説明

入力操作装置

【課題】運転者の意図しない入力操作がなされても、その操作に基づく車両の動作を防止できる入力操作装置を提供する。
【解決手段】車両には、片手で操舵、加減速の各種操作が可能な入力操作装置1が設置されている。車両の操舵はグリップ5をその操舵回転軸線Ls回りに回転操作して操舵入力操作部10に入力操作することで行い、車両の加減速はアーム6を介してグリップ5を操舵回転軸線Lg回りに回転操作して加減速指示入力操作部11に入力操作することで行う。入力操作装置1は、操舵入力操作部10又は加減速指示入力操作部11の少なくとも一方が入力操作された際に、該入力操作が運転者の意図によるものか否かを判断し、運転者の意図しない入力操作がなされたと判断した場合にはその入力操作を無効化するコントローラを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物の運転操作時に用いられ、運転者の手および前腕を用いて各種操作を行う入力操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両運転時の加減速や操舵等の運転操作を簡素化した構造の入力操作装置が、例えば特許文献1に開示されている。入力操作装置は、図10に示すように、運転者の前腕の一部を支持するアームレスト51と、アームレスト51に前腕52を載置した運転者により回動操作されるグリップ53とを備えている。グリップ53は、運転者の前腕52の軸線に沿った方向の軸線L1を中心に左右に回動可能であり、運転者の前腕52の軸線と直交する方向の軸線L2を中心に回動可能である。
【0003】
この構成において、グリップ53が左側に回動されると車両が左側に操舵され、グリップ53が右側に回動されると車両が左側に操舵される。また、グリップ53が下側に回動されると車両が加速し、グリップ53が上側に回動されると車両が減速する。
【特許文献1】特開2005−115806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の構成であると、車両の挙動によっては、入力操作装置により運転者が意図しない操作が行われてしまう可能性があった。例えば、車両が急停止した場合、運転者の姿勢が前屈みになる。すると、グリップ53に運転者の体重がかかり、グリップ53は下側に回動され、加速入力状態とされてしまう虞があった。
【0005】
また、例えば車両が走行する路面の状態が荒れていると、車体が揺れてしまい、運転者は体が振られてしまう。すると、グリップ53に荷重がかかり回動され、運転者の意図しない方向に操舵されたり、運転者の意図しない加速・減速入力状態とされたりする虞があった。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、運転者の意図しない入力操作がなされても、その操作に基づく車両の動作を防止できる入力操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、乗り物の運転操作時に操作され、運転者の手および前腕を用いて各種操作を行う入力操作装置であって、運転者の前腕の少なくとも一部を支持するアームレストと、回転可能に支持され、操作時に運転者が把持するグリップと、前記アームレストに運転者の前記前腕の少なくとも一部が支持された状態で、前記前腕と平行に延びる軸線回りの手首の回転に伴う前記グリップの回転を入力操作とする第1入力操作部と、前記アームレストに運転者の前記前腕の少なくとも一部が支持された状態で、前記手首を中心とした手の回転に伴う前記グリップの回転を入力操作とする第2入力操作部と、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、該入力操作が運転者の意図によるものか否かを判断し、運転者の意図しない入力操作がなされたと判断した場合その入力操作を無効化する制御手段と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
この発明によれば、第1入力操作部及び第2入力操作部の少なくとも一方に対して、運転者の意図しない入力操作がなされた場合、制御手段によりその操作が無効化される。このため、運転者の意図しない入力操作がなされても、その操作に基づく車両の作動を防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入力操作装置において、前記グリップの回動範囲内に節度が設けられ、該グリップは所定の荷重以上で操作されることで前記節度を越えて回動可能とされており、前記制御手段は、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップが前記節度を越えて回動した場合はその入力操作を無効化することを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、グリップが節度を越えて回動したことを検出することで、制御手段はグリップに運転者の意図しない荷重がかかったことを容易に検出することができる。なお、所定の荷重は、通常運転時にはグリップにかからない荷重が設定される。即ち、運転者に何らかの慣性力が加わった場合にグリップにかかる荷重が設定される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の入力操作装置において、運転者の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記制御手段は、前記姿勢検出手段から入力した検出信号に基づいて運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断し、正常な姿勢で運転していないと判断した場合に、前記グリップの回転による入力操作を無効化することを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、運転者が正常な運転姿勢で運転していない場合に、グリップの回転による入力操作が無効化される。このため、慣性力が加わることで運転者の意図しない入力操作がなされた場合に、その操作に基づく車両の作動を防止できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の入力操作装置において、前記姿勢検出手段は運転席にかかる運転者の状態を検出する着座状態検出手段を含み、前記制御手段は、前記着座状態検出手段から入力した検出信号に基づいて、運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断することを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、車両のシートに設けられた着座状態検出手段により、運転者が正常な運転姿勢で運転していないことが検出される。このため、運転者が意図しない荷重がグリップにかかることが確実に検出され、信頼性が向上する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の入力操作装置において、前記姿勢検出手段は前記アームレストにかかる前記前腕の状態を検出する前腕状態検出手段を含み、前記制御手段は、前記前腕状態検出手段から入力した検出信号に基づいて、運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断することを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、アームレストに設けられた前腕状態検出手段により、運転者が正常な運転姿勢で運転していないことが検出される。このため、運転者が意図しない荷重がグリップにかかることが確実に検出され、信頼性が向上する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうち何れか1項に記載の入力操作装置において、前記グリップにかかる荷重を検出するグリップ荷重センサを備え、前記制御手段は、前記グリップ荷重センサから入力した検出信号に基づいて、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップに所定の値以上の荷重がかかっていると判断した場合その入力操作を無効化することを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、グリップに所定の値以上の荷重がかかっている場合には、その際の入力操作が無効化される。このため、グリップに何れの方向から荷重がかかっていても、運転者が意図しない荷重がグリップにかかることが検出され、信頼性が向上する。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうち何れか1項に記載の入力操作装置において、前記グリップが移動する速度を検出するグリップ速度センサを備え、前記制御手段は、前記グリップ速度センサから入力した検出信号に基づいて、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップが所定の速度以上で移動したと判断した場合その入力操作を無効化することを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、グリップ自体が所定の速度以上で移動した場合には、その際の入力操作が無効化される。このため、グリップに何れの方向から荷重がかかっていても、運転者が意図しない荷重がグリップにかかったことが検出され、信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、運転者の意図しない入力操作がなされても、その操作に基づく車両の動作を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した入力操作装置の一実施形態を図面に従って説明する。図1〜図3に示すように、入力操作装置1は車両の各種走行操作を行うための操作系部材であり、本例においてはこの1つの入力操作装置1を片手(例えば、運転者の右手)で操作することで、車両の操舵(ステアリング操作)、加速(アクセル操作)及び減速(制動操作)することが可能である。
【0023】
図4に示すように、車両のドア2の内側には、肘置きとして用いるアームレスト3が取り付けられ、このアームレスト3の側端部には、運転者の前腕(右前腕)Aを側方側で支持するサイド部材4が立設されている。アームレスト3は車両のほぼ前後方向に、かつほぼ水平に延び、サイド部材4はアームレスト3と平行状態に延びている。入力操作装置1は、ドア2の内側面の凹部2aに一部が埋設した状態で、かつサイド部材4に支持された状態で車両に取り付けられている。
【0024】
図1に示すように、入力操作装置1は、シートSに着座した状態の運転者Pが右手で把持可能なグリップ5を備えている。このグリップ5は例えば樹脂を材質としており、略卵形形状であり、操舵回転軸線Lsに直交する断面の形状が楕円形状をなしている。グリップ5は、操舵回転軸線Ls回りに回転可能に保持される。グリップ5からは略U字形状のアーム6が延びており、このアーム6の基端側が入力操作装置1の装置本体7に連結されている。
【0025】
なお、アームレスト3の上部で、運転者Pの前腕Aが載置される部位には、着肘センサ8が設けられており、運転者Pが着座するシートSの着座面Saには着座センサ9が設けられている。着肘センサ8及び着座センサ9は運転者の姿勢を検出する姿勢検出手段であり、着肘センサ8はアームレスト3にかかる前腕Aの状態を検出する前腕状態検出手段に相当し、着座センサ9はシートS(運転席)にかかる運転者の状態を検出する着座状態検出手段に相当する。着肘センサ8及び着座センサ9は例えば荷重が加わることにより変形する歪ゲージを備えた公知の荷重センサで構成されている。着肘センサ8は運転者Pの前腕Aの状態を検出できるように、アームレスト3上の車両前後方向の荷重分布を検出できるように設けられている。また、着座センサ9は運転者Pの着座状態を検出できるように、シートSの着座面Saの四隅に設けられている。
【0026】
入力操作装置1は、車両の操舵時に操作される操舵入力操作部10と、車両の加速時に操作される加減速指示入力操作部11とを備えている。まず、操舵入力操作部10の概略を説明すると、グリップ5は操舵回転軸線Ls回りに回転可能(図3参照)であり、その操舵回転軸線Ls回りに手首を回転させることで回転操作が可能である。従って、車両の操舵操作はグリップ5をその操舵回転軸線Ls回りに回転操作することにより行う。例えば、グリップ5を右方向に回動すると車両が右側に操舵され、一方でグリップ5を左側に回動すると車両が左側に操舵される。
【0027】
また、加減速指示入力操作部11の概略を説明すると、グリップ5はアーム6の基端を支点として加減速回動軸線Lg回りに上下方向へ回動可能(図1参照)であり、手首を中心に手を上下方向に回動させることで回動操作が可能である。従って、車両の加速操作はアーム6を介してグリップ5を下方に回動操作することにより行い、車両の減速操作はアーム6を介してグリップ5を上方に回動操作することで行う。操舵回転軸線Lsと加減速回動軸線Lgとは互いに交差(直交)する状態となっている。なお、操舵入力操作部10が第1入力操作部に相当し、加減速指示入力操作部11及びアーム6が第2入力操作部を構成する。
【0028】
ここで、加減速指示入力操作部11について説明する。図1に示すように、装置本体7の内部には、グリップ5及びアーム6の加減速回動軸線Lg回りの回動を許容する加減速指示入力操作部11が配設されている。加減速指示入力操作部11を以下に詳述すると、装置本体7の内部には、同装置本体7と相対回転不可能な状態でシャフト12が内蔵されている。シャフト12は、アーム6の基端に連結固定され、加減速回動軸線Lgに沿って延びている。
【0029】
シャフト12の先端には、先端側から順にポテンショメータ駆動ギア13及びダンパ駆動ギア14が各々固着されている。装置本体7の内部には略平板形状のベース部材15が設けられており、ベース部材15はシャフト12に対してベアリング16を介して相対回転可能に取り付けられている。この構成により、運転者によりグリップ5が加減速回動軸線Lg回りに回転されると、ベース部材15が同じ方向に回動される。また、ベース部材15には、ダンパ駆動伝達ギア17がベース部材15に対し相対回転可能な状態で取り付けられている。ダンパ駆動伝達ギア17はダンパ駆動ギア14に噛合係合され、グリップ5及びアーム6(即ち、ベース部材15)が回転すると、ダンパ駆動ギア14との間の噛み合いによって自身も回転する。
【0030】
図6に示すように、ベース部材15にはグリップ5及びアーム6の急激な回転を防止するダンパ18が取り付けられている。ダンパ18は、ダンパ駆動伝達ギア17に噛み合うとともにベース部材15に対し相対回転可能なダンパギア19と、ダンパギア19のギア軸に固着された回転側部材20と、回転側部材20を回動可能に収容するベース側部材21とを備えている。回転側部材20とベース側部材21との間にできる内部空間には、シリコンオイル22が収容されている。
【0031】
グリップ5が加減速操作(即ち、加減速回動軸線Lg回りの回転操作)されると、ダンパ駆動伝達ギア17がダンパ駆動ギア14(シャフト12)に対して相対回転し、この回転に伴ってダンパギア19及び回転側部材20が加減速に応じた回転方向に回転する。このとき、ダンパ18内のシリコンオイル22の粘性によって回転側部材20とベース側部材21との間に抵抗力が生じ、グリップ5の急激な回転を防止すべく、グリップ5の回転に対し抵抗力が付与される。なお、回転側部材20とベース側部材21との互いに対抗する面同士の数は、複数設けることが望ましいが、必ずしもこれに限らず1対でもよい。
【0032】
図5に示すように、ベース部材15には、グリップ5の加減速回動軸線Lg回りの回転角度、つまりグリップ5の傾倒中立位置(図1の実線状態)を基準とした傾倒角度θg(図1参照)を検出する一対のポテンショメータ23,24が取り付けられている。ポテンショメータ23,24は各々ポテンショメータギア25,26を有し、これらポテンショメータギア25,26はポテンショメータ駆動ギア13に各々噛合係合されている。ポテンショメータとしては例えば光学的や磁気的に位置検出を行うものが用いられ、傾倒角度θgに応じた検出信号を出力する。本例は2つのポテンショメータ23,24を取り付けているが、これはフェールセーフのためである。
【0033】
従って、図7(a)に示す中立位置状態からグリップ5が加減速指示入力(例えば、加速指示入力)されると、図7(b)に示すようにダンパ駆動伝達ギア17が加速指示入力に応じた回転方向に相対回転することによってダンパギア19が回転するとともに、ポテンショメータギア25,26も加速指示入力に応じた回転方向に回転する。このとき、ダンパ18が作用することによってグリップ5の回転には抵抗力が付与された状態となるとともに、グリップ5の傾倒角度θgがポテンショメータ23,24によって検出され、その傾倒角度θgに応じた加減速量が車両に付与される。
【0034】
図5に示すように、シャフト12とベース部材15との間には、傾倒操作されたグリップ5を傾倒中立位置に復帰させるねじりコイルスプリング(以下、第1スプリングと記す)27が、同シャフト12に巻き付けられた状態で取り付けられている。シャフト12には一対のスプリングリテーナ28,29が固着され、第1スプリング27はこれらスプリングリテーナ28,29の間に配置される。各スプリングリテーナ28,29には、第1スプリング27の端部27a,27bを各々位置規制する規制部30a,30bが形成されている。これら規制部30a,30bは、図8(a)に示すように第1スプリング27を同規制部30a,30bに係止したとき、第1スプリング27が初期荷重を有した状態、つまり多少ねじ曲げられた状態で各端部27a,27bが当接する位置に配置され、この当接状態においては、グリップ5が傾倒中立位置に位置した状態となる。
【0035】
また、ベース部材15には、グリップ5が傾倒操作された際に第1スプリング27の端部27a,27bを各々押し込む押込部31a,31bが延出形成されている。これら押込部31a,31bは、第1スプリング27の各端部27a,27bが規制部30a,30bに各々接触した際に、これら端部27a,27bが各々当接可能となる位置に設けられている。即ち、グリップ5が傾倒中立位置にあるとき、第1スプリング27の端部27aには規制部30a及び押込部31aが当接し、第1スプリング27の端部27bには規制部30b及び押込部31bが当接した状態となる。また、規制部30a及び押込部31aはグリップ5が傾倒操作されても互いに干渉しない位置に配置され、この条件は規制部30b及び押込部31bも同様である。
【0036】
従って、グリップ5が非操作の際には、第1スプリング27の付勢力で押込部31a,31bが各々外方側に押されることによって、第1スプリング27の端部27aが規制部30a及び押込部31aに当接し、第1スプリング27の端部27bが規制部30b及び押込部31bに当接した図8(a)に示す傾倒中立位置の状態となる。この状態では、グリップ5は第1スプリング27の付勢力による回転が阻止された状態となり、外力が加えられなければその回転位置を維持する。
【0037】
グリップ5が傾倒中立位置の状態から、例えば図8(b)に示すように加速指示入力(図1において下方に向けて回動)されると、第1スプリング27の端部27bが規制部30bに位置規制された状態で、端部27aが押込部31aによって押し込まれ、グリップ5の下方回転が許容される。このとき、第1スプリング27が巻き締められることから、第1スプリング27の弾性力に応じた反力が発生し、それが運転者に付与される。この際のグリップ5の回転限度は、押込部31aが規制部30bに当接することで規定され、グリップ5が最大限下方回動された状態となった際には、第1スプリング27の端部27aが規制部30bと押込部31aとで挟まれた状態となる。
【0038】
グリップ5を下方回動した状態でグリップ5から手を離すと、第1スプリング27の端部27aが押込部31aを外方側に押し、第1スプリング27の端部27bが規制部30bに当接するまでグリップ5が回転し、最終的にはグリップ5が傾倒中立位置(図8(a)の状態)に復帰する。この際にもダンパ18が作用し、グリップ5の傾倒中立位置側(この場合、上方への回転)への急激な回転が防止される。
【0039】
一方、グリップ5が傾倒中立位置の状態から、例えば図8(c)に示すようにグリップ5が減速指示入力(図1において上方に向けて回動)されると、第1スプリング27の端部27aが規制部30aに位置規制された状態で、端部27bが押込部31bによって押し込まれ、グリップ5の上方回転が許容される。このときも、第1スプリング27の巻き締めにより、第1スプリング27の弾性力に応じた反力が運転者に付与される。この際のグリップ5の回転限度は、押込部31bが規制部30aに当接することで規定され、グリップ5が最大限上方回動された状態となった際には、第1スプリング27の端部27bが規制部30aと押込部31bとで挟まれた状態となる。
【0040】
グリップ5を上方回動した状態でグリップ5から手を離すと、第1スプリング27の端部27bが押込部31bを外方側に押し、第1スプリング27の端部27bが規制部30bに当接するまでグリップ5が回転し、最終的にはグリップ5が傾倒中立位置(図8(a)の状態)に復帰する。この際にもダンパ18が作用し、グリップ5の傾倒中立位置側(この場合、下方への回転)への急激な回転が防止される。
【0041】
従って、グリップ5の回転限度は規制部30a,30b及び押込部31a,31bの位置によって規定されることから、規制部30a,30b及び押込部31a,31bはグリップ5の回転時のストッパとしても機能する。よって、グリップ5の回転許容範囲(傾倒範囲)は規制部30a,30bのスプリングリテーナ28,29に対する固定位置、押込部31a,31bのベース部材15に対する固定位置によって決まることになり、規制部30a,30b及び押込部31a,31bの固定位置を変更することで適宜調整可能である。
【0042】
本実施の形態では、グリップ5の回転限度を規定する規制部30a,30bに加え、更に規制部30bに近接した位置に規制部30cが設けられている。この規制部30cは、グリップ5に通常運転時に想定される以上の荷重で加速入力操作(図1において下方への回転操作)がなされた場合に、グリップ5の回動範囲を規定するものである。つまり、規制部30bは予め想定された以上の荷重によりグリップ5が下方に回動されたときに、押込部31aが該規制部30bを越えて回動できる形状とされており、規制部30cは押込部31aの回転を確実に規制する形状とされている。本例では、規制部30bは節度に相当する。つまり、規制部30bはグリップ5の回動範囲内に設けられ、グリップ5は通常運転時に想定される荷重以上の荷重で操作されることで規制部30bを越えて回動可能とされている。
【0043】
また、図1に示すように、グリップ5の内部には、操舵操作時におけるグリップ操作を入力する操舵入力操作部10が配設されている。ここで、操舵入力操作部10は、上記した上方回転及び下方回転可能な加減速指示入力操作部11と基本的な構造はほぼ同じであることから、詳しい説明は省略する。なお、操舵入力操作部10には規制部30cに相当する部位は設けられていない。
【0044】
グリップ5が左右に回動操作されると、車両が左右に操舵される。このとき、グリップ5はグリップ5の軸線が操舵回転軸線Lsに沿った状態を操舵回転中立位置(即ち、図3に示す実線の状態)として左右に回動する。グリップ5の回動操作に伴う操舵角度θs(図3参照)が操舵入力操作部10のポテンショメータ32(図9参照)によって検出され、その操舵角度θsに応じた操舵位置に車輪Tが操舵される。
【0045】
次に、入力操作装置1の電気的構成について説明する。図9に示すように、入力操作装置1は、同装置1を統括制御するコントローラ41と、グリップ5の操舵操作時に車輪Tを操舵する操舵機構42と、グリップ5の加速操作に基づく回転量にエンジンEを制御するエンジン制御装置43と、グリップ5の減速操作に基づく制動力を車輪Tに付与する制動機構44とを備えている。コントローラ41の入力側には着肘センサ8、着座センサ9及びポテンショメータ23,24,32が接続され、出力側には操舵機構42、エンジン制御装置43及び制動機構44が接続されている。
【0046】
グリップ5の操舵操作時、コントローラ41は、ポテンショメータ32から入力した検出信号を基に操舵機構42を作動し、グリップ5の操舵角度θsに車輪Tを操舵させる。グリップ5の加速操作時、コントローラ41は、ポテンショメータ23,24から入力した検出信号を基にグリップ5の傾倒角度θgを認識し、その傾倒角度θgに応じた加速信号をエンジン制御装置43に出力する。なお、コントローラ41は、ポテンショメータ23,24からの検出信号により、グリップ5が図1に示す通常運転時のグリップの回動範囲内を越えて通常操作範囲外に回動したことを検出すると、つまり押込部31aが規制部30bを越えて回動したことを検出すると(図8(b)参照)、グリップ5に対して運転者の意図しない入力操作がなされたと判断し、その入力操作を無効化する。このとき、コントローラ41は規制部30bまでの入力を含み、そのときの入力を無効化するものである。グリップ5の減速操作時、コントローラ41はポテンショメータ23,24から入力した検出信号を基に制動機構44を作動し、グリップ5の傾倒角度θgに応じた制動力を車輪Tに付与する。
【0047】
また、コントローラ41は着肘センサ8及び着座センサ9からの検出信号を入力し、運転者が正常な運転姿勢であるか否かを判断する。そして、グリップ5が回動され入力操作された際に、運転者が正常な運転姿勢ではないと判断すれば、運転者の意図しない入力操作がなされたと判断し、その操作を無効化する。
【0048】
例えば車両が走行する路面の状況により、車両全体が左右に振られた場合、その動きに伴い運転者の手が左右に振られてしまう。すると、運転者の意図しない左右への操舵入力がなされてしまう。そこで、コントローラ41は、着肘センサ8からの検出信号に基づいて、運転者の体が左右に振動していることが検出された場合には、そのときのグリップ5の回動による入力操作を無効化する。コントローラ41は、着肘センサ8から、予め設定された範囲(通常運転時に想定される範囲)外の荷重が検出されると、運転者が左右に振動している(正常な運転姿勢ではない)と判断する。具体的には、着肘センサ8から通常運転時よりも小さい荷重が検出されたり、通常運転時よりも大きい荷重が検出されたりすると、コントローラ41は運転者が正常な運転姿勢ではないと判断し、そのときのグリップ5の回転による操作入力を無効化する。
【0049】
また、着肘センサ8はアームレスト3上の前腕の荷重分布を検出可能に設けられている。このため、コントローラ41は運転者の前腕が通常運転時以外の姿勢となっていること、例えばアームレスト3上の前方に通常運転時に想定される以上の荷重がかかっていることを検出すると、運転者が正常な運転状態ではないと判断し、そのときのグリップ5の回転による操作入力を無効化する。
【0050】
また、例えば車両が急停止した場合、運転者の姿勢が前屈みになり、運転者の手が手首を中心に回動してしまう。すると、グリップ5が下方に回動され、加速入力状態とされてしまう。そこで、コントローラ41は、着座センサ9からの検出信号に基づいて、運転者が前屈みの姿勢となっていることが検出された場合には、そのときのグリップ5の回転による入力操作を無効化する。
【0051】
逆に、運転者の体がシートバックに向けて後方に投げ出される場合も、運転者の手が手首を中心に回動してしまう。そこで、コントローラ41は、着座センサ9からの検出信号に基づいて、運転者が後ろに投げ出された姿勢となっていることが検出された場合には、そのときのグリップ5の回転による入力操作を無効化する。
【0052】
このように、コントローラ41は、運転者が意図しない荷重がグリップ5にかかる虞がある姿勢が予め設定されており、運転者がその姿勢にあることを検出すると、グリップ5の回転による入力操作を無効化する。また、コントローラ41は、グリップ5が回転操作された際に、着座センサ9からの検出信号により車両のシートに運転者が着座していないことが検出されると、そのときの入力操作を無効化する。
【0053】
次に、本例の入力操作装置1の作用について説明する。
停止車両を発進させる際には、グリップ5を加速回動始動位置(図1の実線の状態)から下方に傾倒することで、手首を支点にグリップ5を回動操作する。このとき、グリップ5の傾倒角度θgが加減速指示入力操作部11のポテンショメータ23,24によって検出され、その検出信号がコントローラ41に出力される。そして、コントローラ41が検出信号を基にグリップ5の傾倒角度θgの値を加速信号としてエンジン制御装置43に出力し、エンジン制御装置43がこの加速信号を基にエンジンEを駆動することで車両が加速状態となる。
【0054】
また、グリップ5の加速操作時(即ち、下方への回動時)に、グリップ5が通常運転時のグリップの回動範囲内を越えて通常操作範囲外まで回動した(図1参照)ことがポテンショメータ23,24によって検出されると、その検出信号がコントローラ41に入力される。そして、コントローラ41は運転者の意図しない入力操作がなされたと判断し、その入力操作を無効化する。本実施形態では、グリップ5は通常運転時に想定される以上の荷重がかかった場合に、正規の回動範囲を越えるように設定されており、コントローラ41はグリップ5が回動範囲を越えることで運転者の意図しない荷重がグリップ5にかかったと判断する。
【0055】
車両の進行方向を変えるべく車両を操舵する際には、グリップ5を操舵回転開始位置(図3の実線の状態)から左側又は右側に回転操作(図3の二点鎖線の状態)する。このとき、グリップ5の操舵角度θsが操舵入力操作部10のポテンショメータ32によって検出され、その検出信号がコントローラ41に出力される。
【0056】
走行車両を減速させる際には、グリップ5を加速回動始動位置まで戻し、その位置から上方に傾倒することで、グリップ5を回動操作する。このとき、グリップ5の上方への傾倒角度θgが加減速指示入力操作部11のポテンショメータ23,24によって検出され、その検出信号がコントローラ41に出力される。そして、コントローラ41が検出信号を基にグリップ5の傾倒角度θgの値を減速信号として制動機構44を制御し、グリップ5の傾倒角度θgに応じた制動力を車輪Tに付与する。
【0057】
なお、コントローラ41は、ポテンショメータ23,24,32から検出信号を入力してグリップ5の変移量を検知することで、グリップ5の回転速度を検出することができる。そして、そのグリップ5の回転速度に基づいて、グリップ5が通常運転時に想定される速度以上で移動したと判断した場合、そのときのグリップ5の回転による入力操作を無効化する。この場合、ポテンショメータ23,24,32はグリップ速度センサとして機能する。
【0058】
また、コントローラ41は、グリップ5の回転により入力操作がなされた際に、着座センサ9や着肘センサ8からの検出信号に基づいて、運転者が正常な運転姿勢ではないと判断した場合、その操作を無効化する。
【0059】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)操舵入力操作部10及び加減速指示入力操作部11の少なくとも一方に対して、運転者の意図しない入力操作がなされた場合、コントローラ41によりその操作が無効化される。このため、運転者の意図しない入力操作がなされても、その操作に基づく車両の作動を防止できる。
【0060】
(2)グリップ5が規制部30bを越えて回動したことを検出することで、コントローラ41はグリップ5に運転者の意図しない荷重がかかったこと(運転者の意図しない操作がなされたこと)を容易に検出することができる。
【0061】
(3)運転者が正常な運転姿勢で運転していない場合に、グリップ5の回転による入力操作が無効化される。このため、慣性力が加わることで運転者の意図しない入力操作がなされた場合に、その操作に基づく車両の作動を防止できる。
【0062】
(4)車両のシートSに設けられた着座センサ9により、運転者が正常な運転姿勢で運転していないことが検出される。このため、運転者が意図しない荷重がグリップ5にかかることが確実に検出され、信頼性が向上する。
【0063】
(5)アームレスト3に設けられた着肘センサ8により、運転者が正常な運転姿勢で運転していないことが検出される。このため、運転者が意図しない荷重がグリップ5にかかることが確実に検出され、信頼性が向上する。
【0064】
(6)グリップ5自体が所定の速度以上で移動した場合には、その際の入力操作が無効化される。このため、グリップ5に何れの方向から荷重がかかっていても、運転者が意図しない荷重がグリップ5にかかったことが検出され、信頼性が向上する。
【0065】
なお、本実施形態は上記構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・操舵入力操作部10及び加減速指示入力操作部11の少なくとも一方に対してなされた入力操作を無効化する態様は、上記実施形態に限定されない。例えば、グリップ5に大きな荷重がかかっている場合に、その操作入力を無効化するように構成してもよい。その場合、グリップ5にかかる荷重を検出するグリップ荷重センサを設ければよい。そして、コントローラ41はそのグリップ荷重センサから入力した検出信号に基づいて、操舵入力操作部10及び加減速指示入力操作部11の少なくとも一方が入力操作された際に、グリップ5に所定の値以上の荷重がかかっていると判断した場合に、その入力操作を無効化するようにすればよい。このように構成すると、グリップ5に所定の値以上の荷重がかかっている場合には、その際の入力操作が無効化される。このため、グリップ5に対して何れの方向から荷重がかかっていても、運転者が意図しない荷重がグリップ5にかかることが検出され、信頼性が向上する。
【0066】
・上記実施の形態では、コントローラ41はグリップ5が通常運転時の範囲外まで回動すること、運転者が正常な運転姿勢で運転していないこと、グリップ5が通常運転時に想定される値以上の速度で回転すること、が検出されると、運転者の意図しない操作入力がなされたと判断するものとした。コントローラ41は、その判断を、これらの条件が単独で成立する場合に行ってもよいし、複合的に成立した場合に行ってもよい。
【0067】
・上記実施の形態では、グリップ5が加速操作される際の回動範囲内に節度としての規制部30bを設けたが、グリップ5の節度を減速操作される際の回動範囲内に設けてもよいし、操舵入力される際の回動範囲内に設けてもよい。何れの場合も、グリップ5がその節度を越えて回動されることで、運転者の意図しない操作がなされたと判断されるように設定すればよい。
【0068】
・上記実施形態では姿勢検出手段として着座センサ9又は着肘センサ8を用いた場合について説明したが、運転者の姿勢を検出するための態様はこれに限定されない。例えば、シートバックにセンサを設けてそのセンサにより運転者の姿勢を検出してもよく、要は運転者の姿勢が検出できるものであればよい。
【0069】
・グリップ5の操舵角度θs及び傾倒角度θgを検出するセンサはポテンショメータ23,24,32に限定されず、例えば角度センサ等の他のセンサを用いてもよい。
・入力操作装置1は必ずしもドア2に配置されることに限らず、これとは逆に、運転席と助手席との間(即ち、コンソール)に配置されてもよい。
【0070】
・入力操作装置1の搭載先、つまり乗り物は自動車等の車両に限らず、操舵、加減速等の各種操作が必要な乗り物であれば特に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】入力操作装置の側面図。
【図2】入力操作装置の平面図。
【図3】入力操作装置を車両前方から見た図。
【図4】車両のドアの内側面を示す斜視図。
【図5】装置本体内部の加減速指示入力操作部を示す側面図。
【図6】ダンパの内部構成を示す断面図。
【図7】(a),(b)は、グリップを操舵操作した際のギア動作の説明図。
【図8】(a)〜(c)は、グリップを操舵操作した際のバネ動作の説明図。
【図9】入力操作装置の電気的構成を示す電気構成図。
【図10】従来の入力操作装置の側面図。
【符号の説明】
【0072】
1…入力操作装置、3…アームレスト、5…グリップ、10…第1入力操作部としての操舵入力操作部、11…第2入力操作部としての加減速指示入力操作部、23,24,32…グリップ速度センサとしてのポテンショメータ、30b…節度としての規制部、41…制御手段としてのコントローラ、9…姿勢検出手段及び着座状態検出手段としての着座センサ、9…姿勢検出手段及び前腕状態検出手段としての着肘センサ、P…運転者、A…前腕。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の運転操作時に操作され、運転者の手および前腕を用いて各種操作を行う入力操作装置であって、
運転者の前腕の少なくとも一部を支持するアームレストと、
回転可能に支持され、操作時に運転者が把持するグリップと、
前記アームレストに運転者の前記前腕の少なくとも一部が支持された状態で、前記前腕と平行に延びる軸線回りの手首の回転に伴う前記グリップの回転を入力操作とする第1入力操作部と、
前記アームレストに運転者の前記前腕の少なくとも一部が支持された状態で、前記手首を中心とした手の回転に伴う前記グリップの回転を入力操作とする第2入力操作部と、
前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、該入力操作が運転者の意図によるものか否かを判断し、運転者の意図しない入力操作がなされたと判断した場合その入力操作を無効化する制御手段と、
を備えたことを特徴とする入力操作装置。
【請求項2】
前記グリップの回動範囲内に節度が設けられ、該グリップは所定の荷重以上で操作されることで前記節度を越えて回動可能とされており、前記制御手段は、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップが前記節度を越えて回動した場合はその入力操作を無効化することを特徴とする請求項1に記載の入力操作装置。
【請求項3】
運転者の姿勢を検出する姿勢検出手段を備え、前記制御手段は、前記姿勢検出手段から入力した検出信号に基づいて運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断し、正常な姿勢で運転していないと判断した場合に、前記グリップの回転による入力操作を無効化することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力操作装置。
【請求項4】
前記姿勢検出手段は運転席にかかる運転者の状態を検出する着座状態検出手段を含み、前記制御手段は、前記着座状態検出手段から入力した検出信号に基づいて、運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の入力操作装置。
【請求項5】
前記姿勢検出手段は前記アームレストにかかる前記前腕の状態を検出する前腕状態検出手段を含み、前記制御手段は、前記前腕状態検出手段から入力した検出信号に基づいて、運転者が正常な運転姿勢で運転しているか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の入力操作装置。
【請求項6】
前記グリップにかかる荷重を検出するグリップ荷重センサを備え、前記制御手段は、前記グリップ荷重センサから入力した検出信号に基づいて、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップに所定の値以上の荷重がかかっていると判断した場合その入力操作を無効化することを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項に記載の入力操作装置。
【請求項7】
前記グリップが移動する速度を検出するグリップ速度センサを備え、前記制御手段は、前記グリップ速度センサから入力した検出信号に基づいて、前記第1入力操作部及び前記第2入力操作部の少なくとも一方が入力操作された際に、前記グリップが所定の速度以上で移動したと判断した場合その入力操作を無効化することを特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項に記載の入力操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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