入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラム
【課題】いかなる方向から握ってもユーザの操作方向を正確に特定することができ、握る方向が規制されない入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】入力装置100は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出部11と、ユーザ接触領域から、移動接触点と固定接触点とを検出する固定位置検出部12と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定部13と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出部14と、移動軌跡をユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正部15と、を備える。ここで、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、上記交わる線に含まれない固定接触点の側を下方向とし、ユーザにとっての操作方向を決定する。
【解決手段】入力装置100は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出部11と、ユーザ接触領域から、移動接触点と固定接触点とを検出する固定位置検出部12と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定部13と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出部14と、移動軌跡をユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正部15と、を備える。ここで、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、上記交わる線に含まれない固定接触点の側を下方向とし、ユーザにとっての操作方向を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に使用される入力装置、該入力装置を備える入力システム、入力制御方法及びプログラムに関し、特に全方向で使用できる入力装置、該入力装置を備える入力システム、入力制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なPC(Personal Computer)などの情報処理装置では、ユーザは、図11に示すようなマウスなどのポインティングデバイスを使用して、PCのモニタに表示されたポインタの移動などの操作を行う。しかし、ポインティングデバイスを用いてモニタの画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、ユーザがポインティングデバイス毎に設定された特有の方向にポインティングデバイスを握る必要があった。そのため、ユーザは、操作を行うために、ポインティングデバイスを目視し、ポインティングデバイスを握ることを試み、画面上のポインタがユーザの思い通りに動かせるかを逐一確認しなくてはならないので、操作が煩雑となるという課題があった。
【0003】
また、ポインティングデバイスとして、情報処理装置との通信をワイヤレス化することで、マウスのように机などの平面上で使用する形態とは異なり、手で握って空中で使用するようなものも提案されている。しかし、これらのポインティングデバイスを用いてモニタ画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、上記と同様に、ユーザが各ポインティングデバイスに設定された特有の方向でポインティングデバイスを握る必要があった。そのため、上記課題を未だに解決できないという課題があった。
【0004】
さらに、近年では、全方向で使用できるような球状あるいは半球状のタッチ型入力装置が提案されている。このようなタッチ型入力装置では、入力装置本体にタッチパッドを搭載することで、ユーザの指の接触を検知し、当該指の動きに従ってモニタ画面上のポインタを移動させることができる。しかし、タッチ型入力装置であっても、モニタ画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、上記と同様に、ユーザが各タッチ型入力装置に設定された特有の方向で各タッチ型入力装置を握る必要があった。また、球状あるいは半球状の入力装置では、様々な方向から握ることが可能であるので、ユーザは握るべき適正な方向を認識しにくいため、各タッチ型入力装置に設定された特有の方向でタッチ型入力装置を握ることが困難であるという課題もあった。そのため、上記したポインティングデバイス以上に操作が煩雑となるという課題があった。
【0005】
上記課題に関連して、手のひらで撫でるような操作を行うことができる半球形状のタッチパネルスイッチの技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の記載の技術では、ユーザの手のひらが接触する点を複数検出し、その重心位置を検出することで、手のひらで撫でるような操作を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−269208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の技術であっても、ユーザがタッチパネルスイッチ毎に設定された特有の方向でタッチパネルスイッチを握る必要があった。そのため、ユーザはタッチパネルスイッチを目視してタッチパネルスイッチを握る必要があり、さらに、画面上のポインタがユーザの思い通りに動かせるかを逐一確認しなくてはならないので、操作が煩雑であるという課題があった。
【0008】
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、いかなる方向から握ってもユーザの操作方向を正確に特定することができ、握る方向が規制されない入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力装置は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、移動検出手段によって検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、を備え、固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定手段は、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の入力システムは、少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、入力装置は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、移動検出手段によって検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、操作方向補正手段により補正された補正移動軌跡を情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定手段は、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定し、情報処理装置は、出力手段により出力された補正移動軌跡の入力を受け付ける入力手段と、入力をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の入力制御方法は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出ステップと、接触検出ステップにおいて検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出ステップと、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定ステップと、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出ステップと、移動検出ステップにおいて検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正ステップと、を備え、固定位置検出ステップにおいて、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定ステップにおいて、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、ユーザが接触した領域を検出する処理と、検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出し、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際には、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とする処理と、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定する処理と、移動接触点の移動軌跡を検出する処理と、検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する処理と、をコンピュータの実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力装置の握る方向が規制されないので、ユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る入力装置の外観例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る入力システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る入力装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る入力装置の概略機能構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係る入力装置における操作出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る入力装置における固定位置決定処理及び方向決定処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図9】固定位置決定処理及び方向決定処理を説明するための図である。
【図10】固定位置決定処理及び方向決定処理を説明するための図である。
【図11】本発明に関する入力装置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る入力装置の外観例を示す。以下では、入力装置100が球状あるいは半球状である例を挙げて説明するが、これ限定されるものではなく、入力装置はいかなる形状であってもよい。図2は、本実施形態に係る入力システムの概略構成例を示す。図2に示すように、本実施形態に係る入力システムは、少なくとも入力装置100と情報処理装置200とを備えている。以下では、図2に示すように、情報処理装置として、入力装置100と表示装置300とキー入力装置400と、例えば、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して接続されたPCを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。尚、上記ネットワークは、有線及び無線の何れであってもよい。また、情報処理装置は、例えばノートPCなどの表示装置とキー入力装置と一体型で形成された情報処理装置であってもよく、特に限定されない。
【0017】
図3は、本実施形態に係る入力装置100の概略構成例を示す。図3に示すように、本実施形態に係る入力装置100は、タッチモジュール1、CPU2、I/F3などを備えている。タッチモジュール1は、ユーザの指や手のひらが接触したことを検出する。タッチモジュール1としては、例えば、静電容量式のタッチパッドを適用することができる。また、タッチパッドは平面で形成されていても曲面で形成されていても何れでもかまわない。尚、タッチモジュール1は、入力装置100の全面に設けられていても、一部の領域に設けられていてもよい。CPU(Central Processing Unit)2は、ROM(Read-Only Memory)などに格納されたプログラムに従って、入力装置100の動作を制御する集中演算装置である。I/F3は、情報処理装置200と接続するためのインターフェースである。
【0018】
図4は、本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置200の概略構成例を示す。図4に示すように、情報処理装置200は、CPU5、入力装置I/F6、表示装置I/F7、キー入力装置I/F8などを備えている。尚、表示装置とキー入力装置と一体に形成された情報処理装置では、表示装置I/F7、キー入力装置I/F8を必ずしも備える必要はない。
【0019】
CPU5は、ROM(Read-Only Memory)などに格納されたプログラムに従って、情報処理装置の動作を制御する集中演算装置である。例えば、入力装置100からの出力を受け付け、ユーザによる情報処理装置の操作を制御する。尚、情報処理装置200の操作としては、情報処理装置200が備える表示装置に表示されたポインタの移動などの操作が挙げられるが、これに限定されるものではない。入力装置I/F6は、情報処理装置200と入力装置100とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。表示装置I/F7は、情報処理装置200と表示装置300とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。キー入力装置I/F8は、情報処理装置200とキー入力装置400とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。
【0020】
図5は、本実施形態に係る入力装置100の概略機能構成例を示す。図5に示すように、本実施形態に係る入力装置100は、接触検出部11、固定位置検出部12、方向決定部13、移動検出部14、操作方向補正部15、出力部16などを備えている。尚、固定位置検出部12、方向決定部13、移動検出部14、操作方向補正部15などは、情報処理装置200が備えるようにしてもよく、特に限定されない。
【0021】
接触検出部11は、タッチモジュール1により、入力装置100へのユーザの指や手のひらなどの接触の検出を実現する。固定位置検出部12は、接触検出部11により検出された接触のうち、移動する接触点及び固定された接触点を区別して検出する。尚、接触検出部11により所定面積以上の面の接触を検出した場合には、接触面の重心を算出し、当該重心点を移動接触点又は固定接触点としてもよい。
【0022】
方向決定部13は、移動接触点及び固定接触点の位置関係からユーザが入力装置100を握っている方向を決定する。例えば、方向決定部13は、一般的にユーザが入力装置を親指と中指と手のひらで握り、人差し指で操作を行うということを利用して、固定位置検出部12により検出された固定接触点のうち手のひらの接触点を決定することで、ユーザの操作向きを決定することができる。尚、方向決定部13の方向決定処理の詳細は後述する。移動検出部14は、接触検出部11により検出された移動点の軌跡を検出する。操作方向補正部15は、方向決定部13が決定したユーザの操作向きに従って、移動検出部14が検出した軌跡を補正する。出力部16は、操作方向補正部15により補正された操作入力を情報処理装置200に出力する。
【0023】
図6は、本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略機能構成例を示す。図6に示すように、情報処理装置200は、制御部21、表示部22、入力部23などを備える。制御部21は、情報処理装置200の各動作制御をCPU5により実現する。表示部22は、表示装置300によりユーザに情報を表示させる。入力部23は、入力装置100やキー入力装置400を介してユーザの操作入力を受け付ける。
【0024】
(操作出力処理)
図7は、本実施形態に係る入力装置における操作出力処理の流れの例を示す。以下に、本実施形態に係る入力装置100における操作出力処理の流れの例について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0025】
ユーザが情報処理装置200の操作を行うために入力装置100を握ると、入力装置100の接触検出部11は、静電容量の変化からユーザの指や手のひらが入力装置の検出領域に接触していることを検出する(ステップS701)。
【0026】
固定位置検出部12は、ユーザの指などが接触していると検出された領域のうち、固定された領域と移動する領域とを検出し、固定して接触している領域を固定接触点として検出する(ステップS702)。このとき、上記固定された領域の面積が所定値以上である場合には、当該領域の重心を算出し、算出された重心を固定接触点として検出する。尚、固定された領域の面積が所定値以上である場合における固定接触点の決定方法は、重心点を算出する方法に限定されず、いかなる方法を適用することが可能である。
【0027】
方向決定部13は、上記のように固定位置検出部12により検出された移動接触点と固定接触点との位置関係に基づいて、ユーザが入力装置100を握っている向きを決定し(ステップS703)、ユーザの操作向きを決定する。
【0028】
次に、移動検出部14により移動接触点の軌跡を検出すると(ステップS704)、操作方向補正部15は、検出された軌跡の方向を、方向決定部13が決定したユーザの操作向きに基づいて補正する(ステップS705)。そして、出力部16は、操作方向補正部15により補正されたユーザの操作入力を情報処理装置200に出力する(ステップS706)。
【0029】
上述したように出力されたユーザの操作は、情報処理装置200の入力部23により受け付けられる。そして、情報処理装置200は、制御部21により、ユーザの操作を表示装置300に反映させ、例えば、表示装置300の画面上のポインタ移動などを実現する。尚、上記ステップSS703やステップS705の処理は、情報処理装置200側の制御部21で行うようにすることも可能であり、特に限定されない。
【0030】
尚、方向決定部13が決定したユーザの操作向きが、実際にユーザが感じている又は所望する操作向きと異なる場合などには、ユーザが操作方向補正部15に対して、操作方向の微調整内容を入力できるようにしてもよい。この場合、微調整内容を図示しない記憶部に記憶させることで、操作方向補正部15は、検出された軌跡の方向を補正する際に、ユーザ毎の操作方向微調整を随時行うことができる。
【0031】
(方向決定処理)
次に、上記ステップS702の固定位置検出処理と上記ステップS703の方向決定処理の詳細について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
接触検出部11によりユーザの入力装置100への接触を検出すると(ステップS801)、固定位置検出部12は、ユーザが接触している領域の面積が所定値以上であるか判断し、ユーザの接触を点とするか面とするかを決定する。ここでは、ユーザによる接触領域の面積が所定値以上の場合には面と判断し、接触領域面積が所定値以下の場合には点と判断するが、これに限定されるものではない。また上記所定値は予め設定されていてもよく、ユーザに設定させるようにしてもよい。
【0033】
上述したようにして検出した接触に面があると判断された場合(ステップS802/YES)、固定位置検出部12は、上記接触面の重心を算出し(ステップS803)、当該重心を接触点とする。他方、検出した接触に面がないと判断された場合(ステップS802/NO)には、固定位置検出部12は、接触検出部11により検出された点を接触点としてそのまま次の処理に使用する。尚、接触領域の面積が所定値以上である場合における接触点の決定方法は、重心点を算出する方法に限定されず、いかなる方法を適用することが可能である。また、ユーザの指などが接触している領域を全て面として検出し、全ての接触領域において重心などを算出することで、接触点位置を決定するようにしてもよい。
【0034】
次に、固定位置検出部12は、検出された各接触点が、固定された接触点である固定接触点か、あるいは、移動する接触点である移動接触点であるかを判断する(ステップS804)。固定接触点が何れであるかが決定されると、方向決定部13は、固定接触点と移動接触点との位置関係から、ユーザが入力装置100を握った方向を決定し、ユーザにとっての上下方向を決定する(ステップS805)。そして、方向決定部13は、上記のように決定した上下方向に基づいて、ユーザにとっての左右方向を決定する(ステップS806)。
【0035】
ここで、上記ステップS804〜ステップS806におけるユーザの操作向きを決定する方向決定方法について説明する。尚、以下に示す方向決定方法は例であり、方向決定方法はこれに限定されるものではない。
【0036】
例えば、図9に示すように、一般的にユーザは、入力装置100を親指と中指と手のひらで握り、人差し指で操作を行う。そこで、固定位置検出部12により検出された固定接触点の中から、手のひらの接触点を決定すると、方向決定部13は、当該手のひらの接触点をユーザにとっての下方向として上下方向を決定することができる。より詳細には、親指と中指の接触点を結んだ線をX軸(左右方向)とし、親指と中指の接触点を結んだ線に垂直な線をY軸とする。このとき、人間の手のつくりから、手のひらの接触点は移動接触点と比較してユーザ側に存在するので、手のひらの接触点がユーザにとっての下方向となる。このように下方向が決定すると、X軸における左右も決定されることとなり、ユーザにとっての操作方向を正確に検出し、確定することができる。
【0037】
ここで、固定接触点のうち、何れがユーザにとっての下方向の接触点であるかの検出方法について、図9及び図10を用いて説明する。つまり、何れの固定接触点が手のひらの接触点に該当するかの決定方法について説明する。尚、以下に示す方向決定方法は例であり、ユーザにとっての操作方向を決定する方法は、下記の方法に限定されるものではない。例えば、方向決定方法は、入力装置の形状などに基づいて適宜変更可能である。
【0038】
まず、第1の下方向決定方法としては、移動接触点から最も遠い位置に存在する固定接触点を手のひらの接触点と判断する方法が挙げられる。この方法では、固定位置検出部12は、移動接触点(例えば、人差し指)と各固定接触点(例えば、親指、中指、手のひら)との距離をそれぞれ算出し、移動接触点から最も遠い位置に存在する固定接触点を手のひらの接触点とする。そして、方向決定部13は、手のひらの接触点に基づいて、各接触点との位置関係からユーザにとっての下方向を決定する。つまり、方向決定部13は、手のひらの接触点として検出された以外の固定接触点同士を結んだ線をX軸とし、このX軸に垂直なY軸のうち手のひらの接触点がある側をユーザにとっての下方向として決定する。
【0039】
第2の下方向決定方法としては、各固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と各固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を手のひらの接触点と判断する方法が挙げられる。
【0040】
この方法では、まず、図10に示すように、移動接触点をA点、3つの固定接触点をB点、C点、D点とすると、固定位置検出部12は、各固定接触点同士を結び、線分BC、線分CD、線分BDの位置関係を検出する。図10中では、各固定接触点同士を結んだ線を点線で示している。次に、固定位置検出部12は、移動接触点(A点)と各固定接触点(B点〜D点)とを結び、線分AB、線分AC、線分ADの位置関係を検出する。そして、固定位置検出部12は、各固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と各固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を検出して、手のひらの接触点とする。そして、方向決定部13は、手のひらの接触点に基づいて、各接触点との位置関係からユーザにとっての下方向を決定する。
【0041】
具体的には、図10に示す例では、線分BC、線分CD、線分BDのうち、線分AB、線分AC、線分ADが交わる線は、線分BDである。つまり、固定位置検出部12は、線分BDに含まれない固定接触点であるC点が手のひらの接触点であると判断する。また、方向決定部13は、手のひらの接触点として検出された以外の固定接触点同士を結んだ線である線分BDをX軸とし、このX軸に垂直なY軸のうち手のひらの接触点(C点)がある側をユーザにとっての下方向として決定する。
【0042】
上記第1の下方向決定方法が極めて容易に下方向を決定できるのに対し、上記第2の下方向決定方法では、上記第1の下方向決定方法よりも正確にユーザにとっての下方向を判断することができる。これは、「人間工学に基づくと、移動接触点に対応する人差し指の先端は、主に、手のひらを頂点として親指(入力装置を把持する一方の指)と中指(入力装置を把持する他方の指)とを結ぶ線で区切られる領域(のうち、なす角が180度よりも小さい方)の中を移動するものである」という根拠に基づいている。
【0043】
尚、接触検出部11は、例えば、タッチモジュール1が入力装置100の接触検出領域に沿って曲線で構成されたものであっても、ユーザの指などの接触位置を平面上に変換してとらえることができる。本実施形態に係る入力装置100は、このようにして平面上に配置された各接触点の位置関係(例えば、ベクトル方向)から、ユーザの正確な操作方向を検出することができる。また、接触検出部11は、タッチモジュール1が入力装置100の接触検出領域に沿って曲線で構成されたものである場合には、3次元で各接触点の位置関係を検出するようにしてもよく、接触位置の検出方法は特に限定されない。
【0044】
また、上記ステップS804において、例えば、親指、中指、手のひらに対応する固定接触点を確定し、図示しない記憶部などに記憶することで、親指をタップした場合には左クリックがされ、中指をタップした場合には右クリックがされたとして、出力部16が情報処理装置200に出力するようにしてもよい。
【0045】
尚、方向決定部13によって確定したユーザにとっての操作方向を図示しない記憶部などに記憶することで、人差し指の軌跡が図10における領域BCDの中などに入ったとしても、ユーザにとっての操作方向を正確に検出し、確定することができる。
【0046】
本実施形態により、ユーザがいかなる方向から入力装置を握った場合であっても、入力装置はユーザにとっての操作方向を正確に検出し、ユーザが所望する操作を実現することが可能となる。つまり、ユーザは、入力装置を握る方向を考慮する必要がないので、ユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【0047】
尚、各図のフローチャートに示す処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部などを用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステムなどで用い、該システムのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0048】
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラムに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、球状あるいは半球状の入力装置だけでなく、いかなる形状の入力装置にも適用することが可能である。また、入力装置としては、情報処置装置を操作する入力装置だけでなく、例えば、工場用機械の操作パネルなどのポインティングデバイスにも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 タッチモジュール
2 CPU
3 I/F
5 CPU
6 入力装置I/F
7 表示装置I/F
8 キー入力装置I/F
11 接触検出部
12 固定位置検出部
13 方向決定部
14 移動検出部
15 操作方向補正部
16 出力部
21 制御部
22 表示部
23 入力部
100 入力装置
200 情報処理装置
300 表示装置
400 キー入力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に使用される入力装置、該入力装置を備える入力システム、入力制御方法及びプログラムに関し、特に全方向で使用できる入力装置、該入力装置を備える入力システム、入力制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なPC(Personal Computer)などの情報処理装置では、ユーザは、図11に示すようなマウスなどのポインティングデバイスを使用して、PCのモニタに表示されたポインタの移動などの操作を行う。しかし、ポインティングデバイスを用いてモニタの画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、ユーザがポインティングデバイス毎に設定された特有の方向にポインティングデバイスを握る必要があった。そのため、ユーザは、操作を行うために、ポインティングデバイスを目視し、ポインティングデバイスを握ることを試み、画面上のポインタがユーザの思い通りに動かせるかを逐一確認しなくてはならないので、操作が煩雑となるという課題があった。
【0003】
また、ポインティングデバイスとして、情報処理装置との通信をワイヤレス化することで、マウスのように机などの平面上で使用する形態とは異なり、手で握って空中で使用するようなものも提案されている。しかし、これらのポインティングデバイスを用いてモニタ画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、上記と同様に、ユーザが各ポインティングデバイスに設定された特有の方向でポインティングデバイスを握る必要があった。そのため、上記課題を未だに解決できないという課題があった。
【0004】
さらに、近年では、全方向で使用できるような球状あるいは半球状のタッチ型入力装置が提案されている。このようなタッチ型入力装置では、入力装置本体にタッチパッドを搭載することで、ユーザの指の接触を検知し、当該指の動きに従ってモニタ画面上のポインタを移動させることができる。しかし、タッチ型入力装置であっても、モニタ画面上のポインタをユーザが想定する方向に適正に動かすためには、上記と同様に、ユーザが各タッチ型入力装置に設定された特有の方向で各タッチ型入力装置を握る必要があった。また、球状あるいは半球状の入力装置では、様々な方向から握ることが可能であるので、ユーザは握るべき適正な方向を認識しにくいため、各タッチ型入力装置に設定された特有の方向でタッチ型入力装置を握ることが困難であるという課題もあった。そのため、上記したポインティングデバイス以上に操作が煩雑となるという課題があった。
【0005】
上記課題に関連して、手のひらで撫でるような操作を行うことができる半球形状のタッチパネルスイッチの技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の記載の技術では、ユーザの手のひらが接触する点を複数検出し、その重心位置を検出することで、手のひらで撫でるような操作を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−269208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の技術であっても、ユーザがタッチパネルスイッチ毎に設定された特有の方向でタッチパネルスイッチを握る必要があった。そのため、ユーザはタッチパネルスイッチを目視してタッチパネルスイッチを握る必要があり、さらに、画面上のポインタがユーザの思い通りに動かせるかを逐一確認しなくてはならないので、操作が煩雑であるという課題があった。
【0008】
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、いかなる方向から握ってもユーザの操作方向を正確に特定することができ、握る方向が規制されない入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力装置は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、移動検出手段によって検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、を備え、固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定手段は、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の入力システムは、少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、入力装置は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、移動検出手段によって検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、操作方向補正手段により補正された補正移動軌跡を情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定手段は、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定し、情報処理装置は、出力手段により出力された補正移動軌跡の入力を受け付ける入力手段と、入力をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の入力制御方法は、ユーザが接触した領域を検出する接触検出ステップと、接触検出ステップにおいて検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出ステップと、ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定ステップと、移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出ステップと、移動検出ステップにおいて検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正ステップと、を備え、固定位置検出ステップにおいて、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、方向決定ステップにおいて、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、ユーザが接触した領域を検出する処理と、検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出し、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際には、固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とする処理と、移動接触点と3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、X軸に垂直な線をY軸とした場合に、Y軸のうち、下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定する処理と、移動接触点の移動軌跡を検出する処理と、検出された移動軌跡を、ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する処理と、をコンピュータの実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力装置の握る方向が規制されないので、ユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る入力装置の外観例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る入力システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る入力装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る入力装置の概略機能構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係る入力装置における操作出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る入力装置における固定位置決定処理及び方向決定処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図9】固定位置決定処理及び方向決定処理を説明するための図である。
【図10】固定位置決定処理及び方向決定処理を説明するための図である。
【図11】本発明に関する入力装置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る入力装置の外観例を示す。以下では、入力装置100が球状あるいは半球状である例を挙げて説明するが、これ限定されるものではなく、入力装置はいかなる形状であってもよい。図2は、本実施形態に係る入力システムの概略構成例を示す。図2に示すように、本実施形態に係る入力システムは、少なくとも入力装置100と情報処理装置200とを備えている。以下では、図2に示すように、情報処理装置として、入力装置100と表示装置300とキー入力装置400と、例えば、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して接続されたPCを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。尚、上記ネットワークは、有線及び無線の何れであってもよい。また、情報処理装置は、例えばノートPCなどの表示装置とキー入力装置と一体型で形成された情報処理装置であってもよく、特に限定されない。
【0017】
図3は、本実施形態に係る入力装置100の概略構成例を示す。図3に示すように、本実施形態に係る入力装置100は、タッチモジュール1、CPU2、I/F3などを備えている。タッチモジュール1は、ユーザの指や手のひらが接触したことを検出する。タッチモジュール1としては、例えば、静電容量式のタッチパッドを適用することができる。また、タッチパッドは平面で形成されていても曲面で形成されていても何れでもかまわない。尚、タッチモジュール1は、入力装置100の全面に設けられていても、一部の領域に設けられていてもよい。CPU(Central Processing Unit)2は、ROM(Read-Only Memory)などに格納されたプログラムに従って、入力装置100の動作を制御する集中演算装置である。I/F3は、情報処理装置200と接続するためのインターフェースである。
【0018】
図4は、本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置200の概略構成例を示す。図4に示すように、情報処理装置200は、CPU5、入力装置I/F6、表示装置I/F7、キー入力装置I/F8などを備えている。尚、表示装置とキー入力装置と一体に形成された情報処理装置では、表示装置I/F7、キー入力装置I/F8を必ずしも備える必要はない。
【0019】
CPU5は、ROM(Read-Only Memory)などに格納されたプログラムに従って、情報処理装置の動作を制御する集中演算装置である。例えば、入力装置100からの出力を受け付け、ユーザによる情報処理装置の操作を制御する。尚、情報処理装置200の操作としては、情報処理装置200が備える表示装置に表示されたポインタの移動などの操作が挙げられるが、これに限定されるものではない。入力装置I/F6は、情報処理装置200と入力装置100とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。表示装置I/F7は、情報処理装置200と表示装置300とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。キー入力装置I/F8は、情報処理装置200とキー入力装置400とを接続し、信号の送受信を行うためのインターフェースである。
【0020】
図5は、本実施形態に係る入力装置100の概略機能構成例を示す。図5に示すように、本実施形態に係る入力装置100は、接触検出部11、固定位置検出部12、方向決定部13、移動検出部14、操作方向補正部15、出力部16などを備えている。尚、固定位置検出部12、方向決定部13、移動検出部14、操作方向補正部15などは、情報処理装置200が備えるようにしてもよく、特に限定されない。
【0021】
接触検出部11は、タッチモジュール1により、入力装置100へのユーザの指や手のひらなどの接触の検出を実現する。固定位置検出部12は、接触検出部11により検出された接触のうち、移動する接触点及び固定された接触点を区別して検出する。尚、接触検出部11により所定面積以上の面の接触を検出した場合には、接触面の重心を算出し、当該重心点を移動接触点又は固定接触点としてもよい。
【0022】
方向決定部13は、移動接触点及び固定接触点の位置関係からユーザが入力装置100を握っている方向を決定する。例えば、方向決定部13は、一般的にユーザが入力装置を親指と中指と手のひらで握り、人差し指で操作を行うということを利用して、固定位置検出部12により検出された固定接触点のうち手のひらの接触点を決定することで、ユーザの操作向きを決定することができる。尚、方向決定部13の方向決定処理の詳細は後述する。移動検出部14は、接触検出部11により検出された移動点の軌跡を検出する。操作方向補正部15は、方向決定部13が決定したユーザの操作向きに従って、移動検出部14が検出した軌跡を補正する。出力部16は、操作方向補正部15により補正された操作入力を情報処理装置200に出力する。
【0023】
図6は、本実施形態に係る入力システムが備える情報処理装置の概略機能構成例を示す。図6に示すように、情報処理装置200は、制御部21、表示部22、入力部23などを備える。制御部21は、情報処理装置200の各動作制御をCPU5により実現する。表示部22は、表示装置300によりユーザに情報を表示させる。入力部23は、入力装置100やキー入力装置400を介してユーザの操作入力を受け付ける。
【0024】
(操作出力処理)
図7は、本実施形態に係る入力装置における操作出力処理の流れの例を示す。以下に、本実施形態に係る入力装置100における操作出力処理の流れの例について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0025】
ユーザが情報処理装置200の操作を行うために入力装置100を握ると、入力装置100の接触検出部11は、静電容量の変化からユーザの指や手のひらが入力装置の検出領域に接触していることを検出する(ステップS701)。
【0026】
固定位置検出部12は、ユーザの指などが接触していると検出された領域のうち、固定された領域と移動する領域とを検出し、固定して接触している領域を固定接触点として検出する(ステップS702)。このとき、上記固定された領域の面積が所定値以上である場合には、当該領域の重心を算出し、算出された重心を固定接触点として検出する。尚、固定された領域の面積が所定値以上である場合における固定接触点の決定方法は、重心点を算出する方法に限定されず、いかなる方法を適用することが可能である。
【0027】
方向決定部13は、上記のように固定位置検出部12により検出された移動接触点と固定接触点との位置関係に基づいて、ユーザが入力装置100を握っている向きを決定し(ステップS703)、ユーザの操作向きを決定する。
【0028】
次に、移動検出部14により移動接触点の軌跡を検出すると(ステップS704)、操作方向補正部15は、検出された軌跡の方向を、方向決定部13が決定したユーザの操作向きに基づいて補正する(ステップS705)。そして、出力部16は、操作方向補正部15により補正されたユーザの操作入力を情報処理装置200に出力する(ステップS706)。
【0029】
上述したように出力されたユーザの操作は、情報処理装置200の入力部23により受け付けられる。そして、情報処理装置200は、制御部21により、ユーザの操作を表示装置300に反映させ、例えば、表示装置300の画面上のポインタ移動などを実現する。尚、上記ステップSS703やステップS705の処理は、情報処理装置200側の制御部21で行うようにすることも可能であり、特に限定されない。
【0030】
尚、方向決定部13が決定したユーザの操作向きが、実際にユーザが感じている又は所望する操作向きと異なる場合などには、ユーザが操作方向補正部15に対して、操作方向の微調整内容を入力できるようにしてもよい。この場合、微調整内容を図示しない記憶部に記憶させることで、操作方向補正部15は、検出された軌跡の方向を補正する際に、ユーザ毎の操作方向微調整を随時行うことができる。
【0031】
(方向決定処理)
次に、上記ステップS702の固定位置検出処理と上記ステップS703の方向決定処理の詳細について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
接触検出部11によりユーザの入力装置100への接触を検出すると(ステップS801)、固定位置検出部12は、ユーザが接触している領域の面積が所定値以上であるか判断し、ユーザの接触を点とするか面とするかを決定する。ここでは、ユーザによる接触領域の面積が所定値以上の場合には面と判断し、接触領域面積が所定値以下の場合には点と判断するが、これに限定されるものではない。また上記所定値は予め設定されていてもよく、ユーザに設定させるようにしてもよい。
【0033】
上述したようにして検出した接触に面があると判断された場合(ステップS802/YES)、固定位置検出部12は、上記接触面の重心を算出し(ステップS803)、当該重心を接触点とする。他方、検出した接触に面がないと判断された場合(ステップS802/NO)には、固定位置検出部12は、接触検出部11により検出された点を接触点としてそのまま次の処理に使用する。尚、接触領域の面積が所定値以上である場合における接触点の決定方法は、重心点を算出する方法に限定されず、いかなる方法を適用することが可能である。また、ユーザの指などが接触している領域を全て面として検出し、全ての接触領域において重心などを算出することで、接触点位置を決定するようにしてもよい。
【0034】
次に、固定位置検出部12は、検出された各接触点が、固定された接触点である固定接触点か、あるいは、移動する接触点である移動接触点であるかを判断する(ステップS804)。固定接触点が何れであるかが決定されると、方向決定部13は、固定接触点と移動接触点との位置関係から、ユーザが入力装置100を握った方向を決定し、ユーザにとっての上下方向を決定する(ステップS805)。そして、方向決定部13は、上記のように決定した上下方向に基づいて、ユーザにとっての左右方向を決定する(ステップS806)。
【0035】
ここで、上記ステップS804〜ステップS806におけるユーザの操作向きを決定する方向決定方法について説明する。尚、以下に示す方向決定方法は例であり、方向決定方法はこれに限定されるものではない。
【0036】
例えば、図9に示すように、一般的にユーザは、入力装置100を親指と中指と手のひらで握り、人差し指で操作を行う。そこで、固定位置検出部12により検出された固定接触点の中から、手のひらの接触点を決定すると、方向決定部13は、当該手のひらの接触点をユーザにとっての下方向として上下方向を決定することができる。より詳細には、親指と中指の接触点を結んだ線をX軸(左右方向)とし、親指と中指の接触点を結んだ線に垂直な線をY軸とする。このとき、人間の手のつくりから、手のひらの接触点は移動接触点と比較してユーザ側に存在するので、手のひらの接触点がユーザにとっての下方向となる。このように下方向が決定すると、X軸における左右も決定されることとなり、ユーザにとっての操作方向を正確に検出し、確定することができる。
【0037】
ここで、固定接触点のうち、何れがユーザにとっての下方向の接触点であるかの検出方法について、図9及び図10を用いて説明する。つまり、何れの固定接触点が手のひらの接触点に該当するかの決定方法について説明する。尚、以下に示す方向決定方法は例であり、ユーザにとっての操作方向を決定する方法は、下記の方法に限定されるものではない。例えば、方向決定方法は、入力装置の形状などに基づいて適宜変更可能である。
【0038】
まず、第1の下方向決定方法としては、移動接触点から最も遠い位置に存在する固定接触点を手のひらの接触点と判断する方法が挙げられる。この方法では、固定位置検出部12は、移動接触点(例えば、人差し指)と各固定接触点(例えば、親指、中指、手のひら)との距離をそれぞれ算出し、移動接触点から最も遠い位置に存在する固定接触点を手のひらの接触点とする。そして、方向決定部13は、手のひらの接触点に基づいて、各接触点との位置関係からユーザにとっての下方向を決定する。つまり、方向決定部13は、手のひらの接触点として検出された以外の固定接触点同士を結んだ線をX軸とし、このX軸に垂直なY軸のうち手のひらの接触点がある側をユーザにとっての下方向として決定する。
【0039】
第2の下方向決定方法としては、各固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と各固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を手のひらの接触点と判断する方法が挙げられる。
【0040】
この方法では、まず、図10に示すように、移動接触点をA点、3つの固定接触点をB点、C点、D点とすると、固定位置検出部12は、各固定接触点同士を結び、線分BC、線分CD、線分BDの位置関係を検出する。図10中では、各固定接触点同士を結んだ線を点線で示している。次に、固定位置検出部12は、移動接触点(A点)と各固定接触点(B点〜D点)とを結び、線分AB、線分AC、線分ADの位置関係を検出する。そして、固定位置検出部12は、各固定接触点同士を結んだ線のうち、移動接触点と各固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を検出して、手のひらの接触点とする。そして、方向決定部13は、手のひらの接触点に基づいて、各接触点との位置関係からユーザにとっての下方向を決定する。
【0041】
具体的には、図10に示す例では、線分BC、線分CD、線分BDのうち、線分AB、線分AC、線分ADが交わる線は、線分BDである。つまり、固定位置検出部12は、線分BDに含まれない固定接触点であるC点が手のひらの接触点であると判断する。また、方向決定部13は、手のひらの接触点として検出された以外の固定接触点同士を結んだ線である線分BDをX軸とし、このX軸に垂直なY軸のうち手のひらの接触点(C点)がある側をユーザにとっての下方向として決定する。
【0042】
上記第1の下方向決定方法が極めて容易に下方向を決定できるのに対し、上記第2の下方向決定方法では、上記第1の下方向決定方法よりも正確にユーザにとっての下方向を判断することができる。これは、「人間工学に基づくと、移動接触点に対応する人差し指の先端は、主に、手のひらを頂点として親指(入力装置を把持する一方の指)と中指(入力装置を把持する他方の指)とを結ぶ線で区切られる領域(のうち、なす角が180度よりも小さい方)の中を移動するものである」という根拠に基づいている。
【0043】
尚、接触検出部11は、例えば、タッチモジュール1が入力装置100の接触検出領域に沿って曲線で構成されたものであっても、ユーザの指などの接触位置を平面上に変換してとらえることができる。本実施形態に係る入力装置100は、このようにして平面上に配置された各接触点の位置関係(例えば、ベクトル方向)から、ユーザの正確な操作方向を検出することができる。また、接触検出部11は、タッチモジュール1が入力装置100の接触検出領域に沿って曲線で構成されたものである場合には、3次元で各接触点の位置関係を検出するようにしてもよく、接触位置の検出方法は特に限定されない。
【0044】
また、上記ステップS804において、例えば、親指、中指、手のひらに対応する固定接触点を確定し、図示しない記憶部などに記憶することで、親指をタップした場合には左クリックがされ、中指をタップした場合には右クリックがされたとして、出力部16が情報処理装置200に出力するようにしてもよい。
【0045】
尚、方向決定部13によって確定したユーザにとっての操作方向を図示しない記憶部などに記憶することで、人差し指の軌跡が図10における領域BCDの中などに入ったとしても、ユーザにとっての操作方向を正確に検出し、確定することができる。
【0046】
本実施形態により、ユーザがいかなる方向から入力装置を握った場合であっても、入力装置はユーザにとっての操作方向を正確に検出し、ユーザが所望する操作を実現することが可能となる。つまり、ユーザは、入力装置を握る方向を考慮する必要がないので、ユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【0047】
尚、各図のフローチャートに示す処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部などを用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステムなどで用い、該システムのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0048】
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した入力装置、入力システム、入力制御方法及びプログラムに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、球状あるいは半球状の入力装置だけでなく、いかなる形状の入力装置にも適用することが可能である。また、入力装置としては、情報処置装置を操作する入力装置だけでなく、例えば、工場用機械の操作パネルなどのポインティングデバイスにも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 タッチモジュール
2 CPU
3 I/F
5 CPU
6 入力装置I/F
7 表示装置I/F
8 キー入力装置I/F
11 接触検出部
12 固定位置検出部
13 方向決定部
14 移動検出部
15 操作方向補正部
16 出力部
21 制御部
22 表示部
23 入力部
100 入力装置
200 情報処理装置
300 表示装置
400 キー入力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段によって検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記移動接触点は、ユーザの人差し指に対応する接触点であり、
前記3つ固定接触点は、ユーザの親指、中指及び手のひらに対応する接触点であり、
前記下方向固定接触点は、ユーザの手のひらに対応する接触点であることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記固定位置検出手段は、前記接触検出手段が検出した接触領域の重心を接触点として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、
前記入力装置は、
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段によって検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、
前記操作方向補正手段により補正された補正移動軌跡を前記情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定し、
前記情報処理装置は、
前記出力手段により出力された補正移動軌跡の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備えることを特徴とする入力システム。
【請求項5】
少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、
前記入力装置は、
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記ユーザが接触した領域の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記ユーザが接触した領域と前記移動軌跡とを前記情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記出力手段により出力されたユーザが接触した領域と移動軌跡との入力を受け付ける入力手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記入力手段によって受け付けられた移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、
前記操作方向補正手段により補正された移動軌跡をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力システム。
【請求項6】
前記移動接触点は、ユーザの人差し指に対応する接触点であり、
前記3つ固定接触点は、ユーザの親指、中指及び手のひらに対応する接触点であり、
前記下方向固定接触点は、ユーザの手のひらに対応する接触点であることを特徴とする請求項4又は5に記載の入力システム。
【請求項7】
ユーザが接触した領域を検出する接触検出ステップと、
前記接触検出ステップにおいて検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出ステップと、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定ステップと、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出ステップと、
前記移動検出ステップにおいて検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正ステップと、を備え、
前記固定位置検出ステップにおいて、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定ステップにおいて、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力制御方法。
【請求項8】
ユーザが接触した領域を検出する処理と、
前記検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出し、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際には、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とする処理と、
前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定する処理と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する処理と、
前記検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する処理と、をコンピュータの実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段によって検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記移動接触点は、ユーザの人差し指に対応する接触点であり、
前記3つ固定接触点は、ユーザの親指、中指及び手のひらに対応する接触点であり、
前記下方向固定接触点は、ユーザの手のひらに対応する接触点であることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記固定位置検出手段は、前記接触検出手段が検出した接触領域の重心を接触点として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、
前記入力装置は、
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記移動検出手段によって検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、
前記操作方向補正手段により補正された補正移動軌跡を前記情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定し、
前記情報処理装置は、
前記出力手段により出力された補正移動軌跡の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備えることを特徴とする入力システム。
【請求項5】
少なくとも入力装置と情報処理装置とを備える入力システムであって、
前記入力装置は、
ユーザが接触した領域を検出する接触検出手段と、
前記ユーザが接触した領域の移動軌跡を検出する移動検出手段と、
前記ユーザが接触した領域と前記移動軌跡とを前記情報処理装置に出力する出力手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記出力手段により出力されたユーザが接触した領域と移動軌跡との入力を受け付ける入力手段と、
前記接触検出手段が検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出手段と、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定手段と、
前記入力手段によって受け付けられた移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正手段と、
前記操作方向補正手段により補正された移動軌跡をユーザの操作として反映させる制御手段と、を備え、
前記固定位置検出手段は、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定手段は、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力システム。
【請求項6】
前記移動接触点は、ユーザの人差し指に対応する接触点であり、
前記3つ固定接触点は、ユーザの親指、中指及び手のひらに対応する接触点であり、
前記下方向固定接触点は、ユーザの手のひらに対応する接触点であることを特徴とする請求項4又は5に記載の入力システム。
【請求項7】
ユーザが接触した領域を検出する接触検出ステップと、
前記接触検出ステップにおいて検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出する固定位置検出ステップと、
ユーザにとっての操作方向を決定する方向決定ステップと、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する移動検出ステップと、
前記移動検出ステップにおいて検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する操作方向補正ステップと、を備え、
前記固定位置検出ステップにおいて、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際に、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とし、
前記方向決定ステップにおいて、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定することを特徴とする入力制御方法。
【請求項8】
ユーザが接触した領域を検出する処理と、
前記検出したユーザの接触領域から、移動する接触点である移動接触点と固定された接触点である固定接触点とを検出し、1つの移動接触点と3つの固定接触点とを検出した際には、固定接触点同士を結んだ線のうち、前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線に含まれない固定接触点を下方向固定接触点とする処理と、
前記移動接触点と前記3つの固定接触点とをそれぞれ結んだ線が交わる線をX軸とし、前記X軸に垂直な線をY軸とした場合に、前記Y軸のうち、前記下方向固定接触点の側をユーザにとっての下方向と決定することで、ユーザにとっての操作方向を決定する処理と、
前記移動接触点の移動軌跡を検出する処理と、
前記検出された移動軌跡を、前記ユーザにとっての操作方向に基づいて補正する処理と、をコンピュータの実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−215936(P2011−215936A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84120(P2010−84120)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
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