説明

免震構造の構築方法

【課題】下部立上り基礎や上部基礎の構築の際に高流動性コンクリートの圧入工法を用いることなく容易に施工でき、工期短縮を図ることができる免震構造の構築方法を提供する。
【解決手段】免震装置10と、プレキャストコンクリートにて構成された上部基礎20と、上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎30とを、一体化して免震組立体2を予め形成する免震組立体製造工程と、免震組立体2を、地盤側床版3上に設置する免震組立体設置工程と、免震組立体2の上部基礎20に、柱脚部4を接続する柱脚部接続工程と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震構造の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の構造物において、当該構造物の基礎部分などに免震装置を介装することにより、地震などによって地盤から構造物に伝播しようとする振動を減衰させて、構造物の躯体に生じる応力や変形を少なくする免震構造が開発されている。
【0003】
一般的な免震構造は、下記のように構築される。まず、免震装置の下部立上り基礎(免震基礎)の配筋および型枠設置前に、下部ベースプレート取付け用アンカーフレームを取り付け、このフレームに下部ベースプレートを設置して、下部立上り基礎用のコンクリートを打設する。このコンクリートは下部ベースプレート下端の充填性を確保するために高流動性コンクリートまたは無収縮モルタルを圧入する工法が一般的である。その後、型枠を脱型し、下部ベースプレートに免震装置をボルトにて緊結する。そして、免震装置に上部ベースプレートをボルトにて緊結した後に、免震装置の上部基礎の配筋と型枠設置を行い、上部基礎用のコンクリートを打設する(非特許文献1参照)。その後は、従来通り、上部構造を構築する。
【0004】
このような免震構造の構築方法は、基礎免震工事の一般工法であり、各部を順次組み上げていく工法である。そのため、各工程の時間が累積されるので、多くの時間がかかり、工期短縮が望めない。さらには、免震装置を設置するためのアンカーフレームの製作手間と取付手間がかかる。
【0005】
以上の問題を解決するために、例えば、特許文献1に示すような基礎構造が開発されている。この基礎構造は、杭の上部に構築される基礎構造であって、免震装置の下部に形成されるキャップリング(杭頭部用)と下部立上り基礎をプレキャストコンクリートにて一体に形成したものである。このような構成によれば、下部立上り基礎の養生期間を待つことなく、免震装置の設置および上部基礎の構築を順次施工することができ、免震関連工事の工期短縮を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−291641号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】社団法人日本免震構造協会著 「JSSI免震構造施工標準」 財団法人経済調査会出版 2005年7月15日出版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記した特許文献1の構成では、下部立上り基礎の養生期間を省略できるものの、その後の免震装置の設置や上部基礎の構築は施工現場で行わなければならず、工期短縮の余地は残されていた。
【0009】
また、免震装置を取り付けるための下部ベースプレートの下方は、免震部材の応力を確実に下部構造へ伝達する必要があるため、下部立上り基礎のコンクリートを打設する際には、隙間が生じないように密実に充填する必要がある。そのため、一般的に、自己充填性が高く、ブリーディングが殆んどない高流動性コンクリートを用いて、下部ベースプレートの下方へ圧入することで充填性を確保している場合が多い。しかしながら、その為には、特殊な高流動性コンクリートの配合計画や試験練りや圧入施工試験が必要となり、多大な時間と手間と費用を要し、改善が求められるところであった。
【0010】
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、下部立上り基礎や上部基礎を構築する際に高流動性コンクリートの圧入工法を用いることなく容易に施工でき、工期短縮を図ることができる免震構造の構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、免震装置と、プレキャストコンクリートにて構成された上部基礎と、上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎とを、一体化して免震組立体を予め形成する免震組立体製造工程と、前記免震組立体を、地盤側床版上に設置する免震組立体設置工程と、前記免震組立体の前記上部基礎に、柱脚部を接続する柱脚部接続工程と、を備えたことを特徴とする免震構造の構築方法である。
【0012】
このような方法によれば、上部基礎と下部立上り基礎をプレキャスト化し、免震装置と一体化して免震組立体を予め形成しているので、施工現場では、下部立上り基礎および上部基礎のコンクリート打設と養生等を省略でき、ひいては、施工現場における作業工程数を大幅に減らすことができ、工期を短縮することができる。特に、上部の柱・梁構造がS造やPC造の様な乾式構造の場合は、免震上部基礎の残躯体工事、それを繋ぐ梁躯体工事およびその梁上の床躯体工事を待つことなく、その上の階の柱・梁・床躯体工事を進めることができるので、さらなる工期短縮を達成できる。
【0013】
また、本発明は、前記免震組立体製造工程では、前記上部基礎と前記下部立上り基礎とを製作した後に、これらを前記免震装置にそれぞれ接続して一体化することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、前記上部基礎および前記下部立上り基礎の表面のうち、前記免震装置と接触する面をコンクリート面で形成し、前記免震装置の下側フランジプレートを前記下部立上り基礎の前記コンクリート面に直接もしくはグラウト材を介して接触させるとともに、前記免震装置の上側フランジプレートを前記上部基礎の前記コンクリート面に直接もしくはグラウト材を介して接触させることを特徴とする。
【0015】
このような方法によれば、上部基礎および下部立上り基礎のコンクリート面に免震装置の上側フランジプレートと下側フランジプレートをそれぞれ接触させているので、従来のようにベースプレートを設ける必要がなく、コストダウンを達成できる。
【0016】
また、本発明は、上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎を地盤側床版上に設置し、前記下部立上り基礎上に免震装置を設置し、その免震装置上にプレキャストコンクリートにて構成された上部基礎を設置することを特徴とする免震構造の構築方法である。
【0017】
このような方法によれば、上部基礎と下部立上り基礎をプレキャスト化しているので、施工現場では、下部立上り基礎および上部基礎のコンクリート打設と養生等を省略でき、ひいては、施工現場における作業工程数を減らすことができ、工期を短縮することができる。
【0018】
また、本発明は、免震装置上に下部立上り基礎用の型枠を形成してこの型枠内にコンクリートを打設して下部立上り基礎を製作し、一体化された前記免震装置および前記下部立上り基礎を上下反転させて前記免震装置上に上部基礎用の型枠を形成してこの型枠内にコンクリートを打設して上部基礎を製作することで、免震組立体を予め形成する免震組立体製造工程と、前記免震組立体を、地盤側床版上に設置する免震組立体設置工程と、前記免震組立体の前記上部基礎に、柱脚部を接続する柱脚部接続工程と、を備えたことを特徴とする免震構造の構築方法である。
【0019】
このような方法によれば、免震装置上で下部立上り基礎と上部基礎を順次プレキャスト化し、免震装置と一体化して免震組立体を予め形成しているので、施工現場では、下部立上り基礎および上部基礎のコンクリート打設と養生等を省略でき、施工現場における作業工程数を大幅に減らすことができ、工期を短縮することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、下部立上り基礎を構築する際に高流動性コンクリートの圧入工法を用いることなく容易に施工できるので、工期短縮を図ることができる。また、高価な高流動性コンクリートを使う必要がなく、試験練りも不要であり、圧入のための専用工具も不要であるため、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体製造工程を説明するための断面図であって、(a)は下部立上り基礎を製造する状態を示した図、(b)は上部基礎を製造する状態を示した図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体製造工程を説明するための断面図であって、下部立上り基礎と免震基礎と上部基礎を一体化する状態を示した図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体設置工程を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体設置工程の後に免震組立体を床版に固定する工程と上部の柱・梁が乾式構造の場合の柱脚部を免震組立体に固定する工程を説明するための断面図である。
【図5】免震構造に固定された柱脚部にフーチングおよび梁、床を接続した状態を示した断面図である。
【図6】免震組立体の変形例を示した断面図である。
【図7】免震組立体の床版への設置状態の変形例を説明するための断面図である。
【図8】免震組立体の床版への設置状態のさらなる変形例を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体製造工程を説明するための断面図であって、(a)は下部立上り基礎を製造する状態を示した図、(b)は上部基礎を製造する状態を示した図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体製造工程を説明するための断面図であって、下部立上り基礎を製造する状態を示した斜視図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体製造工程を説明するための断面図であって、下部立上り基礎と免震基礎と上部基礎を一体化する状態を示した図である。
【図12】本発明の第三実施形態に係る免震構造の構築方法の免震組立体設置工程の後に免震組立体を床版に固定する工程と柱脚部を免震組立体に固定する工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第一実施形態)
本発明に係る免震構造の構築方法の第一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
第一実施形態に係る免震構造1(図5参照)の構築方法は、免震装置10(図2参照)と、プレキャストコンクリートにて構成された上部基礎20(図2参照)と、上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎30(図2参照)とを、一体化して免震組立体2(図3および図4参照)を予め形成する免震組立体製造工程と、免震組立体2を、地盤側床版3(以下単に「床版3」と称する場合がある)上に設置する免震組立体設置工程と、免震組立体2の上部基礎20に、柱脚部4を接続する柱脚部接続工程と、を備えたことを特徴とする。そして、第一実施形態における免震組立体製造工程では、上部基礎20と下部立上り基礎30とを製作した後に、これらを免震装置10にそれぞれ接続して一体化するようになっている。
【0024】
以下に、免震構造1を構築するための各工程を詳細に説明する。
【0025】
(免震組立体製造工程)
免震組立体製造工程は、下部立上り基礎30を製作する下部立上り基礎製作工程と、上部基礎20を製作する上部基礎製作工程と、下部立上り基礎30と免震装置10と上部基礎20とを一体化する組立工程とを備えている。本工程は、工場や施工現場の作業スペース等で丘組みすることで行う。
【0026】
図1の(a)に示すように、下部立上り基礎30を製作するに際しては、下側ベースプレート31を施工完了状態とは上下逆向きにした状態で作業位置の床面に敷設して、その周囲に型枠32を形成して、下側ベースプレート31の上側からコンクリートを打設して形成し、プレキャストコンクリート(プレキャスト化されたコンクリート製品)とする。このとき、上下逆向きの状態でコンクリートを打設しているので、普通コンクリートであっても、バイブレータにて入念にコンクリートを締め固めることで、下部ベースプレート31周りの充填性を容易に確保することができる。
【0027】
下側ベースプレート31は、免震装置10(図2参照)の下側フランジプレート11と接触する部材であって、下側フランジプレート11と同等或いは一回り大きい平面形状(本実施形態では一回り大きい円形)を呈している。なお、下側フランジプレート11と下側ベースプレート31の形状は円形に限定されるものではなく、方形等他の形状であってもよい。下側ベースプレート31は、下部立上り基礎30の上側表面に露出して配置され、その接触面31a(施工完了状態における上面)は平滑に形成されている。接触面31aは、図1の(a)では下側を向いている。下側ベースプレート31には、ボルト貫通孔(図示せず)が形成されており、そのコンクリート打設側となる内側面31bには、埋込み型インサート33が固定されている。埋込み型インサート33は、内部に雌ネジを有する袋状ナットにて構成されており、先端に鍔部が形成されている。埋込み型インサート33は、開口端が下側ベースプレート31の内側面31bに当接して、その内部空間がボルト貫通孔に連通するように、配置されている。埋込み型インサート33は、例えば溶接によって下側ベースプレート31に固定されている。ボルト貫通孔および埋込み型インサート33は、同数でそれぞれ複数設けられており、免震装置10の下側フランジプレート11の形状に応じて配置されている。ボルト貫通孔および埋込み型インサート33は、本実施形態では下側ベースプレート31および下部立上り基礎30の重心位置を中心とする同心円上に等ピッチで設けられている。下側ベースプレート31の内側面31bには、必要に応じてスタッドアンカー(図示せず)を溶接固定するようにしてもよい。
【0028】
型枠32は、下側ベースプレート31の周囲を覆う下枠32aと、下枠32aの外周縁部から立設される側枠32bとを備えて構成されて、上部が開口している。型枠32は、木製板にて構成されており、下枠32aおよび側枠32bの外周面には、これらを外側から押える補強材(図示せず)が適宜設けられている。下枠32aは、中央が円形に開口(下側ベースプレート31が方形の場合は方形に開口)しており、その内周縁が下側ベースプレート31の外周縁に周接するようになっている。下枠32aの外形は、正方形を呈している。側枠32bは、下枠32aの外周と平行に配置され、平面視正方形に形成されている。
【0029】
下枠32aの少なくとも四隅近傍には、シース管34が立設されている。シース管34はコンクリートの打設厚さ寸法と同じ長さ寸法に形成されており、下部立上り基礎30の上下面を貫通するように構成されている。シース管34は、床版3に設けられたアンカーボルト5が挿通される部材であって、下部立上り基礎30を床版3に固定する際に利用される。このような固定用の孔は、シース管34に限定されるものではなく、床版3との固定手段に応じて決定すればよく、スリーブ型機械式継手等の他のものを用いてもよい。
【0030】
前記構成の下側ベースプレート31を、埋込み型インサート33が上になるように作業位置に設置し、その周囲に型枠32を形成する。そして、下部立上り基礎30の基礎鉄筋(図示せず)を配筋した後に、普通コンクリートを型枠32内に打設する。このとき、下枠32aおよび下側ベースプレート31は、打設部分の最下部に位置しており、コンクリートはその上側に打設すればよいので、従来のように、コンクリートを下側ベースプレートの下側に圧入させなくてもよい。したがって、下部立上り基礎30の構築の際に品質管理の難しい高流動性コンクリートを用いる必要がなく、圧入工法等の特殊な作業が不要となるので、施工効率を低下させることはない。所定期間のコンクリート養生が終わったら、型枠32を解体撤去して、下部立上り基礎30の製造が完了する。
【0031】
図1の(b)に示すように、上部基礎20を製作するに際しては、上側ベースプレート21を作業位置の床面に敷設して、その周囲に型枠22を形成して、上側ベースプレート21の上側からコンクリートを打設して形成し、プレキャストコンクリート(プレキャスト化されたコンクリート製品)とする。
【0032】
上側ベースプレート21は、免震装置10の上側フランジプレート12と接触する部材であって、上側フランジプレート12と同等或いは一回り大きい平面形状(本実施形態では一回り大きい円形)を呈している。なお、上側フランジプレート12と上側ベースプレート21の形状は円形に限定されるものではなく、方形等他の形状であってもよい。上側ベースプレート21は、上部基礎20の下側表面に露出して配置され、その接触面21a(施工完了状態における下面)は平滑に形成されている。接触面21aは、図1の(b)で下側を向いている。上側ベースプレート21には、ボルト貫通孔(図示せず)が形成されており、そのコンクリート打設側となる内側面21bには、埋込み型インサート23が固定されている。ボルト貫通孔と埋込み型インサート23は、下側ベースプレート31のものと同等の形状で且つ同等の配置形態となっている。上側ベースプレート21の内側面21bには、必要に応じてスタッドアンカー(図示せず)を溶接固定するようにしてもよい。
【0033】
型枠22は、上側ベースプレート21の周囲を覆う下枠22aと、下枠22aの外周縁部から立設される側枠22bとを備えて構成されて、上部が開口している。型枠22は、前記型枠32と略同等の形状を呈している。なお、上部基礎20の形状によって、側枠22bの高さが前記側枠32bと異なる場合がある。
【0034】
前記構成の上側ベースプレート21を、埋込み型インサート23が上になるように作業位置に設置し、その周囲に型枠22を形成する。そして、下部立上り基礎30の基礎鉄筋(図示せず)を配筋するとともに、柱脚部固定用アンカー(建方用アンカー)24とフーチング籠筋25を配設した後に、コンクリートを打設する。コンクリートは、下部立上り基礎30と同様に、普通コンクリートを用いて、型枠22内に打設する。このときも、下枠22aおよび上側ベースプレート21は、打設部分の最下部に位置しており、コンクリートはその上側に流し込めばよいので、上部基礎20の構築の際に品質管理の難しい高流動性コンクリートを用いる必要はない。所定期間のコンクリート養生が終わったら、型枠22を解体撤去して、上部基礎20の製造が完了する。
【0035】
本実施形態における免震装置10は、例えば、上下一対に形成された下側フランジプレート11および上側フランジプレート12と、これら下側フランジプレート11および上側フランジプレート12間に一体に取り付けられた積層ゴム13とを備えて構成された高減衰積層ゴム支承が採用されている。この免震装置10は、地震等が発生した際には、上部躯体と床版3との水平方向への相対移動に伴って、積層ゴム13がせん断方向に弾性変形することにより、その弾性変形エネルギーと減衰力によって地震時における水平地震力を吸収するようになっている。なお、本実施形態では、免震装置10として、高減衰積層ゴム支承が採用されているが、これに限定する趣旨ではなく、例えば、弾性すべり支承や、低減衰積層ゴム支承とダンパとの組合せ等を採用してもよいのは勿論である。上下の各フランジプレート11,12は、円形の板状に形成されており、その周縁部には、免震装置10を上部基礎20または下部立上り基礎30に固定するためのボルト貫通孔(図示せず)が形成されている。なお、本実施形態では、上下の各フランジプレート11,12は、円形の板状であるが、その形状は円形に限定されるものではなく、正方形や多角形等の他の形状であってもよい。
【0036】
上部基礎20と下部立上り基礎30の製作が完了したら、組立工程を行う。下部立上り基礎30と免震装置10と上部基礎20とを一体化するに際しては、上下逆向きの状態で製造された下部立上り基礎30を、図2に示すように、上下正向きの状態(下側ベースプレート31が上になる状態)で作業位置に設置する。その後、免震装置10を、その下側フランジプレート11が下部立上り基礎30の上面に露出した下側ベースプレート31に当接するように載置する。そして、ボルト14(図3参照)を、上側から下側フランジプレート11のボルト貫通穴、下側ベースプレート31のボルト貫通孔の順で挿通させて、さらに埋込み型インサート33の雌ネジに螺合させて締付固定する。なお、図2における床面は、作業スペースの床面を示している。
【0037】
さらにその後、上部基礎20を、上側ベースプレート21が下になる状態で、免震装置10上に載置する。このとき、上側ベースプレート21が、免震装置10の上側フランジプレート12に当接するようにする。その後、ボルト14(図3参照)を、下側から上側フランジプレート12のボルト貫通穴、上側ベースプレート21のボルト貫通孔の順で挿通させて、さらに埋込み型インサート23の雌ネジに螺合させて締付固定する。以上の工程によって、免震組立体2(図3参照)が完成する。
【0038】
(免震組立体設置工程)
次に、図3に示すように、床版3上に免震組立体2を設置する。床版3の免震組立体2の設置位置には、アンカーボルト5が設けられている。床版3の免震組立体2の設置位置の四隅に、レベル調整金物6を設置する。レベル調整金物6は、例えば、ボルトネジ・ナット等の伸縮可能な部材からなり、免震組立体2に一定の荷重(後記するグラウト材が硬化するまでに免震組立体2に接続される上部躯体の荷重)を加えた積載荷重に耐えられる耐圧強度を有している。
【0039】
その後、免震組立体2を、クレーン等で吊り込んで、アンカーボルト5が下部立上り基礎30のシース管34に挿通するように吊り下ろして、レベル調整金物6の上に仮設置する。このとき、免震装置10の据付精度を確保するために、下側フランジプレート11の位置で、平面の位置、高さおよび傾きを計測する。ここで、水平度や高さが確保されていなければ、レベル調整金物6で調整した後に、アンカーボルト5にナット9を仮締めして、免震組立体2をクレーンから切り離す。
【0040】
(免震組立体固定工程)
ナット9を本締めした後に、レベル調整金物6によって支持されている下部立上り基礎30の下方の隙間を覆うように型枠40を形成して、グラウト材7を注入する。グラウト材7は、例えば、無収縮モルタルが用いられ、モルタルポンプ(図示せず)にて圧入される。グラウトは、図示しない下部注入口よりグラウト材7を注入し、下部立上り基礎30の下方を充填した後、シース管34の内周面とアンカーボルト5との間を伝わって上昇し、上部の排気口からグラウト材7が流出した時点で充填が完了する。
【0041】
(柱脚部接続工程)
その後、引き続いて、図4に示すように、免震組立体2の上部基礎20に柱脚部4を固定する。本実施形態では、鉄骨柱が用いられている。柱脚部4をクレーン等で吊り込んで、柱脚部固定用アンカー24が柱脚部4のベースプレート51のボルト孔52に挿通するように吊り下ろして、マンジュウモルタル59aを介して上部基礎20の上に載置して、柱脚部固定用アンカー24にナット53を仮締めしておく。なお、グラウト材7の強度が十分に発生していない状態でも、この柱脚部接続工程を実施することができる。
【0042】
(上部躯体構築工程)
その後、図5に示すように、上部の梁54や上部柱(図示せず)等を順次連結して、上部躯体を組み付け、床スラブ57を構築する。そして、所定の部分まで上部躯体を組み付けたら、水平度やレベルのチェックを行い、建て入れ直しを行った後に、マンジュウモルタル59aの周囲にグラウト材59bを充填して、接続部のボルトナットを本締めする。なお、図5では、柱脚部4のフーチング55、基礎梁56および床スラブ58をあと施工とし、上階の乾式の柱・梁を先行施工する状態を示している。
【0043】
そして、上部基礎20上にフーチング55および基礎梁56の鉄筋(図示せず)を配筋して、型枠(図示せず)を形成し、コンクリートを打設して、フーチング55、基礎梁56および床スラブ58を構築する。
【0044】
以上の工程によって、免震構造1が構築される。その後は、上部躯体を順次構築していく。
【0045】
以上のような免震構造1の構築方法によれば、上部基礎20と下部立上り基礎30をプレキャスト化し、免震装置10と一体化して免震組立体2を予め形成しているので、施工現場では、免震組立体2を床版3上に設置するだけで、下部立上り基礎30と上部基礎20まで構築される。したがって、下部立上り基礎30および上部基礎20のコンクリート打設と養生等の工程を省略できるので、施工現場における作業工程数を減らすことができ、工期を大幅に短縮することができる。さらに、免震組立体2は、工場や施工現場の作業スペース等で丘組みされるので、コンクリート性能が均一で高い精度のものを製造することができる。
【0046】
さらに、下部立上り基礎30は、上下逆向きの状態で製作されるので、下側ベースプレート31の上部にコンクリートを打設することになる。つまり、従来のようにコンクリートをベースプレートの下側に圧入させなくてよいので、下部立上り基礎30の構築の際に高流動性コンクリートを用いる必要はなく、普通コンクリートを用いればよい。これによって、施工手間および時間の増加を防止でき、施工効率の低下を防止できるとともに、施工費用の低減を達成できる。
【0047】
なお、前記実施形態では、プレキャスト化した上部基礎20と下部立上り基礎30を免震装置10と一体化して、免震組立体2を予め形成して、床版3上に設置しているが、施工現場において、床版上に予め形成しておいた下部立上り基礎を設置し、この下部立上り基礎上に免震装置を設置し、さらに、その免震装置上に予め形成しておいた上部基礎を設置するようにしてもよい。この場合においても、施工現場でのコンクリート打設作業を低減できるので工期短縮を達成することができる。
【0048】
次に、免震組立体の変形例について図6を参照しながら説明する。図6に示すように、本変形例に係る免震組立体102は、免震組立体102に対して引抜に対抗する力が期待される場合に用いられるものであって、下部立上り基礎130の形状が、図3乃至図5に示した免震組立体2の下部立上り基礎30と異なる。なお、前記免震組立体2の構成と同じ構成の部位には図3乃至図5で付した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0049】
下部立上り基礎130は、下側ベースプレート31の内側面31bに固定された埋込み型インサート33の先端面(施工完了状態における下端面)にアンカーボルト135が溶接固定されている。下部立上り基礎130の内部には、アンカーボルト135を覆うスリーブ型機械式継手136が内蔵されている。スリーブ型機械式継手136は、上下方向に延在して設けられており、その上端部(施工完了状態における上端面)にアンカーボルト135が挿入されて螺合されている。スリーブ型機械式継手136の下端部(施工完了状態における下端面)は、下部立上り基礎130の下面に開口しており、床版3に設けられたアンカーボルト5が挿入されている。また、下部立上り基礎130は、上下方向厚さが下部立上り基礎30よりも厚く形成されており、シース管134の長さが前記免震組立体2のシース管34よりも長くなっている。下部立上り基礎130の下面と床版3との隙間、シース管134の内周面とアンカーボルト5との隙間、およびスリーブ型機械式継手136の内周面とアンカーボルト135およびアンカーボルト5との隙間には、グラウト材7が一体的に充填されている。これは、スリーブ型機械式継手136とアンカーボルト5との下部、シース管134とアンカーボルト5との下部に注入口(図示せず)を設け、この注入口からグラウト材7を圧入する。そして、グラウト材7が下部立上り基礎130の下方の隙間に流れ込み、シース管134の内周面とアンカーボルト5との隙間、およびスリーブ型機械式継手136の内周面とアンカーボルト135およびアンカーボルト5との隙間を伝わってグラウト材7が充填され、シース管134上端の排気口からグラウト材7が流出したら、グラウト完了とする。
【0050】
以上のような構成によれば、スリーブ型機械式継手136を新たに備えて、その上端部に免震装置10側に接続されたアンカーボルト135を挿入するとともに、下端部に床版3に設けられたアンカーボルト5を挿入し、さらには、これらの隙間にグラウト材7を充填することで、免震組立体102の床版3への固定強度を高めることができる。さらに、シース管134およびこれに挿通されるアンカーボルト5の長さが長くなっているので、免震組立体102の床版3への固定強度をより一層高めることができる。なお、設計条件によっては、シース管134、アンカーボルト5およびナット9をなくすことができる。
【0051】
一方、免震組立体102’に対して引抜に対向する力が必要ない場合には、図7に示すように、下部立上り基礎130’を取り囲むように立上り基礎41を形成して、下部立上り基礎130’を立上り基礎41の内側に隙間をあけて収容し、その隙間にグラウト材7を充填して、免震組立体102’と立上り基礎41とを一体化する。このとき周囲の立上り基礎41が免震組立体102’にかかる水平力を受け持つ。また、免震組立体102”に対して引抜に対抗する力が期待される場合の他の形態としては、図8に示すように、下部立上り基礎130”の埋込み型インサート33に、下方に突出する鉄筋43を溶接しておき、この鉄筋43を床版3に形成した穴44に挿入して、隙間にグラウト材7を充填した構成としてもよい。
【0052】
(第二実施形態)
次に、本発明に係る免震構造の構築方法の第二実施形態について説明する。第一実施形態に係る免震構造1の構築方法が、免震組立体製造工程において上部基礎20と下部立上り基礎30とを同時に製作した後に、これらを免震装置10にそれぞれ接続して一体化することで免震組立体2を形成していたのに対して、第二実施形態に係る免震構造1の構築方法は、免震組立体製造工程において免震装置上で下部立上り基礎を一体製作した後に、これらを上下反転させて、免震装置上で上部基礎を一体製作することで、免震組立体を形成することを特徴とする。なお、形成される免震組立体の形状は、第一実施形態の免震組立体2と同じとなる。
【0053】
以下に、免震組立体製造工程における各工程を説明する。免震組立体製造工程は、免震装置上に下部立上り基礎用の型枠(図1の(b)の型枠22と同形状)を形成して、この型枠内にコンクリートを打設して下部立上り基礎を下側フランジプレートと一体製作する下部立上り基礎製作工程と、これらを上下反転させて免震装置上に上部基礎用の型枠(図1の(a)の型枠32と同形状)を形成して、この型枠内にコンクリートを打設して上部基礎を上側フランジプレートと一体製作する上部基礎製作工程とを備えており、免震組立体製造工程によって免震組立体が予め形成される。なお、下部立上り基礎と上部基礎のベースプレートは設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0054】
下部立上り基礎製作工程と上部基礎製作工程において、各型枠の下枠の下部に、伸縮ジャッキ等のレベル調整手段を複数設けて、伸縮ジャッキを適宜伸縮させることで、型枠の下面の水平度を確保するのが好ましい。
【0055】
以上のような第二実施形態に係る免震構造の構築方法によれば、第一実施形態と同様の作用効果の他に、以下のような作用効果が得られる。つまり、第二実施形態では、免震装置上で下部立上り基礎と上部基礎を順次製作するので、免震組立体の形成スペースは、免震組立体と同等の広さがあれば済む。したがって、狭いスペースであっても、免震組立体を製作することができる。
【0056】
(第三実施形態)
次に、本発明に係る免震構造の構築方法の第三実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0057】
第一実施形態および第二実施形態に係る免震構造1の構築方法が、下部立上り基礎30には下側ベースプレート31が設けられ、上部基礎20には上側ベースプレート21が設けられているのに対して、第三実施形態に係る免震構造201の構築方法は、上部基礎220および下部立上り基礎230の表面のうち、免震装置10と接触する面をそれぞれコンクリート面221,231で形成し、免震装置10の下側フランジプレート11を下部立上り基礎230のコンクリート面231に直接面接触させるとともに、免震装置10の上側フランジプレート12を上部基礎220のコンクリート面221に直接面接触させるようにすることを特徴とする。つまり、第三実施形態に係る免震構造201の構築方法では、上側ベースプレートと下側ベースプレートが設けられていない。なお、下側フランジプレート11と下部立上り基礎230のコンクリート面231との間にグラウト材(図示せず)を充填し、上側フランジプレート12と上部基礎220のコンクリート面221との間にグラウト材(図示せず)を充填してもよい。
【0058】
本実施形態では、上部基礎220と下部立上り基礎230とを製作した後に、これらを免震装置10にそれぞれ接続して一体化して免震組立体202を形成する(免震組立体製造工程)ようになっている。
【0059】
本実施形態における免震組立体製造工程は、下部立上り基礎230を製作する下部立上り基礎製作工程と、上部基礎220を製作する上部基礎製作工程と、下部立上り基礎230と免震装置10と上部基礎220とを一体化する組立工程とを備えている。本工程は、工場や施工現場の作業スペース等で丘組みすることで行う。
【0060】
下部立上り基礎230を製作するに際しては、まず、図8の(a)および図9に示すように、型枠232を設置する。型枠232は、下枠232aと、下枠232aの外周縁部から立設される側枠32bとを備えて構成されて、上部が開口している。側枠32bは、第一実施形態の側枠32bと同等の構成である。下枠232aは、鉄板等にてベースプレートと同等の平面精度を有するように構成されており、下部立上り基礎230のコンクリート面231(免震装置10の下側フランジプレート11と接触する面)の平面精度を確保するようになっている。
【0061】
下枠232aの内側面235には、埋込み型インサート33の固定用ピン233が設けられている。固定用ピン233は、下枠232aの内側面に溶接固定されて上方に突出して設けられ、埋込み型インサート33の内面に挿入されており、コンクリート打設時に埋込み型インサート33を固定するように構成されている。固定用ピン233は、埋込み型インサート33の固定位置となる同心円上に配置されている。埋込み型インサート33を、下枠232aの上方から下ろして固定用ピン233を挿入させる。
【0062】
下枠232aの少なくとも四隅近傍には、シース管34が立設されている。シース管34は、第一実施形態のシース管34と同等の構成である。
【0063】
型枠232内に、下部立上り基礎230の基礎鉄筋(図示せず)を配筋したならば、コンクリートを打設する。コンクリートは普通コンクリートを用いて、型枠232内に打設する。このとき、下枠232aが鉄板にて構成されているので、コンクリートの重量を受けても変形は小さい。したがって、下部立上り基礎230のコンクリート面231の平坦度を確保することができる。また、固定用ピン233によって、埋込み型インサート33が固定されているので、埋込み型インサート33の設置位置の精度を高く確保することができる。所定期間のコンクリート養生が終わったら、型枠232を解体撤去して、下部立上り基礎230の製造が完了する。このとき、固定用ピン233は、下枠232aとともに撤去されるので、コンクリート面231には、埋込み型インサート33が開口するようになる。
【0064】
上部基礎220を製作するに際しては、図8の(b)に示すように、型枠222を形成する。型枠222は、下枠222aと、下枠222aの外周縁部から立設される側枠22bとを備えて構成されて、上部が開口している。側枠22bは、第一実施形態の側枠22bと同等の構成である。下枠222aは、前記下枠232aと同様に、鉄板等にてベースプレートと同等の平面精度を有するように構成されており、上部基礎220のコンクリート面221(免震装置10の上側フランジプレート12と接触する面)の平面精度を確保するようになっている。
【0065】
上部基礎220と下部立上り基礎230の製作が完了したら、組立工程を行う。下部立上り基礎230と免震装置10と上部基礎220との一体化は、図10および図11に示すように、第一実施形態と同様の工程によって行われる。なお、図10および図11に示すように、下部立上り基礎230の上面に切欠き部234を形成しておくのが好ましい。切欠き部234は、免震装置10の設置位置の側方に形成され、免震装置10の交換作業を円滑に行うためのものである。切欠き部234は、ベニヤ板で覆うようにしてもよい。
【0066】
以上のような第三実施形態に係る免震構造1の構築方法によれば、第一実施形態と同様の作用効果の他に、以下のような作用効果が得られる。つまり、第三実施形態では、上部基礎220および下部立上り基礎230のコンクリート面221,231に免震装置10の上側フランジプレート12と下側フランジプレート11をそれぞれ接触させているので、第一実施形態および第二実施形態のようにベースプレートを設ける必要がなく、その分のコストダウンを達成できる。
【符号の説明】
【0067】
1 免震構造
2 免震組立体
3 地盤側床版
4 柱脚部
10 免震装置
11 下側フランジプレート
12 上側フランジプレート
20 上部基礎
21 上側ベースプレート
30 下部立上り基礎
31 下側ベースプレート
102 免震組立体
130 下部立上り基礎
201 免震構造
202 免震組立体
220 上部基礎
221 コンクリート面
230 下部立上り基礎
231 コンクリート面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免震装置と、プレキャストコンクリートにて構成された上部基礎と、上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎とを、一体化して免震組立体を予め形成する免震組立体製造工程と、
前記免震組立体を、地盤側床版上に設置する免震組立体設置工程と、
前記免震組立体の前記上部基礎に、柱脚部を接続する柱脚部接続工程と、を備えた
ことを特徴とする免震構造の構築方法。
【請求項2】
前記免震組立体製造工程では、前記上部基礎と前記下部立上り基礎とを製作した後に、これらを前記免震装置にそれぞれ接続して一体化する
ことを特徴とする請求項1に記載の免震構造の構築方法。
【請求項3】
前記上部基礎および前記下部立上り基礎の表面のうち、前記免震装置と接触する面をコンクリート面で形成し、
前記免震装置の下側フランジプレートを前記下部立上り基礎の前記コンクリート面に直接もしくはグラウト材を介して接触させるとともに、前記免震装置の上側フランジプレートを前記上部基礎の前記コンクリート面に直接もしくはグラウト材を介して接触させる
ことを特徴とする請求項2に記載の免震構造の構築方法。
【請求項4】
上下逆向きの状態で製作されるプレキャストコンクリートにて構成された下部立上り基礎を地盤側床版上に設置し、
前記下部立上り基礎上に免震装置を設置し、
その免震装置上にプレキャストコンクリートにて構成された上部基礎を設置する
ことを特徴とする免震構造の構築方法。
【請求項5】
免震装置上に下部立上り基礎用の型枠を形成してこの型枠内にコンクリートを打設して下部立上り基礎を製作し、一体化された前記免震装置および前記下部立上り基礎を上下反転させて前記免震装置上に上部基礎用の型枠を形成してこの型枠内にコンクリートを打設して上部基礎を製作することで、免震組立体を予め形成する免震組立体製造工程と、
前記免震組立体を、地盤側床版上に設置する免震組立体設置工程と、
前記免震組立体の前記上部基礎に、柱脚部を接続する柱脚部接続工程と、を備えた
ことを特徴とする免震構造の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−47201(P2011−47201A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196969(P2009−196969)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】