説明

免疫に対する機能性を高めた納豆及び抗アレルギー用組成物

【課題】免疫に対する機能性を高めた納豆及び抗アレルギー用組成物を提供する。
【解決手段】納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品、納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す抗アレルギー用組成物、上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎等に対するアレルギー症状改善作用を有する機能性食品、及び免疫に対する機能性が高い納豆菌株。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫に対する機能性を高めた納豆及び抗アレルギー用組成物に関するものであり、更に詳しくは、免疫機能調節を可能とした納豆菌利用技術、特に、花粉症や通年性アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状改善に関する作用を示す機能性食品、抗アレルギー用組成物及び免疫に対する高い機能性と高い品質の納豆の製品化を可能とする性質を合せ持つ納豆菌株に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌を利用した食品は、花粉症や通年性アレルギー性鼻炎などのアレルギー改善に関する効果の解明が進んでおり、納豆菌も、乳酸菌と同様のグラム陽性菌であることから、同様の機能があると予想される。しかし、これまで、納豆菌の免疫に対する機能性については解明されていないのが実情である。
【0003】
先行技術として、例えば、乳酸菌培養物を有効成分とする抗アレルギー剤が提案されている(特許文献1)。また、60%以上のインターロイキン12産生量を示し、且つ、乳酸菌無添加コントロールの50%未満のインターロイキン4生成量を示す乳酸菌を有効成分として含んでなる抗アレルギー用組成物(特許文献2)、また、高抗アレルギー活性を有する乳酸菌を添加した抗アレルギー機能を有する食品及び飲料(特許文献3)、が提案されている。
【0004】
また、先行技術として、例えば、乳酸菌及び水を含有することを特徴とする点鼻腔洗浄組成物(特許文献4)、乳酸発酵産物とメシマコブ抽出物を含む健康食品(特許文献5)、花粉症の改善に有効な乳酸菌飲料(特許文献6)、花粉症、アレルギー性気管支喘息、アレルギー疾患を改善、予防する抗アレルギー効果を有する食品(特許文献7)、が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−298779号公報
【特許文献2】特開2005−139160号公報
【特許文献3】特開2005−137357号公報
【特許文献4】特開2005−89437号公報
【特許文献5】特開2004−141114号公報
【特許文献6】特開2004−41139号公報
【特許文献7】特開2000−95697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、アレルギー改善に納豆菌を利用することを着想し、納豆菌の免疫に対する機能を明らかにすると共に、免疫に対する機能性の高い納豆菌株の選抜に関する研究を鋭意積み重ねた結果、納豆菌が免疫に対する機能性を持ち、納豆菌の摂取が鼻過敏症モデルモルモットの鼻汁漏出を抑制するとの新規知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、納豆菌を有効成分として含み、インターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を高めた機能性食品及び抗アレルギー用組成物を提供することを目的とするものである。また、本発明は、納豆菌を有効成分として含む花粉症や通年性アレルギー性鼻炎などに対するアレルギー改善作用を有する機能性食品又は抗アレルギー用組成物を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、上記免疫に対する高い機能性と高い品質の納豆の製品化を可能とする性質を合せ持つ納豆菌株を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品。
(2)上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルギー改善作用を有する、前記(1)に記載の機能性食品。
(3)上記食品が、納豆製品である、前記(1)又は(2)に記載の機能性食品。
(4)納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す抗アレルギー用組成物。
(5)上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルギー改善作用を有する、前記(4)に記載の抗アレルギー用組成物。
(6)前記(1)又は(4)に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21172で特定されるBacillus subtilis TTCC848株とその変異株。
(7)前記(1)又は(4)に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21173で特定されるBacillus subtilis TTCC903株とその変異株。
(8)前記(1)又は(4)に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21174で特定されるBacillus subtilis TTCC841株とその変異株。
(9)前記(6)から(8)のいずれかに記載の納豆菌を1つ以上含む複数の納豆菌の混合菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品。
(10)前記(6)から(8)のいずれかに記載の納豆菌を1つ以上含む複数の納豆菌の混合菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す抗アレルギー組成物。
【0009】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、インターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品又は抗アレルギー用組成物であって、納豆菌を有効成分として含むことを特徴とするものである。本発明では、上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルギー改善作用を有すること、上記食品が納豆製品であることを好ましい実施の態様としている。
【0010】
また、本発明は、上記機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、Bacillus subtilis TTCC848株(FERM AP−21172)、Bacillus subtilis TTCC903株(FERM AP−21173)、Bacillus subtilis TTCC841株(FERM AP−21174)やその変異株、もしくはそれを1つ以上含む複数の納豆菌の混合物であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、納豆菌の免疫に対する機能性を細胞レベルでの評価系で明らかにすると共に、免疫に対する機能性の高い納豆菌の選抜及びその納豆菌を使用した納豆の製品化を実施可能とした。本発明では、納豆菌の免疫に対する機能性評価試験において、納豆菌として、ナットウキナーゼ高生産株であるTTCC865株を用いた。また、免疫に対する機能性の高い納豆菌の選抜は、623株行った。
【0012】
納豆菌胞子は、滅菌水に懸濁させた状態で用いた。納豆菌栄養細胞は、例えば、納豆菌胞子を肉汁で、37℃、4時間培養した後、新しい肉汁に植え継いで、37℃、18時間培養して調製される。また、納豆菌栄養細胞破砕物は、例えば、ジルコニアシリカビーズ、タングステンビーズを用い、シェイクマスター(株式会社バイオメディカルサイエンス)等を用いて、破砕して調製する。この場合、上述の温度、時間、手段等は、任意に設定することができる。
【0013】
次に、本発明では、納豆菌の免疫に対する機能性評価試験において、細胞として、例えば、マウス由来マクロファージ様細胞株であるJ774.1細胞が使用される。この細胞は、例えば、10%牛胎児血清、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、100uints/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI1640(日水製薬株式会社)で5×10cells/mlに調製し、24wellプレートに1ml/well蒔いて使用する。これらの条件及び手段についても任意に設定することができる。
【0014】
次に、J774.1細胞の培養は、例えば、細胞を蒔いた各wellに濃度を変えて納豆菌を100μl添加し、5%CO条件下で37℃、24時間行い、培養終了後、培養上清を回収し、IL−12p40測定時まで−80℃で保存する。この場合、上述の条件及び手段は、必要に応じて任意に変更することができる。次に、IL−12p40の測定は、例えば、Quantikine(登録商標) mouse IL−12/IL−23p40 immunoassay(R&D Systems,Inc.)を用いて行うことができる。
【0015】
次に、免疫に対する機能性が高い納豆菌の選抜について説明する。本発明では、前述のように、623株の納豆菌から選抜を行った。選抜は、例えば、粘質物産生能、納豆品質、IL−12p40の誘導の評価で行うことができる。また、評価系に用いる細胞としては、納豆菌の免疫に対する機能性評価で使用される細胞と同様のものを使用することができる。
【0016】
納豆菌の粘質物産生能を評価するために、例えば、納豆菌を粘質物産生用の培地上で、37℃、24時間培養した後、形成したコロニーの形状を+++(粘質物産生多)〜−(粘質物産生なし)の4段階で目視により評価し、この評価を粘質物産生能の評価とする。
【0017】
納豆品質を評価するために、例えば、納豆用大豆を一晩浸漬の後、蒸煮し、納豆菌を接種し、40℃前後の恒温槽で18時間発酵させて納豆を作製する。作製した納豆は、パネルテストにより、納豆の外観、粘り、香り、硬さ、味、総合をA(良い)〜D(悪い)の4段階で評価し、この評価を納豆品質の評価とする。
【0018】
IL−12p40の誘導を評価するために、例えば、J774.1細胞を使用し、細胞を蒔いた各wellに納豆菌胞子を2×10cfu/100μl添加、5%CO条件下で、37℃、24時間培養する。培養終了後、培養上清を回収し、IL−12p40濃度を測定する。この結果をIL−12p40の誘導の評価とする。
【0019】
本発明により、納豆菌の免疫に対する機能性評価を行った結果、これまで評価が不明であった納豆菌の免疫に対する機能性について、納豆菌栄養細胞のIL−12p40の誘導が認められた。また、納豆菌胞子、納豆菌栄養細胞、納豆菌栄養細胞破砕物のIL−12p40誘導を様々な濃度(OD6000.1〜5)で検討したところ、納豆菌胞子では、量依存的にIL−12p40が増加し、納豆菌栄養細胞では、OD6001.0までは増加が認められ、それ以上の濃度では減少が認められた。納豆菌栄養細胞破砕物では、一定量の誘導は認められたが、添加濃度の違いによるIL−12p40誘導の変化は認められなかった。
【0020】
本発明では、納豆菌として、納豆菌栄養細胞、納豆菌胞子、納豆菌栄養細胞破砕物を使用することができる。本発明の機能性食品は、粉末、固体又は液体等の任意の形態の食品として利用することができ、その製品形態は特に限定されるものではない。また、本発明で選抜した納豆菌株は、前述の免疫に対する機能性評価を行ったTTCC865株に比べ、IL−12p40の誘導が140〜160%強であった。本発明に係る納豆菌株には、選抜した納豆菌株TCC848株、同903株、同841株及びそれらの変異株が含まれる。また、本発明は、上記納豆菌株又は該納豆菌株を1つ以上含む複数の納豆菌の混合菌を有効成分とする機能性食品又は抗アレルギー用組成物を提供する。更に、これらの納豆菌を用いて納豆の製品化を試みた結果、品質が良好な納豆製品が得られた。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)免疫機能調節を可能とする納豆菌利用技術を提供することができる。
(2)納豆菌を有効成分とする免疫に対する機能性を高めた機能性食品を提供することができる。
(3)免疫に対する機能性を高めた納豆製品を提供することができる。
(4)免疫に対する機能性が高い納豆菌株を提供することができる。
(5)免疫に対する機能性を高めた抗アレルギー用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
本実施例では、納豆菌の免疫に対する機能性評価を行った。
(1)納豆菌
納豆菌として、ナットウキナーゼ高生産菌であるTTCC865株(FERM P−19176、特開2004−222516)を用いた。納豆菌胞子を肉汁で37℃、4時間培養した後、新しい肉汁に植え継ぎして、37℃、18時間培養して納豆菌栄養細胞を調製した。これを、ジルコニアシリカビーズ、タングステンシリカビーズを用い、シェイクマスター(株式会社バイオメディカルサイエンス)で15分間破砕し、その後、5分間、−80℃で冷却し、再び15分間破砕して、納豆菌栄養細胞破砕物(納豆菌破砕物)を調製した。破砕の際に、−80℃で冷却した凍結用ラックを用いた。
【0024】
(2)細胞
細胞として、マウス由来マクロファージ様細胞株であるJ774.1細胞(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンターから購入)を用いた。このJ774.1細胞をRPMI1640(日水製薬株式会社)で5×10cells/mlに調製した。上記RPMI1640には、10%牛胎児血清(FBS、コージンバイオ株式会社)、2mM L−グルタミン(和光純薬工業株式会社)、10mM HEPES(株式会社同仁化学研究所)、100units/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(インビトロジェン株式会社)が含まれる。次いで、上記細胞を24wellマルチウエルセルカルチャープレート(ベクトン・ディッキンソン株式会社)に1ml/well蒔いて使用した。
【0025】
(3)J774.1細胞の培養
次に、細胞を蒔いた各wellに、OD6000.1、0.5、1.0、2.5、5.0の納豆菌を100μl添加し、5%CO条件下で37℃、24時間培養を行った。培養終了後、培養上清を回収し、IL−12p40測定時まで−80℃で保存した。
【0026】
(4)ELISA
Quantikine(登録商標) mouse IL−12/IL−23p40 immunoassay(R&D Systems,Inc.)を用いて、IL−12p40の測定を行った。
【0027】
(5)結果
1)納豆菌栄養細胞のIL−12p40誘導
納豆菌栄養細胞(OD6000.1)のIL−12p40誘導試験結果を図1に示す。J774.1細胞に納豆菌栄養細胞を添加して培養した場合は、IL−12p40の誘導が認められた。一方、納豆栄養細胞を加えなかった場合には、IL−12p40の誘導は認められなかった。
【0028】
2)状態の異なる納豆菌のIL−12p40誘導
納豆菌胞子、納豆菌栄養細胞、納豆菌破砕物のIL−12p40誘導試験の結果を図2に示す。納豆菌胞子を添加して培養した場合は、本実施例で検討したOD6005まで量依存的にIL−12p40の増加が認められた。一方、納豆菌栄養細胞を添加した場合には、OD6001.0までは増加が認められ、それ以上の濃度では減少が認められた。納豆菌の破砕物では、ある一定のIL−12p40誘導は認められたが、添加濃度の違いによるIL−12p40誘導の変化は認められなかった。
【実施例2】
【0029】
本実施例では、免疫に対する機能性が高い納豆菌の選抜を行った。
(1)納豆菌
納豆菌の選抜は623株行った。
【0030】
(2)細胞
細胞として、実施例1の(2)に記載した細胞と同様のものを使用した。
【0031】
(3)粘質物産生能の評価
粘質物判定用培地上で、提供された納豆菌を37℃、24時間培養した後、形成したコロニーの形状を+++(粘質物産生多)〜−(粘質物産生なし)の4段階で目視により評価した。この評価を粘質物産生能の評価とした。一定の評価が得られた優良株については、納豆品質の評価を行った。
【0032】
(4)納豆品質の評価
納豆大豆を一晩浸漬の後、蒸煮し、納豆菌を接種し、40℃前後の恒温槽で18時間発酵させて納豆を作製した。熟練のパネラー3名により、納豆の外観、粘り、香り、硬さ、味、総合をA(良い)〜D(悪い)の4段階で納豆品質の評価を行った。総合的に一定の評価が得られた優良株に対して、IL−12p40の誘導について評価を行った。
【0033】
(5)IL−12p40の誘導評価
J774.1細胞を蒔いた各wellに納豆菌胞子を2×10cfu/100μlを添加し、5%CO条件下で、37℃、24時間培養を行った。培養終了後、培養上清を回収し、実施例1の(4)に記載したキットを用いてIL−12p40濃度を測定、IL−12p40の誘導評価を行った。
【0034】
(6)試験結果
1)粘質物産生能の評価
納豆菌623株について、粘質物産生能の評価を行ったところ、519株の優良株が得られた。
【0035】
2)納豆品質の評価
粘質物産生能の優良株519株について納豆品質の評価を行ったところ、209株の優良株が得られた。
【0036】
3)IL−12p40誘導評価
納豆品質の優良株209株のうち、139株についてIL−12p40の誘導評価を行ったところ、TTCC865株よりもIL−12p40の誘導の高い株が確認された。TTCC865株のIL−12p40の誘導を100%とした場合、最も誘導が高い株でTTCC865株の160%強であった(表1)。これらの株を微生物寄託機関に寄託した。受領機関名:独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、受領日:平成19年2月2日、受領番号:FERM AP−21172、FERM AP−21173、FERM AP−21174。
【0037】
【表1】

【実施例3】
【0038】
本実施例では、納豆菌の抗原誘発鼻汁漏出抑制試験を行った。
(1)試験方法
鼻過敏症のモデルであるtoluene 2,4−diisocyanate(TDI)感作モルモットに、納豆菌を38日間経口投与し、滅菌水投与の動物と比較して抗原誘発による鼻汁漏出が抑制されるか検討した。すなわち、納豆菌投与開始後11日目から5日間感作を行い、投与開始後24日、38日目に誘発及び鼻汁量の測定を行った。
【0039】
感作は1日1回、動物の両鼻前庭に10%TDI溶液に浸した細軸綿棒を10秒間接触させて塗布することで、誘発は、動物の両鼻前庭に5%TDI溶液に浸した細軸綿棒を10秒間接触させて塗布することで行った、鼻汁量は、誘発開始より15分間で回収された鼻汁の重量とした。
【0040】
(2)試験結果
鼻汁量の測定結果を図3に示す。媒体としての滅菌水投与群の鼻汁量は、投与24日で142.9mg、投与38日で173.3mgであった。TTCC903投与群の鼻汁量は、投与24日で79.4mg、投与38日で50.5mgであった。TTCC841投与群の鼻汁量は、投与24日で25.9mg、投与38日で19.1mgであった。TTCC Mix(TTCC903、841、865の混合菌)投与群の鼻汁量は、投与24日で12.4mg、投与38日で53.1mgであった。TTCC903、841、Mix投与群は、滅菌水投与群に比べ、有意に鼻汁漏出を抑制した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上詳述したように、本発明は、免疫に対する機能性が高い納豆製品又は抗アレルギー用組成物に係るものであり、本発明により、免疫機能調節を可能とする納豆菌利用技術を提供することができる。また、本発明により、納豆菌を有効成分とする免疫に対する機能性を高めた機能性食品を提供することができる。また、本発明により、免疫に対する機能性を高めた納豆製品を提供することができる。更に、本発明は、免疫に対する機能性が高い納豆菌株を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】納豆菌栄養細胞のIL−12p40の誘導を示す。
【図2】状態の異なる納豆菌のIL−20p40誘導を示す。
【図3】鼻汁量測定結果(24日、38日)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品。
【請求項2】
上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルギー改善作用を有する、請求項1に記載の機能性食品。
【請求項3】
上記食品が、納豆製品である、請求項1又は2に記載の機能性食品。
【請求項4】
納豆菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す抗アレルギー用組成物。
【請求項5】
上記免疫に対する機能性として、花粉症、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルギー改善作用を有する、請求項4に記載の抗アレルギー用組成物。
【請求項6】
請求項1又は4に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21172で特定されるBacillus subtilis TTCC848株とその変異株。
【請求項7】
請求項1又は4に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21173で特定されるBacillus subtilis TTCC903株とその変異株。
【請求項8】
請求項1又は4に記載の機能性食品又は抗アレルギー用組成物に使用する納豆菌であって、FERM AP−21174で特定されるBacillus subtilis TTCC841株とその変異株。
【請求項9】
請求項6から8のいずれかに記載の納豆菌を1つ以上含む複数の納豆菌の混合菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す機能性食品。
【請求項10】
請求項6から8のいずれかに記載の納豆菌を1つ以上含む複数の納豆菌の混合菌を有効成分として含有することを特徴とするインターロイキン12産生量を高めて免疫に対する機能性を示す抗アレルギー組成物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−206427(P2008−206427A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44717(P2007−44717)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000108616)タカノフーズ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】