説明

光量調節システム及び光学機器

【課題】光量調節ユニットの位置や駆動方向によらず、光量調節ユニットを安定的にかつ精度良く制御できる光量調節システムを提供する。
【解決手段】光量調節システムは、光を通過させる開口の大きさを変化させる光量調節ユニット202と、該光量調節ユニットを駆動するアクチュエータ230と、光量調節ユニットの開口状態を検出する検出手段213と、光量調節ユニットの目標開口状態と検出手段による検出開口状態との偏差に応じた信号を生成する偏差信号生成手段217と、該偏差に応じた信号にオフセットを与えてアクチュエータを動作させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段203〜207と、駆動信号に対してローパスフィルタ処理を行うフィルタ手段216とを有する。フィルタ手段からの出力がオフセットとして用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラや交換レンズ等の光学機器に搭載される光量調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学機器に搭載される絞り(光量調節装置又は光量調節ユニット)の制御方式には、例えば図4に示す位置サーボ制御方式がある。
【0003】
図4において、401は絞り制御回路であり、402は絞りユニットである。絞り制御回路401に目標位置を与えると、絞りユニット402の実際の位置(絞り位置)との差である偏差が求められる。該偏差を示す信号は、LPF(Low Path Filter)403、HPF(High Path Filter)404及びゲイン回路405により位相やゲインが調整される。これにより、絞りユニット402に合った特性に調整された制御信号が生成される。
【0004】
制御信号には適当なオフセット(OFFSET)が加算され、加算後の値に対してリミッタ406により最大値と最小値の制限が加えられる。そして、制限後の制御信号はPWM回路407によってPWM(Pulse Width Modulation)信号に置き換えられる。PWM信号は、ドライバ408に送られる。
【0005】
ドライバ408は、PWM信号に応じて絞りユニット402を駆動する絞りモータのコイル409に電流を流す。コイル409に電流が流れると、電磁誘導によって磁石410が動き、その動力によって絞り羽根駆動リング411が回動して不図示の複数の絞り羽根が開閉動作する。
【0006】
磁石410の移動に伴う磁界の変化は、ホール素子412からの電気信号の変化として現れるため、該電気信号の変化から絞り位置を検知できる。該電気信号は、ゲイン回路413によって適切な値に増幅され、絞り位置信号として用いられる。該絞り位置信号は再び目標位置との差を示す偏差信号を生み出すのに使用される。この一連の繰り返しによって、絞りユニット402は次第に偏差が小さくなる方向に動作し、最終的には目標位置に対応した絞り位置に制御される。
【0007】
絞りユニット402内では、絞り羽根駆動リング411を絞り羽根が閉じる方向に付勢するためのバネ409の付勢力が、磁石410や駆動リング411の駆動機構を介して駆動リング411に作用している。
【0008】
バネ409は、駆動リング411に一定方向の力を付与することで負荷成分として働く。これにより、コイル409と磁石410によるトルクと力の均衡を取り易くし、外乱の影響を少なくすることができる。また、電源OFF状態での絞りの位置が不用意に変化しないようにするためや不必要な光が入射しないように光を遮断する役割をも担っている。
【0009】
ここで、絞りを動かすのに必要なトルクを考える。トルクTは、磁石410とコイル409に流れる電流iに比例して発生するので、トルク係数をKとすると、
T=Ki
となる。
【0010】
一方、このトルクTは、回転体の回りにくさの程度を表す慣性モーメントと摩擦などの粘性抵抗による力とバネ409による力の合力と平衡する。
【0011】
絞り位置(絞りモータの回転角)をθとすると、慣性力、粘性抵抗及びバネ409の付勢力はそれぞれ、時間の2回微分値、1回微分値及び0回微分値に比例する。
【0012】
慣性モーメント及び粘性抵抗係数をそれぞれJ,Dとし、バネ係数をkとし、絞りの開方向を正の方向とすると、開方向のトルクToと閉じ方向のトルクTcはそれぞれ、
【0013】
【数1】

【0014】
で表される。
【0015】
このように、バネ409の力による負荷は、絞りの駆動方向によって向きが変わる。また、絞り位置θに比例して大きさが変化する。実際の絞りでは、絞りの形状などによって、バネ以外の抵抗成分にも絞り位置や駆動方向によって変わる項が存在する。
【0016】
特許文献1には、絞りモータの逆起電力を負帰還して該モータの駆動電力を生成する場合に、負帰還利得をモータの回転方向に応じて変更する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平7−162741号公報(段落0032、図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述したように、絞りの位置や駆動方向によって、絞り制御に必要な駆動力、つまりは制御特性が変化する。また、温度変化や経時変化によって絞りを構成する部材に変化が生じることで、制御特性も変化する。
【0018】
しかしながら、従来はこれらの変化に対応した制御が行われておらず、絞りの制御が不安定になったり、制御精度が低下したりしていた。
【0019】
従来の目標位置と検出位置との偏差を用いた制御信号の生成手法では、バネにより閉方向に付勢されているため、開方向への応答速度の遅れが生じていた。さらに、絞り位置に依存する力の影響により、絞り位置によっては絞りが目標位置に到達しない、いわゆる定常偏差が生じてしまうことがあった。
【0020】
本発明は、光量調節ユニットの位置や駆動方向によらず、光量調節ユニットを安定的にかつ精度良く制御できるようにした光量調節システムを提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一側面としての光量調節システムは、光を通過させる開口の大きさを変化させる光量調節ユニットと、該光量調節ユニットを駆動するアクチュエータと、光量調節ユニットの開口状態を検出する検出手段と、光量調節ユニットの目標開口状態と検出手段による検出開口状態との偏差に応じた信号を生成する偏差信号生成手段と、該偏差に応じた信号にオフセットを与えてアクチュエータを動作させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、駆動信号に対してローパスフィルタ処理を行うフィルタ手段とを有する。そして、フィルタ手段からの出力をオフセットとして用いることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の側面としての光量調節システムは、光を通過させる開口の大きさを変化させる光量調節ユニットと、該光量調節ユニットを駆動するアクチュエータと、光量調節ユニットの開口状態を検出する検出手段と、光量調節ユニットの目標開口状態と検出手段による検出開口状態との偏差に応じた信号を生成する偏差信号生成手段と、該偏差に応じた信号にオフセットを与えてアクチュエータを動作させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを有する。そして、さらに該偏差の方向を判別し、該判別した偏差方向に応じてオフセットを変更するオフセット設定手段を有することを特徴とする。
【0023】
なお、上記光量調節システムを有する光学機器も本発明の他の側面を構成する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、駆動信号に対して該駆動信号のローパスフィルタ処理の結果をオフセットとして与える(加算する)ことで、光量調節ユニットの開口状態(位置)に依存する力が定常偏差として残ることを抑制することができる。つまり、光量調節ユニットの位置に依存する力を補正することができる。また、光量調節ユニットの位置の検出結果に対応した値をオフセットとして使用するのではなく、駆動信号のローパスフィルタ処理の結果をオフセットとして使用するので、温度変化や経時変化が生じても良好な制御精度を維持できる。
【0025】
また、本発明によれば、光量調節ユニットの目標位置に対する偏差の方向(つまりは駆動方向)によってオフセットを変更するので、駆動方向に依存する力を補正することができる。これにより、駆動方向によって速度が変化するという問題を、サーボ内の処理によって解決することができる。
【0026】
そして、これらの発明によれば、光量調節ユニットの開口状態や駆動方向によらず、光量調節ユニットを安定的にかつ精度良く制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0028】
図1には、本発明の実施例であるビデオカメラ(光学機器)の構成を示している。なお、本実施例では、ビデオカメラについて説明するが、本発明は、デジタルスチルカメラや交換レンズ等の他の光学機器にも適用することができる。
【0029】
図1において、101は第1固定レンズ、102は光軸方向に移動して変倍を行う変倍レンズ、202は光量調節ユニットとしての絞りユニットである。また、104は第2固定レンズ、105は変倍に伴う焦点面の移動を補正する機能とフォーカシングの機能とを兼ね備えたフォーカスコンペンセータレンズ(以下、フォーカスレンズという)である。第1固定レンズ101、変倍レンズ102、絞りユニット202、第2固定レンズ104及びフォーカスレンズ105により撮像光学系が構成される。
【0030】
106は、CCDセンサやCMOSセンサにより構成される光電変換素子としての撮像素子である。107は撮像素子106の出力をサンプリングし、ゲイン調整するCDS/AGC回路である。
【0031】
108はカメラ信号処理回路であり、CDS/AGC回路107からの出力信号に対して各種の画像処理を施し、映像信号を生成する。109はLCD等により構成されるモニタであり、カメラ信号処理回路108からの映像信号を表示する。113は記録部であり、カメラ信号処理回路108からの映像信号を磁気テープ、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0032】
110は変倍レンズ102を移動させるためのズームモータである。111はフォーカスレンズ105を移動させるためのフォーカシングモータである。また、230は絞りユニット202を駆動する絞りモータである。該絞りモータ230は、絞り制御回路201からの信号を受けて動作する。
【0033】
ズームモータ110、フォーカシングモータ111及び絞りモータ230は、ステッピングモータ、DCモータ、振動型モータ及びボイスコイルモータ等のアクチュエータにより構成することができる。
【0034】
112はCDS/AGC回路107からの全画素の出力信号のうち焦点検出に用いられる領域の信号のみを通すAFゲートである。
【0035】
114は第1の検出手段としてのAF信号処理回路である。AF信号処理回路114は、AFゲート112を通過した信号から高周波成分や該高周波信号から生成した輝度差成分(AFゲート112を通過した信号の輝度レベルの最大値と最小値の差分)等を抽出して第1の情報としてのAF評価値信号を生成する。AF評価値信号は、カメラ/AFマイクロコンピュータ115に出力される。AF評価値信号は、撮像素子106からの出力信号に基づいて生成される映像の鮮鋭度(コントラスト状態)を表すものであるが、鮮鋭度は撮像光学系の焦点状態によって変化するので、結果的に撮像光学系の焦点状態を表す信号となる。
【0036】
カメラ/AFマイクロコンピュータ(以下、単にマイクロコンピュータという)115は、ビデオカメラ全体の動作の制御を司るとともに、AF評価値信号に基づいてフォーカシングモータ111を制御することでフォーカス制御を行う。
【0037】
図2には、本実施例における位置サーボ制御による絞りシステム(光量調節システム)の構成を示している。201及び202はそれぞれ図1にも示した絞り制御回路及び絞りユニットである。絞りユニット202は、不図示の複数の遮光部材を開閉方向に移動させることで、光を通過させる開口(絞り開口)の大きさを変化させて光量を調節する。
【0038】
絞り制御回路201に目標位置を与えると、偏差信号生成部217により絞りユニット202の実際の位置との差である偏差が求められる。絞りユニット202の位置(以下、単に絞り位置という)とは、絞りモータ230の回転角若しくは不図示の絞り羽根の開閉位置を意味し、絞りユニット202の開口状態に対応する。
【0039】
そして、該偏差を示す信号は、LPF(Low Path Filter)203、HPF(High Path Filter)204及びゲイン回路205により位相やゲインが調整される。これにより、絞りユニット202に合った特性に調整された制御信号が生成される。
【0040】
偏差に応じた信号である制御信号には後述するオフセット(OFFSET)が加算され、加算後の値に対してリミッタ206により最大値と最小値の制限が加えられる。そして、制限後の制御信号はPWM回路207によって、駆動信号としてのPWM(Pulse Width Modulation)信号に置き換えられる。PWM信号は、ドライバ208に送られる。なお、LPF203〜PWM回路207までの回路は、駆動信号生成手段を構成する。
【0041】
ドライバ208は、PWM信号に応じて絞りユニット202を駆動する絞りモータ230のコイル209に電流を流す。コイル209に電流が流れると、電磁誘導によって磁石211が動き、その動力によって絞り羽根駆動リング212が回動して不図示の複数の絞り羽根が開閉動作する。
【0042】
磁石211の移動に伴う磁界の変化は、検出手段としてのホール素子213からの電気信号の変化として現れるため、該電気信号の変化から絞り位置を検知できる。該電気信号は、ゲイン回路214によって適切な値に増幅され、絞り位置信号として用いられる。該絞り位置信号は再び目標位置との差を示す偏差信号を生成するのに用いられる。この一連の繰り返しによって、絞りユニット202は次第に偏差が小さくなる方向に動作し、最終的には目標位置に対応した絞り位置に制御される。
【0043】
絞りユニット202内では、絞り羽根駆動リング212を絞り羽根が閉じる方向に付勢するための付勢部材であるバネ209の付勢力が、磁石211及び駆動リング212の駆動機構を介して駆動リング212に作用している。
【0044】
ここで、一般的にビデオカメラで使用される絞りの制御処理は、AF、防振(像振れ補正)及びズーム制御等の処理に比べて遅い。また、人間の目に余り急激な輝度変化を与えないように、目標位置の変化も緩やかで、絞りは連続的に一定方向に動作する場合が多い。このため、PWM信号に対してLPF処理を施した信号は、絞り位置にほぼ比例する信号として用いることができる。
【0045】
本実施例では、PWM信号を、LPF216に入力して遅れ信号を生成し、その遅れ信号を制御信号に加算するオフセットとして使用する。これにより、絞り位置に依存する力を打ち消すことができ、絞り位置に依存する力が定常偏差を生じさせる力として残ることを抑制することができる。
【0046】
また、絞り位置をホール素子213の出力やコイル209に流している電流に基づいて検知し、その絞り位置に対して調整された値を絞り位置毎にオフセット値として記憶させるなどの処理も考えられる。しかし、このような処理では、絞りユニット202の経時変化や温度変化によって、記憶しておいたオフセット値が不適切なものとなってしまい、制御精度を低下させる。
【0047】
これに対し、本実施例では、動的に変化する制御信号のLPF処理結果をオフセットとして用いるため、経時変化や温度変化にも動的に対応することができる。
【0048】
以上のことから、本実施例によれば、絞り位置にかかわらず、安定した良好な精度で絞りユニット202を制御することができる。
【実施例2】
【0049】
図3には、本発明の実施例2である絞りシステムの構成を示す。この絞りシステムも、実施例1(図1)で説明したビデオカメラ等に搭載される。
【0050】
301は絞り制御回路であり、202は実施例1と同じ絞りユニットである。
【0051】
絞り制御回路301に目標位置を与えると、偏差信号生成部317により絞りユニット202の実際の位置(絞り位置)との差である偏差が求められる。
【0052】
そして、該偏差を示す信号は、LPF(Low Path Filter)303、HPF(High Path Filter)304及びゲイン回路305により位相やゲインが調整される。これにより、絞りユニット302に合った特性に調整された制御信号が生成される。
【0053】
偏差に応じた信号制御信号には後述するオフセット(OFFSET)が加算され、加算後の値に対してリミッタ306により最大値と最小値の制限が加えられる。そして、制限後の制御信号はPWM回路307によってPWM(Pulse Width Modulation)信号に置き換えられる。PWM信号は、ドライバ308に送られる。
【0054】
ドライバ308は、PWM信号に応じて絞りユニット202を駆動する絞りモータ230のコイル209に電流を流す。コイル209に電流が流れると、電磁誘導によって磁石211が動き、その動力によって絞り羽根駆動リング212が回動して不図示の複数の絞り羽根が開閉動作する。
【0055】
磁石211の移動に伴う磁界の変化は、ホール素子213からの電気信号の変化として現れるため、該電気信号の変化から絞り位置を検知できる。該電気信号は、ゲイン回路214によって適切な値に増幅され、絞り位置信号として用いられる。該絞り位置信号は再び目標位置との差を示す偏差信号を生成するのに用いられる。この一連の繰り返しによって、絞りユニット202は次第に偏差が小さくなる方向に動作し、最終的には目標位置に対応した絞り位置に制御される。
【0056】
絞りユニット202内では、絞り羽根駆動リング212を絞り羽根が閉じる方向に付勢するためのバネ209の付勢力が、磁石211及び駆動リング212の駆動機構を介して駆動リング212に作用している。
【0057】
ここで、背景技術の欄でも説明したように、絞りの駆動方向によって絞りユニット202を動作させるのに必要なトルクが異なる。すなわち、絞り位置(絞りモータ230の回転角)をθとし、開方向のトルクをTo、閉方向のトルクをTcとすると、
【0058】
【数2】

【0059】
となる。
【0060】
本実施例では、偏差の方向、すなわち偏差信号の符号(正負)を検出する制御方向判別部315を設けている。偏差信号が負の場合は絞りユニット202の駆動方向(制御方向)は開方向となり、偏差信号が正の場合は絞りユニット202の駆動方向は閉方向となる。そして、オフセット設定手段である制御方向判別部315は、制御方向が開方向である場合には、制御信号に特定のオフセットを加算し、閉方向である場合には制御信号から特定のオフセットを減算する(つまりは負のオフセットを与える)。これにより、絞りユニット202の駆動方向に依存する力を補正することができる。この処理により、絞りユニット202の制御方向によって動作速度が変化してしまう問題を、サーボ内の処理によって解消することができる。
【0061】
なお、上述した各実施例において、絞り制御回路の動作は、マイクロコンピュータによるコンピュータプログラムに従ったデジタル演算処理により行われてもよい。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこの実施例に限定されなず、請求項の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例1であるビデオカメラの構成を示すブロック図。
【図2】実施例1における絞りシステムの構成及び動作を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例2である絞りシステムの構成及び動作を示すブロック図。
【図4】従来の絞りシステムの構成及び動作を示すブロック図。
【符号の説明】
【0064】
201,301 絞り制御回路
202,302 絞りユニット
203,303,216 LPF
204,304 HPF
205,305 ゲイン回路
206,306 リミッタ
207,307 PWM回路
208,308 ドライバ
230 絞りモータ
209 コイル
210 バネ
211 磁石
213 ホール素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を通過させる開口の大きさを変化させる光量調節ユニットと、
該光量調節ユニットを駆動するアクチュエータと、
前記光量調節ユニットの開口状態を検出する検出手段と、
前記光量調節ユニットの目標開口状態と前記検出手段による検出開口状態との偏差に応じた信号を生成する偏差信号生成手段と、
前記偏差に応じた信号にオフセットを与えて前記アクチュエータを動作させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記駆動信号に対してローパスフィルタ処理を行うフィルタ手段とを有し、
前記フィルタ手段からの出力を前記オフセットとして用いることを特徴とする光量調節システム。
【請求項2】
前記光量調節ユニットは、遮光部材と、該遮光部材を前記開口の開方向及び閉方向のうち一方に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の光量調節システム。
【請求項3】
光を通過させる開口の大きさを変化させる光量調節ユニットと、
該光量調節ユニットを駆動するアクチュエータと、
前記光量調節ユニットの開口状態を検出する検出手段と、
前記光量調節ユニットの目標開口状態と前記検出手段による検出開口状態との偏差に応じた信号を生成する偏差信号生成手段と、
前記偏差に応じた信号にオフセットを与えて前記アクチュエータを動作させるための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記偏差の方向を判別し、該判別した偏差方向に応じて前記オフセットを変更するオフセット設定手段とを有することを特徴とする光量調節システム。
【請求項4】
前記光量調節ユニットは、遮光部材と、該遮光部材を前記開口の開方向及び閉方向のうち一方に付勢する付勢部材とを有し、
前記オフセット設定手段は、前記偏差方向と前記付勢部材による前記遮光部材の付勢方向との関係に応じて前記オフセットの正負を変更することを特徴とする請求項3に記載の光量調節システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の光量調節システムを有することを特徴とする光学機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−83343(P2008−83343A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262564(P2006−262564)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】