説明

入金受付システムおよび入金受付方法

【課題】店舗に設置されたATMを用いて硬貨の単位までの入金を受け付けることができる入金受付システムおよび入金受付方法を提供する。
【解決手段】この入金受付システムでは、入金予定額と紙幣の入金額とが紙幣入金番号と関連付けられてATM100からサーバ装置200に送信される。また、ATM100は、算出した硬貨入金予定額を紙幣入金番号に関連付けた情報である硬貨入金予定額情報を印刷により出力する。一方、サーバ装置200は、前記硬貨入金予定額情報に対してPOS端末300で入金された硬貨の入金額をPOSサーバ400から受け付ける。そして、サーバ装置200は、ATM100から送信される入金予定額と、ATM100から送信される紙幣の入金額と、POSサーバ300から送信される硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させた入金データテーブルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
店舗に設置される現金自動預預払機を用いて入金を受け付けるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、コンビニエンスストア等の店舗に現金自動預払機(以下、ATMと称する。)が設置されるようになってきている。コンビニエンスストアは24時間営業している所が多く、いたる所にあるので、利用者は自宅や職場に近いコンビニエンスストアに設置されているATMを用いて、いつでも自己の銀行口座への入金や当該銀行口座からの出金を行うことが可能である。
【0003】
また、ATMはコンビニエンスストア等の店舗の売上金を入金する目的でも使われている。売上金の入金は、当該店舗の店長等が売上金用の銀行口座の入金カードをATMに挿入した後、売上金の紙幣をATMの紙幣入金部に入金することにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−031773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンビニエンスストア等の店舗に設置されているATMの近くには、銀行員やATMを修理することができる人員が存在しない。このため、コンビニエンスストア等の店舗に配置されるATMの稼働率をほぼ100%にするためには、ATMを不具合が発生し難い仕様とする必要がある。また、コンビニエンスストア等の店舗ではATMを配置するスペースが限られている。これらの事情や要求に基づき、コンビニエンスストア等の店舗に配置されるATMには硬貨の入金機能が付いていないことが多い。
【0006】
ちなみに、銀行に設置されているATMには硬貨入金機能の付いているものがあるが、そのATMは畳1畳程度の設置面積を要する大きなものである。このように大きくなる理由として、硬貨を収容するため大きなスペースが必要であることや、硬貨を分類するための装置が大がかりであることが挙げられる。
【0007】
また、硬貨を分類する装置等における硬貨の詰まりの発生は、ATMの稼働率を下げる大きな要因の一つである。また、硬貨の詰まりはかなりの頻度で発生するものであり、詰まりを無くすための装置側の改善には高額の費用がかかる。一方、銀行に設置されているATMは利用者から見える部分の裏側に硬貨を分類する装置や硬貨収納部が配置されている。このため、硬貨を分類する装置等で硬貨の詰まりが発生した場合は、利用者から見えない所で銀行員が硬貨の詰まりを解消するための作業を行うことができる。しかしながら、コンビニエンスストア等の店舗では硬貨の詰まりが発生しても対応できる者が近くにいない。
【0008】
さらに、コンビニエンスストアのATMで硬貨を扱うようにする場合、ATMの現金の充填及び回収を行う警備保障会社が硬貨を搬送する必要が生じる。硬貨は非常に重く運搬が大変であるという理由もあって、コンビニエンスストアのATMで硬貨が取り扱われていない。
【0009】
一方、最近では、コンビニエンスストア等の店舗で売上金等のお金を硬貨の単位まで入金したいという要求が出てきている。これは、コンビニエンスストアの各店舗の売上を管轄している会社が各店舗の売上を硬貨の単位までその日のうちに知りたいと考えているからである。しかしながら、コンビニエンスストア等の店舗に設置されたATMには硬貨入金機能が付いていないので、当該店舗の店長は近くの銀行に行って売上金等の入金を行う必要があり、銀行に移動する分だけ手間がかかる。また、銀行の窓口が開いている時間帯は限られており、土日や祝日も営業していないことが殆どであることから、売上金の入金が銀行の営業時間に応じて遅くなる。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、店舗に設置されたATMを用いて硬貨の単位までの入金を受け付けることができる入金受付システムおよび入金受付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この本発明の主要な観点によれば、店舗に配置された現金自動預払機(ATM)と、前記ATMと通信可能である銀行のサーバとを有し、前記銀行の所定の口座への入金を受け付ける入金受付システムであって、前記ATMが、(a)このATMの表示装置に前記所定の口座への入金予定額の入力を要求する画面を表示させ、入力された前記入金予定額をこのATMのメモリに格納する手段と、(b)前記表示装置に紙幣の入金を要求する画面を表示させ、このATMの紙幣入金部に入金される紙幣の入金額を前記メモリに格納する手段と、(c)前記入金予定額と前記紙幣の入金額とを、この紙幣の入金について採番された紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する手段と、(d)前記入金予定額と前記紙幣の入金額との差から硬貨入金予定額を算出し、算出された前記硬貨入金予定額を前記紙幣入金番号と関連付けて硬貨入金予定額情報を作成し出力する手段であって、前記硬貨入金予定額情報は、前記店舗に設置されたPOS端末において行われる前記硬貨入金予定額の入金に用いられるものである、前記手段とを有し、前記銀行のサーバが、(e)前記POS端末に接続されたPOSサーバから送信される硬貨入金情報を受け付けこのサーバが有するサーバ用メモリに格納する手段であって、この硬貨入金情報は、前記紙幣入金番号と関係付けられた情報と、前記硬貨入金予定額情報に対して前記POS端末に入金された硬貨の入金額とを含むものである、前記手段と、(f)入金データテーブルを作成し出力する手段であって、この入金データテーブルは、前記手段(c)により送信される前記入金予定額および前記紙幣の入金額と、前記手段(e)により受け付ける硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させて前記サーバ用メモリに格納するものである、前記手段と、(g)前記手段(c)により送信される前記紙幣の入金額の情報を受け付け、受け付けた前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新すると共に、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座への前記硬貨の入金額の振り込み情報を受け付け、その振り込み情報によって前記口座データを更新する手段とを有することを特徴とする入金受付システムが提供される。
【0012】
このように、ATMは、入金予定額と紙幣の入金額とを紙幣入金番号と関連付けて銀行のサーバに送信する。また、ATMは、算出した硬貨入金予定額を紙幣入金番号に関連付けた情報である硬貨入金予定額情報を出力する。一方、銀行のサーバは、前記硬貨入金予定額情報に対してPOS端末で入金された硬貨の入金額を含む硬貨入金情報をPOSサーバから受け付ける。そして、銀行のサーバは、ATMから送信される入金予定額と、ATMから送信される紙幣の入金額と、POSサーバから送信される硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させてサーバ用メモリに格納して入金データテーブルを作成し、作成した入金データテーブルを出力する。例えば、前記口座の所有者のコンピュータが前記銀行のサーバが提供するネットバンキングに接続した際に、銀行のサーバは、前記入金データテーブルを口座所有者のコンピュータに出力することができる。
【0013】
また、前記銀行のサーバが、ATMから送信される前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新し、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座に前記硬貨の入金額の振り込みがあると、その振り込みに基づいて前記口座データを更新する。
【0014】
これにより、コンビニエンスストア等の店舗に設置されているATMを用いて硬貨の単位まで入金を受け付けることができる。また、口座所有者は入金データテーブルを見ることにより、受け付けられた入金額を硬貨の単位まで知ることができる。例えばコンビニエンスストアの売上金を当該コンビニエンスストアの売上を管轄している会社の口座に前記方法で振り込むと、前記会社では、ネットバンキングに接続して前記入金データテーブルを見ることにより、前記コンビニエンスストアの売上金の入金額を硬貨の単位まで即座に知ることができる。
【0015】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、このシステムはさらに、(h)前記ATMが、前記硬貨入金予定額と前記紙幣入金番号とを前記POSサーバに送信する手段と、(i)前記POS端末が、前記手段(d)で出力される前記硬貨入金予定額情報を受け付けると共に、前記硬貨入金予定額情報に対してこのPOS端末に入金される前記硬貨の入金額を受け付け、受け付けた前記硬貨の入金額を前記硬貨入金予定額情報と関連付けて前記POSサーバに送信する手段と、(j)前記POSサーバが、前記手段(h)で送信されこのPOSサーバで受け付ける前記硬貨入金予定額と、前記手段(i)で送信されこのPOSサーバで受け付ける前記硬貨の入金額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記硬貨入金情報を前記銀行のサーバに送信する手段とを有するものである。
【0016】
また、前記銀行のサーバは口座契約マスタを有し、この口座契約マスタは硬貨による入金を可能にする硬貨入金契約の有無を契約者ごとに格納しているものであり、このシステムは、(k)前記ATMが、そのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を前記銀行のサーバの前記口座契約マスタに照合し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致し、且つ、その契約者データが前記硬貨入金契約を有する者である場合に、前記手段(a)〜(g)を行うことを決定する手段をさらに有するものであることが好ましい。
【0017】
また、このシステムは、前記店舗の売上金を前記所定の口座に入金するためのものであり、前記手段(f)は、前記店舗のコンピュータ又は前記店舗の売上金を管轄する会社のコンピュータから要求があると、前記銀行のサーバが前記入金データテーブルのデータを前記店舗のコンピュータ又は前記会社のコンピュータに送信するものであることが好ましい。
【0018】
また、前記手段(d)は、前記手段(c)の送信の後に、前記POSサーバが前記紙幣入金番号と関連付けて採番し前記ATMに送信する硬貨入金番号を受信する硬貨入金番号受信処理と、前記硬貨入金番号受信処理で受信する硬貨入金番号を含む前記硬貨入金予定額情報を印刷により出力する印刷処理を行うものであることが好ましい。また、前記手段(c)は、前記ATMのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を読み取り前記銀行のサーバに送信するカード情報送信処理と、前記カード情報送信処理の後に、前記銀行のサーバが採番して前記ATMに送信する前記紙幣入金番号を受信する紙幣入金番号受信処理と、前記手段(b)で入金される前記紙幣の入金額と、前記工程(a)で受け付ける前記入金予定額とを、前記紙幣入金番号受信処理で受信する前記紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する送信処理とを行うものであることが好ましい。
【0019】
上記目的を達成するため、この本発明の他の主要な観点によれば、店舗に配置された現金自動預払機(ATM)と、前記ATMと通信可能である銀行のサーバとを用いて、前記銀行の所定の口座への入金を受け付ける入金受付方法であって、前記ATMが、(a)このATMの表示装置に前記所定の口座への入金予定額の入力を要求する画面を表示させ、入力された前記入金予定額をこのATMのメモリに格納する工程と、(b)前記表示装置に紙幣の入金を要求する画面を表示させ、このATMの紙幣入金部に入金される紙幣の入金額を前記メモリに格納する工程と、(c)前記入金予定額と前記紙幣の入金額とを、この紙幣の入金について採番された紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する工程と、(d)前記入金予定額と前記紙幣の入金額との差から硬貨入金予定額を算出し、算出された前記硬貨入金予定額を前記紙幣入金番号と関連付けて硬貨入金予定額情報を作成し出力する工程であって、前記硬貨入金予定額情報は、前記店舗に設置されたPOS端末において行われる前記硬貨入金予定額の入金に用いられるものである、前記工程と、を行い、前記銀行のサーバが、(e)前記POS端末に接続されたPOSサーバから送信される硬貨入金情報を受け付けこのサーバが有するサーバ用メモリに格納する工程であって、この硬貨入金情報は、前記紙幣入金番号と関係付けられた情報と、前記硬貨入金予定額情報に対して前記POS端末に入金された硬貨の入金額とを含むものである、前記工程と、(f)入金データテーブルを作成し出力する工程であって、この入金データテーブルは、前記工程(c)により送信された前記入金予定額および前記紙幣の入金額と、前記工程(e)により受け付けた硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させて前記サーバ用メモリに格納するものである、前記工程と、(g)前記工程(c)により送信された前記紙幣の入金額の情報を受け付け、受け付けた前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新すると共に、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座への前記硬貨の入金額の振り込み情報を受け付け、その振り込み情報によって前記口座データを更新する工程とを行うことを特徴とする入金受付方法が提供される。
【0020】
このように、ATMは、入金予定額と紙幣の入金額とを紙幣入金番号と関連付けて銀行のサーバに送信する。また、ATMは、算出した硬貨入金予定額を紙幣入金番号に関連付けた情報である硬貨入金予定額情報を出力する。一方、銀行のサーバは、前記硬貨入金予定額情報に対してPOS端末で入金された硬貨の入金額を含む硬貨入金情報をPOSサーバから受け付ける。そして、銀行のサーバは、ATMから送信される入金予定額と、ATMから送信される紙幣の入金額と、POSサーバから送信される硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させてサーバ用メモリに格納して入金データテーブルを作成し、作成した入金データテーブルを出力する。例えば、前記口座の所有者のコンピュータが前記銀行のサーバが提供するネットバンキングに接続した際に、銀行のサーバは、前記入金データテーブルを口座所有者のコンピュータに出力することができる。
【0021】
また、前記銀行のサーバが、ATMから送信される前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新し、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座に前記硬貨の入金額の振り込みがあると、その振り込みに基づいて前記口座データを更新する。
【0022】
これにより、コンビニエンスストア等の店舗に設置されているATMを用いて硬貨の単位まで入金を受け付けることができる。また、口座所有者は入金データテーブルを見ることにより、受け付けられた入金額を硬貨の単位まで知ることができる。例えばコンビニエンスストアの売上金を当該コンビニエンスストアの売上を管轄している会社の口座に前記方法で振り込むと、前記会社では、ネットバンキングに接続して前記入金データテーブルを見ることにより、前記コンビニエンスストアの売上金の入金額を硬貨の単位まで即座に知ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、コンビニエンスストア等の店舗に設置されたATMを用いて硬貨の単位まで入金の受け付けが可能になる。
【0024】
なお、この発明の更なる他の特徴と顕著な効果は次の発明を実施するための最良の形態の項に記載された実施形態及び図面を参照することによって当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る入金受付システムの概略構成を示す図
【図2】ATMの概略構成を示す図
【図3】ATMの斜視図
【図4】表示装置の表示画面の例
【図5】サーバ装置の概略構成を示す図
【図6】口座契約マスタの例
【図7】ATM、サーバ装置、POS端末およびPOSサーバにおける処理を示すフローチャート
【図8】表示装置の表示画面の例
【図9】入金予定額データの例
【図10】紙幣入金額データの例
【図11】硬貨入金データの例
【図12】硬貨入金データの例
【図13】入金データテーブルの例
【図14】口座データの例
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る入金受付システムを図面に基づき説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態に係る入金受付システムの概略構成を示す図である。この入金受付システムは、コンビニエンスストア等の店舗Sに設置されているATM100と、当該ATM100に通信回線により接続されている銀行Aのサーバ装置200と、前記店舗Sに設置されているPOS端末300と、ATM100、サーバ装置200、およびPOS端末300と通信回線により接続されているPOSサーバ400とを有する。銀行Aは、ATM100を設置した銀行であっても良く、ATM100を設置した銀行ではないがATM100によって銀行取引を行うことができる銀行であっても良い。なお、周知のファイアウォール、Webサーバなどは図示を省略している。
【0028】
図2は本実施形態のATM100の概略構成を示す図であり、図3はATMの斜視図である。図3に示すように、このATM100はその前面側にインターフェース部IFを有する。また、図2に示すように、このATM100は、CPU110と、RAM120と、液晶ディスプレイ等の表示装置130と、モデムやルーター等の送受信部140と、複数のボタンから成る入力装置151と、利用者が表示装置130上を指で触れることにより入力を受け付ける周知のタッチパネル式入力装置152と、カード挿入部153と、紙幣入金部154と、印刷装置155と、紙幣入金データ格納部160と、プログラム格納部170とを有する。本実施形態では、インターフェース部IFには、表示装置130と、入力装置151と、タッチパネル式入力装置152と、カード挿入部153と、紙幣入金部154と、印刷装置155とが設けられている。
【0029】
入力装置151は、0〜9のテンキー、決定ボタン、取消ボタン、スペースボタン、デリートボタン等を有する。表示装置130は利用者が銀行取引を行う際に利用する画面を表示するものであり、利用者がATM100の前に立つと例えば図4に示すような画面を表示するようになっている。また、利用者が表示装置130上の「お引き出し」や「お預け入れ」の部分に触れると、タッチパネル式入力装置152が「お引き出し」や「お預け入れ」の入力を受け付けるようになっている。カード挿入部153は、金融機関のカード、即ちキャッシュカード、クレジットカード等が挿入されると、挿入されたカードのカード情報を読み取るものである。紙幣入金部154は図示しない蓋部を有し、この蓋部は、例えば図4の画面で「お預け入れ」が選択されると、その預け入れの銀行取引の途中で利用者に紙幣を入金させる際に開く。また、この蓋部が開いている間に利用者が紙幣入金部154内に紙幣を挿入すると、前記蓋部が閉まり、ATM100は紙幣入金部154に挿入された紙幣を収容する。
【0030】
このATM100は、プログラム格納部170に、ATM100にそれぞれ所定の動作を行わせるカード情報受付処理部171、カード情報照会処理部172、入金予定額受付処理部173、紙幣入金処理部174、紙幣入金情報送信処理部175、紙幣入金データ格納処理部176、硬貨入金予定額送信処理部177、硬貨入金番号格納処理部178、および硬貨入金用シート印刷処理部179を有する。これらの機能については、ATM100およびサーバ装置200が行う処理の一例(図7参照)に沿って後述する。
【0031】
図5は本実施形態のサーバ装置200の概略構成を示す図である。このサーバ装置200は、CPU210と、RAM220と、液晶ディスプレイ等の表示装置230と、モデムやルーター等の送受信部240と、口座契約マスタ格納部250と、口座データ格納部260と、入金データ格納部270と、売上入金専用データベース280と、プログラム格納部290と、外部チャンネルハブCHとを有する。口座契約マスタ格納部250と口座データ格納部260は銀行Aの勘定系システムの一部である。口座契約マスタ格納部250は、銀行Aにおける顧客情報(名義、住所、電話番号等の個人情報)を支店コード、口座番号等と対応付けた図6に例示するような口座契約マスタを有する。この口座契約マスタは契約者ごとに硬貨入金契約がされているか否かの情報を格納している。口座データ格納部260は口座番号ごとに口座残高や銀行取引の履歴を格納するものである。
【0032】
このサーバ装置200は、プログラム格納部290に、コンピュータにそれぞれ所定の動作を行わせる口座契約照会処理部291、紙幣入金番号採番処理部292、入金データ格納処理部293、口座データ更新部294、および売上入金専用データベース更新部295を有する。これらの機能については、ATM100およびサーバ装置200が行う処理の一例(図7参照)に沿って以下に説明する。なお、ここでは、店舗Sの店長等である利用者が店舗Sのその日の売上金を銀行Aの口座aに入金する場合について説明する。口座aは店舗Sを管轄している会社の所有する口座である。
【0033】
先ず、利用者が口座aの振込用の銀行カードをATM100のカード挿入部153に挿入すると、ATM100は、カード情報受付処理部171により、カード情報(例えば口座番号やカード番号)を読み取る(ステップS1)。続いて、ATM100は、カード情報照会処理部172により、読み取ったカード情報を銀行Aの口座契約マスタに照会するために、当該カード情報をサーバ装置200に送信する(ステップS2)。
【0034】
前記カード情報を受信したサーバ装置200は、口座契約照会処理部291により、当該カード情報が口座契約マスタ格納部250に格納されている口座契約マスタの契約者データと一致するか否かを判断すると共に、一致した契約者データについて硬貨入金契約がされているか否かを判断する口座契約照会処理を行う(ステップS3)。続いて、ステップS3で前記カード情報が契約者データと一致し且つ当該契約者データについて硬貨入金契約がされている場合、サーバ装置200は、紙幣入金番号採番処理部292により、当該入金取引について一意である紙幣入金番号を採番する紙幣入金番号採番処理を行う(ステップS4)。つまり、この紙幣入金番号は前記カード番号に対しても紐付いた番号となる。そして、サーバ装置200は、口座契約照会処理部291により、前記カード情報が前記契約者データと一致するか否かと硬貨入金契約の有無を示す口座照会結果と紙幣入金番号とをATM100に送信する(ステップS5)。
【0035】
ATM100が前記口座照会結果と紙幣入金番号を受信し、その口座照会結果で前記カード情報が前記契約者データと一致しており且つ硬貨入金契約が有る場合、ATM100は、入金予定額の受付処理を行う(ステップS6)。この処理では、ATM100は、入金予定額受付処理部173により、表示装置130に図8に示すような画面を表示させて利用者に入金予定額の入力を要求し、入力装置151によって入力される入金予定額の入力を受け付ける。また、ATM100は、紙幣入金データ格納処理部176により、受け付けた前記入金予定額と前記カード情報(カード番号等)を前記紙幣入金番号と対応付けた入金予定額データを作成して紙幣入金データ格納部160に格納する。前記入金予定額データは、例えば図9に示すようなものとなる。続いて、ATM100は、紙幣入金情報送信処理部175により、前記入金予定額と前記カード情報を前記紙幣入力番号と対応付けた前記入金予定額データをサーバ装置200に送信する(ステップS7)。
【0036】
また、ATM100は、紙幣入金処理を行う(ステップS8)。この処理では、ATM100は、紙幣入金処理部174により、表示装置130に売上金中の紙幣の入金を要求する画面を表示させると共に、紙幣入金部154の蓋部を開き、紙幣入金部154内に紙幣が挿入されると、前記蓋部を閉じて紙幣を収容する。また、ATM100は、挿入された紙幣の入金額およびその入金額の適否の確認を要求する画面を表示装置130に表示し、利用者が表示装置130の画面上の確認ボタンに触れると、タッチパネル式入力装置152によりその入力を受け付ける。そして、ATM100は、紙幣入金データ格納処理部176により、この紙幣入金処理で入金された紙幣の入金額を前記ステップS6で格納した前記カード情報、前記紙幣入金番号等と対応付けて紙幣入金額データを作成し紙幣入金データ格納部160に格納する。前記紙幣入金額データは、例えば図10に示すようなものとなる。続いて、ATM100は、紙幣入金情報送信処理部175により、前記紙幣の入金額と前記カード情報を前記紙幣入金番号と対応付けた前記紙幣入金額データをサーバ装置200に送信する(ステップS9)。
【0037】
続いて、ATM100は、硬貨入金予定額送信処理部177により、前記入金予定額と前記紙幣の入金額との差から硬貨入金予定額を算出し(ステップS10)、算出された前記硬貨入金予定額および前記紙幣入金番号をサーバ装置200の外部チャンネルハブCHを経由して前記POSサーバ400に送信する(ステップS11)。POSサーバ400は、そのプログラム格納部に硬貨入金番号採番処理部420および硬貨入金情報突合部430を有すると共に、硬貨入金データ格納部440を有する。POSサーバ400は、ATM100から前記硬貨入金予定額および前記紙幣入金番号を受信すると、硬貨入金番号採番処理部420により、前記紙幣入金番号に一意である硬貨入金番号を採番し(ステップS12)、この硬貨入金番号を前記硬貨入金予定額および前記紙幣入金番号と対応付けた硬貨入金データを作成し(図11参照)、作成した硬貨入金データを硬貨入金データ格納部440に格納する(ステップS13)。また、前記硬貨入金番号を前記紙幣入金番号と関連付けてATM100に送信する(ステップS14)。
【0038】
続いて、ATM100は、硬貨入金番号格納処理部178により、前記硬貨入金番号を受信し、受信した硬貨入金番号を前記ステップS6で格納した前記カード情報、前記紙幣入金番号等と対応付けて紙幣入金データ格納部160に格納した後、硬貨入金用シート印刷処理部179および印刷装置155によって硬貨入金用シートを印刷する(ステップS15)。この硬貨入金用シートには、硬貨入金予定額情報として、前記硬貨入金予定額と前記硬貨入金番号が記載されているか、前記硬貨入金予定額と前記硬貨入金番号の情報がバーコード化されて記載されている。なお、前記硬貨入金番号は前記紙幣入金番号と関係付けられた情報であることは言うまでもない。
【0039】
続いて、POS端末300のバーコードリーダで前記硬貨入金用シートのバーコードを読み取る等により、硬貨入金受付処理を行う(ステップS16)。POS端末300は、表示装置320と、0〜9の数字入力ボタン等を有する入力部330と、プログラム格納部に格納された硬貨入金受付部340とを有する。この硬貨入金受付処理では、POS端末300は、硬貨入金受付部340により、バーコードリーダで読み取ったバーコードに含まれている硬貨入金予定額情報を受け付ける。そして、前記表示装置320に前記硬貨入金予定額が表示され、この硬貨入金予定額情報に対してPOS端末300に入金される硬貨の入金額がPOS端末300の入力部330の操作により入力される。そして、POS端末300は、硬貨入金受付部340により、前記入力部330で入力される硬貨の入金額を受け付ける。続いて、POS端末300は、前記硬貨の入金額を前記硬貨入金予定額情報に含まれる硬貨入金番号と共にPOSサーバ400に送信する(ステップS17)。
【0040】
続いて、POSサーバ400は突合処理を行う(ステップS18)。この突合処理では、POSサーバ400は、硬貨入金情報突合部430により、前記POS端末300から送信される前記硬貨の入金額と前記硬貨入金番号とを受信し、前記ステップS13で作成した硬貨入金データに追加する(図12参照)。また、POSサーバ400は、硬貨入金情報突合部430により、前記硬貨入金データ中の前記硬貨入金予定額と前記硬貨の入金額とが一致するか否かを判断し、一致している場合に、前記紙幣入金番号と前記硬貨の入金額とを含む前記硬貨入金データをサーバ装置200に送信する(ステップS19)。ここで、前記ステップS18において、POSサーバ400は、ステップS13で格納した硬貨入金データに対応してPOS端末300から送信される硬貨の入金額の送信を一定期間(例えば24時間)だけ待つ。そして、前記一定期間が経過すると、ステップS13において格納した硬貨入金データをキャンセルし、キャンセルしたことをその硬貨入金データの紙幣入金番号と関連付けてサーバ装置200に送信する。
【0041】
続いて、サーバ装置200は、入金データ格納処理部293により、ATM100から送信された前記入金予定額データおよび記紙幣入金額データと、POSサーバ400から送信された前記硬貨入金データを入金データ格納部270に格納する(ステップS20)。また、サーバ装置200は、売上専用データベース更新部295により、入金データテーブルを作成し売上入金専用データベース280に格納する(ステップS21)。この入金データテーブルは、図13に示すように、ATM100から送信された前記入金予定額データの前記入金予定額と、ATM100から送信された記紙幣入金額データの紙幣の入金額と、POSサーバ400から送信された前記硬貨入金データの硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させて売上専用データベース280に格納するものである。尚、前述のようにPOSサーバ400が硬貨入金データをキャンセルしたことをサーバ装置200が受信すると、サーバ装置200はそのことを前記紙幣入金番号に対応させて売上専用データベース280に格納する。
【0042】
また、サーバ装置200は、ステップS9でATM100から送信される紙幣入金額データを受け付けると、受け付けた前記紙幣の入金額の情報によってサーバ装置200の口座データ格納部260に格納されている口座aのデータを更新する(ステップS22)。口座aのデータは例えば図14に示すようなものである。また、サーバ装置200は、POS端末300の金銭を入金するPOS用銀行口座から口座aへの前記硬貨の入金額の振り込み情報を受け付けると、図14に示すように、その振り込み情報によって口座データ格納部260に格納されている口座aのデータを更新する。
【0043】
そして、店舗Sのコンピュータ又は店舗Sの売上金を管轄する会社のコンピュータから要求があると、サーバ装置200は前記入金データテーブルのデータを店舗Sのコンピュータ又は前記会社のコンピュータに送信する。
【0044】
このように、本実施形態によれば、ATM100は、入金予定額と紙幣の入金額とを紙幣入金番号と関連付けてサーバ装置200に送信する。また、ATM100は、算出した硬貨入金予定額を紙幣入金番号に関連付けた情報である硬貨入金予定額情報を印刷により出力する。一方、サーバ装置200は、前記硬貨入金予定額情報に対してPOS端末300で入金された硬貨の入金額を含む硬貨入金情報をPOSサーバ400から受け付ける。そして、サーバ装置200は、ATM100から送信される入金予定額と、ATM100から送信される紙幣の入金額と、POSサーバ300から送信される硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させてサーバ装置200の入金データ格納部270に格納すると共に、売上専用データベース280に入金データテーブルを作成し、作成した入金データテーブルを出力する。例えば、店舗Sのコンピュータ又は店舗Sの売上金を管轄する会社のコンピュータがサーバ装置200の提供するネットバンキングに接続した際に、サーバ装置200は、前記入金データテーブルを店舗Sのコンピュータ又は前記会社のコンピュータに出力することができる。
【0045】
また、サーバ装置200が、ATM100から送信される前記紙幣の入金額の情報によってサーバ装置200に格納された前記口座aの口座データを更新し、前記POS端末300内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記口座aに前記硬貨の入金額の振り込みがあると、その振り込みに基づいて前記口座aの口座データを更新する。
【0046】
これにより、コンビニエンスストア等の店舗Sに設置されているATM100を用いて硬貨の単位まで入金を受け付けることができる。また、口座aの所有者は入金データテーブルを見ることにより、受け付けられた入金額を硬貨の単位まで知ることができる。例えばコンビニエンスストアの売上金を当該コンビニエンスストアの売上を管轄している会社の口座aに前記方法で振り込むと、前記会社では、ネットバンキングに接続して前記入金データテーブルを見ることにより、前記コンビニエンスストアの売上金の入金額を硬貨の単位まで即座に知ることができる。
【0047】
また、本実施形態では、ATM100が、前記硬貨入金予定額と前記紙幣入金番号とをPOSサーバ400に送信し、POS端末300が、ATM100で印刷により出力される前記硬貨入金予定額情報を受け付けると共に、前記硬貨入金予定額情報に対してこのPOS端末300に入金される前記硬貨の入金額を受け付け、受け付けた前記硬貨の入金額を前記硬貨入金予定額情報と関連付けて前記POSサーバ400に送信する。また、POSサーバ400が、ATM100から送信されPOSサーバ300で受け付ける前記硬貨入金予定額と、POS端末300から送信されPOSサーバ400で受け付ける前記硬貨の入金額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記硬貨入金情報をサーバ装置200に送信する。このように、硬貨入金予定額がATM100から出力されPOS端末300により受け付けられる工程において、ATM100とPOS端末300とを通信回線で接続する必要が無いので、システムの構成が簡略化される。また、POSサーバ400が、ATM100からの硬貨入金予定額とPOS端末300からの硬貨の入金額とが一致するか否か判断し、一致している場合に前記硬貨入金情報をサーバ装置400に送信し、一致しない場合は送信しないので、サーバ装置400における処理の簡素化及び効率化を図る上で有利である。
【0048】
また、本実施形態では、サーバ装置200が口座契約マスタを有し、この口座契約マスタは硬貨による入金を可能にする硬貨入金契約の有無を契約者ごとに格納しているものである。また、このシステムは、ATM100が、カード挿入部153に挿入される口座aの銀行カードのカード情報をサーバ装置200の口座契約マスタに照合し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致し、且つ、その契約者データが前記硬貨入金契約を有する者である場合に、ステップS6以降を行うことを決定している。このように、ATM100で前記カード情報と一致した契約者データが硬貨入金契約を有するものでない場合、ステップS6以降の処理を行う必要が無くなるので、システム全体の負荷を軽減する上で有利である。
【0049】
また、本実施形態では、前記店舗Sの売上金を前記口座aに入金するために行われている。また、前記店舗Sのコンピュータ又は前記店舗Sの売上金を管轄する会社のコンピュータから要求があると、前記サーバ装置200により、前記入金データテーブルのデータが前記店舗Sのコンピュータ又は前記会社のコンピュータに送信される。これにより、前記店舗S又は前記会社では売上金の入金額を硬貨の単位まで即座に知ることができる。
【0050】
また、本実施形態では、ATM100が前記紙幣の入金額を前記紙幣入金番号と関連付けてサーバ装置200に送信した後に、POSサーバ400で前記紙幣入金番号と関連付けて採番された前記硬貨入金番号をATM100が受信し、受信した硬貨入金番号を含む硬貨入金予定額情報をATM100が印刷により出力する。硬貨入金番号は紙幣入金番号と関連付けられているので、ATM100が硬貨入金番号を含む硬貨入金予定額情報を印刷し、その硬貨入金予定額情報がPOS端末300で受け付けられると、POS端末300はPOSサーバ400に硬貨の入金額を紙幣入金番号と関連付けて送信することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、ATM100が、カード挿入部153に挿入される前記口座aの銀行カードのカード情報を読み取りサーバ装置200に送信する処理と、前記処理の後に、サーバ装置200が採番してATM100に送信する前記紙幣入金番号を受信する処理とを行う。また、ATM100に入金される前記紙幣の入金額と、ATM100が受け付ける前記入金予定額とを、前記ATM100が前記紙幣入金番号と関連付けてサーバ装置200に送信する。このように、ATM100における紙幣の入金とPOS端末300における硬貨の入金とを紐付ける役目を有する紙幣入金番号がサーバ装置200で採番されるので、サーバ装置200において上記の入金処理に係る入金を確実に把握することができる。また、このように、ATM100における紙幣の入金とPOS端末300における硬貨の入金とを紐付けるために紙幣入金番号が用いられ、銀行カードからの情報、例えばカード番号をPOS端末300やPOSサーバ400において用いなくても済むので、銀行カードの情報漏洩を防止する上で極めて有利である。
【0052】
尚、本実施形態では、ステップS15でATM100が硬貨入金用シートを印刷するものを示した。これに対し、ステップS15でATM100が表示装置130上に前記バーコードを表示させ、そのバーコードをPOS端末300に付属しているワイヤレスのハンディ端末で読み取るように構成することも可能である。この場合、ATM100における印刷が不要になるので、装置の簡素化や効率化を図る上で極めて有利である。
【0053】
また、ATM100とPOS端末300とを通信回線で接続し、ATM100からPOS端末300に前記硬貨入金予定額と前記硬貨入金番号の情報を送信することも可能である。
【0054】
尚、本実施形態では、ステップS12で硬貨入金番号が採番され、ATM100により出力されPOS端末300により受け付けられる硬貨入金予定額情報に硬貨入金番号を含めると共に、POSサーバ400ではATM100から受信する硬貨入金予定額とPOS端末300から受信する硬貨の入金額とを硬貨入金番号に基づいて突合するようにしている。これに対し、ステップS12で硬貨入金番号を採番せずに、それ以後の各ステップで硬貨入金番号の代わりに紙幣入金番号を用いることも可能であり、この場合でも前述と同様の作用効果を奏する。
【0055】
尚、本実施形態では、ステップS18において、POSサーバ400がPOS端末300からの硬貨の入金額とATM100からの硬貨入金予定額とが一致するか否かを判断し、一致する場合だけ、POS端末300からの硬貨の入金額をサーバ装置300に送信するようにしている。これに対し、前記一致するか否かの判断を行わずに、前記POS端末300からの硬貨の入金額を紙幣入金番号と共に前記硬貨入金データとしてサーバ装置200に送信することも可能である。
【0056】
尚、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0057】
100…ATM、110…CPU、120…RAM、130…表示装置、140…送受信部、151…入力装置、152…タッチパネル入力装置、153…カード挿入部、154…紙幣入金部、155…印刷装置、160…紙幣入金データ格納部、170…プログラム格納部、171…カード情報受付処理部、172…カード情報照会処理部、173…入金予定額受付処理部、174…紙幣入金処理部、175…紙幣入金情報送信処理部、176…紙幣入金データ格納処理部、177…硬貨入金予定額送信処理部、178…硬貨入金番号格納処理部、179…硬貨入金用シート印刷処理部、200…サーバ装置、210…CPU、220…RAM、230…表示装置、240…送受信部、250…口座契約マスタ格納部、260…口座データ格納部、270…入金データ格納部、280…売上入金専用データベース、290…プログラム格納部、291…口座契約照会処理部、292…紙幣入金番号採番処理部、293…入金データ格納処理部、294…口座データ更新部、295…売上専用データベース更新部、300…POS端末、310…送受信部、320…表示装置、330…入力部、340…硬貨入金受付部、400…POSサーバ、410…送受信部、420…硬貨入金番号採番処理部、430…硬貨入金情報突合部、440…硬貨入金データ格納部、S…店舗、IF…インターフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に配置された現金自動預払機(ATM)と、前記ATMと通信可能である銀行のサーバとを有し、前記銀行の所定の口座への入金を受け付ける入金受付システムであって、
前記ATMが、
(a)このATMの表示装置に前記所定の口座への入金予定額の入力を要求する画面を表示させ、入力された前記入金予定額をこのATMのメモリに格納する手段と、
(b)前記表示装置に紙幣の入金を要求する画面を表示させ、このATMの紙幣入金部に入金される紙幣の入金額を前記メモリに格納する手段と、
(c)前記入金予定額と前記紙幣の入金額とを、この紙幣の入金について採番された紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する手段と、
(d)前記入金予定額と前記紙幣の入金額との差から硬貨入金予定額を算出し、算出された前記硬貨入金予定額を前記紙幣入金番号と関連付けて硬貨入金予定額情報を作成し出力する手段であって、前記硬貨入金予定額情報は、前記店舗に設置されたPOS端末において行われる前記硬貨入金予定額の入金に用いられるものである、前記手段と
を有し、
前記銀行のサーバが、
(e)前記POS端末に接続されたPOSサーバから送信される硬貨入金情報を受け付けこのサーバが有するサーバ用メモリに格納する手段であって、この硬貨入金情報は、前記紙幣入金番号と関係付けられた情報と、前記硬貨入金予定額情報に対して前記POS端末に入金された硬貨の入金額とを含むものである、前記手段と、
(f)入金データテーブルを作成し出力する手段であって、この入金データテーブルは、前記手段(c)により送信される前記入金予定額および前記紙幣の入金額と、前記手段(e)により受け付ける硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させて前記サーバ用メモリに格納するものである、前記手段と、
(g)前記手段(c)により送信される前記紙幣の入金額の情報を受け付け、受け付けた前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新すると共に、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座への前記硬貨の入金額の振り込み情報を受け付け、その振り込み情報によって前記口座データを更新する手段と
を有する
ことを特徴とする入金受付システム。
【請求項2】
請求項1記載の入金受付システムにおいて、
このシステムはさらに、
(h)前記ATMが、前記硬貨入金予定額と前記紙幣入金番号とを前記POSサーバに送信する手段と、
(i)前記POS端末が、前記手段(d)で出力される前記硬貨入金予定額情報を受け付けると共に、前記硬貨入金予定額情報に対してこのPOS端末に入金される前記硬貨の入金額を受け付け、受け付けた前記硬貨の入金額を前記硬貨入金予定額情報と関連付けて前記POSサーバに送信する手段と、
(j)前記POSサーバが、前記手段(h)で送信されこのPOSサーバで受け付ける前記硬貨入金予定額と、前記手段(i)で送信されこのPOSサーバで受け付ける前記硬貨の入金額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記硬貨入金情報を前記銀行のサーバに送信する手段と
を有する
ことを特徴とする入金受付システム。
【請求項3】
請求項1記載の入金受付システムにおいて、
前記銀行のサーバは口座契約マスタを有し、この口座契約マスタは硬貨による入金を可能にする硬貨入金契約の有無を契約者ごとに格納しているものであり、
このシステムは、
(k)前記ATMが、そのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を前記銀行のサーバの前記口座契約マスタに照合し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致し、且つ、その契約者データが前記硬貨入金契約を有する者である場合に、前記手段(a)〜(g)を行うことを決定する手段
をさらに有する
ことを特徴とする入金受付システム。
【請求項4】
請求項1記載の入金受付システムにおいて、
このシステムは、前記店舗の売上金を前記所定の口座に入金するためのものであり、
前記手段(f)は、前記店舗のコンピュータ又は前記店舗の売上金を管轄する会社のコンピュータから要求があると、前記銀行のサーバが前記入金データテーブルのデータを前記店舗のコンピュータ又は前記会社のコンピュータに送信するものである
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項5】
請求項1記載の入金受付システムにおいて、
前記手段(d)は、
前記手段(c)の送信の後に、前記POSサーバが前記紙幣入金番号と関連付けて採番し前記ATMに送信する硬貨入金番号を受信する硬貨入金番号受信処理と、
前記硬貨入金番号受信処理で受信する硬貨入金番号を含む前記硬貨入金予定額情報を印刷により出力する印刷処理と
を行うものである
ことを特徴とする入金受付システム。
【請求項6】
請求項1記載の入金受付システムにおいて、
前記手段(c)は、
前記ATMのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を読み取り前記銀行のサーバに送信するカード情報送信処理と、
前記カード情報送信処理の後に、前記銀行のサーバが採番して前記ATMに送信する前記紙幣入金番号を受信する紙幣入金番号受信処理と、
前記手段(b)で入金される前記紙幣の入金額と、前記工程(a)で受け付ける前記入金予定額とを、前記紙幣入金番号受信処理で受信する前記紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する送信処理と
を行うものである
ことを特徴とする入金受付システム。
【請求項7】
店舗に配置された現金自動預払機(ATM)と、前記ATMと通信可能である銀行のサーバとを用いて、前記銀行の所定の口座への入金を受け付ける入金受付方法であって、
前記ATMが、
(a)このATMの表示装置に前記所定の口座への入金予定額の入力を要求する画面を表示させ、入力された前記入金予定額をこのATMのメモリに格納する工程と、
(b)前記表示装置に紙幣の入金を要求する画面を表示させ、このATMの紙幣入金部に入金される紙幣の入金額を前記メモリに格納する工程と、
(c)前記入金予定額と前記紙幣の入金額とを、この紙幣の入金について採番された紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する工程と、
(d)前記入金予定額と前記紙幣の入金額との差から硬貨入金予定額を算出し、算出された前記硬貨入金予定額を前記紙幣入金番号と関連付けて硬貨入金予定額情報を作成し出力する工程であって、前記硬貨入金予定額情報は、前記店舗に設置されたPOS端末において行われる前記硬貨入金予定額の入金に用いられるものである、前記工程と、
を行い、
前記銀行のサーバが、
(e)前記POS端末に接続されたPOSサーバから送信される硬貨入金情報を受け付けこのサーバが有するサーバ用メモリに格納する工程であって、この硬貨入金情報は、前記紙幣入金番号と関係付けられた情報と、前記硬貨入金予定額情報に対して前記POS端末に入金された硬貨の入金額とを含むものである、前記工程と、
(f)入金データテーブルを作成し出力する工程であって、この入金データテーブルは、前記工程(c)により送信された前記入金予定額および前記紙幣の入金額と、前記工程(e)により受け付けた硬貨の入金額とを、前記紙幣入金番号に対応させて前記サーバ用メモリに格納するものである、前記工程と、
(g)前記工程(c)により送信された前記紙幣の入金額の情報を受け付け、受け付けた前記紙幣の入金額の情報によって前記銀行のサーバに格納された前記所定の口座の口座データを更新すると共に、前記POS端末内の金銭を入金するPOS用銀行口座から前記所定の口座への前記硬貨の入金額の振り込み情報を受け付け、その振り込み情報によって前記口座データを更新する工程と
を行う
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項8】
請求項7記載の入金受付方法において、
この方法はさらに、
(h)前記ATMが、前記硬貨入金予定額と前記紙幣入金番号とを前記POSサーバに送信する工程と、
(i)前記POS端末が、前記工程(d)で出力された前記硬貨入金予定額情報を受け付けると共に、前記硬貨入金予定額情報に対してこのPOS端末に入金された前記硬貨の入金額を受け付け、受け付けた前記硬貨の入金額を前記硬貨入金予定額情報と関連付けて前記POSサーバに送信する工程と、
(j)前記POSサーバが、前記工程(h)で送信されこのPOSサーバで受け付けた前記硬貨入金予定額と、前記工程(i)で送信されこのPOSサーバで受け付けた前記硬貨の入金額とが一致しているか否かを判断し、一致している場合に前記硬貨入金情報を前記銀行のサーバに送信する工程と
を有する
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項9】
請求項7記載の入金受付方法において、
前記銀行のサーバは口座契約マスタを有し、この口座契約マスタは硬貨による入金を可能にする硬貨入金契約の有無を契約者ごとに格納しているものであり、
この方法は、
(k)前記ATMが、そのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を前記銀行のサーバの前記口座契約マスタに照会し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致し、且つ、その契約者データが前記硬貨入金契約を有する者である場合に、前記工程(a)〜(g)を行うことを決定する工程
をさらに有する
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項10】
請求項7記載の入金受付方法において、
この方法は、前記店舗の売上金を前記所定の口座に入金するために行われ、
前記工程(f)では、前記店舗のコンピュータ又は前記店舗の売上金を管轄する会社のコンピュータから要求があると、前記銀行のサーバが前記入金データテーブルのデータを前記店舗のコンピュータ又は前記会社のコンピュータに送信する
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項11】
請求項7記載の入金受付方法において、
前記工程(d)では、
前記工程(c)の後に、前記POSサーバが前記紙幣入金番号と関連付けて採番し前記ATMに送信する硬貨入金番号を受信する硬貨入金番号受信処理と、
前記硬貨入金番号受信処理で受信する硬貨入金番号を含む前記硬貨入金予定額情報を印刷により出力する印刷処理と
を行う
ことを特徴とする入金受付方法。
【請求項12】
請求項7記載の入金受付方法において、
前記工程(c)では、
前記ATMのカード挿入部に挿入される前記所定の口座の銀行カードのカード情報を読み取り前記銀行のサーバに送信するカード情報送信処理と、
前記カード情報送信処理の後に、前記銀行のサーバが採番して前記ATMに送信する前記紙幣入金番号を受信する紙幣入金番号受信処理と、
前記工程(b)で入金された前記紙幣の入金額と、前記工程(a)で受け付けた前記入金予定額とを、前記紙幣入金番号受信処理で受信する前記紙幣入金番号と関連付けて前記銀行のサーバに送信する送信処理と
を行う
ことを特徴とする入金受付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−47906(P2013−47906A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186393(P2011−186393)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(397077955)株式会社三井住友銀行 (120)
【Fターム(参考)】