説明

入力装置、およびこれを備えた表示装置

【課題】 信頼性の低下を抑制できる入力装置、およびこれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】 入力装置1は、第1基体11と、入力領域Eに対応する第1基体11上に設けられた検出電極12と、非入力領域Eに対応する第1基体11上に設けられ、かつ検出電極12に電気的に接続された第1電極端子13と、第1電極端子13上に設けられ、かつ検出電極12に電気的に接続された第2電極端子14と、第2電極端子14と対向する第3電極端子22を有した回路基板20と、第2電極端子14および第3電極端子22に接触する導電性粒子31を含み、かつ第2電極端子14と第3電極端子22とを接合させる接合部材30とを備え、第2電極端子14の硬度は、第1電極端子13の硬度よりも低いものである。第1基体11と回路基板20との電気的接続の信頼性の低下を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばタッチパネルに代表されるような、所定の平面状の入力領域に対して使用者が入力操作した箇所を入力位置として検出する入力装置、およびこれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルに代表される入力装置は、入力位置を検出するための入力領域、および入力領域の外側に位置する非入力領域を有する。このような入力装置は、例えば、基体と、入力領域に対応する基体上に設けられた検出電極と、非入力領域に対応する基体上に設けられており、かつ検出電極に電気的に接続された電極端子と、基体上の電極端子と対向する電極端子を有する回路基板と、基体上の電極端子と回路基板の電極端子との間に配置されてこれら電極端子同士を接合する接合部材とを備えている。この接合部材は導電性粒子を含んでおり、導電性粒子が双方の電極端子に接触することで両者を電気的に接続している(例えば、特許文献1参照)。これによって、回路基板の電極端子および基体上の電極端子を介して、検出電極に電圧を印加することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−341850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような入力装置では、指もしくはペンなどによって入力領域の中の所望の入力位置が押圧されると、その押圧に応じて基体が変形し、基体の非入力領域に位置する部位が入力領域側に引っ張られることで、非入力領域に位置する基体上の電極端子および接合部材に応力が加わっていた。この押圧による応力が繰り返し加わると、導電性粒子と電極端子との密着性が低下することとなる。そして、導電性粒子と電極端子との密着性が低下すると、導電性粒子と電極端子との間で電流が流れにくくなり、入力装置の信頼性が低下する可能性があるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性の低下を抑制することのできる入力装置、およびこれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の入力装置は、入力領域および該入力領域の外側に位置する非入力領域を有した入力装置であって、基体と、前記入力領域に対応する前記基体上に設けられた検出電極と、前記非入力領域に対応する前記基体上に設けられ、かつ前記検出電極に電気的に接続された第1電極端子と、該第1電極端子上に設けられ、かつ前記検出電極に電気的に接続された第2電極端子と、前記第2電極端子と対向する第3電極端子を有した回路基板と、前記第2電極端子および前記第3電極端子に接触することによって前記第2電極端子と前記第3電極端子とを電気的に接続する導電性粒子を含み、かつ前記第2電極端子と前記第3電極端子とを接合する接合部材とを備え、前記第2電極端子の硬度は、前記第1電極端子の硬度よりも低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の入力装置によれば、導電性粒子が第1電極端子の硬度よりも低い硬度の第2電極端子と接触していことから、基体と回路基板との接続の信頼性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態における入力装置の一例を示した平面図である。
【図2】(a)は図1のI−I線に沿った断面図であり、(b)は図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1中に示したR部分を拡大した図である。
【図4】図3のIII−III線に沿った断面図である。
【図5】図1の入力装置を備えた表示装置の一例を示した断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における入力装置の一例の要部を示した平面図である。
【図7】図6のIV−IV線に沿った断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における入力装置の一例の要部を示した断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における入力装置の一例の要部を示した断面図である。
【図10】本発明の入力装置の一例を示した断面図である。
【図11】本発明の入力装置の一例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態1]
まず、本発明の第1の実施形態における入力装置1について、図1〜図4を参照しながら説明する。ここで、入力装置1は静電容量方式のタッチパネルである。
【0010】
入力装置1は、図1および図2に示すように、使用者が指もしくはペン(図2では指を例示)などの導体50を近接または接触させることで情報を入力するための入力領域Eと、入力領域Eの外側に位置する非入力領域Eとを有している。また、非入力領域Eは、回路基板20と電気的に接続される外部導通領域Eを含んでいる。
【0011】
入力装置1は、透明基板10と、回路基板20と、接合部材30と、ドライバ40とを備える。ここで、図2に示すように、入力装置1では、透明基板10と回路基板20とが接合部材30により接合されている。また、接合部材30は導電性粒子31を含んでおり、導電性粒子31が透明基板10の第2電極端子14と回路基板20の第3電極端子22との両者に接触することで、透明基板10と回路基板20とが電気的に接続されている。
【0012】
透明基板10は、第1基体11と、検出電極12と、第1電極端子13と、第2電極端子14と、配線導体15とを有する。
【0013】
第1基体11は、検出電極12、第1電極端子13、第2電極端子14および配線導体15を支持する機能を有する。第1基体11は、第1主面11aと、第1主面11aとは反対側に位置する第2主面11bとを有している。ここで、入力領域Eに対応する第1基体11の第2主面11bは、図2(a)および図2(b)に示すように、使用者が導体50を近接または接触させる面となる。
【0014】
第1基体11の平面視形状は、図1に示す例では矩形状であるが、これには限られず、任意の形状とすることができる。第1基体11の材料としては、絶縁性および透光性を有するものが挙げられ、例えば、ガラスおよびプラスチックなどである。ここで、透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。
【0015】
検出電極12は、第1基体11の第2主面11bにおける入力位置を検出する機能を有する。検出電極12は、入力領域Eに対応する第1基体11の第1主面11a上に複数設けられており、X方向およびY方向に沿って配列している。また、図1に示すように、X方向に配列する検出電極12とY方向に配列する検出電極12とは交差しており、この交差する部分には、図2(a)および図2(b)に示すように、両者を電気的に絶縁する絶縁部材12Aが設けられている。絶縁部材12Aの材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。
【0016】
検出電極12の材料としては、透光性および導電性を有するものが挙げられる。この透光性および導電性を有する材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモン錫酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。
【0017】
検出電極12の形成方法は、例えば、次のような方法が挙げられる。
【0018】
まず、スパッタリング法、蒸着法、または化学気相成長法により、例えば、ITOを第1基体11の第1主面11a上に膜として形成する。このITO膜の表面に対して感光性樹脂を塗布し、塗布した感光性樹脂に対して露光処理および現像処理を行なうことで、感光性樹脂に所望の検出電極12の形状のパターンを形成する。次いで、ITO膜を薬液でエッチングして、ITO膜を所望の検出電極12の形状にパターニングすることで検出電極12を形成できる。
【0019】
また、アクリル樹脂を第1基体11の第1主面11a上および検出電極12上に塗布し、露光、現像し、パターニングされた電極上に絶縁部材12Aを形成する。そして、絶縁部材12A上にITO膜を形成し、前述と同様のパターニングを行うことで、交差部分に絶縁部材12Aを有する検出電極12を形成できる。
【0020】
第1電極端子13および第2電極端子14は、回路基板20の第3電極端子22に電気的に接続される機能を有する。第1電極端子13は、非入力領域Eの外部導通領域Eに対応する第1基体11の第1主面11a上に設けられている。図4に示すように、第2電極端子14は第1電極端子13上に設けられている。また、図4に示すように、第2電極端子14の一部14aは、第1電極端子13上から第1基体11の第1主面11aにかけて延在して設けられている。したがって、第2電極端子14によって第1電極端子13を第1基体11に密着させることができるので、導体50によって入力領域Eが押圧されて第1電極端子13に応力が加わった場合でも、第1電極端子13が第1基体11の第1主面11aから剥がれることを低減できる。
【0021】
第1電極端子13および第2電極端子14の材料としては、導電性を有するものが挙げられ、例えば、ITO、酸化錫、またはアルミニウム、アルミニウム合金、銀もしくは銀合金などの金属である。また、第1電極端子13と第2電極端子14とを同一材料で形成すると、第1電極端子13と第2電極端子14との間の密着性が向上するので好ましい。第1電極端子13および第2電極端子14の形成方法としては、パターニングにより形成できる。
【0022】
また、第2電極端子14の硬度は、第1電極端子13の硬度に比べて小さく設定されている。これにより、透明基板10に回路基板20を取り付ける際、具体的には、接合部材30を介して第2電極端子14と第3電極端子22とを圧着する際に、第2電極端子14に導電性粒子31の一部を埋入させることができる。すなわち、図4に示すように、第2電極端子14に導電性粒子31の一部が埋入されるので、第2電極端子14には孔部14bが設けられることになる。このため、第2電極端子14と導電性粒子31との接触面積が増加し、第2電極端子14と導電性粒子31との密着性を向上させることができる。そのため、この入力装置1は、透明基板10の第1電極端子13と回路基板20の第3電極端子22との接続の信頼性を向上させることができる。
【0023】
ここで、電極端子の硬度とは、例えばビッカース硬度をいう。ビッカース硬度は、JIS Z 2244に準じて測定することができる。具体的には、四角錐形状のダイヤモンド圧子を所定の荷重で第1電極端子13もしくは第2電極端子14の表面に押し込み、荷重を除いた後に残ったへこみの対角線の長さから表面積を算出し、試験荷重を算出した表面積で割った値からビッカース硬さを求めることができる。
【0024】
第1電極端子13および第2電極端子14の硬度は、例えば、第1電極端子13および第2電極端子14の材料を変更することで調整できる。また、第1電極端子13と第2電極端子14とが同一材料であっても、これらを形成する際の成膜温度、成膜時間、ガス流量などを調整して成膜することで、第1電極端子13および第2電極端子14の硬度を調整できる。
【0025】
配線導体15は、検出電極12と第1電極端子13および第2電極端子14とを電気的に接続する機能を有する。配線導体15は、非入力領域Eに対応する第1基体11の第1主面11a上に設けられている。配線導体15は、一端部が検出電極12に接続され、他端部が第1電極端子13に接続されている。
【0026】
配線導体15の材料は、導電性を有するものが挙げられ、例えば、第1電極端子13と同様のものが挙げられる。また、配線導体15の形成方法としては、パターニングにより形成できる。
【0027】
回路基板20は、ドライバ40と透明基板10とを電気的に接続する機能を有する。回路基板20は、第2基体21と、第3電極端子22と、配線パターン23とを有している。
【0028】
第2基体21は第3電極端子22および配線パターン23を支持する機能を有する。第2基体21の材料としては絶縁性を有するものが挙げられ、例えば樹脂が挙げられる。また、第2基体21の材料としてポリイミド樹脂などの可撓性を有するものを採用すれば、回路基板20を柔軟に折り曲げることが可能となるので、入力装置1を表示装置3などに搭載する場合に、よりコンパクトに入力装置1を搭載できるようになる。
【0029】
第3電極端子22は、第1電極端子13および第2電極端子14に電気的に接続される機能を有する。第3電極端子22は、図4に示すように、第2基体21上に第2電極端子14と対向するように配置されている。第3電極端子22の材料は、第1電極端子13と同様のものが挙げられる。また、第3電極端子22の材料として銅などの可撓性を有するものを採用すると、第2基体21が可撓性を有する場合に、回路基板20を柔軟に折り曲げることが可能となる。
【0030】
配線パターン23は、第3電極端子22に電気的に接続される機能を有する。配線パターン23の材料は、第1電極端子13と同様のものが挙げられる。また、第2基体21が可撓性を有する場合に、配線パターン23の材料に銅などの可撓性を有するものを採用すると、回路基板20を柔軟に折り曲げることが可能となる。
【0031】
接合部材30は、図4に示すように、透明基板10と回路基板20とを接合する機能を有する。より具体的には、接合部材30は第2電極端子14と第3電極端子22とを接合している。接合部材30は透明基板10と回路基板20との間に設けられており、第2電極端子14と第3電極端子22とが対向する領域に位置している。接合部材30の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0032】
また、接合部材30は、複数の導電性粒子31を含んでいる。導電性粒子31は、第2電極端子14および第3電極端子22と接触することによって、第2電極端子14と第3電極端子22とを電気的に接続する機能を有する。また、図4に示すように、導電性粒子31の一部は第2電極端子14の孔部14bに埋入している。より具体的には、導電性粒子31の一部は孔部14bの内壁面と接触するように孔部14b内に位置している。
【0033】
導電性粒子31の材料としては、導電性を有するものが挙げられ、例えば、AuやNi等の金属粒子、シリカもしくはポリスチレン等の樹脂の表面にAuやNi等の金属膜を被覆したものが挙げられる。
【0034】
ドライバ40は、検出電極20に電圧信号を伝達する機能を有するとともに、導体50が近接もしくは接触する箇所のX座標およびY座標を演算する機能を有する。ドライバ40は回路基板20を介して透明基板10と電気的に接続されている。
【0035】
従来の入力装置では、導体によって入力領域が押圧されると、押圧に応じて基体が変形し、基体の非入力領域に位置する部位が入力領域側に引っ張られることで、非入力領域に位置する基体上の電極端子および接合部材に応力が加わっていた。この押圧による応力が繰り返し加わると、導電性粒子と電極端子との密着性が低下することとなり、導電性粒子と電極端子との密着性が低下すると、導電性粒子と電極端子との間で電流が流れにくくなり、その結果、入力装置の信頼性が低下する可能性があった。
【0036】
これに対して、入力装置1では、導電性粒子31が第1電極端子13の硬度よりも低い硬度の第2電極端子14と接触している。これにより、透明基板10に回路基板20を取り付ける際、具体的には、接合部材30を介して第2電極端子14と第3電極端子22とを圧着する際に、導電性粒子31の一部を第2電極端子14に埋入させることができる。すなわち、第2電極端子14と導電性粒子31との接触面積を増加させることができ、導電性粒子31と第2電極端子14との密着性が向上するので、透明基板10の第1電極端子13と回路基板20の第3電極端子22との接続の信頼性が低下することを抑制できる。
【0037】
一方、電極端子の硬度を低くしてしまうと、接合部材を介して透明基板の電極端子と回路基板の電極端子とを圧着する際に、外力によって導電性粒子が電極端子に押圧されることで、電極端子が断線してしまい、入力装置の信頼性が低下する可能性があった。
【0038】
これに対して、入力装置1では、第2電極端子14が、第2電極端子14の硬度よりも高い硬度の第1電極端子13上に設けられている。これにより、接合部材30を介して第2電極端子14と第3電極端子22とを圧着する際に、導電性粒子31によって第2電極端子14が押圧されても、第1電極端子13が第2電極端子14を補強することから、第2電極端子14が断線することを抑制できる。
【0039】
入力装置1では、導体50が入力領域Eに近接または接触することにより、導体50が近接または接触した位置を入力位置として検出する。具体的には、入力領域Eに導体50が近接または接触すると、検出電極12の容量が変化する。この容量変化をドライバ40により測定し、測定した容量変化の値から入力領域Eにおける入力座標を演算して求める。このようにして、入力装置1は、入力位置を検出することができる。
【0040】
[表示装置の構成]
図5は、本実施形態における表示装置3の一例を示す断面図である。図5に示すように、表示装置3は、入力装置1と、液晶表示装置2とを備えている。また、入力装置1は、シール部材Dを介して液晶表示装置2に取り付けられている。
【0041】
液晶表示装置2は、液晶表示パネル2aと、光源装置2bと、筐体2cとを備えている。
【0042】
光源装置2bは、液晶表示パネル2aに向けて光を照射する機能を有し、液晶表示パネル2aと下側筐体2cとの間に配置されている。
【0043】
筐体2cは、液晶表示パネル2aおよび光源装置2bを収容する役割を担うものであり、上側筐体2cおよび下側筐体2cを有する。筐体2cの材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、またはステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0044】
表示装置3は、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant:個人向け携帯型情報機器)等の携帯用の端末装置、工場等の産業用途で使用されるプログラマブル表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、あるいはゲーム用の端末装置等の種々の電子機器に備えられる。
【0045】
以上のように、本実施形態の表示装置3によれば、上記の入力装置1を備えているので、信頼性の低下を抑制できる。
【0046】
[実施の形態2]
図6および図7は、第2の実施形態における入力装置1Aの一例を示した図である。図6は、入力装置1Aの要部を示した平面図であり、図7は、図6のIV−IV線に沿った断面図である。
【0047】
入力装置1と入力装置1Aとの異なる点は、入力装置1では第1電極端子13の一部が配線導体15上に位置しているのに対して、入力装置1Aでは配線導体15の一部が第1電極端子13上に位置している点である。
【0048】
具体的には、入力装置1Aでは、第1電極端子13が、平面視して、第2電極端子14が設けられている第1領域13Eと、第2電極端子14が設けられていない第2領域13Eとを有しており、配線導体15の一部は第1電極端子13の第2領域13Eに位置している。
【0049】
入力装置1Aでは、配線導体15の一部は第1電極端子13の第2領域13Eに位置している。すなわち、配線導体15の一部によって第1電極端子13が第1基体11により確実に密着するので、導体50によって入力領域Eが押圧されることで第1基体11が変形して第1電極端子13に応力が加わった場合でも、第1電極端子13が第1基体11の第1主面11aから剥がれることを低減できる。
【0050】
[実施の形態3]
図8は、第3の実施形態における入力装置1Bの一例を示した断面図である。図8は、入力装置1Aにおける図7に対応した図である。入力装置1Aと入力装置1Bとの異なる点は、入力装置1Aでは配線導体15の一部が第1電極端子13上に位置しているのに対して、入力装置1Bでは、配線導体15の一部が第1電極端子13上に位置していることに加えて、配線導体15の一部が第2電極端子14と接触している点である。
【0051】
入力装置1Bでは、配線導体15が第1電極端子13上に位置しているので、入力装置1Aと同様に、第1電極端子13が第1基体11の第1主面11aから剥がれにくくなる。さらに、入力装置1Bでは、配線導体15の一部と第2電極端子14とが接触しているので、回路基板20からの電流が第1電極端子13からだけでなく第2電極端子14からも配線導体15に流れることから、電気的な安定性が向上する。
【0052】
また、入力装置1Bでは、配線導体15が第2電極端子14上に位置している。すなわち、配線導体15が第2電極端子14を第1電極端子13により確実に密着させるので、導体50によって入力領域Eが押圧されることで第1基体11および第1電極端子13が変形して第2電極端子14に応力が加わった場合でも、第2電極端子14が第1電極端子13から剥がれることを低減できる。
【0053】
[実施の形態4]
図9は、第3の実施形態における入力装置1Cの一例を示す断面図である。図9は、入力装置1Aにおける図7に対応した図である。
【0054】
入力装置1Aと入力装置1Cとの異なる点は、入力装置1Aでは接合部材30は第2電極端子14上に位置しているのに対して、入力装置1Cでは接合部材30が第2電極端子14上に位置していることに加えて、接合部材30の一部が配線導体15の一部と第2電極端子14との間の間隙K内に位置している点である。
【0055】
具体的には、入力装置1Cでは、第1電極端子13上において、配線導体15の一部と第2電極端子14とは間隙Kを介して離間して位置しており、間隙Kには接合部材30の一部が位置している。
【0056】
入力装置1Cnでは、接合部材30の一部が間隙K内に位置しているので、透明基板10と接合部材30との接合面積が増加し、透明基板10と回路基板20との接合強度が向上する。
【0057】
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
なお、入力装置1では、第1電極端子13は配線導体15を介して検出電極12に接続されているが、図10に示すように、第1電極端子13と配線導体15とを一体として形成して、第1電極端子13を直接的に検出電極12に接続してもよい。
【0059】
また、第2電極端子14の孔部14bは、図11に示すように、第2電極端子14の厚み方向に貫く貫通孔であってもよい。この場合、導電性粒子31が第1電極端子13の表面に接触していると好ましい。
【0060】
本実施形態における入力装置1は、入力領域Eへの入力の検出方式に静電容量方式を採用しているタッチパネルであるが、検出方式はこれには限られず、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
【0061】
表示装置3では、入力装置1を備える例について説明したが、他の実施形態の入力装置1A,1B、1Cを備えても、上述した効果と同様の効果を得られる。
【0062】
表示装置3では、表示パネルが液晶表示パネル2aである例について説明したが、表示パネルはこれに限定されない。すなわち、表示パネルは、CRT、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、蛍光表示管、電界放出ディスプレイ、表面電界ディスプレイ、電子ペーパーなどであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、1A、1B、1C 入力装置
2 表示装置
3 液晶表示装置
10 透明基板
11 第1基体
12 検出電極
13 第1電極端子
14 第2電極端子
15 配線導体
20 回路基板
22 第3電極端子
30 接合部材
31 導電性粒子
2a 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力領域および該入力領域の外側に位置する非入力領域を有した入力装置であって、
基体と、
前記入力領域に対応する前記基体上に設けられた検出電極と、
前記非入力領域に対応する前記基体上に設けられ、かつ前記検出電極に電気的に接続された第1電極端子と、
該第1電極端子上に設けられ、かつ前記検出電極に電気的に接続された第2電極端子と、
前記第2電極端子と対向する第3電極端子を有した回路基板と、
前記第2電極端子および前記第3電極端子に接触することによって前記第2電極端子と前記第3電極端子とを電気的に接続する導電性粒子を含み、かつ前記第2電極端子と前記第3電極端子とを接合する接合部材とを備え、
前記第2電極端子の硬度は、前記第1電極端子の硬度よりも低いことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第2電極端子は、孔部が設けられており、
前記導電性粒子の一部は、前記孔部に埋入されている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記非入力領域に対応する前記基体上に設けられ、かつ前記第1電極端子と前記検出電極とを電気的に接続する配線導体をさらに備え、
前記第1電極端子は、平面視して、前記第2電極端子が設けられている第1領域と、前記第2電極端子が設けられていない第2領域とを有しており、
前記配線導体の一部は、前記第1電極端子の前記第2領域に位置している、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記配線導体の一部は、前記第2電極端子と接触している、請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記配線導体の一部は、前記第1領域における前記第2電極端子上に位置している、請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1電極端子上において、前記配線導体の一部と前記第2電極端子とは間隙を介して離間しており、
前記間隙には前記接合部材の一部が位置している、請求項3に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第2電極端子は、前記第1電極端子上から前記基体にかけて延在している、請求項1〜6のいずれかに記載に入力装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の入力装置と、
該入力装置と対向配置される表示パネルと
を備えた表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、液晶表示パネルである、請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−248696(P2011−248696A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122295(P2010−122295)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】