説明

入力パネルシステム

【課題】入力パネル側の配線を不要として、設置の自由度の高い入力パネルシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の無線ICタグ13、14、15と無線ICタグ通信手段12を備え、前記無線ICタグ13に指などの人体の一部が接触する事により電波が遮断され、1個もしくは複数の無線ICタグが人体と接触していることを検出し特定するようにしたものである。これにより、設置の自由度の高い入力パネルを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグを用いた入力パネルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入力パネルとして抵抗膜を有する2枚の絶縁パネルと、抵抗膜に接続された電極と、電極までの配線を有し、パネルが押下された場合に2枚のパネルが一点で互いに電気的に接触する構造を有する抵抗膜方式の手法が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−091351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、入力パネル側に電極を駆動し接触を検出するための配線が必要であるという課題があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、入力パネル側の配線を不要として、設置の自由度の高い入力パネルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の入力パネルシステムは、複数の無線ICタグと無線ICタグ通信手段を備え、前記無線ICタグに指などの人体の一部が接触する事により電波が遮断され、1個もしくは複数の無線ICタグが人体と接触していることを検出し特定するようにしたものである。
【0006】
これにより、入力パネル側の配線を不要として、設置の自由度の高い入力パネルシステムが提供できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の入力パネルシステムは、入力パネル側の配線を不要として、設置の自由度の高い入力パネルシステムが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、2.5GHz帯を使用する識別可能な複数の無線ICタグと無線ICタグ通信手段を備え、2.5GHz帯が人体など水分に吸収されやすい特性を利用し、前記無線ICタグに指などの人体の一部が接触する事により電波が遮断され、1個もしくは複数の無線ICタグが人体と接触していることを検出し特定する入力パネルシステムとしたことにより、入力パネル側の配線を不要として、設置の自由度の高い入力パネルシステムが提供できる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、指などの人体の一部に代えて電波遮蔽手段を有し、パネルへの接触を検出し特定するようにしたことにより、第1の発明と同等の効果を得ることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、無線ICタグを自由に配置可能にしたことにより、配置の自由度を大きくしたものである。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における入力パネルシステムを示すものである。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態における入力パネルシステムは、入力パネル本体11と、無線ICタグ通信手段12と、複数の無線ICタグ13、14、15とを備えている。
【0014】
前記無線ICタグ13、14、15は前記無線ICタグ通信手段12から放射される無線電波により非接触で給電されると同時に任意の識別データを前記前記無線ICタグ通信手段12と通信している。
【0015】
以上のように構成された入力パネルシステムにおいて、以下その動作、作用を説明する。
【0016】
まず、定常時には無線ICタグ通信手段12は無線ICタグ13、14、15の識別データを通信しており無線ICタグ13、14、15の存在を検出している。
【0017】
次に指や手などの人体の一部で無線ICタグ13を押さえた場合、無線ICタグから発射されている2.5GHz帯の電波は指などの人体の一部に含まれる水分に吸収される。無線ICタグ通信手段12は無線ICタグ13からの識別信号を受信できなくなり無線ICタグ13が通信不可能であることを検出する。
【0018】
なお、本発明の実施の形態においては、無線ICタグ13、14、15は指などの人体の一部で覆い隠せるほどの大きさでなくてはならない。
【0019】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における入力パネルシステムの電波遮蔽手段の断面図をを示すものである。
【0020】
図に示すように、本実施の形態においては、実施の形態1の無線ICタグを指などの人体の一部で電波遮蔽する代わりに電波遮蔽物21としたものである。可動部22は電波遮蔽物21と無線ICタグ13との距離を定常時に保持し、無線ICタグ通信手段との通信を確保するためのものである。
【0021】
以上のように構成された入力パネルシステムにおいて、以下その動作、作用を説明する。
【0022】
まず、定常時には無線ICタグ通信手段12は無線ICタグ13の識別データを受信しており無線ICタグ13の存在を検出している。次に指などで電波遮蔽物21を押下した場合、無線ICタグから発射されている電波は電波遮蔽物21によって遮蔽される。無線ICタグ通信手段12は無線ICタグ13からの識別信号を受信できなくなり無線ICタグ13が通信不可能であることを検出する。
【0023】
なお、本発明の実施の形態においては、電波遮蔽物21は任意の大きさでよい。
【0024】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における入力パネルシステムについて説明する。
【0025】
本実施の形態においては、無線ICタグ通信手段12は無線ICタグ13、14、15との通信が確保できる範囲で距離を取ることも可能であるし、入力パネル11の背面に設置してもよいものである。また無線ICタグを自由に配置可能とする。これにより、任意の形状の入力パネルを構成することができる。
【0026】
なお、各実施の形態において、無線ICタグ通信手段12と無線ICタグ13、14、15との通信が確保できる範囲は約1mであり小型のものだけでなく通信が確保できる範囲で大型のものを構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明における入力パネルシステムは、入力パネルに配線の必要がなく、無線ICタグや無線ICタグ通信手段を任意の位置に配置できるので薄型の入力パネルを要求される民生機器全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における入力パネルシステムの概略図
【図2】本発明の実施の形態2における入力パネルシステムの電波遮蔽手段の断面図
【符号の説明】
【0029】
11 入力パネル本体
12 無線ICタグ通信手段
13 無線ICタグ1
14 無線ICタグ2
15 無線ICタグ3
21 電波遮蔽物(電波遮蔽手段)
22 可動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯を使用する識別可能な複数の無線ICタグと無線ICタグ通信手段を備え、前記無線ICタグに指などの人体の一部が接触する事により電波が遮断され、1個もしくは複数の無線ICタグが人体と接触していることを検出し特定する入力パネルシステム。
【請求項2】
指などの人体の一部に代えて電波遮蔽手段を有し、1個もしくは複数の無線ICタグが遮蔽されていることを検出し特定する請求項1に記載の入力パネルシステム。
【請求項3】
無線ICタグを自由に配置可能な請求項1または2に記載の入力パネルシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−58997(P2006−58997A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238116(P2004−238116)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】