説明

入出力装置

【課題】利用者がタッチパネルディスプレイに対する入力操作の際に、安定して保持することが可能な入出力装置を提供する。
【解決手段】入出力装置10において、利用者の腕100を挟むための内側側面46,48を有するリブ部材36,38が、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されており、入出力装置10自体が載置面8上に置かれた場合には、可動リブ部材38が、載置面8上に当接して画像表示面20の画面傾斜角度θgを固定する。従って、上記リブ部材36,38が、入出力装置10を保持する利用者の腕100を入出力装置10に対して拘束するので、利用者は、タッチパネルディスプレイ12に対する入力操作の際に、上記腕100をタッチパネルディスプレイ12の背面側に回して入出力装置10を安定して保持することができる。また、入出力装置10を載置面8上に置き例えばデジタルフォトフレームとしても使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルディスプレイを備えた入出力装置において、その操作性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスペン等を用いて入力操作を行うタッチパネルディスプレイを備えた入出力装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された画像入力処理装置がそれである。その特許文献1の画像入力処理装置は、CCD撮像ユニットと、そのCCD撮像ユニットで撮像した画像データを表示するとともに入力操作可能なタッチパネルディスプレイとを備えている。また、前記CCD撮像ユニットは、ケース本体に対して回転可能に取り付けられており、撮像方向を変更できるようになっている。また、そのCCD撮像ユニットを回転させるための操作部、及び、そのCCD撮像ユニットのシャッタは、利用者が片手で操作可能な範囲に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−341363号公報
【特許文献2】特開2003−150299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の画像入力処理装置は、撮像行為などの操作を基本的に片手ですることが可能な装置であって、利用者の手のひらに載る程度の所謂手のひらサイズの小さな装置である。このような小さな装置では、利用者は自身の手でその装置自体をしっかりと掴み保持することが容易であるので、タッチパネルディスプレイに対する入力操作において、一方の手で装置を安定させ、他方の手で所謂手書き入力により文字や図形等をきれいに入力することは、それほど困難なものではない。
【0005】
ここで、画像を表示することを主要機能とするデジタルフォトフレームのような入出力装置では、画像を見やすい方が良いので画面が大きい方がよく、例えば、その画面サイズが7〜10”(インチ)程度のものがある。そのような入出力装置は、画面を見易い所定角度で机上等に載置して利用されるが、利用者は、上記入出力装置(例えばデジタルフォトフレーム)のタッチパネルディスプレイに対して入力操作をする場合、その机上等に載置された状態のままでは入力操作し難いものである。特に、前記手書き入力において文字や図形等をきれいに入力することは困難であると考えられる。そこで、利用者は、タッチパネルディスプレイに対して入力操作をする場合には、手に持ってその入力操作することになる。
【0006】
しかし、タッチパネルディスプレイの画面サイズが上記のように7〜10”程度になると、手のひらに載るほど小さくはないので、そのタッチパネルディスプレイを備えた入出力装置を前記手のひらサイズのものと同様にして保持することは困難であり、例えば、利用者は上記入出力装置を片方の腕に載せて保持することになる。このように利用者が片方の腕に載せる程度の大きさの入出力装置では、利用者は上記入出力装置を安定して保持し難く、タッチパネルディスプレイに対する入力操作において、前記手書き入力により文字や図形等をきれいに入力できないことがあった。例えば、タッチパネルディスプレイの画像表示面を所定角度傾けた状態で入出力装置を机上等に載置できるように、その入出力装置のケース背面に支持部材が突設されているものなどでは、特に、上記入出力装置を安定して保持し難かった。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、利用者がタッチパネルディスプレイに対する入力操作の際に、安定して保持することができる入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、(a)画像を表示するとともに利用者が操作する入力操作子が画像表示面へ接触したことを検出するタッチパネルディスプレイを前面に備えた入出力装置であって、(b)前記利用者の上肢の一部を挟むための側面を有するリブ部材が、前記タッチパネルディスプレイの背面側から突設されており、(c)前記入出力装置自体が載置面上に置かれた場合には、前記リブ部材が、その載置面上に当接して前記画像表示面の画面傾斜角度を固定することにある。
【発明の効果】
【0009】
このようにすれば、上記リブ部材が、前記入出力装置を保持する利用者の上肢をその入出力装置に対して拘束するので、利用者は、タッチパネルディスプレイに対する入力操作の際に、上記上肢すなわち手や腕を前記タッチパネルディスプレイの背面側に回して前記入出力装置を安定して保持することができる。その結果として、例えば、上記リブ部材が設けられていないものと比較して、タッチパネルディスプレイに対する前記手書き入力において文字や図形等をきれいに入力することが容易になる。また、前記入出力装置自体が載置面上に置かれた場合には、前記リブ部材が、その載置面上に当接して前記画像表示面の画面傾斜角度を固定するので、そのタッチパネルディスプレイに表示される画像を観賞する場合に、前記入出力装置をその観賞に適した姿勢で上記載置面上に置くことができる。そのため、例えば、前記入出力装置を、デジタル画像を表示する電子式の写真立てであるデジタルフォトフレームとしても使用することができる。
【0010】
ここで、好適には、前記リブ部材は、前記画像表示面の中央を基準として、そのリブ部材に挟まれる前記上肢の長手方向の両側に均等に振り分けられた形状である。このようにすれば、前記リブ部材に挟まれる上肢が利用者の左右何れの上肢であっても、同等に安定して前記入出力装置を保持することができる。
【0011】
また、好適には、(a)前記リブ部材とは、相互に対向する側面を有する少なくとも2つのリブ部材であり、(b)そのリブ部材に挟まれる前記上肢の太さに合わせて前記対向する側面の相互間隔を変化させるように、前記リブ部材のうち少なくとも1つを前記タッチパネルディスプレイに対して動かすことができるリブ間隔調節装置を備えている。このようにすれば、人によって手の大きさや腕の太さが異なるところ、前記リブ部材に挟まれる利用者の上肢の太さに合わせて、前記対向する側面の相互間隔を調節することが可能である。そのため、利用者の手の大きさや腕の太さのばらつきを吸収して、利用者は前記入出力装置を安定して保持することができる。
【0012】
また、好適には、前記画像表示面に対する垂線まわりに、前記リブ部材を前記タッチパネルディスプレイに対して回転させることができるリブ回転位置調節装置を備えている。このようにすれば、前記タッチパネルディスプレイに表示される画像の縦方向及び横方向を変えずに、前記リブ部材に挟まれる利用者の上肢の長手方向を上記タッチパネルディスプレイに対して変更できるので、前記入出力装置を保持するときの利用者の姿勢の自由度が高くなる。
【0013】
また、好適には、(a)前記入出力装置自体が前記利用者の上肢に保持されたことを検知する検知手段を備えており、(b)その検知手段により前記入出力装置自体が前記利用者の上肢に保持されたことが検知された場合には、前記画像表示面への接触操作による入力を受け付ける入力モードにする。このようにすれば、利用者は、上記上肢で前記入出力装置を保持した場合には、タッチパネルディスプレイに対して入力操作をしようとする意思を有しているものと考えられるので、利用者がタッチパネルディスプレイに対して入力操作をしようとする際に、利用者の手間を減らすことが可能である。
【0014】
また、好適には、前記画像表示面の垂線方向において、前記リブ部材全体の幅方向及び長手方向の中心位置が、その画像表示面内に設定された前記入力操作子による入力が可能な入力領域内に入る。このようにすれば、利用者は、タッチパネルディスプレイに対する入力操作を行う際に、その入力操作を行う側の手が前記入出力装置をタッチパネルディスプレイの背面側に向けて押す力を、前記リブ部材に挟まれた上肢で適切に受けることができる。そのため、利用者は、一層安定して前記入出力装置を保持することが可能である。特に、タッチパネルディスプレイに対する入力操作が前記手書き入力である場合には、それ以外の入力操作の場合と比較して、入力操作を行う側の手が前記入出力装置をタッチパネルディスプレイの背面側に向けて押す力が、大きくなるものと考えられるので、安定して前記入出力装置を保持することが可能であるという効果が一層顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が好適に適用されるタッチパネルディスプレイを備えた入出力装置を前面側から見たその外観を表す斜視図である。
【図2】図1の入出力装置を背面側から見たその外観を表す斜視図である。
【図3】図1においてIII方向に見た入出力装置の側面図である。
【図4】図1の入出力装置において図1のIV−IV方向に見たタッチパネルディスプレイまわりにおける入出力本体部の断面図である。
【図5】図1の入出力装置において図2のV方向に見た本体支持部の断面図である。
【図6】図1の入出力装置を載置面側から見た斜視図であって、可動リブ部材が基盤部に対して回動不可能とされた状態を表した図である。
【図7】図1の入出力装置を載置面側から見た斜視図であって、可動リブ部材が基盤部に対して回動可能とされた状態を表した図である。
【図8】図1の入出力装置を図3のVIII方向に見た視図、すなわち、画像表示面に対する垂直方向から入出力装置を見た背面図である。
【図9】図1の入出力装置を図5のIX−IX方向に見た断面図であって、リブ回転位置調節装置が操作されていない状態を表しており、そのリブ回転位置調節装置の説明をするための図である。
【図10】図1の入出力装置を図5のIX−IX方向に見た断面図であって、リブ回転位置調節装置が図10の矢印G方向から操作された状態を表しており、そのリブ回転位置調節装置の説明をするための図である。
【図11】図1に示す入出力装置の状態から、入出力本体部を本体支持部に対して画像表示面の垂線まわりに90度回転させてその回転角度を固定した場合を示した上記入出力装置の斜視図である。
【図12】利用者が図1の入出力装置を手で保持した状態を説明するための図であって、上記入出力装置を背面から見た斜視図である。
【図13】図12と同様に利用者が図1の入出力装置を手で保持した状態において、利用者の腕が図12に対して太い場合を表した上記入出力装置を背面から見た斜視図である。
【図14】図12と同様に利用者が図1の入出力装置を手で保持した状態であるが、図12とは異なり右手で上記入出力装置を保持した状態を表したその入出力装置の斜視図である。
【図15】図1の入出力装置の電気的な構成を説明するためのブロック図である。
【図16】図1の入出力装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図17】図8と同様の入出力装置の背面図であって、その入出力装置が有するリブ部材全体のリブ中心位置を説明するための図である。
【図18】図16の入出力装置の制御作動の要部、すなわち、スライドショー表示制御の実行中に一時的に入力モードに切り替える制御作動を説明するためのフローチャートである。
【図19】固定リブ部材が無い入出力装置を図3と同じ向きで表示した、その入出力装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明が好適に適用されるタッチパネルディスプレイ12を備えた入出力装置10を前面側から見たその外観を表す斜視図である。図2は、その入出力装置10を背面側から見たその外観を表す斜視図である。図3は、図1においてIII方向に見た入出力装置10の側面図である。入出力装置10は、水平乃至は略水平な机上等の載置面8に載置してタッチパネルディスプレイ12に画像等を表示させタッチパネル操作により入出力操作を行ことができる画像表示機器である。例えば、入出力装置10は、デジタル画像を表示する電子式の写真立てであるデジタルフォトフレームであって、その画面サイズは7〜10”(インチ)程度である。そして、タッチパネルディスプレイ12に対し入力操作(接触操作)を行う際には、前記載置面8に載置したままで上記入力操作を行ってもよいが、利用者が片手で入出力装置10を保持して上記入力操作を行うことができるものである。
【0018】
図1と図2とに示すように、入出力装置10は、タッチパネルディスプレイ12を備えた入出力本体部14と、その入出力本体部14を載置面8や利用者の腕等に対して支持するための本体支持部16と、入出力本体部14と本体支持部16との間に介装されたリブ回転位置調節装置70(図9,10参照)とを備えている。上記入出力本体部14は、例えば略直方体形状の外形を有しており、タッチパネルディスプレイ12と、そのタッチパネルディスプレイ12の外装部材である入出力本体部筐体18とを備えている。その入出力本体部筐体18は、入出力本体部14の外形を成し且つタッチパネルディスプレイ12に表示される画像等の表示面20(以下、「画像表示面20」という)を露出するように開口している。
【0019】
図4は、図1においてIV−IV方向に見たタッチパネルディスプレイ12まわりにおける入出力本体部14の断面図である。図5は、図2においてV方向に見た本体支持部16の断面図である。
【0020】
タッチパネルディスプレイ12は、利用者に対して入出力を行う電子機器として一般的に知られているタッチパネルディスプレイ装置である。図4の断面図に示すように、タッチパネルディスプレイ12は、入出力本体部14の前面すなわち入出力装置10の前面に設けられており、画像や文字等を表示する表示装置22と、入出力装置10の利用者が操作する入力操作子としてのスタイラスペン24(図1参照)が画像表示面20に接触したこと及び接触していることを検出する表示面接触検出装置(タッチパネル)26とを備えている。そして、タッチパネルディスプレイ12は、画像表示面20側から表示面接触検出装置26と表示装置22とが層状に相互に一体となって構成されている。表示面接触検出装置26は、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、赤外線遮光方式などの何れの方式でスタイラスペン24の画像表示面20への接触を検出してもよいが、本実施例では抵抗膜方式が採用されている。
【0021】
表示装置22は、例えば液晶表示装置や有機ELディスプレイなどであり、入力信号に従って画像や文字等を画像表示面20に向けて表示する。
【0022】
表示面接触検出装置26は、透明な薄いシート状の例えば感圧センサ(タッチパネル)であり、表示装置22の画像等を表示させる側の面の略全体に一体的に貼り付けられている。そして、表示面接触検出装置26は、スタイラスペン(入力操作子)24が画像表示面20に接触すると、そのスタイラスペン24の接触を検出し、その接触を検出した画像表示面20上の位置を示すペン接触検出位置信号を出力する。
【0023】
図1〜図3に示すように、本体支持部16は、入出力本体部14の背面側に設けられており、画像表示面20と平行な平板状の基盤部30と、円柱状の1対の柱状部材32a,32b(特に区別しない場合には「柱状部材32」という)と、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されており基盤部30に対し一体に固定された固定リブ部材36と、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されており基盤部30に対し回動可能と回動不可能とが選択的に切り替えられる可動リブ部材38と、可動リブ部材38の基盤部30に対する台座として機能するリブ台座40とを備えている。上記固定リブ部材36及び可動リブ部材38は本発明のリブ部材に対応する。
【0024】
基盤部30は、例えば入出力本体部14の背面と略同じ大きさ又はそれよりも僅かに大きい若しくは小さい矩形形状等、その外形形状に制限はないが、本実施例では、入出力本体部14の背面よりも僅かに大きい矩形形状である。そして、基盤部30は、画像表示面20に対する垂線C1まわりで入出力本体部14に対して回転可能に連結されている。その垂線C1は画像表示面20の幅方向及び高さ方向の中心位置(画面中心)を通るものであり、基盤部30は、その垂線C1を軸心として入出力本体部14の背面から突き出た連結軸72(図5,9,10参照)によって入出力本体部14に連結されている。上記連結軸72は、リブ回転位置調節装置70に含まれる。
【0025】
柱状部材32及び固定リブ部材36は、入出力装置10の背面方向に基盤部30から突き出されて形成されている。すなわち、柱状部材32及び固定リブ部材36は、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されている。また、柱状部材32及び固定リブ部材36は、図1及び図2のように入出力装置10が載置面8に載置された載置状態において、基盤部30の上端側に配設されている。そして、柱状部材32a,32bのそれぞれは、固定リブ部材36の長手方向に沿ったその固定リブ部材36の両側に所定間隔を空けて形成されている。
【0026】
可動リブ部材38およびリブ台座40は、入出力装置10の前記載置状態において、基盤部30の下端側に配設されている。また、リブ台座40は、入出力装置10の背面方向に基盤部30から突き出されて形成されており、可動リブ部材38の長手方向に沿って5つに分割されている(図6,7参照)。固定リブ部材36と可動リブ部材38とは、図5に示すように、相互に対向する内側側面46,48を有しており、互いの長手方向が共通している。
【0027】
図6は、可動リブ部材38が基盤部30に対して回動不可能とされた状態を表した載置面8側から見た斜視図である。図7は、可動リブ部材38が基盤部30に対して回動可能とされた状態を表した斜視図である。
【0028】
図2、図6及び図7等に示すように、可動リブ部材38を基盤部30に接続するためのリブ支軸52が可動リブ部材38の長手方向に沿って本体支持部16に設けられており、そのリブ支軸52はその両端が基盤部30に連結されている。図2および図5に示すように、可動リブ部材38は、その可動リブ部材38の基端においてリブ支軸52が挿通されており、基盤部30にそのリブ支軸52を介して連結されている。このような連結構造のため、可動リブ部材38は、基盤部30に対して、リブ支軸52に沿って平行移動可能(図6の矢印E,F方向)であり且つリブ支軸52まわりに回動可能とされて、リブ支軸52に支持されている。
【0029】
図5に示すように、可動リブ部材38は、リブ支軸52が挿通された挿通位置からリブ支軸52の径方向にずれた位置にフック状のリブ側係止部54を備えており、その一方で、リブ台座40は、リブ側係止部54と噛み合って係合するフック状の台座側係止部56を備えている。リブ側係止部54と台座側係止部56とは、図5及び図6に示すように可動リブ部材38の基端面58とリブ台座40の台座面60とが互いに対向した状態で相互に係合し、その係合した状態(係止部係合状態)では、可動リブ部材38は、基盤部30に対して回動不可能となる。すなわち、上記係止部係合状態では、基盤部30に対して回動不可能な回動ロック状態となる。但し、可動リブ部材38は、上記回動ロック状態においても、基盤部30に対してリブ支軸52に沿って平行移動可能とされている。なお、可動リブ部材38は、図6に示す上記回動ロック状態で入出力装置10が載置面8上に置かれたときに入出力装置10の底面として機能する外側側面50(図5参照)を、前記内側側面48のリブ厚み方向反対側に有している。そのため、可動リブ部材38は、上記回動ロック状態では、図1〜図3に示すように入出力装置10自体が載置面8上に置かれた場合には載置面8に当接して、画像表示面18が載置面8に対してなす画面傾斜角度θg(図3参照)を固定することができる。従って、利用者は、入出力装置10自体を載置面8に置く場合には、可動リブ部材38を図6に示す上記回動ロック状態とするのが好ましい。
【0030】
可動リブ部材38は、図6に示す上記回動ロック状態から、基盤部30に対しリブ支軸52に沿った方向すなわち図6の矢印E方向または矢印F方向に移動されてその回動ロック状態が解除されると、基盤部30に対してリブ支軸52まわりに回動可能となる。すなわち、可動リブ部材38は基盤部30に対して回動可能な回動可能状態となる。図7は、可動リブ部材38が図6に示す上記回動ロック状態から矢印F方向に移動され、基盤部30に対してリブ支軸52まわりに回動可能となった上記回動可能状態を示している。
【0031】
図2および図5に示すように、リブ用バネ62が本体支持部16に設けられており、基盤部30と可動リブ部材38との間に介装されている。リブ用バネ62の一端は基盤部30に当接し且つ他端は可動リブ部材38に当接しており、そのリブ用バネ62は、可動リブ部材38を、リブ部材36,38の前記内側側面46,48の相互間隔を小さくする方向(図5の矢印D方向)であって基盤部30に対してリブ支軸52まわりに回動させるように付勢している。従って、リブ用バネ62の付勢力は、図6に示す可動リブ部材38の前記回動ロック状態では、リブ側係止部54と台座側係止部56との係合により打ち消されているが、図7に示す前記回動可能状態では、可動リブ部材38を基盤部30に対して図5の矢印D方向に回動させる。
【0032】
図8は、図3において入出力装置10をVIII方向に見た視図、すなわち、画像表示面20に対する垂直方向から入出力装置10を見た背面図である。図8において、点C1は前記垂線C1をその垂線C1に沿った方向から見たものであり、画像表示面20の幅方向及び高さ方向の中心位置を示している。図8の矢印E,Fは何れも図6の矢印E,Fと同じである。図8に示すように、可動リブ部材38の前記回動ロック状態において、固定リブ部材36及び可動リブ部材38は、可動リブ部材38にリブ用バネ62の逃げが設けられているものの基本的には、上記画像表示面20の中心位置(中央)を基準として、それらリブ部材36,38の長手方向(矢印E,F方向)の両側に均等に振り分けられた形状である。すなわち、図8において上記点C1を通り上記リブ部材36,38の長手方向に直交する直線C2の両側に均等に振り分けられた形状である。また、基盤部30も同様に直線C2の両側に均等に振り分けられた形状である。また、柱状部材32a,32bは互いに同じ形状であり、直線C2の両側に均等に振り分けられた位置にそれぞれが設けられている。また、可動リブ部材38を前記回動ロック状態から前記回動可能状態へ切り替えるときに基盤部30に対して矢印E方向又は矢印F方向に平行移動させるストロークは、矢印E方向と矢印F方向との何れでも均等である。すなわち、本体支持部16全体は、直線C2の両側に均等に振り分けられた形状になっている。なお、固定リブ部材36及び可動リブ部材38は、利用者が入出力装置10を手で持って操作する際に、入出力装置10を支持する利用者の上肢の一部である腕100(図12〜14参照)を挟むためのものであり、その腕100の長手方向も図8の矢印E,F方向で示す方向であるので、リブ部材36,38の長手方向と一致する。また、本体支持部16の入出力本体部14に対する回転中心は前記点C1であり画像表示面20の中心位置と一致するので、本体支持部16が入出力本体部14に対して回転しても、本体支持部16全体が、画像表示面20の中心位置を基準とした均等な振分け形状であることに変わりはない。
【0033】
図9および図10は、図5においてIX−IX方向に見た断面図であって、リブ回転位置調節装置70の説明をするための図である。図9は、リブ回転位置調節装置70が操作されていない状態を表した図である。一方、図10は、リブ回転位置調節装置70がその図内の矢印G方向から操作された状態を表した図である。
【0034】
リブ回転位置調節装置70は、画像表示面20に対する垂線C1まわりに、固定リブ部材36及び可動リブ部材38をタッチパネルディスプレイ12に対して一体的に回転させることができるようにする装置である。すなわち、リブ回転位置調節装置70は、選択的に、上記垂線C1まわりに本体支持部16を入出力本体部14に対して回転可能とし或いは回転不可能とする。そのために、図9に示すように、リブ回転位置調節装置70は、前記連結軸72と、カム74と、そのカム74と係合する1対のカム係合部材76と、そのカム係合部材76を係合方向に付勢する1対のカム係合用バネ78と、そのカム係合部材76のカム74に対する係合を解除するために操作される操作レバー80とを備えている。リブ回転位置調節装置70は、図9に示すように、直線C3に対して線対称な機械的構成となっている。その直線C3は、連結軸72の軸心を通り且つリブ部材36,38の長手方向(矢印E,F方向)に垂直な直線である。
【0035】
連結軸72は、前述したように、入出力本体部14と本体支持部16とを垂線C1まわりにおいて回転可能に連結している。カム74は、その連結軸72と同心の円盤カムであり、入出力本体部14の背面に固設されている。カム74は、それの径方向に突き出てカム係合部材76と噛み合う噛合歯82を、カム74の外周に等間隔の角度で有している。例えば、図9のように、噛合歯82は、カム74の軸心まわりに30度ピッチで設けられている。
【0036】
カム係合部材76は、前記カム74の厚みと同一または略同一の厚みをもったL字型で平板状の部材であり、カム74の径方向外側に配置されている。カム係合部材76は、本体支持部16から入出力本体部14側に突き出たカム係合部材支軸84によって、本体支持部16に対し回動可能に連結されている。カム係合部材76は、カム74の隣り合う噛合歯82の間に嵌まり込んでその噛合歯82と噛み合う噛合部86と、噛合部86とカム係合部材支軸84との間にて本体支持部16側に突き出た第1係止ピン88と、カム係合部材支軸84を挟んで噛合部86の反対側にて本体支持部16側に突き出た第2係止ピン90とを備えている。
【0037】
カム係合用バネ78は、その一端が本体支持部16に接続され且つ他端がカム係合部材76に接続されており、噛合部86がカム74の径方向内側に向かう方向にカム係合部材76を回動させるように付勢している。
【0038】
操作レバー80は、カム74およびカム係合部材76と、本体支持部16との間に配設されており、操作レバー80の非操作状態において前記直線C3を基準として線対称な形状である。操作レバー80は、リブ部材36,38の長手方向(矢印E,F方向)に沿って長手状の平板であるレバー本体92と、レバー本体92の長手方向とは垂直な方向にレバー本体92から突き出た1対の平板である突出部94とを、一平面上に備えている。レバー本体92は、その長手方向の両端が入出力本体部14および本体支持部16の外形よりも外側に突き出している(図1,2参照)。レバー本体92には、その長手方向に沿った1対の長穴96が設けられており、前記第2係止ピン90が長穴96に嵌まり込んでいる。そのため、操作レバー80は、カム係合部材76及びカム係合部材支軸84を介して本体支持部16に支持され、本体支持部16に対してリブ部材36,38の長手方向に平行移動可能となっている。
【0039】
また、図9に示すように、操作レバー80の非操作状態では、長穴96に嵌まり込んだ第2係止ピン90の外周面は、長穴96の長手方向に沿って連結軸72の軸心から最も遠い側の長穴96の内側面と当接し又は近接している。また、突出部94は、第1係止ピン88よりも連結軸72の軸心寄りに配置されており、第1係止ピン88と当接し又は近接している。
【0040】
このような構成から、操作レバー80の非操作状態では、図9に示すように、カム係合用バネ78の付勢力によって、カム係合部材76の噛合部86がカム74の隣り合う噛合歯82の間に嵌まり込んだ状態が維持されるので、本体支持部16が入出力本体部14に対して回転不可能とされる。すなわち、リブ回転位置調節装置70は、操作レバー80の非操作状態において、本体支持部16の入出力本体部14に対する前記垂線C1まわりの回転角度を固定する。例えば、図9のように噛合歯82が30度ピッチで設けられているので、その回転角度を30度ピッチで固定できる。
【0041】
また、操作レバー80の長穴96とカム係合部材76の第2係止ピン90との位置関係、及び、操作レバー80の突出部94とカム係合部材76の第1係止ピン88との位置関係から、操作レバー80は、それが図9の矢印E,F方向の何れに押された場合でも、1対のカム係合部材76の両方とカム74との係合を解除する方向に、1対のカム係合部材76の両方を回動させる。そして、1対のカム係合部材76の両方とカム74との係合が解除されると、本体支持部16は入出力本体部14に対して前記垂線C1まわりに回転可能となる。すなわち、リブ回転位置調節装置70は、操作レバー80が矢印E方向または矢印F方向に押される操作がなされた場合には、本体支持部16と入出力本体部14とを前記垂線C1まわりに互いに回転可能とする。また、利用者はカム係合部材76とカム74との係合を解除するために、レバー本体92の両端の何れかを図9の矢印E方向または矢印F方向に向けて押すので、そのレバー本体92の両端はカムリリースボタンとして機能すると言える。
【0042】
例えば、図10に示すように、操作レバー80が矢印G方向に押される操作がなされた場合について説明する。操作レバー80は、図10の矢印G方向に押される操作がなされると、操作レバー80の前記非操作状態から、その押された方向(矢印G方向)に略平行に移動する。それと共に、操作レバー80は、図10のように、1対のカム係合部材76を前記直線C3に対して略対称的に回動させる。具体的に、操作レバー80の上記操作がなされたレバー操作側では、操作レバー80は、長穴96に嵌まり込んでいる第2係止ピン90を矢印G方向に押し、その第2係止ピン90を介して、カム係合部材76をカム74との係合を解除する方向に回動させる。一方、上記レバー操作側の前記直線C3を介した反対側では、操作レバー80は、突出部94によって第1係止ピン88を矢印G方向に押し、その第1係止ピン88を介して、カム係合部材76をカム74との係合を解除する方向に回動させる。このようにして、操作レバー80が矢印G方向に押されるとカム係合部材76とカム74との係合が解除されて、本体支持部16と入出力本体部14とが前記垂線C1まわりに互いに回転可能となる。
【0043】
例えば、上述した操作レバー80の操作を行うなどして、図1に示す入出力装置10の状態から、入出力本体部14を本体支持部16に対して前記垂線C1まわりに90度回転させてその回転角度を固定した場合には、図11に示す斜視図のようになる。この図11に示す入出力装置10の状態、すなわち、入出力装置10の前記載置状態において画像表示面20の長手方向が載置面8に対する縦方向となる状態であっても、入出力装置10は、可動リブ部材38を前記回動ロック状態にすれば、入出力本体部14の下端と可動リブ部材38とを載置面8に当接させて、その載置面8に置くことが可能である。
【0044】
利用者は、図1のように載置面8上に入出力装置10を置いて使用するが、例えばタッチパネルディスプレイ12に対する入力操作(接触操作)の際などには入出力装置10を手102で保持して使用することがある。図12は、利用者が入出力装置10を手102で保持した状態を説明するための図であって入出力装置10を背面から見た斜視図である。なお、図12に図示されている利用者の手102は左手である。また、本実施例の説明において、手102を左手または右手と区別する場合には左手を示す符号を102Lとし右手を示す符号を102Rとするが、特に区別しない場合には符号を102とする。腕100および親指104の左右の区別についても手102と同様である。
【0045】
利用者による入出力装置10の保持の仕方に限定があるわけではないが、利用者は、入出力装置10を安定して保持するためには、図12のようにして入出力装置10を保持することが適切である。例えば、入出力装置10は左右何れの手102でも同様にして保持できるが、左手102Lで入出力装置10を保持する例について説明すれば、図12のように、利用者は、入出力装置10を保持する際には、手102Lを入出力装置10の背面側に回し、親指104Lをフック状に屈曲させて柱状部材32aに係止させると共に他の4本の指を入出力装置10の側面に沿わせて屈曲させる。そして、手102Lから続く腕100Lを、固定リブ部材36および可動リブ部材38の相互に対向する内側側面46,48の間に通して、その腕100Lをその内側側面46,48に挟ませる。なお、内側側面46,48に腕100を挟ませる場合には、可動リブ部材38は前記回動ロック状態であっても差し支えないが、好適には、図12のように可動リブ部材38は前記回動可能状態とされる。その回動可能状態とされることにより、内側側面46,48がリブ用バネ62の付勢力によって腕100に圧接されるので、内側側面46,48が腕100に圧接されない場合と比較して、利用者は入出力装置10をより安定して保持できるからである。
【0046】
可動リブ部材38の前記回動ロック状態では、固定リブ部材36および可動リブ部材38の相互に対向する内側側面46,48の相互間隔は一定値に固定されるが、可動リブ部材38が前記回動可能状態ではリブ支軸52まわりに回動可能とされるので、入出力装置10は、上記内側側面46,48の相互間隔を、固定リブ部材36及び可動リブ部材38に挟まれる腕100の太さに合わせて変化させることが可能である。例えば、図13に示すように、図12と比較して利用者の腕100’が太い場合には、可動リブ部材38を図12に対して上記内側側面46,48の相互間隔を拡げる方向(図13の矢印H方向)に回動された状態にして、固定リブ部材36及び可動リブ部材38でその腕100’を挟むことが可能である。上記図13は、図12と同様に利用者が入出力装置10を手102で保持した状態において、利用者の腕100’が図12に対して太い場合を表した入出力装置10を背面から見た斜視図である。
【0047】
このように、入出力装置10(本体支持部16)は、腕100の太さに合わせて上記内側側面46,48の相互間隔(リブ間隔)を変化させることが可能な構造を備えているので、上記リブ間隔を調節可能なリブ間隔調節装置120を備えていると言える。すなわち、リブ間隔調節装置120は、リブ支軸52とリブ側係止部54と台座側係止部56とリブ用バネ62とから構成されており(図5参照)、リブ部材36,38に挟まれる腕100の太さに合わせて前記対向する内側側面46,48の相互間隔を変化させるように、可動リブ部材38をタッチパネルディスプレイ12に対して動かすことができるようにする装置である。その一方で、可動リブ部材38の前記回動ロック状態では上記リブ間隔が固定されるので、リブ間隔調節装置120は、そのリブ間隔を固定することができる装置であると言える。
【0048】
図14は、図12と同様に利用者が入出力装置10を手102で保持した状態であるが、図12とは異なり右手102Rで入出力装置10を保持した状態を表した入出力装置10の斜視図である。図12の手は左手102Lであるが、図8を用いて前述したように、本体支持部16全体は、前記直線C2(図8参照)の両側に均等に振り分けられた形状になっているので、入出力装置10は右手102Rでも左手102Lと同様にして保持される。すなわち、利用者は、入出力装置10を右手102Rで保持する際には、左手102Lの場合(図12参照)と同様に、親指104Rをフック状に屈曲させて柱状部材32bに係止させると共に他の4本の指を入出力装置10の側面に沿わせて屈曲させる。そして、右手102Rから続く右腕100Rを、固定リブ部材36および可動リブ部材38の相互に対向する内側側面46,48の間に通し、その右腕100Rをその内側側面46,48に挟ませる。
【0049】
図2に戻り、入出力装置10は、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことを検知するための腕検知スイッチ124を備えている。腕検知スイッチ124は、固定リブ部材36および可動リブ部材38の間において基盤部30から入出力装置10の背面側に突き出して配設されており、突き出した高さを低くする方向に押されることによりスイッチオン(オン状態)になる押ボタンスイッチである。そのため、例えば図12〜図14のように、利用者が固定リブ部材36および可動リブ部材38の間に腕100を挟んで入出力装置10を保持すると、腕検知スイッチ124は、突き出した高さを低くする方向にその腕100に押されることになるので、スイッチオンになる。
【0050】
図15は、入出力装置10の電気的な構成を説明するためのブロック図である。図15に示すように、入出力装置10は、前述したタッチパネルディスプレイ12と腕検知スイッチ124とに加えて、画像表示制御をはじめとする各種制御を実行する制御部130と、複数の画像情報(画像ファイル)を記憶するフラッシュメモリ等の記憶部132と、入出力装置10を電気通信回線134に接続するための通信インターフェイス136と、CD−ROMや磁気ディスクなどの記録媒体からデータやプログラム等を読み込み或いはその記録媒体にデータやプログラム等を書き込む読出書込装置138と、これらの構成要素の相互間でデータ授受を仲介するバス140とを、備えて構成されている。
【0051】
また、図15に示す制御部130は、中央演算処理装置であるCPU142と、読出専用メモリであるROM144と、随時書込読出メモリであるRAM146とを、備えて構成されている。すなわち、前記制御部130は、上記RAM146の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM144に記憶された情報に基づいて上記CPU142により種々の情報処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像を表示させる画像表示制御、そのタッチパネルディスプレイ12(表示面接触検出装置26)への接触操作に応じて入力される入力信号を処理する入力処理制御、及び前記通信インターフェイス136を介して他の機器との間で情報の通信(例えばファックス、電子メール)を行う情報通信制御等、本実施例の入出力装置10に関する各種制御を実行する。
【0052】
前記記憶部132には、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像を表示させるための画像情報として、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable network graphics)、GIF(Graphics interchange format)等のファイル形式の画像データ(画像ファイル)が、それぞれの識別情報をインデックスとして記憶されている。なお、前記表示装置22は、静止画像のみならず動画を表示させるものであってもよく、前記記憶部132に記憶される画像情報は、静止画に対応するものであるか動画に対応するものであるかは問わない。
【0053】
前記電気通信回線134は例えばLAN、公衆電話回線、又は、WWW(World Wide Web、インターネット)等であり、前記通信インターフェイス136は、例えば入出力装置10を無線により或いは有線接続にて電気通信回線134に接続するLANインターフェイスまたはモデム等である。入出力装置10は、この通信インターフェイス136により電気通信回線134に接続されることで、その電気通信回線134を介して例えばその電気通信回線134に接続された他の入出力装置10’との間で電子メール等の情報の送受信が可能とされている。また、入出力装置10は、上記電気通信回線134等を通じてファックスの送受信が可能とされている。
【0054】
図16は、入出力装置10に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図16に示すように、入出力装置10(詳細にはCPU142)は、腕検知手段148と入出力制御手段150とを備えている。
【0055】
腕検知手段148は、本発明の検知手段に対応しており、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことを検知する。そして、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されているか否かを判断する。具体的に、腕検知手段148は、腕検知スイッチ124からの信号に基づいて、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことを検知するものである。つまり、腕検知スイッチ124がオン状態である場合には、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことが腕検知手段148により検知されたことになる。
【0056】
入出力制御手段150は、タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像を表示させる画像表示制御を行うとともに、そのタッチパネルディスプレイ12(表示面接触検出装置26)への接触操作に応じて入力される入力信号を処理する入力処理制御を行う。例えば、入出力制御手段150は、表示面接触検出装置26からの信号に基づき上記入力処理制御の1つとして、表示面接触検出装置26への接触操作すなわち画像表示面20への接触操作による入力を受け付ける入力モードを選択するための所定操作(入力モード選択操作)がなされたか否かを判断する。また、入出力制御手段150は、上記入力モード選択操作がなされる等して上記入力モードが選択された場合には、画像表示面20の範囲内に、スタイラスペン24による入力すなわち前記画像表示面20への接触操作による入力が可能な入力領域を設定し、その入力領域を示す画像を表示装置22に表示させると共にその入力領域内において画像表示面20への接触操作を入力として受け付ける。例えば、その入力領域は、所謂アイコンを表示して入力を受け付けるアイコン領域であったり、タッチパネルディスプレイ12への所謂手書き入力を受け付ける手書き入力領域であったりする。その手書き入力領域では、スタイラスペン24による画像表示面20(表示面接触検出装置26)への接触操作がなされると、入出力制御手段150は、画像表示面20への接触軌跡を表示装置22に表示させるとともに、その接触軌跡を上記入力信号として処理する。なお、前記入力モードにおいて入力された入力情報は、例えば、ファックス機能や電子メール機能などの情報通信機能において送信される送信データとなる。
【0057】
入出力制御手段150は、前記入力モードが選択されている場合に前記入力領域を設定する際、画像表示面20の範囲内であれば何処に上記入力領域を設定しても差し支えないが、好適には、入出力制御手段150は、画像表示面20の垂線(例えば図5の垂線C1)方向において、リブ部材36,38全体の幅方向及び長手方向の中心位置CLB(以下、「リブ中心位置CLB」という)が前記入力領域内に入るように設定する。上記リブ中心位置CLBとは、例えば図17の背面図に示すように、リブ部材36,38全体の幅方向寸法Y1及び長手方向寸法X1をそれぞれ等しく二分する点が、画像表示面20に平行な平面上に示す位置であり、入出力制御手段150に予め記憶されている。上記幅方向寸法Y1及び長手方向寸法X1は、図17のように可動リブ部材38の前記回動ロック状態における寸法であるが、可動リブ部材38の前記回動可能状態においてリブ部材36,38に所定直径の腕100を挟んだ状態での寸法であってもよい。上記幅方向寸法Y1は、リブ部材36,38が内側側面46,48で腕100を挟むためのものであるので、その内側側面46,48の相互間隔とされるのが適切である。また、好適には、入出力制御手段150は、上記入力領域を複数同時に設定する場合には、例えば、その同時に設定する入力領域全体が占める範囲内に上記リブ中心位置CLBが入るように、それぞれの前記入力領域を設定する。或いは、複数同時に設定される前記入力領域に前記手書き入力領域が含まれている場合には、その手書き入力領域内に上記リブ中心位置CLBが入るように、それぞれの前記入力領域を設定してもよい。
【0058】
また、入出力制御手段150は前記入力領域を設定する際に前記リブ中心位置CLBを基準としてその入力領域を設定するのではなく、例えば、前記画像表示面20の垂線方向において、前記リブ部材36,38に挟まれる腕100が前記入力領域内でタッチパネルディスプレイ12の背面側を通るように、その入力領域を設定してもよい。そのようにする場合には、前記リブ部材36,38の配置に基づいて、それらのリブ部材36,38に挟まれる腕100がタッチパネルディスプレイ12の背面側を通る範囲を予め実験的に求め、入出力制御手段150に設定しておく。そして、入出力制御手段150は、その予め設定された腕100がタッチパネルディスプレイ12の背面側を通る範囲に基づいて、上記入力領域を設定する。
【0059】
入出力制御手段150は、前記画像表示制御の1種であるスライドショー表示制御を実行するスライドショー表示制御手段152を備えている。そのスライドショー表示制御とは、予め記憶された複数の画像を所定の時間間隔でタッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に順次表示する画像表示制御である。スライドショー表示制御で表示させる上記複数の画像は画像情報として例えば記憶部132に予め記憶されている。
【0060】
例えば、スライドショー表示制御手段152は、前記スライドショー表示制御を開始させるための所定のスライドショー表示制御開始操作が表示面接触検出装置26等を介して行われた場合、記憶部132に予め記憶されている前記スライドショー表示制御での画像の表示順序を定めたスライドショー管理情報に従って複数の画像情報を記憶部132から所定の順番で順次読み出し、各画像情報に対応する画像を表示装置22に所定時間表示させると共に、その所定時間が経過した段階で次の表示順の画像情報に対応する画像を表示装置22に所定時間表示させるというように、予め定められた複数の画像を所定の順番で表示装置22に1枚ずつ表示させる。なお、好適には、入出力制御手段150は、スライドショー表示制御手段152による前記スライドショー表示制御の実行中においてもタッチパネルディスプレイ12(表示面接触検出装置26)への接触操作を受け付けるが、そのときには上記スライドショー表示制御による画像が表示装置22に表示され、そのスライドショー表示制御による画像に替えて上記接触操作を受け付けるための画像が表示されるわけではない。また、好適には、スライドショー表示制御に関して複数の画像が一通り表示され終えた場合には、そのスライドショー表示制御に係る複数の画像をまた先頭から断続的に切替表示させるスライドショー表示制御を繰り返す。また、好適には、入出力装置10の電源をオンにする電源投入操作が前記スライドショー表示制御開始操作の1つとされており、スライドショー表示制御手段152は、その電源投入操作がなされた場合には、入出力装置10の電源投入後に自動的に前記スライドショー表示制御を開始する。
【0061】
また、入出力制御手段150は、スライドショー表示制御手段152に対し、前記スライドショー表示制御の実行中にそのスライドショー表示制御を一時的に停止(中断)させることがある。例えば、上記スライドショー表示制御の実行中において、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことが腕検知手段148により検知された場合には、利用者はタッチパネルディスプレイ12に対して入力操作をするために入出力装置10自体を保持したと考えられるので、入出力制御手段150は、スライドショー表示制御手段152に対し上記スライドショー表示制御を一時的に停止(中断)させる。それと共に、入出力装置10を前記入力モードに切り替える。この場合、利用者が入出力装置10自体を腕100に保持すること、詳細には、腕検知スイッチ124をオン状態にする操作が前記入力モード選択操作に相当する。
【0062】
一方で、入出力制御手段150は、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことが腕検知手段148により検知されなくなれば、前記入力モードを終了すると共に、スライドショー表示制御手段152に、停止していた上記スライドショー表示制御の実行を再開させる。なお、スライドショー表示制御手段152は、その停止していたスライドショー表示制御の実行を開始する際には、そのスライドショー表示制御を表示順序の最初の画像から開始してもよいし、スライドショー表示制御を停止したときの画像から開始してもよい。また、上述したように、腕検知スイッチ124がオン状態にされたことを条件に入出力装置10が前記入力モードに切り替えられてもよいが、腕検知スイッチ124がオン状態にされ且つ予め定められた入力モード切替確定操作がなされることが前記入力モード選択操作に相当するとするのが好ましい。すなわち、入出力制御手段150は、上記入力モード切替確定操作がなされたか否かを判断し、腕検知スイッチ124がオン状態にされ且つ上記入力モード切替確定操作がなされた場合に、スライドショー表示制御手段152に前記スライドショー表示制御を一時的に停止させると共に、入出力装置10を前記入力モードに切り替えるのが好ましい。上記入力モード切替確定操作は、腕検知スイッチ124のオン状態において前記入力モードへの切替えを確定させる利用者の操作であって、例えば、スタイラスペン24で画像表示面20内の任意箇所に接触する接触操作などである。
【0063】
図18は、入出力装置10(CPU142)の制御作動の要部、すなわち、前記スライドショー表示制御の実行中に一時的に前記入力モードに切り替える制御作動を説明するためのフローチャートである。この図18に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行されるものであり、例えば、前記スライドショー表示制御開始操作が行われた場合等に開始される。
【0064】
先ず、腕検知手段148に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、腕検知スイッチ124からの信号に基づいて、腕検知スイッチ124がオン状態であるか否かが判断される。この腕検知スイッチ124は入出力装置10を前記入力モードに切り替えるためのスイッチであるので、入力モードスイッチと呼んでもよい。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、腕検知スイッチ124がオン状態である場合には、SA2へ移る。一方、このSA1の判断が否定された場合には、SA3へ移る。
【0065】
SA2においては、前記入力モードを選択するために利用者が行う前記入力モード切替確定操作がなされたか否かが判断される。その入力モード切替確定操作とは、腕検知スイッチ124をオンにすること以外の予め定められた利用者の操作であれば特に限定はないが、例えば、スタイラスペン24で画像表示面20内の任意箇所に接触する接触操作などである。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、前記入力モード切替確定操作がなされた場合には、SA4へ移る。一方、このSA2の判断が否定された場合には、SA3へ移る。
【0066】
スライドショー表示制御手段152に対応するSA3においては、前記スライドショー表示制御が実行され、既にそのスライドショー表示制御が実行中であればそれが継続される。SA3の次はSA1に移る。SA3にて前記スライドショー表示制御が開始されれば、前記SA2の判断が肯定されるまで、SA1およびSA2の実行時にも前記スライドショー表示制御は継続しておりそのスライドショー表示制御の画像が表示装置22に表示される。
【0067】
入出力制御手段150及びスライドショー表示制御手段152に対応するSA4においては、上記スライドショー表示制御が停止される。SA4の次はSA5に移る。
【0068】
SA5においては、入出力装置10が前記入力モードに切り替えられる。その入力モードでは、画像表示面20の範囲内に前記入力領域が設定される。SA5の次はSA6に移る。
【0069】
SA6においてはタッチパネルディスプレイ12に対する入力操作(接触操作)があるか否かが判断され、その入力操作があれば、SA7において、その入力操作による入力情報が受け付けられる。例えば、SA7において、利用者が、その入力情報の入力完了後に、ファックス送信の実行を選択すればその入力情報がファックス送信され、電子メール送信の実行を選択すればその入力情報が電子メール送信される。なお、SA2、SA5、SA6、及びSA7は入出力制御手段150に対応する。
【0070】
腕検知手段148に対応するSA8においては、腕検知スイッチ(入力モードスイッチ)124からの信号に基づいて、腕検知スイッチ124がオフ状態であるか否かが判断される。このSA8の判断が肯定された場合、すなわち、腕検知スイッチ124がオフ状態である場合には、本フローチャートは終了する。一方、このSA8の判断が否定された場合には、SA6へ移る。
【0071】
図18の本フローチャートはSA8の判断が肯定されれば終了するが、例えばその場合には、再びSA1から開始される。すなわち、SA8の判断が肯定された場合には腕検知スイッチ124がオフ状態であるので、SA1の判断が否定されてSA3にて前記スライドショー表示制御が再開される。
【0072】
本実施例によれば、入出力装置10において、利用者の腕100を挟むための内側側面46,48を有するリブ部材36,38が、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されており、入出力装置10自体が載置面8上に置かれた場合には、上記リブ部材36,38のうちの可動リブ部材38が、その載置面8上に当接して画像表示面20の画面傾斜角度θg(図3参照)を固定する。従って、上記リブ部材36,38が、入出力装置10を保持する利用者の腕100を入出力装置10に対して拘束するので、利用者は、タッチパネルディスプレイ12に対する入力操作(接触操作)の際に、上記腕100をタッチパネルディスプレイ12の背面側に回して入出力装置10を安定して保持することができる。その結果として、例えば、上記リブ部材36,38が設けられていないものと比較して、タッチパネルディスプレイ12に対する前記手書き入力において文字や図形等をきれいに入力することが容易になる。また、載置面8上に入出力装置10を置いてタッチパネルディスプレイ12に表示される画像を観賞する場合には、入出力装置10をその観賞に適した姿勢で上記載置面8上に置くことができる。そのため、例えば、入出力装置10を、デジタル画像を表示する電子式の写真立てであるデジタルフォトフレームとしても使用することができる。
【0073】
また、本実施例によれば、前記リブ部材36,38は、画像表示面20の中央を基準として、そのリブ部材36,38に挟まれる腕100の長手方向の両側に均等に振り分けられた形状であるので、前記リブ部材36,38に挟まれる腕100が利用者の左腕であっても右腕であっても、同等に安定して入出力装置10を保持することができる。
【0074】
また、本実施例によれば、タッチパネルディスプレイ12の背面側から突設されたリブ部材は、相互に対向する内側側面46,48を有する2つのリブ部材36,38である。そして、入出力装置10は、そのリブ部材36,38に挟まれる腕100の太さに合わせて前記対向する内側側面46,48の相互間隔を変化させるように、上記リブ部材36,38のうち少なくとも1つ具体的には可動リブ部材38をタッチパネルディスプレイ12に対して動かすことができるリブ間隔調節装置120を備えている。従って、人によって腕100の太さが異なるところ、上記リブ部材36,38に挟まれる利用者の腕100の太さに合わせて、前記対向する内側側面46,48の相互間隔を調節することが可能である。そのため、利用者の腕100の太さのばらつきを吸収して、利用者は入出力装置10を安定して保持することができる。
【0075】
また、本実施例によれば、入出力装置10は、画像表示面20に対する垂線C1まわりに、前記リブ部材36,38をタッチパネルディスプレイ12に対して回転させることができるリブ回転位置調節装置70を備えている。従って、タッチパネルディスプレイ12に表示される画像の縦方向及び横方向を変えずに、上記リブ部材36,38に挟まれる利用者の腕100の長手方向をタッチパネルディスプレイ12に対して変更できるので、入出力装置10を保持するときの利用者の姿勢の自由度が高くなる。
【0076】
また、本実施例によれば、入出力装置10の制御部130が備える腕検知手段148は、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことを検知する。そして、入出力制御手段150は、入出力装置10自体が利用者の腕100に保持されたことが腕検知手段148により検知された場合には、入出力装置10を前記入力モードにする。ここで、利用者は、腕100で入出力装置10を保持した場合には、タッチパネルディスプレイ12に対して入力操作をしようとする意思を有しているものと考えられる。従って、利用者がタッチパネルディスプレイ12に対して入力操作をしようとする際に、利用者の手間を減らすことが可能である。
【0077】
また、本実施例によれば、好適には、入出力制御手段150は、前記入力領域を設定する際、画像表示面20の垂線方向においてリブ部材36,38全体の幅方向及び長手方向の中心位置CLB(リブ中心位置CLB)が上記入力領域内に入るように、その入力領域を設定する。すなわち、上記画像表示面20の垂線方向において、リブ部材36,38全体の幅方向及び長手方向の中心位置CLBが、その画像表示面20内に設定された上記入力領域内に入る。このようにしたとすれば、利用者は、タッチパネルディスプレイ12に対する入力操作を行う際に、その入力操作を行う側の手が入出力装置10をタッチパネルディスプレイ12の背面側に向けて押す力を、前記リブ部材36,38に挟まれた腕100で適切に受けることができる。そのため、利用者は、一層安定して入出力装置10を保持することが可能である。特に、タッチパネルディスプレイ12に対する入力操作が前記手書き入力である場合すなわち上記入力領域が前記手書き入力領域である場合には、前記入力操作を行う側の手が入出力装置10をタッチパネルディスプレイ12の背面側に向けて押す力が、前記手書き入力以外の入力操作の場合と比較して大きくなるものと考えられるので、安定して入出力装置10を保持することが可能であるという効果が一層顕著になる。
【0078】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0079】
たとえば、前述の実施例において、リブ部材36,38の内側側面46,48の相互間隔(リブ間隔)を変化させるように、可動リブ部材38は、基盤部30に対して回動させることが可能であるが、回動ではなく、前記リブ間隔を変化させるように基盤部30に対して平行移動させられても差し支えない。
【0080】
また、前述の実施例においては、基盤部30に対して、リブ部材36は固定されリブ部材38は可動であるが、逆に、リブ部材36が可動であってリブ部材38が固定されていても差し支えない。また、リブ部材36,38の両方が可動であっても差し支えない。
【0081】
また、前述の実施例において、利用者の腕100を挟むために、固定リブ部材36及び可動リブ部材38の2つのリブ部材が設けられているが、そのリブ部材の数は3つ以上であってもよい。また、1つのリブ部材すなわち固定リブ部材36が無く可動リブ部材38だけであっても差し支えない。要するに、利用者の腕100を挟むために、1又は複数のリブ部材が入出力装置10に設けられておればよい。また、利用者の腕100を挟むための上記リブ部材が4つ以上すなわち2対以上設けられている場合には、そのリブ部材に挟まれる腕100が手首へ近付くほど細くなるのに合わせて、上記リブ部材の各対ごとに前記リブ間隔を設定できるので、1対のリブ部材36,38の場合と比較して、利用者は入出力装置10をより安定して保持することが可能である。
【0082】
ここで、利用者の腕100を挟むためリブ部材が1つの例を図19に示す。例えば、図19に示す入出力装置10は固定リブ部材36を備えておらず、図3等に示す可動リブ部材38に替えて図19の可動リブ部材162を備えている。そして、図19の入出力装置10では、その可動リブ部材162を矢印J方向に回動させることにより、その可動リブ部材162と基盤部164(基盤部30に相当)とで利用者の腕100を挟むことが可能である。なお、その図19は、固定リブ部材36が無い入出力装置10を図3と同じ向きで表示した、その入出力装置10の側面図である。また、図19において、実線で示す可動リブ部材162は腕100を挟んだときの回動状態を示し、二点鎖線で示す可動リブ部材162は入出力装置10を載置面8上に置くときの回動状態すなわち前記回動ロック状態を示している。
【0083】
また、前述の実施例において、腕検知スイッチ124は、固定リブ部材36および可動リブ部材38の間に配設された押ボタンスイッチであるが、固定リブ部材36および可動リブ部材38の間に挟まれた腕100を検知できればよく、例えば、その腕100を検知するための近接センサなどであっても差し支えない。また、固定リブ部材36および可動リブ部材38の間ではなく、他の場所に配設されていても差し支えない。
【0084】
また、前述の実施例においては、前記スライドショー表示制御の実行中に腕検知スイッチ124のオン状態が検知された場合に、そのスライドショー表示制御が一時的に停止されると共に入出力装置10が前記入力モードにされる例を説明しているが、入出力装置10が入力モードにされる前提として、上記スライドショー表示制御の実行中であることが必要なわけではない。すなわち、入出力装置10は、上記スライドショー表示制御の実行中であるか否かに関係なく、腕検知スイッチ124のオン状態が検知された場合には、前記入力モードにされてよい。
【0085】
また、前述の実施例において、入出力装置10は腕検知スイッチ124を備えているが、その腕検知スイッチ124を備えない入出力装置10も考え得る。入出力装置10が腕検知スイッチ124を備えていない構成では、例えば、予め定められたタッチパネルディスプレイ12に対する接触操作によって前記入力モードに切り替えられる。
【0086】
また、前述の実施例において、図8に示すように、本体支持部16全体は、直線C2の両側に均等に振り分けられた形状になっているが、そのように均等に振り分けられた形状でなくても差し支えない。例えば、固定リブ部材36及び可動リブ部材38が図8の矢印E方向または矢印F方向の何れかの側に偏って配設されていてもよいし、2つの柱状部材32a,32bの何れか一方が無くても差し支えない。
【0087】
また、前述の実施例において、本体支持部16は、柱状部材32a,32bを備えているが、柱状部材32a,32bが無くても利用者は入出力装置10を保持できるので、柱状部材32a,32bは両方とも必須ではない。
【0088】
また、前述の実施例において、可動リブ部材38は基盤部30に対してリブ支軸52まわりに回動可能であるが、リブ支軸52等が設けられておらずリブ部材36,38の全部が基盤部30に対し一体に固定されている入出力装置10も考え得る。
【0089】
また、前述の実施例において、リブ回転位置調節装置70は、図9および図10に示すような構成であるが、そのような構成に限定されるわけではない。例えば、リブ回転位置調節装置70は、連結軸72まわりでの入出力本体部14と本体支持部16との相対的な回転角度を所定値以上の摩擦力で保持する構造を備えていてもよい。そのようにした場合には、入出力本体部14と本体支持部16とを相互に回転させる外力が上記摩擦力を上回れば、それらを相互に回転させることができる。一方で、そのような外力を入出力本体部14および本体支持部16に作用させなければ、入出力本体部14と本体支持部16との相対的な回転角度が現状維持される。また、上記回転角度を摩擦力で保持するリブ回転位置調節装置70においては、カム74、カム係合部材76、カム係合用バネ78、および操作レバー80が不要になる。
【0090】
また、前述の実施例において、入出力装置10はリブ回転位置調節装置70を備えているが、リブ回転位置調節装置70が無く、入出力本体部14と本体支持部16とが互いに一体となった入出力装置10も考え得る。
【0091】
また、前述の実施例において、リブ間隔調節装置120は、対向する内側側面46,48の相互間隔を小さくする方向に可動リブ部材38をリブ用バネ62によって付勢するが、そのような構成ではなく、例えば、可動リブ部材38の基盤部30に対する回動角度を摩擦力等により保持する構造となっていてもよい。そのような可動リブ部材38の回動角度を摩擦力等により保持する構造では、リブ側係止部54、台座側係止部56、およびリブ用バネ62は不要となる。また、可動リブ部材38の回動角度を保持する前記摩擦力等を超える外力が可動リブ部材38に作用すれば、可動リブ部材38が基盤部30に対して回動され、リブ部材36,38の間に挟まれる腕100の太さに合わせて内側側面46,48の相互間隔を変化させることが可能である。
【0092】
また、前述の実施例において、利用者は、本体支持部16を、画像表示面20に対する垂線C1まわりで入出力本体部14に対して回転させることができるが、利用者は、入出力装置10を自身の手で保持する際に本体支持部16を入出力本体部14に対して回転させてもよいし、入出力装置10を載置面8上に載置した状態でその回転をさせてもよい。なお、入出力装置10を載置面8上に載置した状態で、本体支持部16を上記垂線C1まわりで入出力本体部14に対して回転させることを加味すれば、表示装置22に表示されている表示画像を正立させるために、例えば、入出力制御手段150は、タッチパネルディスプレイ12に対する接触操作等の予め定められた利用者の操作に応じて、上記表示画像の全体を回転させて表示装置22に表示させるのが好ましい。
【0093】
また、前述の実施例においては、図1や図2に示すように、入出力装置10が載置面8上に置かれる場合には、固定リブ部材36が入出力装置10の上側に位置し可動リブ部材38が下側に位置するが、逆に、入出力装置10は、固定リブ部材36を下側にし可動リブ部材38を上側にして載置面8上に置くことができるものであっても差し支えない。そのようにする場合には、たとえば、固定リブ部材36において内側側面46のリブ厚み方向反対側の外側側面が、入出力装置10を載置面8上に置いたときに入出力装置10の底面として機能する。
【0094】
また、前述の実施例において、図1では、入出力装置10を前面から見て、入出力本体部14および画像表示面20は何れも横長の矩形形状であるが、そのような形状に限定されるものではない。例えば、円形または楕円形であってもよい。
【0095】
また、前述の実施例においては、タッチパネルディスプレイ12に対する入力操作子としてスタイラスペン24が示されているが、利用者の指などその他の入力操作子が用いられても差し支えない。
【0096】
また、前述の実施例のタッチパネルディスプレイ12においては、スタイラスペン24等の画像表示面20への接触が検出されるが、その接触の検出方式によっては、スタイラスペン24等が画像表示面20へ接触する間際まで接近した場合に、スタイラスペン24等が画像表示面20へ接触したものと認識されるものもあるので、そのような場合には、上記のスタイラスペン24等が画像表示面20へ接触する間際までの接近が、上記スタイラスペン24等の画像表示面20への接触に含まれるものとする。
【0097】
また、前述の実施例においては、利用者が、固定リブ部材36と可動リブ部材38との間に腕100を挟んで入出力装置10を支持する例について説明しているが、それらリブ部材36,38の間に挟まれるものは利用者の上肢の一部であればよく、腕100だけに限られるわけではない。例えば、リブ部材36,38の間に手102が挟まれても差し支えないし、手首を中心とした手102から腕100にかけての一部分が挟まれても差し支えない。
【符号の説明】
【0098】
8:載置面
10:入出力装置
12:タッチパネルディスプレイ
20:画像表示面
24:スタイラスペン(入力操作子)
36:固定リブ部材(リブ部材)
38,162:可動リブ部材(リブ部材)
46:内側側面(対向する側面)
48:内側側面(対向する側面)
70:リブ回転位置調節装置
100L:左腕(上肢)
100R:右腕(上肢)
120:リブ間隔調節装置
148:腕検知手段(検知手段)
θg:画面傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するとともに利用者が操作する入力操作子が画像表示面へ接触したことを検出するタッチパネルディスプレイを前面に備えた入出力装置であって、
前記利用者の上肢の一部を挟むための側面を有するリブ部材が、前記タッチパネルディスプレイの背面側から突設されており、
前記入出力装置自体が載置面上に置かれた場合には、前記リブ部材が、該載置面上に当接して前記画像表示面の画面傾斜角度を固定する
ことを特徴とする入出力装置。
【請求項2】
前記リブ部材は、前記画像表示面の中央を基準として、該リブ部材に挟まれる前記上肢の長手方向の両側に均等に振り分けられた形状である
ことを特徴とする請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記リブ部材とは、相互に対向する側面を有する少なくとも2つのリブ部材であり、
該リブ部材に挟まれる前記上肢の太さに合わせて前記対向する側面の相互間隔を変化させるように、前記リブ部材のうち少なくとも1つを前記タッチパネルディスプレイに対して動かすことができるリブ間隔調節装置を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入出力装置。
【請求項4】
前記画像表示面に対する垂線まわりに、前記リブ部材を前記タッチパネルディスプレイに対して回転させることができるリブ回転位置調節装置を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の入出力装置。
【請求項5】
前記入出力装置自体が前記利用者の上肢に保持されたことを検知する検知手段を備えており、
該検知手段により前記入出力装置自体が前記利用者の上肢に保持されたことが検知された場合には、前記画像表示面への接触操作による入力を受け付ける入力モードにする
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記画像表示面の垂線方向において、前記リブ部材全体の幅方向及び長手方向の中心位置が、該画像表示面内に設定された前記入力操作子による入力が可能な入力領域内に入る
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−186688(P2011−186688A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49948(P2010−49948)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】