説明

免疫療法用ナノ粒子

生物分子の不存在下で補体を活性化するナノ粒子を記載する。このナノ粒子は、標的用の生物分子を使用せずに、特にリンパ節で抗原提示細胞を特異的に標的とすることが示される。これらの粒子は、免疫治療剤を送達するための有用なビヒクルである。ナノ粒子用の表面化学および化学製剤についても記載する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物において補体を活性化させる官能基がナノ粒子外に配置された、抗原と合成ポリマーとを含む、平均粒子直径が約70nm未満の合成ナノ粒子の集合体を含む、哺乳動物に導入するための医療用組成物。
【請求項2】
前記官能基が求核基を含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項3】
前記官能基がヒドロキシルおよび/またはチオールを含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項4】
前記ナノ粒子がミセルである、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項5】
前記ミセルが、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブロックコポリマーを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記親水性ポリマーがポリエチレンオキシドを含み、前記疎水性ポリマーがポリ(プロピレンスルフィド)を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記ミセルでカプセル化された治療剤をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、前記合成ポリマー以外のアジュバントを含まない、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項9】
前記官能基が哺乳動物でTh−1応答を誘導する、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項10】
抗原が、ジスルフィド結合によって前記ナノ粒子にコンジュゲートされたペプチドを含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項11】
前記集合体が、ジスルフィド結合によって前記ナノ粒子にコンジュゲートされた生体分子危険シグナルをさらに含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項12】
前記ナノ粒子の疎水性部分に関連した疎水性危険シグナルをさらに含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項13】
前記抗原が、前記抗原を前記ナノ粒子に結合させる複数の荷電基を含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項14】
前記荷電基が、アスパラギン酸および/またはグルタミン酸を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記合成ポリマーが、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、PLURONIC、PLURONIC−F127またはポリプロピレンスルフィドを含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項16】
前記抗原が腫瘍抗原または感染症の抗原である、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項17】
前記粒子が、炎症性サイトカインおよびToll様受容体のリガンドからなる群から選択される危険シグナルをさらに含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項18】
前記ナノ粒子が、細胞に特異的に結合する標的用リガンドを含まず、前記抗原が、腫瘍免疫療法または感染症の抗原であり、炎症性サイトカインおよびToll様受容体のリガンドからなる群から選択される危険シグナルをさらに含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項19】
前記合成ポリマーが、少なくとも1つの疎水性ブロックおよび少なくとも1つの親水性ブロックの両親媒性ブロックコポリマーを含み、前記ブロックコポリマーが水溶液中にて自己会合して前記粒子を形成し、官能基がヒドロキシルおよび/またはチオールを含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項20】
前記ナノ粒子が、疎水性コアと親水性コロナとを含み、前記コアがポリ(プロピレンスルフィド)で構成され、前記親水性コロナがポリエチレングリコールを含む合成ポリマーで構成され、前記官能基が求核種を含む、請求項1または22に記載の組成物。
【請求項21】
前記求核種がヒドロキシルおよび/またはチオールを含み、前記抗原が、Caspase−8、MAGE−1、チロシナーゼ、HER−2/neu、MUC−1またはサバイビンを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
官能基がナノ粒子の外側に配置された抗原と合成ポリマーとを含む、平均粒子直径が約70nm未満の前記合成ナノ粒子の集合体を含み、前記ナノ粒子が免疫抑制剤をさらに含む、哺乳動物に導入するための医療用組成物。
【請求項23】
平均粒子直径が約70nmであって抗原を含む合成ナノ粒子の集合体を含む、患者に導入するための免疫賦活組成物であって、前記組成物が、TNF−α応答を誘導することなく、かつIL−6応答も誘導せずに、患者で前記抗原に対する免疫応答を誘導する、免疫賦活組成物。
【請求項24】
前記ナノ粒子が細胞に特異的に結合する標的用リガンドを含まず、前記抗原が腫瘍または感染症の抗原である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
ナノ粒子が、少なくとも1つの疎水性ブロックと少なくとも1つの親水性ブロックとの両親媒性ブロックコポリマーを含む合成ポリマーを含み、前記ブロックコポリマーが、水溶液中で自己会合して前記ナノ粒子を形成し、前記コポリマーが求核官能基をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記ナノ粒子がポリ(プロピレンスルフィド)のコアを含み、前記合成ポリマーがポリエチレングリコールを含み、官能基がヒドロキシルおよび/またはチオールを含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
前記抗原が前記ナノ粒子にコンジュゲートされ、前記ナノ粒子が免疫抑制剤をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
前記ナノ粒子がコアと親水性コロナとを含み、前記コアがポリ(プロピレンスルフィド)で構成され、前記親水性コロナがポリエチレングリコールと求核官能基を含む合成ポリマーで構成される、請求項23に記載の組成物。
【請求項29】
抗原をコードする核酸と合成ポリマーとを含む、平均粒子直径が約70nm未満の合成ナノ粒子の集合体を含み、官能基が、哺乳動物で補体を活性化させる前記ナノ粒子の外側に配置される、哺乳動物に導入するための医療用組成物。
【請求項30】
危険シグナルをコードする核酸をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
危険シグナルをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
前記危険シグナルがCpGオリゴヌクレオチドである、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記危険シグナルが前記ナノ粒子内にカプセル化された疎水性分子である、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記ナノ粒子がミセルである、請求項29に記載の組成物。
【請求項35】
患者のリンパ節で細胞をトランスフェクトする方法であって、リンパ節外の場所で、抗原をコードする核酸を含む合成ナノ粒子の集合体を患者に投与することを含み、前記ナノ粒子が、平均粒子直径約70nm未満であり、細胞による取り込み用に前記患者の前記リンパ節まで移動して前記細胞を前記核酸でトランスフェクトする表面化学を有し、前記表面化学が、補体を活性化させる合成親水性ポリマーと関連した複数の求核基を有する、方法。
【請求項36】
前記リンパ節における前記樹状細胞の少なくとも約0.5%が前記核酸でトランスフェクトされる、請求項35または39に記載の方法。
【請求項37】
前記細胞が、樹状細胞、B細胞またはT細胞である、請求項35または39に記載の方法。
【請求項38】
前記ナノ粒子がポリ(プロピレンスルフィド)のコアを含み、前記合成親水性ポリマーがポリエチレングリコールを含み、前記官能基がヒドロキシルおよび/またはチオールを含むか、
前記ナノ粒子がコアと、前記親水性ポリマーおよび前記求核基を含む親水性コロナとを含み、前記コアがポリ(プロピレンスルフィド)で構成されるか、または
前記ナノ粒子がミセルを含む、請求項35または39に記載の方法。
【請求項39】
患者のリンパ節で細胞をトランスフェクトする方法であって、リンパ節外の場所で、抗原をコードする核酸を含む合成ナノ粒子の集合体を患者に投与することを含み、前記ナノ粒子が、平均粒子直径約70nm未満であり、細胞による取り込み用に前記患者の前記リンパ節まで移動して前記細胞を前記核酸でトランスフェクトする表面化学を有し、前記表面化学が、補体を活性化させる合成親水性ポリマーと関連した複数の求核基を有し、前記ナノ粒子が免疫抑制剤をさらに含む、方法。
【請求項40】
前記ナノ粒子がCpGドメインを含まず、CpGドメインをコードする核酸を含まない、請求項35または39に記載の方法。
【請求項41】
抗原にコンジュゲートされた分岐鎖ポリマーを含む、患者に導入するための医療用組成物であって、前記分岐鎖ポリマーが、求核基であって患者への導入後に補体を活性化させる少なくとも4つの末端を含み、前記組成物が前記抗原に応答するよう前記患者の免疫系を刺激する、医療用組成物。
【請求項42】
前記分岐鎖ポリマーがポリエチレングリコールを含み、前記求核基がヒドロキシルまたはチオールであり、前記抗原が腫瘍または感染症の抗原を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
患者のリンパ節で樹状細胞を刺激する方法であって、リンパ節外の場所で、補体を活性化させる分岐鎖ポリマーを患者に投与することを含み、前記ポリマーが抗原にコンジュゲートされ、求核基である少なくとも4つの末端を含み、前記ポリマーが前記抗原を提示するために樹状細胞による取り込み用に前記患者の前記リンパ節まで移動する、方法。
【請求項44】
患者のリンパ節で細胞をトランスフェクトする方法であって、穏やかな圧力下で、抗原を含む合成ナノ粒子の集合体を患者の粘膜表面に投与することを含み、前記ナノ粒子の平均粒子直径が約70nmである、方法。
【請求項45】
前記合成親水性ポリマーがポリエチレングリコールを含み、前記粘膜表面が口腔粘膜である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
患者のリンパ節で細胞に寛容化抗原を送達する方法であって、リンパ節外の場所で、抗原を含む合成分岐鎖ポリマーの集合体を患者に投与することを含み、前記ポリマーがリンパ節での細胞による取り込みおよび前記抗原の前記細胞への放出用の求核基を含む少なくとも4つの末端をさらに含み、前記表面化学が合成親水性ポリマーと関連した複数の求核基を含む、方法。
【請求項47】
細胞が、樹状細胞、B細胞またはT細胞である、請求項46に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24a】
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【図24b】
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【図24c】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32a】
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【図32b】
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【図33】
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【図34a】
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【図34b】
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【図35】
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【公表番号】特表2012−501341(P2012−501341A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525218(P2011−525218)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055301
【国際公開番号】WO2010/025324
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(506067039)エコール・ポリテクニーク・フェデラル・ドゥ・ローザンヌ(ウペエフエル) (3)
【氏名又は名称原語表記】Ecole Polytechnique Federale de Lausanne (EPFL)
【Fターム(参考)】