説明

入金機

入金機31の投入部32の直後の搬送路35には簡易鑑別を行うためのセンサ33が設けられている。センサ33は、搬送方向の紙幣の位置、搬送方向と直交する方向の紙幣の幅を検出し、検出結果を制御部36に出力する。制御部36は、紙幣の斜行の度合い、紙幣の幅を計算し、それらの値が基準値を超えているか否かを鑑別する。紙幣の斜行の度合い、あるいは紙幣の幅が基準値を超えているときには、モータを逆転させて搬送路35の搬送方向を通常の搬送方向とは逆の方向に切り換える。これにより、斜行の度合い、あるいは紙幣の幅が基準値を超えるような紙幣を投入部32に戻すことができ、装置内部の搬送路における紙幣のジャムの発生を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、金融機関等で用いられる入金機に関する。
【背景技術】
銀行等で現金を入金するため、あるいは現金を引き出すために入金機や自動預け払い機が用いられている。
図4は、従来の入金機の内部構造を示す図である。投入部12の上部にはシャッタが設けられ、入金ボタンが操作されたとき、そのシャッタが開いて紙幣の入金が可能となる。
入金プール部13は、投入部12から投入され、内部に搬送された紙幣を一時的にプールする。
鑑別部14は、搬送路a1及びb1を経て搬送された紙幣の真偽を鑑別する。鑑別部14で真札と鑑別された紙幣は、搬送路c1を経て一万円札を収納する一万円用スタッカ15または千円札を収納する千円札用スタッカ16に搬送される。
係員カセット17,18は、外部から着脱できるカセットであり、補充用の紙幣が収納される。
取り忘れボックス19は、顧客が忘れた現金を保管するためのものであり、出金された紙幣が一定時間以上投入部12から取り出されない場合に、図示しない制御部が、投入部12にある紙幣を取り忘れボックス219まで搬送させて現金を保管する。
リジェクトボックス20は、鑑別部14において真札と鑑別されたが、汚れ、破損等がひどい紙幣を収納するためのものである。
顧客により投入部12に投入される紙幣は不揃いの状態であることが多く、また、その入金機では処理できない紙幣が投入されることもあり、それにより、搬送路の途中でジャムが発生することがある。装置内部の搬送路でジャムが発生すると、修理に時間がかかるという問題があった。
【発明の開示】
この発明の目的は、入金機において、搬送途中の紙幣のジャムの発生を抑えることである。
本発明の入金機は、顧客が紙幣を投入する投入部と、前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部と、紙幣の真偽を鑑別する鑑別部とを備える。
この発明によれば、紙幣の斜行、紙幣の幅等を簡易鑑別し、斜行の度合い、あるいは幅が基準値を超えるような紙幣を投入部に戻すことで、後段の搬送路における紙幣のジャムの発生を少なくできる。また、紙幣の斜行または紙幣の幅等の簡易鑑別を、紙幣の真偽の鑑別を行う鑑別部と別に、投入部の直後の搬送路上で行うようにしたので、鑑別部が設けられている搬送路において、ジャムが発生する可能性を少なくできる。、
本発明の他の入金機は、顧客が紙幣を投入する投入部と、前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する第1の搬送機構と、前記第1の搬送機構の後段に設けられる第2の搬送機構と、前記第1の搬送機構内部に設けられ、搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、前記第2の搬送機構内部に設けられる紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記第1の搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部とを備える。
この発明によれば、紙幣の斜行、紙幣の幅等を簡易鑑別し、斜行の度合い、あるいは幅が基準値を超えるような紙幣を投入部に戻すことで、後段の搬送路における紙幣のジャムの発生を少なくできる。また、紙幣の斜行または紙幣の幅等の簡易鑑別を、紙幣の真偽の鑑別を行う鑑別部と別に、投入部の直後の搬送路上で行うようにしたので、鑑別部が設けられている搬送路において、ジャムが発生する可能性を少なくできる。
本発明の他の入金機は、顧客が紙幣を投入する投入部と、前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する第1の搬送機構と、前記第1の搬送機構の後段に設けられる第2の搬送機構と、前記第1の搬送機構内部に設けられ、搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、前記第2の搬送機構内部に設けられる紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、第1及び第2の搬送機構を駆動するモータと、前記モータの回転力を前記第2の搬送機構に伝達する一方向性の回転伝達特性を有する第1の回転力伝達部と、前記モータの回転力を前記第2の搬送機構に伝達する、前記第1の回転力伝達部と逆の一方向性の回転伝達特性を有する第2の回転力伝達部と、前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記第1の搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部とを備える。
この発明によれば、紙幣の斜行、紙幣の幅等を簡易鑑別し、斜行の度合い、あるいは幅が基準値を超えるような紙幣を投入部に戻すことで、後段の搬送路における紙幣のジャムの発生を少なくできる。さらに、互いに反対の回転伝達特性を有する回転力伝達部を使用することで、第1の搬送路の搬送方向を切り換え変えるためにモータを逆転させたときに、第2の搬送機構の搬送方向を通常の搬送方向と同じ方向にできる。これにより、第1及び第2の搬送機構を駆動するモータを共通にできる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態の入金機の搬送路の説明図である。
図2(A)、(B)は、搬送機構を示す図である。
図3は、搬送路を模式的に示す図である。
図4は、従来の入金機の内部構造を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の入金機31の搬送路の説明図である。なお、入金機には自動預け払い機も含む。
この入金機31の基本的構成は、図4に示した従来の入金機と同様である。図4と異なる点は、投入部32の直後の搬送路35上に簡易鑑別を行うためのセンサ33を設けると共に、投入部32の直後の搬送路35の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換えられるようにした点である。
投入部32に投入された紙幣は、1枚づく繰り出され、搬送路35上を図1の左方向に搬送される。搬送路35の途中には簡易鑑別のためのセンサ33が設けられている。
センサ33は、光センサなどで構成され、搬送方向の紙幣の位置、搬送方向と直交する方向の紙幣の幅を検出し、検出結果を制御部36に出力する、制御部36は、検出された紙幣の位置と幅から斜行の度合い及び紙幣の幅を算出し、それらの値が基準値を超えているか否かを鑑別する。これらセンサ33と制御部36とで簡易鑑別部を構成している。
制御部36により紙幣の斜行の度合い、あるいは紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別された場合には、搬送路35の搬送方向が通常と逆の方向となるように切り換えられ紙幣が投入部32に戻される。顧客は、投入部32に戻された紙幣を揃え、あるいは処理対象外であることが通知された場合にはその紙幣を取り除く。これにより、装置内部の搬送路におけるジャムを未然に防止できる。
搬送路37の途中には、鑑別部34が設けられている。鑑別部34は、紙幣の真偽の鑑別等を行う。
この鑑別部34で真札と鑑別された紙幣は、千円札を収納するスタッカ38、五千円札を収納するスタッカ39及び一万円札を収納するスタッカ40の中の該当するスタッカに搬送され収納される。
この実施の形態では、投入部32の直後の搬送路35に設けた簡易鑑別部で斜行量の多い紙幣や基準より幅の広い紙幣を鑑別し、該当する紙幣を投入部32に戻すようにしたので、後段の搬送路37の鑑別部34においてジャムが発生するのを防止できる。
次に、図2(A)、(B)は、搬送路35及び37の搬送機構51の構造を示す図である。
モータ52の軸53にはプーリ54がネジにより固定されている。そして、プーリ54はベルト55によりプーリ56と連結されている。
プーリ56は軸57にネジ等により固定されており、軸57は、フレーム58に回転可能に支持されている。このフレーム58には、後述する搬送路ローラ65a〜65cが固定される軸64,搬送ローラ75a〜75cが固定される軸74等が回転可能に取付られている。
軸57には、プーリ59,60,61がネジ等により固定されている。プーリ61は、ベルト62によりプーリ63と連結されており、プーリ63は軸64の右端部(図2(A)の正面から見て)にネジ等により固定されている。
軸64には、3個の搬送ローラ65a〜65cが固定されている。この3個の搬送ローラ65a〜65cは、図1の搬送路35の搬送ローラである。搬送ローラ65a〜65cの中央部には、後述する搬送ベルトがかけられる溝が設けられている。
今、モータ52が正転(図2の右方向から見て時計方向の回転を正転とする)しているときは、プーリ56,61,63も、図2の右方向から見て時計方向(以下、この方向を単に時計方向という)に回転し、搬送ローラ65a〜65cも時計方向に回転する。この場合、紙幣は、図2(A)の下方向から上方向、つまり通常の搬送方向に搬送される。
他方、モータ52が逆転(図2の右方向から見て反時計方の回転を逆転とする)しているときには、プーリ56,61,63も、図2の右方向から見て反時計方向(以下、この方向を単に反時計方向という)に回転し、搬送ローラ65a〜65cも反時計方向に回転する。この場合、紙幣は、図2の上方向から下方向、つまり通常の搬送方向とは逆の方向に搬送され、紙幣は投入部32に戻される。
すなわち、制御部36により紙幣の斜行の度合い、あるいは紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別された場合には、モータ52の回転を逆転させることにより紙幣を投入部32に戻し、顧客に紙幣を入れ直してもらうことで装置内部の搬送路におけるジャムを防止することができる。
プーリ59はベルト66によりワンウェイプーリ67と連結されている。また、プーリ60はベルト68によりワンウェイプーリ69と連結されている。
ここで、ワンウェイプーリ67,69とは、ある方向の回転に対してはロックされた状態となって回転力を軸に伝達し、それとは逆の方向の回転に対してはフリーな状態となって回転力を軸に伝達しないような一方向性の回転力の伝達特性を有するプーリである。これらワンウェイプーリ67及び69が、第1及び第2の回転力伝達部に対応する。
一方のワンウェイプーリ67は、軸70に取付られており、その軸70の右端部にはプーリ71がネジ等により固定されている。このプーリ71は、ベルト72によりプーリ73と連結されている。プーリ73は、軸74にネジ等により固定されており、その軸74には紙幣を搬送するための3個の搬送ローラ75a〜75cが固定されている。この3個の搬送ローラ75a〜75cは、図1の搬送路37の搬送ローラである。
他方のワンウェイプーリ69は、軸76に取付られており、その軸76にはギヤ77が固定されている。ギヤ77は、軸70に固定されたギヤ78と係合しており、ギヤ77の回転がギヤ78に伝達される。
ワンウェイプーリ67とワンウェイプーリ69とは、互いに逆方向の回転伝達特性を有しており、例えば、ワンウェイプーリ67がロック状態となる方向の回転に対しては、ワンウェイプーリ69はフリーな状態となり、ワンウェイプーリ69に加わる回転は軸76には伝達されない。これとは逆に、ワンウェイプーリ69がロック状態となる方向の回転に対しては、ワンウェイプーリ67はフリーな状態となり、ワンウェイプーリ67に加わる回転力は軸70には伝達されない。
今、モータ52が正転(図2の右方向から見て時計方向の回転)しているときには、プーリ59,60も時計方向に回転する。ワンウェイプーリ67は、時計方向の回転に対してはロックされ、反時計方向の回転に対してはフリーな状態となるので、時計方向の回転が軸70に伝達され、軸70に固定されているプーリ71も時計方向に回転する。その回転がベルト72を介してプーリ73に伝達され、搬送ローラ75a〜75cが時計方向に回転する。これにより紙幣が、図2(A)の下方向から上方向に搬送される。
モータ52が逆転(図2の右方向から見て反時計方向の回転)しているときには、プーリ59,60も反時計方向に回転する。ワンウェイプーリ69は、反時計方向の回転に対してはロックされ、時計方向の回転に対してはフリーな状態となる回転伝達特性を有しているので、反時計方向の回転が軸76に伝達され、軸76に固定されているギヤ77が反時計方向に回転する。そのギヤ77の回転はギヤ78に伝達される。
図2(B)は、ギヤ77とギヤ78の回転方向を模式的に示したものであり、同図に矢印で示すように、ギヤ77が反時計方向に回転すると、ギヤ78が時計方向に回転する。
ギヤ78が時計方向に回転すると、上述したモータ52が正転する場合と同様に、プーリ71が時計方向に回転し、その回転がベルト72によりプーリ73に伝達され、搬送ローラ75a〜75cが時計方向に回転する。これにより紙幣が、図2(A)の下方向から上方向に搬送される。
すなわち、モータ52が正転した場合でも、逆転した場合でも、搬送路37の搬送ローラ75a〜75cは常に時計方向に回転し、紙幣を図2(A)の下方向から上方向に搬送することができる。
次に、図3(A)〜(C)は、搬送路を模式的に示す図であり、図3(A)は投入部32に紙幣が投入されるときの状態を示し、図3(B)は紙幣を繰り出すときの状態を示し、図3(C)は紙幣を投入部32に戻すときの状態を示している。
図3(B)に示すように、搬送路35には、3個の搬送ローラ65a〜65c(以下、これらをまとめて搬送ローラ65という)と搬送ローラ84が上下に対向した状態で配置されている。また、搬送路ローラ85と搬送ローラ86が上下に対向した状態で配置されている。
下側の搬送ローラ65と搬送ローラ85並びに上側の搬送ローラ84と搬送ローラ86は、それぞれ搬送ベルト87により連結されており、その搬送ベルト87の間に挟まれた状態で紙幣が搬送される。
搬送路37には、搬送路ローラ75a〜75c(以下、これらをまとめて搬送ローラ75という)と搬送ローラ88が上下に対向した状態で配置され、搬送ローラ89と搬送ローラ90が上下に対向した状態で配置されている。
下側の搬送ローラ75と搬送ローラ89並びに上側の搬送ローラ88と搬送ローラ90は、それぞれ搬送ベルト91により連結されており、搬送ベルト91の間に挟まれた状態で紙幣が搬送される。
搬送路35上の紙幣がセンサ33及び制御部36により正常な紙幣と鑑別された場合には、前述したようにモータ52が正転し、搬送ローラ65が反時計方向に回転するので、紙幣は搬送路35上を図3(B)に矢印aで示す方向(図3の正面から見て左方向)に搬送される。
なお、図3は、搬送路を図2(A)の左側(モータ52側から)から見た場合の断面を示しており、搬送ローラ65及び75の回転方向は、図2で説明した場合の反対になっている。つまり、図2の時計方向が、図3における反時計方向となる。以下、図3の方向を基準にして説明する。
このとき、搬送路37の搬送路ローラ75は反時計方向に回転するので、搬送路35から送り出された紙幣は、搬送路37を図3(B)に矢印bで示す方向(図3(B)の左方向)に搬送される。
他方、センサ33及び制御部36により紙幣の幅、あるいは斜行の度合いが基準値を超えていると鑑別された場合には、モータ52が逆転し、搬送ローラ65が時計方向に回転し、搬送路35の搬送方向が通常の方向と逆の方向に切り換えられる。その結果、搬送ベルト87に挟まれている紙幣は、図3(C)の右方向に搬送される。
このとき、繰り出しローラ83も通常とは逆の方向に回転し、さらに繰り出し部82も通常とは逆の方向に回転して紙幣が投入部32に戻される。同時に顧客に対して、投入した紙幣が簡易鑑別部でNGとなったことが通知されるので、顧客が紙幣を揃えて入れ直す、あるいは不適切な紙幣を取り除くことで、装置内部の搬送路でジャムが発生するのを防止できる。
前述したようにモータ52が逆転する場合も、搬送路37の搬送路ローラ75は同じ反時計方向に回転するので、搬送路37にある紙幣は、通常と同じ方向、つまり図3(C)に矢印bで示す方向に搬送される。
上述した実施の形態は、センサ33と制御部36とからなる簡易鑑別部により搬送路35上の紙幣の斜行の度合い、紙幣の幅(搬送方向と直交する方向の長さ)が基準値を超えているか否かを鑑別し、基準値を超えているときには、搬送路35の搬送方向を通常の搬送方向と逆の方向に切り換え、紙幣を投入部32に戻し、顧客に紙幣を入れ直す、あるいは不適切な紙幣を取り除いてもらうことで、装置内部の搬送路でのジャムの発生を減らすことができる。また、ワンウェイプーリを用いることで、1個のモータで搬送路35の搬送機構と搬送路37の搬送機構を駆動することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、以下のように構成しても良い。
(1)実施の形態は、1個のモータで搬送ローラ65a〜65cと搬送ローラ75a〜75cを駆動する場合について説明したが、それぞれ別のモータで駆動しても良い。その場合、搬送路35と後段の搬送路37の搬送方向を独立に制御できるのでワンウェイプーリを使用する必要はなくなる。
(2)モータを正転、あるいは逆転させたとき、搬送路37の搬送ローラ75a〜75cを同一方向に回転させる機構は、ワンウェイプーリを使用するもに限らず、ソレノイド等により駆動機構を切り換えるようにしても良い。
(3)紙幣の繰り出し機構、搬送機構は、実施の形態に述べたものに限らず、公知の他の機構を用いても良い。
【発明の効果】
本発明によれば、紙幣の斜行、紙幣の横幅等を簡易鑑別し、斜行の度合い、あるいは紙幣の幅が基準値を超えている紙幣を投入部に戻すことで、装置内部の搬送路における紙幣のジャムの発生を少なくできる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が紙幣を投入する投入部と、
前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、
前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部と、
紙幣の真偽を鑑別する鑑別部とを備える入金機。
【請求項2】
顧客が紙幣を投入する投入部と、
前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する第1の搬送機構と、
前記第1の搬送機構の後段に設けられる第2の搬送機構と、
前記第1の搬送機構内部に設けられ、搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、
前記第2の搬送機構内部に設けられる紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、
前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記第1の搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部とを備える入金機。
【請求項3】
顧客が紙幣を投入する投入部と、
前記投入部に投入された紙幣を内部に搬送する第1の搬送機構と、
前記第1の搬送機構の後段に設けられる第2の搬送機構と、
前記第1の搬送機構内部に設けられ、搬送される紙幣の斜行の度合い、または搬送方向と直交する方向の該紙幣の幅が基準値を超えているか否かを鑑別する簡易鑑別部と、
前記第2の搬送機構内部に設けられる紙幣の真偽を鑑別する鑑別部と、
前記第1及び第2の搬送機構を駆動するモータと、
前記モータの回転力を前記第2の搬送機構に伝達する一方向性の回転伝達特性を有する第1の回転力伝達部と、
前記モータの回転力を前記第2の搬送機構に伝達する、前記第1の回転力伝達部と逆の一方向性の回転伝達特性を有する第2の回転力伝達部と、
前記簡易鑑別部により斜行の度合い、または紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときに、前記モータを逆転させ、前記第1の搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換える制御を行う制御部とを備える入金機。
【請求項4】
前記投入部に投入された紙幣を前記搬送路または前記第1の搬送路に繰り出すと共に、前記制御部により前記搬送路または前記第1の搬送路を通常と逆の方向に搬送された紙幣を投入部内部に送り込む繰り出し部を有する請求項1,2または3記載の入金機。
【請求項5】
前記第1の回転力伝達部は、第1の方向の回転に対してはロックされた状態となって回転力を前記第2の搬送機構に伝達し、第2の方向の回転に対してはフリーな状態となって回転力を伝達しない一方向性の回転伝達特性を有し、
前記第2の回転力伝達部は、前記第1の方向の回転に対してはフリーな状態となって前記第2の搬送機構に対して回転力を伝達せず、前記第2の方向の回転に対してはロックされた状態となって回転力を伝達する一方向性の回転伝達特性を有する請求項3記載の入金機。
【請求項6】
前記制御部は、前記簡易鑑別部により搬送中の紙幣の斜行の度合い及び紙幣の幅が基準値以下と鑑別されたとき、前記モータを前記第1の方向に回転させ、該第一の方向の回転に対してロック状態となる前記第1の回転力伝達部を介して回転力を前記第2の搬送機構に伝達し、前記簡易鑑別部により前記紙幣の斜行の度合いまたは紙幣の幅が基準値を超えていると鑑別されたときには、前記モータを前記第2の方向に回転させて、前記第1の搬送機構の搬送方向を通常とは逆の方向に切り換えると共に、該第2の方向の回転に対してロック状態となる前記第2の回転力伝達部を介して回転力を前記第2の搬送機構に伝達し、前記紙幣を通常の搬送方向に搬送させる請求項5記載の入金機。

【国際公開番号】WO2004/023406
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【発行日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534050(P2004−534050)
【国際出願番号】PCT/JP2002/008818
【国際出願日】平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】