説明

入力装置及び電子機器

【課題】小型の装置においても精度良く操作情報を出力することが可能な入力装置及び該入力装置を備える電子機器を提供する。
【解決手段】筐体19に形成される貫通孔191の周面には複数の案内孔が形成される。この貫通孔191に球体3が収容される。球体3には、複数の連結棒が突設されており、案内孔にこれらの先端が挿入される。筐体19内部の連結棒の先端周囲には複数の検出部が設けられる。第1水平方向検出部及び第2水平方向検出部が、筐体19内部の連結棒の先端近傍に略水平方向に対に設けられる。また、第1鉛直方向検出部及び第2鉛直方向検出部が、筐体19内部の連結棒の先端近傍に略鉛直方向に対に設けられる。検出部は、連結棒の移動を検出し、演算部は複数の検出部からの出力に基づき、操作に基づく操作情報を演算する。そして、出力部は演算部により演算した操作情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作を受け付ける入力装置及び該入力装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マウスまたはジョイスティック等、様々な形態の入力装置が開発されている。特許文献1にはジョイスティック頂部に操作つまみを設けた3方向作動ジョイスティックが開示されている。また、特許文献2には3方向に分散配置された張力検出部に接続される指示部材の操作を解析する空間位置指示具が開示されている。
(例えば特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開平4−263308号公報
【特許文献2】特開2003−29920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年入力装置を搭載する携帯電話機または可搬型ミュージックプレーヤ等の電子機器の小型化も進んでいることから、入力装置もこれに応じて小型化する必要があった。特許文献1及び2に記載の技術は多方向の操作を解析できるものの小型の装置に適用することは困難であった。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、筐体の貫通孔周面の孔に挿入される複数の連結棒が突設される操作体の移動を許容し、この移動を検出することにより、小型の装置においても精度良く操作情報を出力することが可能な入力装置及び該入力装置を備える電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る入力装置は、貫通孔及び該貫通孔周面に形成された複数の孔を有する筐体と、前記孔に先端が挿入される複数の連結棒が突設された操作体と、前記筐体内部の前記連結棒の先端周囲に設けられ、該連結棒の移動を検出する複数の検出部と、該複数の検出部からの出力に基づき、操作に基づく操作情報を演算する演算部と、演算部により演算した操作情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る入力装置は、前記複数の検出部は、前記連結棒の水平方向の移動を検出する水平方向検出部と、前記連結棒の鉛直方向の移動を検出する鉛直方向検出部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る入力装置は、前記水平方向検出部は、前記筐体内部の前記連結棒の先端近傍に略水平方向に対に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る入力装置は、前記鉛直方向検出部は、前記筐体内部の前記連結棒の先端近傍に略鉛直方向に対に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る入力装置は、前記連結棒は前記操作体から略水平方向に向けて上下左右4本突設してあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る入力装置は、前記操作体は球形であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電子機器は、上述のいずれか一つに記載の入力装置を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、筐体に形成された貫通孔の周面には複数の孔が形成される。この貫通孔に操作体が収容される。操作体には、複数の連結棒が突設されており、孔にこれらの先端が挿入される。筐体内部の連結棒の先端周囲には複数の検出部が設けられる。例えば、2つの水平方向検出部が、筐体内部の連結棒の先端近傍に略水平方向に対に設けられる。また、例えば2つの鉛直方向検出部が、筐体内部の連結棒の先端近傍に略鉛直方向に対に設けられる。検出部は、連結棒の移動を検出し、演算部は複数の検出部からの出力に基づき、操作に基づく操作情報を演算する。そして、出力部は演算部により演算した操作情報を出力する。
【発明の効果】
【0013】
本発明にあっては、筐体内部の連結棒の先端周囲に複数の検出部が設けられ、検出部は、連結棒の移動を検出し、演算部は複数の検出部からの出力に基づき、操作に基づく操作情報を演算する。そして、出力部は演算部により演算した操作情報を出力する。このように構成したので、小型の装置においても直感的な操作を行うことが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は電子機器を平面側斜め上方から見た場合の外観を示す模式的斜視図、図2は電子機器を底面側斜め下方から見た場合の外観を示す模式的斜視図である。本実施の形態においては電子機器を、画像データを閲覧するための表示部を備える表示装置に適用した例について説明するが、これに限るものではなく、携帯電話機、テレビ、録画装置または空調装置のリモコン、可搬型ミュージックプレーヤ、PDA(Personal Digital Assistance)、または可搬型ゲーム機等であっても良い。
【0015】
表示装置1は、筐体19、表示部14、入力装置13及び貫通孔191を含んで構成される。筐体19は直方体状をなし例えばプラスチック等で構成される。筐体19の上面は開口しており、開口した部分に表示部14が上方向に臨ませて配置される。筐体19の表示部14右側近傍には貫通孔191が形成されており、貫通孔191内部に操作体3が収容されている。操作体3は後述するように周囲に複数の連結棒が突設されており、貫通孔191周面に形成される孔(以下、案内孔という)にこれら連結棒が挿入されている。図1及び図2に示すように、貫通孔191は筐体19の上面から底面にかけて貫通しており、操作体3の上側一部は筐体19の上面から正面視において一部露出し、また、操作体3の下側一部が筐体19の底面から正面視において一部露出するよう操作体3を収容している。
【0016】
以下では、貫通孔191を円柱状の空洞であるものとして説明し、また操作体3を貫通孔191の断面口径よりも若干小さな口径を有する球体3であるものとして説明するが、あくまで一例であり、この形態に限るものではない。例えば、貫通孔191を4角柱状の空洞とし、操作体3を空洞断面積よりも小さな断面積を有する直方体としても良く、また操作体3を楕円球形状としても良い。なお貫通孔191の深さ方向における長さは球体3の直径よりも小さくなるよう設定すればよい。
【0017】
図3は球体3の外観を示す模式的斜視図である。球体3は例えばプラスチック等で構成され、球面から略水平方向に向けて4つの円柱状の連結棒A乃至Dが上下左右に突設されている。具体的には球体3の直径が最大値となる周面の一部から連結棒Aが当該球面に対して垂直方向に向けて所定長突設されている。また当該周面の一部からは連結棒Aと正反対側に向けて連結棒Cが所定長突設されている。また周面の一部からは、連結棒A及びCの突設方向に対し90度異なる方向に向けて連結棒Bが所定長突設されており、さらに連結棒Bとは正反対方向に向けて連結棒Dが所定長突設されている。なお、連結棒A乃至Dは鉄芯等の硬質なもので構成すればよい。
【0018】
図4は貫通孔191の詳細を示す模式的斜視図である。貫通孔191は筐体19の上面から底面に向けて貫通する円柱形状の空洞であり、筐体19の厚み方向における貫通孔191の周面193には連結棒A乃至Dに対応する4つの案内孔192A、192B、192C、192Dが、周面193から筐体19の平面視における12時方向、3時方向、6時方向及び9時方向に向けて形成されている。周面193の12時位置から筐体19内部に向けて形成される案内孔192Aの先には、中空状の凹部19Aが筐体19内部に形成されている。また、周面193の3時位置から筐体19内部に向けて形成される案内孔192Bの先には、中空状の凹部19Bが筐体19内部に形成されている。
【0019】
同様に、周面193の6時位置から筐体19内部に向けて形成される案内孔192Cの先には、中空状の凹部19Cが筐体19内部に形成され、周面193の9時位置から筐体19内部に向けて形成される案内孔192Dの先には、中空状の凹部19Dが筐体19内部に形成されている。凹部19A乃至Dは筐体19内部に収容される中空の直方体形状をなす。図3に示す球体3の連結棒A乃至Dは周面193に設けられる案内孔192A乃至Dに向けてそれぞれ挿入され、連結棒A乃至Dの先端は案内孔192A乃至Dに連結する凹部19A乃至Dの正面壁を経て背面壁近傍まで突入する。なお、案内孔192A乃至Dの直径は、球体3の移動を許容すべく、円柱状の連結棒A乃至Dの直径よりも若干大きく構成している。
【0020】
これにより球体3は案内孔192A乃至Dを介して凹部19A乃至Dにそれぞれ支持され、3軸方向への移動がそれぞれ許容される。なお、凹部19A乃至Dへの連結棒A乃至Dの挿入にあたっては、案内孔192A乃至D並びに凹部19A乃至Dを含んで上面側及び底面側にそれぞれ2分割する筐体19の上面を取り外した上で、球体3の連結棒A乃至Dを案内孔192A乃至D並びに凹部19A乃至Dの底面側へ載置し、その後案内孔192A乃至D並びに凹部19A乃至Dを含む筐体19の上面を、連結棒A乃至Dを介在させた上で固定するようにすればよい。
【0021】
そのほか、連結棒A乃至Dを球体3中心部へ向けて進退可能に押し込むことができるよう構成し、連結棒A乃至Dを案内孔192A乃至D方向へ正しく位置決めした上で、凹部19A乃至Dへ挿入するようにしても良い。この場合、連結棒A乃至Dは球体3中心部から外径方向へ向けて図示しないバネ等の弾性部材により付勢される。また、本実施の形態においては連結棒A乃至Dを円柱形状とし、これらが挿入される案内孔192A乃至Dをも円柱形状としたが、この形状に限定するものではない。例えば、連結棒A乃至Dを4角柱状とし、これらが挿入される案内孔192A乃至Dを4角柱状としても良い。
【0022】
図5は表示装置1の上面を示す平面図、図6は表示装置1の底面を示す底面図であり、図7は表示装置1の右側面視を示す模式的側面視図である。以下では連結棒A乃至Dの突設方向である水平方向のうち、筐体19の平面視9時位置の連結棒Dから平面視3時位置の連結棒Bへ向かう方向をx正方向、筐体19の平面視6時位置の連結棒Cから平面視12時位置の連結棒Aへ向かう方向をy正方向として説明する。また、連結棒A乃至Dの突設方向である水平方向に対して鉛直の方向であって筐体19の底面から表示部14が設けられる上面に向かう方向をz正方向であるものとして説明する。
【0023】
案内孔192Aを経て凹部19Aへ突入する連結棒A先端の周囲には上下左右方向にそれぞれ、センサA1、A2、A3及びA4が設けられる。なお、以下では場合によりセンサA1等をセンサSで代表する。センサSは例えば感圧センサ、スイッチまたは光センサ等が用いられる。以下ではセンサSを感圧センサであるものとして説明する。一の水平方向検出部たるセンサA1は、他の水平方向検出部たるセンサA2に連結棒Aを介して水平方向(x方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Aの内壁の一側面に固定され、移動を検出するセンサ面がx正方向に存在する連結棒Aに対向している。連結棒Aがx負方向へ移動した場合、連結棒Aの先端側面がセンサA1のセンサ面に当接する。これによりセンサA1は、センサA1に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0024】
センサA2は、センサA1に連結棒Aを介して水平方向(x方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Aの内壁の他側面に固定され、移動を検出するセンサ面がx負方向に存在する連結棒Aに対向している。連結棒Aがx正方向へ移動した場合、連結棒Aの先端側面がセンサA2のセンサ面に当接する。これによりセンサA2は、センサA2に対応する検出信号を外部へ出力する。第1鉛直方向検出部たるセンサA3は、第2鉛直方向検出部たるセンサA4(図6参照)に連結棒Aを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Aの内壁の天面に固定され、移動を検出するセンサ面がz負方向に存在する連結棒Aに対向している。連結棒Aがz正方向へ移動した場合、連結棒Aの先端側面がセンサA3のセンサ面に当接する。これによりセンサA3は、センサA3に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0025】
センサA4は、センサA3に連結棒Aを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Aの内壁の底面に固定され、移動を検出するセンサ面がz正方向に存在する連結棒Aに対向している。連結棒Aがz負方向へ移動した場合、連結棒Aの先端側面がセンサA4のセンサ面に当接する。これによりセンサA4は、センサA4に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0026】
案内孔192Bを経て凹部19Bへ突入する連結棒B先端の周囲には上下左右方向にそれぞれ、センサB1、B2、B3及びB4が設けられる。センサB1は、センサB2に連結棒Bを介して水平方向(y方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Bの内壁の一側面に固定され、移動を検出するセンサ面がy負方向に存在する連結棒Bに対向している。連結棒Bがy正方向へ移動した場合、連結棒Bの先端側面がセンサB1のセンサ面に当接する。これによりセンサB1は、センサB1に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0027】
センサB2は、センサB1に連結棒Bを介して水平方向(y方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Bの内壁の他側面に固定され、移動を検出するセンサ面がy正方向に存在する連結棒Bに対向している。連結棒Bがy負方向へ移動した場合、連結棒Bの先端側面がセンサB2のセンサ面に当接する。これによりセンサB2は、センサB2に対応する検出信号を外部へ出力する。センサB3は、センサB4(図6参照)に連結棒Bを介して鉛直方向(z方向に)対向配置されており、その底面は中空の凹部19Bの内壁の天面に固定され、移動を検出するセンサ面がz負方向に存在する連結棒Bに対向している。連結棒Bがz正方向へ移動した場合、連結棒Bの先端側面がセンサB3のセンサ面に当接する。これによりセンサB3は、センサB3に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0028】
センサB4は、センサB3に連結棒Bを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Bの内壁の底面に固定され、移動を検出するセンサ面がz正方向に存在する連結棒Bに対向している。連結棒Bがz負方向へ移動した場合、連結棒Bの先端側面がセンサB4のセンサ面に当接する。これによりセンサB4は、センサB4に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0029】
案内孔192Cを経て凹部19Cへ突入する連結棒C先端の周囲には上下左右方向にそれぞれ、センサC1、C2、C3及びC4が設けられる。センサC1は、センサC2に連結棒Cを介して水平方向(x方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Cの内壁の一側面に固定され、移動を検出するセンサ面がx正方向に存在する連結棒Cに対向している。連結棒Cがx負方向へ移動した場合、連結棒Cの先端側面がセンサC1のセンサ面に当接する。これによりセンサC1は、センサC1に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0030】
センサC2は、センサC1に連結棒Cを介して水平方向(x方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Cの内壁の他側面に固定され、移動を検出するセンサ面がx負方向に存在する連結棒Cに対向している。連結棒Cがx正方向へ移動した場合、連結棒Cの先端側面がセンサC2のセンサ面に当接する。これによりセンサC2は、センサC2に対応する検出信号を外部へ出力する。センサC3は、センサC4(図6参照)に連結棒Cを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Cの内壁の天面に固定され、移動を検出するセンサ面がz負方向に存在する連結棒Cに対向している。連結棒Cがz正方向へ移動した場合、連結棒Cの先端側面がセンサC3のセンサ面に当接する。これによりセンサC3は、センサC3に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0031】
センサC4は、センサC3に連結棒Cを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Cの内壁の底面に固定され、移動を検出するセンサ面がz正方向に存在する連結棒Cに対向している。連結棒Cがz負方向へ移動した場合、連結棒Cの先端側面がセンサC4のセンサ面に当接する。これによりセンサC4は、センサC4に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0032】
案内孔192Dを経て凹部19Dへ突入する連結棒D先端の周囲には上下左右方向にそれぞれ、センサD1、D2、D3及びD4が設けられる。センサD1は、センサD2に連結棒Dを介して水平方向(y方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Dの内壁の一側面に固定され、移動を検出するセンサ面がy負方向に存在する連結棒Dに対向している。連結棒Dがy正方向へ移動した場合、連結棒Dの先端側面がセンサD1のセンサ面に当接する。これによりセンサD1は、センサD1に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0033】
センサD2は、センサD1に連結棒Dを介して水平方向(y方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Dの内壁の他側面に固定され、移動を検出するセンサ面がy正方向に存在する連結棒Dに対向している。連結棒Dがy負方向へ移動した場合、連結棒Dの先端側面がセンサD2のセンサ面に当接する。これによりセンサD2は、センサD2に対応する検出信号を外部へ出力する。センサD3は、センサD4(図6参照)に連結棒Dを介して鉛直方向(z方向に)対向配置されており、その底面は中空の凹部19Dの内壁の天面に固定され、移動を検出するセンサ面がz負方向に存在する連結棒Dに対向している。連結棒Dがz正方向へ移動した場合、連結棒Dの先端側面がセンサD3のセンサ面に当接する。これによりセンサD3は、センサD3に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0034】
センサD4は、センサD3に連結棒Dを介して鉛直方向(z方向)に対向配置されており、その底面は中空の凹部19Dの内壁の底面に固定され、移動を検出するセンサ面がz正方向に存在する連結棒Dに対向している。連結棒Dがz負方向へ移動した場合、連結棒Dの先端側面がセンサD4のセンサ面に当接する。これによりセンサD4は、センサD4に対応する検出信号を外部へ出力する。
【0035】
図8は入力装置13を含む表示装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。表示装置1は制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、表示部14、記憶部15、及び入力装置13を含んで構成される。CPU11は、バス17を介して表示装置1のハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部15に格納された制御プログラム15Pに従って、入力処理及び表示処理に関する種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0036】
記憶部15は、ハードディスク、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、またはFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等から構成され、内部には上述した制御プログラム15Pの他、jpeg(Joint Photographic Experts Group)等の画像データ及びメニュー画面等を記憶する画像ファイル151を記憶している。表示部14は液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等であり、入力装置13から出力される操作情報に基づくCPU11からの指示により、画像ファイル151に記憶した画像を表示する。
【0037】
入力装置13は出力部16、演算部10、メモリ100、センサA1、A2・・・からなるセンサS等を含んで構成される。センサA1乃至A4、センサB1乃至B4、センサC1乃至C4、並びに、センサD1乃至D4はそれぞれ演算部10に接続されており、連結棒A乃至Dの移動を検出した場合、各センサSに対応する検出信号を演算部10へ出力する。演算部10は検出信号をセンサSから受け付け、メモリ100に記憶した操作テーブル101(図9)を参照して操作情報を演算し、出力部16へ出力する。出力部16はインタフェース回路であり、x軸、y軸及びz軸方向それぞれの操作情報をCPU11へ出力する。
【0038】
図9は操作テーブル101のレコードレイアウトを示す説明図である。操作テーブル101はセンサフィールド及び操作情報フィールドを含んで構成される。センサフィールドにはセンサSから出力される検出信号がそれぞれ記憶されており、各検出信号に対応させて操作情報フィールド内には対応する操作情報が記憶されている。なお、センサフィールドの内数字「1」で示すものが、該当するセンサSから検出信号が出力されていることを表している。以下、レコード順に操作情報の内容を説明する。図10はx軸方向に係る操作情報に基づくカーソル操作例を示す説明図である。CPU11は画像ファイル151から複数の画像データの縮小画像を生成し、生成した縮小画像を複数のサムネイル画像41、41、・・・として表示部14上に格子状に配置する。サムネイル画像41の周囲を囲むカーソル42によりユーザは表示する画像を選択する。
【0039】
ユーザが球体3をx正方向へ移動させた場合、連結棒A及びCがx正方向へ移動し、センサA2及びC2に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として右カーソルを読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11はカーソル42を右方向へ移動させ、他のサムネイル画像41を選択する。なお、図においては検出信号を出力するセンサSのみを模式的に四角で記述している。一方、ユーザが球体3をx負方向へ移動させた場合、連結棒A及びCがx負方向へ移動し、センサA1及びC1に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として左カーソルを読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11はカーソル42を左方向へ移動させ、他のサムネイル画像41を選択する。なお、本実施の形態で述べるセンサSからの検出信号に基づく各種操作情報はあくまで一例でありこの操作に限るものではない。
【0040】
図11はy軸方向に係る操作情報に基づくカーソル操作例を示す説明図である。CPU11は画像ファイル151から複数の画像データの縮小画像を生成し、生成した縮小画像を複数のサムネイル画像41、41、・・・として表示部14上に格子状に配置する。サムネイル画像41の周囲を囲むカーソル42によりユーザは表示する画像を選択する。
【0041】
ユーザが球体3をy正方向へ移動させた場合、連結棒B及びDがy正方向へ移動し、センサB1及びD1に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として上カーソルを読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11はカーソル42を上方向へ移動させ、他のサムネイル画像41を選択する。一方、ユーザが球体3をy負方向へ移動させた場合、連結棒B及びDがy負方向へ移動し、センサB2及びD2に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として下カーソルを読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11はカーソル42を下方向へ移動させ、他のサムネイル画像41を選択する。
【0042】
図12はz軸方向へ球体3を操作した場合の一例を示す説明図である。なお、図12(a)は表示装置1の右側面図であり、図12(b)は表示装置1の平面図である。CPU11は画像ファイル151から画像データを読み出し表示部14に表示する。ユーザが球体3をz正方向へ移動させた場合、連結棒A乃至Dがz正方向へ移動し、センサA3、B3、C3、及びD3に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として画像拡大を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像の拡大処理を行う。
【0043】
ユーザが球体3をz負方向へ移動させた場合、連結棒A乃至Dがz負方向へ移動し、センサA4、B4、C4、及びD4に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として画像縮小を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像の縮小処理を行う。なお、本実施の形態においては、センサA4、B4、C4、及びD4に係る検出信号が演算部10へ出力された場合、画像の縮小処理に係る操作情報を出力するよう構成したが、選択決定に係る操作情報を出力しても良い。例えば図10及び図11においてカーソル42の移動後、ユーザが球体3をz負方向へ押し込んだ場合、選択された一のサムネイル画像41が決定され、図12に示す一の画像が表示部14に表示される。
【0044】
図13は水平方向の画像回転処理のイメージを示す説明図である。ユーザが球体3を連結棒A乃至Dの突設方向である水平方向面(x−y座標面)において、時計周りに回転させた場合、連結棒A乃至Dが時計回りに回転し、センサA2、B2、C1、及びD1に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として右回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像のx−y座標面における右回転処理を行う。またユーザが球体3を連結棒A乃至Dの突設方向である水平方向面(x−y座標面)において、反時計周りに回転させた場合、連結棒A乃至Dが反時計回りに回転し、センサA1、B1、C2、及びD2に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として左回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像のx−y座標面における左回転処理を行う。
【0045】
図14は鉛直方向における画像の縦回転処理のイメージを示す説明図である。なお、図14(a)は表示装置1の右側面図であり、図14(b)は表示装置1の平面図である。ユーザが球体3を連結棒B及びDの突設方向に対して交差する鉛直方向面(y−z座標面)において、時計周りに回転させた場合、連結棒A及びCが右側面視において時計回りに回転し、センサA4及びC3に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として縦上回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像を、画像の上下で均等に分割する分断線を中心に、回転させる処理を行う。具体的には分断線上側の画像についてはz負方向へ回転させる処理を行い、分断線下側の画像についてはz正方向へ回転させる処理を行う。
【0046】
ユーザが球体3を連結棒B及びDの突設方向に対して交差する鉛直方向面(y−z座標面)において、反時計周りに回転させた場合、連結棒A及びCが右側面視において反時計回りに回転し、センサA3及びC4に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として縦下回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像を、画像の上下で均等に分割する分断線を中心に回転させる処理を行う。具体的には分断線上側の画像についてはz正方向へ回転させる処理を行い、分断線下側の画像についてはz負方向へ回転させる処理を行う。
【0047】
図15は鉛直方向における画像の横回転処理のイメージを示す説明図である。なお、図15(a)は表示装置1の平面図であり、図15(b)は表示装置1の底面図である。ユーザが球体3を連結棒A及びCの突設方向に対して交差する鉛直方向面(x−z座標面)において、反時計周りに回転させた場合、連結棒B及びDが正面側面視において反時計回りに回転し、センサB3及びD4に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として横左回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像を連結棒A及びCの突設方向と平行な点線で示す画像を左右で均等に分割する分断線を中心に、回転させる処理を行う。具体的には分断線左側の画像についてはz負方向へ回転させる処理を行い、分断線右側の画像についてはz正方向へ回転させる処理を行う。
【0048】
ユーザが球体3を連結棒A及びCの突設方向に対して交差する鉛直方向面(x−z座標面)において、時計周りに回転させた場合、連結棒B及びDが正面側面視において時計回りに回転し、センサB4及びD3に係る検出信号が演算部10へ出力される。演算部10は操作テーブル101を参照し、操作情報として横右回転を読み出し、出力部16を介して、操作情報をCPU11へ出力する。CPU11は表示部14に表示した画像を連結棒A及びCの突設方向と平行な点線で示す画像を左右で均等に分割する分断線を中心に、回転させる処理を行う。具体的には分断線左側の画像についてはz正方向へ回転させる処理を行い、分断線右側の画像についてはz負方向へ回転させる処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】電子機器を平面側斜め上方から見た場合の外観を示す模式的斜視図である。
【図2】電子機器を底面側斜め下方から見た場合の外観を示す模式的斜視図である。
【図3】球体の外観を示す模式的斜視図である。
【図4】貫通孔の詳細を示す模式的斜視図である。
【図5】表示装置の上面を示す平面図である。
【図6】表示装置の底面を示す底面図である。
【図7】表示装置の右側面視を示す模式的側面視図である。
【図8】入力装置を含む表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】操作テーブルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図10】x軸方向に係る操作情報に基づくカーソル操作例を示す説明図である。
【図11】y軸方向に係る操作情報に基づくカーソル操作例を示す説明図である。
【図12】z軸方向へ球体を操作した場合の一例を示す説明図である。
【図13】水平方向の画像回転処理のイメージを示す説明図である。
【図14】鉛直方向における画像の縦回転処理のイメージを示す説明図である。
【図15】鉛直方向における画像の横回転処理のイメージを示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 表示装置
3 球体
10 演算部
11 CPU
13 入力装置
14 表示部
15 記憶部
16 出力部
19 筐体
100 メモリ
101 操作テーブル
191 貫通孔
192A〜D 案内孔
A 連結棒
A1〜A4 センサ
B 連結棒
B1〜B4 センサ
C 連結棒
C1〜C4 センサ
D 連結棒
D1〜D4 センサ
S センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔及び該貫通孔周面に形成された複数の孔を有する筐体と、
前記孔に先端が挿入される複数の連結棒が突設された操作体と、
前記筐体内部の前記連結棒の先端周囲に設けられ、該連結棒の移動を検出する複数の検出部と、
該複数の検出部からの出力に基づき、操作に基づく操作情報を演算する演算部と、
演算部により演算した操作情報を出力する出力部と
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記複数の検出部は、
前記連結棒の水平方向の移動を検出する水平方向検出部と、
前記連結棒の鉛直方向の移動を検出する鉛直方向検出部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記水平方向検出部は、前記筐体内部の前記連結棒の先端近傍に略水平方向に対に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記鉛直方向検出部は、前記筐体内部の前記連結棒の先端近傍に略鉛直方向に対に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記連結棒は前記操作体から略水平方向に向けて上下左右4本突設してある
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項6】
前記操作体は球形であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の入力装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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