説明

免震エキスパンションジョイント床

【課題】施工現場に搬入する免震エキスパンションジョイント床の部品数を極力少なくして取付け工程の簡素化とコストダウンを図る。
【解決手段】免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設されるエキスパンションジョイント床部材は、金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有しており、該エキスパンションジョイント床部材は、固定枠材と床仕上げ用板材間に生じる隙間を極小に構成可能で靴のカカトが嵌ったり、小石、ごみ等が目地に入り込む余地を無くしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者用や車路として用いられる床用免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイントに用いられる床パネル部材の構造に関するものである。
【0002】
本発明の目的は、施工現場に搬入する免震エキスパンションジョイントの部品数を極力少なくして取付け工程の簡素化を図ること、また、従来の金属箱タイプのエキスパンションジョイント床の如く、現場に金属箱タイプの床型枠を取付けした後に金属箱内にモルタルを充填してエキスパンションジョイント床を仕上げたり、該モルタルを介して金属箱からなる床型枠にタイルや石貼り仕上げをする工程を排除することで施工現場におけるモルタル充填のための養生作業や清掃作業を行う手間を省くことの可能な免震エキスパンションジョイント床において、免震建造物側に位置する固定枠側には固定枠と床仕上げ用板材間をスプリング付きボルトにて常にエキスパンション床部材を免震建物側に引き付けて固定材と床仕上げ材間の目地を極小化することにより、エキスパンションジョイント床にとっては非常に重要なハイヒール等、靴のカカトが嵌ったり、小石、ごみ等が目地に入り込む余地を無くすものである。
【0003】
更に、本発明の目的は車路を用いて、車の通過時に振動や騒音を発しないように質量を大きくして、所謂、重量化が容易に可能なエキスパンションジョイント床を提供するものであり、該エキスパンションジョイントの床部材は、大きなクリアランス間に架設しても十分な支持強度が得られる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイント用の床部材を提供するものである。
【背景技術】
【0004】
免震建造物においては、建物が地震時に大変形を生じることに対する建築的な対応が最重要事項である。この大変形は地盤と建物の間に生じる変形で、この場合に生じる免震建造物と非免震建造物間の相互移動に対応したクリアランスを確保する必要がある。
【0005】
即ち、建物外部から免震建物への人や車の出入りに相当する動線上で、建物へのアプローチとして一番重要な部分において、躯体間の相互移動に対応できる免震エキスパンションジョイント床が必要になる。
【0006】
斯して、最近の建造物は、免震化の影響で免震建造物と非免震建造物との躯体間のクリアランスは広がる傾向にある。
【0007】
従って、免震エキスパンションジョイントにおいては、免震建造物と非免震建造物間でクリアランスを確保して躯体間の大きな変形に対応できることが、要求され、特にエキスパンションジョイントの床部材は、大型で堅牢なものが必要となり、例えば、車路に用いて、車の通過時に振動や騒音を発しないものや、大きなクリアランス間に架設しても十分な支持強度が得られる床用エキスパンションジョイントと、該エキスパンションジョイントに用いられる床用パネル部材の具現化が必要である。
【0008】
また、免震建造物と非免震建造物との躯体間のクリアランスを被覆する床用免震エキスパンションジョイントの従来例として、特開2003−129579号公報(以下、特許文献1と称する。)が開示されている。
【0009】
特許文献1に開示された従来例では、小さな揺れでは大きく作動しないようにし、また、外観を美しく保つために目地プレートの表面に石材、タイル等の仕上げ材を貼着した重量化にも適合可能なエキスパンションジョイントを提供するものである。
【0010】
そして、特許文献1の発明は、隣接する躯体間を連結し、該躯体間を被覆するエキスパンションジョイントにあって、躯体間隙を被覆するカバー材と一方の躯体の上面を凹設し、カバー材の収納部側端部を載置する収納部と、カバー材を他方の躯体に少なくとも躯体間隙奥行方向に可動可能に連結する連結部材と、カバー材の裏面に設けられ、前記収納部材に対向する側に傾斜面部を有する支持部材とを備えた構成のエキスパンションジョイントである。
【0011】
然しながら、特許文献1の発明は、建設現場において、取付け施工する際に、カバー材本体、板材、連結部材、支持部材、載置片、充填剤(モルタル)、表面材(石材やタイル)、ブラケット、フレーム材、ストッパー、高さ調整ボルト・ナット等を施工場所に配置してからの取付け作業となり、エキスパンションジョイントを構成する部品数が多いことから、取付け作業が煩雑で効率の悪いものであった。
【0012】
また、特許文献1の発明は、所謂、金属箱タイプのエキスパンション床を構成するカバー本体を有するものであり、ステンレスやスチール製の鋼板、フラットバーやチャンネル及びアングル材を用いて箱型の床構造材を型枠形状に形成し、該床構造材を大きなクリアランス間を架設する構造で、現場において後から箱型の床構造材に充填されるモルタル材は構造材としての確実な役割を果たさないことから、前記ステンレスやスチール製の構造材は、板厚の大きな材料を用いることや、断面形状の大きなフラットバーやチャンネル材、及びアングル材を用いることになり、コストアップの要因にもなっていた。
【0013】
更に、特許文献1の発明においては、前記金属箱タイプのエキスパンション床を構成するカバー材本体に、エキスパンションジョイントの仕上げ工程として、外観を美しく保つために目地プレートの表面に石材やタイル等の仕上げ材を付設する作業があり、該作業はモルタル充填のための養生を行った後に、金属箱内にモルタルを充填し、該モルタルを介してタイルや石貼り仕上げをするもので、当然のことながら、モルタルを含有した水溶液でエキスパンションジョイント周辺が汚れてしまい清掃作業を余儀なくされる欠点がある。
【0014】
【特許文献1】特開2003−129576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、施工現場に搬入する免震エキスパンションジョイントの部品数を極力少なくして取付け工程の簡素化を図ること、また、従来の金属箱タイプのエキスパンションジョイント床の如く、現場に金属箱タイプの床型枠を取付けした後に金属箱内にモルタルを充填してエキスパンションジョイント床を仕上げたり、該モルタルを介して金属箱からなる床型枠にタイルや石貼り仕上げをする工程を排除することで施工現場におけるモルタル充填のための養生作業や清掃作業を行う手間を省くことの可能な免震エキスパンションジョイント床において、免震建造物側に位置する固定枠側には固定枠と床仕上げ用板材間をスプリング付きボルトにて常にエキスパンション床部材を免震建物側に引き付けて固定材と床仕上げ材間の目地を極小化することにより、エキスパンションジョイント床にとっては非常に重要なハイヒール等、靴のカカトが嵌ったり、小石、ごみ等が目地に入り込む余地を無くすものである。
【0016】
また、本発明が解決しようとする課題は、従来の金属箱タイプのエキスパンション床の如く、取付け後に金属箱内にモルタルを充填したり、該モルタルを介してのタイルや石貼り仕上げをする工程を排除して、モルタル充填のための養生作業や清掃作業を行う手間を省くことの可能な免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイントに用いられる床部材を提供するものである。
【0017】
更に、本発明は、車路に用いて、車の通過時に振動や騒音を発しないように質量を大きくして、所謂、重量化が可能なエキスパンションジョイント床を提供するものであり、該エキスパンションジョイント床は、工場生産のプレキャストコンクリート製となし、大きなクリアランス間に架設しても十分な支持強度が得られる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイント用の床部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板からなり、該プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には複数個の床板位置決めピンに係合してウイング用アイナットが取付けられ、該それぞれのウイング用アイナットは免震建造物側の躯体面に設置されている固定アングル枠の係合孔を介して突出したスプリング付きボルトに螺着されスプリング付きボルトにて床部材を前記免震建造物側に引き付けて前記固定枠材と床仕上げ用板材間の隙間を小さくなしてハイヒール等靴のカカトが嵌ったり小石やごみが目地に入り込む余地をなくして免震建造物側の躯体面に設けられた固定アングル枠に固着可能であり、また、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固着され、該安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、前記構成の工場生産のプレキャストコンクリート板からなる床部材を免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランス間に架設してエキスパンションジョイントの床を構成したものである。
【0019】
また、本発明は、免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板からなり、該プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には複数個のウイング用スプリング付きボルトが取付けられ、該それぞれのウイング用スプリング付きボルトは免震建造物側の躯体面に設けられたスライドレールに挿入されたガイドプレートの係合孔にそれぞれ挿着されナットを介して繋合可能にスプリング付きボルトにて床部材を免震構造物側に引き付けて前記固定材枠と床仕上げ用板材間の隙間を小さくなしてハイヒール等靴のカカトが嵌ったり小石やごみが目地に入り込む余地をなくして免震建造物側の躯体面に設けられたガイドプレートに固着可能であり、また、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固着され、該安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、前記構成の工場生産のプレキャストコンクリート板からなる床部材を免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランス間に架設してエキスパンションジョイントの床を構成したものである。
【0020】
而して、本発明は、上述した課題を解決するための具体的な構成として、プレキャストコンクリート板からなる床部材は外周部に金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材が設けられ、該固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材の内部側には任意ピッチで骨材や鉄筋が配置されているプレキャストコンクリート板を構成し、該プレキャストコンクリート板の表面には石材やタイルの化粧材が貼着されていることが好ましい。
【0021】
また、本発明において、プレキャストコンクリート板からなる床部材は、外周部に金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材が設けられ、該固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材の内部には任意ピッチで骨材や鉄筋が配置されてプレキャストコンクリート板を工場生産するに際して、該プレキャストコンクリート板内に配置された骨材に下部を固定された高ナットと該高ナットの上部に位置するボルトキャップを2個、或いは複数個埋没してプレキャストコンクリート板を製作して、前記高ナットのボルトキャップを外して該高ナットにアイボルトを螺着することによりプレキャストコンクリート板からなる床部材をワイヤーで吊り上げて機械搬送したり取り付け作業を行えるように構成したことが好ましい。
【0022】
更に本発明は、免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板からなり、該プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には複数のウイング用機構が取付けられており、該それぞれのウイング用機構は床仕上げ用板材を介して免震建物の躯体面に固着可能であり、また、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固着されており、該安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、前記相互移動可能な先端部側は躯体上面を凹設してステンレス製の鏡面部材やテフロン(米デュポン社の登録商標)被覆材からなる滑りプレート部材状に載置され地震時の相互移動に対応する床用免震エキスパンションジョイントであることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
斯して、本発明は、施工現場に搬入する免震エキスパンションジョイント床を工場生産のプレキャストコンクリート板とすることにより、従来の現場組立型の金属箱タイプのエキスパンション床に比較して、部品数を極力すくなくして取付け工程の簡素化とコストダウンを図ることが可能になった。
【0024】
また、本発明は、従来の金属箱タイプのエキスパンションジョイント床の如く、取付け後に金属箱内にモルタルを充填したり、該モルタルを介してのタイルや石貼り仕上げをする工程を排除して、モルタル充填のための養生作業や清掃作業を行う手間を省くことができる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイントに用いられる床部材を提供可能とするものである。
【0025】
そして、本発明は、車路に用いて、車の通過時に振動や騒音を発しないように質量を大きくして、製作可能で、所謂、重量化や堅牢化したエキスパンション床がプレキャストコンクリート工場にて任意に製造可能であり、該製造にあたりプレキャストコンクリート型枠材や鉄筋は効率よく配設できるために安価なコストでエキスパンションジョイント床を提供できるもので、該エキスパンションジョイント床は、大きなクリアランス間に架設しても十分な支持強度が得られる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイント用の床部材を提供可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板から構成されているものである。
【0027】
斯して、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には、ウイング用アイナット、または、ウイング用スプリング付きボルト等の複数個のウイング用機構が取付けられていて、該それぞれのウイング用機構はそれぞれ免震建物側の躯体面に設けられた固定金具に固着可能である。
【0028】
また、エキスパンションの床部材に用いられる固定金具が複数個の床板位置決めピンに係合したウイング用アイナットの場合には、該それぞれのウイング用アイナットは免震建物側の躯体面に設置されている固定アングル枠の係合孔を介して突出したスプリング付きボルトに螺着されスプリング付きボルトにて床部材を免震建物側に引き付けた状態にて固着されている。
【0029】
更に、エキスパンションの床部材に用いられる固定金具が複数個のウイング用スプリング付きボルトにより取付けられている場合には、該それぞれのウイング用スプリング付きボルトは免震建物側の躯体面に設けられたスライドレールに挿入されたガイドプレートの係合孔にそれぞれ挿入されナットを介して繋合可能でスプリング付きボルトにて床部材を免震建物側に引き付けた状態にて固着されている。
【0030】
尚、前記固定枠に対向する他端側のプレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固定されており、該安全プレート下部の支持部材は断面で逆傾斜形状を呈して形成され、該逆傾斜形状部の終点で平らな摺動底面を形成して凹設された躯体上面に摺動自在に載置されている。
【0031】
斯して、本発明は、安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、工場生産されたプレキャストコンクリート板から成る床部材を免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスに架設してエキスパンションジョイントの床を構成したものである。
【0032】
図1乃至図7は本発明における原出願の実施例を説明するものであり、図1は例えば車路に用いた本発明のエキスパンションジョイント床部を示す平面図、図2は図1の断面図、図3は前記エキスパンションジョイント床部を構成する一枚の床パネル部材を示す拡大平面図、図4は図3の断面説明図である。
【0033】
図1乃至図4において、1は免震建造物、2は非免震建造物、3は免震建造物側の車路、4は非免震建造物側の車路を示し、Cは免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランス、7、8は躯体5、6の上面に凹設されたエキスパンションジョイント支持部、9はエキスパンションジョイント支持部7、8間に配置され前記クリアランスCに架設されたエキスパンション床部材で、該エキスパンション床部材9は、複数枚のエキスパンション床部材9a、9b、9c・・・により構成されている。
【0034】
尚、図1、図2において、10はエキスパンション床部材の端部に設けられた植え込み等の車路側壁であり、該車路側壁10は、免震建造物1から突出した形状を有して前記車路3、4以外のクリアランスCの間隙を覆う構造を有している。
【0035】
而して、図3はエキスパンションジョイント床部材9を構成する1枚の床部材を示す拡大平面図、図4はその要部断面図であり、エキスパンションジョイント床部材9は、ステンレスやスチール等の金属製からなる固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bにて、その外周部14を形成されており、該外周部14を枠材とする工場生産のプレキャストコンクリート板15により構成されている。
【0036】
また、工場生産のプレキャストコンクリート板の免震建造物1側に位置する固定枠材11には、複数個のウイング用丁番16a、16b、16cがビスや溶接にて取付けられており、該それぞれのウイング用丁番16a、16b、16cは、床仕上げ用板材34(図6に示す)を介して固定部側の躯体5面に設けられた固定アングル枠27(図6に示す)に固着されエキスパンションジョイント支持部7に載置されている。
【0037】
更に、原出願の実施例においては、前記固定枠材11に対向する他端側のプレキャストコンクリート板15に位置する先端枠部材12の先端部には安全プレート17が複数の丁番18a、18b、18cにて回動可能に固着されており、該安全プレート17の下部に位置する先端枠材12の支持部材19は断面で逆傾斜形状を呈して形成され、該逆傾斜形状部の終点で平らな摺動底面を形成して凹設された躯体6上面に摺動自在に載置(この状態は図6に示す)されている。
【0038】
斯して、原出願における実施例は、前記安全プレート17にてエキスパンションジョイントの相互移動溝20(図2に示す)をカバー可能となし、工場生産されたプレキャストコンクリート板15からなるエキスパンションジョイント床部材9を免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランスCを有する間隙に架設してエキスパンションジョイントの床を構成したものである。
【0039】
また、前記プレキャストコンクリート板15からなるエキスパンション床部材9には、外周部14に金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bが設けられて、該固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bの内部構造は、図4に示す如く任意ピッチで骨材21a、21b、21c・・・や、鉄筋22が配筋されているプレキャストコンクリート板15を構成し、該プレキャストコンクリート板15の表面には石材やタイルの化粧材23a、23b、23c・・・が貼着されている免責エキスパンションジョイント床を提供している。
【0040】
更に、前記プレキャストコンクリート板15からなるエキスパンション床部材9には、外周部14に金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bが設けられ、該固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bの内部には任意ピッチで骨材21a、21b、21c・・・や、鉄筋22が配筋されていてプレキャストコンクリート板15を工場生産するに際して車路に適した重量と強度のある免震エキスパンションジョイント床を効率良く提供している。
【0041】
図4に示す原出願の実施例においては、プレキャストコンクリート板15に内蔵して配置された骨材21a、21b等に溶接にて固着された高ナット24a、24bを設け、該高ナット24a、24bの上部にボルトキャップ25a、25bをそれぞれ螺着して埋設させたプレキャストコンクリート板15を製作している。
【0042】
そして、前記高ナット24a、24bのボトルキャップ25a、25bを外して、該高ナット24a、24bにアイボルト26a、26bを螺着することによりプレキャストコンクリート板15をからなるエキスパンション床部材7をワイヤー等で吊り上げて、機械搬送したり取付け作業を行えるようにしたエキスパンションジョイント床部材9を提供している。
【0043】
斯して、図5乃至図7は、上述したエキスパンションジョイント床部材9を用いた床免震エキスパンションジョイントを説明するもので、図5は躯体5、6を凹設して設けたエキスパンションジョイント支持部7、8を示す斜視説明図、図6はエキスパンションジョイント支持部7、8にプレキャストコンクリート板15からなるエキスパンションジョイント床部材9を載置して床用免震エキスパンションジョイントを完成させた状態を示す断面説明図、図7は図6におけるクリアランスCが地震にてC’と動いた時の状態を示すエキスパンションジョイント駆動説明図である。
【0044】
図5乃至図7において、前記図1乃至図4と同一構成要素は、同一符号にて示しており、図5において5、6は躯体、7、8はエキスパンションジョイント支持部を示している。
【0045】
前記エキスパンションジョイント支持部7には、エキスパンション床部材9を固定するための固定アングル枠27が高さ調整ライナー28a、28b、28c・・・を介してアンカーボルト29a、29b、29c・・・にて固着されている。
【0046】
また、クリアランスCの間隙を有して対向する前記エキスパンション支持部8には、アングル下地30、31上にステンレスの鏡面材からなる滑りプレート部材32a、32bが設置されており、本発明のエキスパンション床部材9を載置する躯体5、6間は、図5の傾斜図に示す如く構成されている。
【0047】
尚、図5に示される33は目地用ゴムパッキンであり、該目地用ゴムパッキン33は前記ウイング用丁番16a、16b、16cを固定アングル部材27に固着した際に免震建造物側の車路3とエキスパンション床部材9間にできる隙間をカバーするためのものである。
【0048】
而して、原出願の実施例は、図6に示す如く免震建造物1と非免震建造物2とのエキスパンションジョイント支持部7、8を躯体5、6間の上面を凹設して設けており、クリアランスCの間隙に架設されるエキスパンションジョイント床部材9は、金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bを外周部14に有する工場生産のプレキャストコンクリート板15からなり、該プレキャストコンクリート板15の外周部14に位置する固定枠材11には複数個のウイング用丁番16a、16b、16cが取付けられており、該それぞれのウイング用丁番16a、16b、16cは床仕上げ用板材34、目地用ゴムパッキン33を介して免震建造物1における固定部側の躯体面5に設けられた固定アングル枠27に取付孔35a、35b、35c・・・を介してビス止め等にて回動可能に固着されている。
【0049】
また、前記プレキャストコンクリート板15の外周部14に位置する先端枠材12の先端部には安全プレート17が複数の丁番18a、18b、18cで回動可能に固着されており、該安全プレート17にてエキスパンションジョイントの相互移動溝20をカバー可能となし、前記相互移動可能な先端部側は躯体6上面を凹設してステンレス製の鏡面部材からなる滑りプレート部材32a、32b上に載置され地震時の相互移動に対応することを特徴とする床用免震エキスパンションジョイントを提供している。
【0050】
尚、上記ステンレス製の鏡面部材からなる滑りプレート部材32a、32bはスチール部材となし表面にテフロン(米デュポン社の登録商標)等の滑りプレートを貼着して滑りプレート部材32a、32bとすることも可能である。
【実施例1】
【0051】
図8乃至図12は、本発明の実施例1を示すものであり、図8は実施例1を説明するエキスパンションジョイント床部を説明する平面図、図9は実施例1のエキスパンションジョイント床部材9の設置部分を示す斜視説明図、図10は図8のA−A部分に設置される床部材固定金具を説明する平面図、図11は図10の要部拡大断面図、図12は図11の駆動説明図である。
【0052】
図8乃至図12において、前記原出願の実施例を示す図1乃至図7と同一構成要素は同一符号にて表示しており、図8及び図9において、1は免震建造物、2は非免震建造物、3は免震建造物側の車路、4は非免震建造物側の車路を示し、Cは免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランス、7、8は躯体5,6の上面に凹設されたエキスパンションジョイント支持部、9はエキスパンションジョイント支持部7、8間に配置され前記クリアランスCに架設されたエキスパンションジョイント床部材で、該エキスパンション床部材9は、図1の如く複数枚の該エキスパンション床部材9a、9b、9c・・・(図示せず)により構成されているが、図8は一枚のエキスパンション床部材9を部分拡大して図示している。
【0053】
尚、図8、図9において、10はエキスパンションジョイント床部材の端部に設けられた植え込み等の車路側壁であり、該車路側壁10は、免震建造物1から突出した形状を有して前記車路3、4以外のクリアランスCの間隙を覆う構造を有している。
【0054】
而して、図8に図示されたエキスパンションジョイント床部材9は、免震建造物1と非免震建造物2との躯体3、4間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイント床部材9であり、該免震建造物1と非免震建造物2との躯体3、4上面をそれぞれ凹設してクリアランス上に架設される床部材9は金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13を外周部14に有する工場生産のプレキャストコンクリート板15により構成されている。
【0055】
そして、本発明の実施例1は、原出願の実施例の如くウイング用丁番16a、16b、16cに代わり前記プレキャストコンクリート板15の固定枠材11に床部材固定金具36a、36b、36c・・・を設けており、該床部材固定金具36a、36b、36c・・・は床板位置決めピン37と該床板位置決めピン37が係合するウイング用アイナット38からなっている。
【0056】
図8におけるA−Aは、前記複数の床部材固定金具36の内で1箇所の位置を示すもので、該前記床部材固定金具36の位置には床板位置決めピン37とウイング用アイナット38が設置されている。
【0057】
また、図10は、図8におけるA−A部分を拡大して平面図として示しており、該平面部分は図11により断面図として図示されている。
【0058】
図10及び図11において、前記プレキャストコンクリート板15の外周部14に位置する固定枠材11には床板位置決めピン37に係合してウイング用アイナット38が取付けられ、該ウイング用アイナット38は免震建造物1側の躯体面3に設置されている固定アングル枠27の係合孔39を介して突出したスプリング付きボルト40に螺着されスプリング付きボルト40にてエキスパンション床部材9を免震建造物1側に引き付けた状態に固着されている。
【0059】
また、前記プレキャストコンクリート板15の外周部14に位置する先端枠材12の先端部には、図4と同様に安全プレート17が複数の丁番で回動可能に固着され、該安全プレート17にてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝20をカバー可能となし、前記構成の工場生産プレキャストコンクリート板15からなるエキスパンション床部材9を免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランスCの間隙に架設してエキスパンションジョイントの床を構成した(図4参照)。
【0060】
而して、本発明の実施例1においては、地震発生時に、図12に示す如く、エキスパンション床部材9を上下にウイング可動可能であり、且つ、前記エキスパンション床部材9を跳ね上げることでエキスパンションジョイント部分が破壊したり、免震建造物1と非免震建造物2が破壊されることを防止する床用免震エキスパンションジョイントを提供するものである。
【0061】
また、エキスパンション床部材9は、固定アングル枠27の係合孔39を介して突出したスプリング付きボルト40に螺着されており、スプリング付きボルト40にて常にエキスパンション床部材9を免震建造物1側に引き付けた状態にて固着されているために、固定枠材11と床仕上げ用板材34間に生じる隙間が極めてわずかであり、ハイヒール等、靴のカカトが嵌ったり、小石、ごみ等が目地に入り込む余地を無くすことができた。
【実施例2】
【0062】
図13乃至図16は、本発明の実施例2を示すものであり、図13は実施例2を説明するエキスパンションジョイント床部を説明する平面図、図14は実施例2のエキスパンション床材設置部分を示す斜視説明図、図15は図13のB−B部分に設置される床部材固定金具を説明する要部拡大断面図、図16は図15の駆動説明図である。
【0063】
図13乃至図16において、前記図1乃至図7と同一構成要素は同一符号にて表示しており、図13及び図16において、1は免震建造物、2は非免震建造物、3は免震建造物側の車路、4は非免震建造物側の車路を示し、Cは免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランス、7、8は躯体5、6の上面に凹設されたエキスパンションジョイント支持部、9はエキスパンションジョイント支持部7、8間に配置され前記クリアランスCに架設されたエキスパンション床部材で、該エキスパンション床部材9は、図1に示す如く複数枚の該エキスパンション床部材9a、9b、9c・・・により構成されているが、図13は一枚のエキスパンション床部材9を部分拡大して図示している。
【0064】
尚、図13、図14において、10はエキスパンション床部材の端部に設けられた植え込み等の車路側壁であり、該車路側壁10は、免震建造物1から突出した形状を有して前記車路3、4以外のクリアランスCの間隙を覆う構造を有している。
【0065】
而して、図13に図示されたエキスパンションジョイント床部材9は、免震建造物1と非免震建造物2との躯体3、4間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイント床部材9であり、該免震建造物1と非免震建造物2との躯体3、4上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材9は金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bを外周部14に有する工場生産のプレキャストコンクリート板15により構成されている。
【0066】
また、前記プレキャストコンクリート板15の外周部14に位置する先端枠材12の先端部には、前記図4と同様に安全プレート17が複数の丁番で回動可能に固着され、該安全プレート17にてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝20をカバー可能となし、前記構成の工場生産のプレキャストコンクリート板15からなるエキスパンション床部材9を免震建造物1と非免震建造物2との躯体5、6間に設けられたクリアランスCの間隙に架設してエキスパンションジョイントの床を構成した(図4参照)。
【0067】
而して、実施例2は、免震建造物1と非免震建造物2との躯体3、4間に設けられたクリアランスCを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、該免震建造物1と非免震建造物2との躯体上面を凹設してエキスパンションジョイント支持部7、8を設け、該エキスパンションジョイント支持部7、8間に架設されるエキスパンション床部材9は金属製の固定枠材11、先端枠材12、並びに側面枠材13a、13bを外周部14に有する工場生産のプレキャストコンクリート板15からなり、該プレキャストコンクリート板15の固定枠材11には複数個のウイング用スプリング付きボルト41a、41b、41c・・・が図13に示す如く取付けられているが、図15はその内1箇所のウイング用スプリング付きボルト41を部分拡大して図示している。
【0068】
そして、前記ウイング用スプリング付きボルト41は免震建造物側1の躯体5面に設けられたスライドレール42に挿入されたガイドプレート43の係合孔44にそれぞれ挿着されナット45を介してガイドプレート43に繋合可能で、前記ウイング用スプリング付きボルト41にてエキスパンション床部材9を免震建造物側に常に引き付けた状態にて固着されていて、図16に示す如く、エキスパンション床部材9をウイング可動可能であり、且つ、前記エキスパンション床部材9を跳ね上げることでエキスパンションジョイント部分が破壊したり、免震建造物1と非免震建造物2が破壊されることを防止する床用免震エキスパンションジョイントを提供するものである。
【0069】
また、前記ガイドプレート43は、スライドレール42に装着され、該スライドレール42に沿って横方向にスライドすることも可能であり、横揺れやエキスパンション床部材9の設置時に横方向への調整も簡単に行える。尚、46はスライドレール42の底部に連通する水抜きパイプであり、スライドレール42の底部に溜まった雨水を外部に排水するものであり、47はエキスパンション床部材が円滑に回動するように設けられたテフロン(米デュポン社の登録商標)等の滑り材である。
【0070】
また、エキスパンション床部材9は、固定アングル枠27の係合孔39を介して突出したスプリング付きボルト40に螺着されスプリング付きボルト40にて常にエキスパンション床部材9を免震建造物1側に引き付けた状態にて固着されているために、固定枠材11と床仕上げ用板材34間に生じる隙間が極わずかであり、ハイヒール等の靴のカカトが嵌ったり、小石、ごみ等が目地に入り込む余地を無くすことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
斯くして、本発明は、施工現場に搬入する免震エキスパンションジョイント床を工場生産のプレキャストコンクリート板とすることにより、従来の現場組立型の金属箱タイプのエキスパンション床に比較して、部品数を極力少なくして取付工程の簡素化とコストダウンを図ることが可能になった。
【0072】
また、本発明は、従来の金属箱タイプのエキスパンション床の如く、取付け後に金属箱内にモルタルを充填したり、該モルタルを介してのタイルや石貼り仕上げをする工程を排除して、モルタル充填のための養生作業や清掃作業を行う手間を省くことができる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイントに用いられる床部材を提供可能とするものである。
【0073】
そして、本発明は、例えば、車路に用いて、車の通過時に振動や騒音を発しないように質量を大きくして製作可能であり、所謂、重量化が任意に可能なエキスパンションジョイント床を提供するのもで、該エキスパンションジョイント床は、大きなクリアランス間に架設しても十分な支持強度がえられる免震エキスパンションジョイントとその免震エキスパンションジョイント用の床部材を提供するものであり、産業上の利用価値は多大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】原出願の実施例を説明するエキスパンションジョイント床部を示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】エキスパンションジョイント床部を構成する一枚の床パネル部材を示す拡大平面図である。
【図4】図3の断面説明図である。
【図5】原出願の実施例におけるエキスパンションジョイント床の設置部分を説明する斜視説明図である。
【図6】原出願の実施例における床用免震エキスパンションジョイントの断面図である。
【図7】図6の駆動説明図である。
【図8】本発明の実施例1を説明するエキスパンションジョイント床部を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例1を説明するエキスパンションジョイント床部の設置部分を示す斜視説明図である。
【図10】実施例1における床部材固定金具を説明する平面図である。
【図11】図10の要部拡大断面図である。
【図12】図11の駆動説明図である。
【図13】本発明の実施例2を説明するエキスパンションジョイント床部を示す平面図である。
【図14】本発明の実施例2を説明するエキスパンションジョイント床の設置部分を示す斜視説明図である。
【図15】実施例2における床部材固定金具を説明する要部拡大断面図である。
【図16】図15の駆動説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 免震建造物
2 非免震建造物
3 免震建造物側の車路
4 非免震建造物側の車路
5 躯体(免震建造物側)
6 躯体(非免震建造物側)
7 エキスパンションジョイント支持部(免震建造物側)
8 エキスパンションジョイント支持部(免震建造物側)
9、9a、9b、9c・・・ エキスパンションジョイント床部材
10 車路側壁
11 固定枠材
12 先端枠材
13a、13b 側面枠材
14 外周部
15 プレキャストコンクリート板
16a、16b、16c ウイング用丁番
17 安全プレート
18a、18b、18c 丁番
19 支持部材
20 相互移動溝
21a、21b、21c・・・ 骨材
22 鉄骨
23a、23b、23c・・・ 石材やタイルの化粧材
24a、24b 高ナット
25a、25b ボルトキャップ
26a、26b アイボルト
27 固定アングル枠
28a、28b、28c・・・ 高さ調整ライナー
29a、29b、29c・・・ アンカーボルト
30 アングル下地
31 アングル下地
32a、32b 滑りプレート部材
33 目地用ゴムパッキン
34 床仕上げ用板材
35a、35b、35c・・・ 取付孔
37 床板位置決めピン
38 ウイング用アイナット
39 係合孔
40 スプリング付きボルト
41 ウイング用スプリング付きボルト
42 スライドレール
43 ガイドプレート
44 係合孔
45 ナット
46 水抜きパイプ
47 滑り材
C、C` クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、
該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板からなり、
該プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には複数個の床板位置決めピンに係合してウイング用アイナットが取付けられ、
該それぞれのウイング用アイナットは免震建造物側の躯体面に設置されている固定アングル枠の係合孔を介して突出したスプリング付きボルトに螺着されスプリング付きボルトにて床部材を前記免震建造物側に引き付けて前記固定枠材と床仕上げ用板材間の隙間を小さくなしてハイヒール等靴のカカトが嵌ったり小石やごみが目地に入り込む余地をなくして免震建造物側の躯体面に設けられた固定アングル枠に固着可能であり、
また、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固着され、
該安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、
前記構成の工場生産のプレキャストコンクリート板からなる床部材を免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランス間に架設してエキスパンションジョイントの床を構成したこと、
を特徴とする免震エキスパンションジョイント床。
【請求項2】
免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランスを塞ぐための床用エキスパンションジョイントにおいて、
該免震建造物と非免震建造物との躯体上面を凹設してクリアランス上に架設される床部材は金属製の固定枠材、先端枠材、並びに側面枠材を外周部に有する工場生産のプレキャストコンクリート板からなり、
該プレキャストコンクリート板の外周部に位置する固定枠材には複数個のウイング用スプリング付きボルトが取付けられ、
該それぞれのウイング用スプリング付きボルトは免震建造物側の躯体面に設けられたスライドレールに挿入されたガイドプレートの係合孔にそれぞれ挿着されナットを介して繋合可能にスプリング付きボルトにて床部材を免震構造物側に引き付けて前記固定材枠と床仕上げ用板材間の隙間を小さくなしてハイヒール等靴のカカトが嵌ったり小石やごみが目地に入り込む余地をなくして免震建造物側の躯体面に設けられたガイドプレートに固着可能であり、
また、前記プレキャストコンクリート板の外周部に位置する先端枠材の先端部には安全プレートが複数の丁番で回動可能に固着され、
該安全プレートにてエキスパンションジョイントの通常時における相互移動溝をカバー可能となし、
前記構成の工場生産のプレキャストコンクリート板からなる床部材を免震建造物と非免震建造物との躯体間に設けられたクリアランス間に架設してエキスパンションジョイントの床を構成したこと、
を特徴とする免震エキスパンションジョイント床。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−19267(P2013−19267A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242312(P2012−242312)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2008−265078(P2008−265078)の分割
【原出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(390001317)
【Fターム(参考)】