説明

免震装置

【課題】免震装置が具備する受圧板の面圧の均一化作用を概ね損ねずに、同受圧板を容易に運搬可能にする。
【解決手段】載置物を免震支持する免震装置である。地面側の部材に固定される固定板と、前記固定板の上面を摺動面として水平方向に摺動可能に載置される滑動板と、前記滑動板の上面に載置されて、前記載置物の重量を受けて当該重量を前記滑動板へ伝達する受圧板と、を有する。前記摺動面の静止摩擦係数は、前記摺動面の面圧の大きさによって変化する。前記受圧板は、水平方向に隣り合う複数の分割板が、連結部材によって連結されて構成される。前記複数の分割板のうちで互いに隣り合う分割板同士は、前記連結部材を介して鉛直荷重が伝達されるように連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美術館や博物館等において展示品の展示に使用される免震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美術館や博物館等の展示品は、展示ケース等を介して免震装置に載置されており、これにより、地震動等の水平振動から保護されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−185151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この免震装置110の一例として、図1A及び図1Bに示すものが挙げられる。すなわち、図1Aの上面図及び図1Bの側面図に示すように、この免震装置110は、展示室の床面2に固定される固定板111と、固定板111の上面を摺動面111aとして水平方向に摺動可能に載置される滑動板113と、を有し、滑動板113の上方に展示ケース50が載置される。そして、上記摺動面111aの静止摩擦係数の設定により、所定震度以内の床面2の水平振動に対しては、固定板111と滑り板113とは摺動しないが、所定震度を超える床面2の水平振動に対しては、滑動板113が固定板111に対して速やかに摺動し、これにより、展示ケース50内に収容支持された不図示の展示品への過大な振動の入力を防ぎ、その破損を防止する。
【0005】
かかる免震装置110の上記摺動面111aの静止摩擦係数は、面圧依存性を有することがある。すなわち、面圧に応じて静止摩擦係数の値が変化し得る。そのため、摺動面111aの全面に亘って面圧が略均一に作用していないと、計画通りの静止摩擦係数を得難くなり、結果、上述の所定震度での固定板111と滑り板113との摺動を期待できなくなる。
【0006】
他方、展示品を収容支持する展示ケース50には、高い水平度が要求される。そのため、展示ケース50の各脚部52,52…には、上下方向に伸縮可能なアジャスター機能付き脚部が採用されることが多いが、そうすると、免震装置110における脚部52の当接部位にのみ選択的に展示品及び展示ケース50の重量が集中して働いて、結果、免震装置110の上記摺動面111aには面圧が不均一にかかってしまう。
【0007】
ここで、当該集中荷重の問題を回避する方法として、例えば、この免震装置110の滑動板113の直上に、滑動板113と略同じ平面サイズの高剛性の鋼製厚板を受圧板120として敷くとともに、その上に展示ケース50を載せることが挙げられる。そして、この構成によれば、当該高剛性の受圧板120を介して上記展示品や展示ケース50の重量が滑動板113に伝達されるので、上記のような脚部52を用いた場合であっても、滑動板113は、摺動面111aの全面に亘って面圧を略均一に作用させることができて、結果、静止摩擦係数の安定化を図ることができる。
【0008】
このような受圧板120の平面サイズは、展示ケース50の平面サイズに応じて決まる。すなわち、展示ケース50の平面サイズが大きい場合には、受圧板120の平面サイズも大きくなる。しかし、その場合には、展示室内への免震装置110の設置作業や展示室内の配置変え作業の際に、受圧板120の重量が重すぎてその運搬に支障を来す虞があった。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、免震装置が具備する受圧板の面圧均一化機能を概ね損ねずに、同受圧板を容易に運搬可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
載置物を免震支持する免震装置であって、
地面側の部材に固定される固定板と、
前記固定板の上面を摺動面として水平方向に摺動可能に載置される滑動板と、
前記滑動板の上面に載置されて、前記載置物の重量を受けて当該重量を前記滑動板へ伝達する受圧板と、を有し、
前記摺動面の静止摩擦係数は、前記摺動面の面圧の大きさによって変化し、
前記受圧板は、水平方向に隣り合う複数の分割板が、連結部材によって連結されて構成され、
前記複数の分割板のうちで互いに隣り合う分割板同士は、前記連結部材を介して鉛直荷重が伝達されるように連結されていることを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に示す発明によれば、受圧板は、複数の分割板に分割されている。よって、運搬時には分割板単位で個別運搬できて、運搬に支障を来すことはない。
【0012】
また、受圧板が滑動板の上に載置される際には、当該受圧板を構成する複数の分割板が連結部材によって連結一体化される。更にこの時には、分割板同士は、連結部材を介して鉛直荷重が伝達されるように連結されている。よって、例えば、載置物が複数の脚部を有し、且つ、当該脚部が配置される分割板と、脚部が配置されない分割板とが混在する場合にも、載置物の重量は、連結部材を介して、脚部が配置される分割板から脚部が配置されない分割板へと速やかに伝達される。これにより、脚部が配置される分割板の下方の摺動面の面圧と、脚部が配置されない分割板の下方の摺動面の面圧とは、概ね同じ大きさに揃えられ、結果、受圧板の面圧均一化機能は損なわれずに維持される。
【0013】
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の免震装置であって、
前記載置物は、前記載置物の重量を支持する脚部を有し、
前記受圧板の上面のうちで前記脚部の周囲を囲む位置には、前記脚部の前記受圧板に対する水平相対移動を、前記脚部に当接することにより規制する規制部材が固定されていることを特徴とする。
【0014】
上記請求項2に示す発明によれば、受圧板に対して脚部が水平相対移動する際に、規制部材が当接してその脚部の移動を規制する。よって、載置物の免震装置からの脱落を防ぐことができる。
【0015】
請求項3に示す発明は、請求項1又は2に記載の免震装置であって、
前記固定板が固定される前記地面側の部材は、床面であり、
前記床面のうちで前記固定板が固定される面の高さは、前記床面のうちで前記固定板を囲む周囲の面の高さよりも高くなっていることを特徴とする。
【0016】
上記請求項3に示す発明によれば、免震すべく固定板上を摺動する滑動板の一部が、固定板から側方にはみ出す際に、当該はみ出した部分が床面に当接して擦ってしまい、滑動板の摺動を制止してしまう虞があるが、これを有効に防ぐことができる。すなわち、床面のうちで固定板が固定される面の高さは、その周囲の面の高さよりも高くなっているので、その分だけ滑動板はより高い位置を移動することになる。よって、固定板からはみ出した滑動板の部分が、床面における上記周囲の面に当接し難くなり、結果、滑動板の摺動は維持され、これにより、当該免震装置は計画通りの免震性を発揮することができる。
【0017】
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の免震装置であって、
前記固定板が固定される前記地面側の部材は、床面であり、
前記載置物は、電気器具と、前記電気器具に電力供給する電気プラグ付きの電源ケーブルと、を有し、
前記床面には、前記電気プラグが着脱可能に接続される電気コンセントが固設されており、
前記電気コンセントは、前記電気プラグを磁力で取り付けるマグネット方式のコンセントか、或いは非接触で前記電気プラグへ給電する非接触給電方式のコンセントであり、
前記電気コンセントから前記電気プラグが外れた際に、前記電気プラグが空中へ浮くように前記電気プラグを引き上げ支持する引き上げ支持部材が、前記電気プラグと前記載置物との間に介装されていることを特徴とする。
【0018】
上記請求項4に示す発明によれば、電気コンセントは、マグネット方式又は非接触給電方式のコンセントであるので、電気プラグとの間で電気接点の強固な差し込み構造を有さずに電気プラグを給電可能状態に保持することができる。よって、比較的小さな外力で電気コンセントから電気プラグを外すことができる。そして、これにより、滑動板と一緒に水平移動する載置物の電源ケーブルが余長限界に達して張った際に、速やかに電気プラグが電気コンセントから外れるので、水平移動を制止する制止力が、電源ケーブルから載置物に作用することは防止される。その結果、免震性の阻害は抑制される。
【0019】
また、電気コンセントから電気プラグが外れた際には、引き上げ支持部材によって、電気プラグは速やかに引き上げられて、床面よりも上方の空中へ浮いた状態にされる。よって、電気プラグや電源ケーブルが床面を摺って移動することや、これら床面を摺って移動する電気プラグや電源ケーブルが、床面と滑動板との間に挟み込まれたり巻き込まれることは有効に回避される。その結果、滑動板の摺動を制止する制止力が、電気プラグや電源ケーブル起因で滑動板に付与されることは防止され、その免震性の阻害は抑制される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、免震装置が具備する受圧板の面圧均一化機能を概ね損ねずに、同受圧板を容易に運搬可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1Aは、参考例の免震装置110の上面図であり、図1Bは同側面図である。
【図2】図2Aは本実施形態の免震装置10の上面図であり、図2Bは側面図である。
【図3】図3Aは、連結部材22の拡大上面図であり、図3Bは同側面図である。
【図4】図4Aは、脚部52及び規制部材27を拡大して示す側断面図であり、図4Bは、図4A中のB−B矢視図である。
【図5】図5A乃至図5Cは、展示ケース50が照明器具を有する場合の問題点の説明図である。
【図6】図6A乃至図6は、上記問題点を解決するための工夫の説明図である。
【図7】図7A及び図7Bは、本実施形態の免震装置10の望ましい構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
===本実施形態===
図2A及び図2Bは、本実施形態の免震装置10の説明図である。図2Aは免震装置10を上方から見た平面図たる上面図であり、図2Bは、図2A中のB−B矢視図たる側面図である。
【0023】
この免震装置10は、例えば、美術館や博物館等の展示室の床面2上に設けられる。そして、展示室内の展示品(不図示)を展示ケース50ごと免震支持し、これにより、地震から展示品を保護する。
【0024】
免震装置10は、床面2(「地面側の部材」に相当)に固定される固定板11と、固定板11の上面を摺動面11aとして水平方向に摺動可能に載置される滑動板13と、滑動板13の上面に載置されて、展示品及び展示ケース50(「載置物」に相当)の重量を受けつつ当該重量を滑動板13へ伝達する受圧板20と、を有する。
【0025】
固定板11は、床面2上に水平配置された1.0mm〜2.5mm程度の厚み(平均厚み)のステンレス板を本体とし、その水平な上面が摺動面11aとなる。一方、滑動板13は、例えば、少なくとも下面が樹脂コーティングされた1.0mm〜2.0mm程度の厚み(平均厚み)の鋼板であり、この下面が摺動面13aとして、固定板11の上面たる上記摺動面11aに当接している。そして、所定面圧が摺動面11a,13aの全面に亘って略均一に作用する条件の下では、所定レベルの地震動の際に、所定の静止摩擦係数で摺動を開始する。
【0026】
すなわち、所定震度以内の床面2の水平振動に対しては、固定板11と滑り板13とは摺動しないが、所定震度を超える床面2の水平振動に対しては、滑動板13が固定板11に対して速やかに摺動するように上記の静止摩擦係数が設定されており、これにより、展示ケース50内に収容支持された展示品への過大な振動の入力を防ぎ、その破損を防止する。なお、地震動が落ち着いた後には、固定板11に対して水平方向のずれた位置に移動した滑り板13や受圧板20を、手作業によりスライド等して、図2A及び図2Bのような正規の位置に戻すことになる。
【0027】
かかる固定板11及び滑動板13は、その平面サイズに関して統一された規格寸法を有していても良く、本実施形態ではそうなっている。そして、更に、この例では、固定板11の規格寸法と滑動板13の規格寸法とは互いに同寸に揃っていて、それぞれ、例えば500×500mmの矩形平板を分割不能な一単位としている。ここでは、当該規格寸法の矩形平板のことを、それぞれ単位固定板11s及び単位滑動板13sと言う。
【0028】
また、図2Aに示すように、これよりも小さいサイズが必要な場合には、これら単位固定板11s及び単位滑動板13sを必要サイズに切断し、これらを、端数固定板11s’及び端数滑動板13s’として使用しても良い。なお、以下の説明では、説明の都合上、これら単位固定板11s及び端数固定板11s’を総称して、分割固定板11sと言い、また、単位滑動板13s及び端数滑動板13s’を総称して、分割滑動板13sと言う。
【0029】
そして、免震装置10として使用する際には、展示ケース50の平面形状に対応させながら、その平面サイズが展示ケース50の平面サイズとほぼ同等のサイズとするか、または展示ケース50の平面サイズより大きいサイズとなるように、展示室の床面2に、複数枚の分割固定板11s,11s…を配置する。この時、互いに隣り合う分割固定板11s,11s同士が端縁にて突き合わされるようにする。これにより、これら分割固定板11s,11s…は、互いに隣り合う分割固定板11s,11s同士の間にほぼ隙間無く且つ上下に段差無く敷き詰められる。そうしたら、次に、各分割固定板11sの上面11aに、分割固定板11sと同様の配置パターンで、同数の分割滑動板13sを配置する。この時、上述の分割固定板11sの場合と同様、互いに隣り合う分割滑動板13s,13s同士が端縁にて突き合わされるようにする。これにより、これら分割滑動板13s,13s…は、互いに隣り合う分割滑動板13s,13s同士の間にほぼ隙間無く且つ上下にほぼ段差無く敷き詰められる。
【0030】
例えば、図2A及び図2Bの例では、展示ケース50の平面サイズが、2400mm×800mmの矩形サイズよりも若干大きいサイズである。そのため、これに倣って、分割固定板11s,11s…にあっては、水平方向に縦2列×横5列の計10枚が敷き詰められ、これにより、2400mm×800mmの平面サイズの分割固定板11s,11s…の一群が形成されている。そして、当該一群が、全体として一枚の固定板11として機能する。
また、当該分割固定板11s,11s…の一群たる固定板11の上面11aには、同様に10枚の分割滑動板13s,13s…が、水平方向に縦2列×横5列で敷き詰められ、これにより、2400mm×800mmの平面サイズの分割滑動板13s,13s…の一群が形成されている。そして、当該一群が、摺動時に、全体として一枚の滑動板13として機能するように、水平方向に隣り合う分割滑動板13s,13s同士は順次連結され、これにより全ての分割滑動板13s,13s…は一体化されている。
【0031】
かかる分割滑動板13s,13s同士の連結は、例えば粘着テープ等の適宜な連結部材(不図示)を、分割滑動板13s,13s同士の境界を跨らせながら、これら分割滑動板13s,13sの上面に貼り付けることでなされる。また、分割固定板11s,11s…の床面2への固定は、分割固定板11sの下面と床面2との間に接着剤(不図示)を介在させるか、或いは両面テープ(不図示)を介在させることにより行われる。
【0032】
受圧板20は、展示品及び展示ケース50の重量を、滑動板13の略全平面に亘って均一な面圧で滑動板13に伝達するためのものである。すなわち、展示ケース50は、図2A及び図2Bに示すように下方に突出した複数(この例では4つ)の脚部52,52…を有する。そして、これら脚部52,52…を介して当該重量が滑動板13に局所的に作用し得るが、その場合には、前述した静止摩擦係数の面圧依存性に基づいて全体的に静止摩擦係数が計画値からずれてしまう。より詳しくは、脚部52が当接する部位の下方の摺動面11a,13aでの面圧と、脚部52が当接しない部位の下方の摺動面11a,13aでの面圧とが互いに異なってしまい、そうすると、互いの静止摩擦係数が異なる結果、全体として計画通りの静止摩擦係数を得難くなる。
【0033】
この点につき、図2Bのように受圧板20を滑動板13の上に載置すれば、各脚部52,52…から受圧板20へ付与される集中荷重が、受圧板20の厚み方向に伝達される間に、略均一な面圧に変換されて滑動板13に伝達され、これにより、滑動板13の摺動面13aと固定板11の摺動面11aとの間の静止摩擦係数は、全面に亘って略均一となり、その結果、摺動面11a,13aの略全面に亘って、静止摩擦係数をほぼ一定に揃えることができる。
【0034】
なお、かかる面圧均一化機能を確実に受圧板20が奏するためには、その上下方向の剛性を高めるべく或る程度の厚みが受圧板20には必要であり、そのため、この例では12mm厚の鋼製厚板が使用されている。
【0035】
また、かかる受圧板20の平面サイズは、分割滑動板13s,13sの一群たる滑動板13の平面サイズと同サイズ又はこれよりも若干広いサイズに設定されている。但し、受圧板20が厚板であることに起因してその重量が重いことから、本実施形態では、その運搬性を考慮して受圧板20を運搬可能なサイズに分割しており、つまり、複数の分割板20s,20s…が一体に連結されて受圧板20が形成されている。
【0036】
例えば、この例では、受圧板20は、前述の滑動板13(分割滑動板13s,13s…の一群)の平面サイズを三分割した平面サイズに分割されている。より具体的に言えば、滑動板13の平面サイズは2400mm×800mmであるので、このサイズを三分割してなる受圧板20の分割板20sは、約800×800mmの矩形平板を分割不能な一単位としている。そして、これら三枚の分割板20s,20s,20sが、連結部材22,22…にて連結一体化されている。
【0037】
ここで、互いに隣り合う分割板20s,20s同士は、連結部材22を介して鉛直荷重が伝達されるように連結されている(以下、この連結のことを「剛結合」ともいう)。よって、当該分割板20s,20s,20sの形態でも、これら三枚がひとまとまりとなって概ね一枚の高剛性の受圧板20として機能し得て、その結果、展示ケース50の脚部52の形態によらず、上述の面圧均一化機能を発揮することができる。詳しくは次の通りである。
【0038】
例えば、図2Aに示すように、展示ケース50がその四隅に一つずつ計4個の脚部52,52,52,52を有し、且つこれら脚部52,52…が三枚の分割板20s,20sのうちで両端の二枚の分割板20s,20sにのみ配置され、真ん中の分割板20sに配置されない場合に、分割板20s,20s同士が剛結合されていないと、真ん中の分割板20sには、展示品及び展示ケース50の重量が一切作用しないので、両端の分割板20s,20sの下方の滑動板13及び固定板11の摺動面13a,11aの面圧と、真ん中の分割板20sの下方の滑動板13及び固定板11の摺動面13a,11aの面圧とが、互いに大きく相違することなる。つまり、面圧均一化機能を損ねてしまうことになり、結果、摺動面11a,13aの静止摩擦係数を全体として計画値に設定し難くなる。
【0039】
この点につき、本実施形態のように隣り合う分割板20s,20s同士を連結部材22により剛結合させていれば、脚部52が配置されない真ん中の分割板20sにも、展示品及び展示ケース50の重量が、連結部材22を介して両端の分割板20s,20sから速やかに伝達される。よって、真ん中の分割板20sの下方の摺動面13a,11aの面圧と、両端の分割板20s,20sの下方の摺動面13a,11aの面圧とは、概ね同じ大きさに揃えられ、結果、受圧板20の面圧均一化機能は損なわれずに発揮される。これにて、摺動面11a,13aの静止摩擦係数を全体として計画値に設定し易くなる。
【0040】
図3Aは連結部材22の拡大上面図であり、図3Bは同側面図である。本実施形態では、かかる剛結合をするための連結部材22として連結プレート22を使用している。連結プレート22は、隣り合う分割板20s,20s同士の境界を跨ぎつつ各分割板20s,20sの上面に架け渡されてボルト24,24…で固定されている。詳しくは、当該連結プレート22は、その下面22bを分割板20sの上面20saに面接触した状態で、ボルト24,24…により分割板20sに締結固定されており、これにより、連結プレート22と下面22bと分割板20sの上面20saとは、ボルト24の軸力に基づく所定の圧接力で圧接されている。また、連結プレート22は、上下方向たる厚み方向の剛性が高いプレートであり、上下方向に撓み変形し難いものである。この例では、厚さ12mmの鋼製厚板が使用されている。そして、このような連結プレート22を用いれば、当該連結プレート22を介して、隣り合う分割板20s,20s同士の間の鉛直荷重の伝達が速やかになされ、その結果として、分割構造の受圧板20にあっても、問題なく面圧均一化機能を発揮することができる。
ちなみに、「剛結合」の定義については、例えば「鉛直面内のモーメントを伝達可能な連結構造」と表現することもできる。
【0041】
このような連結部材22は、例えば図2Aの例では、分割板20s,20s同士の間の境界線の両端位置P22,P22にそれぞれ一つずつ配置されており、これにより、互いに隣り合う分割板20s,20sのうちの一方の分割板20sから他方の分割板20sへの鉛直荷重の伝達が略均一に行われる。なお、この鉛直荷重の伝達作用を高めるべく、連結部材22を、上述の両端位置P22,P22同士の間の任意の位置に追設しても良く、例えば、両端位置P22,P22の中間位置に追設しても良い。
【0042】
また、望ましくは、図4A及び図4Bに示すように、受圧板20の上面における展示ケース50の脚部52に対応する位置には、脚部52の水平移動を規制する規制部材27が固設されていると良い。なお、図4Aは、脚部52及び規制部材27を拡大して示す側断面図であり、図4Bは、図4A中のB−B矢視図である。
【0043】
この例では、脚部52は、アジャスター機能を有する。すなわち、脚部52は、例えば展示ケース50の底部50aに上端部53aが固定された鉛直棒部材53と、鉛直棒部材53の下端部53bに螺合しつつ受圧板20の上面に当接する皿部材54と、を有している。そして、皿部材54を鉛直棒部材53に対して螺合回転することにより、皿部材54の上下方向の位置を調整可能であり、これにより脚部52の着座高さが調節される。
【0044】
他方、規制部材27は、脚部52の周囲を囲む位置に配置されている。この例では、脚部52の皿部材54の平面形状が略円形であることから、規制部材27としては、平面中心部に円孔27hが貫通形成された矩形プレート27が使用されている。より詳しくは、受圧板20の上面に、矩形状の規制プレート27がボルト29,29…により相対移動不能に固定された状態において、規制プレート27の上記円孔27hの内側に、脚部52の皿部材54が収容されている。そして、この収容状態においては、円孔27hの内周面27haと皿部材54との間には、所定のクリアランスが全周に亘って形成されている。よって、地震動等の水平振動により、展示ケース50が受圧板20に対して上記クリアランス以上水平移動した際には、規制プレート27の円孔27hの内周面27haに皿部材54が当接して、それ以上の移動を不能に規制する。これにより、受圧板20の上面からの展示ケース50の脱落を防ぐことができる。
【0045】
かかる規制部材27は、全ての脚部52,52…に対してそれぞれ設けても良いが、少なくとも互いに平面位置の異なる2つの脚部52,52に対して設ければ、展示ケース50の受圧板20に対する水平移動を規制することができる。
【0046】
ところで、展示品によっては、展示ケース50に照明器具(「電気器具」に相当し、不図示)を設置して例えば下方からライトアップすることがある。その場合には、図5Aの側断面図に示すように、展示室の床面2に電気コンセント61が固設され、また、展示ケース50の底部50aには、照明器具の電源ケーブル62が敷設され、電源ケーブル62の末端の電気プラグ63が、上記電気コンセント61の上面に上方から接続されることにより、照明器具は給電される。
【0047】
このような展示ケース50において、図5Bに示すように地震時に滑動板13が固定板11に対して摺動すると、滑動板13や受圧板20と一緒に展示ケース50も水平移動することになるが、ここで、仮に、電源ケーブル62の余長を超えて展示ケース50が水平移動した際に電気プラグ63が電気コンセント61から外れないと、電源ケーブル62が展示ケース50を引っ張ることになる。つまり、展示ケース50の水平移動を制止する制止力が電源ケーブル62を通じて展示ケース50に付与されて、結果、展示ケース50の免震状態を阻害する虞がある。
【0048】
また、図5Cに示すように電気プラグ63が外れた場合であっても、当該外れた電気プラグ63が床面2上に載った状態になっていると、上述の滑動板13の摺動時に、電気プラグ63や電源ケーブル62が床面2を摺りながら移動することとなって、これによっても、電源ケーブル62を介して展示ケース50には制止力が付与されて、展示ケース50の免震状態が阻害される虞がある。
【0049】
更に、同図5Cに示すように、これら電気プラグ63の先端部や電源ケーブル62が、床面2と滑動板13との間に挟み込まれた場合にも、滑動板13は制止され、これによっても展示ケース50の免震状態は阻害され得る。
【0050】
そのため、これら免震状態を阻害する要因に対処すべく、本実施形態では、電源ケーブル62等に関して幾つかの工夫をしている。以下、これについて説明する。
先ず、一つ目の工夫としては、この電気コンセント61に、マグネット方式のコンセント61を使用している。このマグネット方式のコンセント61は、接続時に電気プラグ63と対向すべき面に磁石が内蔵されたものであり、その磁力でもって電気プラグ63を接続状態に保持する。但し、磁力を超える大きさの外力が離間方向に作用すると、比較的容易に電気プラグ63は外れる。従って、図6Bに示すように滑動板13と一緒に水平移動する展示ケース50の電源ケーブル62が余長限界に達して張った際には、速やかに電気プラグ63が電気コンセント61から外れ、これにより、展示ケース50の水平移動を制止する制止力が、電源ケーブル62から展示ケース50に作用することは防止される。その結果、免震性の阻害は抑制される。
【0051】
また、二つ目の工夫として、図6Aに示すように、電気プラグ63と展示ケース50の底部50aとの間には、電気プラグ63を引き上げ支持する引き上げ支持部材70が介装されている。そして、この引き上げ支持部材70によれば、図6Bや図6Cに示すように電気コンセント61から電気プラグ63が外れた際に、電気プラグ63が空中に浮くように電気プラグ63を引き上げ支持する。よって、電気プラグ63や電源ケーブル62が床面2を摺って移動することや、これら床面2を摺って移動する電気プラグ63や電源ケーブル62が、床面2と滑動板13との間に挟み込まれることは有効に回避される。
【0052】
このような機能の引き上げ支持部材70の一例としては、コイルスプリング等のばね部材70が挙げられる。図6Aに示すように、ばね部材70の上端部70aは、展示ケース50の底部50aに固定され、同下端部70bは、電気プラグ63の上部に固定される。また、同図6Aの電気プラグ63が電気コンセント61に接続された状態下において、電気プラグ63の下端部は床面2と略同高であり、更に、このばね部材70には、上下方向の引っ張り力が生じている。そして、この引っ張り力の大きさは、例えば、電気プラグ63の重量よりも大きく、当該重量と磁石の磁力との合計値よりも小さい力に予め初期設定されている。よって、外力が作用しない状態では、上記の接続状態は維持されるが、外力が作用した際には、速やかに外れ、そして、外れた際には、電気プラグ63は床面2の上方に浮いた状態となる。
【0053】
また、このばね部材70の引っ張り力は、電気プラグ63を電気コンセント61から外す方向たる上方に作用している。そのため、電気プラグ63に対して上方への少しの外力が作用しただけでも、当該電気プラグ63は電気コンセント61から外れるようになり、このことも、前述の電源ケーブル62の引っ張りによる免震状態の阻害を有効に抑制する。
【0054】
なお、上述のマグネット方式のコンセント61に代えて、非接触給電方式のコンセント61を用いても良い。非接触給電方式とは、電気コンセント61と電気プラグ63との間に電気接点を有さずに、例えば電磁誘導に基づいてコンセント61から電気プラグ63へと電力供給するものである。より詳しくは、例えばコンセント61内のコイルに交流電流が流れるとその周囲に変動磁場が生じるが、この変動磁場により電気プラグ63内のコイルにも交流電流が誘起し、これを照明器具の電力に使用するものである。
そして、この非接触給電方式のコンセント61においても、上述のマグネット方式の場合と同様に、電気プラグ63との電気接点の接続に際し強固な差し込み構造を有しないので、比較的小さな外力で容易に電気コンセント61から電気プラグ63を外すことができる。そのため、前述の電源ケーブル62の引っ張りによる免震状態の阻害を有効に抑制可能となる。
【0055】
また、望ましくは、図7Aに示すように、展示室の床面2のうちで免震装置10の固定板11が固定される面2aの鉛直方向の高さが、同床面2のうちで固定板11を囲む周囲の面2bの高さよりも高くなっていると良い。このようになっていれば、滑動板13は、摺動時に床面2b(2)に引っ掛かる等の床面2b(2)との干渉をし難くなり、その結果、計画通りの免震性を発揮し易くなる。詳しくは次の通りである。
【0056】
図7Bに示すように、滑動板13の摺動時には、滑動板13の一部が、固定板11から側方にはみ出すが、その際、床面2bにおける固定板11の周囲の面2bの高さと滑動板13の高さとの高低差が小さいと、滑動板13の剛性等の関係で滑動板13のはみ出し部分が下方に撓む等した際に、当該はみ出し部分が床面2b(2)に当接して擦ってしまい、滑動板13の摺動を制止してしまう虞がある。
【0057】
この点につき、この図7Aの例では、床面2のうちで固定板11が固定される面2a(2)の高さを、その周囲の面2b(2)の高さよりも高くしている。例えば、この例では、建物の躯体上面1の略全面1bに亘って床タイル等の床仕上げ材3を敷いて、当該床仕上げ材3の上面を床面2b(2)としているが、躯体上面1のうちで固定板11が固定される面1aについては、上記の床仕上げ材3よりも厚みの厚い合板4を嵩上げ材4として敷いて、この嵩上げ材4の上面を床面2a(2)としている。
【0058】
よって、床仕上げ材3と嵩上げ材4との間の厚み差分だけ、滑動板13は、より一層高い位置を水平移動可能となり、これにより、固定板11からはみ出した滑動板13の部分が、床面2における上記周囲の面2bに当接し難くなり、結果、滑動板13の摺動は妨げられ難くなって、当該免震装置10は計画通りの免震性を発揮し易くなる。
【0059】
ちなみに、床面2のうちで固定板11が固定される面2aの高さと、同床面2のうちで固定板11の周囲の面2b(2)の高さとの差δは、例えば2mm〜5mmの範囲の任意値に設定されると良い。
【0060】
また、床仕上げ材3は、Pタイルやタイルカーペット等の床タイルに限らず、単なるカーペットでも良く、他方、嵩上げ材4も、ある程度の剛性を有し且つ平坦であれば何等上述の合板に限るものではなく、鉄板等の金属板でも良い。更に言えば、上述の床仕上げ材3については設けずに、建物の躯体上面1を床面2b(2)としても良い。
【0061】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
【0062】
上述の実施形態では、展示ケース50の平面形状が矩形形状であったため、固定板11、滑動板13、及び受圧板20の平面形状を矩形形状にしていたが、何等これに限るものではない。例えば、展示ケース50の平面形状がL字形状の場合には、当該形状に倣って、固定板11、滑動板13、及び受圧板20の平面形状をL字形状にしても良いし、更に言えば、展示ケース50の平面形状に制約されずに、展示ケース50の平面形状とは全く異なる独自の平面形状にしても良い。
【0063】
上述の実施形態では、載置物として展示品及び展示ケース50を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、展示ケース50が無く、展示品のみを載置物としても良い。その場合には、展示物の脚部が受圧板20の上面に当接されることになる。
【0064】
上述の実施形態では、連結部材22として連結プレート22を例示したが、分割板20s,20s同士を剛結合可能な部材であれば、何等これに限るものではない。例えば、分割板20s,20s同士の間に連結部材22として溝形鋼やH形鋼などの形鋼を介装するとともに、当該形鋼のフランジ板と分割板20sの端面とをボルト止めや溶接等で相対移動不能に接合することによっても、上述の剛結合を達成可能である。
【0065】
上述の実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、互いに隣り合う分割板20s,20s同士の間に隙間Gが形成されていたが、この隙間Gが無くなるように分割板20s,20s同士を端縁にて突き合わせて連結しても良い。なお、このようにすれば、分割板20s,20s同士の一体性をより高めることができる。
【0066】
上述の実施形態では、分割板20s,20s同士を連結する連結部材22たる連結プレート22を、受圧板20の外形輪郭の近傍位置に設置していたが、その設置位置は、何等これに限るものではなく、受圧板20の外形輪郭から離れた位置に設けても良い。
【0067】
上述の実施形態の説明では、滑動板13の下面をコーティングする樹脂素材について、詳しく述べていなかったが、その素材としては、例えば、有機系摩擦材や無機系摩擦材等を使用し得る。有機系摩擦材は、熱硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カーボンファイバーなどの繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成される。上記熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,DFK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などがある。
【0068】
上述の実施形態では、固定板11としてステンレス板を例示し、滑動板13として下面が樹脂コーティングされた鋼板を例示したが、何等これに限るものではない。すなわち、互いの摺動面11a,13a同士が所期の面圧で押し付けられた際に、計画通りの静止摩擦係数を生じる板材であれば、使用可能である。ちなみに、面圧は、展示品、展示ケース50、及び受圧板20の重量の合計値を、摺動面11a及び摺動面13aの面積のうちで小さい方の面積で除算して得られる。
【0069】
上述の実施形態では、展示ケース50の脚部52の受圧板20に対する水平相対移動を規制する規制部材27として、脚部52を収容する円孔27hが平面中心部に形成された規制プレート27を例示し、脚部52をその全周囲に亘って囲むようにしていたが、何等これに限るものではない。例えば、脚部52の周囲の一部のみを囲むように規制部材27を配置しても、一定の規制効果を得ることができる。
【0070】
上述の実施形態では、電気プラグ63の引き上げ支持部材70としてコイルスプリング等のばね部材70を例示したが、電気プラグ63を引き上げ支持可能な部材であれば何等これに限るものではなく、ゴム等の弾性部材を用いても良い。
【0071】
上述の実施形態では、展示ケース50に設けられる電気器具として、照明器具を例示したが、電源ケーブル62を用いた電力供給が必要な器具であれば、これ以外の器具でも構わない。
【符号の説明】
【0072】
1 躯体上面、1a 面、1b 略全面、
2 床面(地面側の部材)、2a 面、2b 周囲の面、
3 床仕上げ材、
4 合板(嵩上げ材)、
10 免震装置、
11 固定板、11a 摺動面、
11s 単位固定板(分割固定板)、11s’ 端数固定板(分割固定板)
13 滑動板、13a 摺動面、
13s 単位滑動板(分割滑動板)、13s’ 端数滑動板(分割滑動板)
20 受圧板、20s 分割板、20sa 上面、
22 連結プレート(連結部材)、22b 下面、
24 ボルト、
27 規制プレート(規制部材)、27h 円孔、27ha 内周面、
29 ボルト、
50 展示ケース(載置物)、50a 底部(載置物)、
52 脚部、53 鉛直棒部材、53a 上端部、53b 下端部、
54 皿部材、
61 電気コンセント、62 電源ケーブル、63 電気プラグ、
70 ばね部材(引き上げ支持部材)、70a 上端部、70b 下端部、
P22 位置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置物を免震支持する免震装置であって、
地面側の部材に固定される固定板と、
前記固定板の上面を摺動面として水平方向に摺動可能に載置される滑動板と、
前記滑動板の上面に載置されて、前記載置物の重量を受けて当該重量を前記滑動板へ伝達する受圧板と、を有し、
前記摺動面の静止摩擦係数は、前記摺動面の面圧の大きさによって変化し、
前記受圧板は、水平方向に隣り合う複数の分割板が、連結部材によって連結されて構成され、
前記複数の分割板のうちで互いに隣り合う分割板同士は、前記連結部材を介して鉛直荷重が伝達されるように連結されていることを特徴とする免震装置。
【請求項2】
請求項1に記載の免震装置であって、
前記載置物は、前記載置物の重量を支持する脚部を有し、
前記受圧板の上面のうちで前記脚部の周囲を囲む位置には、前記脚部の前記受圧板に対する水平相対移動を、前記脚部に当接することにより規制する規制部材が固定されていることを特徴とする免震装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の免震装置であって、
前記固定板が固定される前記地面側の部材は、床面であり、
前記床面のうちで前記固定板が固定される面の高さは、前記床面のうちで前記固定板を囲む周囲の面の高さよりも高くなっていることを特徴とする免震装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の免震装置であって、
前記固定板が固定される前記地面側の部材は、床面であり、
前記載置物は、電気器具と、前記電気器具に電力供給する電気プラグ付きの電源ケーブルと、を有し、
前記床面には、前記電気プラグが着脱可能に接続される電気コンセントが固設されており、
前記電気コンセントは、前記電気プラグを磁力で取り付けるマグネット方式のコンセントか、或いは非接触で前記電気プラグへ給電する非接触給電方式のコンセントであり、
前記電気コンセントから前記電気プラグが外れた際に、前記電気プラグが空中へ浮くように前記電気プラグを引き上げ支持する引き上げ支持部材が、前記電気プラグと前記載置物との間に介装されていることを特徴とする免震装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−145165(P2012−145165A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3946(P2011−3946)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】