説明

入力用部材

【課題】 静電容量式タッチパネルにて検出容易であり、かつ、所望の箇所を容易に指示できる入力用部材を提供すること。
【解決手段】
入力装置の静電容量式タッチパネル上に接触させるための接触部5を有し、接触部5は、空隙部分6を有する中空形状であると共に、所定の圧力以上で静電容量式タッチパネルに接触すると、その接触面積が増加するように弾性変形する入力用部材1としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用の入力用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話および携帯情報端末装置(PDA)等の電子機器の操作部に静電容量式タッチパネルが用いられている。図10は、従来から知られる静電容量式タッチパネル50の構造を示す概略図である。静電容量式タッチパネル50は、操作面側から順に、保護層51、導電膜層52および補強層53を積層して成る。このような構造により、静電容量式パネル50では、ユーザの指等の導体54が静電容量式タッチパネル50に触れた際に生じる静電容量の変化を、導電膜層52の四隅に配置された検出電極55により検出することで、導体54が触れた位置を検出できる(たとえば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−179872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される静電容量式タッチパネルは、ユーザの指で操作が行われることを想定しているため、静電容量式タッチパネルに接触する面積が指よりも小さい導体の際には、導体が触れた位置を検出できない場合がある。なぜなら、静電容量式タッチパネルにより変化する静電容量は、静電容量式タッチパネルに接触する導体の接触面積に比例するため、導体と静電容量式タッチパネルとの接触面積が小さい場合には、静電容量の変化が小さすぎて導体が触れた位置の検出が難しいからである。また、導電膜層の代わりに格子状の電極膜パターンを有する静電容量式タッチパネルでは、電極膜パターンが形成されていない部分(すなわち、電極膜パターンの格子の内側)と重なる位置に導体が触れた場合、導体が静電容量式タッチパネルに触れたことを検出できないという問題もある。一方、細かい作業等では、所望の箇所をより容易に指示できる入力用部材が要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、かかる要望に応じて、静電容量式タッチパネルにて検出容易であり、かつ、所望の箇所を容易に指示できる入力用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の入力用部材の一実施の形態は、入力装置の静電容量式タッチパネル上に接触させるための接触部を有し、接触部は、空隙部分を有する中空形状であると共に、所定の圧力以上で静電容量式タッチパネルに接触すると、その接触面積が増加するように弾性変形するものとしている。
【0007】
さらに、接触部の先端側は、曲率0.2〜0.7mm−1の曲面であり得る。
【0008】
さらに、接触部の最先端から連続する傾斜面を有し得る。
【0009】
さらに、傾斜面は、曲率0.05〜0.18mm−1の曲面であり得る。
【0010】
さらに、接触部の中空形状を形成する壁部の厚さは、略均一であり得る。
【0011】
さらに、ユーザが把持するための把持部を有し、把持部は、接触部に脱着可能に嵌合され得る。
【0012】
さらに、接触部の少なくとも一部には、ウレタン系樹脂を主に含む被覆層が設けられ得る。
【0013】
さらに、被覆層は、フッ素含有フィラー、シリカ含有フィラー、変性シリコーン系潤滑剤およびポリエチレン系ワックスの少なくとも1つを含有し得る。
【0014】
さらに、接触部の少なくとも一部には、繊維層が表側に設けられ得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、静電容量式タッチパネルにて検出容易であり、かつ、所望の箇所を容易に指示できる入力用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る入力用部材を備えるスタイラスの斜視図である。
【図2】図1に示すスタイラスが有する入力用部材を示す斜視図である。
【図3】図2に示す入力用部材を図2のA−A線で切断した場合のA−A線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る入力用部材を示す斜視図である。
【図5】図5に示す入力用部材を図5のB−B線で切断した場合のB−B線断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る入力用部材を示す斜視図である。
【図7】図6に示す入力用部材を図6のC−C線で切断した場合のC−C断面図である。
【図8】図2に示す入力用部材の変形例を示す図3と同様の断面図である。
【図9】図4に示す入力用部材の変形例を示す図5と同様の断面図である。
【図10】従来から知られる静電容量式タッチパネルの検出原理を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る入力用部材の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る入力用部材1を備えるスタイラス2の斜視図である。
【0019】
スタイラス2は、入力装置に備えられる静電容量式タッチパネルにて入力あるいは操作するための部材であって、インク等を用いないペン状の部材である。図1に示すように、スタイラス2は、入力用部材1と、把持部としての棒状部材3とを主に有する。入力用部材1は、棒状部材3の先端に嵌合されている。なお、本実施の形態においては、スタイラス2は、入力用部材1に棒状部材3が嵌合されているが、入力用部材1と棒状部材3とを一体化してもよい。あるいは、入力用部材1に、棒状部材3と嵌合させるためのジョイントを固着等してもよい。なお、以後、スタイラス2の各部材において、静電容量式タッチパネルに触れる側を先端側という。
【0020】
図2は、入力用部材1を示す斜視図である。図3は、図2の入力用部材1を図2のA−A線で切断した場合の断面図である。なお、図2およびそれ以後の断面図では、見易さを考慮して、各部材の厚さの比率を実際の比率と変えて図示している。
【0021】
入力用部材1は、静電容量式タッチパネルと触れる部材である。入力用部材1が静電容量式タッチパネルに触れた場合に、その触れた領域で静電容量の変化が生じるように、入力用部材1は、導電性を有している。具体的には、入力用部材1は、人間の指と同等またはそれよりも低電気抵抗値を示す部材であることが望ましい。たとえば、入力用部材1の好適な電気抵抗は、10MΩ以下であり、より好ましくは、1MΩ以下、さらに、0.6KΩから3KΩの範囲が特に好ましい。
【0022】
入力用部材1は、低硬度の導電性弾性体により主に構成されている。たとえば、入力用部材1のショアー硬度Aは、10度から90度、より好ましくは、30度から70度であるのが好ましい。また、入力用部材1には、導電性を付与するために、導電性材料が分散されている。入力用部材1に分散される導電性材料としては、たとえば、カーボンあるいは金属等を用いることができるが、特に、粒子径が小さく(たとえば、ナノサイズの粒子)、取り扱いが容易なカーボンブラックを用いるのが好ましい。また、入力用部材1を構成する母材としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴムあるいはスチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー、ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系あるいはフッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を用いることができる。それらの材料の中でも、耐久性が高いウレタン系エラストマー、シリコーンゴムあるいはそれらの複合物を用いるのが好ましい。導電性材料の混合量は、導電性を高めかつ弾性を維持する観点から、母材と当該導電性材料の総重量に対して5〜50重量%であるのが好ましい。
【0023】
入力用部材1は、支持部4と接触部5とを有する。支持部4は、棒状部材3の挿入口であり、棒状部材3に入力用部材1を固定するための略円筒形の部分である。接触部5は、支持部4の先端側に設けられ、先端側に突出する略球面を有する。接触部5の先端側外面は、曲率0.2〜0.7mm−1の曲面である。なお、曲率とは、曲率半径の逆数で表わされる。接触部5の先端側が略球面を有することにより、静電容量式タッチパネルと最初に触れる接触部5の面積は、非常に微小である。また、入力用部材1は、その内部に空隙6を有し、いわゆる中空構造を呈している。たとえば、好適な支持部4は、外径α:2〜9mm、内径β:1〜8mm、かつ、高さp:3〜10mmの部材である。また、好適な接触部5は、たとえば、外径ζ:3〜10mm、内径γ:2〜3mm、高さk:3〜5mm、壁部の肉厚t:約1mmの部材である。なお、入力用部材1は、接触部5の先端側に切り欠け部を有していてもよいし、一定の曲率を示さない楕円状の曲面を有する接触部5を有していてもよい。
【0024】
かかる構造の入力用部材1は、一定以上の筆圧を加えると、入力用部材1が弾性変形し、静電容量式タッチパネル上でつぶれる。このため、接触後に、静電容量式タッチパネルと入力用部材1との接触面積を増加できる。入力用部材1は、入力用部材1および棒状部材3の自重による荷重よりも大きい加重により弾性変形するような部材であるのが好ましい。たとえば、入力用部材1および棒状部材3の自重は、通常10g程度であるため、20g以上の加重により静電容量式タッチパネルに入力用部材1を押し付けた場合に、入力用部材1が弾性変形するように設計するのが好ましい。また、入力用部材1の支持部4は、棒状部材3が抜けないように、支持部4の棒状部材3が挿入される側の内径βを先端側よりもわずかに細くする方が好ましい。
【0025】
棒状部材3は、硬質の部材から形成される部材である。たとえば、棒状部材3は、ステンレス、真鍮若しくは鉄等の金属、ABS系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系若しくはそれらに導電性を付与した樹脂またはそれらのアロイ配合物等の部材から形成される。また、棒状部材3は、導電性の部材から形成されるのが好ましいが、絶縁性の部材で構成されてもよい。ユーザは、入力用部材1に嵌合された棒状部材3を把持することができる。このため、スタイラス2は、操作しやすくなる。
【0026】
上述のような入力用部材1では、一定以上の筆圧を加えない状態では、静電容量式タッチパネルと接触する面積が小さくなる。したがって、ユーザは、入力用部材1の最先端部分を、静電容量式タッチパネルのある指定領域に正確に重ねることが容易である。また、入力用部材1は、筆圧により弾性変形し、静電容量式タッチパネルとの接触面積を増加できる。このため、入力用部材1を所望の位置に合わせた際または位置を合わせた後に、入力用部材1と静電容量式タッチパネルとの接触面積を増加できる。入力用部材1と静電容量式タッチパネルとの接触面積が増加すると、接触位置の検出が容易になる。静電容量式タッチパネルにおける静電容量の変化は、静電容量式タッチパネルと入力用部材1との接触面積に比例するからである。
【0027】
また、上述のような入力用部材1を構成する場合には、入力用部材1の静電容量式タッチパネル上における滑り性を向上させるために、入力用部材1に被覆層(不図示)を設けるのが好ましい。たとえば、以下のような方法にて被覆層を設けることができる。まず、入力用部材1にプラズマ処理を施し、その部分にプライマーを塗布する。次に、そこへウレタン系樹脂を主に含むコーティング材を塗布することで被覆層を形成する。このように、入力用部材1のうち、静電容量式タッチパネルに触れる部分をウレタン系被覆層に覆うことにより、入力用部材1の静電容量式タッチパネルに対する滑り性を向上できる。また、ウレタン系被覆層は、弾性に富むため、接触部5の弾性を妨げない。かかる場合には、ウレタン系被覆層に、フッ素系若しくはシリカ系のフィラー、変性シリコーン系潤滑剤、およびポリエチレン系のワックス等の少なくとも1つを添加することにより、滑り性をより向上できる。ここで「フィラー」は、粒子、繊維、針といったいかなる形態の添加物をも含む。また、ウレタン系被覆層に添加するポリエステルの一部をポリカーボネートに変更することで、被覆層の組成をより硬質とするのが好ましい。なお、コーティング剤を塗布するのではなく、繊維から主に成る繊維層を入力用部材1のうち静電容量式タッチパネルに触れる部分に設けてもよい。たとえば、織物あるいは不織布が表面に露出する繊維層を設けてもよい。繊維層を設けることで、静電容量式タッチパネル上における入力用部材1の滑り性を向上できる。なお、繊維層が非導電性とした場合には、安定した動作を実現するために、被覆層の厚みを300μm以下、好ましくは200μm以下にする必要がある。一方、カーボンクロス若しくはその他の導電性クロスのような導電性の織物、あるいは導電性の不織布等を繊維層として設ける場合には、被覆層の厚さをより厚くできるため、被覆層の強度を向上できる。繊維層は、両面テープあるいは接着剤により入力用部材1に固着してもよい。あるいは、入力用部材1を成型する際に、導電性の繊維層を型に配置してから入力用部材1の原料を型に充填し、入力用部材1と導電性の繊維とを一体化してもよい。入力用部材1と導電性の繊維とを一体化する場合には、入力用部材1と導電性の繊維との接着性を向上させるために、プライマーを用いてもよい。
【0028】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係る入力用部材10について、図面を参照しながら説明する。図4は、第2の実施の形態に係る入力用部材10の斜視図である。図5は、図4に示す入力用部材10をB−B線で切断した場合の断面図である。なお、第1の実施の形態に係る入力用部材1と同じ構成要素については、同じ番号を用いて説明する。
【0029】
入力用部材10が入力用部材1と異なる点は、接触部15の構造である。具体的には、入力用部材10の接触部15は、円柱の先端側端部を斜めに切り落とした傾斜面16を有する形状である。ここで「傾斜面」は、鉛直方向の面を除外する意味に解釈され、その斜面が平面、曲面のいずれの面である場合も含む。かかる構造の入力用部材10とすることで、接触部15の最先端部分を、第1の実施の形態における接触部5よりも細くすることができる。このため、ユーザは、静電容量式タッチパネルの所望の位置に入力用部材10の最先端部を重ねやすい。また、接触部15の最先端部分は、接触部15の外周面部分に位置しているので、所望の領域に触れる際に、当該所望の領域が接触部15に隠れて死角になることがない。したがって、ユーザは、静電容量式タッチパネルの所望の位置に入力用部材10の最先端部を一層重ねやすい。
【0030】
また、入力用部材10の構造を採用する場合には、傾斜面16が平面ではなく、わずかな曲面形状とするのがより好ましい。たとえば、傾斜面16に形成する曲面形状は、傾斜面が平面である場合の当該平面からの最大高さを1.0mmの凸状とするのが好ましく、曲率0.05〜0.18mm−1程度で形成されるのが好ましい。傾斜面16が平面の場合には、ユーザが入力用部材10を用いる際に、傾斜面16がタッチパネルの表面に触れる角度まで入力用部材10に嵌合された棒状部材2を傾けて操作する必要がある。一方、傾斜面16が曲率0.05〜0.18mm−1程度の曲面形状の場合には、タッチパネル表面に対する棒状部材2の角度が多少変化しても、傾斜面16の凸状部の頂点付近がタッチパネルに接触できる。また、筆圧を加えた場合には、傾斜面16とタッチパネルとの接触点を支点として、入力用部材10が弾性変形し、静電容量式タッチパネルとの接触面積を増加できる。したがって、傾斜面16が曲率0.05〜0.18mm−1程度の曲面形状の場合には、タッチパネル表面に対する入力用部材10の接触角度に自由度が生まれるため操作容易になる。
【0031】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態に係る入力用部材20について、図面を参照しながら説明する。図6は、第3の実施の形態に係る入力用部材20の斜視図である。図7は、図5に示す入力用部材20をC−C線で切断した場合の断面図である。なお、第1の実施の形態に係る入力用部材1と同じ構成要素については、同じ番号を用いて説明する。
【0032】
入力用部材20が入力用部材1と異なる点は、接触部25の構造である。具体的には、入力用部材20の接触部25は、球形ではなく、先端側を頂点とする円錐形状の円錐部26を有する。入力用部材20をかかる構造とすることで、接触部25の最先端部分を、第1の実施の形態における接触部5よりも細くできる。したがって、入力用部材20は、ユーザが静電容量式タッチパネルの所望の位置を選択しやすいものになる。
【0033】
以上、本発明の入力用部材1,10,20について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【0034】
たとえば、上述の各実施の形態では、入力用部材1,10,20の各寸法について例示したが、例示した数値に限定されない。たとえば、入力用部材1,10,20は、静電容量式タッチパネルの大きさあるいは検出感度の違いによって、その寸法を変化させることができる。しかし、人間の指先で操作することが想定されている静電容量式タッチパネルにおいては、一般に、一辺が4〜5mmの格子の交差部分で検出可能な静電容量式タッチパネルとされているので、例示した数値で入力用部材1,10,20を形成するのがより好ましい。
【0035】
図8および図9は、本実施の形態の変形例に係る入力用部材30および入力用部材40の各断面図である。
【0036】
上述の各実施の形態では、入力用部材1,10,20の壁部の肉厚tは、どの部分であっても略均一の範囲内であるが、このような形態に限らない。ここで、「略均一の範囲内」とは、肉厚tが平均肉厚に対して±10%の範囲にあることをいう。図8および図9に示すように、入力用部材30,40が備える空隙36,46は、接触部5,15の先端側まで到達していなくてもよい。かかる場合には、タッチパネルと接触する先端側の肉厚tが他の部分の肉厚と比較して著しく大きいため、入力用部材30,40の耐久性が向上する。また、先端側で弾性変形を生じにくくなるため、入力用部材30,40がタッチパネルに接触してから、弾性変形が起こるまでの加重が大きくなる。したがって、所定の荷重を加えた時のみ弾性変形が生じるため、誤入力を低減できる。
【0037】
また、上述の各実施の形態では、入力用部材1,10,20の外周面に施す被覆層は、必須ではない。また、被覆層は、少なくとも入力用部材1,10,20の接触部5,15,25に設けられていれば、その効果を発揮できる。また、被覆層を設ける前のプラズマ処理やプライマー処理は、必須ではない。
【0038】
また、上述の各実施の形態では、入力用部材1,10,20,30,40は、棒状部材3を挿入可能な形態であるが、そのような形態に限らない。棒状部材3とは異なる柱形状の部材、たとえば、筆記具等を入力用部材1,10,20,30,40に挿入されてもよい。あるいは、入力用部材1,10,20,30,40それ自体が、軸部を有するような形状であって、棒状部材3がなくてもユーザが把持できるような形態であってもよい。さらに、棒状部材3と入力用部材1,10,20,30,40とを接続するための接合部材を用いてもよい。あるいは、棒状部材3と入力用部材1,10,20,30,40とが接離可能に構成されていてもよい。棒状部材3と入力用部材1,10,20,30,40とが接離可能に構成されている場合には、入力用部材1,10,20,30,40を適宜交換できるようなスタイラス2を構築できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、たとえば、静電容量式タッチパネルを有する電子機器用の入力用部材等に利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1,10,20,30,40 入力用部材
3 棒状部材(把持部)
4 支持部
5,15,25 接触部
6,36,46 空隙
16 傾斜面
t 肉厚



【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置の静電容量式タッチパネル上に接触させるための接触部を有し、
上記接触部は、空隙部分を有する中空形状であると共に、所定の圧力以上で上記静電容量式タッチパネルに接触すると、その接触面積が増加するように弾性変形することを特徴とする入力用部材。
【請求項2】
請求項1に記載の入力用部材であって、
前記接触部の先端側は、曲率0.2〜0.7mm−1の曲面であることを特徴とする入力用部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の入力用部材であって、
前記接触部の最先端から連続する傾斜面を有することを特徴とする入力用部材。
【請求項4】
請求項3に記載の入力用部材であって、
前記傾斜面は、曲率0.05〜0.18mm−1の曲面であることを特徴とする入力用部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力用部材であって、
前記接触部の前記中空形状を形成する壁部の厚さは、略均一であることを特徴とする入力用部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力用部材であって、
さらに、ユーザが把持するための把持部を有し、
上記把持部は、前記接触部に脱着可能に嵌合されていることを特徴とする入力用部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の入力用部材であって、
前記接触部の少なくとも一部には、ウレタン系樹脂を主に含む被覆層が設けられていることを特徴とする入力用部材。
【請求項8】
請求項7に記載の入力用部材であって、
前記被覆層は、フッ素含有フィラー、シリカ含有フィラー、変性シリコーン系潤滑剤およびポリエチレン系ワックスの少なくとも1つを含有することを特徴とする入力用部材。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の入力用部材であって、
前記接触部の少なくとも一部には、繊維層が表側に設けられていることを特徴とする入力用部材。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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