説明

光電信号伝送装置およびそれを搭載した電子機器

【課題】携帯機器のヒンジ内を略直交して貫通し、開閉動作とねじれ動作に対応できる。
【解決手段】プラグ本体78のプラグ側電気信号接続部79およびプラグ側光信号接続部81を、レセプタクル本体のレセプタクル側電気信号接続部およびレセプタクル側光信号接続部に嵌合させて、プラグ77をレセプタクルに装着し、光ファイバケーブル83とレセプタクル本体の光電デバイスとの光結合、および、細線同軸ケーブル84とレセプタクル側電気接触端子との電気的接続を行う。その際に、上記光電デバイスを上記レセプタクル側に設けてプラグ本体78を薄く且つ狭幅に形成し、光電信号伝送路82を、光ファイバケーブル83の周囲に細線同軸ケーブル84を配置してねじり、テープ85で束ねて構成して、曲げやねじれに対する耐久性を高めることによって、携帯機器のヒンジ内を略直交して貫通すると共に、開閉動作とねじれ動作とに対応することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高速光信号を含む光電信号伝送を行う光電信号伝送装置、および、それを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯用の電子機器においては、信号伝送速度の高速化が望まれており、光伝送路を備えた携帯機器が各種提案されている。
【0003】
このような携帯機器として、特開2006‐42307号公報(特許文献1)に開示された携帯機器がある。
【0004】
図30は、上記特許文献1に開示された携帯機器の概略構成図である。尚、図30(a)は、本携帯機器の外観図である。また、図30(b)は、上記第1の筐体と上記第2の筐体との連結部における光導波路フィルムの配置を説明する概念図である。
【0005】
図30(a)において、第1の筐体1と第2の筐体2とが、開閉自在なヒンジを有する連結部3によって連結されている。第1の筐体1には第1のボード4が備えられ、第2の筐体2には第2のボード5が備えられている。ここで、第1のボード4は、LCD(Liquid Crystal Display)素子やEL(Electro-luminescence)素子からなる表示部6と、マイクやスピーカ等からなる音声部と、カメラ部と、制御部と、電源部と、受光/発光素子等とから構成される。第2のボード5は、キー操作部と、制御部と、音声部と、電源部と、受光/発光素子等とから構成される。
【0006】
また、図30(b)に示すように、上記第1の筐体1の第1のボード4と第2の筐体2の第2のボード5とは、連結部3を介して曲げ半径5mm程度でも光信号を損失なく伝達できるように、連結部3に対して略直角に配置された光導波路7を有する光導波路フィルム8によって光配線されている。
【0007】
以下、本携帯機器の光配線に用いられる光導波路フィルム8の構成について説明する。図31は、上記光導波路フィルム8の構成図である。ただし、図31(a)は、光導波路フィルム8の上面図である。また、図31(b)は、図31(a)におけるA‐A'矢視断面図である。
【0008】
図31(b)に示すように、上記光導波路フィルム8は、第1のクラッド層9と第2のクラッド層10とを貼り合わせ、第1のクラッド層9に形成された溝11にコア材料を埋め込んでなるコア12を含んで構成されている。ここで、コア12と、コア12の周囲を取り囲む第1のクラッド層9および第2のクラッド層10の一部と、から構成される点線で囲む部分を光導波路7と定義し、コア12と第1のクラッド層9と第2のクラッド層10とで構成される全体を光導波路フィルム8と定義する。尚、本携帯機器では、第1のクラッド層9と第2のクラッド層10とは、何れも、屈折率約1.5を有する熱可塑性樹脂のシクロオレフィンポリマーからなっている。
【0009】
図32は、本携帯機器の光配線に用いられる光導波路フィルムの他の構成を示す側面図である。図32(a)において、本光導波路フィルム13は、第1のサブボード14と第2のサブボード15とを含んで構成されている。第1のサブボード14には、発光素子16を含む素子が搭載されると共に、電気コネクタ17を備えている。第2のサブボード15には、受光素子18を含む素子が搭載されると共に、電気コネクタ19を備えている。また、第1のサブボード14は、光導波路フィルム13中に設けられた金属配線(図示せず)によって第2のサブボード15と電気的に接続されている。尚、上記金属配線は、電源からの電圧供給に用いられる。発光素子16および受光素子18は、フリップチップ実装あるいはワイヤボンディングによって、夫々のサブボードに実装されている。その場合、発光素子16および受光素子18は、光導波路フィルム13を構成する光導波路20の両端部に、使用波長に対して透明な接着剤で固定されている。
【0010】
図32(b)は、図32(a)に示す光導波路フィルム13の使用態様を示す側面図である。図32(b)において、光導波路フィルム13は、2つのメインボード21,22の間を接続している。光導波路フィルム13は、各サブボード14,15に設けられた電気コネクタ17,19によって各メインボード21,22に取り付けられている。こうして、メインボード21とメインボード22とは、各サブボード14,15に実装された発光素子16および受光素子18による光電変換によって、光導波路フィルム13を構成する光導波路20を介して光学的‐電気的に接続されている。さらに、メインボード21とメインボードと22は、各サブボード14,15を介して、光導波路フィルム13に含まれる金属配線によっても電気的に接続されている。すなわち、光導波路フィルム13は、メインボード21とメインボードと22とを、光導波路20および上記金属配線によって、互いに独立して電気的に接続しているのである。
【0011】
また、光伝送路を備えた携帯機器として、特開2008‐65287号公報(特許文献2)に開示された光電気変換装置がある。
【0012】
図33に示すように、特許文献2に開示された光電気変換装置51では、一の配線基板52に電気コネクタ53,54同士の嵌合によって装着される発光側光電気変換部51Aと、他の配線基板52に同様に電気コネクタ53,54同士の嵌合によって装着される受光側光電気変換部51Bと、これら両光電気変換部51A,51Bを光学的‐電気的に連結する外部導波路55とを備えている。
【0013】
上記発光側光電気変換部51Aは、長方形状を有するマウント基板56の下面となる一方の面56aには、図34に示すように、電気信号を光信号に変換して発光する発光素子57と、この発光素子57に電気信号を送信するためのIC回路58aが形成されたIC基板58とが実装されている。そして、発光素子57とIC基板58とを下方から覆うようにヘッダ型電気コネクタ(以下、単に「ヘッダ」と言う)53が設けられている。また、マウント基板56の面56aには、発光素子57の駆動用電源ラインや信号ラインの配線パターンが形成されている。さらに、マウント基板56には、発光素子57の真上となる位置に発光素子57が発光する光の光路を略90°変換するミラー部59が設けられると共に、発光素子57と光学的に結合する内部導波路60がミラー部59からマウント基板56の前端面56bまで延在して設けられている。そして、マウント基板56の前端面56bには、樹脂光導波路を薄型化した外部導波路55が接着されて光学的に結合されている。
【0014】
上記ヘッダ53は、ヘッダ本体53aと、このヘッダ本体53aに保持された端子53bとを有している。そして、ヘッダ本体53aには、上記電気コネクタであるソケット54の嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部が設けられており、この嵌合凸部の表面に端子53bが露出している。また、端子53bの端部は、半田ボール61によってマウント基板56の上記配線パターンに接続されている。
【0015】
そして、上記ヘッダ53の上記嵌合凸部がソケット54の上記嵌合凹部に差し込まれて両者が嵌合すると、ヘッダ53の端子53bとソケット54の端子(図示せず)とが接触して配線基板52の配線パターンとマウント基板56の上記配線パターンとが電気的に接続される。その場合のソケット54の下面からヘッダ53の上面までの高さは1mm程度である。そのため、発光側光電気変換部51Aを配線基板52に装着したときの配線基板52の上面からマウント基板56の他方の面56cまでの高さは2mm程度となる。こうして、小型電子機器内に入る程度に小型低背高で、且つ電気信号を光信号に変換して伝送可能な伝送装置が提供される。
【0016】
尚、上記受光側光電気変換部51Bの基本的な構成は、発光側光電気変換部51Aと同様である。発光側光電気変換部51Aと異なる点は、マウント基板56に、発光素子57に換えて受光素子を搭載すると共に、この受光素子からの電気信号を受信するIC回路が形成されたIC基板を実装する点である。
【0017】
しかしながら、上記従来の光伝送路を備えた携帯機器には、以下のような問題がある。すなわち、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように構成した携帯機器において上記複数の筐体間で信号を送受するには、信号伝送路を、各筺体の接続部であるヒンジ内をこのヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して配線する必要があり、上記信号伝送路のコネクタのプラグ寸法を小さくする必要がある。このことは、高速信号伝送および低ノイズ化の要望に対して有効な光信号を伝送するケーブルに対しても同様である。
【0018】
上記特許文献1に開示された携帯機器における光導波路フィルム13では、図32(b)に示すように、メインボード21,22との光接続ができない。そのために、メインボード21,22に対しては、電気コネクタ17,19を介した電気接続を行っている。したがって、サブボード14には電気コネクタ17と発光素子16とが搭載される一方、サブボード15には電気コネクタ19と受光素子18とが搭載されると共に、光導波路20と一体化されて、光導波路フィルム13が構成されている。その結果、このような構成を有する光導波路フィルム13を、図30に示す連結部3の小さな上記ヒンジ内に挿通可能な構造にするには非常に困難であるという問題がある。
【0019】
また、上記特許文献2に開示された光電気変換装置における発光側光電気変換部51Aおよび受光側光電気変換部51Bの場合にも、上記第1特許文献の場合と同様に、配線基板52との光接続ができない。そのために、配線基板52に対しては、ヘッダ53およびソケット54を介した電気接続を行っている。したがって、マウント基板56には、発光素子57(または受光素子)とIC基板58とが実装されると共に、発光素子57とIC基板58とを下方から覆うように端子53bが設けられたヘッダ53が設けられると共に、外部導波路55と一体に連結されている。その結果、このような構成を有する発光側光電気変換部51Aおよび受光側光電気変換部51Bを、図30に示す連結部3の小さな上記ヒンジ内に挿通可能な構造にするには非常に困難であるという問題がある。
【0020】
さらに、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように構成されると共に、図29に示すように、第1の筺体が第2の筺体に対して開閉する動作に加えて、第1の筺体が中心軸の周りに回転する(つまり、第2の筺体に対してねじれる)動作が同時に行われる携帯機器に光伝送路を使用する場合には、上記特許文献1における光導波路フィルム8および光導波路20、および、特許文献2における外部導波路55のごとく板状の光伝送路は、断面が円形であって柔軟性がある光電伝信号送路に比して耐久性に問題がある。
【0021】
さらに、上記特許文献1に開示された携帯機器においては、光信号と同時に電気信号の伝送も可能である。しかしながら、その場合、電気信号の伝送路を電源ライン用として用いることは電流容量の関係から不向きであるという問題もある。
【特許文献1】特開2006‐42307号公報
【特許文献2】特開2008‐65287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
そこで、この発明の課題は、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続された携帯機器において、筺体間のヒンジ内を回転軸に略直交する方向に貫通可能であり、光信号と電気信号とを同時に伝送可能であり、且つ各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置、および、それを搭載した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するため、この発明の光電信号伝送装置は、
発光素子を含む光送信用デバイス、および、受光素子とこの受光素子からの信号を処理する信号処理回路とを含む光受信用デバイス、の少なくとも一方を収納して保持すると共に、電気的接続端子が設けられた光電信号伝送用のレセプタクルと、
上記レセプタクルの電気的接続端子に接続される電気的接続端子が設けられると共に、上記レセプタクルに保持されて、上記レセプタクルとの電気的結合、および、上記発光素子および上記受光素子の少なくとも一方との光学的結合を行って、上記レセプタクルと光電信号の伝送を行う光電信号伝送用のプラグと、
一部が上記プラグの電気的接続端子に接続された電気信号伝送路と、
一部が上記プラグに装着された光信号伝送路と
を備え、
上記電気信号伝送路および上記光信号伝送路は、一つに束ねられて光電信号伝送路を構成しており、
上記レセプタクルとこのレセプタクルに保持された上記プラグとの間で、単方向または双方向の光通信と電気通信とを行う
ことを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、上記レセプタクルとこのレセプタクルに保持された上記プラグとの間で、単方向または双方向の光通信と電気通信とを行うことができる。したがって、小型電子機器の内部配線において、単方向の高速信号伝送を光伝送とすることにより、上記電気信号伝送路からの電磁ノイズを低減することができ、且つ、比較的低速の電気信号伝送路の配線や電源配線やグランド配線を、上記光信号伝送路とまとめて行うことができる。
【0025】
さらに、上記電気信号伝送路および上記光信号伝送路を一つに束ねて光電信号伝送路を構成している。したがって、断面が略円形となり、携帯電話等のごとく複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続されたコンパクトな電子機器の上記筺体間の信号伝送を行う場合に、上記光電信号伝送路を上記筺体間の小さなヒンジ内を回転軸に略直交する方向に貫通可能であり、且つ各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能となる。
【0026】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記光ファイバケーブルは、マルチコアのプラスチック光ファイバケーブルである。
【0027】
この実施の形態によれば、上記光信号伝送路をマルチコアのプラスチック光ファイバケーブルで構成したので、上記光信号伝送路に極端な屈曲やねじれが生じても光損失が生じ難く、安定した光信号伝送を行うことができる。
【0028】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記光ファイバケーブルは、マルチモードのガラスファイバケーブルである。
【0029】
この実施の形態によれば、上記光信号伝送路をマルチモードのガラスファイバケーブルで構成したので、非常に高速の光信号伝送を安定して行うことができる。
【0030】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記電気的接続端子に接続された上記電気信号伝送路は1以上の電気ケーブルであり、
上記電気ケーブルは、細線同軸ケーブルである。
【0031】
この実施の形態によれば、上記電気信号伝送路を細線同軸ケーブルで構成したので、光信号のみならず電気信号の伝送においてもノイズが生じ難く、外来ノイズに対しても強うい電気信号伝送用の電気ケーブルを実現でき、比較的高速な電気信号伝送を行う場合でも安定した伝送を行うことができる。
【0032】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記プラグは、
上記レセプタクルの電気的接続端子に接続される上記電気的接続端子が設けられると共に、上記レセプタクルに保持されて、上記レセプタクルとの電気的結合を行って、上記レセプタクルと電気信号の伝送を行う電気信号伝送用プラグと、
上記レセプタクルに保持されて、上記発光素子および上記受光素子の少なくとも何れか一方との光学的結合を行って、上記レセプタクルと光信号の伝送を行う光信号伝送用プラグと
を含み、
上記電気信号伝送用プラグと上記光信号伝送用プラグとは分離している。
【0033】
この実施の形態によれば、上記プラグが上記電気信号伝送用プラグと上記光信号伝送用プラグとは分離しているので、上記プラグを、上記電気信号伝送用プラグと上記光信号伝送用プラグとに分けて別々に製造することができ、上記電気信号伝送用プラグの歩留まり低下あるいは上記光信号伝送用プラグの歩留まり低下に起因して、上記プラグ全体の歩留まりが低下することを防止できる。こうして、量産性の向上を図ることができる。
【0034】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記レセプタクルは、
上記発光素子を含む上記光送信用デバイス、および、上記受光素子とこの受光素子からの信号を処理する上記信号処理回路とを含む上記光受信用デバイス、の少なくとも一方を収納して保持する光信号伝送用レセプタクルと、
上記電気的接続端子が設けられた電気信号伝送用レセプタクルと
を含み、
上記電気信号伝送用レセプタクルと上記光信号伝送用レセプタクルとは分離している。
【0035】
この実施の形態によれば、上記レセプタクルが上記電気信号伝送用レセプタクルと上記光信号伝送用レセプタクルとは分離しているので、上記レセプタクルを、上記電気信号伝送用レセプタクルと上記光信号伝送用レセプタクルに分けて別々に製造することができ、上記電気信号伝送用レセプタクルの歩留まり低下あるいは上記光信号伝送用レセプタクルの歩留まり低下に起因して、上記レセプタクル全体の歩留まりが低下することを防止できる。こうして、量産性の向上を図ることができる。
【0036】
さらに、上記電気信号伝送用プラグと上記光信号伝送用プラグとに分離可能な上記プラグと併用すれば、上記レセプタクルを基板に実装する場合、上記電気信号伝送用レセプタクルと上記光信号伝送用レセプタクルとに分けて実装することができ、上記レセプタクルの搭載位置に対する自由度が増す。したがって、効率のよい基板実装レイアウトを実現できる。
【0037】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記プラグの長手方向一端部には、上記光信号伝送路の上記一部が装着される光信号伝送路用装着部が設けられており、
上記プラグの上記光信号伝送路用装着部に上記一部が装着された上記光信号伝送路は、上記プラグの長手方向一端から上記長手方向に引き出されており、
上記プラグの上記電気的接続端子に接続された上記電気信号伝送路は、上記プラグの長手方向側面から上記長手方向と交差する方向に引き出されており、
上記電気信号伝送路と上記光信号伝送路とが一つに束ねられてなる上記光電信号伝送路は、上記プラグの長手方向に延在している。
【0038】
この実施の形態によれば、上記プラグの長手方向一端から上記長手方向に引き出された上記光信号伝送路と、上記プラグの長手方向側面から上記長手方向と交差する方向に引き出された上記電気信号伝送路とは一つに束ねられて、上記プラグの長手方向に延在した上記光電信号伝送路を構成している。したがって、上記プラグおよび上記光電信号伝送路を上記プラグの長手方向に細く纏めることができ、上記光電信号伝送路を携帯電話等のヒンジ内を回転軸に直交する方向に容易に挿通することができる。
【0039】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記レセプタクルには、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方が、その光軸が当該光電信号伝送装置の実装面と略平行になるように収納されるデバイス収納部が設けられており、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方における光通過面とは反対側の面である背面には、上記光送信用デバイスの上記発光素子と上記光受信用デバイスの上記受光素子および上記信号処理回路との少なくとも一方に接続された電極が形成されており、
上記レセプタクルの上記デバイス収納部に上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方が収納された場合に、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方の上記背面に対向する上記デバイス収納部の壁面には、上記背面の電極に電気的に接続される光信号用端子の一端部が形成されている。
【0040】
この実施の形態によれば、上記レセプタクルを実装する際に、上記光送信用デバイスあるいは上記光受信用デバイスの上記電極を直接半田付けする必要が無く、上記光送信用デバイスあるいは上記光受信用デバイスの信頼性が向上する。さらに、上記レセプタクルが実装される基板に対しては、上記光信号用端子を上記基板上の外部端子と半田付けすればよく、確実で且つ容易な取付構造を実現できる。
【0041】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記レセプタクルには、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくと一方が、その光軸が当該光電信号伝送装置の実装面と略平行になるように収納されると共に、貫通穴でなるデバイス収納部が設けられており、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方における光通過面とは反対側の面である背面および側面には、上記光送信用デバイスの上記発光素子と上記光受信用デバイスの上記受光素子および上記信号処理回路との少なくとも一方に接続された電極が形成されており、
上記レセプタクルの上記デバイス収納部に上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方が収納された場合に、上記側面に形成された上記電極が、上記レセプタクルの上記デバイス収納部から露出するようになっている。
【0042】
この実施の形態によれば、上記レセプタクルに設けられた上記デバイス収納部は、上記レセプタクルを貫通している。したがって、上記デバイス収納部の底部を上記レセプタクルで塞ぐ必要が無く、その分だけ上記レセプタクルの厚みを薄くすることができる。その結果、上記レセプタクルに保持される上記プラグの厚みも薄くすることができ、延いてはより薄型の光電信号伝送装置を提供することができる。
【0043】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方は、
基板上に、上記発光素子、および、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方を搭載し、樹脂によって封止されている。
【0044】
この実施の形態によれば、上記発光素子、及び、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方のパッケージを比較的小さくできるため、コンパクトな光電信号伝送装置の上記レセプタクルを実現できる。
【0045】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方は、
リードフレーム上に、上記発光素子、および、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方を搭載し、樹脂によって封止されている。
【0046】
この実施の形態によれば、上記発光素子、及び、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方のパッケージの信頼性を向上できる。さらに、製造工程を簡単にして大量生産を可能にする。
【0047】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光送信用デバイスは、上記発光素子が上記光送信用デバイスの内部の基板の表面に取り付けられる一方、上記発光素子を駆動する集積回路が上記基板の裏面に取り付けられて構成されている。
【0048】
この実施の形態によれば、上記光送信用デバイスをコンパクトに形成でき、上記光送信用デバイスが搭載される上記レセプタクルのより小型化を図ることができる。
【0049】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光受信用デバイスは、上記受光素子が上記光受信用デバイスの内部の基板の表面に取り付けられる一方、上記信号処理回路が上記基板の裏面に取り付けられて構成されている。
【0050】
この実施の形態によれば、上記光受信用デバイスをコンパクトに形成でき、上記光受信用デバイスが搭載される上記レセプタクルのより小型化を図ることができる。
【0051】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光送信用デバイスは、上記発光素子を駆動する集積回路が上記光送信用デバイスの内部の基板に取り付けられており、上記発光素子は上記集積回路の上に取り付けられて構成されている。
【0052】
この実施の形態によれば、上記光送信用デバイスをコンパクトに形成でき、上記光送信用デバイスが搭載される上記レセプタクルのより小型化を図ることができる。
【0053】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光受信用デバイスは、上記信号処理回路が上記光受信用デバイスの内部の基板に取り付けられており、上記受光素子は上記信号処理回路の上に取り付けられて構成されている。
【0054】
この実施の形態によれば、上記光受信用デバイスをコンパクトに形成でき、上記光受信用デバイスが搭載される上記レセプタクルのより小型化を図ることができる。
【0055】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記電気信号伝送路は、電気ケーブルであり、
上記光電信号伝送路は、上記光ファイバケーブルの周りに上記電気ケーブルを配置して束ねて構成されている。
【0056】
この実施の形態によれば、屈曲方向やねじれ方向に依存しないバランスと耐久性とに優れた上記光電信号伝送路を実現できる。
【0057】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光電信号伝送路における上記光ファイバケーブルの周りに配置された上記電気ケーブルはねじられている。
【0058】
この実施の形態によれば、束ねられた光ファイバケーブルがバラけることがないため束ね用のテープを少なくでき、屈曲性に優れ且つ携帯機器への搭載が容易な光電信号伝送路を実現することができる。
【0059】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光ファイバケーブルは1本であり、その光ファイバケーブルの半径をaとし、
上記電気ケーブルの半径をbとし、
上記電気ケーブルの本数をnとし
た場合に、
b=a・sin(π/n)/(1−sin(π/n))
の関係式が成立するようになっている。
【0060】
この実施の形態によれば、搭載される携帯機器における上記ヒンジの限られた太さに対して上記電気ケーブルの本数や容量を効率良く設定することができる。
【0061】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記電気信号伝送路は、電気ケーブルであり、
上記光電信号伝送路は、上記光ファイバケーブルの束と上記電気ケーブルの束とを並列に配置すると共に、上記光ファイバケーブルの束と上記電気ケーブルの束とを一つに束ねて構成されている。
【0062】
この実施の形態によれば、上記光ファイバケーブルと上記電気ケーブルとを予め別々に束ねることができ、製造し易い光電信号伝送路を実現できる。
【0063】
また、1実施の形態の光電信号伝送装置では、
一つの上記光ファイバケーブルの高さと、複数の互いに接触している上記電気ケーブルの全体の高かとが略同じになるように、上記光ファイバケーブルおよび上記電気ケーブルの直径を定めると共に、上記光ファイバケーブルおよび上記電気ケーブルを束ねている。
【0064】
この実施の形態によれば、特に薄さが要求される携帯機器に対して最適な光電信号伝送路を実現可能となる。
【0065】
また、この発明の電子機器は、
表示部を有する第1筐体と、
上記第1筐体に対して折り畳み且つ展開自在に連結されると共に、操作部を有する第2筐体と
を備え、
上記第1筐体と上記第2筐体とには、請求項1から請求項19までの何れか一つに記載の光電信号伝送装置を搭載し、
上記第1筐体側の光電信号伝送装置における上記電気信号伝送路と上記第2筐体側の光電信号伝送装置における上記電気信号伝送路とを電気的に接続し、
上記第1筐体側の光電信号伝送装置における上記光信号伝送路と上記第2筐体側の光電信号伝送装置における上記光信号伝送路とを光学的に接続し、
上記第1筐体側の上記光電信号伝送装置と上記第2筐体側の上記光電信号伝送装置との間で、光電信号の伝送を行う
ことを特徴としている。
【0066】
上記構成によれば、上記第1筐体と上記第2筐体とに、両筺体の間を光信号によって信号の伝送を行う上記光電信号伝送装置を有するので、上記光電信号伝送装置の上記電気信号伝送路からの電磁波ノイズの発生がなく、当該電子機器全体の電磁波ノイズを極端に低減することができる。さらに、上記光信号伝送装置に対するシールドが不要となり、更に省スペースに対応でき、コンパクト化を実現できる。
【0067】
さらに、上記光電信号伝送装置は、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能になっているので、上記第2筐体の上記第1筐体に対する開閉動作とねじれ動作とを容易に行うことが可能になる。
【0068】
ここで、上記電子機器とは、例えば、携帯電話,PDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント),ノートPC(パーソナルコンピュータ),ポータブルDVD(Digital Versatile Disk)およびデジタル音楽機器等である。
【発明の効果】
【0069】
以上より明らかなように、この発明の光電信号伝送装置は、レセプタクルとこのレセプタクルに保持されたプラグとの間で、単方向または双方向の光通信と電気通信とを行うことができるので、小型電子機器の内部配線において、単方向の高速信号伝送を光伝送とすることによって、電気信号伝送路からの電磁ノイズを低減することができ、且つ、比較的低速の電気信号伝送路の配線や電源配線やグランド配線を、光信号伝送路とまとめて行うことができる。
【0070】
さらに、上記電気信号伝送路および上記光信号伝送路を一つに束ねて光電信号伝送路を構成している。したがって、断面が略円形となり、携帯電話等のごとく複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続されたコンパクトな電子機器の上記筺体間の信号伝送を行う場合に、上記光電信号伝送路を上記筺体間の小さなヒンジ内を回転軸に略直交する方向に貫通可能であり、且つ各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能となる。
【0071】
また、この発明の電子機器は、第1筐体と第2筐体とに、両筺体の間を光信号によって信号の伝送を行う上記光電信号伝送装置を有するので、上記光電信号伝送装置における上記電気信号伝送路からの電磁波ノイズの発生がなく、当該電子機器全体の電磁波ノイズを極端に低減することができる。さらに、上記光信号伝送装置に対するシールドが不要となり、更に省スペースに対応できるようなコンパクト化を実現できる。
【0072】
さらに、上記光電信号伝送装置は、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能になっているので、上記第2筐体の上記第1筐体に対する開閉動作とねじれ動作とを容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0074】
・第1実施の形態
図1および図2は、本実施の形態の単方向伝送用の光電信号伝送装置における概略構成を示す図である。但し、図1は、本光電信号伝送装置を構成するレセプタクル71の平面図(図1(a))および側面図(図1(b))を示す。また、図2は、レセプタクル71に嵌合するプラグ77の平面図(図2(a))および側面図(図2(b))を示す。
【0075】
図1に示すように、レセプタクル本体72は、一方向に長辺を有する矩形の平面形状を有する板状体をなし、上記一方向に長辺を有する矩形の平面形状を有する凹部でなるレセプタクル側電気信号接続部73を有している。そして、レセプタクル側電気信号接続部73における一方の内側面と他方の内側面とに、互いに対向して対をなすレセプタクル側電気接触端子74a,74bが形成されている。さらに、レセプタクル側電気信号接続部73に隣接して、略T字形の平面形状を有する凹部でなるレセプタクル側光信号接続部75を有している。そして、レセプタクル側光信号接続部75における上記一方向と直交する方向に隣接して、発光素子(または受光素子)を含む光電デバイス76が設置されている。この光電デバイス76のうち、発光素子を含むデバイスを光送信用デバイス、受光素子と受光素子からの信号を処理する信号処理回路を含むデバイスを光受信用デバイスとする。
【0076】
これに対し、プラグ本体78は、図2に示すように、上記一方向に延在する長辺を有する矩形の平面形状を有する板状体をなし、上記一方向に長辺を有する矩形の平面形状を有する凸部でなるプラグ側電気信号接続部79を有している。そして、プラグ側電気信号接続部79における上記一方向に延在する互いに対向する一対の長外壁面には、互いに対をなすプラグ側電気接触端子80a,80bが16対形成されている。さらに、プラグ側電気信号接続部79に隣接して、略T字形の平面形状を有する凸部でなるプラグ側光信号接続部81を有している。
【0077】
そして、図3および図4に示すように、1本の光ファイバケーブル83の周囲に細線同軸ケーブル84を配置してねじり、テープ85で束ねて構成された光電信号伝送路82の細線同軸ケーブル84が、プラグ本体78の外側面に略垂直方向に挿入され、プラグ本体78内において、対をなしているプラグ側電気接触端子80a,80bの何れかの対に機械的・電気的に接続されている。また、光電信号伝送路82の光ファイバケーブル83は、プラグ側光信号接続部81における上記一方向と直交し且つ光電デバイス76側とは反対側の方向へ突出している突出部81aに略垂直方向に挿入され、プラグ側光信号接続部81内を貫通して光電デバイス76側の光ファイバ保持部81bから光ファイバケーブル83の端面が露出している。
【0078】
上記構成を有する上記プラグ77のプラグ本体78が、その凸部でなるプラグ側電気信号接続部79を、レセプタクル本体72の凹部でなるレセプタクル側電気信号接続部73に挿入して嵌合する一方、その凸部でなるプラグ側光信号接続部81を、レセプタクル本体72の凹部でなるレセプタクル側光信号接続部75に挿入して嵌合することによって、レセプタクル71のレセプタクル本体72に装着される。
【0079】
その際に、上記プラグ本体78のプラグ側光信号接続部81における光ファイバケーブル83の端面が、レセプタクル本体72の光電デバイス76の発光部(または受光部)と対向して、光ファイバケーブル83と光電デバイス76との光結合が行われる。さらに、プラグ本体78のプラグ側電気接触端子80a,80bがレセプタクル本体72のレセプタクル側電気接触端子74a,74bと接触して、プラグ77側の細線同軸ケーブル84とレセプタクル71側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われるのである。
【0080】
図5は、上記プラグ本体78のプラグ側光信号接続部81と、レセプタクル本体72のレセプタクル側光信号接続部75および光電デバイス76とを示す斜視図である。但し、図5(a)は、プラグ側光信号接続部81を示す。また、図5(b)は、レセプタクル側光信号接続部75および光電デバイス76を示す。尚、何れにおいても、矩形の平面形状を有する板状体の部分は省略して、プラグ側光信号接続部81,レセプタクル側光信号接続部75および光電デバイス76の部分のみを抜き出して示している。
【0081】
図5(b)に示すように、上記レセプタクル側光信号接続部75は矩形の凹部86とこの凹部86に続く矩形の切欠き89とで構成されており、光信号伝送用の光電デバイス76が装着される矩形の穴部87と併設されている。この光電デバイス76は、光信号送信用デバイスの場合には発光素子を含んで構成されており、光受信用デバイスの場合には受光素子とトランスインピーダンスアンプ等の受光信号処理回路とを含んで構成されている。何れの場合にも、光結合のためのレンズ88が設けられている。
【0082】
また、上記レセプタクル側光信号接続部75における凹部86には、プラグ側光信号接続部81が装着される。そして、凹部86における穴部87側とは反対側に設けられた切欠き89の両側壁には、装着されたプラグ側光信号接続部81の側面フックが係合する側面フック90が設けられている。さらに、凹部86における切欠き89に対向する内壁には、装着されたプラグ側光信号接続部81の正面フックが係合する2つの正面フック91が設けられている。また、凹部86と穴部87とを仕切る仕切壁には、半円形の断面形状を有する切欠き92が形成されており、光電デバイス76のレンズ88はこの切欠き92を通して凹部86に臨んでいる。
【0083】
図5(a)は、上記レセプタクル側光信号接続部75における凹部86に装着されるプラグ側光信号接続部81の斜視図である。図5(a)において、プラグ側光信号接続部81には、光電信号伝送路82から分離した光ファイバケーブル83が、背面側から正面側に向かって貫通して挿通されている。そして、プラグ側光信号接続部81における正面には、突出した光ファイバケーブル83を保持する円筒状の光ファイバ保持部81bと、レセプタクル側光信号接続部75における凹部86の正面フック91に係合する正面フック(図示せず)と、が設けられている。そして、光ファイバ保持部81bは、プラグ側光信号接続部81がレセプタクル側光信号接続部75の凹部86に装着された際に、上記仕切壁に形成された切欠き92に嵌合して、光ファイバケーブル83の端面をレンズ88に対向させるようになっている。
【0084】
また、上記プラグ側光信号接続部81における背面には、レセプタクル側光信号接続部75の切欠き89に嵌合可能な幅を有する直方体の突出部81aが形成されており、この突出部81aの端面には、保護被覆93で覆われた光ファイバケーブル83が挿入されている。また、突出部81aの両側面には、レセプタクル側光信号接続部75における切欠き89の側面フック90に係合する側面フック94が設けられている。
【0085】
上記構成を有するプラグ側光信号接続部81は、以下のようにして、上記レセプタクル側光信号接続部75の凹部86に装着される。すなわち、プラグ側光信号接続部81を、レセプタクル側光信号接続部75の穴部87に装着されている光電デバイス76の光軸方向(矢印95の方向)に対して垂直方向(矢印96の方向)に、レセプタクル側光信号接続部75の凹部86に挿入する。そして、プラグ側光信号接続部81の側面フック94をレセプタクル側光信号接続部75の側面フック90に係合させる一方、プラグ側光信号接続部81の上記正面フックをレセプタクル側光信号接続部75の正面フック91に係合させ、プラグ側光信号接続部81をレセプタクル側光信号接続部75における凹部86内の所定の位置に取り付け・固定する。
【0086】
この状態において、上記プラグ側光信号接続部81の光ファイバ保持部81b側における光ファイバケーブル83の端面が光電デバイス76のレンズ88と対向して、光ファイバケーブル83と光電デバイス76との光結合が行われるのである。
【0087】
図6は、上記プラグ本体78のプラグ側電気信号接続部79と、レセプタクル本体72のレセプタクル側電気信号接続部73とを示す斜視図である。但し、図6(a)は、プラグ側電気信号接続部79を示す。また、図6(b)は、レセプタクル側電気信号接続部73を示す。尚、何れにおいても、プラグ側電気信号接続部79およびレセプタクル側電気信号接続部73の近傍のみを抜き出して示している。
【0088】
図6(b)に示すように、上記レセプタクル側電気信号接続部73は、レセプタクル本体72の長手方向に延在する長辺を有する矩形の凹部でなり、一方の内側面と他方の内側面とに、互いに対向して対をなすレセプタクル側電気接触端子74a,74bが形成されている。
【0089】
図6(a)に示すように、上記プラグ側電気信号接続部79は、上記プラグ本体78の長手方向に延在する長辺を有する矩形の凸部でなり、凹部でなるレセプタクル側電気信号接続部73に嵌合可能になっている。そして、プラグ側電気信号接続部79における長手方向の両側壁には、互いに対をなすプラグ側電気接触端子80a,80bが形成されている。そして、各プラグ側電気接触端子80a,80bには、光電信号伝送路82から分離した細線同軸ケーブル84の何れかが機械的・電気的に接続されている。
【0090】
上記構成を有するプラグ側電気信号接続部79は、上記長手方向に対して垂直方向(矢印97の方向)にレセプタクル側電気信号接続部73に挿入されて、レセプタクル側電気信号接続部73と嵌合される。その際に、プラグ側電気信号接続部79側のプラグ側電気接触端子80a,80bがレセプタクル側電気信号接続部73側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bに接続され、細線同軸ケーブル84がレセプタクル側電気接触端子74a,74bに機械的・電気的に接続される。
【0091】
以上のごとく、本実施の形態においては、上記プラグ本体78のプラグ側電気信号接続部79およびプラグ側光信号接続部81を、レセプタクル本体72のレセプタクル側電気信号接続部73およびレセプタクル側光信号接続部75に嵌合させて、プラグ77をレセプタクル71に装着することによって、プラグ本体78側の光ファイバケーブル83とレセプタクル本体72側の光電デバイス76との光結合が行われる。さらに、プラグ本体78側の細線同軸ケーブル84とレセプタクル本体72側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われるようになっている。
【0092】
その際に、上記プラグ本体78の内部においては、上記細線同軸ケーブル84が水平方向に貫通してプラグ側電気信号接続部79でプラグ側電気接触端子80a,80bに機械的・電気的に接続されているだけである。さらに、プラグ側光信号接続部81を光ファイバケーブル83が水平方向に貫通しているだけである。しかも、光ファイバケーブル83に対して入出力される光信号を光電変換する光電デバイス76は、レセプタクル71側に設けられている。
【0093】
したがって、上記プラグ本体78は、細線同軸ケーブル84および光ファイバケーブル83が水平方向に貫通可能であり、レセプタクル側電気信号接続部73およびレセプタクル側光信号接続部75に確実に嵌合可能な範囲で薄く且つ狭幅に形成することが可能になる。
【0094】
さらに、上記光電信号伝送路82は、1本の光ファイバケーブル83の周囲に複数本の細線同軸ケーブル84を配置してねじり、テープ85で束ねて構成されている。したがって、光電信号伝送路82は、断面が略円形をなして柔軟性があり、曲げやねじれに対する耐久性を有している。
【0095】
すなわち、本実施の形態によれば、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して搭載すると共に、上記筺体間での単方向光通信と電気通信との同時伝送が可能であって、且つ、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置を提供することができる。
【0096】
さらに、本実施の形態においては、上記光電信号伝送路82を構成する電気信号伝送用の電気ケーブルとして、複数本の細線同軸ケーブル84を用いている。したがって、高速電気信号伝送に対してノイズの発生が低く、外来ノイズに対しても強い電気信号伝送用の電気ケーブルを実現でき、比較的高速な電気信号伝送を行う場合でも安定した伝送を行うことができる。
【0097】
尚、本実施の形態においては、上記光電信号伝送路82を構成する光信号伝送用の光ファイバケーブルを、図3に示すように、1本の光ファイバケーブル83で構成している。しかしながら、この発明はこれに限定するものではなく、上記光ファイバケーブルを、非常に細い複数の光ファイバケーブルからなるマルチコアのプラスチック光ファイバケーブルとすることも可能である。その場合には、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に搭載した場合に、各筺体の開閉動作に伴って光電信号伝送路82が屈曲する場合の光損失が少なく、屈曲半径が小さい場合でも安定した光信号伝送が可能になる。
【0098】
また、上記光電信号伝送路82を構成する光信号伝送用の光ファイバケーブルを、マルチモードのガラスファイバケーブルとすることも可能である。その場合には、高速光信号伝送に対して優れており、非常に高速な光信号伝送を行う場合でも安定した伝送が可能になる。
【0099】
・第2実施の形態
上記第1実施の形態においては単方向の光通信を行う光電信号伝送装置について述べたが、本実施の形態においては双方向の光通信を行う光電信号伝送装置について説明する。
【0100】
図7は、本実施の形態の光電信号伝送装置におけるレセプタクル101の平面図(図7(a))および側面図(図7(b))を示す。また、図8は、図7に示すレセプタクル101に嵌合するプラグ106の平面図(図8(a))および側面図(図8(b))を示す。尚、上記第1実施の形態の場合と同じ部材には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0101】
図7に示すように、レセプタクル本体102は、一方向に長辺を有する矩形の平面形状を有する板状体をなし、上記第1実施の形態の場合と同様のレセプタクル側電気接触端子74a,74bを有するレセプタクル側電気信号接続部73が設けられている。さらに、レセプタクル側電気信号接続部73に隣接して、凹部でなるレセプタクル側光信号接続部103を有している。但し、上記第1実施の形態におけるレセプタクル側光信号接続部75は唯一つの切欠き92を有しているのに対して、本実施の形態におけるレセプタクル側光信号接続部103は、反光電信号伝送路側に2つの切り欠き103a,103bを有している。そして、切り欠き103aに隣接して発光素子を含む光信号送信用デバイス104が設置される一方、切り欠き103bに隣接して受光素子および受光信号処理回路を含む光信号受信用デバイス105が設置されている。
【0102】
プラグ本体107は、図8に示すように、上記一方向に延在する長辺を有する矩形の平面形状を有する板状体をなし、上記第1実施の形態の場合と同様のプラグ側電気接触端子80a,80bを有するプラグ側電気信号接続部79が設けられている。さらに、プラグ側電気信号接続部79に隣接して、凸部でなるプラグ側光信号接続部108を有している。但し、上記第1実施の形態におけるプラグ側光信号接続部81は唯一つの光ファイバ保持部81bを有しているのに対し、本実施の形態におけるプラグ側光信号接続部108は、反光電信号伝送路側に2つの光ファイバ保持部108b,108cを有している。
【0103】
そして、本実施の形態では、2本の光ファイバケーブル110a,110bを束ね、その周囲に細線同軸ケーブル111を配置してねじり、テープ112で束ねて光電信号伝送路109を構成している。そして、光電信号伝送路109の細線同軸ケーブル111は、上記第1実施の形態の場合と同様にして、プラグ側電気接触端子80a,80bの何れかに機械的・電気的に接続されている。これに対して、光電信号伝送路109の光ファイバケーブル110a,110bは、プラグ側光信号接続部108における突出部108aから略垂直方向に挿入されてプラグ側光信号接続部108内を貫通し、光信号送信用デバイス104側の光ファイバ保持部108bから光ファイバケーブル110aの端面が露出している。また、光信号受信用デバイス105側の光ファイバ保持部108cから光ファイバケーブル110bの端面が露出している。
【0104】
図9は、上記レセプタクル本体102のレセプタクル側光信号接続部103,光信号送信用デバイス104および光信号受信用デバイス105を示す斜視図である。また、図10は、プラグ本体107のプラグ側光信号接続部108を示す斜視図である。尚、何れにおいても、矩形の平面形状を有する板状体の部分は省略して、レセプタクル側光信号接続部103,光信号送信用デバイス104,光信号受信用デバイス105およびプラグ側光信号接続部108の部分のみを抜き出して示している。
【0105】
図9に示すように、上記レセプタクル側光信号接続部103は矩形の凹部86とこの凹部86に続く矩形の切欠き89とで構成されており、矩形の2つの穴部113,114と併設されている。尚、穴部113,114は、上記第1実施の形態における穴部87の位置に相当する位置に形成されている。そして、2つの穴部113,114のうちの一方の穴部113には、光信号送信用デバイス104が装着される。また、他方の穴部114には、光信号受信用デバイス105が装着される。何れのデバイス104,105にも光結合用のレンズ115,116が設けられている。
【0106】
また、上記凹部86と穴部113とを仕切る仕切壁には、半円形の断面形状を有する切り欠き103aが形成されており、光信号送信用デバイス104のレンズ115はこの切り欠き103aを通して凹部86に臨んでいる。同様に、凹部86と穴部114とを仕切る仕切壁には、半円形の断面形状を有する切り欠き103bが形成されており、光信号受信用デバイス105のレンズ116はこの切り欠き103bを通して凹部86に臨んでいる。さらに、凹部86における切欠き89に対向する内壁には、凹部86に装着されるプラグ側光信号接続部108に設けられた2つの正面フックが係合する2つの正面フック117,118が設けられている。
【0107】
図10は、上記レセプタクル側光信号接続部103の凹部86に装着されるプラグ側光信号接続部108の斜視図である。但し、図10(a)は正面から見た斜視図であり、図10(b)は背面から見た斜視図である。
【0108】
図10において、上記プラグ側光信号接続部108には、上記光電信号伝送路109から分離した2本の光ファイバケーブル110a,110bが、背面側から正面側に向かって貫通して挿通されている。そして、プラグ側光信号接続部108における正面には、図10(a)に示すように、突出した光ファイバケーブル110a,110bを保持する2本の円筒状の光ファイバ保持部108b,108cと、レセプタクル側光信号接続部103における凹部86の正面フック117,118に係合する2つの正面フック119,120と、が設けられている。そして、光ファイバ保持部108b,108cは、プラグ側光信号接続部108がレセプタクル側光信号接続部103の凹部86に装着された際に、上記仕切壁に形成された切り欠き103a,103bに嵌合して、光ファイバケーブル110a,110bの端面をレンズ115,116に対向させるようになっている。
【0109】
また、上記プラグ側光信号接続部108における背面には、図10(b)に示すように、レセプタクル側光信号接続部103の切欠き89に嵌合可能な幅を有する直方体の突出部108aが形成されており、この突出部108aの端面には、保護被覆121,122で覆われた光ファイバケーブル110a,110bが挿入されている。
【0110】
その他の構成と、上記プラグ106のレセプタクル101への装着方法とは、上記第1実施の形態の場合と全く同様である。
【0111】
以上のごとく、本実施の形態においては、上記プラグ本体107のプラグ側電気信号接続部79およびプラグ側光信号接続部108を、レセプタクル本体102のレセプタクル側電気信号接続部73およびレセプタクル側光信号接続部103に嵌合させて、プラグ106をレセプタクル101に装着することによって、プラグ本体107側の光ファイバケーブル110a,110bとレセプタクル本体102側の光信号送信用デバイス104および光信号受信用デバイス105との光結合が行われる。さらに、プラグ本体107側の細線同軸ケーブル111とレセプタクル本体102側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われるようになっている。
【0112】
その際に、上記プラグ本体107の内部においては、上記細線同軸ケーブル111が水平方向に貫通してプラグ側電気信号接続部79でプラグ側電気接触端子80a,80bに機械的・電気的に接続されているだけである。さらに、プラグ側光信号接続部108を光ファイバケーブル110a,110bが水平方向に水平方向に貫通しているだけである。しかも、光ファイバケーブル110a,110bに対して入出力される光信号を光電変換する光信号送信用デバイス104および光信号受信用デバイス105は、レセプタクル101側に設けられている。
【0113】
したがって、上記プラグ本体107は、細線同軸ケーブル111および光ファイバケーブル110a,110bが貫通可能であり、レセプタクル側電気信号接続部73およびレセプタクル側光信号接続部103に確実に嵌合可能な範囲で薄く且つ狭幅に形成することが可能になる。
【0114】
さらに、上記光電信号伝送路109は、2本の光ファイバケーブル110a,110bを束ね、その周囲に複数本の細線同軸ケーブル111を配置してねじり、テープ112で束ねて構成されている。したがって、光電信号伝送路109は、断面が円形をなして柔軟性があり、曲げやねじれに対する耐久性を有している。
【0115】
すなわち、本実施の形態によれば、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して搭載すると共に、上記筺体間での双方向光通信と電気通信との同時伝送が可能であって、且つ、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置を提供することができるのである。
【0116】
尚、本実施の形態においては、上記第1実施の形態の場合と同様に、上記光電信号伝送路109を構成する光信号伝送用の光ファイバケーブルを、上記マルチコアのプラスチック光ファイバケーブルとすることによって、光電信号伝送路109が屈曲する場合の光損失を少なくして屈曲半径が小さい場合でも安定した光信号伝送を可能にすること、及び、上記マルチモードのガラスファイバケーブルとすることによって、高速光信号伝送を行う場合でも安定した伝送を可能にすることができることは言うまでもない。
【0117】
・第3実施の形態
本実施の形態は、プラグが、電気信号伝送用プラグと光信号伝送用プラグとに分離されている双方向の光通信を行う光電信号伝送装置に関する。
【0118】
図11は、本実施の形態における光電信号伝送装置を示す。但し、図11(a)はレセプタクル131の平面図であり、図11(b)はプラグ134の平面図である。
【0119】
レセプタクル本体132は、上記第2実施の形態において図7(a)に示すレセプタクル本体102と略同じ構成を有している。したがって、図7(a)に示すレセプタクル本体102と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
本実施の形態におけるレセプタクル本体132が、上記第2実施の形態におけるレセプタクル本体102と異なる点は、上記第2実施の形態においては光信号送信用デバイス104と光信号受信用デバイス105とを互いに独立して個別に設置しているのに対して、本実施の形態のレセプタクル本体132においては、単一の基材に発光素子と受光素子とを搭載してなる受発光デバイス133を設置している点である。
【0121】
これに対し、上記プラグ134は、電気信号伝送用プラグ135と光信号伝送用プラグ136とに分離されている。電気信号伝送用プラグ135は、上記第1実施の形態の場合と同様の構造を有するプラグ側電気信号接続部79が設けられている。しかしながら、プラグ側電気信号接続部79に隣接して凸部でなるプラグ側光信号接続部は形成されておらず、その分だけ電気信号伝送用プラグ135の長さは、上記第1実施の形態におけるプラグ本体78よりも短く構成されている。また、光信号伝送用プラグ136は、レセプタクル本体132におけるレセプタクル側光信号接続部103に嵌合可能な形状の輪郭を有しており、端的に言うならば上記第2実施の形態おいて図10に抜き出して示されたプラグ側光信号接続部108の部分と全く同じ構成を有している。そして、光電信号伝送路109の光ファイバケーブル110a,110bが、上記第2実施の形態におけるプラグ側光信号接続部108の場合と同様に挿入されて取り付けられている。
【0122】
上記構成を有するプラグ134の電気信号伝送用プラグ135をレセプタクル本体132のレセプタクル側電気信号接続部73に装着することによって、電気信号伝送用プラグ135のプラグ側電気接触端子(図示せず)がレセプタクル本体132のレセプタクル側電気接触端子74a,74bと接触して、電気信号伝送用プラグ135側の細線同軸ケーブル111とレセプタクル131側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われる。さらに、プラグ134の光信号伝送用プラグ136をレセプタクル本体132のレセプタクル側光信号接続部103に装着することによって、光信号伝送用プラグ136における光ファイバケーブル110aおよび光ファイバケーブル110bの端面が、レセプタクル本体132の受発光デバイス133における上記発光素子の発光部および上記受光素子の受光部と対向して、光ファイバケーブル110a,110bと受発光デバイス133との光結合が行われる。
【0123】
したがって、本実施の形態においても、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して搭載すると共に、上記筺体間での双方向光通信と電気通信との同時伝送が可能であり、且つ、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置を提供することができる。
【0124】
さらに、上記プラグ134を、電気信号伝送用プラグ135と光信号伝送用プラグ136とに分離している。したがって、プラグ134を製造する際に、電気信号伝送用プラグ135と光信号伝送用プラグ136とを別々に製造することが可能になり、電気信号伝送用プラグ135の歩留まり低下あるいは光信号伝送用プラグ136の歩留まり低下に起因して、プラグ134全体の歩留まりが低下することを防止できる。こうして、量産性に優れた光電信号伝送装置を実現可能となる。
【0125】
・第4実施の形態
本実施の形態は、レセプタクルが、電気信号伝送用レセプタクルと光信号伝送用レセプタクルとに分離されて双方向の光通信を行う光電信号伝送装置に関する。
【0126】
図12は、本実施の形態における光電信号伝送装置を示す。但し、図12(a)はレセプタクル141の平面図であり、図12(b)はプラグ146の平面図である。
【0127】
上記レセプタクル141は、電気信号伝送用レセプタクル142と光信号伝送用レセプタクル143とに分離されている。
【0128】
上記電気信号伝送用レセプタクル142には、上記第1実施の形態の場合と同様の構造を有するレセプタクル側電気信号接続部73が設けられている。しかしながら、レセプタクル側電気信号接続部73に隣接して凹部でなるレセプタクル側光信号接続部は形成されておらず、その分だけ電気信号伝送用レセプタクル142の長さは、上記第1実施の形態におけるレセプタクル本体72よりも短く構成されている。
【0129】
上記光信号伝送用レセプタクル143は、プラグ本体147におけるプラグ側光信号接続部108が嵌合可能な形状の凹部でなるレセプタクル側光信号接続部103を有しており、単一の基材に発光素子と受光素子とを搭載してなる受発光デバイス133が設置されている。尚、144は、光信号伝送用レセプタクル143が基板(図示せず)に実装される際の接続用端子である。また、145は、上記基板に実装される際の取付用端子である。
【0130】
これに対し、プラグ本体147は、上記第2実施の形態において図8(a)に示すプラグ本体107と略同じ構成を有している。したがって、図8(a)に示すプラグ本体107と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0131】
上記構成を有するプラグ本体147のプラグ側電気信号接続部79を電気信号伝送用レセプタクル142のレセプタクル側電気信号接続部73に装着することによって、プラグ本体147のプラグ側電気接触端子(図示せず)が電気信号伝送用レセプタクル142のレセプタクル側電気接触端子74a,74bと接触して、プラグ本体147側の細線同軸ケーブル111と電気信号伝送用レセプタクル142側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われる。さらに、プラグ本体147のプラグ側光信号接続部108を光信号伝送用レセプタクル143のレセプタクル側光信号接続部103に装着することにより、プラグ側光信号接続部108における光ファイバケーブル110a,110bの端面が、光信号伝送用レセプタクル143の受発光デバイス133における上記発光素子の発光部と上記受光素子の受光部と対向して、光ファイバケーブル110a,110bと受発光デバイス133との光結合が行われる。
【0132】
以上のごとく、本実施の形態においては、上記レセプタクル141を、電気信号伝送用レセプタクル142と光信号伝送用レセプタクル143とに分離している。したがって、レセプタクル141を製造する際に、電気信号伝送用レセプタクル142と光信号伝送用レセプタクル143とを別々に製造することが可能になり、電気信号伝送用レセプタクル142の歩留まり低下あるいは光信号伝送用レセプタクル143の歩留まり低下に起因して、レセプタクル141全体の歩留まりが低下することを防止できる。こうして、量産性に優れた光電信号伝送装置を実現可能となる。
【0133】
さらに、本実施の形態においても、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して搭載すると共に、上記筺体間での双方向光通信と単方向または双方向の電気通信との同時伝送が可能であり、且つ、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置を提供することができる。
【0134】
・第5実施の形態
本実施の形態は、レセプタクルが電気信号伝送用レセプタクルと光信号伝送用レセプタクルとに分離されると共に、プラグが電気信号伝送用プラグと光信号伝送用プラグとに分離されて、双方向の光通信を行う光電信号伝送装置に関する。
【0135】
図13は、本実施の形態における光電信号伝送装置を示す。但し、図13(a)はレセプタクルの平面図であり、図13(b)はプラグの平面図である。
【0136】
上記レセプタクルは、図12に示す上記第4実施の形態のレセプタクル141と全く同じ構成を有しており、上記第4実施の形態におけるレセプタクル141と同じ番号を付して、詳細な説明は省略する。尚、レセプタクル141は、レセプタクル側電気信号接続部73が設けられた電気信号伝送用レセプタクル142と、レセプタクル側光信号接続部103および受発光デバイス133が設けられた光信号伝送用レセプタクル143とに分離されている。
【0137】
これに対し、上記プラグは、図11に示す上記第3実施の形態のプラグ134と全く同じ構造を有しており、上記第3実施の形態におけるプラグ134と同じ番号を付して、詳細な説明は省略する。尚、プラグ134は、プラグ側電気信号接続部79が設けられた電気信号伝送用プラグ135と、レセプタクル側光信号接続部103に嵌合可能な光信号伝送用プラグ136とに分離されている。
【0138】
上記構成を有する上記電気信号伝送用プラグ135のプラグ側電気信号接続部79を電気信号伝送用レセプタクル142のレセプタクル側電気信号接続部73に装着することによって、プラグ側電気信号接続部79のプラグ側電気接触端子(図示せず)がレセプタクル側電気信号接続部73のレセプタクル側電気接触端子74a,74bと接触して、電気信号伝送用プラグ135側の細線同軸ケーブル111と電気信号伝送用レセプタクル142側のレセプタクル側電気接触端子74a,74bとの電気的接続が行われる。さらに、光信号伝送用プラグ136を光信号伝送用レセプタクル143のレセプタクル側光信号接続部103に装着することによって、光信号伝送用プラグ136における光ファイバケーブル110a,110bの端面が、光信号伝送用レセプタクル143の受発光デバイス133における上記発光素子の発光部と上記受光素子の受光部と対向して、光ファイバケーブル110a,110bと受発光デバイス133との光結合が行われる。
【0139】
以上のごとく、本実施の形態においては、上記プラグ134を、電気信号伝送用プラグ135と光信号伝送用プラグ136とに分離している。また、レセプタクル141を、電気信号伝送用レセプタクル142と光信号伝送用レセプタクル143とに分離している。したがって、プラグ134を製造する際に、電気信号伝送用プラグ135の歩留まり低下あるいは光信号伝送用プラグ136の歩留まり低下に起因して、プラグ134全体の歩留まりが低下することを防止できる。同様に、レセプタクル141を製造する際に、電気信号伝送用レセプタクル142の歩留まり低下あるいは光信号伝送用レセプタクル143の歩留まり低下に起因して、レセプタクル141全体の歩留まりが低下することを防止できる。こうして、量産性にさらに優れた光電信号伝送装置を実現可能となる。
【0140】
さらに、上記レセプタクル141を基板に実装する場合、電気信号伝送用レセプタクル142と光信号伝送用レセプタクル143とに分けて実装することができ、レセプタクル141の搭載位置に対する自由度が増す。したがって、効率のよい基板実装レイアウトを実現できる。
【0141】
さらに、本実施の形態においても、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して搭載するとともに、上記筺体間での双方向光通信と電気通信との同時伝送が可能であり、且つ、各筺体の開閉動作およびねじれ動作に対応可能な光電信号伝送装置を提供することができる。
【0142】
・第6実施の形態
本実施の形態は、プラグ本体からの上記細線同軸ケーブルの引き出し方向と光ファイバケーブル引き出し方向とが略直交しており、双方向の光通信を行う光電信号伝送装置に関する。
【0143】
図14は、本実施の形態における光電信号伝送装置を示す。但し、図14(a)はレセプタクル151の平面図であり、図14(b)はプラグ155の平面図である。
【0144】
プラグ本体156は、上記第2実施の形態において図8(a)に示すプラグ本体107と略同じ構成を有している。したがって、図8(a)に示すプラグ本体107と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0145】
本実施の形態におけるプラグ本体156が上記第2実施の形態におけるプラグ本体107とは異なる点は、上記第2実施の形態においては、プラグ側光信号接続部108が、光ファイバケーブル110a,110bの引き出し方向がプラグ本体107の長手方向に略直交する方向になるように設置されているのに対して、本実施の形態のプラグ側光信号接続部157は、光ファイバケーブル110a,110bの引き出し方向がプラグ本体156の長手方向になるように設置されている点である。但し、プラグ側光信号接続部157の構成は、上記第2実施の形態におけるプラグ側光信号接続部108の構成と、全く同じである。
【0146】
レセプタクル本体152は、上記第3実施の形態において図11(a)に示すレセプタクル本体132と略同じ構成を有している。したがって、図11(a)に示すレセプタクル本体132と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0147】
本実施の形態におけるレセプタクル本体152が上記第3実施の形態におけるレセプタクル本体132とは異なる点は、上記第3実施の形態においては、レセプタクル側光信号接続部103が、光信号伝送用プラグ136の向きに合わせた向きに設置されているのに対して、本実施の形態のレセプタクル側光信号接続部153は、プラグ側光信号接続部157の向きに合わせた向きに、つまり上記第3実施の形態のレセプタクル側光信号接続部103の向きに対して90°回転させた向きに設置されている点である。それに伴って、レセプタクル側光信号接続部153に併設された穴部でなるデバイス収納部とこのデバイス収納部に収納される受発光デバイス154の位置と向きも変更されている。但し、レセプタクル側光信号接続部153および受発光デバイス154の構成は、上記第3実施の形態におけるレセプタクル側光信号接続部103および受発光デバイス133の構成と、全く同じである。
【0148】
光電信号伝送路109は、上記プラグ本体156の長手方向に延在しており、光電信号伝送路109の光ファイバケーブル110a,110bは、プラグ本体156の端面156aからプラグ側光信号接続部157の突出部157aに至り、プラグ側光信号接続部157内に挿入されている。これに対し、光電信号伝送路109の細線同軸ケーブル111は、プラグ本体156の側面156bに沿って延在され、プラグ本体156の側面156bから略垂直方向にプラグ本体156内に挿入されている。
【0149】
上記構成によれば、上記第2実施の形態の場合のように、光電信号伝送路109を、プラグ本体107の長手方向に対して略直交する方向に延在させる場合に比して、光電信号伝送路109をも含めたプラグ155全体を細くまとめることができる。したがって、プラグ155を、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器における筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通させる場合に、さらに容易に貫通させることが可能になる。
【0150】
尚、上記第3実施の形態〜第6実施の形態においては、双方向の光通信を行う光電信号伝送装置を例に説明している。しかしながら、単方向の光通信を行う光電信号伝送装置に適用できることは言うまでもない。
【0151】
・第7実施の形態
本実施の形態は、上記第4実施の形態および上記第5実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143に関する。尚、以下の説明においては、上記第4実施の形態および上記第5実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0152】
図15は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル143の構成を示す。但し、図15(a)は平面図であり、図15(b)は縦断面図である。
【0153】
上記光信号伝送用レセプタクル143は、概ね直方体をなしている。そして、その一面には、矩形の凹部161とこの凹部161に続く矩形の切欠き162とで構成される凹部でなるレセプタクル側光信号接続部103と、矩形の穴部163とが、併設されている。このレセプタクル側光信号接続部103には、第4実施の形態におけるプラグ側光信号接続部108、または、第5実施の形態における光信号伝送用プラグ136が装着される。
【0154】
また、上記凹部161と穴部163とを仕切る仕切壁には、2つの切欠き164a,164bが形成されており、この切欠き164a,164bには、プラグ側光信号接続部108あるいは光信号伝送用プラグ136における反光電信号伝送路側へ突出している2つの光ファイバ保持部(上記第2実施の形態における光ファイバ保持部108b,108cを参照)が嵌合する。
【0155】
また、上記穴部163には、上記第4実施の形態および上記第5実施の形態における受発光デバイス133が装着される。また、上記光信号伝送用レセプタクル143の上壁から側壁に掛けて、基板に実装される際に用いられる取付用端子145が設けられている。
【0156】
以下、上記穴部163に装着される受発光デバイス133について説明する。この受発光デバイス133は、光信号伝送用レセプタクル143の底面に対して略直交する方向を面方向とする基板165上に、発光素子166と、受光素子167およびこの受光素子167用の信号増幅IC(集積回路)168とを搭載し、全体をモールド樹脂によって封止して構成されている。そして、図15(b)に示すように、基板165の表面から裏面に掛けてスルーホールを介して、発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168用の基板電極169が形成されており、この基板電極169は基板165の裏面において接続用端子144に電気的に接続している。接続用端子144は、光信号伝送用レセプタクル143を上記基板に実装する際の外部端子との接続用の端子である。尚、本実施の形態における接続用端子144は、図15(b)に示すように、光信号伝送用レセプタクル143の底面でL字状に曲げられて、表面実装を可能にしている。
【0157】
このように、本実施の形態においては、上記光信号伝送用レセプタクル143の穴部163に装着される受発光デバイス133を、光信号伝送用レセプタクル143の底面に対して略直交する方向を面方向として配置する。そして、発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168用の基板電極169には、L字状に曲げられて外部に突出している接続用端子144が電気的に接続されている。
【0158】
したがって、上記光信号伝送用レセプタクル143を基板に実装する際に、発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168用の基板電極169を直接半田付けする必要が無く、受発光デバイス133の信頼性を向上させることができる。また、実装される基板に対しては、接続用端子144を上記基板上の外部端子と半田付けすればよく、確実で且つ容易な取付構造を実現できる。
【0159】
また、本実施の形態においては、上記受発光デバイス133を、基板165上に搭載した発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168を樹脂で封止して構成している。したがって、受発光デバイス133を比較的小さく構成でき、コンパクトな光信号伝送用レセプタクル143を実現できる。
【0160】
尚、本実施の形態においては、外部端子との接続用の接続用端子として、L字状に曲げられて、表面実装を可能にする接続用端子144を用いている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図16に示すように、真っ直ぐな形状の接続用端子170を用いて、実装される基板のスルーホールへ接続できるようにしても差し支えない。
【0161】
・第8実施の形態
本実施の形態は、上記第7実施の形態における受発光デバイス133とは異なる受発光デバイスに関する。尚、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143と同じ部材に対しては同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0162】
図17は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル143の構成を示す。但し、図17(a)は平面図であり、図17(b)は縦断面図である。
【0163】
本実施の形態の受発光デバイス171においては、光信号伝送用レセプタクル143の底面に対して略直交する方向を面方向とするリードフレーム172上に、発光素子166と、受光素子167およびこの受光素子167用の信号増幅IC168とを搭載し、全体をモールド樹脂によって封止して構成されている。そして、図17(b)に示すように、リードフレーム172の先端側が、部分的に受発光デバイス171の裏側まで延在されて、発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168用の基板電極173を形成している。そして、この基板電極173を、受発光デバイス171の裏面において、L字状に曲げられた接続用端子144に電気的に接続している。
【0164】
以上のごとく、本実施の形態においては、光信号伝送用レセプタクル143に装着される受発光デバイス171を、リードフレーム172上に、発光素子166と、受光素子167およびこの受光素子167用の信号増幅IC168とを搭載し、全体をモールド樹脂によって封止して構成している。したがって、受発光デバイス171のパッケージの信頼性を向上できる。また、製造工程が簡単になり大量生産を可能にすることができる。
【0165】
・第9実施の形態
上記第7実施の形態においては、双方向の光通信を行う光電信号伝送装置に用いられる光信号伝送用レセプタクル143について説明したが、本実施の形態は、単方向の光通信を行う光電信号伝送装置に用いられる光信号伝送用レセプタクルに関する。
【0166】
図18は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル181の構成を示す。但し、図18(a)は平面図であり、図18(b)は縦断面図である。
【0167】
上記光信号伝送用レセプタクル181は、概ね直方体をなしている。そして、その一面には、矩形の凹部182とこの凹部182に続く矩形の切欠き183とで構成される凹部でなるレセプタクル側光信号接続部184と、矩形の穴部185とが、併設されている。このレセプタクル側光信号接続部184には、第1実施の形態におけるプラグ側光信号接続部81が装着される。
【0168】
また、上記凹部182と穴部185とを仕切る仕切壁には、切欠き186が形成されており、この切欠き186には、プラグ側光信号接続部81における反光電信号伝送路側へ突出している光ファイバ保持部81bが嵌合する。
【0169】
また、上記穴部185には、発光素子を含む光電デバイス187が装着される。また、上記光信号伝送用レセプタクル181の上壁から側壁に掛けて、基板に実装される際に用いられる取付用端子188が設けられている。
【0170】
以下、上記穴部185に装着される光電デバイス187について説明する。この光電デバイス187は、光信号伝送用レセプタクル181の底面に対して略直交する方向を面方向とする基板189の表面に発光素子190を搭載する一方、基板189の裏面に発光素子190の駆動用IC191を搭載し、全体をモールド樹脂によって封止して構成されている。そして、図18(b)に示すように、基板189の表面から裏面に掛けてスルーホールを介して、発光素子190および駆動用IC191用の基板電極192が形成されており、この基板電極192は基板189の裏面において接続用端子193に電気的に接続している。接続用端子193は、光信号伝送用レセプタクル181の底面でL字状に曲げられて、表面実装を可能にしている。
【0171】
このように、本実施の形態によれば、上記第7実施の形態の場合と同様に、光信号伝送用レセプタクル181を基板に実装する際に基板電極192を直接半田付けする必要が無く、光電デバイス187の信頼性を向上させることができる。また、実装される基板に対しては、接続用端子193を上記基板上の外部端子と半田付けすればよく、確実で且つ容易な取付構造を実現できる。
【0172】
また、本実施の形態においては、上記光電デバイス187を、発光素子190および駆動用IC191を基板189の表面および裏面に搭載し、樹脂で封止して構成している。したがって、発光素子190と駆動用IC191とを併設する場合に比して光電デバイス187を小さく構成でき、コンパクトな光信号伝送用レセプタクル181を実現できる。
【0173】
尚、本実施の形態においては、外部端子との接続用の接続用端子として、L字状に曲げられて、表面実装を可能にする接続用端子193を用いている。しかしながら、真っ直ぐな形状の接続用端子を用いて、実装される基板のスルーホールへ接続できるようにしてもよい。
【0174】
また、本実施の形態においては、上記光電デバイス187を、基板189上に発光素子190および駆動用IC191を搭載して構成しているが、リードフレーム上に搭載してパッケージの信頼性の向上を図ってもよい。
【0175】
・第10実施の形態
上記第9実施の形態においては、単方向の光送信を行う光信号伝送用レセプタクル181について説明したが、本実施の形態は、単方向の光受信を行う光信号伝送用レセプタクルに関する。
【0176】
図19は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル201の構成を示す。但し、図19(a)は平面図であり、図19(b)は断面図である。尚、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181と同じ部材には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0177】
本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル201は、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181と以下の点において異なる。
【0178】
すなわち、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181における光電デバイス187が、基板189の表面に発光素子190を搭載する一方、基板189の裏面に発光素子190の駆動用IC191を搭載した光信号送信用デバイスである。これに対して、本光信号伝送用レセプタクル201における光電デバイス202は、基板189の表面に受光素子203を搭載する一方、基板189の裏面に受光素子203用の信号増幅IC204を搭載した光信号受信用デバイスである。
【0179】
このように、本実施の形態によれば、上記第9実施の形態の場合と同様に、上記光電デバイス202を、受光素子203および信号増幅IC204を基板189の表面および裏面に搭載し、樹脂で封止して構成している。したがって、受光素子203と信号増幅IC204とを併設する場合に比して光電デバイス202を小さく構成でき、コンパクトな光信号伝送用レセプタクル201を実現できる。
【0180】
尚、上記第9実施の形態および上記第10実施の形態においては、単方向の光送信を行う光電デバイス187および光電デバイス202を、基板189の表面に発光素子190あるいは受光素子203を搭載する一方、基板189の裏面に発光素子190の駆動用IC191あるいは受光素子203用の信号増幅IC204を搭載して、コンパクトに構成している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図20に示すように、光電デバイス205を、基板189の表面に発光素子206と受光素子207とを搭載する一方、基板189の裏面に受光素子207用の信号増幅IC208を搭載して、双方向の光送信を行うコンパクトな受発光デバイスとすることも可能である。
【0181】
・第11実施の形態
本実施の形態は、上記第9実施の形態の場合と同様に、単方向の光送信を行うコンパクトな光信号伝送用レセプタクルに関する。
【0182】
図21は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル211の構成を示す。但し、図21(a)は平面図であり、図21(b)は断面図である。尚、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181と同じ部材には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0183】
本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル211は、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181と以下の点において異なる。
【0184】
すなわち、上記第9実施の形態における光信号伝送用レセプタクル181における光電デバイス187が、基板189の表面に発光素子190を搭載する一方、基板189の裏面に発光素子190の駆動用IC191を搭載した光信号送信用デバイスである。これに対して、本光信号伝送用レセプタクル211における光電デバイス212は、基板189の表面に発光素子213の駆動用IC214を搭載し、駆動用IC214の上に発光素子213を積層した光信号送信用デバイスである。尚、その他の構成は、上記第9実施の形態の場合と全く同様である。
【0185】
このように、本実施の形態によれば、上記光電デバイス212を、基板189の表面に駆動用IC214と発光素子213との積層物を搭載し、樹脂で封止して構成している。したがって、上記第9実施の形態の場合と同様に、発光素子213とその駆動用IC214とを併設する場合に比して光電デバイス212を小さく構成でき、コンパクトな光信号伝送用レセプタクル211を実現できるのである。
【0186】
・第12実施の形態
上記第11実施の形態においては、単方向の光送信を行う光信号伝送用レセプタクル211について説明したが、本実施の形態は、単方向の光受信を行う光信号伝送用レセプタクルに関する。
【0187】
図22は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル215の構成を示す。但し、図22(a)は平面図であり、図22(b)は断面図である。尚、上記第11実施の形態における光信号伝送用レセプタクル211と同じ部材には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0188】
本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル215は、上記第11実施の形態における光信号伝送用レセプタクル211と以下の点において異なる。
【0189】
すなわち、上記第11実施の形態における光信号伝送用レセプタクル211における光電デバイス212が、基板189の表面に駆動用IC214と発光素子213との積層物を搭載した光信号送信用デバイスである。これに対して、本光信号伝送用レセプタクル215における光電デバイス216は、基板189の表面に受光素子217用の信号増幅IC218を搭載し、信号増幅IC218の上に受光素子217を積層した光信号受信用デバイスである。尚、その他の構成は、上記第11実施の形態の場合と全く同様である。
【0190】
このように、本実施の形態によれば、上記光電デバイス216を、基板189の表面に信号増幅IC218と受光素子217との積層物を搭載し、樹脂封止して構成している。したがって、上記第10実施の形態の場合と同様に、受光素子217とその信号増幅IC218とを併設する場合に比して光電デバイス216を小さく構成でき、コンパクトな光信号伝送用レセプタクル215を実現できるのである。
【0191】
・第13実施の形態
本実施の形態は、上記レセプタクル本体および上記光信号伝送用レセプタクルの薄型化に関する。尚、本実施の形態においては、光信号伝送用レセプタクルを例に挙げて説明する。
【0192】
上記第7実施の形態〜第12実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143,181,201,211,215においては、基板電極169,173,192に電気的に接続すると共に、実装される際に外部端子と接続する接続用端子144,170,193が形成されている。
【0193】
図23は、本実施の形態の光電信号伝送装置における光信号伝送用レセプタクル261の構成を示す。但し、図23(a)は平面図であり、図23(b)は断面図である。尚、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143と同じ部材には同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0194】
本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル261は、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143と以下の点において異なる。
【0195】
すなわち、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143では、受発光デバイス133用の基板電極169に、接続用端子144を電気的に接続している。これに対して、本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル261では、上記第7実施の形態における接続用端子144に相当する接続用端子を設けておらず、基板165の側面から裏面に掛けて形成されている基板電極169が露出されるように、概ね直方体をなす光信号伝送用レセプタクル261の底面を形成している。つまり、光信号伝送用レセプタクル261の厚みAを、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143の厚みよりも薄くして、受発光デバイス133を収納する矩形の穴部163を貫通穴とするのである。
【0196】
図24は、上記受発光デバイス133の概略構成を示す。但し、図24(a)は平面図であり、図24(b)は側面図であり、図24(c)は端面図である。上記受発光デバイス133は、基板165上に、発光素子166と、受光素子167およびこの受光素子167用の信号増幅IC168とを搭載し、発光素子166を送信側モールド樹脂263で封止する一方、受光素子167および信号増幅IC168を受信側モールド樹脂264で封止している。そして、基板165の側面から裏面に掛けて発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168用の基板電極169が夫々形成されており、スルーホール265を介して、発光素子166,受光素子167および信号増幅IC168と電気的に接続されて構成されている。また、261は送信側のレンズであり、262は受信側のレンズである。
【0197】
上記構成を有する光信号伝送用レセプタクル261の実装基板への実装は、光信号伝送用レセプタクル261の底面から露出している基板電極169を、上記実装基板上の外部端子と半田付けすることによって行う。
【0198】
このように、本実施の形態における光信号伝送用レセプタクル261は、その厚みAが上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143の厚みよりも薄く構成されている。したがって、このような光信号伝送用レセプタクル261の構造を、例えば上記第2実施の形態におけるレセプタクル101のレセプタクル側光信号接続部103に適用した場合には、図25に示すように、レセプタクル側光信号接続部103の厚みを薄く形成できる分だけレセプタクル本体102の厚みも薄く形成することができる。延いては、プラグ本体107の厚みBも薄く形成することができるのである。
【0199】
以上の説明においては、本実施の形態の技術的思想を、上記第7実施の形態における光信号伝送用レセプタクル143および上記第2実施の形態におけるレセプタクル本体102に適用しているが、他の実施の形態におけるレセプタクル本体および光信号伝送用レセプタクルにも適用できることは言うまでもない。そうすることによって、より薄型のレセプタクル本体,プラグ本体,電気信号伝送用レセプタクル,電気信号伝送用プラグ,光信号伝送用レセプタクルおよび光信号伝送用プラグを形成することができ、より薄型の光電記伝送装置を提供することができるのである。
【0200】
・第14実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態の光電信号伝送装置のごとく単方向光通信と単方向または双方向の電気通信との同時伝送を可能にする光電信号伝送路82の具体的構成に関する。
【0201】
上記光電信号伝送路82は、図3および図4に示すように、1本の光ファイバケーブル83の周囲に複数本の細線同軸ケーブル84を配置してねじり、テープ85で束ねて構成されている。その場合、複数の筺体を互いの相対位置が可変なように接続した携帯機器に対して、筺体間のヒンジ内を、このヒンジの回転軸に略直交する方向に貫通して、光電信号伝送装置を搭載するためには、予め定められた細線同軸ケーブル84の本数に対して光電信号伝送路82の最外径を最小にする必要がある。そして、それを可能にするための光ファイバケーブル83と細線同軸ケーブル84との配列は、図26に示すようになる。すなわち、図26においては、光ファイバケーブル83と各細線同軸ケーブル84とが密着し、且つ、隣接する細線同軸ケーブル84同士が密着している。
【0202】
ここで、図26においては、上記光ファイバケーブル83の半径をaとし、細線同軸ケーブル84の半径をbとし、細線同軸ケーブル84の本数をnとした場合に、
b=(a+b)sin(π/n)
の関係式が成立し、この関係式から次式
b=a・sin(π/n)/(1−sin(π/n))
が得られる。したがって、上記式を満たすように、上記「a」,「b」および「n」を設定することによって、携帯機器の筺体間における限られた太さのヒンジを貫通可能な光電信号伝送路82の上記「a」,「b」および「n」を、最適効率になるように設定することができる。
【0203】
尚、上述したように、図26に示すような光電信号伝送路82の構造は、第1の筺体が第2の筺体に対して開閉する動作に加えて、第1の筺体が中心軸の周りに回転する(つまり、第2の筺体に対してねじれる)動作が同時に行われる携帯機器に搭載する際に最適な構造である。ところが、第1の筺体が第2の筺体に対して開閉するだけの携帯機器に搭載する場合には、ねじれに対する耐久性よりも、厚みの薄さが要求される。図27および図28は、そのような要求を満たす光電信号伝送路221,227の断面を示す。
【0204】
上記光電信号伝送路221は、光ファイバケーブル222の束でなる一つの光信号伝送路223と、細線同軸ケーブル224の束でなる一つの電気信号伝送路225とを、並列に配置する。そして、さらに、光信号伝送路223と電気信号伝送路225とをテープ226で一つに束ねて構成されている。また、光電信号伝送路227は、光ファイバケーブル228の束でなる一つの光信号伝送路229を、細線同軸ケーブル230の束でなる電気信号伝送路231と細線同軸ケーブル232の束でなる電気信号伝送路233との二つの電気信号伝送路231,233で挟んで、並列に配置する。そして、さらに、光信号伝送路229と電気信号伝送路231,233とをテープ234で一つに束ねて構成されている。
【0205】
その場合、何れの光電信号伝送路221,227の場合にも、一つの光信号伝送路223,229の高さと、一つの電気信号伝送路225あるいは二つの電気信号伝送路231,233の高さとが略同じ高さH1,H2になるように、光ファイバケーブル222,228および細線同軸ケーブル224,230,232の直径が定められている。
【0206】
したがって、上記高さH1,H2を、光ファイバケーブル222,228および細線同軸ケーブル224,230,232のうち最も太いケーブル(図27および図28の場合には光ファイバケーブル222,228)の直径になるように設定すれば、光電信号伝送路221,227の高さH1,H2を必要最小限の高さにすることができる。その結果、第1の筺体が第2の筺体に対して開閉するだけの携帯機器に搭載するのに好適な光電信号伝送路を得ることができるのである。
【0207】
・第15実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態〜上記第13実施の形態における光電信号伝送装置を用いた電子機器に関する。この電子機器は、上記PDA,ノートPCおよびポータブルDVD等の表示パネルを有する筐体と操作部および記憶媒体等を有する筐体とが分離して、折りたたみ可能な電子機器である。
【0208】
図29は、本実施の形態における折り畳み型の電子機器の簡略構成図である。但し、図29(a)は折り畳み部を展開した状態の正面図である。また、図29(b)は図29(a)において外殻を除去した状態を示す図である。また、図29(c)は、折り畳み軸に直交な方向への断面図である。
【0209】
本電子機器241は、第1筐体242と、第2筐体243と、第1筐体242と第2筐体243との間を回転自在に接続する曲げヒンジ部244と、によって概略構成されている。第1筐体242には表示部245が設けられており、表示部245の裏面にはカメラ246も設けられている。表示部245およびカメラ246は複数設けてもよいし、カメラ246を表示部245と同じ面に設けてもよい。また、第2筐体243には、ボタン等の操作パネルが設けられている。
【0210】
第1筐体242の内部には、第1メインボード247が設けられている。また、第2筐体243の内部には、第2メインボード248が設けられている。そして、第1メインボード247と第2メインボード248との間の信号伝送は、光信号によって行われる。すなわち、第1メインボード247には、発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)を樹脂封止したパッケージ(図示せず)が搭載された上記第1実施の形態〜上記第5実施の形態におけるレセプタクル71,101,131,141の何れかと同じ第1レセプタクル部249が設けられて、第1メインボード247と電気的に接続されている。そして、この第1レセプタクル部249には、上記第1実施の形態〜上記第5実施の形態における光電信号伝送路の何れかと同じ光電信号伝送路250の一端に設けられた、上記第1実施の形態〜上記第5実施の形態におけるプラグ77,106,134,146の何れかと同じ第1プラグ部251が装着される。
【0211】
同様に、上記第2メインボード248には、上記第1実施の形態〜上記第5実施の形態におけるレセプタクル71,101,131,141の何れかと同じ第2レセプタクル部252が設けられて、第2メインボード248と電気的に接続されている。そして、この第2レセプタクル部252には、光電信号伝送路250の他端に設けられた、上記第1実施の形態〜上記第5実施の形態におけるプラグ77,106,134,146の何れかと同じ第2プラグ部253が装着される。こうして、光電信号伝送路250によって光信号の伝送を行うのである。
【0212】
すなわち、本実施の形態においては、第1レセプタクル部249,光電信号伝送路250,第1プラグ部251,第2レセプタクル部252および第2プラグ部253によって、光電信号伝送部254を構成するのである。
【0213】
その際に、上記光電信号伝送路250は、図3および図4に示す光電信号伝送路82と同様に、1本の光ファイバケーブルの周囲に複数の細線同軸ケーブルを配置してねじり、テープで束ねて構成されている。したがって、光電信号伝送路250は曲げヒンジ部244内を回転軸に略直交する方向に貫通することができ、図29(d)に示すように、第1筐体242が第2筐体243に対して開閉する動作に加えて、第1の筺体242が中心軸の周りに回転する(つまり、第2の筺体243に対してねじれる)動作が同時に行われる場合にも、対応することが可能になるのである。
【0214】
以上のごとく、本実施の形態の電子機器によれば、上記各実施の形態における小型化・薄型化が図られた光電信号伝送装置を用いるので、小型で薄型の電子機器を実現することができる。すなわち、第1,第2メインボード247,248における第1,第2レセプタクル部249,252の曲げヒンジ部244側の近傍に、第1,第2プラグ部251,253を抜き差しするための領域を確保する必要が無い。したがって、光電信号伝送部254を曲げヒンジ部244近傍に配置することができ、本電子機器の小型化を図ることができるのである。
【0215】
また、上記第1レセプタクル部249,光電信号伝送路250,第1プラグ部251,第2レセプタクル部252および第2プラグ部253でなる光電信号伝送部254によって光電信号伝送を行うので、電磁ノイズ発生が少なく、コンパクトで、より高速な信号伝送が可能な電子機器を提供することができるのである。
【0216】
近年、表示装置を有する電子機器の画像品位が向上し、特に表示パネルが設けられている筺体と操作部が設けられている筺体とが分離して折りたたみが可能になっている電子機器において、動画像のデータ通信が高速化し、それに伴う電磁ノイズの増大が問題となっている。特に、携帯電話においては、その世代交代毎に画像品位が増しており、寸法の限られた中で如何に電磁ノイズを抑えるかが課題となっている。これはノートPC,PDAおよびポータブルDVD等の表示パネルを有するポータブル電子機器においても同様な課題を有している。
【0217】
本実施の形態によれば、上記電子機器における電磁ノイズの問題を解決すると共に、安価でコンパクトな電子機器を製造することが可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【0218】
【図1】この発明の光電信号伝送装置におけるレセプタクルの概略構成を示す図である。
【図2】この発明の光電信号伝送装置におけるプラグの概略構成を示す図である。
【図3】図2における光電信号伝送路の断面図である。
【図4】図3に示す光電信号伝送路の斜視図である。
【図5】図2におけるプラグ側光信号接続部と図1におけるレセプタクル側光信号接続部および光電デバイスとを示す斜視図である。
【図6】図2におけるプラグ側電気信号接続部と図1におけるレセプタクル側電気信号接続部とを示す斜視図である。
【図7】図1とは異なるレセプタクルの概略構成を示す図である。
【図8】図2とは異なるプラグの概略構成を示す図である。
【図9】図7におけるレセプタクル側光信号接続部,光信号送信用デバイスおよび光信号受信用デバイスを示す斜視図である。
【図10】図8におけるプラグ側光信号接続部を示す斜視図である。
【図11】図1,図2,図7および図8とは異なるレセプタクルおよびプラグの概略構成を示す図である。
【図12】図1,図2,図7,図8および図11とは異なるレセプタクルおよびプラグの概略構成を示す図である。
【図13】図1,図2,図7,図8,図11および図12とは異なるレセプタクルおよびプラグの概略構成を示す図である。
【図14】図1,図2,図7,図8,図11,図12および図13とは異なるレセプタクルおよびプラグの概略構成を示す図である。
【図15】図12および図13における光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図16】図15とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図17】図15および図16とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図18】図15〜図17とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図19】図15〜図18とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図20】図15〜図19とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図21】図15〜図20とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図22】図15〜図21とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図23】図15〜図22とは異なる光信号伝送用レセプタクルの構成を示す図である。
【図24】図23における受発光デバイスの概略構成を示す図である。
【図25】図23に示す光信号伝送用レセプタクルの構造を適用したレセプタクル側光信号接続部およびレセプタクル本体の構成図である。
【図26】光電信号伝送路の最外径を最小にする光ファイバケーブルと細線同軸ケーブルとの配列の説明図である。
【図27】光電信号伝送路の高さを必要最小限の高さにする光ファイバケーブルと細線同軸ケーブルとの配列図である。
【図28】光電信号伝送路の最外径を最小にする図27とは異なる光ファイバケーブルと細線同軸ケーブルとの配列図である。
【図29】この発明の電子機器の簡略構成図である。
【図30】従来の携帯機器の概略構成図である。
【図31】図30における光導波路フィルムの構成図である。
【図32】図30における光導波路フィルムの他の構成およびその使用態様を示す図である。
【図33】従来の光電気変換装置の構成図である。
【図34】図33における発光側光電気変換部の拡大図である。
【符号の説明】
【0219】
71,101,131,141,151…レセプタクル、
72,102,132,152…レセプタクル本体、
73…レセプタクル側電気信号接続部、
74a,74b…レセプタクル側電気接触端子、
75,103,153,184…レセプタクル側光信号接続部、
76,187,202,205,212,216…光電デバイス、
77,106,134,146,155…プラグ、
78,107,147,156…プラグ本体、
79…プラグ側電気信号接続部、
80a,80b…プラグ側電気接触端子、
81,108,157…プラグ側光信号接続部、
82,109,221,227…光電信号伝送路、
83,110a,110b,222,228…光ファイバケーブル、
84,111,224,230,232…細線同軸ケーブル、
85,112,226,234…テープ、
104…光信号送信用デバイス、
105…光信号受信用デバイス、
133,154,171…受発光デバイス、
135…電気信号伝送用プラグ、
136…光信号伝送用プラグ、
142…電気信号伝送用レセプタクル、
143,181,201,211,215…光信号伝送用レセプタクル、
144,170,193…接続用端子、
172…リードフレーム、
169,173,192…基板電極、
165,189…基板、
166,190,206,213…発光素子、
191,214…駆動用IC、
167,203,207,217…受光素子、
168,204,208,218…信号増幅IC、
223,229…光信号伝送路、
225,231,233…電気信号伝送路、
241…電子機器、
242…第1筐体、
243…第2筐体、
244…曲げヒンジ部、
247…第1メインボード、
248…第2メインボード、
249…第1レセプタクル部、
250…光電信号伝送路、
251…第1プラグ部、
252…第2レセプタクル部、
253…第2プラグ部、
254…光電信号伝送部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を含む光送信用デバイス、および、受光素子とこの受光素子からの信号を処理する信号処理回路とを含む光受信用デバイス、の少なくとも一方を収納して保持すると共に、電気的接続端子が設けられた光電信号伝送用のレセプタクルと、
上記レセプタクルの電気的接続端子に接続される電気的接続端子が設けられると共に、上記レセプタクルに保持されて、上記レセプタクルとの電気的結合、および、上記発光素子および上記受光素子の少なくとも一方との光学的結合を行って、上記レセプタクルと光電信号の伝送を行う光電信号伝送用のプラグと、
一部が上記プラグの電気的接続端子に接続された電気信号伝送路と、
一部が上記プラグに装着された光信号伝送路と
を備え、
上記電気信号伝送路および上記光信号伝送路は、一つに束ねられて光電信号伝送路を構成しており、
上記レセプタクルとこのレセプタクルに保持された上記プラグとの間で、単方向または双方向の光通信と電気通信とを行う
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光電信号伝送装置において、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記光ファイバケーブルは、マルチコアのプラスチック光ファイバケーブルである
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光電信号伝送装置において、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記光ファイバケーブルは、マルチモードのガラスファイバケーブルである
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記電気的接続端子に接続された上記電気信号伝送路は1以上の電気ケーブルであり、
上記電気ケーブルは、細線同軸ケーブルである
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記プラグは、
上記レセプタクルの電気的接続端子に接続される上記電気的接続端子が設けられると共に、上記レセプタクルに保持されて、上記レセプタクルとの電気的結合を行って、上記レセプタクルと電気信号の伝送を行う電気信号伝送用プラグと、
上記レセプタクルに保持されて、上記発光素子および上記受光素子の少なくとも何れか一方との光学的結合を行って、上記レセプタクルと光信号の伝送を行う光信号伝送用プラグと
を含み、
上記電気信号伝送用プラグと上記光信号伝送用プラグとは分離している
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記レセプタクルは、
上記発光素子を含む上記光送信用デバイス、および、上記受光素子とこの受光素子からの信号を処理する上記信号処理回路とを含む上記光受信用デバイス、の少なくとも一方を収納して保持する光信号伝送用レセプタクルと、
上記電気的接続端子が設けられた電気信号伝送用レセプタクルと
を含み、
上記電気信号伝送用レセプタクルと上記光信号伝送用レセプタクルとは分離している
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項4の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記プラグの長手方向一端部には、上記光信号伝送路の上記一部が装着される光信号伝送路用装着部が設けられており、
上記プラグの上記光信号伝送路用装着部に上記一部が装着された上記光信号伝送路は、上記プラグの長手方向一端から上記長手方向に引き出されており、
上記プラグの上記電気的接続端子に接続された上記電気信号伝送路は、上記プラグの長手方向側面から上記長手方向と交差する方向に引き出されており、
上記電気信号伝送路と上記光信号伝送路とが一つに束ねられてなる上記光電信号伝送路は、上記プラグの長手方向に延在している
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項4の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記レセプタクルには、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくと一方が、その光軸が当該光電信号伝送装置の実装面と略平行になるように収納されるデバイス収納部が設けられており、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方における光通過面とは反対側の面である背面には、上記光送信用デバイスの上記発光素子と上記光受信用デバイスの上記受光素子および上記信号処理回路との少なくとも一方に接続された電極が形成されており、
上記レセプタクルの上記デバイス収納部に上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方が収納された場合に、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方の上記背面に対向する上記デバイス収納部の壁面には、上記背面の電極に電気的に接続される光信号用端子の一端部が形成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項4の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記レセプタクルには、上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくと一方が、その光軸が当該光電信号伝送装置の実装面と略平行になるように収納されると共に、貫通穴でなるデバイス収納部が設けられており、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方における光通過面とは反対側の面である背面および側面には、上記光送信用デバイスの上記発光素子と上記光受信用デバイスの上記受光素子および上記信号処理回路との少なくとも一方に接続された電極が形成されており、
上記レセプタクルの上記デバイス収納部に上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方が収納された場合に、上記側面に形成された上記電極が、上記レセプタクルの上記デバイス収納部から露出するようになっている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項10】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方は、
基板上に、上記発光素子、および、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方を搭載し、樹脂によって封止されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項11】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光送信用デバイスおよび上記光受信用デバイスの少なくとも一方は、
リードフレーム上に、上記発光素子、および、上記受光素子と上記信号処理回路と、の少なくとも一方を搭載し、樹脂によって封止されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項12】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光送信用デバイスは、上記発光素子が上記光送信用デバイスの内部の基板の表面に取り付けられる一方、上記発光素子を駆動する集積回路が上記基板の裏面に取り付けられて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項13】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光受信用デバイスは、上記受光素子が上記光受信用デバイスの内部の基板の表面に取り付けられる一方、上記信号処理回路が上記基板の裏面に取り付けられて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項14】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光送信用デバイスは、上記発光素子を駆動する集積回路が上記光送信用デバイスの内部の基板に取り付けられており、上記発光素子は上記集積回路の上に取り付けられて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項15】
請求項8あるいは請求項9に記載の光電信号伝送装置において、
上記光受信用デバイスは、上記信号処理回路が上記光受信用デバイスの内部の基板に取り付けられており、上記受光素子は上記信号処理回路の上に取り付けられて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記電気信号伝送路は、電気ケーブルであり、
上記光電信号伝送路は、上記光ファイバケーブルの周りに上記電気ケーブルを配置して束ねて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項17】
請求項16に記載の光電信号伝送装置において、
上記光電信号伝送路における上記光ファイバケーブルの周りに配置された上記電気ケーブルはねじられている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項18】
請求項16あるいは請求項17に記載の光電信号伝送装置において、
上記光ファイバケーブルは1本であり、その光ファイバケーブルの半径をaとし、
上記電気ケーブルの半径をbとし、
上記電気ケーブルの本数をnとし
た場合に、
b=a・sin(π/n)/(1−sin(π/n))
の関係式が成立するようになっている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項19】
請求項1から請求項15の何れか一つに記載の光電信号伝送装置において、
上記光信号伝送路は、光ファイバケーブルであり、
上記電気信号伝送路は、電気ケーブルであり、
上記光電信号伝送路は、上記光ファイバケーブルの束と上記電気ケーブルの束とを並列に配置すると共に、上記光ファイバケーブルの束と上記電気ケーブルの束とを一つに束ねて構成されている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項20】
請求項19の光電信号伝送装置において、
一つの上記光ファイバケーブルの高さと、複数の互いに接触している上記電気ケーブルの全体の高かとが略同じになるように、上記光ファイバケーブルおよび上記電気ケーブルの直径を定めると共に、上記光ファイバケーブルおよび上記電気ケーブルを束ねている
ことを特徴とする光電信号伝送装置。
【請求項21】
表示部を有する第1筐体と、
上記第1筐体に対して折り畳み且つ展開自在に連結されると共に、操作部を有する第2筐体と
を備え、
上記第1筐体と上記第2筐体とには、請求項1から請求項20までの何れか一つに記載の光電信号伝送装置を搭載し、
上記第1筐体側の光電信号伝送装置における上記電気信号伝送路と上記第2筐体側の光電信号伝送装置における上記電気信号伝送路とを電気的に接続し、
上記第1筐体側の光電信号伝送装置における上記光信号伝送路と上記第2筐体側の光電信号伝送装置における上記光信号伝送路とを光学的に接続し、
上記第1筐体側の上記光電信号伝送装置と上記第2筐体側の上記光電信号伝送装置との間で、光電信号の伝送を行う
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2010−122299(P2010−122299A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293475(P2008−293475)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】