説明

免疫抑制結合抗体並びにその入手及び使用方法

本発明は、とりわけ、少なくとも1種類の目的薬剤(例えば、免疫抑制剤)に免疫特異的に結合する抗体、かかる抗体を製造する方法、及び該抗体を用いた免疫測定法に関する。さらに、本発明は、診断免疫測定用抗体を選択する方法、及び診断免疫測定用抗原を選択する方法にも関する。本発明は、さらに、活性親薬物の主要な代謝産物の1種類以上の存在下における活性親薬物の抗体認識の改善にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体が少なくとも1種類の選択希釈剤に曝露されなかったとき、又は該選択希釈剤と一緒にインキュベートされなかったときに、1.9×10−11M未満の平衡解離定数(K)で免疫抑制剤に特異的に結合する単離抗体。
【請求項2】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
抗体が少なくとも1種類の選択希釈剤と一緒にインキュベートされるとき、該選択希釈剤に曝露されるとき、又は該選択希釈剤の存在下にあるときに、1.52×10−10M未満の平衡解離定数(K)で免疫抑制剤に特異的に結合する単離抗体。
【請求項4】
選択希釈剤が、緩衝剤、塩、洗浄剤、結合競合剤、溶媒又はこれらの組合せを含む、請求項3に記載の抗体。
【請求項5】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項3に記載の抗体。
【請求項6】
ATCC受託番号PTA−7436のチャイニーズハムスター卵巣細胞系1−60−46 AM2 CHO 2−577。
【請求項7】
ATCC受託番号PTA−7436のチャイニーズハムスター卵巣細胞系1−60−46 AM2 CHO 2−577から抽出されたDNAから作製された抗体。
【請求項8】
タクロリムス1−60−46 AM2 CHO 2−577と命名された、ATCC受託番号PTA−7436のチャイニーズハムスター卵巣細胞系によって産生されるキメラ抗体又はそのタクロリムス結合断片。
【請求項9】
タクロリムス1−60−46 AM2 CHO 1−1157と命名された、ATCC受託番号PTA−7446のチャイニーズハムスター卵巣細胞系。
【請求項10】
タクロリムス1−60−46 AM2 CHO 1−1157と命名された、ATCC受託番号PTA−7446のチャイニーズハムスター卵巣細胞系から抽出されたDNAから作製された抗体。
【請求項11】
タクロリムス1−60−46 AM2 CHO 1−1157と命名された、ATCC受託番号PTA−7446のチャイニーズハムスター卵巣細胞系によって産生されるキメラ抗体又はそのタクロリムス結合断片。
【請求項12】
可変重ドメイン及び可変軽ドメインを有し、可変重ドメインは、重鎖相補性決定領域(「CDR」)1、重鎖CDR2及び重鎖CDR3を含み、可変軽ドメインは軽鎖CDR1、軽鎖CDR2及び軽鎖CDR3を含み、
(a)重鎖CDR1は、Gly−Phe−Thr−Phe−Ser−Ser−Tyr−Gly−Met−Ser(配列番号2)のアミノ酸配列を有し、
(b)重鎖CDR2は、Thr−Ile−Ser−Ser−Gly−Gly−Xaa−Xaa−Xaa−Phe(配列番号33)の式のアミノ酸配列を有し
(式中、Xaaは、トレオニン(Thr)、アラニン(Ala)、リジン(Lys)及びグルタミン酸(Glu)からなる群から選択され、
Xaaは、チロシン(Tyr)及びトリプトファン(Trp)からなる群から選択され、
Xaaは、トレオニン(Thr)及びバリン(Val)からなる群から選択される。)、
(c)重鎖CDR3は、Gln−Thr−Asp−Gly−Tyr−Ser−Trp−Phe−Pro−Tyr(配列番号6)のアミノ酸配列を有し、
(d)軽鎖CDR1は、Lys−Ser−Ser−Xaa−Xaa−Xaa−Val−His−Ser−Thr−Gly−Asn−Thr−Phe−Leu−Glu(配列番号34)の式のアミノ酸配列を有し
(式中、Xaaは、グルタミン(Gln)、アラニン(Ala)及びグリシン(Gly)からなる群から選択され、
Xaaは、セリン(Ser)及びグリシン(Gly)からなる群から選択され、
Xaaは、イソロイシン(Ile)及びロイシン(Leu)からなる群から選択される。)、
(e)軽鎖CDR2は、Lys−Ile−Ser−Asn−Arg−Phe−Ser(配列番号11)の式のアミノ酸配列を有し、
(f)軽鎖CDR3は、Phe−Gln−Gly−Xaa−Xaa−Xaa−Pro−Leu−Thr(配列番号35)の式のアミノ酸配列を有し
(式中、Xaaは、セリン(Ser)及びグリシン(Gly)からなる群から選択され、
Xaaは、ヒスチジン(His)、アルギニン(Arg)、バリン(Val)、トレオニン(Thr)、リジン(Lys)及びセリン(Ser)からなる群から選択され、
Xaaは、バリン(Val)、アラニン(Ala)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)及びセリン(Ser)からなる群から選択される。)、
ただし、重鎖CDR2においてXaaがThrであり、XaaがTyrであり、XaaがThrであり、軽鎖CDR1においてXaaがGlnであり、XaaがSerであり、XaaがIleである場合、軽鎖CDR3においてXaaがSerであり、XaaがHisである場合にはXaaはVal以外であり、又はXaaがSerであり、XaaがValである場合にはXaaはHis以外であり、又はXaaがHisであり、XaaがValである場合にはXaaはSer以外である、
タクロリムスに特異的に結合する単離抗体。
【請求項13】
請求項1、3、7、8、10、11又は12の抗体を含む、タクロリムス用診断免疫測定法。
【請求項14】
免疫抑制剤に特異的に結合する単一の抗体を含む、請求項13に記載の免疫測定法。
【請求項15】
タクロリムスに対する追加の特異的結合パートナーを更に含む、請求項13に記載の免疫測定法。
【請求項16】
a)少なくとも1種類の選択希釈剤の存在下で、少なくとも1種類の抗体を試料と接触させる段階(該試料は、該抗体が結合すると考えられる目的エピトープを含み、該抗体は、バイオディスプレイ形式で存在する。)、
b)抗体の平衡解離定数(K)、分離速度定数(k)、会合速度定数(k)又は機能活性を求める段階、及び
c)段階b)で求めた平衡解離定数、解離速度定数、会合速度定数又は機能活性に基づいて抗体を選択する段階
を含む、抗体が目的エピトープに結合する、診断免疫測定用抗体を選択する方法。
【請求項17】
選択希釈剤が、緩衝剤、塩、洗浄剤、結合競合剤、溶媒又はこれらの組合せを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
試料が免疫抑制剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a)少なくとも1種類の選択希釈剤の存在下で、少なくとも1種類の抗体をインキュベートする段階(該抗体はバイオディスプレイ形式で存在する。)、
b)前記抗体を試料と接触させる段階(該試料は、該抗体が結合すると考えられる目的エピトープを含む。)、
c)抗体の平衡解離定数(K)、分離速度定数(k)、会合速度定数(k)又は機能活性を求める段階、及び
d)段階c)で求めた平衡解離定数、分離速度定数、会合速度定数又は機能活性に基づいて抗体を選択する段階
を含む、抗体が目的エピトープに結合する、診断免疫測定用抗体を選択する方法。
【請求項21】
選択希釈剤が、緩衝剤、塩、洗浄剤、結合競合剤、溶媒又はこれらの組合せを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
試験試料が免疫抑制剤を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
a)少なくとも1種類の選択希釈剤の存在下で、特異的結合パートナーを試料と接触させる段階(該試料は目的エピトープを含み、特異的結合パートナーは目的エピトープに結合し、該特異的結合パートナーはバイオディスプレイ形式で存在する。)、
b)特異的結合パートナーの平衡解離定数(K)、分離速度定数(k)、会合速度定数(k)又は機能活性を求める段階、及び
c)段階b)で求めた特異的結合パートナーの平衡解離定数、解離速度定数、会合速度定数又は機能活性に基づいて特異的結合パートナーを選択する段階
を含む、診断免疫測定用試験試料中の目的分析物を検出するための特異的結合パートナーを選択する方法。
【請求項25】
選択希釈剤が、緩衝剤、塩、洗浄剤、結合競合剤、溶媒又はこれらの組合せを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
分析物が免疫抑制剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(a)酵母細胞の表面に存在する抗体を含む酵母ディスプレイライブラリーを得る段階、
(b)結合競合剤の存在下で、前記酵母細胞を薬剤と接触させる段階、
(c)前記結合競合剤の存在下で前記薬剤との結合を示す抗体が表面に表示された酵母細胞を特定する段階(かかる結合は、該薬剤に対する特異性が改善されたことを示す。)
を含む、酵母ディスプレイを用いて、薬剤に対する特異性が改善された抗体をスクリーニングする方法。
【請求項29】
前記結合競合剤が過剰に存在する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記薬剤が免疫抑制剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記結合競合剤が前記免疫抑制剤の代謝産物である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記免疫抑制剤が、シクロスポリン及びタクロリムスからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記代謝産物が、M−I、M−II、M−III、M1、M8、M9、M13、M17、M18 M21及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記代謝産物がM17及びM1を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(a)バイオディスプレイ形式で存在する抗体を含むライブラリーを得る段階(該抗体は変異を含む。)、
(b)少なくとも1種類の選択希釈剤の存在下で、前記抗体を、エピトープを含む試料と接触させる段階、及び
(c)前記選択希釈剤の存在下で、変異を含まない類似の抗体の解離速度よりも低い解離速度を示す、前記バイオディスプレイ形式で存在する抗体を特定する段階(かかる低解離速度は、前記エピトープに対する親和性が改善されたことを示す。)
を含む、目的エピトープに対する親和性が改善された抗体をスクリーニングする方法。
【請求項36】
前記抗体を前記試料及び前記選択希釈剤と接触させる段階が同時に、又は逐次的に実施される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
選択希釈剤が、緩衝剤、塩、洗浄剤、結合競合剤、溶媒又はこれらの組合せを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
試料が免疫抑制剤を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤、ラパマイシンの標的、インターロイキン2α鎖遮断薬、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、コルチコステロイド又は免疫抑制代謝拮抗剤である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
(a)バイオディスプレイ形式で存在する特異的結合パートナーを含むライブラリーを得る段階(該特異的結合パートナーは変異を含む。)、
(b)少なくとも1種類の選択希釈剤の存在下で、前記特異的結合パートナーを、エピトープを含む試料と接触させる段階、及び
(c)前記選択希釈剤の存在下で、変異を含まない類似の特異的結合パートナーの解離速度よりも低い解離速度を示す、前記バイオディスプレイ形式で存在する特異的結合パートナーを特定する段階(かかる低解離速度は、前記エピトープに対する親和性が改善されたことを示す。)
を含む、目的エピトープに対する親和性が改善された特異的結合パートナーをスクリーニングする方法。
【請求項41】
前記抗体を前記試料及び前記選択希釈剤と接触させる段階が同時に、又は逐次的に実施される、請求項40に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−534466(P2009−534466A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507787(P2009−507787)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/010076
【国際公開番号】WO2008/054517
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】