説明

光音響画像化装置

【課題】レーザ光源の動作を制御する制御部の異常によってレーザ光が誤射されることを防止できる光音響画像化装置を得る。
【解決手段】レーザ光を発するレーザ光源31と、このレーザ光源31を駆動させる駆動回路32と、レーザ光を伝搬させる光伝搬手段33Bと、レーザ光を生体組織60に照射する光照射部52、および生体組織60から発せられた音響波を検出する音響波検出部51を有するプローブ50と、音響波検出部51の出力を処理して光音響画像を構築する画像構築部19と、前記駆動回路32にレーザ駆動指令信号Tを送る制御部11とを備えてなる光音響画像化装置100において、制御部11にその状態を確認する状態確認信号Qを送り、そのとき該制御部11からそれが正常状態にあることを示す信号Aが返送されない場合は、駆動回路32を、レーザ駆動指令信号Tが入力されてもレーザ光源31を駆動させない状態に設定する光照射制限手段32を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光音響画像化装置すなわち、生体組織に光を照射し、光照射に伴って発生する音響波に基づいて生体組織を画像化する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1や非特許文献1に示されているように、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響画像化装置が知られている。この光音響画像化装置においては、例えばパルスレーザ光等のパルス光が生体内に照射される。このパルス光の照射を受けた生体内部では、パルス光のエネルギーを吸収した生体組織が熱によって体積膨張し、音響波(音響信号)を発生する。そこで、この音響波を超音波プローブなどで検出し、その検出信号に基づいて生体内部を可視像化することが可能となっている。
【0003】
そのような光音響画像化装置においては、特許文献1にも記載されているように、レーザ光を伝搬させる光ファイバの先端部等からなる光照射部および、このレーザ光の照射を受けた生体組織から発せられた音響波を検出する音響波検出部を有するプローブ(探触子)を用いることが考えられている。そしてその種のプローブは、上記光ファイバを介してレーザ光源に接続され、このレーザ光源から発せられたレーザ光がプローブの光照射部まで導かれるようになっている。
【0004】
また一般に、音響波検出部の後段側の部分、つまり該検出部の出力信号を処理して光音響画像を構築する画像構築部等の動作は制御部によって制御されるが、それらの動作タイミングはレーザ光照射のタイミングに基づいて決定する必要があることから、レーザ駆動開始の時期も上記制御部が発するトリガー信号によって制御される場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−21380号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】A High-Speed Photoacoustic Tomography System based on a Commercial Ultrasound and a Custom Transducer Array, Xueding Wang, Jonathan Cannata, Derek DeBusschere, Changhong Hu, J. Brian Fowlkes, and Paul Carson, Proc. SPIE Vol. 7564, 756424 (Feb.23, 2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような制御部が異常状態に陥ると、装置操作者が光照射スイッチをONにした後OFFにしてもレーザ光源が駆動し放しになるような事態も起こり得る。このようにして、装置操作者が意図していないときにレーザ光源が駆動すると、プローブの光照射部が装置操作者や被検者の目等を向いているときにレーザ光が誤射される可能性もあり、レーザ光に対する安全性が損なわれてしまう。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、レーザ光源の動作を制御する制御部の異常によってレーザ光が誤射されることを防止できる光音響画像化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光音響画像化装置は、
生体組織に照射されるレーザ光を発するレーザ光源と、
このレーザ光源を駆動させる駆動回路と、
前記レーザ光を伝搬させる光伝搬手段と、
この光伝搬手段で伝搬されたレーザ光を生体組織に照射する光照射部、およびこのレーザ光の照射を受けた生体組織から発せられた音響波を検出する音響波検出部を有するプローブと、
前記音響波検出部の出力を処理して光音響画像を構築する画像構築部と、
前記駆動回路にレーザ駆動指令信号を送る制御部とを備えてなる光音響画像化装置において、
前記制御部に、この制御部の状態を確認する状態確認信号を送り、そのとき該制御部からそれが正常状態にあることを示す信号が返送されない場合は、前記駆動回路を、前記レーザ駆動指令信号の入力の有無に関わらずレーザ光源を駆動させない状態に設定する光照射制限手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0010】
なお上記の光照射制限手段は、例えばプローブに取り付けられて装置使用者によって操作される光照射スイッチに接続され、この光照射スイッチから光照射指令信号が入力されたとき、前記制御部に状態確認信号を送るように構成されていることが望ましい。
【0011】
あるいは、光照射制限手段は、状態確認信号を定期的に前記制御部に送るように構成されてもよい。このように「状態確認信号を定期的に送る」とは、具体的には、光音響画像化装置の立ち上げ時にその都度送ったり、光音響画像化装置が所定時間や所定日数稼働する毎に送ったり、さらには、光音響画像化装置が稼働している間に数秒あるいは数分毎に送ったりすることが挙げられる。
【0012】
また本発明の光音響画像化装置においては、前記光照射制限手段が、レーザ光源およびその駆動回路を含むレーザ光源ユニットに搭載される一方、前記制御部が、レーザ光源ユニットとは別体とされたユニットに搭載されていることが望ましい。
【0013】
他方、前記制御部は、少なくとも、前記制御部の内部メモリの書き込み/読み出しが正常に行われるとき、前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されていることが好ましい。
【0014】
あるいは、前記制御部は、少なくとも、前記制御部とこの制御部によって動作が制御される手段との間の通信が正常に行われるとき、前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されてもよい。
【0015】
また前記制御部は、前記状態確認信号を受けたとき、所定の機能が正常に実行されるか否かを自己診断し、この自己診断の結果に基づいて前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光音響画像化装置によれば、制御部にその状態を確認する状態確認信号を送り、そのとき該制御部からそれが正常状態にあることを示す信号が返送されない場合は、レーザ光源の駆動回路を、レーザ駆動指令信号の入力の有無に関わらずレーザ光源を駆動させない状態に設定する光照射制限手段が設けられたので、制御部が異常状態に陥っていると、レーザ駆動指令信号が入力されない場合は勿論のこと、レーザ駆動指令信号が入力されてもレーザ光源は駆動されないので、制御部の誤作動からレーザ光が誤射されることがなくなり、レーザ光に対する安全性が保たれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による光音響画像化装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の装置に用いられた超音波探触子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による光音響画像化装置の基本構成を示すブロック図である。この光音響画像化装置100は一例として超音波画像も取得可能とされたものであって、超音波を生体である被検体60に向けて送信し、またそこで反射した超音波を受信するための超音波ユニット10と、光音響画像取得のために被検体60に向けて照射されるレーザ光を発するレーザ光源ユニット30と、プローブ50と、生成された超音波画像および光音響画像を表示する画像表示手段70とを有している。
【0019】
上記超音波ユニット10は、該ユニットに含まれる各手段およびレーザ光源ユニット30の動作を制御する制御部11、この制御部11に接続されたトリガー生成部12、超音波の送信を制御する送信制御回路13、超音波および音響波を受信する受信部14、この受信部14以降、以下列挙する順に接続された加算部15、検波手段16、対数変換部17、AD変換部18および画像構築部19を備えている。
【0020】
レーザ光源ユニット30は、例えばQスイッチを備えた固体レーザであるQスイッチレーザ31および、このQスイッチレーザ31の励起源である図示外のフラッシュランプを点灯させるレーザ駆動制御部32を備えている。レーザ駆動制御部32は後述するようにしてトリガー信号Tが入力されると、上記フラッシュランプを点灯させる。それにより固体レーザ媒質が励起され、その後Qスイッチが開かれることにより、Qスイッチレーザ31からパルスレーザ光が射出される。このパルスレーザ光は、図示外のファイバ入力光学系を介して光伝搬手段としてのバンドルファイバ33Bに入力され、そこを伝搬してプローブ50まで導かれる。バンドルファイバ33Bは、多数のマルチモード光ファイバが束ねられてなるものであり、レーザ光は上記ファイバ入力光学系を構成する光分岐手段により略等光量に分岐された上で、各光ファイバに入力される。
【0021】
なおQスイッチレーザ31としてより具体的には、Qスイッチ付きNd:YAGレーザと、このNd:YAGレーザから発せられた例えば波長1064nmのレーザ光を波長が1/2の第2高調波に変換するSHG(第2高調波発生)素子と、このSHG素子から出射した532nmのレーザ光により励起されて波長700〜900nm程度のレーザ光を発するTi:サファイアレーザとからなるもの等が適用可能である。
【0022】
ここで図2も参照して、上記プローブ50について詳しく説明する。このプローブ50は、音響波検出部として、所定の方向に沿って1次元に配列された複数の圧電素子51を有している。つまり、これらの圧電素子51が、図1に示した変換部51を構成している。これらの圧電素子51は、電気を超音波に、またその反対に超音波を電気に変換するものであり、交流電圧信号Uを受けると超音波を発生し、超音波あるいは音響波を受けて電圧信号を発生する。本実施形態の光音響画像化装置100は、一般的な超音波画像診断装置と同様に被検体60の超音波画像も取得可能とされたものであり、超音波画像を取得する際には、複数の圧電素子51から被検体60に向けて超音波が照射される。この超音波は被検体60で反射して圧電素子51に入射し、そこで電気信号に変換される。なお、この超音波画像の取得は従来公知の方法によって行えばよく、本発明と直接的な関わりは無いので、詳しい説明は省略する。
【0023】
一方、バンドルファイバ33Bの各光ファイバ33の先端部は、並設された複数の圧電素子51の両側方において該素子の並び方向に沿って配置され、レーザ光源ユニット30から発せられたパルスレーザ光を、圧電素子51の両側方から被検体60に照射する。つまり並設されたそれらの光ファイバ33の先端部が、図1に示した光照射部52を構成している。なお図2において、光ファイバ33および圧電素子51の個数は概略的に示してあり、実際には図示の状態よりも多数の光ファイバ33および圧電素子51が高密度に配設されている。
【0024】
具体的に本実施形態では、圧電素子51が192個並べて設置されており、一例としてそれらの1/3つまり64個ずつを用いて、被検体60の部分領域の光音響画像が取得されるようになっている。図2に示す53a、53bおよび53cは、それらの部分領域にパルスレーザ光が照射されたことを検出するためのものである。また図1に示す通りプローブ50には、装置操作者によって操作される光照射スイッチ54が取り付けられている。この光照射スイッチ54がONにされると、後述の通りにして被検体60へのレーザ光照射がなされる。
【0025】
以下、上記構成を有する光音響画像化装置100における光音響画像の取得について、図1を参照して説明する。光音響画像を取得する際に装置操作者によってプローブ50の光照射スイッチ54がONにされると、その旨を示す信号Rが超音波ユニット10の制御部11に入力される。制御部11はこの信号Rを受けるとトリガー生成部12にトリガー(レーザ駆動指令信号)Tの生成を指示し、該トリガー生成部12は生成したトリガーTをレーザ光源ユニット30のレーザ駆動制御部32に入力する。レーザ駆動制御部32はこのトリガーTを受けると、前述した通りにしてQスイッチレーザ31を駆動させ、そこからパルスレーザ光を射出させる。
【0026】
なお、上述のように光照射スイッチ54がONにされても、Qスイッチレーザ31が停止したままにされることもあるが、その点については後述する。
【0027】
このパルスレーザ光はバンドルファイバ33Bを伝搬し、その各光ファイバ33の先端部から構成される光照射部52から被検体60に向けてパルスレーザ光が照射される。このパルスレーザ光が被検体60の内部組織に照射されると、そこから音響波が発生し、この音響波が圧電素子51によって検出される。
【0028】
このとき圧電素子51が出力するアナログの電圧信号PAは受信部14に受信され、次に加算回路15において、前述した被検体60の部分領域毎の信号(つまり64個の圧電素子51毎の信号)が加算される。加算された信号は次に検波手段16において例えば包絡線検波を受け、対数変換部17において対数変換され、AD変換部18においてデジタル化される。このデジタル化された信号は画像構築部19の内部メモリに一時格納された後、所定の画像再構成処理にかけられて、被検体60の内部組織を示す光音響画像を示す画像信号が得られる。この画像信号は、例えば液晶表示装置やCRT表示装置等からなる画像表示手段70に入力され、そこで光音響画像が表示される。
【0029】
上記画像構築部19における詳細な画像構築手順について詳しい説明は省略するが、その機能は、例えばコンピュータが所定のプログラムに従って動作することで実現可能である。あるいは画像構築部19の機能を、DSP(digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などで実現してもよい。
【0030】
なお、超音波画像の取得時には、トリガー生成部12からトリガーTが超音波の送信制御回路13に送られ、この送信制御回路13から電圧信号Uが圧電素子51に入力される。それにより圧電素子51から超音波が被検体60に向けて発せられる。この超音波は被検体60の内部組織で反射し、反射した超音波が圧電素子51によって検出される。そして、このときの圧電素子51の出力信号URに基づいて被検体60の超音波画像が構築され、その超音波画像が画像表示手段70に表示される。
【0031】
ここで、制御部11が異常状態に陥ると、装置操作者が光照射スイッチ54をONにした後OFFにしてもQスイッチレーザ31が駆動し放しになるような事態も起こり得る。このようにして、装置操作者が意図していないときにQスイッチレーザ31が駆動すると、プローブ50の光照射部52が装置操作者や被検者60の目等を向いているときにレーザ光が誤射される可能性もあり、レーザ光に対する安全性が損なわれてしまう。
【0032】
このような問題を防止するために、レーザ光源ユニット30のレーザ駆動制御部32は、本発明における光照射制限手段も兼ねるものとなっている。すなわちこのレーザ駆動制御部32には、光照射スイッチ54がONにされたとき出力される信号Rが入力されるようになっており、レーザ駆動制御部32はこの信号Rを受けると制御部11に状態確認信号Qを送る。制御部11はこの状態確認信号Qを受けると、自身が正常であるか異常であるかを判定する複数項目について自己診断テストする。この複数項目としては例えば、制御部11の内部メモリの書き込み/読み出しが正常に行われるか否か、さらには、制御部11と該制御部11によって動作が制御される手段(前述した送信制御回路13から画像構築部19までの手段13〜19の全部、あるいはそれらのうちの特定のいくつか)との間の通信が正常に行われるか否か、といった項目が挙げられる。制御部11はこの自己診断の結果、何も異常が無いと判断すると、正常状態にあることを示す信号Aをレーザ駆動制御部32に返送する。
【0033】
レーザ駆動制御部32は、状態確認信号Qを出力してから所定時間、信号Aが返送されて来るのを待つが、その所定時間の間に信号Aが返送されて来ない場合は、それ以降に前述のトリガーTが入力されてもQスイッチレーザ31を駆動させない。なお、上記所定時間以内にトリガーTがレーザ駆動制御部32に入力されるようになっている場合、レーザ駆動制御部32はそのトリガーTをホールドする。そしてレーザ駆動制御部32は、信号Aが返送されて来たらホールドを解除してQスイッチレーザ31を駆動させ、信号Aが所定時間内に返送されて来なければ、Qスイッチレーザ31をそのまま停止状態に維持する。
【0034】
以上の通り本実施形態の光音響画像化装置100においては、レーザ駆動制御部32にトリガーTが入力され、かつ信号Aも返送されて来た場合に限ってQスイッチレーザ31が駆動されるようになっている。したがって、制御部11に何らかの異常が有る場合はQスイッチレーザ31が駆動されないので、装置操作者の意図に反してQスイッチレーザ31が駆動し放しになるようなことが確実に防止され、レーザ光に対する安全性が確保される。
【0035】
なお、上述のように制御部11が正常状態にあることを示す信号Aをレーザ駆動制御部32に返送する代わりに、制御部11が自身の異常を確認できたときは、異常を示す異常信号をレーザ駆動制御部32に入力するように構成してもよい。そのようにする場合、レーザ駆動制御部32は、トリガーTが入力され、かつ所定時間以内に異常信号が入力されない場合に限ってQスイッチレーザ31を駆動するように構成すればよい。
【0036】
また、本実施形態におけるように、光照射スイッチ54がONにされる都度レーザ駆動制御部32から状態確認信号Qを出力させる他、光照射スイッチ54の操作とは無関係に状態確認信号Qを定期的に制御部11に送るように構成してもよい。すなわち、より具体的には状態確認信号Qを、光音響画像化装置100の立ち上げ時にその都度送ったり、光音響画像化装置100が所定時間や所定日数稼働する毎に送ったり、さらには、光音響画像化装置100が稼働している間に数秒あるいは数分毎に送ったりしてもよい。
【0037】
さらに本実施形態では、レーザ駆動制御部32が光照射制限手段を兼ねているが、光照射制限手段はレーザ駆動制御部32とは別体に形成されてもよい。さらに、光照射制限手段の設置場所はレーザ光源ユニット30に限られるものではなく、その他例えば、超音波ユニット10に設置されても構わない。
【0038】
またレーザ光源としては、上記実施形態で用いられた固体レーザの他、アレキサンドライトレーザ等のその他の固体レーザや、発振波長が最大800nm程度のAlGaAs系半導体レーザ、発振波長が最大900nm程度のInGaAs系半導体レーザ等も適用可能である。さらには、半導体レーザを種光源とする光増幅型レーザ光源と光波長変換素子との組み合わせからなるもの、より具体的には、波長1560nm程度のレーザ光を発する半導体レーザと、そのレーザ光を増幅する偏波保存型Er(エルビウム)添加光ファイバからなるファイバ増幅器と、そこで増幅された上記レーザ光を波長780nm程度の第2高調波に変換するSHG(第2高調波発生)素子とからなるもの等も適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 超音波ユニット
14 受信部
15 加算部
16 検波手段
17 対数変換部
18 AD変換部
19 画像構築部
30 レーザ光源ユニット
31 Qスイッチレーザ
32 レーザ駆動制御部(光照射制限手段)
33 光ファイバ
33B バンドルファイバ
50 プローブ
51 圧電素子(音響波検出部)
52 光照射部
54 光照射スイッチ
60 被検体
70 画像表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織に照射されるレーザ光を発するレーザ光源と、
このレーザ光源を駆動させる駆動回路と、
前記レーザ光を伝搬させる光伝搬手段と、
この光伝搬手段で伝搬されたレーザ光を生体組織に照射する光照射部、およびこのレーザ光の照射を受けた生体組織から発せられた音響波を検出する音響波検出部を有するプローブと、
前記音響波検出部の出力を処理して光音響画像を構築する画像構築部と、
前記駆動回路にレーザ駆動指令信号を送る制御部とを備えてなる光音響画像化装置において、
前記制御部に前記制御部の状態を確認する状態確認信号を送り、そのとき前記制御部から前記制御部が正常状態にあることを示す信号が返送されない場合は、前記駆動回路を、前記レーザ駆動指令信号の入力の有無に関わらずレーザ光源を駆動させない状態に設定する光照射制限手段が設けられたことを特徴とする光音響画像化装置。
【請求項2】
前記光照射制限手段が、装置使用者によって操作される光照射スイッチに接続され、前記光照射スイッチから光照射指令信号が入力されたとき、前記制御部に状態確認信号を送るように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光音響画像化装置。
【請求項3】
前記光照射スイッチが、前記プローブと一体的に設けられていることを特徴とする請求項2記載の光音響画像化装置。
【請求項4】
前記光照射制限手段が、前記状態確認信号を定期的に前記制御部に送るように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光音響画像化装置。
【請求項5】
前記光照射制限手段が、前記レーザ光源および前記駆動回路を含むレーザ光源ユニットに搭載され、
前記制御部が、前記レーザ光源ユニットとは別体とされたユニットに搭載されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の光音響画像化装置。
【請求項6】
前記制御部が、少なくとも、前記制御部の内部メモリの書き込み/読み出しが正常に行われるとき、前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の光音響画像化装置。
【請求項7】
前記制御部が、少なくとも、前記制御部とこの制御部によって動作が制御される手段との間の通信が正常に行われるとき、前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の光音響画像化装置。
【請求項8】
前記制御部が、前記状態確認信号を受けたとき、所定の機能が正常に実行されるか否かを自己診断し、この自己診断の結果に基づいて前記正常状態にあることを示す信号を前記光照射制限手段に返送するように構成されていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光音響画像化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−170620(P2012−170620A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35635(P2011−35635)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】