説明

入力装置およびその仮想ボタン設定方法

【課題】 ソフトなタッチで入力が可能であり、操作者の好みに合わせて、荷重入力面に仮想ボタンの位置を自由に設定することができる入力装置、およびその仮想ボタンの設定方法を提供する。
【解決手段】 入力装置1は、静電容量型面状センサ3と、静電容量型面状センサ3の表裏方向少なくとも一面側に配置される荷重入力面200を有し、伸縮性を有する材料からなる表皮部20と、荷重入力面200を介して押圧される検出部A0101〜A0612の静電容量の変化から、荷重入力面200における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報を出力する演算部52と、を備える。操作者が、予め、入力したい動作に応じて表皮部20の荷重入力面200を押圧することにより、演算部52から出力される情報に基づいて、荷重入力面200の押圧部位に該動作を行うための仮想ボタンが設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者からの入力情報を送信するための入力装置、およびその仮想ボタン設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ゲーム機の入力装置(コントローラ)には、ゲームキャラクタ等の動きを制御するためのON/OFFボタン、十字キー等が配置されている。また、加速度センサや角速度センサを搭載し、コントローラそのものの姿勢や動きを入力できる入力装置も普及している。操作者は、コントローラのボタンを押したり、十字キーを操作したり、コントローラそのものを動かすことにより、ゲームキャラクタ等の動きを制御する(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−99284号公報
【特許文献2】特開2009−64449号公報
【特許文献3】特開2002−55763号公報
【特許文献4】特開2010−176310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコントローラにおいて、ボタン等の操作部は、予め決まった位置に固定されている。このため、操作者が子供でも大人でも、あるいは右利きの人でも左利きの人でも、同じようにボタン等を操作する必要がある。また、ソフトウェアの種類が変わっても、ボタンを押す等の操作は変わらない。例えば、釣りのゲームにおいて、リールを巻くという回転動作を行う場合でも、従来のコントローラでは、ボタンを連打したり、十字キーを順番に押すなどして、操作するしかない。このように、ゲーム等における操作対象の動作と、操作者の実際の動作と、が異なるため、リアリティに欠けるという問題がある。
【0005】
また、特許文献3には、着脱可能な表示シートと、押圧された座標位置を検出可能な平面型入力装置(感圧式パッド)と、を有するコントローラが開示されている。表示シートには、種類に応じて異なる位置に切欠きが設けられている。同文献記載のコントローラは、切欠きの位置により、表示シートの種類を判別する。そして、操作者が、表示シートに印刷された項目を押圧すると、押圧された項目に対応する信号を出力する。同文献記載のコントローラによると、表示シートを取り替えることにより、一つの平面型入力装置で、種類の異なる操作を行うことができる。しかし、表示シートの項目の配置は、予め決められている。操作者はその表示に従って、入力したい項目を押圧しているに過ぎない。すなわち、操作者は、表示シートの項目の配置を、自分の好みに合わせて変更することはできない。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ソフトなタッチで入力が可能であり、操作者の好みに合わせて、荷重入力面に仮想ボタンの位置を自由に設定することができる入力装置、およびその仮想ボタンの設定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の入力装置は、弾性変形可能な誘電層と、該誘電層の表側に配置される複数の表側電極と、該誘電層の裏側に配置される複数の裏側電極と、該誘電層を介して該表側電極と該裏側電極とが対向することにより形成される複数の検出部と、を有する静電容量型面状センサと、該静電容量型面状センサの表裏方向少なくとも一面側に配置される荷重入力面を有し、伸縮性を有する材料からなる表皮部と、該荷重入力面を介して押圧される該検出部の静電容量の変化から、該荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報を出力する演算部と、を備え、操作者が、予め、入力したい動作に応じて該表皮部の該荷重入力面を押圧することにより、該演算部から出力される該情報に基づいて、該荷重入力面の押圧部位に該動作を行うための仮想ボタンが設定されることを特徴とする。
【0008】
本発明の入力装置によると、操作者は、表皮部の荷重入力面を押圧して、所定の動作を入力する。しかし、使用開始前には、荷重入力面の押圧部位や押圧力と、入力される動作とが、対応づけられていない。つまり、本発明の入力装置においては、荷重入力面に、予め入力動作が決められた操作ボタンが配置されているのではない。したがって、本発明の入力装置を使用する際には、操作者が自ら、荷重入力面に仮想ボタンを設定する必要がある。
【0009】
仮想ボタンの設定は、次のようにして行われる。操作者は、入力したい動作に対応させて、荷重入力面の任意の部位を任意の押圧力で押圧する。すると、押圧部位に対応する静電容量型面状センサの検出部が、押圧により圧縮される。圧縮により、検出部の厚さ、つまり電極間距離が小さくなるため、検出部の静電容量は大きくなる。演算部は、検出部の静電容量の変化から、荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報を出力する。こうすることにより、操作者の操作(荷重入力面の押圧動作)と、入力される動作とが、対応づけられる。これを、入力したい動作の数だけ繰り返す。
【0010】
このように、操作者の操作と入力される動作とが対応づけられた結果、あたかも荷重入力面の押圧部位に、当該動作を入力するための操作ボタンが設定されたような状態になる。本明細書では、このような状態を、「仮想ボタンを設定する」と表現している。仮想ボタンの設定後は、その部位を押圧することにより、対応する動作が入力される。
【0011】
演算部から出力される面圧分布に基づく情報は、例えば、面圧分布データ、面圧分布から算出された重心位置データ、総荷重値データ等、何でもよい。また、入力する動作には、操作対象を動かすことの他、音の出力等も含まれる。また、押圧力の大小のみを、入力動作と対応づけてもよい。この場合、押圧力の違いにより、異なる動作を入力することができる。
【0012】
本発明の入力装置によると、ソフトウエアの種類や入力する動作に応じて、荷重入力面に仮想ボタンを設定することができる。また、操作者は、自ら好きなように、仮想ボタンの位置やその押圧力を決定することができる。したがって、本発明の入力装置は、使い勝手が良い。また、ソフトウェアごとに仮想ボタンを設定することができるため、一つの入力装置で、各々のソフトウェアに合った操作が可能である。
【0013】
また、本発明の入力装置において、表皮部は、伸縮性を有する材料からなる。このため、押圧された際、荷重入力面が操作者の指に追従して変形しやすい。よって、押圧した時の違和感が少ない。また、荷重入力面が柔軟であるため、ソフトなタッチで入力することができる。
【0014】
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、前記表側電極は、帯状を呈し複数列並んで配列され、前記裏側電極は、帯状を呈し複数列並んで配列され、複数の該表側電極と複数の該裏側電極とは、表裏方向から見て、略直交して配置される構成とする方がよい。
【0015】
本構成において、表側電極、裏側電極は、共に帯状である。並びに、検出部は、表側電極と裏側電極との交差部分を利用して配置される。このため、電極の配置数が少なくなる。また、検出部から静電容量を検出するための配線数が少なくなる。また、本構成によると、複数の検出部を、センサ全面、すなわち対応する荷重入力面の全面に、分散させやすい。したがって、荷重入力面における入力可能領域が大きくなる。
【0016】
なお、本構成において「帯状」とは、細長い形状を意味し、必ずしも幅が長手方向に一定でなくてもよい。例えば、長手方向の所定の部分の幅が広くなっていても、反対に所定の部分の幅が狭くなっていてもよい。また、両側部は直線状でも、曲線状でもよい。配列される表側電極の間隔は、同じでも異なっていてもよい。同様に、裏側電極の間隔も、同じでも異なっていてもよい。
【0017】
(1−2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記誘電層は、樹脂またはエラストマー製である構成とする方がよい。エラストマーには、ゴムおよび熱可塑性エラストマーが含まれる。例えば、静電容量を大きくするという観点では、比誘電率が高いものが望ましい。具体的には、常温における比誘電率が3以上、さらには5以上のものが望ましい。例えば、エステル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基、アミド基、スルホン基、ウレタン基、ニトリル基等の極性官能基を有するエラストマー、あるいは、これらの極性官能基を有する極性低分子量化合物を添加したエラストマーが好適である。エラストマーは架橋されていても、されていなくてもよい。
【0018】
また、誘電層に使用するエラストマーまたは樹脂のヤング率を調整することにより、用途に応じて、静電容量型面状センサの検出感度や検出レンジを調整することができる。例えば、押圧力が小さくても入力を可能にするためには、ヤング率が小さい発泡体を用いるとよい。好適なエラストマーとしては、例えばシリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム等が挙げられる。また、好適な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン(架橋発泡ポリスチレンを含む)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。ポリプロピレンとしては、ポリエチレン(PE)および/またはエチレンプロピレンゴム(EPR)により変性したポリプロピレン(変性PP)を用いてもよい。また、これらの樹脂の二種以上を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドを用いてもよい。
【0019】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、前記表皮部と前記静電容量型面状センサとの間に介装され、ゲルエラストマーからなる荷重伝達部を備える構成とする方がよい。
【0020】
本構成によると、表皮部の荷重入力面から入力された荷重は、ゲルエラストマー(荷重伝達部)を介して、静電容量型面状センサに伝達される。ゲルエラストマーは、ゲル状のエラストマーであって、製造過程で発泡させたものも含む。ゲルエラストマーは、非常に柔軟である。加えて、元の形状への戻りも速い。
【0021】
操作者が荷重入力面を押圧すると、ゲルエラストマー特有の軟らかな触感が得られる。このゲルエラストマーの沈み込む感じにより、操作感を向上させることができる。また、ゲルエラストマーは、入力される荷重が比較的小さくても、弾性変形する。このため、例えば力の弱い高齢者や、子供等でも、容易に入力することができる。また、ゲルエラストマーは、除荷後、速やかに元の形状に戻る。よって、一回の押圧に要する時間が短くて済む。つまり、連続して入力する場合においても、次の動作までの待ち時間が少ない。
【0022】
また、ゲルエラストマーのタック力は大きい。このため、荷重伝達部と静電容量型面状センサとを積層させるだけで、両者を貼着することができる。また、荷重伝達部に対する静電容量型面状センサの追従性も、良好である。
【0023】
(2−1)好ましくは、上記(2)の構成において、前記ゲルエラストマーのちょう度は、10以上110以下である構成とする方がよい。
【0024】
ちょう度は、JIS K2220に規定されている固形ちょう度試験に準じて測定された値である(1/4円錐使用)。ちょう度は、円錐の進入深さ(mm)を10倍した値で示される。ちょう度が10未満の場合には、ゲルエラストマーが硬いため、荷重伝達部を握った時に違和感を感じる。一方、ちょう度が110を超える場合には、ゲルエラストマーが軟らかすぎて、入力しにくくなる。本構成によると、所望の軟らかさを有する荷重伝達部が得られる。さらに、ちょう度が、25以上70以下であるとより好適である。
【0025】
(2−2)好ましくは、上記(2)の構成において、前記ゲルエラストマーは、シリコーンゲル、ウレタンゲル、およびオイル成分が配合された熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上である構成とする方がよい。
【0026】
本構成のゲルエラストマーによると、所望の軟らかさ、復元性を有する荷重伝達部を得やすい。ここで、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマーとしては、全体質量を100質量%とした場合に、オイル成分が70質量%以上含有されているものが望ましい。熱可塑性エラストマーとしては、A−B−Aの三部構造を有するものが望ましい。ここで、Aは剛直性ポリマー(ポリスチレン、官能基ポリマー等)、Bはエラストマー性ポリマー(ポリブチレン、ポリエチレン、ポリ(エチレン/プロピレン)、ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)、水素化ポリ(イソプレン、ブタジエン、イソプレン−ブタジエン)、ポリ(エチレン/ブチレン+エチレン/プロピレン))である。なかでも、超高分子のポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレン構造をもつものが好適である。また、オイル成分としては、パラフィン性白ミネラルオイル、パラフィン、イソパラフィン、ナフテンオイル、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリテルペン、ポリ−β−ピネン、水素化ポリブタン、ポリブタン(ポリブタンポリマーの一端にエポキシド基を有する)等が挙げられる。
【0027】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、さらに、少なくとも前記荷重伝達部を被覆するカバー部材を有する構成とする方がよい。
【0028】
後述するように、本発明の入力装置において、表皮部を着せ替え可能に構成することができる。この場合、荷重伝達部をカバー部材で被覆することにより、着せ替え時に、荷重伝達部が直接手に触れにくくなる。また、袋状の表皮部に、荷重伝達部および静電容量型面状センサを収容して、入力装置を構成することができる。この場合、荷重伝達部、静電容量型面状センサの両方を、カバー部材で被覆しておくとよい。カバー部材で両者を一体化することにより、表皮部の着せ替え作業が行いやすくなる。
【0029】
カバー部材は、荷重伝達部の弾性変形を規制しないように、伸縮可能であることが望ましい。例えば、伸縮布、伸縮フィルム、あるいは伸縮性を有する布とフィルムとを圧着等により積層させた積層体等が好適である。また、荷重伝達部を構成するゲルエラストマーとして、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマーを採用した場合、含有されたオイル成分が、ゲルエラストマーの表面に染み出してくる場合がある。この場合には、カバー部材として、伸縮性に加えて耐油性を有する材料を用いることが望ましい。
【0030】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記表皮部は、着せ替え可能である構成とする方がよい。
【0031】
本構成によると、操作者の好みに応じて、表皮部を取り替えることができる。表皮部は、シート状でも袋状でもよい。表皮部の荷重入力面は、無地でもよい。一方、操作の容易化のため、表皮部の荷重入力面に、操作パターンを描いてもよい。操作パターンは、印刷、手書き、アイロンプリント、刺繍、シールの貼付等により、作製すればよい。操作パターンは、予め作製されていてもよく、操作者が作製してもよい。ソフトウェアに対応した操作パターンを描いた表皮部を、ソフトウェアごとに着せ替えることで、操作性が向上する。
【0032】
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記表皮部は、伸縮性を有する布またはエラストマー製である構成とする方がよい。
【0033】
本構成によると、荷重入力面を触れた時の感触が良好である。また、荷重入力面に、印刷、手書き、アイロンプリント、刺繍、シールの貼付等により、操作パターンを作製しやすい。
【0034】
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記表皮部は、袋状を呈している構成とする方がよい。
【0035】
本構成によると、袋状の表皮部に、静電容量型面状センサ、荷重伝達部等の入力装置の構成部材を、収容することができる。これにより、入力装置の操作部を一体化することができ、操作性が向上する。また、表皮部の着せ替えが容易である。
【0036】
(7)また、本発明の入力装置の仮想ボタン設定方法は、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成の入力装置の仮想ボタン設定方法であって、操作者が、入力したい動作に応じて、前記表皮部の前記荷重入力面を押圧する入力工程と、該荷重入力面を介して押圧された前記検出部の静電容量の変化から、該荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報から、該動作を行うための仮想ボタンを該荷重入力面の押圧部位に設定する設定工程と、を有することを特徴とする。
【0037】
まず、入力工程において、操作者は、入力したい動作に対応させて、荷重入力面の任意の部位を任意の押圧力で押圧する。すると、設定工程において、演算部が、検出部の静電容量の変化から、荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報を出力する。これにより、操作者の操作(荷重入力面の押圧動作)と、入力される動作とが、対応づけられる。つまり、荷重入力面の押圧部位に、当該動作を入力するための仮想ボタンが設定される。上記(1)において説明したように、演算部から出力される面圧分布に基づく情報は、例えば、面圧分布データ、面圧分布から算出された重心位置データ、総荷重値データ等、何でもよい。
【0038】
本発明の入力装置の仮想ボタン設定方法によると、ソフトウエアの種類や入力する動作に応じて、荷重入力面に仮想ボタンを設定することができる。また、操作者は、自ら好きなように、仮想ボタンの位置やその押圧力を決定することができる。ソフトウェアごとに仮想ボタンを設定することにより、一つの入力装置で、各々のソフトウェアに合った操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一実施形態の入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】同入力装置を構成する静電容量型面状センサの上面透過図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】操作パターンの一例が描かれた表皮部の上面図である。
【図6】操作パターンの一例が描かれた表皮部の上面図である。
【図7】操作パターンの一例が描かれた表皮部の上面図である。
【図8】第二実施形態の入力装置の断面図である。
【図9】第三実施形態の入力装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明の入力装置およびその仮想ボタン設定方法の実施の形態について説明する。
【0041】
<第一実施形態>
[入力装置の構成]
本実施形態の入力装置は、図示しないゲーム機本体およびディスプレイと共に、ゲーム装置を構成している。入力装置は、無線でゲーム機本体と接続されている。まず、本実施形態の入力装置の構成について説明する。図1に、本実施形態の入力装置の斜視図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図3に、同入力装置を構成する静電容量型面状センサの上面透過図を示す。図4に、図3のIV−IV断面図を示す。図3においては、表裏方向(厚さ方向)に積層される部材を透過して示す。また、検出部A0101〜A0612にハッチングを施して示す。検出部の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、裏側電極01X〜06Xに対応している。下二桁の「△△」は、表側電極01Y〜12Yに対応している。また、図3においては、説明の便宜上、表皮部の上面(荷重入力面)の操作パターンを重ねて示す。
【0042】
図1、図2に示すように、入力装置1は、表皮部20と、本体部21と、を備えている。表皮部20は、袋状を呈している。表皮部20は、本体部21の外側全体を被覆している。表皮部20は、ポリエステルおよびポリウレタンから形成されている伸縮布(東レ(株)製「プログレスキン(登録商標)」)からなる。表皮部20は、本体部21に対して、着脱可能である。表皮部20の上面200には、操作パターン201a〜201eが描かれている。表皮部20の上面200は、本発明の荷重入力面に含まれる。
【0043】
本体部21は、静電容量型面状センサ3と、荷重伝達部40と、カバー部材41と、電気回路部5と、を備えている。
【0044】
静電容量型面状センサ3は、図2〜図4に示すように、誘電層30と、表側基材31と、裏側基材32と、表側電極01Y〜12Yと、裏側電極01X〜06Xと、検出部A0101〜A0612と、を備えている。
【0045】
誘電層30は、ウレタンフォーム製であって、矩形シート状を呈している。誘電層30は、XY方向(前後左右方向)に延在している。表側基材31は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムである。同様に、裏側基材32は、PET製のフィルムである。表側基材31の形状と、裏側基材32の形状は、同じである。表側基材31と裏側基材32とは、誘電層30を挟んで配置されている。
【0046】
表側電極01Y〜12Yは、表側基材31の裏面(下面)に、合計12本形成されている。表側電極01Y〜12Yは、各々、ポリエステル樹脂および導電性カーボンブラックを含んで形成されている。表側電極01Y〜12Yは、各々、帯状を呈している。表側電極01Y〜12Yは、各々、Y方向(前後方向)に延在している。表側電極01Y〜12Yは、X方向(左右方向)に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。表側電極01Y〜12Yは、各々、誘電層30の表面(上面)に接触するように配置されている。
【0047】
裏側電極01X〜06Xは、裏側基材32の表面(上面)に、合計6本形成されている。裏側電極01X〜06Xは、各々、ポリエステル樹脂および導電性カーボンブラックを含んで形成されている。裏側電極01X〜06Xは、各々、帯状を呈している。裏側電極01X〜06Xは、各々、X方向(左右方向)に延在している。裏側電極01X〜06Xは、Y方向(前後方向)に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。裏側電極01X〜06Xは、各々、誘電層30の裏面(下面)に接触するように配置されている。
【0048】
検出部A0101〜A0612は、図3にハッチングで示すように、表側電極01Y〜12Yと、裏側電極01X〜06Xと、が上下方向に交差する部分(重複する部分)に配置されている。検出部A0101〜A0612は、合計72個(=6個×12個)配置されている。検出部A0101〜A0612は、誘電層30の略全面に亘って、略等間隔に配置されている。検出部A0101〜A0612は、各々、表側電極01Y〜12Yの一部と、裏側電極01X〜06Xの一部と、誘電層30の一部と、を備えている。検出部A0101〜A0612を包囲する矩形状の領域Sが、入力可能領域になる。
【0049】
荷重伝達部40は、薄板状を呈している。荷重伝達部40は、静電容量型面状センサ3の上面に配置されている。荷重伝達部40は、スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン(登録商標)4077」)に、パラフィン系プロセスオイルを配合したゲルエラストマーからなる。ゲルエラストマー全体の質量を100質量%とすると、スチレン系熱可塑性エラストマーの含有割合は10質量%、パラフィン系プロセスオイルの含有割合は90質量%である。ゲルエラストマーのちょう度は、62である。
【0050】
電気回路部5は、筐体50と回路基板51とを備えている。筐体50は、樹脂製であり、箱状を呈している。回路基板51は筐体50の内部に収容されている。回路基板51と、静電容量型面状センサ3とは、図示しない配線を介して、電気的に接続されている。回路基板51は、演算部52を有する。演算部52は、電源回路53と、CPU(Central Processing Unit)54と、RAM(Random Access Memory)55と、ROM(Read Only Memory)56と、出力部57と、を備えている。
【0051】
電源回路53は、検出部A0101〜A0612に、正弦波状の交流電圧を印加する。ROM56には、予め、検出部A0101〜A0612における静電容量と荷重との対応を示すマップが、格納されている。RAM55には、静電容量型面状センサ3から入力されるインピーダンス、位相が、一時的に格納される。CPU54は、RAM55に格納されたインピーダンス、位相を基に、検出部A0101〜A0612の静電容量を抽出する。そして、抽出された静電容量から、静電容量型面状センサ3における面圧分布を算出する。さらに、当該面圧分布に基づいて、重心位置および総荷重値を算出する。出力部57は、CPU54が算出した重心位置および総荷重値を、出力する。
【0052】
カバー部材41は、袋状を呈している。カバー部材41は、荷重伝達部40、静電容量型面状センサ3、および電気回路部5の外側全体を被覆している。つまり、荷重伝達部40、静電容量型面状センサ3、および電気回路部5は、カバー部材41の内部に収容され、一体化されている。カバー部材41は、表皮部20と同様の伸縮布からなる。
【0053】
[入力装置の製造方法]
次に、本実施形態の入力装置1の製造方法について説明する。まず、次のようにして、静電容量型面状センサ3を製造する。表側基材31の下面に、表側電極01Y〜12Yをスクリーン印刷法により形成する。同様にして、裏側基材32の上面に、裏側電極01X〜06Xを形成する。そして、下から順に、裏側基材32、誘電層30、表側基材31を積層する。この際、表側電極01Y〜12Yは、誘電層30の上面と接触し、裏側電極01X〜06Xは、誘電層30の下面と接触する。最後に、積層された表側基材31および裏側基材32の周縁部を、貼り合わせる。
【0054】
次に、電気回路部5の上面に、静電容量型面状センサ3を配置する。この際、静電容量型面状センサ3を、回路基板51に接続する。続いて、静電容量型面状センサ3の上面に、荷重伝達部40を積層する。その後、荷重伝達部40、静電容量型面状センサ3、および電気回路部5の周囲を、カバー部材41で被覆する。このようにして、本体部21を製造する。そして、表皮部20の内部に、本体部21を収容する。このようにして、入力装置1は製造される。
【0055】
[入力装置の動き]
次に、本実施形態の入力装置1の動きについて説明する。まず、入力装置1の仮想ボタン設定方法について説明する。入力装置1の電源を入れると、静電容量型面状センサ3の検出部A0101〜A0612ごとに、静電容量が算出される。すなわち、検出部A0101から検出部A0612までを、あたかも走査するように、静電容量が算出される。算出された静電容量は、検出部A0101〜A0612ごとに、RAM55に格納される。
【0056】
ゲームのソフトウェアを起動した後、操作者は、そのゲームに必要な動作と、入力装置1の上面200の押圧動作と、の対応づけを行う。まず、第一の動作に対応させて、上面200の操作パターン201aを押圧する。すると、操作パターン201aに対応する静電容量型面状センサ3の検出部A0509、A0510、A0609、A0610が圧縮される。この際、押圧前と同様に、検出部A0101〜A0612ごとに、静電容量が算出される。算出された静電容量は、検出部A0101〜A0612ごとに、RAM55に格納される。CPU54は、操作者が押圧する前後の静電容量の変化量から、静電容量型面状センサ3、すなわち表皮部20の上面200における面圧分布を算出する。さらに、当該面圧分布に基づいて、押圧部位の重心位置と、押圧による総荷重値を算出する。そして、出力部57は、CPU54が算出した重心位置および総荷重値を、ゲーム機本体に送信する。その結果、操作パターン201aの押圧動作と、第一の動作とが、対応づけられる。このようにして、上面200の操作パターン201aに、第一の動作を入力するための仮想ボタンが設定される。これを、必要な動作の数だけ繰り返す。
【0057】
次に、入力装置1の操作方法について説明する。ゲームがスタートすると、操作者は、設定された仮想ボタン(操作パターン201a等)を押圧して、ディスプレイ上に現れるゲームキャラクタ(操作対象)の動きを制御する。ゲーム中、操作者は、設定された仮想ボタン以外の部位を押圧することがある。しかし、その押圧動作は、ゲームに必要な動作と対応づけがなされていない。よって、当該部位を押圧しても、何の動作も入力されない。つまり、仮想ボタン以外の部位を押圧しても、ゲームキャラクタの動きに影響を与えない。
【0058】
[作用効果]
次に、本実施形態の入力装置1およびその仮想ボタン設定方法の作用効果について説明する。本実施形態の入力装置1においては、表皮部20の上面200の押圧部位や押圧力と、入力される動作とが、予め対応づけられていない。したがって、操作者は、ソフトウエアの種類や入力する動作に応じて、表皮部20の上面200に仮想ボタンを設定する。本実施形態の入力装置1およびその仮想ボタン設定方法によると、操作者は、自ら好きなように、仮想ボタンの位置やその押圧力を決定することができる。したがって、入力装置1は、使い勝手が良い。また、ゲーム等における操作対象の動作と、操作者の実際の動作と、を一致させることができる。これにより、リアリティが増し、ゲームをより楽しむことができる。また、ソフトウェアごとに仮想ボタンを設定することにより、一つの入力装置1で、各々のソフトウェアに合った操作が可能である。
【0059】
本実施形態の入力装置1において、表皮部20は、伸縮布からなる。このため、押圧された際、表皮部20が操作者の指に追従して変形しやすい。よって、押圧した時の違和感が少ない。また、表皮部20の上面200は柔軟である。このため、ソフトなタッチで入力することができる。さらに、上面200には、操作パターン201a〜201eが描かれている。操作者は、操作パターン201a〜201eを目安に、上面200を押圧すればよい。よって、操作が容易である。
【0060】
さらに、表皮部20の上面200の下側には、ゲルエラストマーからなる荷重伝達部40が配置されている。よって、操作者が上面200を押圧すると、ゲルエラストマー特有の軟らかな触感が得られる。このため、操作感が良い。また、ゲルエラストマーは、入力される荷重が比較的小さくても、弾性変形する。このため、例えば力の弱い高齢者や、子供等でも、容易に入力することができる。また、ゲルエラストマーは、除荷後、速やかに元の形状に戻る。よって、一回の押圧に要する時間が短くて済む。つまり、連続して入力する場合においても、次の動作までの待ち時間が少ない。また、ゲルエラストマーのタック力は大きい。このため、荷重伝達部40と静電容量型面状センサ3とが、ずれにくい。また、荷重伝達部40に対する静電容量型面状センサ3の追従性も、良好である。
【0061】
表皮部20は着脱可能である。このため、ソフトウェアに対応した操作パターンを描いた複数の表皮部20を準備しておき、ソフトウェアごとに表皮部20を着せ替えることができる。図5〜図7に、表皮部の操作パターン例を示す。図5に示すように、表皮部20の上面200の右側には、円形の操作パターン201fが描かれている。操作パターン201fの円内には、回転方向を示す矢印が描かれている。これにより、操作者が、円を描くようにして押圧しやすくなる。操作パターン201fは、例えば、釣りゲーム等のソフトウェアに好適である。図6に示すように、表皮部20の上面200には、ピアノの鍵盤の操作パターン201gが描かれている。操作パターン201gは、ピアノを弾くソフトウェアに好適である。図7に示すように、表皮部20の上面200には、ギターの弦の操作パターン201hが描かれている。操作パターン201hは、ギターを弾くソフトウェアに好適である。ソフトウェアごとに表皮部20を着せ替えることにより、操作性が向上する。
【0062】
また、表皮部20は、袋状を呈している。このため、入力装置1の全体を一体化することができ、操作性が向上する。また、表皮部20の着せ替えが容易である。さらに、表皮部20に収容されている本体部21は、カバー部材41で被覆され、一体化されている。このため、表皮部20の着せ替え作業を行いやすい。
【0063】
<第二実施形態>
本実施形態の入力装置と、第一実施形態の入力装置と、の相違点は、表皮部が袋状ではなくシート状を呈している点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0064】
図8に、本実施形態の入力装置の断面図を示す。図8は、図2と対応している。よって、図8中、図2と対応する部材については、同じ符号で示す。図8に示すように、表皮部22は、矩形シート状を呈している。表皮部22は、カバー部材41の上面を被覆している。表皮部22は、伸縮布(同上)からなる。表皮部22の上面220は、本発明の荷重入力面に含まれる。
【0065】
表皮部22の下面の左右両端には、一対の表皮部面ファスナー220a、220bが配置されている。同様に、カバー部材41の上面の左右両端には、一対のカバー部材面ファスナー410a、410bが配置されている。表皮部面ファスナー220a、220b、およびカバー部材面ファスナー410a、410bは、いずれも前後方向に延びる短冊状を呈している。表皮部面ファスナー220aとカバー部材面ファスナー410a、表皮部面ファスナー220bとカバー部材面ファスナー410b、を各々係合させることにより、表皮部22はカバー部材41の上面に固定されている。また、カバー部材面ファスナー410a、410bから表皮部面ファスナー220a、220bを剥がすことにより、表皮部22を、カバー部材41から取り外すことができる。このように、表皮部22は、本体部21に対して、着脱可能である。
【0066】
本実施形態の入力装置は、第一実施形態の入力装置と共通する部分については、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の入力装置によると、表皮部22は、シート状を呈している。また、面ファスナー220a、220b、410a、410bにより、着脱が容易である。このため、表皮部22の着せ替え作業を行いやすい。
【0067】
<第三実施形態>
本実施形態の入力装置と、第一実施形態の入力装置と、の相違点は、カバー部材を備えていない点、および表皮部が着脱可能ではない点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
【0068】
図9に、本実施形態の入力装置の断面図を示す。図9は、図2と対応している。よって、図9中、図2と対応する部材については、同じ符号で示す。図9に示すように、表皮部23は、袋状を呈している。表皮部23は、本体部21の外側全体を被覆している。表皮部23は、エラストマーフィルムからなる。表皮部23の上面230は、無地である。表皮部23の上面230は、本発明の荷重入力面に含まれる。
【0069】
本体部21は、荷重伝達部40と、静電容量型面状センサ3と、電気回路部5と、を備えている。荷重伝達部40、静電容量型面状センサ3、および電気回路部5は、表皮部23の内部に収容され、一体化されている。
【0070】
本実施形態の入力装置は、第一実施形態の入力装置と共通する部分については、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の入力装置においては、カバー部材が不要である。したがって、部品点数を削減することができる。また、表皮部23の上面230には、手書きやシールを貼ったりして、操作パターンを描くことができる。本実施形態においては、表皮部23の着せ替えはできない。しかし、消去可能な筆記具を用いて操作パターンを書き直したり、シールを張り替えたりして、ソフトウェアごとに操作パターンを変更することができる。
【0071】
<その他>
以上、本発明の入力装置およびその仮想ボタン設定方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0072】
例えば、荷重入力面における操作パターンは、上記実施形態に限定されない。操作パターンは、ソフトウェアに応じて適宜作製すればよい。例えば、荷重入力面に、凹凸を有する操作パターンを形成してもよい。この場合、操作者の視力が弱くても、操作しやすい。
【0073】
また、表皮部、カバー部材の材質は、伸縮性を有する材料であれば、特に限定されない。上記実施形態の「プログレスキン」(東レ(株)製)の他、同社製の「トリンティ(登録商標)」、「C100」等を使用することができる。また、セーレン(株)製「FH13−50」等の、表面処理が施された伸縮布を使用してもよい。表皮部、カバー部材は、異なる材質でもよい。
【0074】
静電容量型面状センサにおいて、誘電層、表側基材、裏側基材、表側電極、および裏側電極の材質は、特に限定されない。例えば、誘電層の表面に表側電極を、裏面に裏側電極を、直接形成してもよい。この場合、表側基材、裏側基材を省略することができる。また、表側電極、裏側電極の形状、数、配置等は、特に限定されない。検出部の数や配置に応じて、適宜決定すればよい。
【0075】
荷重伝達部の材質、つまり、ゲルエラストマーの種類は、上記実施形態に限定されない。例えば、シリコーンゲル、ウレタンゲル、トポロジカルゲル等を使用してもよい。また、スチレン系熱可塑性エラストマーとパラフィン系プロセスオイルとの組合せ以外の、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマーを使用してもよい。例えば、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等のエラストマーが挙げられる。また、オイル成分としては、上述したパラフィンオイル、ナフテンオイル等の他に、フタレート系、アジペート系、セバケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポリエステル系のオイルを使用することができる。なお、荷重伝達部は、必ずしも配置しなくてもよい。すなわち、本発明の入力装置においては、少なくとも表皮部を介して、静電容量型面状センサを押圧できればよい。
【0076】
上記実施形態においては、押圧部位の重心位置、および押圧による総荷重値に基づいて、入力動作を決定した。しかし、入力動作の決定は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、面圧分布データそのものに基づいて、入力動作を決定してもよい。また、荷重の有無、つまり、所定のしきい値以上の荷重で押圧されたかどうかにより、入力動作を決定してもよい。さらに、荷重の大小により、入力動作を変えてもよい。例えば、ピアノ等の演奏において、荷重の大小により出力される音の大きさを変化させてもよい。
【0077】
本発明の入力装置は、電源スイッチやスタートボタン等のON/OFFボタンを備えていてもよい。さらに、加速度センサ、角速度センサ、振動モータ等を搭載してもよい。上記実施形態では、入力装置を無線でゲーム機本体と接続した。しかし、入力装置は、ゲーム機本体等の情報処理装置と、有線で接続されていてもよい。ここで、入力装置の形状は、特に限定されない。上記実施形態においては、回路基板(演算部)を、静電容量型面状センサ等と共に表皮部の内部に収容した。しかし、演算部を、表皮部および静電容量型面状センサ等の操作部とは別体として配置して、入力装置を構成してもよい。また、上記実施形態では、静電容量型面状センサを一つ配置した。しかし、静電容量型面状センサを、電気回路部等を挟んで、表裏両側に一つずつ配置してもよい。この場合、表裏両側に、荷重入力面を配置することができる。
【符号の説明】
【0078】
1:入力装置
20、22、23:表皮部 21:本体部
200、220、230:上面(荷重入力面) 201a〜201h:操作パターン
220a、220b:表皮部面ファスナー
3:静電容量型面状センサ 30:誘電層 31:表側基材 32:裏側基材
40:荷重伝達部 41:カバー部材 410a、410b:カバー部材面ファスナー
5:電気回路部 50:筐体 51:回路基板 52:演算部 53:電源回路
54:CPU 55:RAM 56:ROM 57:出力部
01X〜06X:裏側電極 01Y〜12Y:表側電極
A0101〜A0612:検出部 S:入力可能領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性変形可能な誘電層と、該誘電層の表側に配置される複数の表側電極と、該誘電層の裏側に配置される複数の裏側電極と、該誘電層を介して該表側電極と該裏側電極とが対向することにより形成される複数の検出部と、を有する静電容量型面状センサと、
該静電容量型面状センサの表裏方向少なくとも一面側に配置される荷重入力面を有し、伸縮性を有する材料からなる表皮部と、
該荷重入力面を介して押圧される該検出部の静電容量の変化から、該荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報を出力する演算部と、を備え、
操作者が、予め、入力したい動作に応じて該表皮部の該荷重入力面を押圧することにより、該演算部から出力される該情報に基づいて、該荷重入力面の押圧部位に該動作を行うための仮想ボタンが設定されることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
さらに、前記表皮部と前記静電容量型面状センサとの間に介装され、ゲルエラストマーからなる荷重伝達部を備える請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
さらに、少なくとも前記荷重伝達部を被覆するカバー部材を有する請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記表皮部は、着せ替え可能である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の入力装置。
【請求項5】
前記表皮部は、伸縮性を有する布またはエラストマー製である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の入力装置。
【請求項6】
前記表皮部は、袋状を呈している請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の入力装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の入力装置の仮想ボタン設定方法であって、
操作者が、入力したい動作に応じて、前記表皮部の前記荷重入力面を押圧する入力工程と、
該荷重入力面を介して押圧された前記検出部の静電容量の変化から、該荷重入力面における面圧分布を算出し、該面圧分布に基づく情報から、該動作を行うための仮想ボタンを該荷重入力面の押圧部位に設定する設定工程と、
を有することを特徴とする入力装置の仮想ボタン設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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