説明

入出力装置

【課題】触覚でタッチの対象となっている箇所が認識でき、視覚障害者においても操作が可能となる入出力装置を提供する。
【解決手段】マトリクス状に配置される複数の構造体を備える入出力装置であって、前記各構造体は、タッチ対象であることを示す画像を表示する表示装置と、前記表示装置の操作者側に配置され、前記操作者の指が触れたことを検出するタッチ検知装置と、前記表示装置の前記操作者の反対側に配置されるタッチパネル移動装置とで構成され、前記各構造体の前記タッチパネル移動装置は、自構造体の表示装置がタッチ対象であることを示す画像を表示する場合に、自構造体の前記表示装置と前記タッチ検出装置とを、前記自表示装置の表示面に対して垂直に移動させ、前記操作者が操作可能な箇所を視覚および触覚で認識可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出力装置に係り、特に、情報処理装置の入出力装置であるタッチパネルについて、操作者が、タッチの対象となる箇所を視覚のみではなく、触覚でも認識できるようにした入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の入出力装置であるタッチパネルは、処理装置からの指示により、操作者がタッチすべき箇所が、表示装置上に図形および文字で表示される。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2002一222057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のタッチパネルは、操作者のタッチの対象となる箇所が、表示装置上に図形および文字で表示されるため、視覚障害者にとっては、タッチパネルを用いて操作することが困難であるという課題があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、触覚でタッチの対象となっている箇所が認識でき、視覚障害者においても操作が可能となる入出力装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
前述の課題を解決するために、本発明は、マトリクス状に配置される複数の構造体を備える入出力装置であって、前記各構造体は、タッチ対象であることを示す画像を表示する表示装置と、前記表示装置の操作者側に配置され、前記操作者の指が触れたことを検出するタッチ検知装置と、前記表示装置の前記操作者の反対側に配置されるタッチパネル移動装置とで構成され、前記各構造体の前記タッチパネル移動装置は、自構造体の表示装置がタッチ対象であることを示す画像を表示する場合に、自構造体の前記表示装置と前記タッチ検出装置とを、前記自表示装置の表示面に対して垂直に移動させることにより、タッチの対象となる前記タッチパネルとタッチの対象とならない前記タッチパネルで高低差を持たせ、操作者が操作可能な箇所を、視覚および触覚で認識可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、触覚でタッチの対象となっている箇所が認識できるようになり、視覚障害者においても操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、従来のタッチパネルを示す図である。
図1において、100はタッチパネル本体、11はタッチパネルに表示されたタッチの対象となるタッチ対象部分を示す。
図1に示すように、前述した従来のタッチパネルでは、操作者のタッチの対象となる箇所が、表示装置上に図形および文字で表示されるだけであるため、視覚障害者にとっては、タッチパネルを用いて操作することが困難であるという課題があった。
図2は、本発明の実施例のタッチパネルを用いた入出力装置を示す図である。
図2において、200はタッチパネルを用いた入出力装置本体、21は格子状に複数個配置した構造体である。
各構造体21は、タッチ検知装置および薄型の表示装置から構成されるタッチパネル22と、タッチパネル22をタッチパネルの平面とは垂直方向に移動させるタッチパネル移動装置23とで構成される。なお、図2において、24はタッチの対象となるタッチパネルをタッチの対象とはならないタッチパネルより浮き出させた状態である浮き出しタッチパネルを示す。
【0008】
図3は、本実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、タッチの対象となるタッチパネルが存在しない状態を側面から見た図である。
図3において、31はタッチパネル、32はタッチ検知装置、33は薄型の表示装置、34はタッチパネルをタッチパネルの平面とは垂直方向に移動させるタッチパネル移動装置、35は移動軸を示す。ここで、タッチ検知装置32は、例えば、操作者が押したときの圧力を検出するタイプのもので構成される。タッチ検知装置32を、操作者の指がタッチした時は、タッチ検知装置32は、操作者の指がタッチした情報を外部の処理装置に伝達される。
また、薄型の表示装置33は、外部の処理装置の制御下のもとに、例えば、ドットマトリクスによって図形および文字を表示する。
図4は、本実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、タッチの対象となるタッチパネルが存在する状態を側面から見た図である。
図4において、41はタッチパネル、42はタッチ検知装置、43は薄型の表示装置、44はタッチパネルをタッチパネルの平面とは垂直方向に移動させるタッチパネル移動装置、45は移動軸、46はタッチの対象となるタッチパネルが移動した移動状態を示す。
ここで、タッチパネル移動装置44は、外部の処理装置の制御下のもとに、タッチパネルを垂直方向に移動させる。
【0009】
図5は、本実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、1個の構造体を拡大して示す図である。
図5において、51はタッチパネル、52はタッチパネルを構成するタッチ検知装置、53はタッチパネルを構成する薄型の表示装置、54は移動軸、55はタッチパネルを移動軸54を用いてタッチパネルの平面とは垂直方向に移動させるタッチパネル移動装置、56は電磁石、57は永久磁石、58はバネである。
図5の構成では、電磁石56に通電することにより、電磁石56の永久磁石57と接する面が永久磁石57とは反対の極性に励磁されることによる反発によって、移動軸54がタッチパネルの平面とは垂直方向に移動する。これにより、タッチパネル51がタッチパネルの平面とは垂直方向に移動する。
電磁石56が励磁状態ではなくなった場合にバネ58の反発力によって移動軸54およびタッチパネル51が移動前の位置に戻る。
以上説明したように、本実施例では、表示装置とタッチ検出装置とを、垂直に移動させることにより、タッチの対象となるタッチパネルと、タッチの対象とならないタッチパネルで高低差を持たせ、操作者が操作可能な箇所を、視覚および触覚で認識可能としたので、視覚障害者においても操作が可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来のタッチパネルを示す図である。
【図2】本発明の実施例のタッチパネルを用いた入出力装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、タッチの対象となるタッチパネルが存在しない状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、タッチの対象となるタッチパネルとタッチの対象とならないタッチパネルで高低差がついている状態を示す図である。
【図5】本発明の実施例のタッチパネルを用いた入出力装置において、1個の構造体を拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0011】
11 タッチ対象部分
21 構造体
22,31,41,51 タッチパネル
23,34,44,55 タッチパネル移動装置
24 浮き出しタッチパネル
32,42,52 タッチ検知装置
33,43,53 表示装置
35,45,54 移動軸
46 移動状態
56 電磁石
57 永久磁石
58 バネ
100 タッチパネル本体
200 入出力装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置される複数の構造体を備える入出力装置であって、
前記各構造体は、タッチ対象であることを示す画像を表示する表示装置と、
前記表示装置の操作者側に配置され、前記操作者の指が触れたことを検出するタッチ検知装置と、
前記表示装置の前記操作者の反対側に配置されるタッチ移動装置とで構成され、
前記各構造体の前記タッチパネル移動装置は、自構造体の表示装置がタッチ対象であることを示す画像を表示する場合に、自構造体の前記表示装置と前記タッチ検出装置とを、前記自表示装置の表示面に対して垂直に移動させ、前記操作者が操作可能な箇所を視覚および触覚で認識可能としたことを特徴とする入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−128643(P2010−128643A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300632(P2008−300632)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(391002409)株式会社 日立システムアンドサービス (205)
【Fターム(参考)】