説明

光電変換素子集積回路、光ピックアップ装置、制御信号発生装置、駆動制御装置、光記録媒体駆動装置及びその制御方法

【課題】あまり位相特性が重要でない制御信号のみを効率良く多重化して出力することにより、出力端子を減少させることが可能な光電変換素子集積回路、光ピックアップ装置、制御信号発生装置、駆動制御装置、光記録媒体駆動装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】光を受光して電気信号に変換する受光素子131、132、133、134、135、136と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための制御信号を生成する生成手段と、制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と、時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子集積回路、光ピックアップ装置、制御信号発生装置、駆動制御装置、光記録媒体駆動装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光記録媒体駆動装置、例えば光ディスク駆動装置は、光記録媒体、例えば光ディスクに記録された情報を再生し、又は光ディスクに情報を記録する装置である。光ディスク駆動装置は、発光素子(LD)及び受光素子(PD)を有する光ピックアップを備える。発光素子からレーザー光が発光され、光ディスクで反射したレーザー光の戻り光を受光素子が受光する。そして、受光素子としての光電変換素子が受光した光を電気変換し、生成された信号を使用することによって、光ディスクに記録された情報を再生し、光ディスクに情報を記録することができる。
【0003】
上記の受光素子は、受光素子集積回路(PDIC)に設けられる。そして、受光素子集積回路では、受光素子が生成した信号に基づいて演算が行われ、サーボエラー信号、和信号、調整用信号などの制御信号が生成される。これらのサーボエラー信号、和信号、調整用信号は、受光素子集積回路の出力端子から出力され、1本の信号線につき1種類の信号が伝送され、外部に出力される。なお、特許文献1には、受光素子集積回路を有する光ピックアップを用いた光ディスク駆動装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−39128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、受光素子集積回路は、内部に演算処理手段を有しており、演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号を出力することによって、出力される制御信号の種類数を抑えることができた。一方、受光素子集積回路で生成され出力される制御信号と、受光素子集積回路に設けられた出力端子とは、1対1で対応して、各制御信号が出力されてきた。従って、出力される制御信号の種類を増加させると、受光素子集積回路に設ける出力端子が増加してしまう。
【0006】
受光素子集積回路から出力される制御信号は、例えば、サーボエラー信号が4種類、和信号が4種類、調整用信号が2種類、再生用信号が4種類であり、総計14種類である。このとき、図20に示すように、受光素子集積回路30に設けられる出力端子は、信号の種類数と対応することから、14端子(SPP1、SPP2、MPP、SPD1、SPD2、MPI、SSD−PI、SSD−FE、Y1、Y2、O、P、Q、R)である。また、3つの電源端子(Vcc、Vc、GND)と合わせると、受光素子集積回路30には、総計17端子が設けられる。なお、図20は、従来の光ピックアップの受光素子集積回路を示す平面図である。受光素子集積回路30には、例えば、受光素子31、32、33、34、35、36が設けられている。
【0007】
しかし、光ディスク駆動装置は、近年、高密度化への要求と共に、小型化、低価格化への要求が高まっており、これらの必要性に応えるために、各種の光学部品を集積化し、部品点数を削減した小型の光ピックアップの開発が行われている。そのため、光ピックアップを小型化するために、光ピックアップに使用される受光素子集積回路に設けられる出力端子の数を減少させる必要があるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、制御信号を効率良く多重化して出力することにより、出力端子を減少させることが可能な、新規かつ改良された光電変換素子集積回路、光ピックアップ装置、制御信号発生装置、駆動制御装置、光記録媒体駆動装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と、時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を備えることを特徴とする、光電変換素子集積回路が提供される。
【0010】
かかる構成において、光電変換素子は、例えば光記録媒体で反射した光を受光して、その光を電気信号に変換し、その電気信号に基づいて、生成手段は、光記録媒体に情報を記録するための、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成し、更に、多重化手段は、制御信号を時間軸方向に多重化する。そして、光電変換素子集積回路に備えられた出力端子から時分割多重化された制御信号が出力される。その結果、制御信号を効率良く多重化して出力するので、必要な出力端子の数を減少させることができ、光電変換素子集積回路を小型化することができる。
【0011】
上記光電変換素子が光を受光する受光面は、2以上の受光領域を有することができる。かかる構成において、光電変換素子集積回路に設けられた光電変換素子は、光を受光する受光面が2以上の受光領域を有するので、光電変換素子の1つの受光面から2以上の電気信号を得ることができ、光電変換素子集積回路が狭い面積であっても、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために必要な制御信号を効率良く生成することができる。
【0012】
上記制御信号は、電気信号に基づいて演算して得るようにすることができる。かかる構成において、制御信号が、生成手段によって、光電変換素子で変換された電気信号に基づいて演算されて生成されるので、光電変換素子集積回路から出力される信号の数を低減することができ、出力端子数を減少させて、光電変換素子集積回路を小型化することができる。
【0013】
上記制御信号は、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために行われるサーボ制御のためのサーボエラー信号と、サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための和信号、又は光電変換素子の受光位置を調整する調整用信号のどちらか少なくとも一方を含むことができる。かかる構成において、サーボエラー信号は、例えば、電気信号から主に減算演算により得られ、例えば、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号がある。和信号は、例えば、電気信号から加算演算により得られる。サーボエラー信号調整用信号は、光電変換素子の受光位置を調整するために使用され、光ピックアップ装置や光ディスク装置などの組立て精度を向上させる。そして、サーボエラー信号と、和信号又は調整用信号のいずれか少なくとも一方とが、多重化手段によって時間軸方向に多重化されて、出力される。なお、制御信号のうち和信号又は調整用信号は、いずれか一方のみを時分割多重化する場合もある。
【0014】
上記多重化手段は、サーボエラー信号の出力時間が、和信号又は調整用信号の出力時間よりも長くなるように、制御信号を時間軸方向に多重化することができる。サーボエラー信号の出力は、各サーボエラー信号の周波数特性がサーボ特性に直接的に影響するが、和信号と、調整用信号は、サーボエラー信号に比べて、周波数特性の影響を受けにくい。そのため、各サーボエラー信号の出力の高域での位相特性を重視した多重化を行うことができる。つまり、あまり位相特性が重要でない和信号、及び調整用信号といった制御信号は、サーボエラー信号に対して出力時間を短くすることにより、効率良く多重化して出力することができる。
【0015】
上記多重化手段は、和信号の出力時間が、調整用信号の出力時間よりも長くなるように、制御信号を時間軸方向に多重化することができる。かかる構成において、和信号と比べて、調整用信号は、より周波数特性の影響を受けにくいことから、それぞれの信号を効率良く多重化して出力することができる。
【0016】
上記多重化手段は、外部から入力されるタイミング信号に応じて、制御信号を順次切り替える切替手段を有することができる。かかる構成において、多重化手段は、切替手段を有し、切替手段は、外部から入力されるタイミング信号に応じて、制御信号を順次切り替えることができる。従って、制御信号は、切替手段によって時間軸方向に多重化されて、光電変換素子集積回路から出力される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、複数の制御信号、又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と、周波数分割多重化した制御信号又は再生信号を出力する出力端子と、を備えることを特徴とする、光電変換素子集積回路が提供される。
【0018】
かかる構成において、光電変換素子は、例えば光記録媒体で反射した光を受光して、その光を電気信号に変換し、その電気信号に基づいて、生成手段は、光記録媒体に情報を記録するための、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成し、更に、多重化手段は、制御信号、又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する。そして、光電変換素子集積回路に備えられた出力端子から周波数分割多重化された制御信号、又は再生信号が出力される。その結果、制御信号を効率良く多重化して出力するので、必要な出力端子の数を減少させることができ、光電変換素子集積回路を小型化することができる。
【0019】
上記多重化手段は、制御信号又は再生信号をハイパスフィルター処理する第1処理手段と、制御信号をローパスフィルター処理する第2処理手段と、第1処理手段及び第2処理手段によって生成した信号を加算する加算手段と、を有することができる。かかる構成において、加算手段は、第1処理手段と第2処理手段に接続される。そして、ハイパスフィルター処理された制御信号又は再生信号が、所定の周波数より下の周波数帯域の信号を含まず、ローパスフィルター処理された制御信号が、所定の周波数より上の周波数帯域の信号を含まないで、両者が多重化されて、光電変換素子集積回路から出力される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光記録媒体に光を照射する発光素子と、光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段、又は複数の制御信号、若しくは光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と、時分割多重化又は周波数分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と、を備えることを特徴とする、光ピックアップ装置が提供される。
【0021】
かかる構成において、光ピックアップ装置における発光素子は光を発光し、当該光が光記録媒体で反射して、その反射光が光電変換素子集積回路に入射する。光ピックアップ装置は、例えば、発光駆動手段、フォーカス駆動手段、トラッキング駆動手段を更に備えてもよい。発光駆動手段は、例えばLDドライバであり、発光素子の発光を駆動する。また、対物レンズは、光記録媒体に対向するように配置され、発光素子から発光する光を光記録媒体に照射させる。フォーカス駆動手段及びトラッキング駆動手段は、例えば2軸アクチュエータであり、対物レンズを光記録媒体のフォーカス方向又はトラッキング方向に駆動して、照射する光の位置を調整する。光ピックアップ装置に設けられる光電変換素子集積回路は、制御信号を効率良く、時分割多重化又は周波数分割して出力するので、出力端子が低減され、小型化される。その結果、光ピックアップ装置も小型化を図ることができる。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動装置のサーボ制御のための制御誤差信号と、サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための規格化信号と、を含む複数の制御信号を出力する制御信号発生装置であって、制御誤差信号の出力時間が、規格化信号の出力時間よりも長くなるように、制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と、時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を備えることを特徴とする、制御信号発生装置が提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動装置のサーボ制御のための制御誤差信号と、サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための規格化信号と、を含む複数の制御信号を出力する制御信号発生装置であって、制御誤差信号の出力時間が、規格化信号の出力時間よりも長くなるように、両制御信号を同一の信号線に時間軸方向に多重化する多重化手段と、時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する制御信号発生装置と、制御信号発生装置から多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有し、駆動装置を制御する駆動信号を出力するサーボ制御手段と、を備え、信号復元手段は、規格化信号を出力している期間に、制御誤差信号、又は駆動信号の少なくともどちらか一方の信号レベルを保持するホールド手段を有することを特徴とする、駆動制御装置が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光記録媒体に光を照射する発光素子と、光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段、又は複数の制御信号、若しくは光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と、時分割多重化又は周波数分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と、を備える光ピックアップ装置と、光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と、多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有し、駆動手段を制御するサーボドライブ信号を出力するサーボ制御手段と、を備え、サーボ制御手段は、多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有することを特徴とする、光記録媒体駆動装置が提供される。
【0025】
かかる構成において、光記録媒体駆動装置は、例えば、媒体駆動手段と、移動手段とを更に備えてもよい。媒体駆動手段は、例えばスピンドルモータであり、光記録媒体が例えば光ディスクである場合は、回転軸を中心に光ディスクを回転させる。移動手段は、例えばスライドモータであり、光ピックアップ装置を光ディスクに対して半径方向に移動させる。なお、移動手段は、光ピックアップ装置内で対物レンズのみを半径方向に移動させ、トラッキング駆動手段と兼ねる場合もある。また、サーボ制御手段は、光ピックアップ装置の2軸アクチュエータを駆動するためのフォーカスドライバ信号、トラッキングドライバ信号や、スピンドルモータを駆動するためのスピンドルドライバ信号や、スライドモータを駆動するためのスライドモータドライバ信号等のサーボドライブ信号を出力する。更に、サーボ制御手段に設けられる信号復元手段は、光電変換素子集積回路から多重化されて出力された制御信号を復元し、復元された制御信号は、サーボ制御手段において処理されて、上記の各サーボドライブ信号が得られる。ここで、サーボドライブ信号は、駆動信号の一例である。
【0026】
上記制御信号は、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために行われるサーボ制御のためのサーボエラー信号と、サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための和信号、又は光電変換素子の受光位置を調整する調整用信号のどちらか少なくとも一方を含み、多重化手段は、サーボエラー信号の出力時間が、和信号又は調整用信号の出力時間よりも長くなるように、制御信号を時間軸方向に多重化し、信号復元手段は、和信号又は調整用信号を出力している期間に、サーボエラー信号、又はサーボドライブ信号の少なくともどちらかの信号レベルを保持するホールド手段を有することができる。更に、別の観点によれば、多重化手段は、和信号の出力時間が、調整用信号の出力時間よりも長くなるように、制御信号を時間軸方向に多重化し、信号復元手段は、調整用信号を出力している期間に、和信号又はサーボドライブ信号の少なくともどちらかの信号レベルを保持するホールド手段を有することができる。
【0027】
また、サーボエラー信号、又はサーボドライブ信号をホールドする場合、例えば、ドライブ電流として、LPF(low pass filter)後のドライブ電流を出し続ける、いわゆるサーボホールドを行う場合、ホールド期間を調整することにより、サーボの安定性や取れ残りに支障が生じることはない。サーボエラー信号の出力は、各サーボエラー信号の周波数特性がサーボ特性に直接的に影響する一方、和信号と、調整用信号は、サーボエラー信号に比べて、周波数特性の影響を受けにくい。そのため、各サーボエラー信号の出力の高域での位相特性を重視した多重化を行うことができる。つまり、あまり位相特性が重要でない和信号、及び調整用信号といった制御信号は、サーボエラー信号に対して出力時間を短くすることにより、効率良く多重化して出力することができる。同様に、調整用信号を出力している期間に、和信号をホールドする場合も、ホールド期間を調整することにより、サーボ制御における自動化されたゲイン制御の安定性に支障をきたすことはない。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光を受光して電気信号に変換する段階と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する段階と、複数の制御信号を時間軸方向に多重化する段階と、時分割多重化した制御信号を出力する段階と、を有することを特徴とする、光記録媒体駆動装置の制御方法が提供される。更に、別の観点によれば、光を受光して電気信号に変換する段階と、電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する段階と、複数の制御信号又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する段階と、周波数分割多重化した制御信号又は再生信号を出力する段階と、を有することを特徴とする、光記録媒体駆動装置の制御方法が提供される。
【0029】
かかる構成において、光電変換素子は、例えば光記録媒体で反射した光を受光して、その光を電気信号に変換し、その電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録するための、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する。更に、制御信号を時間軸方向に多重化、又は、制御信号又は再生信号を周波数に応じて多重化する。そして、光電変換素子集積回路に備えられた出力端子から時分割多重化又は周波数多重化された制御信号が出力される。その結果、制御信号を効率良く多重化して出力するので、必要な出力端子の数を減少させることができ、光電変換素子集積回路を小型化することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、制御信号を効率良く多重化して出力することにより、出力端子を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク駆動装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク駆動装置を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る光ディスク駆動装置の光ピックアップを示す説明図である。図3は、本実施形態に係る光ピックアップの光集積素子を示す説明図である。図4は、本実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る光ディスク駆動装置は、光ディスク190に記録された情報を再生し、又は光ディスク190に情報を記録する光ピックアップ140と、光ディスク190を回転駆動するディスク駆動手段160と、光ピックアップ140及びディスク駆動手段160を制御するサーボ制御手段170とを有する。ここで、光ディスク駆動装置は、光記録媒体駆動装置、駆動制御装置の一例であり、光ディスク190は、光記録媒体の一例である。
【0034】
光ピックアップ140は、レーザー光を発する発光素子110(LD)と、レーザー光を反射及び透過させる積層プリズム120と、レーザー光を受ける受光素子131、132、133、134、135、136(図4参照)が設けられた受光素子集積回路130と、光ディスク190に対向し、レーザー光を透過させる対物レンズ152とを有する。光ピックアップ140は、更に、対物レンズ152をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する2軸アクチュエータ154と、光ディスク190の半径方向に光ピックアップ140を駆動するスライドモータ156と、発光素子110を駆動するLDドライバ158とを有する。ここで、受光素子131、132、133、134、135、136は、光電変換素子(PD)の一例であり、受光素子集積回路130は、光電変換素子集積回路(PDIC)、又は制御信号発生装置の一例である。
【0035】
また、受光素子集積回路130は、受光素子131、132、133、134、135、136が受光した光を電気信号に変換し、この電気信号に基づいて制御信号を生成し、サーボ制御手段170及びRFアンプ129に制御信号を出力する。サーボ制御手段170に出力される制御信号は、サーボエラー信号、和信号、調整用信号などの光ディスク190に情報を記録し、光ディスクに記録された情報を再生するための信号である。RFアンプ129には、光ディスク190に記録された情報の再生結果を表わす高周波信号が出力される。ここで、サーボエラー信号は、制御誤差信号の一例であり、和信号は、規格化信号の一例である。
【0036】
ディスク駆動手段160は、光ディスク190を回転駆動するスピンドルモータ162と、スピンドルモータ162に設けられ、光ディスク190を載置するスピンドル164と、スピンドル164に設けられたディスククランプ166とを有する。ディスク駆動手段160のスピンドルモータ162は、サーボ制御手段170に設けられたスピンドルドライバ180によって制御されて、光ディスク190を回転駆動する。
【0037】
また、サーボ制御手段170は、受光素子集積回路130から出力された多重化されている信号を復元する信号復元回路基板172と、各種データのA/D変換などを行う変換部174と、サーボ制御手段170全体の動作を制御する制御用マイコン179及び位相補償部176とを有している。サーボ制御手段170は、更に、スピンドルモータ162の駆動信号を出力するスピンドルドライバ180と、2軸アクチュエータ154におけるフォーカシングコイル(図示せず。)を駆動する駆動信号を出力するフォーカスドライバ182と、同じく2軸アクチュエータ154におけるトラッキングコイル(図示せず。)を駆動する駆動信号を出力するトラッキングドライバ184と、スライドモータ156を駆動する駆動信号を出力するスライドモータドライバ186とを有する。
【0038】
位相補償部176は、デジタルフィルターなどとして機能するDSP177と、アナログフィルタ178とを有する。位相補償部176は、入力されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、和信号を位相補償し、位相補償されたそれぞれの信号をフォーカスドライバ182、トラッキングドライバ184、スライドモータドライバ186に出力する。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る光ピックアップ140の構成について説明する。光ピックアップ140は、図2に示すように、レーザー光を発光及び受光する光集積素子100と、レーザー光を光ディスク190に導き、光ディスク190からの反射光を光集積素子に導く光学系150とを有する。図3を参照すると、本実施形態に係る光ピックアップ140の光集積素子100は、素子基板102と、素子基板102に設けられた発光素子110と、立ち上げミラー104と、FAPC用受光素子105と、再生信号検出用の受光素子集積回路130とを有し、更に、λ/2板106と、モールド複合素子108と、積層プリズム120とを有する。
【0040】
発光素子110と、立ち上げミラー104と、FAPC用受光素子105は、素子基板102に対して、リッド103側に設けられる。リッド103は、光集積素子100において、発光素子110と、立ち上げミラー104と、FAPC用受光素子105とを内部に封じるように被覆している。λ/2板と、モールド複合素子108と、積層プリズム120は、素子基板102に対して、光ディスク190側に設けられ、光ディスク190側を上部とすると、素子基板102の上部にモールド複合素子108が設置され、モールド複合素子108の上部に積層プリズム120が設置されるように構成される。
【0041】
発光素子110は、光ディスク190にレーザー光が到達するように、立ち上げミラー104に向けてレーザー光を発光する。立ち上げミラー104は、発光素子110側に傾斜面が形成されており、発光素子110から発光されたレーザー光の大部分を90°反射させて、光ディスク190の方向へレーザー光を導く。また、立ち上げミラー104は、一部のレーザー光を透過させて、FAPC用受光素子105の方向へレーザー光を導く。本実施形態では、FAPC用受光素子105に入射されるレーザー光の光量が常に一定になるように発光素子110の光量の自動制御が行われる。
【0042】
λ/2板106は、光ディスク190側に90°立ち上げられたレーザー光を透過し、位相差180°を与えて、直線偏光の向きを変える。モールド複合素子108には、グレーティング112と、ホログラム114とが形成される。グレーティング112は、λ/2板106を透過したレーザー光を3つに分割する。また、ホログラム114は、光ディスク190で反射した戻り光を透過させて、受光素子集積回路130上の受光素子131、132表面にビームスポットを形成する。
【0043】
積層プリズム120は、PBS膜122と、ビームスプリッタ124(BS)と、全反射ミラー126とを有する。PBS膜122は、グレーティング112を透過して、光ディスク190に向かうレーザー光を透過させる。更に、PBS膜122は、光ディスク190からの戻り光を90°反射させて、ビームスプリッタ124と全反射ミラー126の方向にレーザー光を導く。また、ビームスプリッタ124は、PBS膜122からのレーザー光のうち一部を90°反射させる。反射したレーザー光は、ホログラム114を介して、受光素子集積回路130に導かれる。更に、ビームスプリッタ124は、レーザー光の他の一部を透過させて、全反射ミラー126の方向にレーザー光を導く。全反射ミラー126は、ビームスプリッタ124を透過したレーザー光を90°反射させる。反射したレーザー光は、モールド複合素子108を透過して、受光素子集積回路130上の受光素子136に導かれる。
【0044】
また、光学系150は、図2に示すように、コリメータレンズ141と、アナモフィックプリズム142と、エキスパンダレンズ143と、λ/4板144と、2群対物レンズ145とを有し、この順番で、モールド複合素子108から光ディスク190の方向に配列される。コリメータレンズ141は、発光素子110からのレーザー光を発散光から平行光に変える。アナモフィックプリズム142は、コリメータレンズ141を透過した平行光の縦横比を変えるなど、光の整形を行う。
【0045】
エキスパンダレンズ143は2群レンズから形成され、その2群のレンズ間の距離を調整することによって、高NA(開口数)の2群対物レンズ145を使用した場合に顕著に現れる球面収差を補正する。λ/4板144は、位相差90°を与えて、直線偏光を円偏光に変え、ディスクで反射して戻ってきた円偏光の光を直線偏光に変える。2群対物レンズ145は、例えばNA0.85であり、エキスパンダレンズ143を通過したレーザー光を光ディスク190上の信号記録層に集光する。光ディスク190上の記録情報によって光強度変調されたレーザー光は、コリメータレンズ141から2群対物レンズ145までの光路と同一の光路を通過して、積層プリズム120のPBS膜122まで戻る。
【0046】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る光集積素子100の受光素子集積回路130について説明する。受光素子集積回路130は、6つの受光素子131、132、133、134、135、136を有し、図4に示すように、受光素子集積回路130の表面に配置される。受光素子131、132、133、134、135、136の中央部には、図4において楕円で示したように、光ディスク190からの戻り光によって生成されたビームスポットが形成される。
【0047】
受光素子131、132、133、134、135は、受光素子135を中心として、受光素子135の各辺に1つずつ受光素子131、132、133、134が配置され、積層プリズム120のビームスプリッタ124で反射し、ホログラム114を通過したレーザー光が入射される。受光素子131、132は、受光素子135を挟んで対向する位置関係にあり、受光素子133、134は、受光素子135を挟んで対向する位置関係にある。また、受光素子136は、受光素子131、135、132を結んだ軸上に配置され、積層プリズム120の全反射ミラー126で反射したレーザー光が入射される。
【0048】
それぞれの受光素子131、132、133、134、135、136は複数の受光領域に分割される。即ち、受光素子131、132は、受光素子集積回路130の長手方向と平行に分割され、受光領域A、W、B、受光領域C、Z、Dをそれぞれ有する。受光素子131の受光領域A、W、Bは、受光領域Wを挟んで両側に受光領域A、Bが配置されるように形成される。同様に、受光素子132の受光領域C、Z、Dは、受光領域Zを挟んで両側に受光領域C、Dが配置されるように形成される。
【0049】
受光素子133、134、135は、受光素子集積回路130の長手方向に対して垂直に分割され、受光領域E、F、受光領域G、H、受光領域I、Jを有する。受光素子136は、受光素子集積回路130の長手方向に対して平行及び垂直に4分割され、受光領域O、P、Q、Rを有する。受光素子集積回路130は、各受光領域におけるビームスポットの光量を電気信号に変換し、受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rからは、それぞれ独立したアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rがそれぞれ出力される。
【0050】
更に、受光素子集積回路130は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rに基づいて演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号を、サーボ制御手段170に出力する。受光素子集積回路130がサーボ制御手段170に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2である。各信号は、以下の演算式によって生成される。
【0051】
SSD−FE=(A+B+Z)−(C+D+W)
SSD−PI=(A+B+Z)+(C+D+W)
MPP=I−J
MPI=I+J
SPP1=E−F
SPP2=G−H
SPD1=E+F
SPD2=G−H
【0052】
上記の演算は、受光素子集積回路130の内部で行われる。そして、受光素子集積回路130から出力されたこれらの信号は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号といったサーボエラー信号について、AGC(automatic gain control:自動化されたゲイン制御)を行うために使用される。サーボエラー信号に対してAGCを行い、AGCを行ったサーボエラー信号を用いることで、レーザー光の発光光量の変化や、光ディスク190の記録層での反射率の変化が生じた場合にも、安定化したサーボエラー信号を得ることができる。AGCを行ったサーボエラー信号は、下記の演算式によって生成される。
【0053】
AGCを行ったフォーカスエラー信号
=SSD−FE/SSD−PI
={(A+B+Z)−(C+D+W)}/{(A+B+Z)+(C+D+W)}
AGCを行ったトラッキングエラー信号
=MPP/MPI−K(SPP1/SPD1+SPP2/SPD2)
=(I−J)/(I+J)−K{(E−F)/(E+F)+(G−H)/(G+H)}
但し、Kは定数である。
【0054】
また、受光素子集積回路130からは、アナログ出力信号O、P、Q、Rが受光素子集積回路130内で演算されないでそのまま出力される。アナログ出力信号O、P、Q、Rは、受光素子集積回路130の外部にあるRFアンプ129内の加算回路によって加算され、RF信号が生成される。また、アナログ出力信号O、P、Q、Rの位相差を外部の図示しない信号処理回路を用いて検出することによって、DPD(differential phase detection)法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0055】
更に、受光素子集積回路130は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、B、C、Dに基づいて演算された調整用信号Y1、Y2を外部に出力する。調整用信号Y1、Y2は、光ディスク駆動装置製造時において、受光素子集積回路130上のビームスポットの位置を調整するための信号である。調整用信号Y1、Y2は、下記の演算式によって生成される。
【0056】
Y1(Y−position信号)
=A−B
Y2(Y−position信号)
=D−C
【0057】
以上をまとめると、受光素子集積回路130が外部に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2と、アナログ出力信号O、P、Q、Rと、調整用信号Y1、Y2であり、総計14種類の信号がある。
【0058】
次に、本実施形態に係る受光素子集積回路の各端子について説明する。受光素子集積回路130は、端子として、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timing1、Timing2と、出力端子SPP1、SPP2、MPP、O、P、Q、R、SSD−FE、Multi−outとを有し、総計14の端子から構成される。
【0059】
電源端子Vccには+5V、電源端子Vcには基準電圧である+2.5Vの電圧が供給され、電源端子GNDは接地される。また、入力端子Timing1、Timing2には、外部からタイミング信号Timing1、Timing2が入力される。出力端子SSD−FE、MPP、SPP1、SPP2、O、P、Q、Rからは、1つの端子につき1つの信号が出力される。即ち、出力端子SSD−FE、MPP、SPP1、SPP2、O、P、Q、Rからは、それぞれフォーカスエラー信号SSD−FE、メインのプッシュプル信号MPP、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2、アナログ出力信号O、P、Q、Rがそのまま出力される。
【0060】
一方、出力端子Multi−outからは、図5に示すように、メインの和信号MPI、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PI、サイドの和信号SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2が時分割され、多重化されてサーボ制御手段170に出力される。以下に、図5を参照して、本実施形態に係る時分割多重化による信号出力を説明する。タイミング信号Timing1は、サンプリング時間Ts毎に立ち上がる。また、タイミング信号Timing2は、サンプリング時間Tsを6分割した時間毎に立ち上がる。まず、タイミング信号Timing1及びタイミング信号Timing2が立ち上がると、同時に出力端子Multi−outからは、和信号MPIが出力され、次のタイミング信号Timing2が立ち上がる時まで和信号MPIが継続して出力される。
【0061】
そして、次のタイミング信号Timing2が立ち上がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Multi−outからは、和信号SSD−PIが出力される。以降、出力端子Multi−outからは、タイミング信号Timing2の立ち上がり時に、和信号SPD1→和信号SPD2→調整用信号Y1→調整用信号Y2→和信号MPIのように順次切り替えられて、それぞれの信号が出力される。即ち、1本の信号線に和信号及び調整用信号の6種類の信号が伝送される。これらの信号のサンプリング時間は、Tsで表される。
【0062】
多重化されて出力された各信号は、信号復元回路基板172において復元される。図5の下段には、出力端子Multi−outから出力された後、図1の信号復元回路基板172を用いて復元された和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2を示す。例えば、和信号MPIを復元する場合には、出力端子Multi−outから出力された多重化された信号において、和信号MPIが出力されているタイミングで和信号MPIをサンプリングする。そして、和信号MPIのサンプリングが終了する時点から次にMPIが出力されるまでの時間、即ちサンプリング時間Tsから、和信号MPIをサンプリングする時間を差し引いた時間の間、信号レベルを維持し続ける(ホールド動作)。以上のような処理によって、和信号MPIを復元することができる。また、和信号SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2についても同様の処理を行うことにより、各信号を復元することができる。
【0063】
次に、図6及び図7を参照して、出力信号を元の連続した信号に復元する場合の各信号の周波数特性について説明する。図6は、本実施形態において出力される信号のゲインを示すボード線図である。図7は、本実施形態において出力される信号の位相ずれを示すボード線図である。
【0064】
上記の時分割多重化されて出力された和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2を元の連続した信号に復元する場合、図6及び図7に示すように、サンプリング時間Tsの長さに応じて、零次ホールドによるゲイン低下、位相遅れが生じる。例えば、本実施形態においてサンプリング時間Tsを1×10−5秒とすると、図6に示すように、周波数10kHzでは、ゲイン低下は約0.15dBである。約0.15dBのゲイン低下は、多重化された信号を復元した和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2を演算に使用することができる程度の低下である。
【0065】
サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEの出力は、各サーボエラー信号の周波数特性がサーボ特性に直接的に影響するが、和信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PIと、調整用信号Y1、Y2は、サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEに比べて、周波数特性の影響を受けにくい。そのため、各サーボエラー信号の出力の高域での位相特性を重視した多重化を行うことができる。つまり、上述したとおり、和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2という6つの出力信号は、サーボエラー信号と比べて周波数特性の影響を受けにくいので、出力する時間を相対的に短くすることにより効率良く多重化して出力することができる。
【0066】
以上をまとめると、本発明の第1の実施形態に係る受光素子集積回路130に設けられる端子は、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timing1、Timing2と、出力端子SPP1、SPP2、MPP、O、P、Q、R、SSD−FE、Multi−outの総計14本の端子である。一方、図20に示すように、従来技術で出力信号を多重化せずに出力した場合、受光素子集積回路30に設けられる端子は、総計17本である。従って、本実施形態では、受光素子集積回路130に設けられる端子数を減少させて、受光素子集積回路130を小型化することができる。更に端子に接続される信号線の数も低減するため、光ディスク駆動装置を小型化し、製造コストを縮減することができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る光ディスク駆動装置について説明する。本実施形態の光ディスク駆動装置は、受光素子集積回路230以外の構成要素については、本発明の第1の実施形態と同一の機能構成を有するため、詳細な説明は省略する。まず、図8を参照して、本実施形態に係る光集積素子100の受光素子集積回路230の構成について説明する。図8は、本実施形態に係る受光素子集積回路230を示す平面図である。
【0068】
受光素子集積回路230は、本発明の第1の実施形態に係る受光素子集積回路130と同様に、6つの受光素子131、132、133、134、135、136を有し、図8に示すように、受光素子集積回路230の表面に配置される。受光素子131、132、133、134、135の位置関係、及び各受光素子に形成される受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rについても、第1の実施形態と同様である。
【0069】
更に、第1の実施形態と同様に、受光素子集積回路230は、各受光領域におけるビームスポットの光量を電気信号に変換し、受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rからは、それぞれ独立したアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rがそれぞれ出力される。そして、受光素子集積回路230は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rに基づいて演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号をサーボ制御手段170に出力する。
【0070】
受光素子集積回路230がサーボ制御手段170に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2である。各信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0071】
上記の演算は、受光素子集積回路230の内部で行われる。そして、受光素子集積回路230から出力されたこれらの信号は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号といったサーボエラー信号について、AGC(automatic gain control)を行うために使用される。サーボエラー信号に対してAGCを行い、AGCを行ったサーボエラー信号を用いることで、レーザー光の発光光量の変化や、光ディスク190の記録層での反射率の変化が生じた場合にも、安定化したサーボエラー信号を得ることができる。AGCを行ったサーボエラー信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0072】
また、受光素子集積回路230からは、アナログ出力信号O、P、Q、Rが受光素子集積回路230内で演算されないでそのまま出力される。アナログ出力信号O、P、Q、Rは、受光素子集積回路230の外部にあるRFアンプ129内の加算回路によって加算され、RF信号が生成される。また、アナログ出力信号O、P、Q、Rの位相差を外部の図示しない信号処理回路を用いて検出することによって、DPD(differential phase detection)法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0073】
更に、受光素子集積回路230は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、B、C、Dに基づいて演算された調整用信号Y1、Y2を外部に出力する。調整用信号Y1、Y2は、光ディスク駆動装置製造時において、受光素子集積回路230上のビームスポットの位置を調整するための信号である。調整用信号Y1、Y2は、第1の実施形態と同一の演算式によって生成される。
【0074】
以上をまとめると、受光素子集積回路230が外部に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2と、アナログ出力信号O、P、Q、Rと、調整用信号Y1、Y2であり、総計14種類の信号がある。
【0075】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る受光素子集積回路の各端子について説明する。受光素子集積回路230は、端子として、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timing1、Timing2と、出力端子Sum_multi、Servo1_multi、Servo2_multi、O、P、Q、Rとを有し、総計12の端子から構成される。
【0076】
電源端子Vccには+5V、電源端子Vcには基準電圧である+2.5Vの電圧が供給され、電源端子GNDは接地される。また、入力端子Timing1、Timing2には、外部からタイミング信号Timing1、Timing2が入力される。出力端子O、P、Q、Rからは、1つの端子につき1つの信号が出力される。即ち、出力端子O、P、Q、Rからは、それぞれアナログ出力信号O、P、Q、Rが出力される。
【0077】
出力端子Sum_multiからは、図9に示すように、メインの和信号MPI、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PI、サイドの和信号SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2が時分割され、多重化されてサーボ制御手段170に出力される。また、出力端子Servo1_multiからは、サーボエラー信号のうちメインのプッシュプル信号MPPと、フォーカスエラー信号SSD−FEが時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力され、出力端子Servo2_multiからは、サーボエラー信号のうちサイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2が時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力される。
【0078】
以下に、図9を参照して、本実施形態に係る時分割多重化による信号出力を説明する。タイミング信号Timing1は、サンプリング時間Tsum毎に立ち上がる。また、タイミング信号Timing2は、サンプリング時間Tsを6分割した時間毎に立ち上がる。まず、タイミング信号Timing1及びタイミング信号Timing2が立ち上がると、同時に出力端子Sum_multiからは、和信号MPIが出力され、次のタイミング信号Timing2が立ち上がる時まで和信号MPIが継続して出力される。そして、次のタイミング信号Timing2が立ち上がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Sum_multiからは、和信号SSD−PIが出力される。以降、出力端子Sum_multiからは、タイミング信号Timing2の立ち上がり時に、和信号SPD1→和信号SPD2→調整用信号Y1→調整用信号Y2→和信号MPIのように順次切り替えられて、それぞれの信号が出力される。即ち、1本の信号線に和信号及び調整用信号の6種類の信号が伝送される。これらの信号のサンプリング時間は、Tsumで表される。
【0079】
一方、出力端子Servo1_multiからは、タイミング信号Timing1及びタイミング信号Timing2が立ち上がると、メインのプッシュプル信号MPPが出力され、次のタイミング信号Timing2が立ち上がる時までメインのプッシュプル信号MPPが継続して出力される。そして、次のタイミング信号Timing2が立ち上がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Servo1_multiからは、フォーカスエラー信号SSD−FEが出力される。以降、出力端子Servo1_multiからは、タイミング信号Timing2の立ち上がり時に、MPP→SSD−FE→MPPのように順次切り替えられて、交互にそれぞれの信号が出力される。即ち、1本の信号線に2種類の信号が伝送される。各信号のサンプリング時間は、図9に示すように、Ts1で表される。
【0080】
また、出力端子Servo1_multiからは、タイミング信号Timing1及びタイミング信号Timing2が立ち上がると、サイドのプッシュプル信号SPP1が出力され、次のタイミング信号Timing2が立ち上がる時までサイドのプッシュプル信号SPP1が継続して出力される。そして、次のタイミング信号Timing2が立ち上がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Servo2_multiからは、サイドのプッシュプル信号SPP2が出力される。以降、出力端子Servo2_multiからは、タイミング信号Timing2の立ち上がり時に、SPP1→SPP2→SPP1のように順次切り替えられて、交互にそれぞれの信号が出力される。即ち、1本の信号線に2種類の信号が伝送される。各信号のサンプリング時間は、図9に示すように、Ts2で表される。なお、各多重化された信号から元の信号に復元する処理方法に関しては、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0081】
次に、図6及び図7を参照して、出力信号を元の連続した信号に復元する場合の各信号の周波数特性について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態において出力される信号のゲインを示すボード線図である。図7は、同実施形態において出力される信号の位相ずれを示すボード線図である。これらのボード線図は、第1の実施形態のボード線図であるが、図中のTsをTsum、Ts1、Ts2と読み替えることによって、第2の実施形態に適用することができる。
【0082】
上記の時分割多重化されて出力されたサーボエラー信号MPP、SSD−FE、SPP1、SPP2と、和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2と、調整用信号Y1、Y2を元の連続した信号に復元する場合、図6及び図7に示すように、サンプリング時間Tsum、Ts1、Ts2の長さに応じて、零次ホールドによるゲイン低下、位相遅れが生じる。例えば、本実施形態においてサーボエラー信号のサンプリング時間Ts1、Ts2を1×10−6秒とすると、図7に示すように、周波数10kHzでは、位相遅れは約2°である。約2°の遅れは、多重化された信号を復元したサーボエラー信号を使用することができる程度の低下である。従って、上述したとおり、サーボエラー信号は、多重化して出力することができる。
【0083】
また、サーボエラー信号のサンプリング時間Ts1、Ts2を1×10−6秒としたときの、和信号のサンプリング時間Tsumは、3×10−6秒となる。このときの和信号のゲイン低下は、図6に示すとおりとなり、周波数10kHzでは、ゲイン低下は約0.15dBである。約0.15dBのゲイン低下は、多重化された信号を復元した和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2を演算に使用することができる程度の低下である。
【0084】
サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEの出力は、各サーボエラー信号の周波数特性がサーボ特性に直接的に影響するが、和信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PIと、調整用信号Y1、Y2は、サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEに比べて、周波数特性の影響を受けにくい。そのため、各サーボエラー信号の出力の高域での位相特性を重視した多重化を行うことができる。つまり、上述したとおり、和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2という6つの出力信号は、サーボエラー信号と比べて周波数特性の影響を受けにくいので、出力する時間を相対的に短くすることにより効率良く多重化して出力することができる。
【0085】
以上をまとめると、本発明の第2の実施形態に係る受光素子集積回路230に設けられる端子は、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timing1、Timing2と、出力端子Sum_multi、Servo1_multi、Servo2_multi、O、P、Q、Rの総計12本の端子である。一方、図20に示すように、従来技術で出力信号を多重化せずに出力した場合、受光素子集積回路30に設けられる端子は、総計17本である。従って、本実施形態では、受光素子集積回路230に設けられる端子数を減少させ、受光素子集積回路230を小型化することができる。更に端子に接続される信号線の数も低減するため、光ディスク駆動装置を小型化し、製造コストを縮減することができる。
【0086】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る光ディスク駆動装置について説明する。本実施形態の光ディスク駆動装置は、受光素子集積回路330以外の構成要素については、本発明の第1の実施形態と同一の機能構成を有するため、詳細な説明は省略する。まず、図10を参照して、本実施形態に係る光集積素子100の受光素子集積回路330の構成について説明する。図10は、本実施形態に係る受光素子集積回路330を示す平面図である。
【0087】
受光素子集積回路330は、本発明の第1の実施形態に係る受光素子集積回路130と同様に、6つの受光素子131、132、133、134、135、136を有し、図10に示すように、受光素子集積回路330の表面に配置される。受光素子131、132、133、134、135の位置関係、及び各受光素子に形成される受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rについても、第1の実施形態と同様である。
【0088】
更に、第1の実施形態と同様に、受光素子集積回路330は、各受光領域におけるビームスポットの光量を電気信号に変換し、受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rからは、それぞれ独立したアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rがそれぞれ出力される。そして、受光素子集積回路330は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rに基づいて演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号をサーボ制御手段170に出力する。
【0089】
受光素子集積回路330がサーボ制御手段170に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2である。各信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0090】
上記の演算は、受光素子集積回路330の内部で行われる。そして、受光素子集積回路330から出力されたこれらの信号は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号といったサーボエラー信号について、AGC(automatic gain control)を行うために使用される。サーボエラー信号に対してAGCを行い、AGCを行ったサーボエラー信号用いることで、レーザー光の発光光量の変化や、光ディスク190の記録層での反射率の変化が生じた場合にも、安定化したサーボエラー信号を得ることができる。AGCを行ったサーボエラー信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0091】
また、受光素子集積回路330からは、アナログ出力信号O、P、Q、Rが受光素子集積回路330内で演算されないでそのまま出力される。アナログ出力信号O、P、Q、Rは、受光素子集積回路330の外部にあるRFアンプ129内の加算回路によって加算され、RF信号が生成される。また、アナログ出力信号O、P、Q、Rの位相差を外部の図示しない信号処理回路を用いて検出することによって、DPD(differential phase detection)法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0092】
更に、受光素子集積回路330は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、B、C、Dに基づいて演算された調整用信号Y1、Y2を外部に出力する。調整用信号Y1、Y2は、光ディスク駆動装置製造時において、受光素子集積回路330上のビームスポットの位置を調整するための信号である。調整用信号Y1、Y2は、第1の実施形態と同一の演算式によって生成される。
【0093】
以上をまとめると、受光素子集積回路330が外部に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2と、アナログ出力信号O、P、Q、Rと、調整用信号Y1、Y2であり、総計14種類の信号がある。
【0094】
次に、図10を参照して、本実施形態に係る受光素子集積回路の各端子について説明する。受光素子集積回路330は、端子として、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timingと、出力端子Main_multi、Side1_multi、Side2_multi、SSD_multi、O、P、Q、Rとを有し、総計12の端子から構成される。
【0095】
電源端子Vccには+5V、電源端子Vcには基準電圧である+2.5Vの電圧が供給され、電源端子GNDは接地される。また、入力端子Timingには、外部からタイミング信号Timingが入力される。出力端子O、P、Q、Rからは、1つの端子につき1つの信号が出力される。即ち、出力端子O、P、Q、Rからは、それぞれアナログ出力信号O、P、Q、Rが出力される。
【0096】
出力端子Main_multiからは、図11に示すように、サーボエラー信号のうちメインのプッシュプル信号MPPとメインの和信号MPIが時分割され、多重化されてサーボ制御手段170に出力される。また、出力端子Side1_multiからは、サーボエラー信号のうちサイドのプッシュプル信号SPP1と、サイドの和信号SPD1と、調整用信号Y1が時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力される。出力端子Side2_multiからは、サーボエラー信号のうちサイドのプッシュプル信号SPP2と、サイドの和信号SPD2と、調整用信号Y2が時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力される。更に、出力端子SSD_multiからは、サーボエラー信号のうちのフォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIが時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力される。
【0097】
以下に、図11を参照して、本実施形態に係る時分割多重化による信号出力を説明する。タイミング信号Timingは、図11に示すように、LowからHighの状態に変化した後、和信号出力時間Tintsumの間だけHigh状態を継続する。その後、タイミング信号Timingは、HighからLowの状態に変化する。更に、タイミング信号Timingは、Low状態に変化してから、サーボエラー信号出力時間Tintppの間、Low状態を継続する。次に、タイミング信号Timingは、LowからMiddleの状態に変化し、和信号出力時間Tintsumの間だけMiddle状態を継続する。その後、タイミング信号Timingは、MiddleからLowの状態に変化する。更に、タイミング信号Timingは、Low状態に変化してから、サーボエラー信号出力時間Tintppの間、Low状態を継続する。以降、タイミング信号Timingは、同様に、Low→High→Low→Middle→Lowを繰り返す。
【0098】
まず、出力端子Main_multiからは、タイミング信号Timingが立ち上がると、和信号MPIが出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで和信号MPIが継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Main_multiからは、メインのプッシュプル信号MPPが出力される。以降、出力端子Main_multiからは、タイミング信号Timingの立ち上がり時に、和信号MPIが出力され、タイミング信号Timingの立ち下り時に、メインのプッシュプル信号MPPが出力される。即ち、1本の信号線に和信号MPI及びメインのプッシュプル信号MPPの2種類の信号が伝送される。
【0099】
一方、出力端子Side1_multiからは、タイミング信号TimingがHighに立ち上がると、サイドの和信号SPD1が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで和信号SPD1が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Side1_multiからは、サイドのプッシュプル信号SPP1が出力される。次に、タイミング信号TimingがMiddleに立ち上がると、調整用信号Y1が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで調整用信号Y1が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Side1_multiからは、サイドのプッシュプル信号SPP1が出力される。以降、出力端子Side1_multiからは、SPD1(High状態)→SPP1→Y1(Middle状態)→SPP1→SPD1(High状態)のように順次切り替えられて、それぞれの信号が伝送される。即ち、1本の信号線に3種類の信号が伝送される。
【0100】
同様に、出力端子Side2_multiからは、タイミング信号TimingがHighに立ち上がると、サイドの和信号SPD2が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで和信号SPD2が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Side2_multiからは、サイドのプッシュプル信号SPP2が出力される。次に、タイミング信号TimingがMiddleに立ち上がると、調整用信号Y2が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで調整用信号Y2が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子Side2_multiからは、サイドのプッシュプル信号SPP2が出力される。以降、出力端子Side2_multiからは、SPD2(High状態)→SPP2→Y2(Middle状態)→SPP2→SPD2(High状態)のように順次切り替えられて、それぞれの信号が伝送される。即ち、1本の信号線に3種類の信号が伝送される。
【0101】
出力端子SSD_multiからは、タイミング信号Timingが立ち上がると、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIが出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで和信号SSD−PIが継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子SSD_multiからは、フォーカスエラー信号SSD−FEが出力される。以降、出力端子Main_multiからは、タイミング信号Timingの立ち上がり時に、和信号SSD−PIが出力され、タイミング信号Timingの立ち下り時に、フォーカスエラー信号SSD−FEが出力される。即ち、1本の信号線に和信号SSD−PI及びフォーカスエラー信号SSD−FEの2種類の信号が伝送される。なお、各多重化された信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PI、Y1、Y2から元の信号に復元する処理方法に関しては、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0102】
次に、図6及び図7を参照して、出力信号を元の連続した信号に復元する場合の各信号の周波数特性について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態において出力される信号のゲインを示すボード線図である。図7は、同実施形態において出力される信号の位相ずれを示すボード線図である。これらのボード線図は、第1の実施形態のボード線図であるが、図中のTsをTintpp+Tintsumと読み替えることによって、第3の実施形態に適用することができる。
【0103】
和信号及び調整用信号が出力される和信号出力時間Tintsumを、例えば5×10−6秒とし、サーボエラー信号が出力されるサーボ信号出力時間Tintppを、例えば1×10−4秒とする。このとき、サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEは、和信号出力時間Tintsumの間、外部に信号が出力されない。そのため、和信号が出力される和信号出力時間Tintsumの期間は、正確なサーボエラー信号は得られない。しかし、図11のフォーカスドライブ信号及びトラッキングドライブ信号の列で示すように、和信号出力時間Tintsumの間は、ドライブ電流として、LPF(low pass
filter)後のドライブ電流を出し続ける、いわゆるサーボホールドを行うことにより、和信号出力時間Tintsumが5×10−6秒であれば、サーボの安定性や取れ残りに支障が生じることはない。なお、図12には、図1の信号復元回路基板172内で構成される、サーボホールド動作を実現する回路構成を示す。サーボドライブ信号であるフォーカスドライブ信号又はトラッキングドライブ信号は、タイミング信号TimingがHigh又はMiddleのとき切り替えられて、LPF(low pass filter)を通過し、ホールド動作が行われるように構成されている。なお、上述の実施形態においては、フォーカスドライブ信号、及びトラッキングドライブ信号をホールドするように構成したが、代わりにサーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEの各信号について、図12と同様の回路によってホールドする構成にしてもよい。また、各サーボエラー信号とサーボドライブ信号を同時にホールドする構成にしてもよく、この構成にすることによって更にサーボが安定化する可能性がある。
【0104】
一方、和信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PIと、調整用信号Y1、Y2を元の連続した信号に復元する場合、図6及び図7に示すように、サンプリング時間Tintpp+Tintsumの長さに応じて、零次ホールドによるゲイン低下、位相遅れが生じる。例えば、本実施形態においては、サンプリング時間Tintpp+Tintsumは1×10−4+5×10−6秒であり、図6に示すように、周波数1kHzでは、ゲイン低下は約0.15dBである。約0.15dBの低下は、多重化された信号を復元したサーボエラー信号を使用することができる程度の低下である。
【0105】
サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEの出力は、各サーボエラー信号の周波数特性がサーボ特性に直接的に影響するが、和信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PIと、調整用信号Y1、Y2は、サーボエラー信号MPP、SPP1、SPP2、SSD−FEに比べて、周波数特性の影響を受けにくい。そのため、各サーボエラー信号の出力の高域での位相特性を重視した多重化を行うことができる。つまり、上述したとおり、和信号MPI、SSD−PI、SPD1、SPD2、調整用信号Y1、Y2という6つの出力信号は、サーボエラー信号と比べて周波数特性の影響を受けにくいので、出力する時間を相対的に短くすることにより効率良く多重化して出力することができる。
【0106】
以上をまとめると、本発明の第3の実施形態に係る受光素子集積回路330に設けられる端子は、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timingと、出力端子Main_multi、Side1_multi、Side2_multi、SSD_multi、O、P、Q、Rの総計12本の端子である。一方、図20に示すように、従来技術で出力信号を多重化せずに出力した場合、受光素子集積回路30に設けられる端子は、総計17本である。従って、本実施形態では、受光素子集積回路330に設けられる端子数を減少させ、受光素子集積回路330を小型化することができる。更に端子に接続される信号線の数も低減するため、光ディスク駆動装置を小型化し、製造コストを縮減することができる。
【0107】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る光ディスク駆動装置について説明する。本実施形態の光ディスク駆動装置は、受光素子集積回路430以外の構成要素については、本発明の第1の実施形態と同一の機能構成を有するため、詳細な説明は省略する。まず、図13を参照して、本実施形態に係る光集積素子100の受光素子集積回路430の構成について説明する。図13は、本実施形態に係る受光素子集積回路430を示す平面図である。
【0108】
受光素子集積回路430は、本発明の第1の実施形態に係る受光素子集積回路130と同様に、6つの受光素子131、132、133、134、135、136を有し、図13に示すように、受光素子集積回路430の表面に配置される。受光素子131、132、133、134、135の位置関係、及び各受光素子に形成される受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rについても、第1の実施形態と同様である。
【0109】
更に、第1の実施形態と同様に、受光素子集積回路430は、各受光領域におけるビームスポットの光量を電気信号に変換し、受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rからは、それぞれ独立したアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rがそれぞれ出力される。そして、受光素子集積回路430は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rに基づいて演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号をサーボ制御手段170に出力する。
【0110】
受光素子集積回路430がサーボ制御手段170に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2である。各信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0111】
上記の演算は、受光素子集積回路430の内部で行われる。そして、受光素子集積回路430から出力されたこれらの信号は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号といったサーボエラー信号について、AGC(automatic gain control)を行うために使用される。サーボエラー信号に対してAGCを行い、AGCを行ったサーボエラー信号用いることで、レーザー光の発光光量の変化や、光ディスク190の記録層での反射率の変化が生じた場合にも、安定化したサーボエラー信号を得ることができる。AGCを行ったサーボエラー信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0112】
また、受光素子集積回路430からは、アナログ出力信号O、P、Q、Rが受光素子集積回路430内で演算されないでそのまま出力される。アナログ出力信号O、P、Q、Rは、受光素子集積回路430の外部にあるRFアンプ129内の加算回路によって加算され、RF信号が生成される。また、アナログ出力信号O、P、Q、Rの位相差を外部の図示しない信号処理回路を用いて検出することによって、DPD(differential phase detection)法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0113】
更に、受光素子集積回路430は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、B、C、Dに基づいて演算された調整用信号Y1、Y2を外部に出力する。調整用信号Y1、Y2は、光ディスク駆動装置製造時において、受光素子集積回路430上のビームスポットの位置を調整するための信号である。調整用信号Y1、Y2は、第1の実施形態と同一の演算式によって生成される。
【0114】
以上をまとめると、受光素子集積回路430が外部に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2と、アナログ出力信号O、P、Q、Rと、調整用信号Y1、Y2であり、総計14種類の信号がある。
【0115】
次に、図13を参照して、本実施形態に係る受光素子集積回路の各端子について説明する。受光素子集積回路430は、端子として、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timingと、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、SPD1_multi、SPD2_multi、O、P、Q、Rとを有し、総計16の端子から構成される。
【0116】
電源端子Vccには+5V、電源端子Vcには基準電圧である+2.5Vの電圧が供給され、電源端子GNDは接地される。また、入力端子Timingには、外部からタイミング信号Timingが入力される。出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、O、P、Q、Rからは、1つの端子につき1つの信号が出力される。即ち、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、O、P、Q、Rからは、それぞれメインの和信号MPI、メインのプッシュプル信号MPP、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2、フォーカスエラー信号SSD−FE、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PI、アナログ出力信号O、P、Q、Rが出力される。
【0117】
出力端子SPD1_multiからは、図14に示すように、サイドの和信号SPD1と調整用信号Y1が時分割され、多重化されてサーボ制御手段170に出力される。また、出力端子SPD2_multiからは、サイドの和信号SPD2と調整用信号Y2が時分割多重化されて、サーボ制御手段170に出力される。
【0118】
以下に、図14を参照して、本実施形態に係る時分割多重化による信号出力を説明する。タイミング信号Timingは、図14に示すように、LowからHighの状態に変化した後、調整用信号出力時間Tintadjの間だけHigh状態を継続する。その後、タイミング信号Timingは、HighからLowの状態に変化する。更に、タイミング信号Timingは、Low状態に変化してから、サーボエラー信号出力時間Tintsum2の間、Low状態を継続する。以降、タイミング信号Timingは、同様に、Low→High→Lowを繰り返す。
【0119】
まず、出力端子SPD1_multiからは、タイミング信号Timingが立ち上がると、調整用信号Y1が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで調整用信号Y1が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子SPD1_multiからは、和信号SPD1が出力される。以降、出力端子SPD1_multiからは、タイミング信号Timingの立ち上がり時に、調整用信号Y1が出力され、タイミング信号Timingの立ち下り時に、和信号SPD1が出力される。即ち、1本の信号線に調整用信号Y1及び和信号SPD1の2種類の信号が伝送される。
【0120】
同様に、出力端子SPD2_multiからは、タイミング信号Timingが立ち上がると、調整用信号Y2が出力され、タイミング信号Timingが立ち下がる時まで調整用信号Y2が継続して出力される。そして、タイミング信号Timingが立ち下がると、出力される信号が切り替わって、出力端子SPD2_multiからは、和信号SPD2が出力される。以降、出力端子SPD2_multiからは、タイミング信号Timingの立ち上がり時に、調整用信号Y2が出力され、タイミング信号Timingの立ち下り時に、和信号SPD2が出力される。即ち、1本の信号線に調整用信号Y2及び和信号SPD2の2種類の信号が伝送される。なお、多重化された信号Y1、Y2から元の信号に復元する処理方法に関しては、上述した第1の実施形態と同様である。
【0121】
次に、図6及び図7を参照して、出力信号を元の連続した信号に復元する場合の各信号の周波数特性について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態において出力される信号のゲインを示すボード線図である。図7は、同実施形態において出力される信号の位相ずれを示すボード線図である。これらのボード線図は、第1の実施形態のボード線図であるが、図中のTsをTintsum2+Tintadjと読み替えることによって、第4の実施形態に適用することができる。
【0122】
調整用信号が出力される調整用信号出力時間Tintadjを、例えば5×10−6秒とし、和信号が出力される和信号出力時間Tintsum2を、例えば1×10−4秒とする。このとき、和信号SPD1、SPD2は、調整用信号出力時間Tinadjの間、外部に信号が出力されない。そのため、調整用信号が出力される調整用信号出力時間Tinadjの期間は、正確な和信号は得られない。しかし、図14のSPD1処理系及びSPD2処理系の列で示すように、調整用信号出力時間Tintadjの間は、和信号SPD1、SPD2に対してLPF処理を施した信号を出し続ける、いわゆるホールド動作を行うことにより、調整用信号出力時間Tintadjが5×10−6秒であれば、AGCの安定性に支障が生じることはない。なお、図15には、図1の信号復元回路基板172内に構成される、和信号SPD1、SPD2のホールド動作を実現する回路構成を示す。和信号SPD1、SPD2は、タイミング信号TimingがHighのとき切り替えられて、LPF(low pass filter)を通過し、ホールド動作が行われるように構成されている。
【0123】
一方、調整用信号Y1、Y2を元の連続した信号に復元する場合、図6及び図7に示すように、サンプリング時間Tintsum2+Tintadjの長さに応じて、零次ホールドによるゲイン低下、位相遅れが生じる。例えば、本実施形態においては、サンプリング時間Tintsum2+Tintadjは1×10−4+5×10−6秒であり、図6に示すように、周波数1kHzでは、ゲイン低下は約0.15dBである。約0.15dBの低下は、多重化された信号を復元した調整用信号を使用することができる程度の低下である。
【0124】
即ち、和信号MPI、SPD1、SPD2、SSD−PIと比べて、調整用信号Y1、Y2は、より周波数特性の影響を受けにくい。従って、上述したとおり、和信号及び調整用信号は、効率良く多重化して出力することができる。
【0125】
以上をまとめると、本発明の第4の実施形態に係る受光素子集積回路430に設けられる端子は、電源端子Vcc、Vc、GNDと、入力端子Timingと、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、SPD1_multi、SPD2_multi、O、P、Q、Rの総計16本の端子である。一方、図20に示すように、従来技術で出力信号を多重化せずに出力した場合、受光素子集積回路30に設けられる端子は、総計17本である。従って、本実施形態では、受光素子集積回路430に設けられる端子数を減少させることができ、受光素子集積回路430を小型化することができる。更に端子に接続される信号線の数も低減するため、光ディスク駆動装置を小型化し、製造コストを縮減することができる。
【0126】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る光ディスク駆動装置について説明する。本実施形態の光ディスク駆動装置は、受光素子集積回路530以外の構成要素については、本発明の第1の実施形態と同一の機能構成を有するため、詳細な説明は省略する。まず、図16を参照して、本実施形態に係る光集積素子100の受光素子集積回路530の構成について説明する。図16は、本実施形態に係る受光素子集積回路530を示す平面図である。
【0127】
受光素子集積回路530は、本発明の第1の実施形態に係る受光素子集積回路130と同様に、6つの受光素子131、132、133、134、135、136を有し、図16に示すように、受光素子集積回路530の表面に配置される。受光素子131、132、133、134、135の位置関係、及び各受光素子に形成される受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rについても、第1の実施形態と同様である。
【0128】
更に、第1の実施形態と同様に、受光素子集積回路530は、各受光領域におけるビームスポットの光量を電気信号に変換し、受光領域A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rからは、それぞれ独立したアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rがそれぞれ出力される。
そして、受光素子集積回路530は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、W、B、C、Z、D、E、F、G、H、I、J、O、P、Q、Rに基づいて演算されたサーボエラー信号、和信号、調整用信号をサーボ制御手段170に出力する。
【0129】
受光素子集積回路530がサーボ制御手段170に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2である。各信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0130】
上記の演算は、受光素子集積回路530の内部で行われる。そして、受光素子集積回路530から出力されたこれらの信号は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号といったサーボエラー信号について、AGC(automatic gain control)を行うために使用される。サーボエラー信号に対してAGCを行い、AGCを行ったサーボエラー信号用いることで、レーザー光の発光光量の変化や、光ディスク190の記録層での反射率の変化が生じた場合にも、安定化したサーボエラー信号を得ることができる。AGCを行ったサーボエラー信号は、第1の実施形態の説明と同一の演算式によって生成される。
【0131】
また、受光素子集積回路530からは、アナログ出力信号O、P、Q、Rが受光素子集積回路530内で他の信号と周波数多重化されて出力される。アナログ出力信号O、P、Q、Rは、受光素子集積回路530の外部にあるRFアンプ129内の加算回路によって加算され、RF信号が生成される。また、アナログ出力信号O、P、Q、Rの位相差を外部の図示しない信号処理回路を用いて検出することによって、DPD(differential phase detection)法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0132】
更に、受光素子集積回路530は、各受光素子から出力されたアナログ出力信号A、B、C、Dに基づいて演算された調整用信号Y1、Y2を外部に出力する。調整用信号Y1、Y2は、光ディスク駆動装置製造時において、受光素子集積回路530上のビームスポットの位置を調整するための信号である。調整用信号Y1、Y2は、第1の実施形態と同一の演算式によって生成される。
【0133】
以上をまとめると、受光素子集積回路530が外部に出力する信号は、フォーカスエラー信号SSD−FEと、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIと、メインのプッシュプル信号MPPと、メインの和信号MPIと、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2と、サイドの和信号SPD1、SPD2と、アナログ出力信号O、P、Q、Rと、調整用信号Y1、Y2であり、総計14種類の信号がある。
【0134】
次に、図16を参照して、本実施形態に係る受光素子集積回路の各端子について説明する。受光素子集積回路530は、端子として、電源端子Vcc、Vc、GNDと、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、O_multi、P_multi、Q_multi、R_multiとを有し、総計13の端子から構成される。
【0135】
電源端子Vccには+5V、電源端子Vcには基準電圧である+2.5Vの電圧が供給され、電源端子GNDは接地される。出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PIからは、1つの端子につき1つの信号が出力される。即ち、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PIからは、それぞれメインの和信号MPI、メインのプッシュプル信号MPP、サイドのプッシュプル信号SPP1、SPP2、フォーカスエラー信号SSD−FE、フォーカスエラー信号のための和信号SSD−PIが出力される。
【0136】
出力端子O_multiからは、図17及び図18に示すように、アナログ出力信号Oと調整用信号Y1が周波数分割され、多重化されて出力される。図17は、本実施形態に係る多重化手段の回路を示す回路図である。図18は、本実施形態に係る制御信号の周波数分割を示す説明図である。出力端子P_multiからは、アナログ出力信号Pと調整用信号Y2が周波数分割多重化されて出力される。出力端子Q_multiからは、アナログ出力信号Qとサイドの和信号SPD1が周波数分割多重化されて出力される。出力端子R_multiからは、アナログ出力信号Rとサイドの和信号SPD2が周波数分割多重化されて出力される。
【0137】
以下に、図17及び図18を参照して、本実施形態に係る周波数分割多重化による信号出力を説明する。調整用信号Y1、Y2は、受光素子集積回路130上のビームスポットの位置を調整するために使用する信号であるため、周波数特性で問題が生じることは少ない。そのため、調整用信号Y1、Y2は、周波数が約100Hzまで帯域があれば、調整用の信号として使用することができる。また、アナログ出力信号O、Pを再生信号として使用する場合、再生信号の最低周波数は、例えば4.125MHzである。この最低周波数4.125MHzは、例えばブルーレイディスクにおいて1倍速再生時の再生信号の最低周波数の値である。
【0138】
従って、図18に示すように、調整用信号Y1とアナログ出力信号Oの信号帯域が重ならないように、周波数分割多重化をして、両信号を1本の信号線に伝送することができる。周波数分割多重化は、図17に示す回路を使用して、アナログ出力信号OをHPF(ハイパスフィルター)に通し、調整用信号Y1をLPF(ローパスフィルター)に通した後、両者を加算することによって、行うことができる。同様に、調整用信号Y2とアナログ出力信号Pについても、周波数分割多重化を行うことができる。
【0139】
更に、サイドの和信号SPD1、SPD2についても、アナログ出力信号Q、Rの帯域と重ならない帯域で使用することができる。そのため、和信号SPD1とアナログ出力信号Qを周波数分割多重化することができ、和信号SPD2とアナログ出力信号Rを周波数分割多重化することができる。
【0140】
なお、出力端子O_multiからサーボ制御手段170に入力された多重化された信号は、図19に示す信号復元回路基板172内の回路によって、再びOとY1の信号に分離される(図中のO_res、Y1_res)。なお、P_multi、Q_multi、R_multiの回路に関しても、図19の場合と同様である。分離されたアナログ信号O、P、Q、Rは、RFアンプ129に入力されて再生信号になり、更にそれぞれの位相差を検出してDPD法によるトラッキングエラー信号が生成される。
【0141】
以上をまとめると、本発明の第5の実施形態に係る受光素子集積回路530に設けられる端子は、電源端子Vcc、Vc、GNDと、出力端子MPI、MPP、SPP1、SPP2、SSD−FE、SSD−PI、O_multi、P_multi、Q_multi、R_multiの総計13本の端子である。一方、図20に示すように、従来技術で出力信号を多重化せずに出力した場合、受光素子集積回路30に設けられる端子は、総計17本である。従って、本実施形態では、受光素子集積回路530に設けられる端子数を減少させ、受光素子集積回路530を小型化することができる。更に端子に接続される信号線の数も低減するため、光ディスク駆動装置を小型化し、製造コストを縮減することができる。
【0142】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク駆動装置を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る光ディスク駆動装置の光ピックアップを示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る光ピックアップの光集積素子を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【図5】同実施形態に係る受光素子集積回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】同実施形態において出力される信号のゲインを示すボード線図である。
【図7】同実施形態において出力される信号の位相ずれを示すボード線図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【図9】同実施形態に係る受光素子集積回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【図11】同実施形態に係る受光素子集積回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】同実施形態に係るサーボホールド動作を実現する回路を示す回路図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【図14】同実施形態に係る受光素子集積回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】同実施形態に係る和信号のホールド動作を実現する回路を示す回路図である。
【図16】本発明の第5の実施形態に係る受光素子集積回路を示す平面図である。
【図17】同実施形態に係る多重化手段の回路を示す回路図である。
【図18】同実施形態に係る制御信号の周波数分割を示す説明図である。
【図19】同実施形態に係る周波数分割多重化された信号を復元する回路を示す回路図である。
【図20】従来の受光素子集積回路を示す平面図である。
【符号の説明】
【0144】
30、130、230、330、430、530 受光素子集積回路
31、32、33、34、35、36、131、132、133、134、135、136 受光素子
100 光集積素子
102 素子基板
103 リッド
104 立ち上げミラー
105 FAPC用受光素子
106 λ/2板
108 モールド複合素子
110 発光素子
112 グレーティング
114 ホログラム
120 積層プリズム
122 PBS膜
124 ビームスプリッタ
126 全反射ミラー
129 RFアンプ
140 光ピックアップ
141 コリメータレンズ
142 アナモフィックプリズム
143 エキスパンダレンズ
144 λ/4板
145 2群対物レンズ
150 光学系
152 対物レンズ
154 2軸アクチュエータ
156 スライドモータ
158 LDドライバ
160 ディスク駆動手段
162 スピンドルモータ
164 スピンドル
166 ディスククランプ
170 サーボ制御手段
172 信号復元回路基板
174 変換部
176 位相補償部
177 DSP
178 アナログフィルタ
179 制御用マイコン
180 スピンドルドライバ
182 フォーカスドライバ
184 トラッキングドライバ
186 スライドモータドライバ
190 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と;
前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と;
前記複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と;
前記時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と;
を備えることを特徴とする、光電変換素子集積回路。
【請求項2】
前記光電変換素子が前記光を受光する受光面は、2以上の受光領域を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項3】
前記制御信号は、前記電気信号に基づいて演算して得られることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項4】
前記制御信号は、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために行われるサーボ制御のためのサーボエラー信号と、前記サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための和信号、又は前記光電変換素子の受光位置を調整する調整用信号のどちらか少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項5】
前記多重化手段は、前記サーボエラー信号の出力時間が、前記和信号又は前記調整用信号の出力時間よりも長くなるように、前記制御信号を時間軸方向に多重化することを特徴とする、請求項4に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項6】
前記多重化手段は、前記和信号の出力時間が、前記調整用信号の出力時間よりも長くなるように、前記制御信号を時間軸方向に多重化することを特徴とする、請求項4に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項7】
前記多重化手段は、外部から入力されるタイミング信号に応じて、前記制御信号を順次切り替える切替手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項8】
光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と;
前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と;
前記複数の制御信号、又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と;
前記周波数分割多重化した制御信号又は再生信号を出力する出力端子と;
を備えることを特徴とする、光電変換素子集積回路。
【請求項9】
前記多重化手段は、前記制御信号又は再生信号をハイパスフィルター処理する第1処理手段と、前記制御信号をローパスフィルター処理する第2処理手段と、前記第1処理手段及び前記第2処理手段によって生成した信号を加算する加算手段と、を有することを特徴とする、請求項8に記載の光電変換素子集積回路。
【請求項10】
光記録媒体に光を照射する発光素子と;
前記光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、前記複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と、前記時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と;
を備えることを特徴とする、光ピックアップ装置。
【請求項11】
光記録媒体に光を照射する発光素子と;
前記光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、前記複数の制御信号、又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と、前記周波数分割多重化した制御信号又は再生信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と;
を備えることを特徴とする、光ピックアップ装置。
【請求項12】
駆動装置のサーボ制御のための制御誤差信号と、前記サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための規格化信号と、を含む複数の制御信号を出力する制御信号発生装置であって:
前記制御誤差信号の出力時間が、前記規格化信号の出力時間よりも長くなるように、前記制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と;
前記時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と;
を備えることを特徴とする、制御信号発生装置。
【請求項13】
駆動装置のサーボ制御のための制御誤差信号と、前記サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための規格化信号と、を含む複数の制御信号を出力する制御信号発生装置であって、前記制御誤差信号の出力時間が、前記規格化信号の出力時間よりも長くなるように、両制御信号を同一の信号線に時間軸方向に多重化する多重化手段と、前記時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する制御信号発生装置と;
前記制御信号発生装置から多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有し、前記駆動装置を制御する駆動信号を出力するサーボ制御手段と;
を備え、
前記信号復元手段は、前記規格化信号を出力している期間に、前記制御誤差信号、又は前記駆動信号の少なくともどちらか一方の信号レベルを保持するホールド手段を有することを特徴とする、駆動制御装置。
【請求項14】
光記録媒体に光を照射する発光素子と;前記光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、前記複数の制御信号を時間軸方向に多重化する多重化手段と、前記時分割多重化した制御信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と;を備える光ピックアップ装置と;
前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と;
前記多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有し、前記駆動手段を制御するサーボドライブ信号を出力するサーボ制御手段と;
を備えることを特徴とする、光記録媒体駆動装置。
【請求項15】
前記制御信号は、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために行われるサーボ制御のためのサーボエラー信号と、前記サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための和信号、又は前記光電変換素子の受光位置を調整する調整用信号のどちらか少なくとも一方を含み、
前記多重化手段は、前記サーボエラー信号の出力時間が、前記和信号又は前記調整用信号の出力時間よりも長くなるように、前記制御信号を時間軸方向に多重化し、
前記信号復元手段は、前記和信号又は前記調整用信号を出力している期間に、前記サーボエラー信号、又は前記サーボドライブ信号の少なくともどちらかの信号レベルを保持するホールド手段を有することを特徴とする、請求項14に記載の光記録媒体駆動装置。
【請求項16】
前記制御信号は、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するために行われるサーボ制御のためのサーボエラー信号と、前記サーボ制御において自動化されたゲイン制御を行うための和信号、又は前記光電変換素子の受光位置を調整する調整用信号のどちらか少なくとも一方を含み、
前記多重化手段は、前記和信号の出力時間が、前記調整用信号の出力時間よりも長くなるように、前記制御信号を時間軸方向に多重化し、
前記信号復元手段は、前記調整用信号を出力している期間に、前記和信号又は前記サーボドライブ信号の少なくともどちらかの信号レベルを保持するホールド手段を有することを特徴とする、請求項14に記載の光記録媒体駆動装置。
【請求項17】
光記録媒体に光を照射する発光素子と;前記光記録媒体で反射した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子と、前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための複数の制御信号を生成する生成手段と、前記複数の制御信号、又は光記録媒体から読み出された再生信号を周波数に応じて多重化する多重化手段と、前記周波数分割多重化した制御信号又は再生信号を出力する出力端子と、を有する光電変換素子集積回路と;を備える光ピックアップ装置と;
前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と;
前記多重化されて出力された制御信号を復元する信号復元手段を有し、前記駆動手段を制御するサーボドライブ信号を出力するサーボ制御手段と;
を備えることを特徴とする、光記録媒体駆動装置。
【請求項18】
光を受光して電気信号に変換する段階と;
前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための制御信号を生成する段階と;
前記制御信号を時間軸方向に多重化する段階と;
前記時分割多重化した制御信号を出力する段階と;
を有することを特徴とする、光記録媒体駆動装置の制御方法。
【請求項19】
光を受光して電気信号に変換する段階と;
前記電気信号に基づいて、光記録媒体に情報を記録し、又は光記録媒体に記録された情報を再生するための制御信号を生成する段階と;
前記制御信号を周波数に応じて多重化する段階と;
前記周波数分割多重化した制御信号を出力する段階と;
を有することを特徴とする、光記録媒体駆動装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−65913(P2008−65913A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243379(P2006−243379)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】