの反射光をさらに反射した光も防ぐことができる。したがって、ロールアップブレード120において、光黒体層122の表面が反射防止面であり、当該反射防止面122aは上部電極層124と向かい合ってが形成されている形成されている。
【0033】
上部電極層124を含むロールアップブレード120の表面に反射防止面を形成させる他の一つの方法は、ロールアップブレード120に光(例えば、可視光)の強度を弱める光吸収層(light absorbing layer)を設けた多層構造を備えるものである。光吸収層を含む多層構造のロールアップブレード120は、吸収型反射防止構造として機能することができる。この場合に、表面で反射されずに内部に透過した光は、まず光吸収層を通過しながら強度が弱くなる。また、光吸収層を通過して強度が弱くなった光は、内部の多層構造体を進行して、ロールアップブレード120の上部電極層124により反射される。この上部電極層124によって内部反射された光は、再度光吸収層を通過するため強度がより弱くなる。そのため、光吸収層を備えた多層構造のロールアップブレード120は、吸収型の反射防止面としての役割を担うことができる。さらに、少なくとも3層以上の多層構造のロールアップブレードに入射する光は、種々の面(例えば、表面、および/または層間の界面)で反射されうる。ロールアップブレード120を少なくとも3層以上の多層構造にして表面で反射される光と内部で反射される光とが相殺干渉を起こさせることによって、吸収型の反射防止構造は、ロールアップブレード120の反射防止面から出る光を最小化させることができる。
【0034】
そして、ロールアップブレード120の他の実施形態としては、ロールアップブレード120は、外周面122aと反対側の内周面(inner circumference surface)124aを有する。図2A及び図2Bのように、ロールアップブレード120がロールアップ状態であると、内周面124aは周囲の光(外部光源)から見て外方に向いている。または図1のように、ロールアップブレード120がフラット状態である場合、ロールアップブレード120の上面124aは、光を反射する反射面(reflection surface)を形成することもできる。このように、相異なる光学特性を有した面(前で例示的に記述したような反射面と反射防止面)は、ロールアップブレード120の対称面(すなわち、外周面122aと内周面124a)にそれぞれ形成され(図3A参照)、または同じ側(例えば、外周面122a)に形成されうる。但し、ロールアップブレード120の表面に反射面を形成することは、種々の光遮蔽装置に必要なものではなく、光透過領域110aをカバーした状態でロールアップブレード120の反射面から反射さる光を用いる電子機器(例えば、反射透過兼用ディスプレイ装置)に備えられうるが、これに関しては後述する。
【0035】
ここで、“反射面”とは、単にその表面での反射率が高いということのみを示す。また、表面反射率が高いだけではなく、表面で反射されずに内部に入った光が消滅されずに再反射されてくる多層構造も、反射面を形成すると言える。したがって、“ロールアップブレード120の内周面124aが反射面を形成する”というものは、内周面124aの表面反射率が高いロールアップブレード120の表面特性のみを示すこともでき、これに加えて、入射光のうちからロールアップブレード120の内周面124aから再び出る光を最大化する1以上の物質層を含むか、及び/またはこのような効果を果たすことができる反射構造を有することを示すこともできる。
【0036】
図3Aと図3Bは、それぞれロールアップブレード120の構造を例示的に示すものであって、図2Bのロールアップブレード120の点線部分を拡大して示す図である。図2Bのロールアップブレード120は、左上方向にロールアップされた状態であるので、図3A及び図3Bでロールアップブレード120の右側面が、図2Bのロールアップブレード120の外周面122aに該当する。図3A及び図3Bを参照すると、ロールアップブレード120は、ベース板110と接する光黒体層122と、その上側に積層されている上部電極層(upper electrode layer)124とを含みうる。
【0037】
図3Aを参照すると、光黒体層122は、単一物質層であり、かつ少なくとも1つの表面(右側面)が反射防止面を形成する。光黒体層122を形成する物質は、導電性物質であるか、または前述した光学的特性を有する誘電体やポリマーのような電気絶縁性物質であり得る。但し、光黒体層122が、導電性物質で形成される場合には、絶縁性物質で形成された絶縁層を光黒体層122の下面や、及び/またはベース板110の上面にさらに形成してもよい。
【0038】
光黒体層122は、表面反射率が低く、消滅係数(extinction coefficient)が非常に大きい物質、すなわち、光の吸収量が非常に多い物質で形成される。一般的に、入射される光は、表面で反射されて残った光が媒質に進入し、媒質では消滅係数に比例して消滅され、残った光のみが媒質を透過する。これによれば、消滅係数が大きくても、表面反射係数が大きいと、吸収されて消滅される光量は多くないので、消滅係数が大きくても吸収量は多くならない。したがって、光黒体層122を形成する物質は、一般的に消滅係数が大きい物質でなければならないが、これと共に表面反射係数も小さな物質でなければならない。例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)のような物質は、消滅係数がクロム(Cr)やモリブデン(Mo)より大きいが、表面反射係数が大きいために、光黒体層122を形成する物質としては適していない。
【0039】
そして、光黒体層122の表面反射率を低下させるために、光黒体層122の右側面は、粗い表面(rough surface)を有しうる。粗い表面の形態は、特に制限がなく、例えば、光黒体層122の表面には、エンボシングのような微細突起が形成されていることが好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、光の表面反射率を低めることができる如何なる形状(必ずしも規則的なパターンである必要はない)も粗い表面として本発明に適用しうる。
【0040】
上部電極層124は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)のような不透明な金属や、これらの組合わせの金属または合金で形成されるか、または不透明で導電性を有するポリマーなどで形成される。特に、上部電極層124で反射されて光黒体層122の表面から再び出る光度が非常に小さくなるように、上部電極層124は、厚さ及び/または材質などを適宜選択して形成されうる。光黒体層122を通過して上部電極層124で反射された光は、再び光黒体層122を通過しながら大部分消滅されて消えるか、及び/または光黒体層122の表面で反射される光と相殺干渉を起こすこともできる。
【0041】
そして、ロールアップブレード120の光黒体層122と上部電極層124は、相異なる残留応力(residual stress)を有するように形成される。より具体的に、上部電極層124は、引張残留応力を有するように形成される。そして、光黒体層122は、圧縮残留応力を有するか、残留応力を有さないか、または引張残留応力を有するが、上部電極層124よりその大きさが小さな引張残留応力を有するように形成される。このような上部電極層124と光黒体層122との間の残留応力差によって、駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bは、巻回されている状態(図2A及び図2B参照)になる。そして、残留応力差を調節すれば、ロールアップされている可動部120bの曲率を調節することができる。
【0042】
逆に、駆動部130から駆動電圧が印加されて下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124との間に所定の駆動力(引力)が作用すれば、ロールアップブレード120の可動部120bは平滑に伸延されてベース板110の光透過領域110aを覆い隠す(図1参照)。駆動力は、下部電極112と上部電極層124との間に作用する静電力であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、上部電極層124が、圧電層を含む場合には、静電力以外にも圧電駆動力もロールアップブレード120の可動部120bを駆動させる駆動力になることもある。
【0043】
図3Bを参照すると、光黒体層122は、複数の物質層が積層された多層構造であってもよい。ここで、複数の物質層は、3以上の層であることが好ましい。例えば、光黒体層122は、ベース板110と接する第1位相補償層(first phase compensation layer)1222、第1位相補償層1222上に形成された光吸収層1224、及び光吸収層1224上に形成された第2位相補償層(second phase compensation layer)1226を含みうる。光吸収層1224は、光を吸収し、また反射することができる物質、例えば、クロムで形成される。光吸収層1224が光を吸収する特性は、光黒体層の他の層と組み合わせて、光黒体層が幅広い波長範囲で反射を減少させる。
【0044】
第1位相補償層1222は、ベース板110、より具体的には、ベース板110の下部電極114と接するので、電気絶縁性物質で形成される。そして、第1位相補償層1222は、外部から光吸収層1224に入射される光L1の初期反射を防止する作用を奏する。そのために、第1位相補償層1222は、空気と光吸収層1224との間の屈折率(refractive index)の変化を緩和させることができる物質、すなわち、空気の屈折率よりは大きいが、光吸収層1224の屈折率よりは小さな屈折率を有する物質で形成される。例えば、光吸収層1224としてクロム(Cr)やモリブデン(Mo)のような金属物質を使用する場合に、第1位相補償層1222としては、シリコンオキシド(silicon oxide)のような誘電体(dielectric)で形成されることが好ましい。第1位相補償層1222は、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層からなりうる。
【0045】
そして、第1位相補償層1222は、通過する光の位相を調節する作用も奏する。例えば、第1位相補償層1222が、シリコンオキシドで形成される場合に、光吸収層1224で反射される光L2と上部電極層124で反射される光L3とが相殺干渉を起こすように、第1位相補償層1222の厚さが調節される。もちろん、上部電極層124で反射される光L3は、第2位相補償層1226も通過するので、相殺干渉を起こすことができる第1位相補償層1222の厚さは、第2位相補償層1226による位相調整程度によって変わりうる。
【0046】
光吸収層1224は、光を吸収して強度を低減させる作用を奏する。そのために、光吸収層1224は、吸収係数(absorption coefficient)が大きい半透明金属物質、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、またはこれらの組み合わせなどで形成することが好ましい。または、光吸収層1224は、吸収係数が相対的に大きい誘電体やポリマーなどで形成されてもよい。ロールアップブレード120に入射される光L1は、光吸収層1224を通過する度に強度が減少する。上部電極124の表面に単に薄い薄膜のみを付け加えて相殺干渉を起こす場合には、可視光線の全帯域に亙って反射防止を果たしにくいが、光吸収層1224は、通過する光の強度を低減させることで広帯域に亙って反射防止を可能にする。光吸収層1224も、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層からなりうる。
【0047】
第2位相補償層1226は、光吸収層1224と上部電極層124との間の電気的絶縁のために、電気絶縁性物質で形成される。そして、第2位相補償層1226は、第1位相補償層1222と同様に通過する光の位相を調節する作用も奏する。そのために、第2位相補償層1226は、第1位相補償層1222と同じ物質、例えば、シリコンオキシドのような誘電体で形成される。そして、光吸収層1224で反射される光L2と上部電極層124で反射される光L3とが相殺干渉を起こすように、第2位相補償層1226の厚さが調節される。第2位相補償層1226も、単一層からなるか、または同一物質や異種物質でそれぞれ形成された2以上の層から構成されることが好ましい。
【0048】
上部電極層124は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはこれらの組み合わせで形成された不透明な金属層、または不透明で導電性を有するポリマーなどで形成される。後者の場合に、導電性ポリマーの種類には制限がなく、透明な導電性ポリマーとしても、着色などの方法で不透明な特性を有しうる。上部電極層124は、光黒体層122に光を送り返す反射板(reflector)の役割を行える。これは、上部電極層124で反射される光L3と光吸収層1224で反射される光L2との間の相殺干渉を誘導することによって、ロールアップブレード120の外周面で反射される光を最小化するためである。
【0049】
そして、駆動部130から駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bが上に巻回されている状態(図2A参照)を保持できるように、ロールアップブレード120の第1位相補償層1222、光吸収層1224、第2位相補償層1226、及び上部電極層124は、相異なる残留応力を有するように形成される。より具体的には、第1位相補償層1222から上部電極層124まで順次に増加する引張残留応力を有するように形成するか、または第1位相補償層1222は圧縮残留応力を有し、上部電極層124は引張残留応力を有し、光吸収層1224と第2位相補償層1226とは、それぞれこれより小さな引張残留応力及び/または圧縮残留応力を有するように形成されうる。
【0050】
このような上部電極層124、第2位相補償層1226、光吸収層1224、及び第1位相補償層1222の間の残留応力差によって、駆動電圧が印加されなければ、ロールアップブレード120の可動部120bは巻回されている状態になる。この場合に、残留応力差を調節してロールアップされている可動部120bの曲率を調整することができる。そして、駆動部130から駆動電圧が印加されて下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124との間に所定の駆動力(引力)が作用すれば、ロールアップブレード120の可動部120bがベース板110上で平滑に伸延してベース板110の光透過領域110aを覆い隠す(フラット位置またはフラットな状態)。駆動力は、下部電極112と上部電極層124との間に作用する静電力であり得るが、これに限定されるものではない。
【0051】
図3A及び図3Bで、上部電極層124の少なくとも1つの表面(図3A及び図3Bでは、左側面)に反射面を形成することもできる。そのために、上部電極層124は、高い表面反射率を有する導電性物質で形成される。または、図4に示されたように、上部電極層124は、導電性物質で形成された導電層1242と、導電層1242の表面上、すなわち光黒体層122が形成されている面の反対側面上に、表面反射率が高い物質で形成された光反射層1244を形成することもできる。この場合に、光反射層1244の外面が反射面になる。後述するように、光反射層1244を備えた上部電極層124を含む光遮蔽装置は、反射透過兼用ディスプレイ装置などに利用されうる。
【0052】
次いで、図1、図2A、及び図2Bを参照すると、駆動部130は、ベース板110の下部電極114とロールアップブレード120の上部電極124と電気的に連結される。より具体的に、駆動部130は、ベース板110の下部電極114とロールアップブレード120の上部電極層124と電気的に接続されうる。そして、駆動部130は、下部電極114と上部電極層124とに互いに対の電位の駆動電圧を印加して、ロールアップブレード120の可動部120aをフラット状態に制御することができる。
【0053】
前述した一実施形態によるロールアップブレード120は、反射防止面を形成する外周面120aで可視光の反射度が非常に低いと実際の実験で観測された。より具体的に、下部絶縁層が、シリコンナイトライド(silicon nitride、厚さは、約300nm)で形成され、また上部電極層がアルミニウム(Al、厚さは、約500nm)で形成された従来のロールアップブレードは、あらゆる入射角に対して可視光の波長範囲で反射度が約60〜90%程度になる。一方、図3Bに示されたような吸収型反射防止構造を有するロールアップブレード120、すなわちシリコンオキシドで形成された第1位相補償層1222(厚さは、約90nm)、クロムで形成された光吸収層1224(厚さは、約7nm)、シリコンオキシドで形成された第2位相補償層1226(厚さは、約90nm)、及びクロムで形成された上部電極層124(厚さは、約60nm)を含むロールアップブレード120は、あらゆる入射角に対して可視光の波長範囲で反射度が約20%以下の反射度を示した。このような多層構造で、全体可視光波長範囲で低い反射度を示すことは、光吸収層1224による強度減少と第1及び第2位相補償層1222、1226による相殺干渉との組み合わせによって可能になりうる。光吸収層1224での強度減少は、光吸収層1224が相対的に高い吸収係数を有する薄い金属(例えば、クロム(Cr))で形成された場合に重要になりうる。大部分の入射光は、第1位相補償層1222を通過して光吸収層1224に伝達になりうる。光吸収層1224の表面によって反射される光の一部は、相殺干渉に寄与することができる。入射光の残りの部分は、光吸収層1224を通過して伝達されるが、この際、相当な強度の減少がなされる。したがって、最初に入射される光のうち比較的少量が、薄い金属層1224によって吸収されることなく、第2位相補償層1226を通過した後、上部電極層124に到逹する。また、このような少ない量の光は、上部電極層124で再び反射されて吸収されるが、この上部電極層124は、光吸収層1224と同じ物質(例えば、クロム(Cr))で形成されているが、当該上部電極層124の厚さは光吸収層1224と比較して非常厚いことがある。上部電極層124によって反射される光は、第2位相補償層1226を通過して伝達されうるが、この際、光吸収層1224での吸収によって強度が非常に多く減少することができる。入射光が、薄い金属(例えば、クロム(Cr))で形成された光吸収層1224を通過する場合に、光強度の減少は、可視光の全体範囲で起こりうる。または、光吸収層による強度の減少と位相補償層による相殺干渉との組み合わせによって反射を減少させるように、位相補償層1222、1226の厚さを調節することによって、可視光波長の中間部分にのみ相殺干渉を制限させることもできる。本実施形態では、低い反射率を提供することができる一つの例として、相対的に高い吸収係数を有する同じ金属物質(例えば、クロム(Cr))が、上部電極と光吸収層とで使用された。しかし、上部電極と光吸収層は、相異なる物質でも形成されうる。
【0054】
図3Bに記載の一実施形態によれば、ロールアップブレード120は、シリコン酸化物(SiO2)で作られた第1位相補償層1222、クロム(Cr)で作られた光吸収層1224、シリコン酸化物(SiO2)で作られた第2位相補償層1226、及びクロム(Cr)で作られた上部電極124を含む。光吸収層1224の厚さは、約5nmないし50nm範囲、または5nmないし15nm範囲であり得る。一例として、光吸収層の厚さが、7nmである場合に、位相補償層は、それぞれ90nm程度の厚さを有し、上部電極は、約63nmの厚さを有しうる。このような一例による反射率は、図3Cのグラフに示されている。
【0055】
図5A及び図5Bは、本発明の他の実施形態による光遮蔽装置200を示す斜視図であって、図5Aは、光遮蔽装置200が光を遮断させる状態を示したものであり、図5Bは、光遮蔽装置200が光を通過させる状態を示したものである。図5A及び図5Bの光遮蔽装置200は、デジタルカメラのような撮像装置のための機械的光シャッター(mechanical optical shutter)として使われうるが、これは単に例示的なものである。本発明の光遮蔽装置は、下部電極を備え、好ましくは平坦なベース板と、当該ベース板上に設けられ、上部電極を備え、かつ当該ベース板の一部の領域である光透過領域を決定するために、一方向に中心からめくれあがるように構成されたロールアップブレードと、前記下部電極と上部電極とが電気的に連結された駆動部と、を含むものであって、当該駆動部の電圧を制御することにより、当該光透過領域を露出させたロールアップブレードの巻き上げ状態および当該光透過領域を被覆させた閉口状態(フラット状態)を自在に操作する。図5A及び図5Bの光遮蔽装置200では、扇状の複数枚のロールアップブレード220を周方向に整列することによって円形の形状を示しているが、この形状に限定されることはなく、多角形、略楕円型など種々の形状であってもよい。
【0056】
そして、図5A及び図5Bのの光遮蔽装置200は、複数枚のロールアップブレード220を含む。ロールアップブレード220の固定部は、ベース板210の円状の光透過領域210aの端部に沿って固定されている。また、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれの可動部は、当該円状の光透過領域210aの中心から放射状に延設されるようベース板210の光透過領域210aを面積分割して被覆されておりに、複数個のロールアップブレード220のそれぞれの固定端は、光透過領域210aの周りに固定されている。図5A及び図5Bに示されたように、各ロールアップブレードは、実質的に楔状(wedge−shaped)であり、そして、ロールアップブレードは、円形に配列されているため、各楔状のブレードをロールアップされた状態では実質的に円形の開口(circular aperture)を提供することができる。または、ロールアップブレードは、同期化されて同時的に動作ができる限り、他の形状を有し、及び/または他の形状の開口を提供するように配列されてもよい。
【0057】
ロールアップブレードは、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される開口と、その下部に配されるイメージセンサー、ディスプレイまたは他の光学装置との間に特定の関連性を有するようにデザインされうる。ロールアップブレードが、図5A及び図5Bに示されたような配列を有する場合に、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される実質的な円形開口の直径L’は、
【0058】
【数1】
【0059】
と定義されうるが、ここで、rは、各ロールアップブレードによって形成される曲線の半径である。光遮蔽装置が、ディスプレイ装置の光シャッターとして使われる例では、実質的な円形開口の直径L’とディスプレイ領域の直径Lとの間の関係は、
【0060】
【数2】
【0061】
と定義されるか、または他の形態で
【0062】
【数3】
【0063】
と定義されうる。この例によれば、光遮蔽装置が、ディスプレイ装置の光シャッターとして使われる場合に、
【0064】
【数4】
【0065】
は0より大きく、0.8以下である。より具体的に、
【0066】
【数5】
【0067】
は0より大きく、0.55以下である。本発明の好ましい一実施形態よれば、
【0068】
【数6】
【0069】
は0.58であり得る。光遮蔽装置が、カメラのようなイメージ装置の光シャッターとして使われる場合に、開口の直径L’とその下部に配されている受光領域の直径Lとの間の比は、
【0070】
【数7】
【0071】
より具体的に、
【0072】
【数8】
【0073】
を満足することが好ましい。
【0074】
図5Cは、光シャッターによって提供される開口、光シャッターの下部に配されているレンズまたは他の光要素の大きさ、及びレンズまたは他の光要素の面とカバーガラスとの間の垂直距離間の関係を例示的に示すものである。図5Cには、各構成要素の寸法の一例が開示されている。図5Cにおける記号は、FOVは、視野角(Field Of View)、r_rollは、ロールアップ状態にあるロールアップブレードの半径、rosは、光シャッターの下部に配された光学システムの光ストップ(optical stop)の半径、R1は、カバーガラスに形成された開口の半径、R2は、ロールアップ状態のロールアップブレードによって形成される開口の半径、dは、カバーガラスと第1レンズまたは光要素の平面との距離、そして、αは、視野角(FOV)の角度を示す。これにより、
【0075】
【数9】
【0076】
図5Cを参照すると、第1レンズの半径が0.645mm、αが30°、dが0.88mmである場合に、R1は1.28mm、R2は1.058mm、そして、rrollは0.222mmであることが分かる。
【0077】
図1、図2A、及び図2Bの光遮蔽装置100は、図5A及び図5Bに示された光遮蔽装置200を構成する一つのロールアップブレードのみを拡大して示すものである。以下、前述した光遮蔽装置100との差異点を中心に光遮蔽装置200に関して説明する。
【0078】
図5A及び図5Bを参照すると、光遮蔽装置200は、光透過領域210aを有するベース板210を含む。光透過領域210aの形状は、円形であるか、または楕円形、正多角形などであり得る。ベース板210は、透明基板212及び透明基板212上に形成されている下部電極214を含む。
【0079】
そして、光遮蔽装置200は、複数個のロールアップブレード220を含む。複数個のロールアップブレード220のそれぞれは、図5Bに示されたようなロールアップされた状態で外周面222aが反射防止面を有する。そのために、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれは、光黒体層222を含む反射防止構造を有しうる。そして、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれは、図5Aに示されたようなフラット状態では上面224aが反射面を形成することもできる。
【0080】
複数枚のロールアップアクチュエータ220のそれぞれの固定端は、光透過領域210aの外側周りに円形、楕円形または正多角形を形成するようにベース板210上に固定されている。そして、複数枚のロールアップブレード220が駆動されて、それぞれの可動部が開かれた場合に、それぞれの可動部は、光透過領域210aの中心から放射状に外方に延設される形状(例えば、光透過領域210aの中心でそれぞれのロールアップブレード220が所定の大きさの中心角を有する扇状または所定の大きさの頂角を有する三角形状など)に光透過領域210aを面積分割して覆うことができる。この場合に、隣接したロールアップブレード220の間、少なくとも隣接したロールアップブレード220の少なくとも可動部の間には、所定の間隙が形成されている。また、隣接したロールアップアクチュエータ220の間に機械的なカップルリングがなされるように、固定端に隣接した可動部の一部は、間隙なしに互いに一体になることもある。
【0081】
また、光遮蔽装置200は、ベース板210と複数枚のロールアップブレード220と電気的に接続されて、複数枚のロールアップブレード220のそれぞれの可動部が中心方向に伸延するように(フラット状態になるように)制御する駆動部230を含む。この際、駆動部230は、複数枚のロールアップブレード220が同時に中心方向に伸延するように駆動させるか、または個別的に中心方向に伸延するように駆動させることができる。また、駆動部230は、複数枚のロールアップブレード220が中心方向に伸延する程度を調節して、光透過領域210aが開放される程度を調節することもできる。
【0082】
このような構造の光遮蔽装置200は、駆動部230から駆動電圧が加えられなければ、図5Bに示されているように、それぞれのロールアップブレード220の可動部は、これを形成する光黒体層222(単層構造であるか、または3層以上の多層構造であり得る)と上部電極層224との間の残留応力差によって巻回されている状態になる。すなわち、それぞれのロールアップブレード220の可動部は、光透過領域210aの中心から外側方向にめくれあがってベース板210の光透過領域210aを露出させる。そして、ベース板210とロールアップブレード220との間に駆動電圧が加えられれば、それぞれのロールアップブレード220の可動部は中心方向に伸延するように光透過領域210aを覆い隠すので、光の通過を遮断することができる。
【0083】
図6は、光遮蔽装置を備える一実施形態による撮像装置の構成を概略的に示す断面図である。図6を参照すると、撮像装置Aは、光遮蔽装置310、レンズユニット320、及びイメージセンサー330を含む。
【0084】
光遮蔽装置310は、例えば、図5A及び図5Bに示されている光遮蔽装置200と同一であるか、または本明細書に例示的に記述される他の光遮蔽装置であり得るが、これに限定されるものではない。但し、図6では、光遮蔽装置310の駆動部に対する図示は省略したが、これは単に図示の便宜のためである。光遮蔽装置310の駆動部は、複数枚のロールアップブレード314がロールアップされた状態にあるか、または中心方向に伸延するようにロールアップブレード314の駆動を制御し、これを通じてイメージセンサー330に光が受信されるか、または受信される光を遮断することができる。また、光遮蔽装置310の駆動部は、ロールアップブレード314がロールアップされている時間及び/またはロールアップブレード314が中心方向に伸延する程度などを調節して、イメージセンサー330に受信される光量を調節することもできる。そして、ロールアップブレード314の外周面314aに、反射防止面を形成してもよい。
【0085】
光遮蔽装置310のベース板312上に、より具体的に、ロールアップブレード314が配されていないベース板312の周辺領域上には、ロールアップブレード314を保護するためのスぺーサフレーム316が配されている。または、スぺーサフレーム316の代りに、ベース板312の全体を覆い隠すことができる透明なカバー(図示せず)が、ベース板312上に設けられていることもある。また、光遮蔽装置310のベース板312には、光透過領域を通過した光の調節に使われるフィルター、レンズのような光学部品318がさらに備えられうる。
【0086】
レンズユニット320は、光遮蔽装置310、より具体的に、ベース板312の光透過領域を通過した光をイメージセンサー330で結像させる結像光学系である。レンズユニット320は、一つまたは複数のレンズで構成され、撮像装置Aの焦点距離を調節することができる手段を含むこともできる。図面に図示されていないが、光遮蔽装置310の上側にも、他のレンズユニットがさらに備えられうる。
【0087】
イメージセンサー330は、ベース板312の光透過領域を通過する光を受信してイメージを生成させる素子であって、多様な画素(pixel)を有しうる。イメージセンサー330の種類には特に制限はないが、例えば、CMOSイメージセンサー(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)image sensor)や電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)が挙げられる。そして、複数のロールアップブレード314が駆動されて開かれれば、光透過領域を通じて光が通過しないので、イメージセンサー330には光が受信されない。
【0088】
次いで、前述した光遮蔽装置を用いる反射透過兼用ディスプレイ装置について説明する。図7A、図7B、図8A、及び図8Bは、本発明の一実施形態による反射透過兼用ディスプレイ装置の構成を説明する断面図であって、図7A及び図7Bは、反射透過兼用ディスプレイ装置が反射モードで動作する場合であり、図8A及び図8Bは、反射透過兼用ディスプレイ装置が透過モードで動作する場合である。図7A、図7B、図8A、及び図8Bを参照すると、ディスプレイ装置Bは、光遮蔽装置410、バックライトユニット(BLU)420、及びカラーフィルター430を含む。光遮蔽装置410は、例えば、図1、図2A、及び図2Bに示されている光遮蔽装置100と同一であり得る。但し、図7A及び図7Bには、光遮蔽装置410の駆動部に対する図示は省略したが、これは単に図示の便宜のためである。そして、バックライトユニット420とカラーフィルター430の構成や種類などには特別な制限がない。
【0089】
図7A、図7B、図8A、及び図8Bに示された断面図は、ディスプレイ装置Bの単位ピクセルの構成を概略的に示すものであり得るが、これは、光遮蔽装置410がピクセル当たり一つずつ配されることを意味するが、必ずしもあらゆるピクセルに光遮蔽装置410が配されなければならないということを意味するものではない。ここで、‘単位ピクセル’とは、ディスプレイ面に対するものであるか、またはカラーフィルター430に対するものであり得る。前者の場合に、単位ピクセルのカラーフィルター430は、RGBをいずれも含むが、後者の場合に、単位ピクセルのカラーフィルター430は、RGBのうちから何れか一つのカラーのみを含みうる。
【0090】
図7A及び図7Bに示されたように、反射モードで動作する場合に、ディスプレイ装置Bは、外部から入射されて光遮蔽装置410で反射される光を光源として利用する。そのために、ディスプレイ装置Bの光遮蔽装置410は、上面414aが反射面を形成するロールアップブレード414を含みうる(図4参照)。反射モードで動作する場合には、バックライトユニット420はオフ状態になりうる。反射モードで、図7Aに示されたように、ロールアップブレード414が円滑な状態になれば、入射光の大部分が反射されて戻るので、当該ピクセルは明るくなる。一方、反射モードで、図7Bに示されたように、ロールアップブレード414がロールアップされた状態になれば、反射光がまたは少ないため、当該ピクセルは暗くなる。同時に、ロールアップブレード414が、反射防止面を形成する下面(例えば、外周面)を有すると、図7Bで示すようにロールアップブレード414がロールアップされた場合、当該ロールアップブレード414の外周面からで不要な反射光が生じてディスプレイの視認性が劣ることを防止することができる。
【0091】
図8A及び図8Bに示されたように、透過モードで動作する場合に、ディスプレイ装置Bは、バックライトユニット420から放射される光を光源として利用する。図8Aに示されたように、ロールアップブレード414がロールアップされた状態になれば、バックライトユニット420から放射される光の大部分が外部に放出される。この場合に、ロールアップブレード414の下面(例えば、外周面)が反射防止面で形成されていると、ロールアップされたロールアップブレード414で不要な反射光が生じてディスプレイの視認性が劣ることを防止することができる。そして、図8Bに示されたように、ロールアップブレード414が円滑な状態になれば、バックライトユニット420から放射される光は遮断されて、当該ピクセルは暗い状態になる。
【0092】
光遮蔽装置410の駆動部は、ロールアップブレード414がロールアップされた状態、または円滑な状態をとれるようににロールアップブレード414の状態を制御しうる。これにより、ディスプレイ装置Bは、透過モードである場合においては、単位ピクセルごとにバックライトユニット420から放射される光を通過もしくは遮断し、または、反射モードである場合においては、外部からの入射光を最大に反射、もしくはは反射が起こらないように調節することができる。そして、駆動部は、マトリックス状に配列されたピクセルに対応して配列されている多数のロールアップブレード414の駆動を個別的に制御することができる。
【0093】
また、光遮蔽装置410の駆動部は、ロールアップブレード414が、特定の状態(例えば、ロールアップ状態、または平滑な状態)をとるまでにかかる時間及び/またはロールアップブレード414の巻き上げや平滑の度合いを調節して、バックライトユニット420から放射される光量やロールアップブレード414の上面で反射される光量を調節することもできる。より具体的に、透過モードで、各ピクセルの明るさはロールアップブレード414がロールアップ状態にある時間に比例し、また、反射モードでは、各ピクセルの明るさはロールアップブレード414が円滑な状態にある時間に比例する。したがって、光遮蔽装置410の駆動部は、フレーム(所定の単位時間)当たりロールアップブレード414の可動部が円滑な状態にある平均時間を調節して、当該ピクセルの階調を表現することもできる。
【0094】
図9A及び図9Bは、それぞれディスプレイ装置Bが透過モードと反射モードとで動作する場合に、それぞれのピクセルのグレースケールを表現する方法の一例を説明するための図である。例えば、図9Aおよび図9Bにおいて、ピクセルの輝度Yを、下の長方形で示す。図9A(a)に示すピクセルの輝度Yaが最も高く、図9A(c)に示すピクセルの輝度Ycが最も低く、図9A(b)に示す輝度Ybが輝度Yaと輝度Ycとの中間である。また、図9Aにおいて、それぞれの長方形上のダイアグラムは、所定の間隔でピクセルに印加する駆動電圧Vdのパルス形状を示すものである。駆動電圧を印加したパルスP1の平均駆動時間が最も短いのは図9A(a)および図9B(c)の場合であり(平均駆動時間は0)、駆動電圧を印加したパルスP3の平均駆動時間が最も長いのは図9A(c)および図9B(a)の場合であり(平均駆動時間は0)、図9A(b)および図9B(b)のパルスP2の平均駆動時間は、P1とP3との中間である。図8A、図8B、および図9Aにおいて、本発明の反射―透過複合タイプディスプレイは、透過モードで稼働される。図9A(c)に示すように、駆動電圧を印加して対応するロールアップブレード414が平滑な状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も低くなる。一方、図9A(a)に示すように、駆動電圧を印加することなく対応するロールアップブレード414がロールアップ状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も高くなる。これにより、それぞれのピクセルの輝度は、平均時間に反比例する。例えば、図9Aを参照すると、ディスプレイ装置Bが、透過モードで動作する場合(図8A及び図8B参照)には、ピクセルの輝度は駆動電圧が加えられた平均時間((a)<(b)<(c))、すなわち、フレーム当たりロールアップブレード414が平滑な状態にある平均時間に反比例するということが分かる。そして、図7A、図7B、および図9Bにおいて、本発明の反射―透過複合タイプディスプレイは、反射モードで稼働される。図9A(c)に示すように、駆動電圧を印加することなく対応するロールアップブレード414がロールアップ状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も低くなる。一方、図9A(a)に示すように、駆動電圧を印加して対応するロールアップブレード414が円滑な状態を維持している場合、ピクセルの輝度が最も高くなる。反射モードで動作する場合、ディスプレイ装置Bが、、ピクセルの輝度は駆動電圧が加えられた平均時間((a)>(b)>(c))、すなわち、フレーム当たりロールアップブレード414が平滑な状態にある平均時間に比例するということが分かる。そして、図9A及び図9Bを参照すると、同じグレイスケールを表現するための駆動電圧信号が透過モードと反射モードとで互いに反対であるので、駆動部で印加される駆動電圧信号を単にインバーティング(inverting)することによって、ディスプレイ装置Bは、透過モードと反射モードとの間の転換が可能であるということが分かる。
【0095】
以上の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、この実施形態によって、本発明の技術思想が限定されると解してはならない。本発明の技術思想は、特許請求の範囲に記載の発明によってのみ特定されなければならない。したがって、本発明の技術思想を外れない範囲で前述した実施形態は、多様な形態で変形されて具現可能であるということは、当業者に自明である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、光遮蔽装置及びそれを備えた電子機器関連の技術分野に適用されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部電極を含むベース板と、
上部電極を含むロールアップブレードと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、フラット位置(flattened position)とロールアップ位置(rolled−up position)とをとれるように設けられ、
前記ロールアップブレードは、光学特性の異なる少なくとも2層を含むことを特徴とする光遮蔽装置。
【請求項2】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層(dielectric layer)と、を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを前記平滑な位置と前記ロールアップ位置との間で駆動して、前記光透過領域を通じて通過する光量を調節する、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項4】
前記少なくとも2層は、前記ロールアップ位置で前記ロールアップブレードの外周面を限定する反射防止面を有する1層を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項5】
前記反射防止面を有する1層は、光黒体層を含む、請求項4に記載の光遮蔽装置。
【請求項6】
前記光黒体層は、少なくとも2つの異種物質を含む多層構造を有する、請求項5に記載の光遮蔽装置。
【請求項7】
前記光黒体層は、少なくとも1の金つ属吸収層及び少なくとも1つの絶縁層を含む、請求項5に記載の光遮蔽装置。
【請求項8】
前記反射防止面は、可視光の反射度が20%以下である、請求項4に記載の光遮蔽装置。
【請求項9】
前記ロールアップブレードは、3層以上の多層構造を有する、請求項3に記載の光遮蔽装置。
【請求項10】
前記3層以上の多層構造は、金属吸収層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項11】
前記金属吸収層は、クロム(Cr)、もしくはモリブデン(Mo)で形成される、またはクロムとモリブデンとの組合わせで形成される、請求項10に記載の光遮蔽装置。
【請求項12】
前記3層以上の多層構造は、少なくとも2つの位相補償層及び前記少なくとも2つの位相補償層の間に置かれた光吸収層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項13】
前記3層以上の多層構造は、絶縁層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項14】
前記上部電極は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、及び不透明ポリマーのうちの少なくとも一つで形成される、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項15】
前記ロールアップブレードは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされる、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項16】
前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部の外周面は、反射防止表面(anti−reflection surface)を有する、請求項15に記載の光遮蔽装置。
【請求項17】
前記少なくとも2層は、反射面を含む層と反射防止面を含む層とを有し、
前記反射面を含む層は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面を含み、
前記反射防止面を含む層は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項18】
前記反射面を含む層は、前記上部電極上に配された光反射層である、請求項17に記載の光遮蔽装置。
【請求項19】
前記ベース板は、基板をさらに含み、
前記基板は、透明または半透明材で形成された、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項20】
前記基板は、ガラス、石英、プラスチック、及びシリカのうちの少なくとも一つで形成される、請求項19に記載の光遮蔽装置。
【請求項21】
前記下部電極は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、炭素ナノチューブ(CNT)、及び導電性ポリマーのうちの少なくとも一つで形成される、請求項19に記載の光遮蔽装置。
【請求項22】
イメージセンサーと、
前記イメージセンサーの上側に配されており、下部電極を含むベース板と、
それぞれ上部電極を含む複数のロールアップブレード(a plurality ofrollup blades)と、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ベース板の光透過領域は、前記イメージセンサーに対応して配されており、
前記複数のロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、円滑な位置とロールアップ位置とをとれるように設けられ、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、光学特性の異なる少なくとも2層を含む、撮像装置。
【請求項23】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含む、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項24】
前記駆動部は、前記複数のロールアップブレードを前記ロールアップ位置に駆動して、前記イメージセンサーに入射される光量を調節する請求項22に記載の撮像装置。
【請求項25】
前記少なくとも2層は、前記ロールアップ位置で前記ロールアップブレードの外周面を規定するする反射防止面を有する層を含む、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項26】
前記反射防止面を有する層は、光黒体層を含む、請求項25に記載の撮像装置。
【請求項27】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、2つの位相補償層と、前記2つの位相補償層の間に配置された光吸収層と、を含む請求項25に記載の撮像装置。
【請求項28】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされ、
前記複数のロールアップブレードは、円形状(circular shape)を有する前記光透過領域を面積分割して被覆する、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項29】
前記少なくとも2層は、反射面を有する層と反射防止面を有する層とを有し、
前記反射面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面であり、
前記反射防止面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面である、特徴とする請求項22に記載の撮像装置。
【請求項30】
前記反射面を含む層は、前記上部電極上に形成された光反射層であることを特徴とする請求項29に記載の撮像装置。
【請求項31】
バックライトユニットと、
下部電極を含み、前記バックライトユニットの上側に配されたベース板と、
上部電極を含むロールアップブレードと、
前記ロールアップブレードの上側に配されているカラーフィルターと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、円滑な位置とロールアップ位置とをとれるように設けられ、
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを駆動して、前記円滑な位置または前記ロールアップ位置に、前記ロールアップブレードを位置させることによって、前記光透過領域を通じて通過する光量を調節し、前記ロールアップブレードは、光学特性の異なる少なくとも2層を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項32】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含む請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項33】
前記少なくとも2層は、反射面を有する層と反射防止面を有する層とを有し、
前記反射面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面であり、
前記反射防止面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面である請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを透過モードと反射モードとで制御し、前記透過モードでは、前記ロールアップブレードがロールアップ状態にあり、前記反射モードでは、前記ロールアップブレードが開かれた状態にあるこ、請求項33に記載のディスプレイ装置。
【請求項35】
前記ロールアップブレードは、前記カラーフィルターの複数のピクセルのそれぞれに一対一で対応するように複数個が配列されており、
前記駆動部は、複数個のロールアップブレードを個別的に駆動させる、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項36】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置であれば、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされる、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項37】
前記駆動部は、フレーム当たり前記ロールアップブレードの可動部が開かれた位置にある平均時間を調節して、各ピクセルの階調を調節する、請求項36に記載のディスプレイ装置。
【請求項38】
下部電極を含むベース板と、
前記ベース板上にアレイ状に配されており、相異なる光特性を有する上部電極と光黒体層とを含む複数のロールアップブレードと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記駆動部は、前記複数のロールアップブレードのそれぞれがロールアップ位置から開かれた位置に動くように、前記下部電極と前記上部電極とに駆動力を加え、
前記円滑な状態で前記複数のロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆することを特徴とする光遮蔽装置。
【請求項39】
下部電極を含むベース板と、
前記ベース板上にアレイ状に配されている複数のロールアップブレードと、を含み、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、第1物質で形成された上部電極、第2物質で形成された第1位相補償層、前記第1物質で形成された光吸収層、及び前記第2物質で形成された第2位相補償層を含み、
前記第1物質と前記第2物質とは、相異なる光特性を有し、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、ロールアップ位置及び円滑な位置をとれるように設けられ、
前記複数のロールアップブレードがロールアップ位置にあれば、ロールアップ位置にある前記複数のロールアップブレードの間に開口が形成されることを特徴とする光遮蔽装置。
【請求項1】
下部電極を含むベース板と、
上部電極を含むロールアップブレードと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、フラット位置(flattened position)とロールアップ位置(rolled−up position)とをとれるように設けられ、
前記ロールアップブレードは、光学特性の異なる少なくとも2層を含むことを特徴とする光遮蔽装置。
【請求項2】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層(dielectric layer)と、を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを前記平滑な位置と前記ロールアップ位置との間で駆動して、前記光透過領域を通じて通過する光量を調節する、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項4】
前記少なくとも2層は、前記ロールアップ位置で前記ロールアップブレードの外周面を限定する反射防止面を有する1層を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項5】
前記反射防止面を有する1層は、光黒体層を含む、請求項4に記載の光遮蔽装置。
【請求項6】
前記光黒体層は、少なくとも2つの異種物質を含む多層構造を有する、請求項5に記載の光遮蔽装置。
【請求項7】
前記光黒体層は、少なくとも1の金つ属吸収層及び少なくとも1つの絶縁層を含む、請求項5に記載の光遮蔽装置。
【請求項8】
前記反射防止面は、可視光の反射度が20%以下である、請求項4に記載の光遮蔽装置。
【請求項9】
前記ロールアップブレードは、3層以上の多層構造を有する、請求項3に記載の光遮蔽装置。
【請求項10】
前記3層以上の多層構造は、金属吸収層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項11】
前記金属吸収層は、クロム(Cr)、もしくはモリブデン(Mo)で形成される、またはクロムとモリブデンとの組合わせで形成される、請求項10に記載の光遮蔽装置。
【請求項12】
前記3層以上の多層構造は、少なくとも2つの位相補償層及び前記少なくとも2つの位相補償層の間に置かれた光吸収層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項13】
前記3層以上の多層構造は、絶縁層を含む、請求項9に記載の光遮蔽装置。
【請求項14】
前記上部電極は、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、及び不透明ポリマーのうちの少なくとも一つで形成される、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項15】
前記ロールアップブレードは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされる、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項16】
前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部の外周面は、反射防止表面(anti−reflection surface)を有する、請求項15に記載の光遮蔽装置。
【請求項17】
前記少なくとも2層は、反射面を含む層と反射防止面を含む層とを有し、
前記反射面を含む層は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面を含み、
前記反射防止面を含む層は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面を含む、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項18】
前記反射面を含む層は、前記上部電極上に配された光反射層である、請求項17に記載の光遮蔽装置。
【請求項19】
前記ベース板は、基板をさらに含み、
前記基板は、透明または半透明材で形成された、請求項1に記載の光遮蔽装置。
【請求項20】
前記基板は、ガラス、石英、プラスチック、及びシリカのうちの少なくとも一つで形成される、請求項19に記載の光遮蔽装置。
【請求項21】
前記下部電極は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、炭素ナノチューブ(CNT)、及び導電性ポリマーのうちの少なくとも一つで形成される、請求項19に記載の光遮蔽装置。
【請求項22】
イメージセンサーと、
前記イメージセンサーの上側に配されており、下部電極を含むベース板と、
それぞれ上部電極を含む複数のロールアップブレード(a plurality ofrollup blades)と、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ベース板の光透過領域は、前記イメージセンサーに対応して配されており、
前記複数のロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、円滑な位置とロールアップ位置とをとれるように設けられ、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、光学特性の異なる少なくとも2層を含む、撮像装置。
【請求項23】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含む、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項24】
前記駆動部は、前記複数のロールアップブレードを前記ロールアップ位置に駆動して、前記イメージセンサーに入射される光量を調節する請求項22に記載の撮像装置。
【請求項25】
前記少なくとも2層は、前記ロールアップ位置で前記ロールアップブレードの外周面を規定するする反射防止面を有する層を含む、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項26】
前記反射防止面を有する層は、光黒体層を含む、請求項25に記載の撮像装置。
【請求項27】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、2つの位相補償層と、前記2つの位相補償層の間に配置された光吸収層と、を含む請求項25に記載の撮像装置。
【請求項28】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされ、
前記複数のロールアップブレードは、円形状(circular shape)を有する前記光透過領域を面積分割して被覆する、請求項22に記載の撮像装置。
【請求項29】
前記少なくとも2層は、反射面を有する層と反射防止面を有する層とを有し、
前記反射面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面であり、
前記反射防止面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面である、特徴とする請求項22に記載の撮像装置。
【請求項30】
前記反射面を含む層は、前記上部電極上に形成された光反射層であることを特徴とする請求項29に記載の撮像装置。
【請求項31】
バックライトユニットと、
下部電極を含み、前記バックライトユニットの上側に配されたベース板と、
上部電極を含むロールアップブレードと、
前記ロールアップブレードの上側に配されているカラーフィルターと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記ロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆し、円滑な位置とロールアップ位置とをとれるように設けられ、
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを駆動して、前記円滑な位置または前記ロールアップ位置に、前記ロールアップブレードを位置させることによって、前記光透過領域を通じて通過する光量を調節し、前記ロールアップブレードは、光学特性の異なる少なくとも2層を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項32】
前記ロールアップブレードの少なくとも2層は、少なくとも1つの金属吸収層と、少なくとも1つの絶縁層と、を含む請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項33】
前記少なくとも2層は、反射面を有する層と反射防止面を有する層とを有し、
前記反射面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの内周面であり、
前記反射防止面は、前記ロールアップブレードがロールアップ位置である場合に、前記ロールアップブレードの外周面である請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
前記駆動部は、前記ロールアップブレードを透過モードと反射モードとで制御し、前記透過モードでは、前記ロールアップブレードがロールアップ状態にあり、前記反射モードでは、前記ロールアップブレードが開かれた状態にあるこ、請求項33に記載のディスプレイ装置。
【請求項35】
前記ロールアップブレードは、前記カラーフィルターの複数のピクセルのそれぞれに一対一で対応するように複数個が配列されており、
前記駆動部は、複数個のロールアップブレードを個別的に駆動させる、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項36】
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、固定部と可動部とを備え、
前記固定部は、前記光透過領域の外側の前記ベース板に固定され、前記ロールアップブレードがロールアップ位置であれば、前記可動部は、前記固定部側にロールアップされる、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項37】
前記駆動部は、フレーム当たり前記ロールアップブレードの可動部が開かれた位置にある平均時間を調節して、各ピクセルの階調を調節する、請求項36に記載のディスプレイ装置。
【請求項38】
下部電極を含むベース板と、
前記ベース板上にアレイ状に配されており、相異なる光特性を有する上部電極と光黒体層とを含む複数のロールアップブレードと、
前記下部電極と前記上部電極とを電気的に連結されている駆動部と、を含み、
前記駆動部は、前記複数のロールアップブレードのそれぞれがロールアップ位置から開かれた位置に動くように、前記下部電極と前記上部電極とに駆動力を加え、
前記円滑な状態で前記複数のロールアップブレードは、前記ベース板の光透過領域を被覆することを特徴とする光遮蔽装置。
【請求項39】
下部電極を含むベース板と、
前記ベース板上にアレイ状に配されている複数のロールアップブレードと、を含み、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、第1物質で形成された上部電極、第2物質で形成された第1位相補償層、前記第1物質で形成された光吸収層、及び前記第2物質で形成された第2位相補償層を含み、
前記第1物質と前記第2物質とは、相異なる光特性を有し、
前記複数のロールアップブレードのそれぞれは、ロールアップ位置及び円滑な位置をとれるように設けられ、
前記複数のロールアップブレードがロールアップ位置にあれば、ロールアップ位置にある前記複数のロールアップブレードの間に開口が形成されることを特徴とする光遮蔽装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2012−133362(P2012−133362A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276106(P2011−276106)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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