説明

光電スイッチ

【課題】受光信号の処理に関する値を容易かつ正確に認識することができる光電スイッチを提供することである。
【解決手段】光電スイッチ1のケーシングの前面部14に投受光部20が設けられ、背面部13に表示部30および調整スイッチ50が設けられる。ケーシング10の一方の端面部11に選択/決定/設定スイッチ40および表示灯60が設けられる。ケーシングの背面部13と他方の端面部12との間の角部に出力ケーブル70が接続される。選択/決定/設定スイッチ40は、表示部30に表示させる情報の種類を選択する選択操作、設定値の決定操作および設定値の設定操作に用いられる。調整スイッチ50は、表示部30に表示された情報の値を調整するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場の生産ライン等で物体の有無を検出するために光電スイッチが用いられている。光電スイッチは、物体の検出領域に光を投射し、物体からの帰還光を受光することにより、物体の有無を判定するものである。
【0003】
このような光電スイッチの1つとして、三角測量の原理を応用した三角測距方式の光電スイッチが開発されている。三角測距方式の光電スイッチは距離設定型光電スイッチと呼ばれている。
【0004】
図19は従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【0005】
図19において、光電スイッチ800は、発光ダイオード801、投光レンズ802、受光レンズ803およびPSD(光位置検出素子)804を備える。発光ダイオード801から出射された光は、投光レンズ802を通して検出対象物900に照射される。検出対象物900からの反射光は、受光レンズ803を通してPSD804の受光面上に光スポットとして受光される。
【0006】
PSD804の受光面上での光スポットの位置は、光電スイッチ800と検出対象物900との間の距離により変化する。検出対象物900が光電スイッチ800に近づくと、光スポットはPSD804の受光面の一端部e1側に形成され、検出対象物900が光電スイッチ800から離れると、光スポットはPSD804の受光面上の他端部e2側に形成される。
【0007】
PSD804は、受光面上での光スポットの位置に応じた2つの受光信号N,Fを出力する。一方の受光信号NはPSD804の受光面の一端部e1から光スポットまでの距離に比例したレベル(電流値)を有し、他方の受光信号Fは受光面の他端部e2から光スポットまでの距離に比例したレベル(電流値)を有する。したがって、2つの受光信号N,Fを用いて光電スイッチ800から検出対象物900までの距離を検出することができる。
【0008】
発光ダイオード801からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光がPSD804の受光面上に入射可能な範囲が検出領域となる。検出領域内に予め設定位置STが設定され、設定位置STに対して光電スイッチ800に近い側が検出可能範囲となり、設定位置STに対して光電スイッチ800から離れた側が非検出範囲となる。光電スイッチ800は、検出可能範囲からの反射光をPSD804が受光した場合に検出対象物900が存在すると判定する。
【0009】
図20はPSD804から出力される受光信号N,Fを用いた判定処理を説明するための図である。受光信号Nと受光信号Fとの差(N−F)が検出領域内での検出対象物900の位置に対応する。実際の処理では、受光信号の差(N−F)を全受光量に相当する(N+F)で除算することにより正規化を行い、位置信号{(N−F)/(N+F)}を得る。
【0010】
図20(a)に示すように、位置信号のレベルが予め設定されたしきい値THよりも高い場合に検出可能範囲内に検出対象物900が存在すると判定し、図20(b)に示すように、位置信号のレベルがしきい値THよりも低い場合に検出可能範囲内に検出対象物900が存在しないと判定する。このしきい値THを調整することにより検出領域内の設定位置STを移動させることができる。
【0011】
図21は従来の光電スイッチにおけるしきい値の設定方法を説明するための模式図である。光電スイッチ800には、しきい値調整用のトリマスイッチ810、検出結果を表示する検出表示灯811および検出の安定性を示す安定性表示灯812が設けられている。
【0012】
まず、図21(a)に示すように、検出対象物900を光電スイッチ800の前方の所定の位置に配置し、検出表示灯811が点灯するまでトリマスイッチ810を右に回す。
【0013】
次に、図21(b)に示すように、検出対象物900を取り除き、背景物体901に光が投射される状態で検出表示灯811が点灯するまでトリマスイッチ810をさらに右に回す。背景物体901がない場合には、トリマスイッチ810を最大位置に設定する。
【0014】
さらに、図21(c)に示すように、トリマスイッチ810を左に戻し、図21(a)の位置と図21(b)の位置との中間位置に設定する。それにより、検出対象物900の位置と背景物体901の位置との中間に設定位置STが設定される。
【0015】
この状態で、検出対象物900が存在する場合に検出表示灯811および安定性表示灯812が点灯し、検出対象物900が存在しない場合に検出表示灯811が消灯し、安定性表示灯812が点灯することを確認する。安定性表示灯812が点灯しない場合には、設定位置STと検出対象物900の位置との間または設定位置STと背景物体901との間の余裕度が小さいため、再調整を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記のように、従来の光電スイッチ800においては、検出表示灯811および安定性表示灯812を見ながらトリマスイッチ810を回すことにより設定位置STを設定および調整するので、設定された設定位置STを正確に把握することができず、設定位置STを微調整することが困難である。また、検出対象物900と設定位置STとの間の余裕度および設定位置STと背景物体901との間の余裕度を把握することも困難である。
【0017】
本発明の目的は、受光信号の処理に関する値を容易かつ正確に認識することができる光電スイッチを提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、受光信号の処理に関する値を容易かつ正確に認識することができるとともにその値を容易かつ正確に調整することができる光電スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)第1の発明第1の発明に係る光電スイッチは、検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受光することにより検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチであって、光を受けて受光状態に応じた受光信号を出力する受光手段を内蔵するとともに、複数の外面を有するケーシングと、ケーシングの複数の外面のうち第1の外面に設けられ、検出領域からの帰還光を受けて受光手段に導く受光部と、受光手段から出力される受光信号を処理する処理手段と、ケーシングの複数の外面のうち第1の外面に対向する第2の外面に設けられ、処理手段の処理に関する値を表示する表示手段とを備えたものである。
【0020】
本発明に係る光電スイッチにおいては、検出領域からの帰還光が受光部を通して受光手段により受光され、受光状態に応じた受光信号が出力される。そして、処理手段により受光信号が処理される。また、処理手段の処理に関する値が表示手段により表示される。
【0021】
この場合、受光部と表示手段とがケーシングの互いに対向する外面に設けられているので、ケーシングの小型化を図りつつ受光部の面積および表示手段の面積を十分に確保することができる。したがって、高い検出精度を確保しつつ、ユーザは受光信号の処理に関する値を容易かつ正確に認識することができる。
【0022】
(2)第2の発明第2の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングの第2の外面に設けられ、表示手段に表示される値を処理手段において調整するための調整手段をさらに備えたものである。
【0023】
この場合、調整手段がケーシングの表示手段と同じ外面に設けられているので、ユーザは表示手段に表示される値を見ながらその値を容易かつ正確に調整することが可能になる。
【0024】
(3)第3の発明第3の発明に係る光電スイッチは、第2の発明に係る光電スイッチの構成において、表示手段は、処理手段の処理に関する複数種類の値を切り換え表示可能に構成され、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、処理手段の処理に関する複数種類の値のうち表示手段に表示させる値の種類を選択するための選択手段をさらに備えたものである。
【0025】
この場合、処理手段の処理に関する複数種類の値が表示手段に切り換え表示される。ユーザは、選択手段を用いて処理手段に関する複数種類の値のうち表示手段に表示させる値の種類を選択することができるとともに、調整手段を用いて表示手段に表示された値を処理手段において調整することができる。
【0026】
特に、調整手段と選択手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および選択手段の誤操作が防止される。
【0027】
(4)第4の発明第4の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、表示手段は、処理手段の処理に関するとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を表示可能に構成され、ケーシングの第2の外面に設けられ、表示手段に表示された調整可能な値を調整するための調整手段と、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、調整手段により調整された値を処理手段の処理に関する値として決定するための決定手段とをさらに備えたものである。
【0028】
この場合、処理手段の処理に関するとともに物体の有無を検出するために調整可能な値が表示手段に表示される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された値を調整することができるとともに、決定手段を用いて調整手段により調整された値を処理手段の処理に関する値として決定することができる。
【0029】
特に、調整手段と決定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および決定手段の誤操作が防止される。
【0030】
(5)第5の発明第5の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、処理手段の処理に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を処理手段の処理に関する値として設定するための設定手段と、ケーシングの第2の外面に設けられ、設定手段により設定されるとともに表示手段に表示された調整可能な値を処理手段において調整するための調整手段とをさらに備えたものである。
【0031】
この場合、ユーザは、処理手段の処理に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を設定手段を用いて処理手段の処理に関する値として設定することができる。設定手段により設定された調整可能な値が表示手段に表示される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された調整可能な値を調整することができる。
【0032】
特に、調整手段と設定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および設定手段の誤操作が防止される。
【0033】
(6)第6の発明第6の発明に係る光電スイッチは、第3〜第5のいずれかの発明に係る光電スイッチの構成において、処理手段は、受光手段から出力される受光信号を処理することにより検出領域における物体の有無を検出する検出処理を行い、ケーシングの第3の外面に設けられ、処理手段の検出状態に関する情報を表示する表示部をさらに備えたものである。
【0034】
この場合、表示部がケーシングの選択手段、決定手段または設定手段と同じ外面に設けられているので、ユーザは表示部に表示される検出状態に関する情報を見ながら選択手段を操作することができる。
【0035】
(7)第7の発明第7の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、表示手段は、処理手段の処理に関する複数種類の値を切り換え表示可能に構成され、ケーシングの第2の外面に設けられ、処理手段の処理に関する複数種類の値のうち表示手段に表示させる値の種類を選択するための選択手段と、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、表示手段に表示される値を処理手段において調整するための調整手段とをさらに備えたものである。
【0036】
この場合、処理手段の処理に関する複数種類の値が表示手段に切り換え表示される。ユーザは、選択手段を用いて処理手段の処理に関する複数種類の値のうち表示手段に表示させる値の種類を選択することができるとともに、調整手段を用いて表示手段に表示された値を処理手段において調整することができる。
【0037】
特に、調整手段と選択手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および選択手段の誤操作が防止される。また、表示手段と選択手段とがケーシングの同じ外面に設けられているので、ユーザは表示手段に表示される値を見ながら選択手段により表示手段に表示させる値を選択することができる。したがって、選択手段による選択操作を正確に行うことができる。
【0038】
(8)第8の発明第8の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、表示手段は、処理手段の処理に関するとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を表示可能に構成され、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、表示手段に表示された調整可能な値を調整するための調整手段と、ケーシングの第2の外面に設けられ、調整手段により調整された値を処理手段の処理に関する値として決定するための決定手段とをさらに備えたものである。
【0039】
この場合、処理手段の処理に関するとともに物体の有無を検出するために調整可能な値が表示手段に表示される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された値を調整することができるとともに、決定手段を用いて調整手段により調整された値を処理手段の処理に関する値として決定することができる。
【0040】
特に、調整手段と決定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および決定手段の誤操作が防止される。また、表示手段と決定手段とがケーシングの同じ外面に設けられているので、ユーザは表示手段に表示される値を見ながら決定手段による決定操作を行うことができる。したがって、決定手段による決定操作を正確に行うことができる。
【0041】
(9)第9の発明第9の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングの第2の外面に設けられ、処理手段の処理に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を処理手段の処理に関する値として設定するための設定手段と、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、設定手段により設定されるとともに表示手段に表示された調整可能な値を処理手段において調整するための調整手段とをさらに備えたものである。
【0042】
この場合、ユーザは、処理手段の処理に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を設定手段を用いて処理手段の処理に関する値として設定することができる。設定手段により設定された調整可能な値は表示手段に表示される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された調整可能な値を調整することができる。
【0043】
特に、調整手段と設定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および設定手段の誤操作が防止される。また、表示手段と設定手段とがケーシングの同じ外面に設けられているので、ユーザは表示手段に表示される値を見ながら設定手段による設定操作を行うことができる。したがって、設定手段による設定操作を正確に行うことができる。
【0044】
(10)第10の発明第10の発明に係る光電スイッチは、第1〜第9のいずれかの発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングは、光を発生する発光手段をさらに内蔵し、ケーシングの第1の外面に、発光手段により発生された光を検出領域に投射する投光部がさらに設けられたものである。
【0045】
この場合、投光部と表示手段とがケーシングの互いに異なる外面に設けられているので、ケーシングの小型化を図りつつ投光部の面積および表示手段の面積を十分に確保することができる。
【0046】
(11)第11の発明第11の発明に係る光電スイッチは、検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受光することにより検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチであって、検出領域からの帰還光の受光状態に応じた受光信号を出力する受光手段と、受光手段を少なくとも内蔵するとともに、複数の外面を有するケーシングと、ケーシングの複数の外面のうち第1の外面に設けられ、検出領域からの帰還光を受けて受光手段に導く受光部と、ケーシングの複数の外面のうち第1の外面に対向する第2の外面に設けられ、受光手段からの受光信号に基づき生成される値を表示する表示手段とを備えたものである。
【0047】
本発明に係る光電スイッチにおいては、検出領域からの帰還光が受光部を通して受光手段により受光され、受光状態に応じた受光信号が出力される。そして、受光信号に基づき生成される値が表示手段に表示される。
【0048】
この場合、受光部と表示手段とがケーシングの互いに対向する外面に設けられているので、ケーシングの小型化を図りつつ受光部の面積および表示手段の面積を十分に確保することができる。したがって、高い検出精度を確保しつつ、ユーザは受光信号の値に基づき生成される値を容易かつ正確に認識することができる。
【0049】
(12)第12の発明第12の発明に係る光電スイッチは、第11の発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングの第2の外面に設けられ、表示手段に表示される値を調整するための調整手段をさらに備えたものである。
【0050】
この場合、表示手段と調整手段とがケーシングの同じ外面に設けられているので、ユーザは表示手段に表示される値を見ながら調整手段によりその値を容易かつ正確に調整することが可能になるとともに、その値を容易かつ正確に認識することができる。
【0051】
(13)第13の発明第13の発明に係る光電スイッチは、第12の発明に係る光電スイッチの構成において、表示手段は、受光手段からの受光信号に基づき生成される複数種類の値を切り換え表示可能に構成され、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、受光手段からの受光信号に基づき生成される複数種類の値のうち表示手段に表示させる値の種類を選択するための選択手段をさらに備えたものである。
【0052】
この場合、受光信号に基づき生成される複数種類の値が表示手段に切り換え表示される。ユーザは、選択手段を用いて表示手段に表示させる値の種類を選択することができるとともに、調整手段を用いて表示手段に表示された値を調整することができる。
【0053】
特に、調整手段と選択手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および選択手段の誤操作が防止される。
【0054】
(14)第14の発明第14の発明に係る光電スイッチは、第12または第13の発明に係る光電スイッチの構成において、受光手段から出力される受光信号を処理する処理手段と、処理手段によって生成される値を記憶する記憶部と、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、調整手段により調整された値を基準値として記憶部に記憶させるための決定を行う決定手段とをさらに備えたものである。
【0055】
この場合、処理手段によって生成される値が記憶部に記憶される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された値を調整することができるとともに、決定手段を用いて調整手段により調整された値を基準値として記憶部に記憶させることができる。
【0056】
特に、調整手段と決定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および決定手段の誤操作が防止される。
【0057】
(15)第15の発明第15の発明に係る光電スイッチは、第12または第13の発明に係る光電スイッチの構成において、ケーシングの複数の外面のうち第1および第2の外面と異なる第3の外面に設けられ、受光手段からの受光信号に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を処理手段の処理に関する値として設定するための設定手段をさらに備え、表示手段は、設定手段により設定された調整可能な値を表示するものである。
【0058】
この場合、ユーザは、受光手段からの受光信号に基づき生成されるとともに物体の有無を検出するために調整可能な値を設定手段を用いて処理手段の処理に関する値として設定することができる。設定手段により設定された調整可能な値が表示手段に表示される。ユーザは、調整手段を用いて表示手段に表示された調整可能な値を調整することができる。
【0059】
特に、調整手段と設定手段とがケーシングの異なる外面に設けられているので、調整手段および設定手段の誤操作が防止される。
【0060】
(16)第16の発明第16の発明に係る光電スイッチは、第15の発明に係る光電スイッチの構成において、受光手段から出力される受光信号を処理する処理手段と、処理手段の処理に基づき生成される値のうち、設定手段により設定された値を基準値として記憶するとともに、調整手段による基準値の調整後に、調整された基準値を記憶する記憶部とをさらに備えたものである。
【0061】
この場合、受光手段から出力される受光信号が処理手段により処理される。そして、処理手段の処理に基づき生成される値のうち設定手段により決定された値が基準値として記憶部に記憶され、調整手段による基準値の調整後に、調整された基準値が記憶部に記憶される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例における三角測距方式の光電スイッチを一方向から見た外観斜視図である。
【図2】図1の光電スイッチを他方向から見た外観斜視図である。
【図3】図1の光電スイッチの構成を示すブロック図である。
【図4】位置情報およびしきい値情報を説明するための模式図である。
【図5】図1の光電スイッチにおける表示部および表示灯を示す図である。
【図6】図1の光電スイッチにおける選択/決定/設定スイッチによる設定操作の具体例を示す模式図である。
【図7】図1の光電スイッチにおける選択/決定/設定スイッチによる設定操作の具体例を示す模式図である。
【図8】図1の光電スイッチにおける選択/決定/設定スイッチによる設定操作の具体例を示す模式図である。
【図9】図1の光電スイッチにおける表示部の他の例を示す図である。
【図10】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す斜視図である。
【図11】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す正面図である。
【図12】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す正面図である。
【図13】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す斜視図である。
【図14】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す斜視図である。
【図15】図1の光電スイッチにおける調整スイッチの他の例を示す斜視図である。
【図16】選択/決定/設定スイッチの他の例を示す模式図である。
【図17】それぞれ独立に設けられた選択スイッチおよび決定/設定スイッチを示す図である。
【図18】本発明の他の実施例における三角測距方式の光電スイッチの外観斜視図である。
【図19】従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【図20】PSDから出力される受光信号を用いた判定処理を説明するための図である。
【図21】従来の光電スイッチにおけるしきい値の設定方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は本発明の一実施例における三角測距方式の光電スイッチを一方向から見た外観斜視図、図2は図1の光電スイッチを他方向から見た外観斜視図である。図1および図2の光電スイッチ1において、ケーシング10は、互いに対向する端面部11,12、互いに対向する背面部13および前面部14、ならびに互いに対向する側面部15,16を有する直方体形状に形成されている。例えば、ケーシング10の縦の長さLは30mmであり、横の長さDは20mmであり、幅Wは10.8mmである。
【0064】
図2に示すように、ケーシング10の前面部14には、検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受ける投受光部20が設けられている。図1に示すように、ケーシング10の背面部13には、表示部30および2つのプッシュ式の調整スイッチ50が設けられている。ケーシング10の一方の端面部11には、プッシュ式の選択/決定/設定スイッチ40および表示灯60が設けられている。ケーシング10の背面部13と他方の端面部12との間の角部には出力ケーブル70が接続されている。ケーシング10の側面部15,16は、光電スイッチ1を他の機器に接触させて固定するために用いられる。
【0065】
図3は図1の光電スイッチの構成を示すブロック図である。図3に示すように光電スイッチ1は、投光レンズ21、LED(発光ダイオード)22、受光レンズ23、PSD(光位置検出素子)24、制御回路81、増幅器82,83、LED(発光ダイオード)駆動回路84、表示部30、選択/決定/設定スイッチ40、調整スイッチ50および表示灯60を備える。制御回路81はメモリ88を内蔵する。
【0066】
投光レンズ21および受光レンズ23が投受光部20を構成する。また、LED22、PSD24、制御回路81、増幅器82,83およびLED駆動回路84は図1のケーシング10に内蔵される。
【0067】
LED駆動回路84は、制御回路81の制御によりLED22を駆動する。それにより、LED22が光を出射する。LED22から出射された光は、投光レンズ21を通して検出領域における検出対象物500に投射される。検出対象物500からの反射光は、受光レンズ23を通してPSD24の受光面上に光スポットとして受光される。
【0068】
PSD24は、受光面上での光スポットの位置に応じた2つの受光信号N,Fを出力する。一方の受光信号NはPSD24の受光面の一端部e1から光スポットまでの距離に略比例したレベル(電流値)を有し、他方の受光信号Fは受光面の他端部e2から光スポットまでの距離に略比例したレベル(電流値)を有する。PSD24から出力される受光信号N,Fは、それぞれ増幅器82,83を介して制御回路81に与えれられる。
【0069】
制御回路81は、図20を用いて説明したように、受光信号N,Fおよび予め設定されたしきい値を用いた判定処理を行う。すなわち、制御回路81は、PSD24の受光面上での現在の光スポットの位置に応じた受光信号N,Fに基づいて位置信号{(N−F)/(N+F)}を算出し、その位置信号の値をしきい値と比較することにより検出領域における検出対象物500の有無を検出する。
【0070】
また、制御回路81は、検出結果および検出の安定性を表示灯60に表示させるとともに、検出結果を示す検出信号DTを出力ケーブル70を通して外部に出力する。ここで、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在すると判定した場合をオン状態と呼び、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在しないと判定した場合をオフ状態と呼ぶ。また、検出の安定性とは、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在する場合および存在しない場合において位置信号の値としきい値との差で表わし、その差が所定値以上のときに安定状態と呼び、その差が所定値よりも小さいときに不安定状態と呼ぶ。
【0071】
さらに、制御回路81は、検出対象物の位置を示す後述する位置情報(現在の位置信号の値を示す情報)、しきい値を示すしきい値情報、検出対象物の検出結果を示す検出情報、位置信号の最大値を示す最大位置情報、位置信号の最小値を示す最小位置情報、エラー情報等の各種情報をメモリ88に記憶させる。
【0072】
また、制御回路81は、メモリ88に記憶された位置情報、しきい値情報、検出情報、安定性情報、最大位置情報、最小位置情報、エラー情報等の各種情報を表示部30に切り換え表示させる。
【0073】
選択/決定/設定スイッチ40は、表示部30に表示させる情報の種類を選択するための選択操作に用いられるとともに、位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値を制御回路81の処理に関する設定値(基準値)として設定するための設定操作に用いられ、さらに表示部30に表示されかつ後述する調整スイッチ50により調整された情報の値を制御回路81の処理に関する新たな設定値(基準値)として決定するための決定操作に用いられる。ここで、位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値とは、ある期間またはある状態での位置信号の値を用いて算出される値または位置信号自体の値であり、例えば、ある期間における位置信号の最大値と最小値との中間の値、2つの状態での位置信号の値の中間の値、ある状態での位置信号の値等である。
【0074】
制御回路81は、選択/決定/設定スイッチ40の選択操作に応答して表示部30に表示させる情報の種類を切り換え、選択/決定/設定スイッチ40の設定操作に応答して上記の位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値を設定値としてメモリ88に記憶させ、かつ選択/決定/設定スイッチ40の決定操作に応答して表示部30に表示された情報の値を新たな設定値としてメモリ88に記憶させる。
【0075】
調整スイッチ50は、制御回路81の処理に関する種々の値のうち表示部30に表示された情報の値を調整するために用いられる。
【0076】
本実施例では、LED22が発光手段に相当し、PSD24が受光手段に相当し、投光レンズ21が投光部に相当し、受光レンズ23が受光部に相当する。また、表示部30が表示手段に相当し、調整スイッチ50が調整手段に相当し、選択/決定/設定スイッチ40が選択手段、決定手段および設定手段に相当する。さらに、制御回路81が処理手段に相当し、メモリ88が記憶部に相当する。また、表示灯60が表示部に相当し、出力ケーブル70が出力線に相当する。
【0077】
図4は位置情報およびしきい値情報を説明するための模式図である。LED22からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光がPSD24の受光面上に入射可能な範囲が検出領域D0となる。検出領域D0内に予め設定位置STが設定される。この設定位置STは、検出領域D0からの反射光に基づく検出結果がオン状態とオフ状態とに変化する位置を意味する。
【0078】
検出領域D0において光電スイッチ1に最も近い端部P1と設定位置STとの間が検出可能範囲D1となり、光電スイッチ1から最も離れた端部P2と設定位置STとの間が非検出範囲D2となる。図3の制御回路81は、検出可能範囲D1からの反射光をPSD24が受光した場合に、検出対象物が存在すると判定する。
【0079】
検出領域D0内の検出対象物の位置は、検出領域D0の端部P1を原点とする位置情報により表される。例えば、検出領域D0の端部P1の位置情報が0に設定され、端部P2の位置情報が999に設定される。また、設定位置STは、位置情報と同様に、検出領域D0の端部P1を原点とするしきい値情報により表される。設定位置STが検出領域D0の端部P1に設定された場合にはしきい値情報は0となり、設定位置STが検出領域D0の端部P2に設定された場合にはしきい値情報は999となる。このような位置情報およびしきい値情報により検出領域D0内での検出対象物の位置および設定位置STならびに検出対象物の位置と設定位置STとの相対的な関係を容易に把握することができる。
【0080】
図5は図1の光電スイッチ1における表示部30および表示灯60を示す図である。
【0081】
図5(a)に示すように、表示部30には、位置情報、しきい値情報等の各種の情報が数字、文字等のキャラクタで表示される。また、図5(b)に示すように、表示灯60には、検出結果を表示する検出表示用LED(発光ダイオード)62aおよび検出の安定性を表示する安定性表示用LED(発光ダイオード)62bが内蔵される。
【0082】
検出結果がオン状態のときには検出表示用LED62aが点灯し、検出結果がオフ状態のときには検出表示用LED62aが消灯する。また、検出の安定性が安定状態の場合には安定性表示用LED62bが点灯し、検出の安定性が不安定状態の場合には安定性表示用LED62bが消灯する。
【0083】
本実施例の光電スイッチ1においては、上記のように、図1の選択/決定/設定スイッチ40の選択操作により表示部30に表示させる情報の種類を切り換えることができる。例えば、選択/決定/設定スイッチ40を押して離すごとに、表示部30の表示内容が位置情報、しきい値情報、検出情報、安定性情報、最大位置情報、最小位置情報、エラー情報等の順に切り換えられる。
【0084】
また、選択/決定/設定スイッチ40の設定操作により上記の位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値を設定値として設定することができる。この場合、設定値は表示部30に表示されるとともに、設定操作の所定時間後にメモリ88に記憶される。
【0085】
図6、図7および図8は選択/決定/設定スイッチ40の設定操作の具体例を示す図である。図6(c)、図7(c)および図8(b)では、選択/決定/設定スイッチ40を押している状態をハイレベルで示し、選択/決定/設定スイッチ40を押していない状態をローレベルで示している。
【0086】
第1の方法として、図6(a)に示すように、移動する検出対象物500に基づいてしきい値の設定を行う場合には、図6(c)に示すように、選択/決定/設定スイッチ40を所定時間(図6の例では3秒間)以上押し続けた後、選択/決定/設定スイッチ40から手を離す。これにより、図6(b)に示すように、選択/決定/設定スイッチ40を押している期間において受光信号N,Fを用いて算出された位置信号{(N−F)/(N+F)}の最大値と最小値との中間の値がしきい値thとして自動的に設定される。このようにして設定されたしきい値thが表示部30に表示される。
【0087】
第2の方法として、静止した検出対象物500に基づいてしきい値の設定を行う場合には、図7(a),(c)に示すように、まず背景物体501の前に検出対象物500がない状態で選択/決定/設定スイッチ40を短く押した後、選択/決定/設定スイッチ40から手を離し、次に背景物体501の前に検出対象物500を置いた状態で選択/決定/設定スイッチ40を再度短く押した後、選択/決定/設定スイッチ40から手を離す。これにより、図7(b)に示すように、上記の2つの状態での受光信号N,Fを用いて算出される位置信号{(N−F)/(N+F)}の値の中間の値がしきい値thとして自動的に設定される。このようにして設定されたしきい値thが表示部30に表示される。
【0088】
第3の方法として、所定の位置に存在する検出対象物500に基づいてしきい値の設定を行う場合には、図8(a)に示すように、まず背景物体501の前に検出対象物500がない状態で選択/決定/設定スイッチ40を短く押した後、選択/決定/設定スイッチ40から手を離し、次に検出対象物500を所定の位置に置いた状態で選択/決定/設定スイッチ40を所定時間(図8の例では3秒間)以上押した後、選択/決定/設定スイッチ40から手を離す。これにより、検出対象物500を所定の位置に置いた状態での受光信号N,Fを用いて算出された位置信号{(N−F)/(N+F)}の値がしきい値thとして自動的に設定される。このようにして設定されたしきい値thが表示部30に表示される。
【0089】
また、図1の調整スイッチ50の操作により表示部30に表示された情報の値を調整することができる。例えば、表示部30にしきい値情報が表示されている場合には、一方の調整スイッチ50を押すと、しきい値情報の値が増加し、他方の調整スイッチ50を押すと、しきい値情報の値が減少する。
【0090】
さらに、調整スイッチ50の操作により表示部30に表示させる情報を位置情報としきい値情報とで切り換えることができる。例えば、表示部30に位置情報の値が表示されている状態において、調整スイッチ50のいずれかを短く押すと、それまでに設定されているしきい値情報の値が表示部30に表示され、続けて調整スイッチ50のいずれかを短く押すと、表示部30に表示されるしきい値情報の値が1ずつ変化する。これに伴って、メモリ88に記憶されるしきい値も自動的に更新される。また、しきい値の調整後、所定時間調整スイッチ50の操作を行わなければ表示部30の表示が自動的に位置情報に切り換わる。
【0091】
また、図1の選択/決定/設定スイッチ40の決定操作により表示部30に表示された情報の値を新たな設定値として決定することができる。例えば、表示部30にしきい値情報の値が表示されている場合に、選択/決定/設定スイッチ40を所定時間以上押し続けると、表示部30に表示されたしきい値情報の値が新たなしきい値としてメモリ88に記憶される。
【0092】
本実施例の光電スイッチ1においては、投受光部20および表示部30がケーシング10の互いに対向する前面部14および背面部13にそれぞれ設けられているので、ケーシング10の小型化を図りつつ投受光部20の面積および表示部30の表示面積を十分に確保することができる。したがって、高い検出精度を確保しつつ、ユーザは各種情報を容易かつ正確に認識することができる。
【0093】
また、表示部30および調整スイッチ50がケーシング10の同じ背面部13に設けられているので、ユーザは表示部30の表示を見ながら調整スイッチ50を操作することにより各種情報の値を容易かつ正確に調整することができる。
【0094】
さらに、選択/決定/設定スイッチ40および調整スイッチ50がケーシング10の端面部11および背面部13にそれぞれ設けられているので、選択/決定/設定スイッチ40および調整スイッチ50の誤操作を防止することができる。
【0095】
また、表示灯60が選択/決定/設定スイッチ40と同じ端面部11に設けられているので、ユーザは表示灯60に表示される検出結果および検出の安定性を見ながら選択操作および決定操作を行うことができる。
【0096】
さらに、出力ケーブル70を端面部11に対向する端面部12と背面部13との間の角部に設けることにより、ケーシング10の小型化を保ちつつ、端面部11に十分な大きさの選択/決定/設定スイッチ40および表示灯60を設けることができるとともに、背面部13に十分な大きさの表示部30および調整スイッチ50を設けることができる。また、出力ケーブル70が前面部14の投受光部20を妨げることも防止される。なお、出力ケーブル70を端面部12に取り付けてもよい。
【0097】
図9は図1の光電スイッチ1における表示部30の他の例を示す図である。図9に示すように表示部30は、一列に配置された複数のLED(発光ダイオード)により構成され、位置情報、しきい値情報等の各種情報を複数のLEDで棒グラフ状に表示する。例えば、情報の値が最小の場合には最下部の1つのLEDが点灯し、情報の値が最大の場合には全てのLEDが点灯する。
【0098】
図10、図11、図12、図13、図14および図15は調整スイッチ50の他の例を示す図である。
【0099】
図10の例では、ケーシング10の背面部13に、横向きに配置されたシーソー式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50の左側を押すと、表示部30に表示された情報の値が減少し、右側を押すと、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0100】
図11の例では、ケーシング10の背面部13に、縦向きに配置されたシーソー式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50の下側を押すと、表示部30に表示された情報の値が減少し、上側を押すと、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0101】
図12の例では、ケーシング10の背面部13に、斜めに配置された2つの押圧部を有するシーソー式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50の左下側の押圧部を押すと、表示部30に表示された情報の値が減少し、右上側の押圧部を押すと、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0102】
図13の例では、ケーシング10の背面部13にボリュームダイヤル式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50を左に回すと、表示部30に表示された情報の値が減少し、右に回すと、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0103】
図14の例では、ケーシング10の背面部13にトリマ式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50を左に回すと、表示部30に表示された情報の値が減少し、右に回すと、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0104】
図15の例では、ケーシング10の背面部13にジョグダイヤル式の調整スイッチ50が設けられている。この調整スイッチ50を下側にスライドさせると、表示部30に表示された情報の値が減少し、上側にスライドさせると、表示部30に表示された情報の値が増加する。
【0105】
なお、ケーシング10の背面部13に設けられる調整スイッチ50の種類は上記の例に限定されず、種々のスイッチを用いることができる。
【0106】
図16は選択/決定/設定スイッチの他の例を示す模式図である。図16の例では、図1のケーシング10の端面部11に複数の選択/決定/設定スイッチ40a,40b,40c,40d,40eが設けられる。例えば、選択/決定/設定スイッチ40aを押すと、図1の表示部30に位置情報が表示される。選択/決定/設定スイッチ40bを押すと、表示部30にしきい値情報が表示される。選択/決定/設定スイッチ40cを押すと、表示部30に検出情報が表示される。選択/決定/設定スイッチ40dを押すと、表示部30に安定性情報が表示される。選択/決定/設定スイッチ40eを押すと、表示部30にエラー情報が表示される。
【0107】
また、選択/決定/設定スイッチ40a〜40eのうち所定の2つを同時に押すと、上記の位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値が設定値として設定され、メモリ88に記憶される。さらに、選択/決定/設定スイッチ40a〜40eのうち他の所定の2つを同時に押すと、表示部30に表示された情報の値が新たな設定値として決定され、メモリ88に記憶される。
【0108】
図17はそれぞれ独立に設けられた選択スイッチおよび決定/設定スイッチの模式図である。図17の例では、図1のケーシング10の端面部11に選択スイッチ40Aおよび決定/設定スイッチ40Bが別々に設けられる。選択スイッチ40Aを押して離すことにより、表示部30に表示させる情報の種類を切り換えることができる。また、決定/設定スイッチ40Bを押して離すことにより、上記の位置信号に基づいて生成されかつ調整可能な値を設定値として設定し、メモリ88に記憶させることができ、または表示部30に表示された情報の値を新たな設定値として決定し、メモリ88に記憶させることができる。
【0109】
さらに、決定スイッチと設定スイッチとをケーシング10の端面部11に別々に設けてもよい。
【0110】
なお、上記実施例の光電スイッチ1においては、表示部30に表示された情報の値を調整スイッチ50を用いて調整した後、選択/決定/設定スイッチ40を用いて決定操作を行うことにより表示部30に表示された情報の値が新たな設定値としてメモリ88に記憶されるが、表示部30に表示された値を調整スイッチ50を用いて調整した場合、調整後の値がメモリ88に自動的に記憶されるように構成してもよい。
【0111】
図18は本発明の他の実施例における三角測距方式の光電スイッチの外観斜視図である。
【0112】
図18の光電スイッチ1aにおいては、ケーシング10の背面部13に表示部30およびプッシュ式の選択/決定/設定スイッチ40が設けられている。また、ケーシング10の一方の端面部11にトリマ式の調整スイッチ50および表示灯60が設けられている。図18の光電スイッチ1aの他の部分の構成は、図1の光電スイッチ1の構成と同様である。
【0113】
本実施例の光電スイッチ1aにおいては、図1の光電スイッチ1と同様に、投受光部20および表示部30がケーシング10の互いに対向する前面部14および背面部13にそれぞれ設けられているので、ケーシング10の小型化を図りつつ投受光部20の面積および表示部30の表示面積を十分に確保することができる。したがって、高い検出精度を確保しつつ、ユーザは各種情報を容易かつ正確に認識することができる。
【0114】
また、表示部30および選択/決定/設定スイッチ40がケーシング10の同じ背面部13に設けられているので、ユーザは表示部30の表示を見ながら選択/決定/設定スイッチ40の選択操作および決定操作を行うことができる。
【0115】
さらに、選択/決定/設定スイッチ40および調整スイッチ50がケーシング10の背面部13および端面部11にそれぞれ設けられているので、選択/決定/設定スイッチ40および調整スイッチ50の誤操作を防止することができる。
【0116】
また、調整スイッチ50および表示灯60がケーシング10の同じ端面部11に設けられているので、ユーザは表示灯60に表示される検出結果および検出の安定性を見ながら表示部30に表示される情報の値を容易かつ正確に調整することが可能となる。
【0117】
さらに、出力ケーブル70を端面部11に対向する端面部12と背面部13との間の角部に設けることにより、ケーシング10の小型化を保ちつつ、端面部11に十分な大きさの選択/決定/設定スイッチ40および表示灯60を設けることができるとともに、背面部13に十分な大きさの表示部30および調整スイッチ50を設けることができる。また、出力ケーブル70が前面部14の投受光部20を妨げることも防止される。なお、出力ケーブル70を端面部12に取り付けてもよい。
【0118】
なお、本実施例の光電スイッチ1aにおいても、調整スイッチ50として図1に示した1対のプッシュ式の調整スイッチ50、図10、図11および図12に示したシーソー式の調整スイッチ50、図13に示したボリュームダイヤル式の調整スイッチ50または図15に示したジョグダイヤル式の調整スイッチ50を用いてもよい。また、調整スイッチ50としてその他の種々のスイッチを用いることもできる。
【0119】
また、本実施例の光電スイッチ1aにおいても、図16に示した複数の選択/決定/設定スイッチ40a,40b,40c,40d,40eを用いてもよい。さらに、図17に示したように、それぞれ独立に設けられた選択スイッチ40Aおよび決定/設定スイッチ40Bを用いてもよい。
【0120】
なお、上記実施例では、本発明に係る光電スイッチを三角測距方式の光電スイッチに適用した場合を説明したが、本発明は、三角測距方式の光電スイッチに限らず、検出対象物からの反射光または透過光の受光量に基づいて検出対象物の有無を検出するとともに、受光量と調整可能なしきい値とを表示部に表示する光電スイッチ、ならびに検出対象物からの反射光または透過光の受光量に基づいて算出されるしきい値とこのしきい値に対する余裕度とを表示部に表示する光電スイッチにも同様に適用することができる。なお、余裕度とは、しきい値と検出時または非検出時の受光量と差に相当する。
【符号の説明】
【0121】
1,1a 光電スイッチ
10 ケーシング
11,12 端面部
13 背面部
14 前面部
15,16 側面部
20 投受光部
21 投光レンズ
22 LED
23 受光レンズ
24 PSD
30 表示部
40,40a,40b,40c,40d,40e 選択/決定/設定スイッチ
40A 選択スイッチ
40B 決定/設定スイッチ
50 調整スイッチ
60 表示灯
62a 検出表示用LED
62b 安定性表示用LED
70 出力ケーブル
500 検出対象物



【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受光することにより検出領域における物体の有無を検出する三角測距方式の光電スイッチであって、
光を発生する発光手段と、前記発光手段により発生された光を受けて受光状態に応じた受光信号を出力する受光手段とを内蔵し、互いに対向する長方形状の第1および第2の外面を有するとともに前記第2の外面に隣接して前記第2の外面に対して傾斜する角部を有するケーシングと、
前記ケーシングの前記第1の外面であって前記角部と対応する一端側に設けられ、前記発光手段により発生された光を前記検出領域に投射する投光部と、
前記ケーシングの前記第1の外面の他端側に設けられ、前記検出領域からの帰還光を受けて前記受光手段に導く受光部と、
前記受光手段から出力される受光信号を処理することにより位置情報を求め、この位置情報としきい値情報とを比較することにより前記検出領域における物体の有無を検出する処理手段と、
前記ケーシングの前記第2の外面に設けられ、前記処理手段により求められる前記位置情報と前記しきい値情報を切り替え可能に数値表示する表示手段と、
前記ケーシングの前記第2の外面に設けられ、前記表示手段に前記位置情報が表示された状態で前記位置情報に代えて前記しきい値情報を表示させるとともに前記表示手段に表示された前記しきい値情報を前記処理手段において調整するための調整スイッチと、
前記処理手段による検出結果および検出の安定性をそれぞれ点灯と消灯とにより表示する2つの隣り合う表示灯を有する表示部と、
前記処理手段による検出結果を示す検出信号を前記ケーシングの角部から外部に出力する出力手段とを備えることを特徴とする光電スイッチ。
【請求項2】
前記表示手段に表示される情報の種類を切り換えるとともに前記処理手段の処理に基づいて生成されかつ物体の有無を検出するために調整可能な値を前記しきい値情報として設定するための設定スイッチをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の光電スイッチ。
【請求項3】
調整スイッチが、2つの隣り合うプッシュ式のスイッチからなることを特徴とする請求項1または2記載の光電スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−77050(P2011−77050A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270947(P2010−270947)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【分割の表示】特願2000−12417(P2000−12417)の分割
【原出願日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】