説明

入力装置および入力装置の制御方法

【課題】コストダウンおよび小型化が図れる入力装置を提供する。
【解決手段】タッチ入力を検出するタッチセンサ11と、タッチセンサ11に装着された圧電素子12と、圧電素子12の出力信号に基づいてタッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出し、該検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、タッチ面11aを押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように圧電素子12を駆動する制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサを備える入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯端末、電卓、券売機等の情報機器、電子レンジ、テレビ、照明器具等の家電製品、産業用機器(FA機器)等には、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部やスイッチ等の入力装置として、タッチパネルやタッチスイッチ等のタッチセンサを備える入力装置が広く使用されている。
【0003】
このようなタッチセンサには、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の種々の方式が知られている。しかしながら、いずれの方式のタッチセンサにおいても、指やスタイラスペンによるタッチ入力を受け付けるものであって、タッチセンサ自体は、タッチされても、押しボタンスイッチのようには物理的に変位しない。
【0004】
このように、タッチセンサがタッチされても、タッチセンサ自体が物理的に変位しないので、操作者は、タッチ入力が受け付けられても、入力に対するフィードバックを得ることができない。このため、操作者は、同じ位置を何度もタッチする等の繰り返し入力が生じ易く、操作者にストレスを与える場合がある。
【0005】
このような繰り返し入力を防止するものとして、例えば、タッチ入力を受け付けて、音を鳴らしたり、当該入力位置に対応して表示部に画像表示されている入力ボタン等の入力用オブジェクトの表示色を変更する等の表示態様を変更したりして、聴覚や視覚により入力操作を確認できるようにしたものが知られている。
【0006】
しかし、聴覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、騒音環境下での確認が困難になるとともに、使用機器がマナーモード等で消音状態にある場合は、対応できないことになる。また、視覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、表示部に表示されている入力用オブジェクトのサイズが小さいと、特に指入力の場合は、指の下に入力用オブジェクトが隠れて表示態様の変化が確認できない場合がある。
【0007】
また、聴覚や視覚によらず、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させて、操作者の指先に触覚を発生させるようにしたフィードバック方法も提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−288158号公報
【特許文献2】特開2008−130055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示の技術は、単に、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させているに過ぎない。このため、特に、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ上部に描画されている場合、タッチセンサの入力を受け付ける閾値が低い場合は、タッチセンサに指等が軽く触れた(タッチした)だけで触感が呈示される。これにより操作者がプッシュする前の意図しない動作(タッチ)に反応して誤操作を誘発したり、操作者にプッシュする前の意図しない動作(タッチ)による違和感を与えたりすることになる。ここで、タッチセンサのタッチによる入力を受け付ける閾値とは、タッチセンサが反応する閾値で、例えば抵抗膜方式においては、上部導電膜が下部導電膜に接触する押圧力の閾値であり、静電容量方式においては、接触による電気的信号の検出閾値である。
【0010】
このような不都合を解決するため、本出願人は、タッチセンサのタッチ面に対するタッチによる押圧荷重を検出し、その検出荷重が触感を呈示する所定の閾値に達した際に、タッチセンサのタッチ面を振動させて指等の押圧対象に触感を呈示するようにした入力装置を開発している。
【0011】
この入力装置によれば、操作者がタッチ面をプッシュし、その押圧荷重が所定の閾値に達すると触感が呈示されるので、上述した意図しないタッチによる誤操作を誘発したり、違和感を与えたりするのを確実に防止して、操作者に対して入力が受け付けられたのを触感として認識させることができる。
【0012】
ところで、かかる入力装置を構成するには、タッチセンサやその制御部の基本構成の他に、タッチセンサに対する押圧荷重を検出する荷重センサや、タッチセンサを振動させるアクチュエータが必要となる。このため、その分、部品点数が増えてコストアップになるとともに、部品の設置スペースを確保する必要があることから、装置の大型化を招くことになる。したがって、上述した入力装置を実現するにあたっては、コストおよび小型化の点で更なる改良の余地がある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、コストダウンおよび小型化が図れるように適切に構成した入力装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成する入力装置の発明は、
タッチ入力を検出するタッチセンサと、
前記タッチセンサに装着された圧電素子と、
前記圧電素子の出力信号に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出し、該検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る入力装置は、圧電素子の圧電正効果および圧電逆効果を利用して、圧電素子を、タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重センサおよびタッチ面を振動させるアクチュエータとして利用して、部品を共用している。したがって、部品点数を削減できてコストダウンが図れるとともに、部品の設置スペースを少なくできて装置の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したタッチセンサ、圧電素子および表示部の実装構造の概略構成例を示す要部断面図および要部平面図である。
【図3】図1に示した入力装置の概略動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。この入力装置は、タッチセンサ11、圧電素子12、表示部13、および、各部の動作を制御する制御部14を有する。
【0019】
タッチセンサ11は、制御部14による制御のもとに、該タッチセンサ11のタッチ面に対する指などの押圧対象によるタッチ入力を検出して、そのタッチ位置の位置情報を制御部14に供給する。このタッチセンサ11は、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知のもので構成して、表示部13上に配置する。
【0020】
圧電素子12は、タッチセンサ11に装着する。この圧電素子12は、制御部14の制御により、圧電正効果を利用して、タッチセンサ11のタッチ面に対する押圧荷重を検出するための荷重検出モードと、圧電逆効果を利用して、タッチセンサ11のタッチ面を振動させる触感呈示モードとのいずれかのモードで動作させる。そして、荷重検出モードでは、タッチセンサ11のタッチ面に対する押圧荷重に対応する出力信号を制御部14に供給する。また、触感呈示モードでは、制御部14から供給される駆動信号に応じてタッチセンサ11のタッチ面を振動させて、タッチ面を押圧している押圧対象に駆動信号に応じた所定の触感を呈示する。
【0021】
表示部13は、制御部14による制御のもとに、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のような入力ボタン等の入力用オブジェクトを表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成する。この表示部13に表示された入力用オブジェクトに対するタッチ入力は、タッチセンサ11から出力される位置情報に基づいて制御部14により検出される。
【0022】
制御部14は、例えばCPU等からなり、タッチセンサ11からの位置情報、表示部13への表示情報、荷重検出モードにおいて圧電素子12から得られる押圧荷重に対応する出力信号、等に基づいて各部の動作を制御する。
【0023】
図2は、図1に示したタッチセンサ11、圧電素子12および表示部13の実装構造の概略構成例を示すもので、図2(a)は要部断面図、図2(b)は要部平面図である。表示部13は、筐体21内に収納保持する。表示部13上には、弾性部材からなるインシュレータ22を介して、タッチセンサ11を保持する。なお、本実施の形態では、タッチセンサ11を、図2(b)に仮想線で示す表示部13の表示領域Aから外れた4隅に配設したインシュレータ22を介して表示部13上に保持する。
【0024】
また、筐体21には、表示部13の表示領域から外れたタッチセンサ11の表面領域を覆うようにアッパカバー23を設け、このアッパカバー23とタッチセンサ11との間に、弾性部材からなる防塵用のインシュレータ24を配設する。
【0025】
なお、図2に示すタッチセンサ11は、タッチ面11aを有する表面部材が、例えば透明フィルムやガラスで構成され、裏面部材がガラスやアクリルで構成されて、インシュレータ24を介してタッチ面11aが押圧されると、押圧部分が押圧力に応じて微少量撓む(歪む)とともに、裏面部材を含むタッチセンサ11の全体が微少量撓む構造のものを用いる。
【0026】
タッチセンサ11には、その裏面上で、アッパカバー23で覆われる一辺または複数辺の近傍、ここでは3辺の近傍に、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出するとともに、タッチセンサ11を振動させて、タッチ面11aを押圧している押圧対象に触感を呈示するための圧電素子12をそれぞれ装着する。これら3個の圧電素子12の出力は、制御部14に並列に供給する。なお、図2(b)においては、図2(a)に示した筐体21、アッパカバー23およびインシュレータ24の図示を省略している。
【0027】
図3は、本実施の形態に係る入力装置の概略動作を示すフローチャートである。制御部14は、3個の圧電素子12を、常時、荷重検出モードとして、それらの出力信号を監視する(ステップS301)。また、制御部14は、タッチセンサ11の出力を監視し、タッチセンサ11から得られる指等の押圧対象(押圧物)によるタッチ入力の位置情報が、表示部13に表示されている入力用オブジェクトに対する位置への入力であるか否かを検出する(ステップS302)。そして、タッチセンサ11からの位置情報が、表示部13に表示されている入力用オブジェクトに対する位置への入力である場合(Yesの場合)は、表示部13内の当該入力用オブジェクトの表示態様を、色を変えるなど変更する(ステップS303)。
【0028】
さらに、制御部14は、3個の圧電素子12の出力に基づいてタッチセンサ11への押圧荷重を演算し、その押圧荷重が触感を呈示する基準(例えば、1N)を満たすか否かを検出する(ステップS304)。その結果、押圧荷重が基準を満たしたのを検出すると(Yesの場合)、3個の圧電素子12を荷重検出モードから、触感呈示モードに切り替える(ステップS305)。そして、制御部14は、3個の圧電素子12に対して、それぞれ所定の駆動信号を供給(印加)して3個の圧電素子12を駆動し、これによりタッチセンサ11を振動させて、タッチ面11aをタッチしている押圧対象に触感を呈示する(ステップS306)。その後、制御部14は、3個の圧電素子12を荷重検出モードに復帰させて(ステップS307)、タッチセンサ11に対する押圧荷重を演算する。
【0029】
ここで、ステップS304において、3個の圧電素子12の出力に基づいて演算する押圧荷重は、好ましくは、タッチ面11aの各位置において、操作者が感じる圧覚(物の硬さや柔らかさ等の感覚)がほぼ同じ場合に、ほぼ等しい演算結果が得られるように、例えば、3個の圧電素子の出力の平均値や、重み付けした加算値等に基づいて演算する。同様に、ステップS306において、3個の圧電素子12にそれぞれ印加する駆動信号は、好ましくは、タッチ面11aの各位置において、操作者がほぼ同じ圧覚でほぼ同じ触覚(物の手触り等の感覚)が得られるように、すなわち、圧覚と触覚とが複合されたほぼ同じ触感が得られるように、タッチ面11aの位置や場所に応じて、振幅や位相等を適宜変更する。
【0030】
また、ステップS304において、触感を呈示する押圧荷重の基準は、例えば、表現したい押しボタンスイッチの押下時の荷重特性に応じて適宜設定することができる。例えば、この基準は、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重と同じに設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応と触感を呈示するタイミングを同じに設定)してもよいし、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重よりも高い荷重に設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)してもよい。例えば、本実施の形態に係る入力装置を携帯端末に適用する場合においては、好ましくは、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重以上(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)に設定するとよい。また、さらに、この荷重設定も、年配のユーザは重めに(より遅く)、頻繁にメールをするユーザは軽めに(より早く)設定できるように、ユーザが自由に設定できるようにするとよい。
【0031】
また、ステップS306で呈示する触感は、圧電素子12に印加する駆動信号により適宜設定することができる。例えば、携帯端末に使用されている押しボタンスイッチを押下した際に得られる「カッ」と感じられるクリック触感を呈示する場合は、上記の基準の荷重が加わった時点で、例えば、100Hz〜200Hz、好ましくは170Hzの一定周波数のSin波1周期分を、駆動信号として圧電素子12に印加して、タッチ面11aを、基準の押圧荷重が加わった状態で約15μm振動させる。これにより、タッチセンサ11のタッチ面11aを押圧している押圧対象(押圧物)を介して、操作者にリアルなクリック触感を呈示して、入力操作が完了したことを認識させることができる。同様に、「カッ」よりも硬質な「カチ」と感じられるクリック触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号または矩形波信号を1周期分印加する。
【0032】
このように、圧電素子12の出力に基づいて演算されるタッチセンサ11に加わる荷重が、触感を呈示する基準(例えば、1N)を満たすまでは圧覚を刺激するようにし、基準を満たすと、圧電素子12を所定の駆動信号で駆動してタッチ面11aを振動させて触覚を刺激する。これにより、操作者に対してクリック触感を呈示して、当該入力操作が完了したことを認識させる。したがって、操作者は、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ上部に描画されていても、タッチセンサ11を、押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルなクリック触感を得ながら、入力操作を行うことができるので、違和感を覚えることがない。また、タッチセンサ11を「押した」と言う意識との連動で入力操作を行うことができるので、単なる押圧による入力ミスも防止することができる。
【0033】
また、触感を呈示する基準の押圧荷重を、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重よりも高く(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅く)設定した場合は、タッチ面11aへのタッチ操作に応じて入力位置を決定して、表示部13の対応する箇所の入力用オブジェクトの表示態様を変更し、その後、圧電素子12の出力に基づいて検出されるタッチ面11aへの押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、圧電素子12を駆動してクリック触感を呈示するとともに、その入力位置を確定して所定の処理(例えば、オブジェクトに対応するプログラムの実行処理)を実行させることが可能となる。この場合、操作者は、表示部13に表示された入力用オブジェクトの表示態様の変更により入力用オブジェクトの選択を確認でき、さらにタッチ面11aを押圧してクリック触感が呈示されることにより、選択した入力用オブジェクトが決定(実行)されたことを認識することができる。これにより、いわゆる迷い指による誤入力を防止することができる。
【0034】
なお、このように押しボタンスイッチのクリック触感を呈示する場合は、ステップS307において荷重検出モードに復帰後、リリース時においても、押圧荷重が所定の基準を下回った際に、3個の圧電素子12を触感呈示モードに切り替えて、押圧時と同様の駆動信号により3個の圧電素子12を駆動して同上のクリック触感(この場合はリリース触感)を呈示する。このようにすれば、押下時に「カッ」、リリース時に「チッ」と感じられるよりリアルなクリック触感を呈示することができる。勿論、リリース触感は、必ずしもクリック触感と同一の駆動信号でなくてもよい。
【0035】
ここで、リリース触感を呈示する荷重基準は、押圧時にクリック触感を呈示する上記の荷重基準と同じに設定することもできるが、好ましくは、押圧時にクリック触感を呈示する荷重基準よりも50%〜80%低い値に設定する。このようにすれば、同一位置(入力用オブジェクト)を連続入力(連打)する場合に、順次の入力と触感呈示タイミングとが合致し、違和感のないリアルなクリック触感を呈示することができる。すなわち、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重よりも小さくすることにより、違和感を与えないようにし、かつ、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重のおよそ50%以上とすることにより、連続入力時の操作性を格段に向上できる。また、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重のおよそ80%以下とすることにより、連続入力時のホールド状態での微小な荷重変化にも対応できる。
【0036】
また、圧電素子12により呈示する触感は、クリック触感に限らず、駆動信号を変更することにより、種々の触感を呈示することができる。例えば、「ブル」や「ブニ」と感じられる軟質的な触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号を2〜3周期分印加する。あるいは、「ブルル」と感じられる振動として認知できる触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号を4周期分以上印加する。これらの種々の触感を呈示する駆動信号情報は、図示しない記憶部に記憶して、ユーザにより所望の触感を呈示する駆動信号を適宜設定できるようにするのが好ましい。
【0037】
本実施の形態に係る入力装置によれば、圧電素子12を、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出する荷重センサと、タッチ面11aを振動させるアクチュエータとして共用したので、部品点数を削減できてコストダウンが図れる。また、部品点数を削減できることから、部品の設置スペースを少なくできるので、装置を小型化することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、圧電素子12は、3個に限らず、任意の個数とすることができる。また、圧電素子の構造も、タッチセンサ11の面積や、振動振幅等に応じて、モノモルフ、ユニモルフ、バイモルフ、積層型等の公知の構造とすることができる。
【0039】
また、本発明は、タッチセンサがオン・オフ動作を行うタッチスイッチとして機能する入力装置にも有効に適用することができる。さらに、本発明に係る入力装置は、タッチセンサに対する押圧の途中で、異なる基準(荷重)で順次に触感を呈示して、2段階スイッチ(押し込んだ後、さらに押し込む)などの多段階スイッチの触感を呈示することもできる。これにより、例えば、カメラのレリーズボタンに適用した場合は、フォーカスロック(1段押し)とレリーズ(2段押し)との触感を呈示することが可能となる。また、表示部と組み合わせた場合は、押し込みの段数に応じてメニュー画面の階層等の表示を種々変更することが可能となる。さらに、このように、多段階スイッチの触感を呈示する場合は、各段階でタッチ面を振動させる駆動信号を変更して、各段階において異なる触感を呈示することも可能である。
【0040】
また、本発明に係る入力装置は、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、当該圧電素子を駆動する。ここで、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 タッチセンサ
11a タッチ面
12 圧電素子
13 表示部
14 制御部
21 筐体
22 インシュレータ
23 アッパカバー
24 インシュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ入力を検出するタッチセンサと、
前記タッチセンサに装着された圧電素子と、
前記圧電素子の出力信号に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出し、該検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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