説明

入賞装置および遊技機

【課題】規制部材を強制的に回動させることで、入賞規制時に確実に入賞口を閉鎖することができる入賞装置および遊技機を提供する。
【解決手段】
ソレノイド51の可動鉄心52が軸支部材80の端部83を前方へ押圧すると、第一回動軸81を軸に軸支部材80が回動され、端部82が後方へ移動する。第一連結部71において端部82に連結する出退部材60が後方へスライド移動され、第二連結部64において端部92が連結された規制部材90が、端部92の後方への移動に伴い、強制的に、回動される。この回動によって、規制部材90の端部93が上方から前方へ向けて移動し、端部93に設けられた規制板95が入賞口32を確実に閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が入賞可能な入賞口を備えた入賞装置および遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入賞口に設けられ、所定の条件が成立することを契機に入賞口を開放する開閉部材を備える入賞装置が知られている。このような入賞装置を備える遊技機では、開閉部材が入賞口を開放した際に遊技球が入賞することを契機として、特別図柄を可変表示する表示装置における図柄変動が始動される。こうした入賞装置の開閉部材としては、入賞口の左右両側に設けられ、左右に開閉する羽根部材が知られている。羽根部材は、通常時は入賞口の左右において起立した状態にあって遊技球の入賞を規制し、所定の条件が成立すると左右に倒れるように開いて遊技球を受け止め、入賞口へ案内することで、遊技球の入賞を補助する。
【0003】
ところで、遊技盤の盤面に垂直な方向に沿って、開閉部材が入賞口から出退する形態の出退部材(進退ガイド部材)として設けられた入賞装置も知られている(例えば特許文献1参照)。このような出退部材は通常時は入賞口内に退避しており、盤面に沿って流下する遊技球は入賞口の前を素通りする。所定の条件が成立すると、出退部材が入賞口から突出することで遊技球を受け止め、入賞口へ案内することで、遊技球の入賞を補助する。
【0004】
こうした入賞部材には、出退部材が入賞口内に退避している場合に、入賞口の前を流下する遊技球が弾みにより入賞口に入賞することがないように、入賞口にさらに規制部材(回動扉)が設けられる。規制部材は出退部材の出退に合わせ、出退部材が入賞口内に退避する場合には入賞口を塞ぎ、出退部材が入賞口から突出する場合には入賞口を開放する。特許文献1の回動扉は、入賞口を開放する場合には、回動扉に設けられた扉回動凸部が進退ガイド部材の段状をなす両側壁部の上面に当接しながら摺動する。そして、扉回動凸部がその上面に押圧されることにより回動扉が回動し、入賞口を開放する構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−131379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の回動扉は、入賞口を閉鎖する場合には、進退ガイド部材が退避し、回動扉の扉回動凸部と、両側壁部の上面との当接状態が開放されることにより、自重で、回動扉が回動して入賞口を閉鎖する構造を有する。このため、例えば経時劣化により回動扉の回転軸(回動軸部)がスムーズに回動扉を軸支できなくなったり、塵や埃等が回動軸部の軸受け部分に溜まったりすると、回動扉の回動に抵抗を生ずる場合がある。すると、回動扉が自重で閉鎖できなくなり、進退ガイド部材が退避位置にあっても回動扉が入賞口を開放した状態になってしまう虞があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、規制部材を強制的に回動させることで、入賞規制時に確実に入賞口を閉鎖することができる入賞装置および遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、遊技機の遊技盤に取り付けられ、前記遊技盤に沿って流下する遊技球を受け入れる入賞口を備える入賞装置であって、前記遊技盤の表面側に突出する突出位置と、前記遊技盤の背面側へ退避する退避位置と、の間で出退可能に設けられ、前記突出位置にあるときに遊技球を受け止めて前記入賞口へ案内可能な出退部材と、前記遊技盤の背面側に配置され、駆動源から伝達される駆動力によって、前記遊技盤の盤面と直交する方向に出退する駆動部材と、前記遊技盤の盤面に平行な軸である第一軸によって回動可能に支持されて、自身の一方の端部である第一端部が前記駆動部材に連結され、前記第一軸を挟んで前記第一端部とは反対側の端部である第二端部が前記出退部材に連結されると共に、前記駆動部材の出退に連動して回動されて、前記出退部材を前記突出位置と前記退避位置との間で出退させる軸支部材と、前記遊技盤の盤面に平行な軸である第二軸によって回動可能に支持されて、自身の一方の端部である第三端部が前記出退部材に連結され、前記第二軸を挟んで前記第三端部とは反対側の端部である第四端部に板状の規制板を有すると共に、前記出退部材の出退に連動して強制的に回動されて、前記規制板が、前記入賞口を開放する開放位置と、前記入賞口を閉鎖する閉鎖位置との間で移動する規制部材と、を備える入賞装置が提供される。
【0009】
第1態様の入賞装置では、強制的に規制部材を回動させることができるので、たとえ規制部材の回動に負荷や抵抗を生じたとしても、規制部材を回動させることができる。よって、入賞口の開放時には確実に入賞口を開放でき、入賞口の閉鎖時には確実に入賞口を閉鎖することができる。
【0010】
第1態様において、前記出退部材は、遊技球の流下方向を厚み方向とする板状をなす部材であり、前記厚み方向に貫通し、遊技球が通過可能な貫通孔と、自身の出退方向および前記厚み方向に直交する側の側面に設けられ、前記軸支部材の前記第二端部が連結される第一連結部と、前記側面に設けられ、前記規制部材の前記第三端部が連結される第二連結部と、を備えてもよい。この場合に、前記出退部材は、前記入賞口内の下部に配置されて、前記入賞口を介して前記突出位置と前記退避位置との間で出退すると共に、前記入賞口に入賞した遊技球は、前記貫通孔を通過して外部へ排出されてもよい。
【0011】
出退部材の側面に設けた第一連結部と第二連結部とに、外嵌めにより、軸支部材と規制部材とを連結する構成であるので、入賞口に入賞した遊技球が出退部材の貫通孔を介して外部へ排出される過程で、遊技球が、軸支部材や規制部材に接触することがない。つまり、軸支部材や規制部材が遊技球との接触による負荷を受けることがない。よって、軸支部材や規制部材に外部応力による歪みが発生することを抑制できるので、入賞口の開放と閉鎖を長期にわたって確実に行うことができる。
【0012】
第1態様において、前記出退部材の前記第一連結部は、前記軸支部材が回動して前記出退部材を前記突出位置に移動させる場合に、前記第二端部が摺擦しつつ押圧する前側摺接面と、前記出退部材を前記退避位置に移動させる場合に、前記第二端部が摺擦しつつ押圧する後側摺接面と、を備えてもよい。この場合に、前記後側摺擦面には、前記出退部材が前記退避位置にある状態で前記突出位置へ向けて移動する外力を受けた場合に、前記第二端部の移動を制止して、前記軸支部材の回動を禁止する制止部が設けられてもよい。
【0013】
出退部材が前記退避位置から前記突出位置へ移動する外力を受けた場合に、制止部によって第二端部の移動を制止することにより、軸支部材の回動を禁止することができる。これにより、出退部材の移動に負荷がかかり、出退部材が移動できなくなる。よって、不正による出退部材の移動を防止できるので、出退部材に連結された規制部材の回動も防止でき、非開放時に入賞口を確実に閉鎖することができるので、不正による入賞口への遊技球の入賞を防止することができる。
【0014】
第1態様において、前記出退部材の出退方向に分割可能に形成され、前記駆動部材、前記軸支部材、前記出退部材および前記規制部材を収容するハウジングを備えてもよい。この場合に、前記駆動部材、前記軸支部材、前記出退部材および前記規制部材の収容し、さらに前記駆動部材に前記駆動源を接続した状態において、前記ハウジングは、自身の内部と外部とを接続する開口として、前記入賞口の開口と、前記入賞口に入賞した遊技球が排出される排出口の開口とを有し、他の開口は、前記駆動源に塞がれていてもよい。
【0015】
ハウジングには入賞口の開口と排出口の開口があるものの、他の開口は塞がれているので、例えば針金等をハウジング内に挿入することはできない。よって、不正による規制部材の回動を防止し、非開放時には入賞口の閉鎖を確実に行うことができる。
【0016】
本発明の第2態様によれば、請求項1から4のいずれかに記載の入賞装置を備える遊技機が提供される。第1態様の入賞装置を備えることで、入賞口の開放時には確実に入賞口を開放でき、入賞口の閉鎖時には確実に入賞口を閉鎖することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】パチンコ機1の正面図である。
【図2】第二特別図柄始動電動役物15を正面、平面および左側面から見た斜視図である。
【図3】第二特別図柄始動電動役物15を背面、底面および右側面から見た斜視図である。
【図4】第二特別図柄始動電動役物15の分解斜視図である。
【図5】出退部材60が突出位置にあるときの規制部材90および軸支部材80の形態を示す図である。
【図6】出退部材60が退避位置にあるときの規制部材90および軸支部材80の形態を示す図である。
【図7】出退部材60が退避位置にある場合において軸支部材80のロック面79が段部74の斜面と向き合う様子を示す図である。
【図8】軸支部材80が回動し、ロック面79が段部74の斜面と向き合う位置から離れた状態を示す図である。
【図9】軸支部材80の回動によって突起部84に第一前側摺擦面72が押圧されて出退部材60が突出位置にスライド移動した様子を示す図である。
【図10】出退部材60の段部74の斜面がロック面79に当接して軸支部材80の回動が規制され、出退部材60の前方への移動が防止された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る役物装置を備える遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的な構成について、図1を参照して説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、および前後方向については、特に断りがない場合、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(すなわち図1に図示されるパチンコ機1の向き)を基準とする。前後方向は、パチンコ機1の正面側(紙面表面側)を前側とし、背面側(紙面裏面側)を後側とする。また、パチンコ機1に使用される部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、および前後方向を規定するものとする。
【0019】
図1に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下段側には上皿5および下皿6が設けられている。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、発射機(図示外)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。また、ガラス枠13の上部の左右の角には、スピーカ9がそれぞれ設けられている。
【0020】
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示装置28が設けられている。表示装置28の表示画面には、動画、メッセージ等の様々な映像が表示され、特に、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄が表示される。表示装置28の外縁を取り囲むように、各種演出を行う演出装置29が設けられている。演出装置29は、モータ等の動力を用いて装飾体を駆動し、さらにLED等の発光体を発光させることで、表示装置28およびスピーカ9等と連動しながら様々な演出を行う。
【0021】
表示装置28の下方には、第一特別図柄始動入賞口14が設けられている。また、表示装置28の右方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方に、第二特別図柄始動電動役物15が配設されている。第二特別図柄始動電動役物15は入賞口32に前後方向(遊技盤2の表裏方向)に移動可能な出退部材60(図4参照)を備えている。遊技球は、出退部材60が前方(表側)に移動した場合(開放状態)においてのみ、出退部材60に受け止められることによって入賞口32に入賞することができる。なお、第二特別図柄始動電動役物15の詳細については後述する。
【0022】
表示装置28の下方から右斜め下方の位置には、通常アタッカー16とVアタッカー17とを備える役物装置10が設けられている。通常アタッカー16は、役物装置10の左斜め下方に配置され、Vアタッカー17は、通常アタッカー16よりもさらに左斜め下方に配置されている。
【0023】
遊技領域4の右斜め下方には、複数のLEDを備える図柄表示装置8が設けられている。図柄表示装置8は、図示しない、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED等を備える。
【0024】
普通図柄表示部にはLEDが用いられている。普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。普通図柄表示部は、点灯することで普通当たりを表示し、消灯することではずれを表示し、点滅することで普通図柄の変動中であることを示す。
【0025】
第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部には、アルファベット、数字、記号、またはこれらの組合せからなる特別図柄が表示される。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、その判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二特別図柄始動電動役物15の入賞口32へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定結果は第二特別図柄表示部に表示される。
【0026】
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄始動ゲート12を通過し、且つ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一特別図柄始動入賞口14に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二特別図柄始動電動役物15に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
【0027】
次に、図2〜図4を参照し、第二特別図柄始動電動役物15の構造の詳細について説明する。上記したように、第二特別図柄始動電動役物15は、入賞口32が開口された化粧枠31を遊技盤2の盤面上に露出させた状態で、普通図柄始動ゲート12の下方に配設される入賞装置である。図2〜図4に示すように、第二特別図柄始動電動役物15は、パチンコ機1に組み付けられた場合の前後方向において二分される筐体を構成する前筐体30と後筐体40とを有する。
【0028】
筐体の前部側の分割体である前筐体30は、遊技盤2の盤面に露出され、盤面に沿う壁面として形成される化粧枠31を一体に備える箱状の部材である。化粧枠31の背面側に、化粧枠31に開口された入賞口32の周囲を取り囲みつつ後方へ向けて角筒状に延びる周壁35が設けられている。入賞口32は、上下方向に2つの矩形の開口を連結した凸字の形状を有する。上部側の開口である上開口33は、その幅(左右方向の長さ)が遊技球の直径より若干大きく形成されている。下部側の開口である下開口34は、その幅が上開口33よりも幅広に形成されている。
【0029】
また、化粧枠31の前面には、遊技球の入賞口32への入賞を補助する補助枠36が取り付けられる。補助枠36は、入賞口32の前方に配置される板状の部材である。補助枠36は、三本の支柱によって、化粧枠31との間に遊技球が通過可能な間隙を有した状態で、化粧枠31に固定される。補助枠36の三本の支柱のうち二本は入賞口32の上方に配置され、遊技球がその二本の支柱間を通過することで、遊技球の流れが入賞口32へ向かうように矯正される。また、補助枠36と化粧枠31との間隙を遊技球が通過することで、遊技球は、化粧枠31の前面から離れずに入賞口32付近を流下する。なお、遊技者が入賞口32を見ることができるように、補助枠36は半透明な材料により形成されている。
【0030】
筐体の後部側の分割体である後筐体40は、前筐体30の周壁35の後端面に向き合って配置され、前筐体30への組み付け部位として機能する周壁41を有する。周壁41は、下部が開放されたC字状の環をなし、環の開放部分は、第二特別図柄始動電動役物15において、入賞口32に入賞する遊技球を外部に排出する排出口43として機能する。排出口43には、遊技球を検出する球検出スイッチ25が組み付けられる。球検出スイッチ25は、遊技球が排出口43を介して第二特別図柄始動電動役物15の筐体内から外部に排出される場合に、その遊技球を検出する。
【0031】
周壁41の後端側には、周壁41のC字環の開放部分を含む下側部分において、周壁41の後端から後方へ向けて袋状に延びる収容部42が設けられている。収容部42は、内部に後述する出退部材60の後部を出し入れ可能に収容し、内面で、出退部材60が出退する際の出退方向を案内する。また、図4に示すように、周壁41の前端側には、収容部42よりも上方の位置に、後述する規制部材90の第二回動軸91を左右方向に沿わせて支持する第二軸受45が設けられている。さらに、周壁41内で、第二軸受45よりも上方の位置に、後述する軸支部材80の第一回動軸81を、第二回動軸91と略平行な左右方向に沿わせて支持する第一軸受44が設けられている。
【0032】
図2〜図4に示すように、収容部42の上面側には周壁41に固定されるカバー体50が設けられている。収容部42の上面には出退部材60を出退させるための動力源であるソレノイド51が配置される。ソレノイド51は、通電されると電磁力によって可動鉄心52を内部に引き込み、可動鉄心52の先端に設けられた鍔部53を後方へ移動させる。ソレノイド51への通電が停止されると、鍔部53と本体との間に設けられる図示しないバネによって、鍔部53が前方へ移動される。
【0033】
カバー体50は収容部42の上面に係合し、ソレノイド51の周囲を覆う。また、カバー体50は、周壁41に当接した状態でネジ止めされ、周壁41の環の上部側を塞ぐ。ソレノイド51はカバー体50にネジ止めされ、カバー体50とともに後筐体40に固定される。ソレノイド51の駆動部位である可動鉄心52は、カバー体50内で、周壁41の環の上側部分から筐体内に挿入される。
【0034】
このように、後筐体40では、周壁41の後端側の開口が、カバー体50に一体に固定されたソレノイド51と、収容部42とによって閉じられる。言い換えると、第二特別図柄始動電動役物15の筐体は、内部と外部とを接続する開口として、前筐体30の入賞口32の開口と、後筐体40の排出口43の開口とを有する。そして、筐体の内外を接続する他の開口(具体的には周壁41の環の上部側の開口)は、カバー体50に覆われるソレノイド51によって塞がれている。このように、第二特別図柄始動電動役物15は、入賞口32と排出口43以外に外部から筐体内に侵入することができない。よって、例えば針金等を用いた不正を行い、筐体内に収容される筐体内に収容される出退部材60、軸支部材80、規制部材90(図4参照)、およびソレノイド51の可動鉄心52を、外力により動作させることはできない。
【0035】
図4に示すように、第二特別図柄始動電動役物15の筐体内には、出退部材60、規制部材90、および軸支部材80が収容される。出退部材60は、上下方向の厚みが薄く、左右方向よりも前後方向に長く延びる板状をなし、上下方向に貫通する貫通孔61を有する部材である。出退部材60は入賞口32内の下部に配置され、前方側に移動して入賞口32から先端部62(後述)を突出させる「突出位置」(図6参照)と、後方側に移動して先端部62を入賞口32内に退避する「退避位置」(図5参照)との間で出退可能に設けられる。
【0036】
出退部材60の貫通孔61は、上方から見た場合に前後方向に長く延び、左右方向の幅は、遊技球を通過させるのに十分な大きさを有している。出退部材60は、貫通孔61が形成されることによって、前後左右の縁部分を細幅の環状に残した状態に構成される。
【0037】
また、出退部材60の前端側の部位であり、貫通孔61の前端側の部位にかかる部分を含む、先端部62は、その先端部62よりも後端側の部位と比べ、上下方向の厚みが約半分の厚みに形成されている。先端部62は、出退部材60が突出位置(図6参照)にある場合に、前筐体30の入賞口32から外部に突き出される部位であり、先端へ向けて左右方向の長さ(幅)が次第に狭くなる形状を有する。
【0038】
先端部62の左右の中央部分には、後方側へ向け下向きに若干の傾斜を有する板状の球受板63が形成されている。球受板63は貫通孔61に接続しており、出退部材60が突出位置(図6参照)に移動した場合に、球受板63は、入賞口32付近を流下する遊技球を受け止めて入賞口32内に案内し、さらに貫通孔61内に導く。球受板63は、遊技球1つを受け止められる程度の大きさに形成されている。
【0039】
出退部材60の左右両側の外側面には、第一連結部71と第二連結部64とがそれぞれ一対に設けられている。第一連結部71は、後述する軸支部材80との連結を行う部位であり、第二連結部64は、後述する規制部材90との連結を行う部位である。第二連結部64は第一連結部71よりも前側に配置されており、後方側を向く第二前側摺擦面65と、前方側を向く第二後側摺擦面66とが互いに向き合い、上下方向に延びる溝状をなして形成されている。第一連結部71も同様に、後方側を向く第一前側摺擦面72と、前方側を向く第一後側摺擦面73とが互いに向き合い、上下方向に延びる溝状をなして形成されている。また、第一連結部71の第一後側摺擦面73は段状をなして形成されており、上部側における第一前側摺擦面72との間の間隙が、下部側における第一前側摺擦面72との間隙よりも広く構成されている。第一後側摺擦面73の上部側と下部側との間は段部74によって接続されている。
【0040】
次に、軸支部材80は、ソレノイド51の可動鉄心52と、出退部材60の第一連結部71とにそれぞれ連結し、ソレノイド51の駆動力を出退部材60に伝達する部材である。軸支部材80は、前述した後筐体40の第一軸受44に軸支される第一回動軸81を軸に、両端(端部82,83)が前後方向へ互いに逆向きに揺動する。軸支部材80は、第一回動軸81の軸方向と直交する方向へ向けて第一回動軸81から延びる下側アーム87と、同様に、下側アーム87とは反対側へ向けて第一回動軸81から延びる上側アーム88とを有する。下側アーム87、上側アーム88および第一回動軸81は一対に設けられており、一対の上側アーム88の端部83同士を第一回動軸81の軸方向に沿って接続する接続部85が設けられている。
【0041】
また、一対の上側アーム88の端部83には、さらに、接続部85と向き合う突起部86がそれぞれ設けられている。第二特別図柄始動電動役物15の筐体内に軸支部材80とソレノイド51とが組み付けられた際に、可動鉄心52の鍔部53が接続部85と突起部86との間に挟まれるように配置される。下側アーム87の端部82にも、突起部84が設けられている。突起部84は、互いに向き合って配置される一対の下側アーム87の端部82から、それぞれ内向きに突出されている。
【0042】
第二特別図柄始動電動役物15の筐体内に軸支部材80と出退部材60とが組み付けられた際に、突起部84が出退部材60の第一連結部71に係合され、軸支部材80と出退部材60とが連結される。より詳細に、軸支部材80の一対の下側アーム87は、出退部材60を左右外側から挟むように配置され、貫通孔61の内面よりも左右外側に離れている。突起部84は、第一連結部71の第一前側摺擦面72と第一後側摺擦面73との間に配置される。突起部84は、第一前側摺擦面72と第一後側摺擦面73とに対し、摺擦しながら上下に移動できる。また、第一前側摺擦面72と第一後側摺擦面73との間隙は突起部84に対して遊びを有し、突起部84は、若干ながら左右にも移動できる。なお、詳細は後述するが、出退部材60に従動して軸支部材80が回動するのを防止するロック機構を実現するため、突起部84は、第一連結部71の段部74に係り合うように、一部を切り欠いた形状のロック部77(図7参照)を有している。
【0043】
次に、規制部材90は、前述した後筐体40の第二軸受45に軸支される第二回動軸91を軸に、出退部材60の突出位置と退避位置との間における移動に連動し、強制的に、回動される部材である。規制部材90は、回動によって、後述する規制板95に入賞口32の上開口33を閉鎖させる「閉鎖位置」(図5参照)と、規制板95を筐体内に退避させて上開口33を開放させる「開放位置」(図6参照)との間で移動する。
【0044】
規制部材90は、第二回動軸91の軸方向と直交する方向へ向けて第二回動軸91から延びる下側アーム97と、同様に、下側アーム97とは反対側にて第二回動軸91から延びる上側アーム98とを有する。上側アーム98の延びる方向は、下側アーム97の延びる方向に対してずれており、規制部材90を側方から見た場合に、下側アーム97と上側アーム98は第二回動軸91を頂点に、略くの字に屈曲している。
【0045】
また、軸支部材80と同様に、下側アーム97、上側アーム98および第二回動軸91はそれぞれ一対に設けられている。そして、一対の上側アーム98の端部93同士が、上側アーム98の延びる方向に略垂直な面を有する板状の規制板95によって、互いに接続されている。規制板95の面は、入賞口32の上開口33の開口部分とほぼ同じ大きさに形成されている。さらに、一対の下側アーム97の端部92にも、互いに向き合う位置に配置され、それぞれ内向きに突出する突起部94が形成されている。
【0046】
第二特別図柄始動電動役物15の筐体内に規制部材90と出退部材60とが組み付けられた際に、突起部94が出退部材60の第二連結部64に係合され、規制部材90と出退部材60とが連結される。より詳細に、軸支部材80と同様に、規制部材90の一対の下側アーム97は、出退部材60を左右外側から挟むように配置され、それぞれ貫通孔61の内面よりも左右外側に離れている。突起部94は、第二連結部64の第二前側摺擦面65と第二後側摺擦面66との間に配置される。そして同様に、突起部94は、第二前側摺擦面65と第二後側摺擦面66とに対し、摺擦しながら上下に移動できる。また、第二前側摺擦面65と第二後側摺擦面66との間隙も同様に突起部94に対して遊びを有し、突起部94は、若干ながら左右にも移動できる。
【0047】
次に、図5,図6を参照し、第二特別図柄始動電動役物15の動作態様について説明する。第二特別図柄始動電動役物15は、ソレノイド51の駆動によって、軸支部材80、出退部材60、および規制部材90が作動する。
【0048】
第二特別図柄始動電動役物15の入賞口32の開放が行われない場合は、図5に示すように、ソレノイド51の通電が停止され、可動鉄心52の鍔部53がバネ(図示外)に付勢されて、前方へ移動する。軸支部材80は、上側アーム88の端部83に設けられた接続部85が、鍔部53に押圧されて前方へ移動することによって、第一回動軸81を軸に回動し、下側アーム87の端部82が後方へ移動する。出退部材60は、第一連結部71の第一後側摺擦面73が、軸支部材80の下側アーム87の端部82に設けられた突起部84によって押圧されることによって、後方の退避位置へ向けてスライド移動する。出退部材60が退避位置にある場合、出退部材60の先端部62は入賞口32内に配置される。つまり、先端部62は、入賞口32から突出することがなく、入賞口32付近を流下する遊技球の流れを阻害しない。
【0049】
規制部材90は、下側アーム97の端部92に設けられた突起部94が、出退部材60の第二連結部64の第二前側摺擦面65に後方へ押圧されることによって、第二回動軸91を軸に閉鎖位置へ向けて、強制的に、回動される。この回動によって、規制部材90の上側アーム98の端部93が上方から前方へ向けて移動し、端部93に設けられた規制板95が、入賞口32の上開口33を筐体の内部から塞ぐ位置に移動して、入賞口32が閉鎖される。上開口33が規制板95によって塞がれることで、入賞口32の開口が遊技球の径よりも小さくなるため、入賞口32付近を流下する遊技球は、入賞口32に入賞することができない。上記のように、出退部材60が退避位置へ移動する際に規制部材90が強制的に回動されるので、たとえ規制部材90の回動に負荷や抵抗を生じたとしても、規制板95による入賞口32の閉鎖を確実に行うことができる。また、規制板95が閉鎖位置にある場合、規制板95の面は、入賞口32(上開口33)の周囲の面すなわち化粧枠31の前面に対し、ほぼ同じ位置もしくは若干内部側の位置に配置される。つまり、規制板95は、入賞口32から突出することがなく、入賞口32付近を流下する遊技球の流れを阻害しない。
【0050】
一方、第二特別図柄始動電動役物15の入賞口32が開放される場合は、図6に示すように、ソレノイド51が通電され、可動鉄心52が引き込まれて鍔部53が前方へ移動する。軸支部材80は、上側アーム88の端部83の突起部86が鍔部53に押圧されて後方へ移動することによって回動し、下側アーム87の端部82が前方へ移動する。出退部材60は、第一連結部71の第一前側摺擦面72が端部82の突起部84に押圧されることで、前方の突出位置へ向けてスライド移動する。これにより、出退部材60の先端部62が、入賞口32から遊技盤2(図1参照)の盤面側に突出される。
【0051】
規制部材90は、下側アーム97の端部92の突起部94が第二連結部64の第二後側摺擦面66に前方へ押圧されることで、開放位置へ向けて回動される。この回動によって、上側アーム98の端部93が前方から上方へ向けて移動し、規制板95が入賞口32の上開口33から離れて筐体の内部に退避し、入賞口32が開放される。このように、出退部材60が突出位置へ移動する際も同様に規制部材90が強制的に回動されるので、規制板95を上開口33から離れさせ、入賞口32の開放を確実に行うことができる。また、規制板95が筐体内に退避することにより、開放時に、入賞口32付近を流下する遊技球の流れを規制板95が変化させることがない。
【0052】
入賞口32付近を流下する遊技球が、出退部材60の先端部62の球受板63に受け止められた場合には、遊技球は、入賞口32内に案内され、貫通孔61内に導かれる。遊技球は、貫通孔61の内面に沿って貫通孔61を通過し、後筐体40の排出口43へ向かう。ここで、前述したように、出退部材60の第一連結部71および第二連結部64は、左右両側の外側面に設けられている。そして、軸支部材80の一対の下側アーム87、および規制部材90の一対の下側アーム97は、第一連結部71および第二連結部64のそれぞれに対し、外嵌めによって連結されている。
【0053】
したがって、貫通孔61を通過する遊技球は、貫通孔61の内面に接触するものの、軸支部材80の下側アーム87や規制部材90の下側アーム97に接触することがない。言い換えると、軸支部材80や規制部材90が遊技球との接触による負荷を受けることがない。ゆえに、軸支部材80や規制部材90に外部応力による歪みが発生することを抑制できるので、入賞口32の開放と閉鎖を長期にわたって確実に行うことができる。
【0054】
次に、図7〜図10を参照し、出退部材60に従動して軸支部材80が回動してしまうことを規制するためのロック機構について説明する。図7に示すように、出退部材60の第一連結部71に設けられた段部74は、前方へ向けて下方に傾斜する斜面に構成されている。また、段部74を挟んで上部と下部とに分かれる第一後側摺擦面73は、前後方向に直交して前方を向く面として構成されている。出退部材60が退避位置にある場合、軸支部材80の下側アーム87の端部82は、上側アーム88の端部83よりも後方に位置する。前述したように、端部82の突起部84は、一部を切り欠いた形状のロック部77を有する。ロック部77は、段部74の斜面に対して若干の間隙を有して略平行に向き合うロック面79と、段部74より下部側の第一後側摺擦面73に向き合う押圧面78とから構成される。ソレノイド51に従動する軸支部材80の回動によって出退部材60を退避位置に移動させる場合には、ロック部77の押圧面78が第一連結部71の下部側の第一後側摺擦面73を押圧することによって、出退部材60が後方へスライド移動する。
【0055】
ソレノイド51を駆動して出退部材60を突出位置に移動させる場合には、軸支部材80の回動によって、下側アーム87の端部82が前方へ移動する。このとき、図8に示すように、ロック部77のロック面79は、段部74の斜面との間に間隙を有するため、段部74に接触することなく段部74の斜面と向き合う位置から離れることができる。軸支部材80のさらなる回動によって第一前側摺擦面72に当接した突起部84が、図9に示すように、第一前側摺擦面72を前方に押圧することで、出退部材60が前方へ向けてスライド移動する。
【0056】
一方、ソレノイド51が非駆動であるにもかかわらず、出退部材60を退避位置から突出位置へ移動させようとした場合、ロック機構が段部74に係り合って、軸支部材80の回動が防止されることとなる。図10に示すように、出退部材60が前方へ移動すると、下部側の第一後側摺擦面73がロック部77の押圧面78を前方へ押圧し、下側アーム87の端部82が前方へ移動する向きに軸支部材80を回動させる。また、前方へ向けて下方に傾斜する段部74の斜面とロック部77のロック面79とが略平行に向き合うため、出退部材60の前方への移動に伴い、ロック面79と段部74の斜面との間隙が狭くなる。
【0057】
そして、ロック面79と段部74の斜面とが接触した状態において、下側アーム87の端部82は第一回動軸81よりも後方にあるため、軸支部材80がさらに回動するにはロック面79が下方へ移動する必要がある。しかし、段部74がロック面79の下方への移動を阻むため、軸支部材80の回動が禁止される。その結果、さらに出退部材60を前方へ移動させようとしても、回動が禁止された軸支部材80によって負荷がかかり、出退部材60は前方に動くことができなくなる。
【0058】
このように、軸支部材80の突起部84に設けられたロック部77が、出退部材60の前方への移動に従動して軸支部材80が回動することを防止する、ロック機構として機能する。すなわち、出退部材60は、ソレノイド51に従動する軸支部材80の回動によって退避位置から突出位置へ移動することはできるが、外部から応力を受けて退避位置から突出位置へ移動することはできない。例えば、入賞口32から針金等が挿入されて出退部材60が引き出されようとしても、ロック機構が機能することにより、出退部材60が退避位置から移動することはできない。ゆえに、出退部材60に従動する規制部材90が回動することはなく、入賞口32の非開放時には確実に入賞口32を閉鎖することができるので、不正による入賞口32への遊技球の入賞を防止することができる。
【0059】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、軸支部材80や規制部材90のアーム(上側アーム、下側アーム)を左右一対としたが、一方のみであってもよい。この場合も、アームの端部を出退部材60に連結する上で外嵌めを行って、軸支部材80や規制部材90が貫通孔61の内面から離れて配置されればよい。
【0060】
軸支部材80や規制部材90は、軸を挟んで両側に端部を設けたので、従動により駆動される端部(力点)の移動の向きと、作用する端部(作用点)の移動の向きとが逆向きとなったが、一方の端部に軸を設け、力点と作用点における移動の向きを同じ向きとしてもよい。
【0061】
軸支部材80の突起部84に設けたロック部77と出退部材60の第一連結部71に設けた段部74とが係り合うことでロック機構として機能したが、このような、両者の連結部位とは異なる部位に、独立した別部材を用いて機能するロック機構を設けてもよい。
【0062】
なお、本発明においては、第二特別図柄始動電動役物15が「入賞装置」に相当する。ソレノイド51が「駆動源」に相当し、可動鉄心52が「駆動部材」に相当する。第一回動軸81が「第一軸」に相当し、第二回動軸91が「第二軸」に相当する。端部83が「第一端部」に相当し、端部82が「第二端部」に相当する。端部92が「第三端部」に相当し、端部93が「第四端部」に相当する。第一前側摺擦面72が「前側摺擦面」に相当し、第一後側摺擦面73が「後側摺擦面」に相当する。段部74が「制止部」に相当する。前筐体30および後筐体40が「ハウジング」に相当する。
【符号の説明】
【0063】
1 パチンコ機
2 遊技盤
15 第二特別図柄始動電動役物
30 前筐体
32 入賞口
40 後筐体
43 排出口
51 ソレノイド
52 可動鉄心
60 出退部材
61 貫通孔
64 第二連結部
71 第一連結部
72 第一前側摺擦面
73 第一後側摺擦面
74 段部
77 ロック部
80 軸支部材
81 第一回動軸
82,83,92,93 端部
90 規制部材
91 第二回動軸
95 規制板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技盤に取り付けられ、前記遊技盤に沿って流下する遊技球を受け入れる入賞口を備える入賞装置であって、
前記遊技盤の表面側に突出する突出位置と、前記遊技盤の背面側へ退避する退避位置と、の間で出退可能に設けられ、前記突出位置にあるときに遊技球を受け止めて前記入賞口へ案内可能な出退部材と、
前記遊技盤の背面側に配置され、駆動源から伝達される駆動力によって、前記遊技盤の盤面と直交する方向に出退する駆動部材と、
前記遊技盤の盤面に平行な軸である第一軸によって回動可能に支持されて、自身の一方の端部である第一端部が前記駆動部材に連結され、前記第一軸を挟んで前記第一端部とは反対側の端部である第二端部が前記出退部材に連結されると共に、前記駆動部材の出退に連動して回動されて、前記出退部材を前記突出位置と前記退避位置との間で出退させる軸支部材と、
前記遊技盤の盤面に平行な軸である第二軸によって回動可能に支持されて、自身の一方の端部である第三端部が前記出退部材に連結され、前記第二軸を挟んで前記第三端部とは反対側の端部である第四端部に板状の規制板を有すると共に、前記出退部材の出退に連動して強制的に回動されて、前記規制板が、前記入賞口を開放する開放位置と、前記入賞口を閉鎖する閉鎖位置との間で移動する規制部材と、
を備えることを特徴とする入賞装置。
【請求項2】
前記出退部材は、遊技球の流下方向を厚み方向とする板状をなす部材であり、
前記厚み方向に貫通し、遊技球が通過可能な貫通孔と、
自身の出退方向および前記厚み方向に直交する側の側面に設けられ、前記軸支部材の前記第二端部が連結される第一連結部と、
前記側面に設けられ、前記規制部材の前記第三端部が連結される第二連結部と、
を備え、
前記出退部材は、前記入賞口内の下部に配置されて、前記入賞口を介して前記突出位置と前記退避位置との間で出退すると共に、
前記入賞口に入賞した遊技球は、前記貫通孔を通過して外部へ排出されることを特徴とする請求項1に記載の入賞装置。
【請求項3】
前記出退部材の前記第一連結部は、
前記軸支部材が回動して前記出退部材を前記突出位置に移動させる場合に、前記第二端部が摺擦しつつ押圧する前側摺接面と、
前記出退部材を前記退避位置に移動させる場合に、前記第二端部が摺擦しつつ押圧する後側摺接面と、
を備え、
前記後側摺擦面には、前記出退部材が前記退避位置にある状態で前記突出位置へ向けて移動する外力を受けた場合に、前記第二端部の移動を制止して、前記軸支部材の回動を禁止する制止部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の入賞装置。
【請求項4】
前記出退部材の出退方向に分割可能に形成され、前記駆動部材、前記軸支部材、前記出退部材および前記規制部材を収容するハウジングを備え、
前記駆動部材、前記軸支部材、前記出退部材および前記規制部材の収容し、さらに前記駆動部材に前記駆動源を接続した状態において、前記ハウジングは、自身の内部と外部とを接続する開口として、前記入賞口の開口と、前記入賞口に入賞した遊技球が排出される排出口の開口とを有し、他の開口は、前記駆動源に塞がれていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入賞装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の入賞装置を備える遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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