説明

入力装置

【課題】 ウインドウのサイズ変更の際のポインタ移動を容易に、且つ迅速に行なうことができる入力装置を提供する。
【解決手段】 表示部16の表示画面にサイズ変更が可能なウインドウ50が表示されている状態で、操作面20a上の予め決められた特定領域に指などの操作体が接触したことが検出されたときに、データ処理部7は、表示画面に表示されているポインタ52を、ウインドウ50のサイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、40b1、40b2、40c1、40c2にジャンプさせる操作処理信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータの入力装置に関し、特にパーソナルコンピュータの画面上に表示されたウィンドウのサイズ変更を行なう際のポインタ移動を、少ない操作で簡単に且つ迅速に行なうことができる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータにおいて、画面上に表示されているウインドウのサイズを拡大または縮小するサイズ変更を行なうには、ウインドウの4隅あるいは上下左右の各側縁部に設けられているサイズ変更領域にポインタを移動させた後、前記ウインドウの内側方向あるいは外側方向に向かってドラッグすることによって行なうことができる。
【0003】
ウインドウのサイズ変更に関する技術思想は、以下に示す特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平6−103013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーソナルコンピュータの画面上に表示されたウインドウのサイズ変更を行なう際のポインタの移動は、従来から、パーソナルコンピュータに接続されて使用される入力装置であるマウスを操作することによって行なわれている。
【0005】
ところが近年では、パーソナルコンピュータの入力装置として、パーソナルコンピュータに接続されるマウスに代わり、パーソナルコンピュータに組み込まれたパッド型入力装置が使用されてきている。
【0006】
このパッド型入力装置では、表面に形成された操作面を指でスライドさせることによってポインタを移動させている。
【0007】
しかし、ウインドウのサイズ変更領域は非常に狭いため、パッド型入力装置の操作面で指をスライドさせることによって、ポインタをウインドウのサイズ変更領域に移動させることは操作性に劣り、ポインタの移動を容易に行なうことはできない。
【0008】
特に、パッド型入力装置はパーソナルコンピュータの比較的狭いスペースに形成されるため、操作面の面積を大きくするには限界がある。
【0009】
そのため、パッド型入力装置によってポインタの移動を行なうためには、小さな面積の操作面内で指をスライドさせなくてはならないため、ポインタをウインドウのサイズ変更領域に移動させる操作は非常に難しい。
【0010】
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、パーソナルコンピュータの表示画面に表示されたウインドウのサイズ変更の際のポインタ移動を容易に、且つ迅速に行なうことができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の入力装置は、操作面と、前記操作面に操作体が接触したことを検出し且つ操作体が接触した位置の操作面上での座標を検出する検出手段と、前記検出手段から得られた検出信号に基づいて操作処理信号を出力するデータ処理手段とを有し、
表示画面にサイズ変更が可能なウインドウが表示されている状態で、前記操作面上の予め決められた特定領域で特定の操作が行なわれたことが検出されたときに、前記データ処理手段は、表示画面に表示されているポインタを、前記ウインドウのサイズ変更領域にジャンプさせる操作処理信号を出力することを特徴とするものである。
【0012】
本願発明の入力装置では、操作面上の予め決められた特定領域で、指などの操作体が接触したことが検出されたときに、表示画面に表示されているポインタを、ウインドウのサイズ変更領域にジャンプさせる操作処理信号が出力される。
【0013】
したがって、ウインドウの表示面積をサイズ変更する際に、ポインタをウインドウのサイズ変更領域に移動させるための操作を容易に行なうことができ、ウインドウの表示面積のサイズ変更を容易に行なうことが可能となる。
【0014】
また、ポインタの移動は、ジャンプ処理によって瞬時に行なうことが可能であるため、従来のように入力装置の操作面を指でスライド操作する場合に比較してポインタの移動を迅速に行なうことができる。したがって、ウインドウのサイズ変更を迅速に行なうことができる。
【0015】
この場合、データ処理手段は、前記操作面上の予め設定された特定領域で特定の操作が行なわれたことが検出されたときに、ポインタを前記サイズ変更領域にジャンプさせるとともに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力するものとして構成することができる。
【0016】
このように構成すると、ポインタがウインドウのサイズ変更領域に瞬時にジャンプした上で、さらにこの状態で自動的にドラッグ操作を行なうことができる。したがって、ドラッグモードに切り替えるために、入力装置の操作面を2回連続でタップした後、2回目のタップ後そのまま指を離さずにスライダさせる、あるいは左押し釦を押し続けるなどのドラッグモード切替操作が必要なく、簡単に且つ迅速にウインドウのサイズ変更を行なうことが可能になる。
【0017】
また、データ処理手段は、ポインタが前記サイズ変更領域にジャンプした後に、所定の操作が行われたか否かを検出し、所定の操作の検出の後に、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力するものとして構成することができる。
【0018】
このように構成しても、操作面で指をスライドさせなくても、ポインタの移動を容易に行なうことができ、ウインドウの表示面積のサイズ変更を容易に行なうことが可能となる。
【0019】
この場合、データ処理手段は、操作体によって操作面が操作されたことが検出されたときに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力するものとして構成することができ、この場合、前記操作面の操作はタップ操作であるものとして構成することができる。
【0020】
また、前記操作面と併設された釦入力装置が設けられており、データ処理手段は、釦入力装置が操作されたことが検出されたときに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力するものとして構成しても良い。
【0021】
また、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号が出力された後に、操作面上で操作体が移動したことが検出されたときに、データ処理手段は、表示画面に表示されたウインドウのサイズを前記操作体の移動に対応して変化させる操作処理信号を出力するものとして構成することができる。
【0022】
また、操作体が操作面から離れたことが検出されたときに、データ処理手段は、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力するものとして構成することや、データ処理手段は、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号が出力された後の所定時間を経過したときに、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力するものとして構成することなど、特定の操作などが行なわれたときに、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力するものとして構成することができる。
【0023】
これによって、前記キャッチ処理が解除され、データ処理手段の設定にしたがった通常の処理が行なわれることとなる。
【0024】
また、操作面上に前記特定領域を設定するための設定手段が設けられているものとして構成することができる。
【0025】
この場合、前記特定領域の設定は、操作面上での設定位置および領域の広さを任意に設定可能であるものとして構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本願発明の入力装置では、操作面上の予め決められた特定領域で、指などの操作体が接触したことが検出されたときに、表示画面に表示されているポインタを、ウインドウのサイズ変更領域にジャンプさせる操作処理信号が出力される。
【0027】
したがって、ウインドウの表示面積をサイズ変更する際に、ポインタをウインドウのサイズ変更領域に移動させるための操作を容易に行なうことができ、ウインドウの表示面積のサイズ変更を容易に行なうことが可能となる。
【0028】
また、ポインタの移動は、ジャンプ処理によって瞬時に行なうことが可能であるため、従来のように入力装置の操作面を指でスライド操作する場合に比較してポインタの移動を迅速に行なうことができる。したがって、ウインドウのサイズ変更を迅速に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は本発明の入力装置が搭載されたノート型のパーソナルコンピュータを示す斜視図、図2は図1に示すパーソナルコンピュータに組み込まれた入力装置を示す部分拡大平面図、図3は図2に示す入力装置の回路ブロック図、図4は図1に示すパーソナルコンピュータの表示画面に表示されたウインドウの例を示す図、図5は図2に示す入力装置を用いた場合のポインタの動作処理を示すフローチャートである。
【0030】
図1に示すノート型のパーソナルコンピュータ100は、本体部101と表示筐体102を有している。本体部101には、操作装置としてキーボード装置103が搭載されている。また図1および図2に示すように、本体部101には、本発明の入力装置であるパッド型入力装置20と、このパッド型入力装置20に近接して設けられた右押し釦104と左押し釦105とが設けられている。
【0031】
キーボード装置103は、複数に配列したキーおよび各キーの操作を検出するキーボードスイッチを有しており、キーボードスイッチの操作信号は、図示しない処理回路を経て、図3に示す本体制御部30のデータ処理手段7に与えられる。
【0032】
パッド型入力装置20は操作面20aを有しており、操作面20aの下に、図3に示すセンサ基板1が設けられている。なお、前記操作面20aの平面形状は限定されるものではないが、図1および図2に示す実施形態では、前記操作面20aの平面形状は四角形で構成されている。
【0033】
前記センサ基板1は、互いに平行で縦方向(図2に示すy方向)に一定のピッチで配列するx電極1xと、互いに平行で横方向(図2に示すx方向)に一定のピッチで配列するy電極1yとを有しており、x電極1xとy電極1yとが、所定の静電容量を有する誘電体を介して対向している。x電極1xには、図示しない縦方向走査部を介して図示しない制御駆動部から順に電荷が与えられ、y電極1yには、図示しない横方向走査部を介して図示しない制御駆動部から順に電荷が与えられる。
【0034】
操作面20aにはセンサ基板1を覆う保護層が設けられており、人の指などのような導電体で構成される操作体がセンサ基板1上のいずれかの個所に触れると、触れた位置においてx電極1xとy電極1yとの間の静電容量が変化する。静電容量の変化に基づく操作信号は、検出手段3においてセンサ基板1への指の接触状態がタップ操作であるかタッチ操作であるかが検出され、あるいはスライド操作であるかが検出される。さらにタップ位置またはタッチ位置、およびスライド位置がX−Yの座標情報として前記検出手段3によって検出される。
【0035】
ここで、「タップ操作」とは、操作面20aの所定位置において、指などの操作体が触れられてから所定時間以内に瞬間的に指などの操作体が離れたときの操作を意味し、前記検出手段3では、そのときの接触位置と静電容量の変化が検出される。「タッチ操作」とは、操作面20aの所定位置において、指などの操作体が触れてから所定時間以内に指などの操作体が離れたときの操作のうち、前記「タップ操作」よりも指などの操作体が触れている時間が長い状態を意味し、前記検出手段3ではそのときの接触位置と静電容量の変化が検出される。また「スライド操作」とは、操作面20aの所定の位置を指で触れた状態でその指が操作面20a上を移動する操作を意味し、前記検出手段3では、そのときの接触位置の座標変化が検出される。
【0036】
なお、前記タップ操作やタッチ操作やスライド操作の検出は、後記する本体制御部30で行なうようにしても良い。
【0037】
また、図1および図2に示すように、右押し釦104と左押し釦105は前記パッド型入力装置20の前記操作面20aに併設されて設けられており、それぞれ右スイッチと左スイッチに連動している。この右スイッチの操作信号と左スイッチの操作信号も、図3に示す前記検出手段3によって検出される。前記右押し釦104と前記左押し釦105とで、本発明の釦入力装置を構成する。ただし、前記右押し釦104と前記左押し釦105の他にも押し釦が設けられて、本発明の釦入力装置が構成されていても良い。
【0038】
前記検出手段3で検出された操作信号は、フォーマット処理部4によって所定のフォーマットに変換された後、インターフェイス部5からインターフェイス部6を介して、前記ノート型のパーソナルコンピュータ100の本体部101内の本体制御部30を構成するデータ処理手段7に送られる。データ処理手段7では、ドライバソフトウェアと称されるソフトウェアプログラムが前記検出手段3からの操作信号に応じて制御信号を生成し、この制御信号がオペレーティングシステム8に与えられることにより、表示部16の表示画面に表示された各種情報が、前記操作信号に基づいて制御される。
【0039】
前記オペレーティングシステム8は、図示しないアプリケーションソフトのプログラム動作に応じて、表示部16に所定の画像を表示する制御を行うことが可能である。
【0040】
データ処理手段7で生成される操作処理信号としては、例えば後記するポインタ52を移動させるための操作処理信号や、後述するジャンプ処理やキャッチ処理のための操作処理信号などがあるが、これら処理の詳細は後述する。
【0041】
図4は、前記表示部16の表示画面に表示されるウインドウ50の一例を示す図である。図4に示すウインドウ50は文書作成画面を示す説明図であり、左上隅には複数のメニュー26が表示されている。前記ウインドウ50の右側にはスクロールバー28が表示され、スクロールバー28には上下方向へ一次元的に移動可能なスライダ28aが表示されている。また、表示画面の下縁には、横方向へ延びるスクロールバー29が表示されて、このスクロールバー29のスライダ29aを左右に移動させる表示を行うときに、前記文字列を左右方向へ一次元的に移動可能なスクロールバー29が表示されている。
【0042】
また図4に示すように、前記メニュー26およびスクロールバー28以外の表示領域51には表示情報が表示(図示せず)され、例えば文字列が表示される。前記表示領域51にはポインタ52が表示されており、前記パッド型入力装置20の操作面20aを指などの操作体でスライド操作することによって、前記表示部16上で任意の方向へ移動可能とされている。図4に示すように、前記ポインタ52は、前記表示領域51に位置しているとき、通常は片矢印形状で表示されている。
【0043】
図4に示すように、前記ウインドウ50には周縁部を囲むように連続するサイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、40b1、40b2、40c1、40c2が設けられている。
【0044】
前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4は、それぞれ前記ウインドウ50の4隅に形成されている。図4に示すように、前記表示領域51に位置していた前記ポインタ52を移動させて前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4に位置させると、片矢印形状の前記ポインタ52の形状が変化して、通常は両矢印形状のサイズ変更ポインタ53へと変化する。このように、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の外側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の幅寸法Wが大きくなるとともに、前記ウインドウ50の縦寸法Lが大きくなり、前記ウインドウ50の表示面積が拡大する。また、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の内側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の幅寸法Wが小さくなるとともに、前記ウインドウ50の縦寸法Lが小さくなり、前記ウインドウ50の表示面積が縮小する。
【0045】
前記サイズ変更領域40b1、40b2は、前記ウインドウ50の左側縁部および右側縁部に形成されている。図4に示すように、前記表示領域51に位置していた前記ポインタ52を移動させて前記サイズ変更領域40b1、40b2に位置させると、片矢印形状の前記ポインタ52の形状が変化して、通常は両矢印形状のサイズ変更ポインタ53へと変化する。このように、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の外側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の縦寸法Lは変化しないが、前記ウインドウ50の幅寸法Wが大きくなり、前記ウインドウ50の表示面積が拡大する。また、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の内側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の縦寸法Lは変化しないが、前記ウインドウ50の幅寸法Wが小さくなり、前記ウインドウ50の表示面積が縮小する。
【0046】
前記サイズ変更領域40c1、40c2は、前記ウインドウ50の上側縁部および下側縁部に形成されている。図4に示すように、前記表示領域51に位置していた前記ポインタ52を移動させて前記サイズ変更領域40c1、40c2に位置させると、片矢印形状の前記ポインタ52の形状が変化して、通常は両矢印形状のサイズ変更ポインタ53へと変化する。このように、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の外側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の幅寸法Wは変化しないが、前記ウインドウ50の縦寸法Lが大きくなり、前記ウインドウ50の表示面積が拡大する。また、両矢印形状の前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、前記ウインドウ50の内側方向に向かってドラッグ操作を行なうと、前記ウインドウ50の幅寸法Wは変化しないが、前記ウインドウ50の縦寸法Lが小さくなり、前記ウインドウ50の表示面積が縮小する。
【0047】
前記パッド型入力装置20では、操作面20aの「ジャンプモード」の設定が行なわれている領域(本発明の特定領域)で、指などの操作体をタップ操作またはタッチ操作などによって接触させるなどの特定の操作が行なわれると、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に瞬時にジャンプし、前記ウインドウ50には前記サイズ変更ポインタ53が表示される。このように、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域に瞬時にジャンプするときの設定を「ジャンプモード」といい、また前記ポインタ52が前記サイズ変更領域に瞬時にジャンプする処理を「ジャンプ処理」という。前記ジャンプ処理は、前記データ処理手段7で生成された、前記ポインタ52を前記座標位置にジャンプさせるための操作処理信号の出力に基づいて行なわれる。
【0048】
このように前記ウインドウ50に前記サイズ変更ポインタ53が表示された状態で、所定の操作、例えば前記操作面20aを2回連続でタップした後、2回目のタップ後そのまま指を離さずにスライダさせる、あるいは前記左押し釦105を押し続けるなどの通常のドラッグモード切替操作を行なうと、前記データ処理手段7が前記所定の操作が行なわれたことを検出し、前記操作面20aをダブルタップする、あるいは前記左押し釦105を押し続けるなどの前記所定の操作の後に前記操作面20aを指などの操作体をスライド操作することによってドラッグ操作を行なえば、指などの操作体の移動に対応して、前記したように前記ウインドウ50の表示面積をサイズ変更することができる。
【0049】
また前記パッド型入力装置20では、前記操作面20aの「キャッチモード」の設定が行なわれている領域(本発明の特定領域)で、指などの操作体をタップ操作またはタッチ操作によって接触させるなどの特定の操作が行なわれると、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c1に瞬時にジャンプして前記ウインドウ50には前記サイズ変更ポインタ53が表示され、さらにこの状態で自動的にドラッグモードとされ、前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c1をキャッチすることができる。
【0050】
したがって、前記タップ操作またはタッチ操作を行なうことによって前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動した後に、そのまま指などの操作体を前記操作面20aに触れてスライド操作を行なうだけでドラッグ操作が行なわれ、前記指などの操作体の移動に対応して前記ウインドウ50のサイズ変更が可能になる。このサイズ変更は、前記指などの操作体の移動に対応して前記ウインドウ50のサイズ変更を行なうとの操作処理信号に基づいて行なわれ、この操作処理信号は前記データ処理手段7によって出力される。したがって、ドラッグモードに切り替えるために、前記操作面20aをダブルタップする、あるいは前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモード切替操作が必要なく、簡単に且つ迅速に前記ウインドウ50のサイズ変更を行なうことが可能になる。このように、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域に瞬時にジャンプし、さらにドラッグモードとされる設定を「キャッチモード」といい、また、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域に瞬時にジャンプし、さらにドラッグモードとされる動作処理を「キャッチ処理」という。このキャッチ処理は、前記データ処理手段7で生成された、前記キャッチフラグをONにさせるための操作処理信号の出力に基づいて行なわれる。
【0051】
前記キャッチ処理の解除は、特定の操作などが行なわれたときに、前記データ処理手段7が、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力することによって行なうことができる。例えば、前記キャッチフラグがONにされたときから所定時間経過後に、前記データ処理部7が、前記キャッチフラグをOFFにする操作処理信号に基づいて自動的に解除するように構成されていても良い。また前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作などの操作を検出したときに、前記データ処理手段7が、前記キャッチフラグをOFFにする操作処理信号に基づいて解除することとしても良い。また、前記キャッチモードのときに、前記操作面20aで指などの操作体をスライドさせて前記ウインドウ50の表示面積をサイズ変更した後、前記操作面20aから指などの操作体が離れたことが検出されたときに、前記データ処理手段7が、前記キャッチフラグをOFFにする操作処理信号に基づいて前記キャッチ処理が解除されるようにしても良い。
【0052】
なお、前記操作面20aの所定の領域を「ジャンプモード」とするか、あるいは「キャッチモード」とするか、すなわち本発明の「特定領域」に「ジャンプ処理」を付与するか、あるいは「キャッチ処理」を付与するかについての設定は、前記ウインドウ50を介した設定手段によって設定することができる。
【0053】
次に、前記パッド型入力装置20の処理動作を図5に示すフローチャートを参照にして説明する。ここで、図5に示すフローチャートの動作処理は、前記データ処理手段7によって行なわれる。
【0054】
まず、ユーザーが前記パッド型入力装置20の前記操作面20aの操作を行なう(ST1)。
【0055】
次に、前記ST1での操作面20aの操作が、前記操作面20aでのタップ操作またはタッチ操作であるか否かを判断する(ST2)。前記操作面20aでタップ操作またはタッチ操作が行なわれていないと認識された場合には、「NO」で示すように、前記キャッチ処理を行うためのキャッチフラグがONとされたときの時刻情報が更新されるとともに(ST3)、前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理がなされる(ST14)。
【0056】
一方、前記操作面20aでタップ操作またはタッチ操作が行なわれたと認識された場合には、「YES」で示すように、キャッチフラグがONか否かを判断する(ST4)。前記キャッチフラグがONの場合には、「YES」で示すように、キャッチフラグがOFFとされ、左押し釦105のダウン状態を解除し、タイマ関数を停止させる(ST5)。ここで「タイマ関数」とは、所定時間経過時に、自動的に実行開始される処理のためのプログラム言語の関数を意味し、ここでは所定時間経過時に、自動的にキャッチフラグがOFFとされる処理のためのプログラム言語の関数を意味する。
【0057】
一方、前記キャッチフラグがONではなかった場合には、前記操作面20aのうち、前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作を行なった領域に割り当てられている機能が、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理か否かを判断する(ST6)。
【0058】
図2には、前記操作面20aが複数の検出領域に区分された実施形態が示されている。図2に示す実施形態では、前記操作面20aが、検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iの9個の検出領域に区分されている。前記パッド型入力装置20では、前記操作面20aのうち、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iの9個全部に、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理を行なうための機能を割り当てることも可能であり、あるいは、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iのうち、一部の検出領域のみに、前記ジャンプ処理またはキャッチ処理の機能を割り当てることもできる。例えば、図2に示す実施形態では、前記検出領域21i以外の検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21hについてのみ、前記ジャンプ処理用または前記キャッチ処理用の機能が割り当てられている。前記ジャンプ処理またはキャッチ処理の機能が割り当てられた検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21hが本発明の特定領域を構成する。また、例えば、前記操作面20aで、前記検出領域21bに示す部分のみについて、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理の機能を割り当てて特定領域とすることも可能である。
【0059】
このように、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iのうちのどの検出領域に、前記ジャンプ処理用または前記キャッチ処理用の機能を割り当てるか(特定領域とするか)、すなわち前記特定領域の設定位置についての設定は、前記表示部16の表示画面に表示された設定変更用のウィンドウを介して、前記データ処理手段7の設定手段に対して設定可能とされている。
【0060】
また、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iのうち、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理の機能が割り当てられた領域(特定領域)の前記操作面20aにおける広さ(占有面積)も、前記表示部16の表示画面に表示された設定変更用のウィンドウを介して、前記データ処理手段7の設定手段に対して設定可能とされている。例えば、図2に示す前記検出領域21bにのみ前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理の機能を割り当てて特定領域とする場合、前記検出領域21bの広さを、前記表示部16の表示画面に表示された設定変更用のウィンドウを介して、前記データ処理手段7の設定手段に対して設定可能である。
【0061】
前記操作面20aのうち、タップ操作またはタッチ操作が行なわれた前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iに割り当てられている機能が、ジャンプ処理用またはキャッチ処理用ではないと判断された場合(タップ操作またはタッチ操作が行なわれた領域が特定領域ではないと判断された場合)には「NO」で示すように、前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理がなされる(ST14)。
【0062】
一方、前記操作面20aのうち、タップ操作またはタッチ操作が行なわれた領域に割り当てられてられている機能が、前記ジャンプ処理またはキャッチ処理であると判断された場合(タップ操作またはタッチ操作が行なわれた領域が特定領域であると判断された場合)には、前記ジャンプモードまたは前記キャッチモードとされる。
【0063】
図2に示す実施形態の前記パッド型入力装置20では、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iのうち、前記検出領域21i以外の前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21hが特定領域とされていることから、前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21hでタップ操作またはタッチ操作が行なわれた場合に、前記ジャンプモードまたはキャッチモードとされる。
【0064】
前記操作面20aのうち、タップ操作またはタッチ操作が行なわれた領域に割り当てられてられている機能が、前記ジャンプ処理またはキャッチ処理である場合には、前記ジャンプモードまたは前記キャッチモードとされ、「YES」で示すように、前記ポインタ52の前記ジャンプ処理または前記タッチ処理が行なわれるウインドウが、前記ポインタ52の直下、すなわち前記ポインタ52が表示されているウインドウであるか、または最前面ウインドウであるかについての設定情報を読み取る(ST7)。この設定情報は、前記表示部16の表示画面に表示された設定変更用のウィンドウを介して、前記データ処理手段7の設定手段に対して設定可能とされている。
【0065】
また、前記ポインタ52を移動させるべき位置の座標情報を、前記データ処理手段7の設定情報から読み取る(ST7)。前記ポインタ52を移動させるべき位置とは、前記ポインタ52が、前記ウインドウ50の前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2のどの位置に移動させるのかを特定するためのものであり、前記ジャンプモードまたは前記キャッチモードのときに、この座標情報に基づいて前記ポインタ52のジャンプ先が特定される。
【0066】
例えば、前記ジャンプモードまたは前記キャッチモードのときに、前記ポインタ52が、前記ウインドウ50の4隅に形成されたサイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4に移動するのか、または前記ウインドウ50の右側縁部および左側縁部に形成されたサイズ変更領域40b1、40b2に移動するのか、あるいは前記ウインドウ50の上側縁部および下側縁部に形成された前記サイズ変更領域40c1、40c2に移動するのかについての情報となるものである。
【0067】
さらに、前記各サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2の端部や中心部など、各サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2におけるどの位置部分へ前記ポインタ52を移動させるのかについての情報を含むことができる。
【0068】
前記ポインタ52を移動させるべき位置の座標情報は、前記パッド型入力装置20の前記操作面20aに形成された前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21iのうちのどの領域にタップ操作またはタッチ操作がなされたかの検出情報に基づいて、前記ポインタ52が移動すべき位置を変えることができる。例えば図2に示す実施形態のパッド型入力装置20では、前記検出領域21aにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1にジャンプする設定とされており、前記検出領域21bにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a2にジャンプする設定とされており、前記検出領域21cにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a3にジャンプする設定とされており、前記検出領域21dにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a4にジャンプする設定とされている。
【0069】
また、図2に示す実施形態のパッド型入力装置20では、前記検出領域21eにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40b1にジャンプする設定とされており、前記検出領域21fにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40b2にジャンプする設定とされている。
【0070】
さらに、図2に示す実施形態のパッド型入力装置20では、前記検出領域21gにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40c1にジャンプする設定とされており、前記検出領域21hにタップ操作またはタッチ操作がなされたときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40c2にジャンプするように設定されている。
【0071】
このように、複数の前記検出領域21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h毎に前記座標情報が設定されているものとして構成すると、操作面の所定操作位置を選択することによってポインタをジャンプさせる位置を選択することができる。
【0072】
これらの座標位置の設定情報は、前記表示部16の表示画面に表示された設定変更用のウィンドウを介して、前記データ処理手段7の設定手段に対して設定可能とされている。
【0073】
次に、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理が行なわれるウインドウ50が、サイズ変更可能か否かを判断する(ST8)。これは、前記ウインドウ50がサイズ変更できないものである場合には、前記ポインタ52を前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動させても意味がないため、このようなサイズ変更不可能なウインドウ50の4隅または周縁部に前記ポインタ52がジャンプするのを排除するためである。
【0074】
前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理が行なわれるウインドウ50がサイズ変更できないものである場合には、「NO」で示すように、ドライバ40の設定に従った通常の動作処理が行なわれる(ST14)。
【0075】
一方、前記ジャンプ処理または前記キャッチ処理が行なわれるウインドウ50がサイズ変更可能である場合には、「YES」で示すように、ST7で取得した前記ポインタ52を移動させるべき位置の座標情報に基づいて、前記ポインタ52をこの座標位置にジャンプさせる(ST9)。このジャンプは、前記データ処理手段7で生成された、前記ポインタ52を前記座標位置にジャンプさせるための操作処理信号が前記オペレーティングシステム8に出力され、この操作処理信号に基づいて前記オペレーティングシステム8が前記表示部16に表示された前記ポインタ52をジャンプさせることによって行なわれる。この処理によって、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動したとき、前記したように前記ポインタ52が前記サイズ変更ポインタ53へと変化する。
【0076】
次に、前記操作面20aのうち、前記タップ操作または前記タッチ操作が行なわれた領域に割り当てられた機能が、前記ジャンプ処理か前記キャッチ処理かを判断する(ST10)。
【0077】
前記領域に割り当てられた機能がジャンプ処理であった場合には、本発明の前記パッド型入力装置20による目的である前記ジャンプ処理は前記ST6の動作処理で終了しているため、その後の処理は前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理がなされる(ST14)。
【0078】
この場合、使用者は前記ジャンプ処理の後、前記左押し釦105を押し続けた状態のまま、前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に位置している前記サイズ変更ポインタ53を移動させるドラッグ操作などの所定の操作によって、前記ウインドウ50のサイズ変更を行なうことが可能である。
【0079】
このドラッグ操作では、前記したように、例えば前記ウインドウ50の外側に向かって行なうと、指などの操作体の移動に対応して前記ウインドウ50の表示面積を拡大することができ、また前記ウインドウ50の内側に向かってドラッグ操作を行なうと、指などの操作体の移動に対応して前記ウインドウ50の表示面積を縮小することができる。
【0080】
ただし、ウインドウ50のサイズ変更操作は、このようなドラッグ操作に限定されるものではなく、前記データ処理手段7の設定に従った他の処理動作でも行なわれる。
【0081】
一方、前記領域に割り当てられた機能が前記キャッチ処理であった場合には「YES」に示すように、前記キャッチ処理を行なうためのキャッチフラグがONにされ、前記操作面20aのダブルタップや、前記左押し釦105のダウン情報を前記オペレーティングシステム8へ発行する(ST11)。
【0082】
このとき、前記キャッチモードの解除方法として、タイマによる自動解除によるのか、または使用者による操作面20aのタップ操作あるいはタッチ操作、あるいは前記左押し釦105のクリック操作によるのかの解除方法情報を取得する。また、キャッチフラグがONにされた時の時刻情報を保存する(ST11)。
【0083】
ST12では、前記ST8で取得した前記キャッチモードの解除方法が、タイマによる自動解除であるか、あるいは前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作のうちのどれであるかを判断する(ST12)。
【0084】
前記解除方法情報が、タイマによる自動解除であると判断した場合にはタイマ関数をセットしてタイマ関数に基づく動作処理(ST13)を行なった後、その後の処理は前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理がなされる(ST14)。
【0085】
このタイマ関数に基づく動作処理(ST13)では、例えば図6に示すように、タイマによって指定された時間が経過したときにキャッチ処理を自動解除させるという処理や、指定された時間が経過していないときは自動解除されないという処理が挙げられる。この指定時間は、前記ST11および前記ST3で、キャッチフラグがONにされたときの時刻情報に基づいて算出される。
【0086】
タイマによって指定された指定時間が経過したか否かの判断(ST15)の結果、タイマによって指定された指定時間が経過した場合には図6の「YES」で示すように、前記ST11でONにされた前記キャッチフラグがOFFにされ、前記操作面20aのダブルタップや、前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモードへの切り替え操作のダウン情報が解除され、前記キャッチ処理が解除される(ST16)。これらのキャッチフラグがOFFにされ、ドラッグモードへの切り替え操作のダウン情報を解除する操作処理信号は、前記データ処理手段7から前記オペレーティングシステム8に出力される。
【0087】
一方、前記タイマでの指定時間が経過していない場合は図6の「NO」で示すように、前記ST3で取得した時刻情報とタイマ関数が実行された時間に基づいて、再度タイマ関数をセットされる(ST17)。
【0088】
あるいは、前記タイマ関数に基づく動作処理(ST13)では、以下に示す動作処理を含ませても良い。
【0089】
すなわち、タイマによる自動解除の場合であっても、まず前記キャッチモードの解除方法である前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出したか否かの判断処理を行なう。
【0090】
前記判断処理で、前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出した場合には、前記ST8でONにされた前記キャッチフラグがOFFにされ、前記操作面20aのダブルタップや、前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモードへの切り替え操作のダウン情報が解除され、前記キャッチ処理が解除される。
【0091】
また、前記判断処理動作で、前記キャッチモードのときに、前記操作面20aで指などの操作体をスライドさせて前記ウインドウ50の表示面積をサイズ変更した後、前記操作面20aから指などの操作体が離れたことが検出されたときに、前記データ処理部7が、前記キャッチフラグをOFFにする操作処理信号を前記オペレーティングシステム8に出力することによって、前記キャッチ処理が解除されるようにしても良い。
【0092】
このように、前記タイマによる自動解除の場合であっても、前記タイマ関数に基づく動作処理(ST26)に前記キャッチモードの解除方法として、前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出したか否かの判断処理を有すると、前記キャッチ処理の解除をタイマによって自動的に行なうこととした場合、前記タイマの誤動作によって、前記キャッチ処理が解除されなくなってしまうことを防止し、前記キャッチ処理の解除を確実に行なうことができるようにすることができる。
【0093】
一方前記ST12に示す処理動作で、前記解除方法情報が前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントであると判断した場合には、前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理がなされる(ST14)。
【0094】
この場合、前記データ処理部7のドライバソフトウェアの設定に従った通常の動作処理(ST14)では、例えば以下のような動作処理を行なうものとして構成することができる。
【0095】
すなわち、まず前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出したか否かを判断する。
【0096】
前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出した場合には、で示すように、前記ST11でONにされた前記キャッチフラグがOFFにされ、前記操作面20aのダブルタップや、前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモードへの切り替え操作のダウン情報が解除され、前記キャッチモードが解除される。
【0097】
一方、前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出しない場合には、再度前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作または前記左押し釦105のクリック操作の各イベントを検出したか否かを判断し、この判断処理が、前記キャッチモードが終了するまで行なわれる。前記キャッチモードは、前記ST11でONにされた前記キャッチフラグがOFFにされ、前記操作面20aのダブルタップや、前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモードへの切り替え操作のダウン情報が解除された時点で終了することになる。
【0098】
本願発明の入力装置である前記パッド型入力装置20では、前記操作面20aのタップ操作またはタッチ操作(ST2)によって前記ジャンプモードまたは前記キャッチモードの設定が行なわれた(ST6)ときに、前記操作面20aでタップ操作またはタッチ操作を行なうと、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に瞬時にジャンプし、前記ウインドウ50には前記サイズ変更ポインタ53が表示される(ST9)。
【0099】
したがって、前記ウインドウ50の表示面積をサイズ変更する際に、前記ポインタ52を前記ウインドウ50のサイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動させるための操作が、前記パッド型入力装置20の前記操作面20aをタップ操作またはタッチ操作するだけで可能となる。そのため、従来のように、前記ポインタ52を前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動させるために、狭いパッド型入力装置20の前記操作面20aで指をスライドさせなくても、タップ操作またはタッチ操作だけで、前記ポインタ52の移動を容易に行なうことができ、前記ウインドウ50の表示面積のサイズ変更を容易に行なうことが可能となる。
【0100】
特に、パッド型入力装置20はパーソナルコンピュータ100の比較的狭いスペースに形成されるため、前記操作面20aの面積を大きくするには限界があるが、本願発明のパッド型入力装置20では、前記操作面20aをタップ操作またはタッチ操作を行なうだけで(ST2)、前記ポインタ52を前記ウインドウ50の前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動できる(ST9)ため、狭い面積の前記操作面20aであっても、前記ポインタ52の移動を容易にしかも確実に行なうことができる。したがって、前記ウインドウ50の表示面積のサイズ変更を容易にしかも確実に行なうことが可能となる。
【0101】
しかも、前記ポインタ52の移動は、ジャンプ処理(ST9)によって瞬時に行なうことが可能であるため、従来のように前記操作面20aを指でスライド操作する場合に比較してポインタ52の移動を迅速に行なうことができる。したがって、前記ウインドウ50のサイズ変更を迅速に行なうことができる。
【0102】
また、前記パッド型入力装置20が前記キャッチモード(ST11)のときには、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に瞬時にジャンプした(ST9)上で、さらにこの状態で自動的にドラッグモードとされる(ST11)。したがって、前記タップ操作またはタッチ操作(ST2)を行なうことによって、前記ポインタ52が前記サイズ変更領域40a1、40a2、40a3、40a4、または40b1、40b2、または40c1、40c2に移動した(ST9)後に、再度指を前記操作面20aに触れてスライド操作を行なうだけでドラッグ操作が行なわれ、前記ウインドウ50のサイズ変更が可能になる。したがって、ドラッグモードに切り替えるために、前記操作面20aをダブルタップする、あるいは前記左押し釦105を押し続けるなどのドラッグモード切替操作が必要なく、簡単に且つ迅速に前記ウインドウ50のサイズ変更を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の入力装置が搭載されたパーソナルコンピュータを示す斜視図、
【図2】図1に示すパーソナルコンピュータに組み込まれた入力装置を示す部分拡大平面図、
【図3】図2に示す入力装置の回路ブロック図、
【図4】図1に示すパーソナルコンピュータの表示画面に表示されたウインドウの例を示す図、
【図5】図2に示す入力装置を用いた場合のポインタの動作処理を示すフローチャート、
【図6】図5に示すフローチャートの一部をさらに詳しく示すフローチャート、
【符号の説明】
【0104】
1 センサ基板
3 検出手段
4 フォーマット処理部
5 インターフェイス部
6 タップまたはタッチ/スライド成分抽出部
7 データ処理手段
8 オペレーティングシステム
16 表示部
20 パッド型入力装置
20a 操作面
21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h 検出領域
40a1,40a2,40a3,40a4,40b1,40b2,40c1,40c2 サイズ変更領域
50 ウインドウ
51 表示領域
52 ポインタ
53 サイズ変更ポインタ
100 パーソナルコンピュータ
104 右押し釦
105 左押し釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面と、前記操作面に操作体が接触したことを検出し且つ操作体が接触した位置の操作面上での座標を検出する検出手段と、前記検出手段から得られた検出信号に基づいて操作処理信号を出力するデータ処理手段とを有し、
表示画面にサイズ変更が可能なウインドウが表示されている状態で、前記操作面上の予め決められた特定領域で特定の操作が行なわれたことが検出されたときに、前記データ処理手段は、表示画面に表示されているポインタを、前記ウインドウのサイズ変更領域にジャンプさせる操作処理信号を出力することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
データ処理手段は、前記操作面上の予め設定された特定領域で特定の操作が行なわれたことが検出されたときに、ポインタを前記サイズ変更領域にジャンプさせるとともに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力する請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記特定の操作が、前記特定領域に前記操作体を接触させる操作である請求項1または2記載の入力装置。
【請求項4】
データ処理手段は、ポインタが前記サイズ変更領域にジャンプした後に、所定の操作が行われたか否かを検出し、所定の操作の検出の後に、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力する請求項1記載の入力装置。
【請求項5】
データ処理手段は、操作体によって操作面が操作されたことが検出されたときに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力する請求項4記載の入力装置。
【請求項6】
前記所定の操作はタップ操作である請求項5記載の入力装置。
【請求項7】
前記操作面と併設された釦入力装置が設けられており、データ処理手段は、釦入力装置が操作されたことが検出されたときに、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号を出力する請求項4記載の入力装置。
【請求項8】
前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号が出力された後に、操作面上で操作体が移動したことが検出されたときに、データ処理手段は、表示画面に表示されたウインドウのサイズを前記操作体の移動に対応して変化させる操作処理信号を出力する請求項2ないし7のいずれかに記載の入力装置。
【請求項9】
操作体が操作面から離れたことが検出されたときに、データ処理手段は、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力する請求項2ないし8のいずれかに記載の入力装置。
【請求項10】
データ処理手段は、前記サイズ変更領域をキャッチする操作処理信号が出力された後の所定時間を経過したときに、サイズ変更領域のキャッチ処理を解除する操作処理信号を出力する請求項2ないし8のいずれかに記載の入力装置。
【請求項11】
操作面上に前記特定領域を設定するための設定手段が設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の入力装置。
【請求項12】
前記特定領域の設定は、操作面上での設定位置および領域の広さを任意に設定可能である請求項11記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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