説明

入力装置及びノートブック型コンピュータ

【課題】本発明は、キーボード及びノートブック型コンピュータに関し、キーインの操作性を犠牲にすることなく小型化を可能としたキーボード及びノートブック型コンピュータを実現することを目的とする。
【解決手段】互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置されたキーボードで、少なくとも英字の為のキー13を有するキーボード10において、英字のキー13のキートップ16の配列は、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキー13のキートップ16の上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長くなるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーボード及びノートブック型コンピュータに関し、詳しくは、キーインの操作性を犠牲にすることなく小型化を可能としたキーボード及びノートブック型コンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりパーソナルコンピュータは次第に小型化され、現在では図3(a)に示すような携帯可能なノートブック型コンピータが実現している。これは、キーボード1を有する本体部2と、表示装置3と、該表示装置3と本体部2を接続するヒンジ部4とを有し、前記表示装置3は、本体部2の蓋を構成し開閉自在となっている。また、前記キーボード1は、互いに近接するキートップ5を有するキーが複数個縦・横に整列配置されており、該キーボード1から入力された情報は本体内部に設けられたCPUにより処理されて表示装置3に表示されるようになっている。
【0003】
上記のようなノートブック型コンピータでは、小型化と共にキーボードも小型化されているため、キートップも小さくなっている。さらに市販のノートブック型コンピータLibretto CTA20(株式会社東芝製)ではキートップを横長としてキーボードの小型化を図っている。但しこのキートップの外周には図3(b)の如く傾斜がつけられており、キートップ5の上面(操作面)6は一辺が約8mmの正方形となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のノートブック型コンピータでは、キートップの操作面6が小さいためキーイン操作が不便になり、またブラインドタッチを行った場合にミスタッチが多くなる等の問題があった。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、キーインの操作性を犠牲にすることなく小型化を可能としたキーボード及びノートブック型コンピュータを実現しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1乃至3のキーボードに於いては、互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置されたキーボードで、少なくとも英字の為のキーを有するキーボードにおいて、英字のキーのキートップの配列は、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキーのキートップの上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長いことを特徴とする。また、それに加えて、上記英字のキーのキートップの配列の横方向のピッチと縦方向のピッチ比は15:14乃至15:13であることを特徴とし、さらに、上記英字のキーのキートップの上面の大きさの縦方向の長さと横方向の長さとの比は15:14乃至15:13であることを特徴とする。
【0007】
この構成により、キーボードの縦方向の長さが短くなり小型化が可能となる。また、キートップ上面の縦方向の長さより横方向の長さを長くすることにより操作面を大きくすることができ、操作性を確保することができる。
【0008】
また、本発明の請求項4乃至7のノートブック型コンピュータに於いては、互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置され、少なくとも英字の為のキーを有するキーボードと、前記キーボードとCPUとを有する本体部と、表示装置を有して前記本体部を開閉自在に覆う蓋部と、を具備したノートブック型コンピュータにおいて、前記キーボードの英字のキーのキートップの配列は、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキーのキートップの上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長いことを特徴とする。
【0009】
また、それに加えて、上記英字のキーのキートップの配列の横方向のピッチと縦方向のピッチ比は15:14乃至15:13であることを特徴とする。また、上記英字のキートップの上面の大きさの縦方向の長さと横方向の長さとの比は15:14乃至15:13であることを特徴とする。さらに上記本体部の大きさがほぼA5ファイルサイズであり、キーの占める面積とアームレスト部との面積比が1.5:1乃至1.3:1であることを特徴とする。
【0010】
この構成により、キーボードの縦方向の長さが短くなり小型化が可能となり、また、キートップ上面の縦方向の長さより横方向の長さを長くすることにより操作面を大きくすることができ、操作性を確保することができ、さらにアームレストの面積を大きく取ることにより操作性の向上が可能なノートブック型コンピュータが得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のキーボード及びノートブック型コンピュータに依れば、キートップの配列の縦横比及びキートップの操作面の縦横比をそれぞれ15:14乃至15:13としたことにより、奥行きが小さくなりキーボード及びコンピュータの小型化が可能となり、また横方向のピッチは確保することができるため、ミスタッチを防止することができ、操作性の維持と装置の小型化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1(a)は本発明のキーボードの実施の形態を示す平面図である。本実施の形態のキーボード10は、機能キー11、数字キー12、英字キー13、シフトキー14、変換キー15等のキーを備えており、これらのキーは縦・横に整列し、且つそれぞれ近接して配置されている。
【0013】
そして、本実施の形態の特徴は少なくとも英字キー13の配列の横方向の配列ピッチP1 の長さと縦方向のピッチP2 の長さを同一とせず、横方向の配列ピッチP1 を縦方向のピッチP2 より大としたことである。なおその横方向と縦方向のピッチ比は15:14乃至15:13としている。
【0014】
また、図1(b)の如く、少なくとも英字キー13のキートップ16の上面(操作面)17の横方向の長さl1 と縦方向の長さl2 を同一とせず、横方向と縦方向の比を15:14乃至15:13としている。なお、図1(c)の如くキートップの上面の周囲に面取りを施して傾斜を付けた場合も、操作面17の横縦の比は前記と同様に15:14乃至15:13とする。なお、キートップの操作面17の縦方向の長さをあまり小さくするとキーイン操作が不便となるため前記の如き縦横比が好ましい。
【0015】
このように構成された本実施の形態のキーボードは、英字キー13のキートップの縦方向の配列ピッチP2 を横方向の配列ピッチP1 より小さくしたことによりキートップの占める面積が小さくなり、キーボードの小型化が可能になる。また英字キー13のキートップの操作面の縦横比を横長としたことによりキーインの操作性を犠牲にすることはない。
【0016】
図2は本発明のノートブック型コンピュータの実施の形態を示す斜視図である。本実施の形態は、同図に示すように、キーボード10を有し、CPUを内蔵した本体部20と、表示装置21と、該表示装置21と本体部20を接続するヒンジ部22を有し、該表示装置21は、本体部20を開閉自在に覆う蓋を構成し蓋部23となっている。また、前記キーボードは、互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置されている。
【0017】
そして、キーボード10は、少なくとも英字のキートップの配列が、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキートップの上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長い。そして、その英字のキートップの縦方向のピッチと横方向のピッチとの比は前実施の形態と同様に15:14乃至15:13としている。また英字のキートップの上面の横方向の長さと縦方向の長さの比は前実施の形態と同様に15:14乃至15:13である。
【0018】
このように構成された本実施の形態は、図2の如く本体部20から蓋部23を開き、その状態で本体部20のキーボード10から情報をキーインすることにより表示装置21に本体内部のCPUで処理した情報を表示させることができる。この場合、英字のキートップの縦方向の配列ピッチを小さくしたことによるキートップの占める面積の割合が小さくなりアームレスト部24となる部分の面積が大きくなるため、キーイン操作が楽になる。
【0019】
また、キートップの操作面は縦方向の長さより横方向の長さを大きくしているためキーインの操作性を損なうことは無い。なお、キートップの縦方向の長さをあまり小さくするとキーインの操作生を損なうため前記のような縦横比が好ましい。また、アームレスト部の面積を確保するためには、キーの占める面積とアームレスト部との面積比を1.5:1乃至1.3:1とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のキーボードの実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)及び(c)はキートップの斜視図である。
【図2】本発明のノートブック型コンピュータの実施の形態を示す斜視図である。
【図3】従来のノートブック型コンピュータを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
10 キーボード
11 機能キー
12 数字キー
13 英字キー
14 シフトキー
15 変換キー
20 本体部
21 表示装置
22 ヒンジ部
23 蓋部
24 アームレスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置されたキーボードで、少なくとも英字の為のキーを有するキーボードにおいて、
英字のキーのキートップの配列は、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキーのキートップの上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長いことを特徴とするキーボード。
【請求項2】
上記英字のキーのキートップの配列の横方向のピッチと縦方向のピッチ比は15:14乃至15:13であることを特徴とする請求項1記載のキーボード。
【請求項3】
上記英字のキーのキートップの上面の大きさの縦方向の長さと横方向の長さとの比は15:14乃至15:13であることを特徴とする請求項1記載のキーボード。
【請求項4】
互いに近接するキートップを有するキーが複数個縦・横に整列配置され、少なくとも英字の為のキーを有するキーボードと、
前記キーボードとCPUとを有する本体部と、
表示装置を有して前記本体部を開閉自在に覆う蓋部と、
を具備したノートブック型コンピュータにおいて、
前記キーボードの英字のキーのキートップの配列は、縦方向のピッチより横方向のピッチが長く、且つ英字のキーのキートップの上面の大きさは、縦方向の長さより横方向の長さが長いことを特徴とするノートブック型コンピュータ。
【請求項5】
上記英字のキーのキートップの配列の横方向のピッチと縦方向のピッチ比は15:14乃至15:13であることを特徴とする請求項4記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項6】
上記英字のキーのキートップの上面の大きさの縦方向の長さと横方向の長さとの比は15:14乃至15:13であることを特徴とする請求項4記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項7】
上記本体部の大きさがほぼA5ファイルサイズであり、キーの占める面積とアームレスト部との面積比が1.5:1乃至1.3:1であることを特徴とする請求項4記載のノートブック型コンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−87434(P2007−87434A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521(P2007−521)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【分割の表示】特願平8−270109の分割
【原出願日】平成8年10月11日(1996.10.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】