全方向性傾斜および振動センサ
【課題】
全方向性傾斜および振動センサと、その構成方法とを提供する。
【解決手段】
センサは、第1の導電素子と、第2の導電素子と、第1の導電素子および第2の導電素子に接続された電気絶縁素子とを含む。センサは、第1の導電素子の少なくとも1つの面と、電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成されたセンサの空洞内に配置された複数の導電性錘体をさらに含む。
全方向性傾斜および振動センサと、その構成方法とを提供する。
【解決手段】
センサは、第1の導電素子と、第2の導電素子と、第1の導電素子および第2の導電素子に接続された電気絶縁素子とを含む。センサは、第1の導電素子の少なくとも1つの面と、電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成されたセンサの空洞内に配置された複数の導電性錘体をさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年1月13日に出願された同時係属中の継続出願である米国特許出願第xx/xxx,xxx号、名称「全方向性傾斜および振動センサ」に対する優先権を主張するPCT特許出願であり、その全開示内容を引用により本願明細書に導入するものとする。本発明は、2005年1月18日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/037,497号、名称「全方向性傾斜および振動センサ」に対する優先権をさらに主張し、その全開示内容を引用により本願明細書に導入するものとする。
【0002】
本発明は、全般的にはセンサに関し、特に全方向性傾斜および振動センサに関する。
【背景技術】
【0003】
現在ではさまざまな電気傾斜および振動スイッチが利用可能であり、当業者には公知である。一般に、傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角に応じて電気回路をONおよびOFFに切り換えるために使用される。このようなタイプの傾斜スイッチは、一般に、自由に移動する導電素子がスイッチ内に配置されており、この導電素子が特定の位置に移動すると、この導電素子が2つの端子に接触して導電経路が完成する。この種の傾斜スイッチの一例は、水銀スイッチである。残念ながら、水銀の使用は環境問題を引き起こしうることが実証されているので、水銀の使用は規制され、スイッチなどの水銀含有製品のコストは上昇しうる。
【0004】
水銀スイッチに代わる新しいスイッチは、密閉区域内で自由に移動可能な導電素子を使用する。一般に使用されている導電素子は、単一の金属ボールである。単一の金属ボールを有する傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角に応じて、ONおよびOFFの切り換えを行うことができる。特定の傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角が所定の角度を超えるまでは閉位置(ON)から開位置(OFF)への単一の金属ボールの移動を阻止する畝、隆起、または溝をさらに含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
傾斜スイッチの傾斜角を超える必要がある傾斜スイッチの一例は、1992年8月4日にBlairに対して発行された米国特許第5,136,157号(以降、‘157特許)によって提供されている。‘157特許は、1つの金属ボールと、1つの非導電素子によって隔てられた2つの導電末端部とを有する傾斜スイッチを開示している。2つの導電末端部はそれぞれ2つの支持縁部を有する。第1の導電末端部の第1の支持縁部と第2の導電末端部の第1の支持縁部との間に金属ボールが支持されると、第1の導電末端部と第2の導電末端部との間で電気の伝達が維持される。第1の導電末端部と第2の導電末端部との間で電気の伝達が維持されると、傾斜スイッチが閉位置(ON)に維持される。傾斜スイッチを開位置(OFF)に切り換えるには、金属ボールを移動させ、金属ボールが第1の導電末端部および第2の導電末端部のどちらにも接続されないようにする必要がある。したがって、傾斜スイッチを開位置(OFF)に切り換えるには、所定の傾斜角を超えるまで‘157特許の傾斜スイッチを傾斜させて金属ボールを第1および第2の導電末端部の間の位置から移動させる必要がある。残念ながら、傾斜スイッチは、傾斜角にかかわらず、微小の動きの検出には通常役に立たない。
【0006】
振動スイッチに言及すると、一般に振動スイッチは多数の構成要素を有する。これらの構成要素は、第1の導電末端部と第2の導電末端部との間に電気を伝達させる位置に少なくとも1つの導電素子を維持するために使用される。多数の構成要素を有する振動スイッチの一例が、2004年3月16日にChouに対して発行された米国特許第6,706,979号(以降、‘979特許)に提供されている。Chouの一実施態様において、‘979特許は、上壁と、下壁と、第1の電気接触体とを含む導電筐体を有する振動スイッチを開示している。導電筐体の上壁および下壁によって収容室が画成される。導電筐体は、電気を筐体に通すための第1の電気接触体に接続された電気端子を含む。第2の電気接触体は、導電筐体から隔てられており、導電筐体の上壁と下壁との間(すなわち、収容室の内部)に配置されている。第2の電気接触体は、絶縁プラグによって収容室内の所定位置に保持され、この絶縁プラグには電気端子を嵌め込める貫通穴がある。
【0007】
第1の電気接触体および第2の電気接触体はどちらも凹形状であるので、第1および第2の導電ボールは電気接触体上を移動可能である。具体的には、導電ボールは第1および第2の電気接触体を有する収容室内に隣接して配置される。‘979特許の第1の実施態様の振動スイッチは、一般に重力によって閉位置(ON)にある。閉位置(ON)では、第1の電気接触体から第1および第2の導電ボールと第2の電気接触体とを介して最終的には電気端子までの電気の伝達が維持される。
【0008】
一代替実施態様において、‘979特許は、第1の電気接触体と、追加の電気絶縁プラグと、貫通穴と、電気端子とを有し、第1の電気接触体が導電筐体から隔てられているものの全体が筐体の上壁と下壁との間に配置されている点で、上記の実施態様の振動スイッチとは異なる振動スイッチを開示している。残念ながら、‘979特許の振動スイッチは多数の部分を有するために組み立て時間が長くなり、コストも増加する。
【0009】
したがって、これまで取り組まれていなかった上記の欠陥および不備への対応というニーズが当業界に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施態様は、全方向性傾斜および振動センサと、その構成方法とを提供する。簡単に述べると、中でも、システムの一実施態様は、構造的に以下のように実現することができる。センサは、第1の導電素子と、第2の導電素子と、第1の導電素子および第2の導電素子に接続された電気絶縁素子とを含む。センサは、センサの空洞内に配置された複数の導電性錘体をさらに含む。この空洞は、第1の導電素子の少なくとも1つの面と、電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成される。
【0011】
本発明は、第1の導電素子と、第2の導電素子と、電気絶縁素子と、複数の導電性錘体とを有する全方向性傾斜および振動センサを組み立てる方法を提供する発明とみなすこともできる。この点においては、このような方法の一実施態様は、中でも、第1の導電素子の少なくとも遠位部を電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップと、複数の導電性錘体を電気絶縁部材の中空中心部に配置するステップと、第2の導電素子の少なくとも遠位部を電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップとによって概括できる。
【0012】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、当業者には明らかであるか、あるいは以下の図面および詳細説明を検討することによって明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、および利点はすべてこの明細書に含まれ、本発明の範囲に含まれ、付属の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【0013】
本発明の多くの態様は、以下の図面を参照することによってよりよく理解することができる。これらの図面中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺比ではなく、本発明の原理を明確に示すことに重点を置いている。さらに、これらの図面において同様の参照符号は、いくつかの図にわたって対応する部分を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、全方向性傾斜および振動センサについて説明する。本センサは、組み立て易さと使い易さとを保証するために、最小数の連係部品を含む。図1は、本発明の第1の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサ100(以降「センサ100」)の分解斜視側面図である。
【0015】
図1において、センサ100は、第1のエンドキャップ110と、中心部材140と、第2のエンドキャップ160と、一対の球状導電ボール190として具現化された複数の錘体(以降「導電球体」)とを含む。第1のエンドキャップ110は導電性であり、近位部112と遠位部122とを有する。具体的には、第1のエンドキャップ110は、高導電性および/または低反応性金属の複合材、導電性プラスチック、または他の何れかの導電性材料から構成しうる。
【0016】
図2は、第1のエンドキャップ110の断面側面図である。この図を参照すると、第1のエンドキャップ110の各部の位置をよりよく理解しうる。第1のエンドキャップ110の近位部112は、円形であり、直径はD1、平坦な端面114を有する。近位部112の天面116は、平坦な端面114に対して直角をなす。天面116の幅は、第1のエンドキャップ110の近位部112全体の幅と同じである。近位部112は内面118をさらに含む。内面118は、近位部112の平坦な端面114と反対の側にあり、天面116は内面118に対して直角をなす。したがって、近位部112の形状は円盤状である。
【0017】
なお、図2では第1のエンドキャップ110の近位部112が平坦な端面114を有し、第2のエンドキャップ160の近位部162(図4)が平坦な面164(図4)を有するが、近位部112、162(図4)の端面を必ずしも平坦にする必要はないことを当業者は理解されるであろう。代わりに、平坦な端面114、164を凸状または凹状にしてもよい。さらに、第1のエンドキャップ110および第2のエンドキャップ160の形状を円形にせずに、正方形状にしてもよく、または他の何れかの形状にしてもよい。円形のエンドキャップ110、160の使用は、例示にすぎない。エンドキャップ110、160の主要機能は、第1のエンドキャップ110に導入された電荷が導電球体190を通り、第2のエンドキャップ160によって受け取られるための接続を提供することであるので、導電経路が維持される限りは、さまざまな形状およびサイズのエンドキャップ110、160を使用しうる。
【0018】
本願明細書に記載の天面部116と、平坦な端面114と、内面118との間の関係は例示のためのものである。代わりに、平坦な端面114および内面118のそれぞれの端部に丸みを付けるか、または他の輪郭にし、近位部112の天面116が端面114および内面118から続く自然な丸みを帯びるようにしてもよい。
【0019】
第1のエンドキャップ110の遠位部122の形状は直径D2の管状である。直径D2は、近位部112の直径D1より小さい。第1のエンドキャップ110の遠位部122は、天面124と底面126とを有する。遠位部122の底面126は、第1のエンドキャップ110の遠位部122の中心にある円筒状の間隙128の外周部を画成する。円筒状の間隙128の直径D3は、遠位部122の直径D2より小さい。
【0020】
第1のエンドキャップ110の近位部112から第1のエンドキャップ110の遠位部122への移行は、段によって画成される。この段の最上部は近位部112の天面116によって画成され、この段の中間部は近位部112の内面118によって画成され、この段の最下部は、遠位部122の天面124によって画成される。
【0021】
第1のエンドキャップ110の遠位部122は、天面124と底面126とをつなぐ外面130をさらに含む。なお、図2には外面130の断面が天面124および底面126に対して直角をなすものとして示されているが、外面130に丸みを付けても、または他の形状にしてもよい。
【0022】
図2によりよく示されているように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は、第1のエンドキャップ110の近位部112の延長部である。さらに、遠位部122の天面124、外面130、および底面126は、第1のエンドキャップ110の円筒状リップを形成する。図2にさらに示されているように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は内面132をさらに含む。内面132の直径は、円筒状の間隙128の直径D3と同じかまたはそれより小さい。図2では内面132は平坦な端面114に対して平行であるが、以下に示すように内面132を凹状、円錐形、または半球形にしてもよい。
【0023】
図1において、センサ100の中心部材140は、形状が管状であり、天面142と、近位面144と、底面146と、遠位面148とを有する。図3は中心部材140の断面側面図である。この図を参照すると、中心部材140の各部の位置をよりよく理解しうる。なお、中心部材140の形状を管状にする必要はない。代わりに、中心部材140を別の形状、たとえば正方形にしてもよいが、これだけに限定されるものではない。
【0024】
中心部材140の底面146は、直径D4の中空の中心部150を画成する。この直径D4は直径D2(図2)よりわずかに大きいので、第1のエンドキャップ110の遠位部122を中心部材140の中空中心部150(図3)内に嵌めることができる。さらに、中心部材140の天面142は、直径D5の中心部材140の外面を画成する。なお、直径D1(すなわち、第1のエンドキャップ110の近位部112の直径)は、直径D5(すなわち、中心部材140の直径)よりわずかに大きいことが好ましい。勿論、異なる寸法の中心部材140およびエンドキャップ110、160を設けてもよい。また、センサ100を組み立てるときは、中心部材140の近位面144が第1のエンドキャップ110の内面118に押し当てられる。
【0025】
第1のエンドキャップ110および第2のエンドキャップ160と異なり、中心部材140は非導電性である。一例として、中心部材140をプラスチック、ガラス、または他の何れかの非導電性材料で製造してもよい。本発明の一代替実施形態においては、中心部材140を構成する材料として、一般に使用される半田付け材料に使用される融点より高い融点を有する材料を用いてもよい。以下にさらに詳細に説明するように、中心部材140を非導電性にすると、センサ100の導電性が導電球体190によってもたらされることが確実になる。具体的には、第1のエンドキャップ110と第2のエンドキャップ160との間に中心部材140を配置することによって第1のエンドキャップ110と第2のエンドキャップ160との間に非導電性の間隙が設けられる。
【0026】
図1において、第2のエンドキャップ160は導電性であり、近位部162と遠位部172とを有する。具体的には、第2のエンドキャップ160は、高導電性および/または低反応性金属の複合材、導電性プラスチック、または他の何れかの導電性材料から構成しうる。
【0027】
図4は、第2のエンドキャップ160の断面側面図である。この図を参照すると、第2のエンドキャップ160の各部の位置をよりよく理解しうる。第2のエンドキャップ160の近位部162は、円形であり、直径はD6、平坦な端面164を有する。近位部162の天面166は、平坦な端面164に対して直角をなす。天面166の幅は、第2のエンドキャップ160の近位部162全体の幅と同じである。近位部162は、内面168をさらに含む。内面168は、近位部162の平坦な端面164と反対の側にあり、天面166は内面168に対して直角をなす。したがって、近位部162の形状は円盤状である。
【0028】
本願明細書に記載の天面部166と、平坦な端面164と、内面168との間の関係は例示のためのものである。代わりに、平坦な端面164および内面168のそれぞれの端部に丸みを付けるか、または他の輪郭とし、近位部162の天面166が端面164および内面168から続く自然な丸みを帯びるようにしてもよい。
【0029】
第2のエンドキャップ160の遠位部172の形状は直径D7の管状である。直径D7は、近位部162の直径D6より小さい。第2のエンドキャップ160の遠位部172は、天面174と底面176とを有する。遠位部172の底面176は、第2のエンドキャップ160の遠位部172の中心にある円筒状の間隙178の外周部を画成する。円筒状の間隙178の直径D8は、遠位部172の直径D7より小さい。
【0030】
第2のエンドキャップ160の近位部162から第2のエンドキャップ160の遠位部172への移行は、段によって画成される。この段の最上部は近位部162の天面166によって画成され、この段の中間部は近位部162の内面168によって画成され、この段の最下部は、遠位部172の天面174によって画成される。
【0031】
第2のエンドキャップ160の遠位部172は、天面174と底面176とをつなぐ外面180をさらに含む。なお、図4では外面180の断面が天面174および底面176に対して直角をなすものとして示されているが、外面180に丸みを付けても、または他の形状にしてもよい。
【0032】
図4によりよく示されているように、第2のエンドキャップ160の遠位部172は、第2のエンドキャップ160の近位部162の延長部である。さらに、遠位部172の天面174と、外面180と、底面176とは、第2のエンドキャップ160の円筒状リップを形成する。図4にさらに示されているように、第2のエンドキャップ160の遠位部172は内面182をさらに含む。内面182の直径は、円筒状の間隙178の直径D8と同じかまたはそれより小さい。図4では内面182は平坦な端面164に対して平行であるが、内面182を凹状、円錐形、または半球形にしてもよい。
【0033】
なお、第2のエンドキャップ160の各寸法は、第1のエンドキャップ110の各寸法と同じであることが好ましい。したがって、中心部材140の中空中心部150の直径D4は、第2のエンドキャップ160の直径D7よりわずかに大きいので、第2のエンドキャップ160の遠位部172を中心部材140の中空中心部150内に嵌めることができる。さらに、直径D6(すなわち、第2のエンドキャップ160の近位部162の直径)は、直径D5(すなわち、中心部材140の直径)よりわずかに大きいことが好ましい。また、センサ100を組み立てるときは、中心部材140の遠位面148が第2のエンドキャップ160の内面168に押し当てられる。
【0034】
図1において、一対の導電球体190は第1の導電球体192と第2の導電球体194とを含み、中心部材140の内側と、第1のエンドキャップ110の第1の遠位部122の円筒状の間隙128の一部の内側と、第2のエンドキャップ160の円筒状の間隙178の一部の内側とに収まる。具体的には、第1のエンドキャップ110の内面132、底面126、および外面130と、中心部材140の底面146と、第2のエンドキャップ160の内面182、底面176、および外面180とによってセンサ100の中心空洞200が形成され、この空洞内に一対の導電球体190が閉じ込められる。
【0035】
導電球体190の位置を図6A、6B、および7A〜7Dにさらに図示し、解説する。なお、本開示の各図は両導電球体190をほぼ対称的な球体として示しているが、一方の球体を他方の球体より大きくしてもよい。具体的には、本願明細書中に記載の導電関係が維持される限りは、より大きな両球体によって、一方が他方より大きい球体によって、より小さい両球体によって、または一方がより小さい球体によってこの導電関係を維持してもよい。なお、導電球体190の形状を卵形、円柱形、または本願明細書に記載の方法と同様の方法で、中心空洞内で移動可能な他の何れかの形状にしてもよい。
【0036】
構成要素が最小数であるために、センサ100の組み立ては極めて簡単である。具体的には、4つの構成要素、すなわち、第1のエンドキャップ110、中心部材140、導電球体190、および第2のエンドキャップ160が存在する。図5は、図1の全方向性傾斜および振動センサ100の組み立て方法を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の工程説明すなわちブロックは何れも、当該工程中に特定の論理機能を実現するための1つまたは複数の命令を含むモジュール、セグメント、コード部分、またはステップを表すものであり、本発明の当業者であれば理解しうるように、含まれている機能によっては、図示または説明されている順序以外で、たとえばほぼ同時にまたは逆順で、機能を実行しうる代替の実装も本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0037】
ブロック202に示すように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は中心部材140の中空中心部150内に嵌められるので、中心部材140の近位面144は、第1のエンドキャップ110の内面118に隣接または接触する。次に、導電球体190を中心部材140の中空中心部150の内側および円筒状の間隙128の一部の内側に配置する(ブロック204)。次に、中心部材140の遠位面148が第2のエンドキャップ160の内面168に隣接または接触するように、第2のエンドキャップ160の遠位部172を中心部材140の中空中心部150に嵌める(ブロック206)。
【0038】
本発明の一代替実施形態によると、センサ100の組み立てを不活性ガス中で行うことによって、中心空洞200の内部に不活性環境を作り、導電球体190の酸化の可能性を減らしうる。当業者には公知のように、導電球体190の酸化は、導電球体190の導電特性を低下させうる。さらに、本発明の別の代替実施形態によると、第1のエンドキャップ110と、中心部材140と、第2のエンドキャップ160とを気密シールによって接合することによって、中心空洞200内への汚染物質の侵入を防止しうる。
【0039】
センサ100の中心空洞200内における導電球体190の位置に応じて、センサ100を閉状態または開状態にできる。図6Aおよび図6Bは、本発明の第1の実施例による図1のセンサ100の閉状態の断面図である。センサ100を閉状態に維持するには、第1のエンドキャップ110に導入された電荷が導電球体190を通り、第2のエンドキャップ160によって受け取られる必要がある。
【0040】
図6Aにおいては、第1の導電球体192が第1のエンドキャップ110の底面126に接触し、導電球体192、194同士が接触し、第2の導電球体194が第2のエンドキャップ162の底面176および内面182に接触しているため、導電経路が第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160まで設けられているので、センサ100は閉状態である。図6Bにおいては、第1の導電球体192が第1のエンドキャップ110の底面126および内面132に接触し、導電球体192、194同士が接触し、第2の導電球体194が第2のエンドキャップ162の底面176に接触しているため、導電経路が第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160まで設けられているので、センサ100は閉状態である。勿論、第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160までの導電経路が維持される限りは、センサ100の中心空洞200内における第1および第2の導電球体190の他の配置も可能である。
【0041】
図7A〜図7Dは、本発明の第1の実施例による図1のセンサ100の開状態の断面図である。センサ100を開状態すなわちOFF状態に維持するために、第1のエンドキャップ110に導入された電荷は、導電球体190を通ることができないので、第2のエンドキャップ160によって受け取られない。図7A〜7Dにおいては、第1の導電球体192が第2の導電球体194に接触していないので、図示されている各センサ100は開状態である。勿論、第1のエンドキャップ110から導電球体190まで、さらには第2のエンドキャップ160までの導電経路が維持されないのであれば、センサ100の中心空洞200内における第1および第2の導電球体190の配置を違えてもよい。
【0042】
図8は、本発明の第2の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサ300の断面側面図である。本発明の第2の実施例のセンサ300は、第1のエンドキャップ110の平坦な端面114に配置された第1の瘤302と、第2のエンドキャップ160の平坦な端面164に配置された第2の瘤304とを含む。瘤302、304は、センサ300を印刷配線板(PCB)のランディングパッドに接続するための導電機構を提供する。PCBのランディングパッドにはセンサを引っ込めて取り付けることができる開口部が切り抜かれている。具体的には、本発明の第1の実施例および第2の実施例によるセンサがPCBのランディングパッドに嵌まるように、センサの寸法を選択しうる。ランディングパッド内には、第1の端子および第2の端子が存在しうる。瘤302、304の使用によって、センサ300をランディングパッドに嵌めたときに、第1の瘤302が第1の端子に押し当たり、第2の瘤304が第2の端子に押し当たるようになる。当業者はPCBのランディングパッドの基本的構造を理解されているはずであるので、本願明細書においてはランディングパッドのさらなる説明を省く。
【0043】
なお、第1および第2の実施形態のセンサの基本的形状は同じ矩形であるので、センサ100、300を収容するためのPCBの準備が簡単になる。具体的には、センサ100のサイズ(すなわち、第1および第2のエンドキャップ110、160と中心部材140とのサイズ)の穴をPCBに切り抜く。センサ100はその穴の中に落下できるが、瘤302、304が接続パッドに当たって引っ掛かるため、センサは穴を抜け落ちない。本発明の第1の実施例においては、瘤がないため、エンドキャップ110、160をPCB上に直接搭載してもよい。
【0044】
本発明の別の代替実施形態によると、2つの導電球体の代わりに3つ以上の導電球体を使用してもよく、あるいはセンサ100が動いたときに転がり易い他の形状にしてもよい。
【0045】
図9は、本発明の第3の実施例によるセンサ400の閉状態の断面図である。図9に示すように、第1のエンドキャップ410の内面412の形状は凹状である。さらに、第2のエンドキャップ420の内面422の形状も凹状である。図9のセンサ400は、本発明の第2の実施例の瘤302、304と同様に機能する第1の瘤430および第2の瘤432をさらに含む。センサ400の内面412、422が凹状であると、内面412、422の形状と重力との組み合わせによって導電球体192、194が相互に引き寄せられるため、センサ400は平常時は閉状態に維持される。
【0046】
なお、本発明の上記の実施形態は可能な実施例にすぎず、本発明の原理を明確に理解させるために示したものにすぎない。本発明の精神および原理から実質的に逸脱することなく、本発明の上記実施形態に対して多くの変形および変更を行いうる。本願明細書においてはこのような変更および変形はすべて本開示の範囲内に含まれ、付属の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサの分解斜視側面図である。
【図2】図1の第1のエンドキャップの断面側面図である。
【図3】図1の中心部材の断面側面図である。
【図4】図1の第2のエンドキャップの断面側面図である。
【図5】図1の全方向性傾斜および振動センサの組み立て方法を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の第1の実施例による図1のセンサの閉状態の断面側面図である。
【図6B】本発明の第1の実施例による図1のセンサの閉状態の断面側面図である。
【図7A】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7B】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7C】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7D】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサの断面側面図である。
【図9】本発明の第3の実施例によるセンサの閉状態の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年1月13日に出願された同時係属中の継続出願である米国特許出願第xx/xxx,xxx号、名称「全方向性傾斜および振動センサ」に対する優先権を主張するPCT特許出願であり、その全開示内容を引用により本願明細書に導入するものとする。本発明は、2005年1月18日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/037,497号、名称「全方向性傾斜および振動センサ」に対する優先権をさらに主張し、その全開示内容を引用により本願明細書に導入するものとする。
【0002】
本発明は、全般的にはセンサに関し、特に全方向性傾斜および振動センサに関する。
【背景技術】
【0003】
現在ではさまざまな電気傾斜および振動スイッチが利用可能であり、当業者には公知である。一般に、傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角に応じて電気回路をONおよびOFFに切り換えるために使用される。このようなタイプの傾斜スイッチは、一般に、自由に移動する導電素子がスイッチ内に配置されており、この導電素子が特定の位置に移動すると、この導電素子が2つの端子に接触して導電経路が完成する。この種の傾斜スイッチの一例は、水銀スイッチである。残念ながら、水銀の使用は環境問題を引き起こしうることが実証されているので、水銀の使用は規制され、スイッチなどの水銀含有製品のコストは上昇しうる。
【0004】
水銀スイッチに代わる新しいスイッチは、密閉区域内で自由に移動可能な導電素子を使用する。一般に使用されている導電素子は、単一の金属ボールである。単一の金属ボールを有する傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角に応じて、ONおよびOFFの切り換えを行うことができる。特定の傾斜スイッチは、傾斜スイッチの傾斜角が所定の角度を超えるまでは閉位置(ON)から開位置(OFF)への単一の金属ボールの移動を阻止する畝、隆起、または溝をさらに含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
傾斜スイッチの傾斜角を超える必要がある傾斜スイッチの一例は、1992年8月4日にBlairに対して発行された米国特許第5,136,157号(以降、‘157特許)によって提供されている。‘157特許は、1つの金属ボールと、1つの非導電素子によって隔てられた2つの導電末端部とを有する傾斜スイッチを開示している。2つの導電末端部はそれぞれ2つの支持縁部を有する。第1の導電末端部の第1の支持縁部と第2の導電末端部の第1の支持縁部との間に金属ボールが支持されると、第1の導電末端部と第2の導電末端部との間で電気の伝達が維持される。第1の導電末端部と第2の導電末端部との間で電気の伝達が維持されると、傾斜スイッチが閉位置(ON)に維持される。傾斜スイッチを開位置(OFF)に切り換えるには、金属ボールを移動させ、金属ボールが第1の導電末端部および第2の導電末端部のどちらにも接続されないようにする必要がある。したがって、傾斜スイッチを開位置(OFF)に切り換えるには、所定の傾斜角を超えるまで‘157特許の傾斜スイッチを傾斜させて金属ボールを第1および第2の導電末端部の間の位置から移動させる必要がある。残念ながら、傾斜スイッチは、傾斜角にかかわらず、微小の動きの検出には通常役に立たない。
【0006】
振動スイッチに言及すると、一般に振動スイッチは多数の構成要素を有する。これらの構成要素は、第1の導電末端部と第2の導電末端部との間に電気を伝達させる位置に少なくとも1つの導電素子を維持するために使用される。多数の構成要素を有する振動スイッチの一例が、2004年3月16日にChouに対して発行された米国特許第6,706,979号(以降、‘979特許)に提供されている。Chouの一実施態様において、‘979特許は、上壁と、下壁と、第1の電気接触体とを含む導電筐体を有する振動スイッチを開示している。導電筐体の上壁および下壁によって収容室が画成される。導電筐体は、電気を筐体に通すための第1の電気接触体に接続された電気端子を含む。第2の電気接触体は、導電筐体から隔てられており、導電筐体の上壁と下壁との間(すなわち、収容室の内部)に配置されている。第2の電気接触体は、絶縁プラグによって収容室内の所定位置に保持され、この絶縁プラグには電気端子を嵌め込める貫通穴がある。
【0007】
第1の電気接触体および第2の電気接触体はどちらも凹形状であるので、第1および第2の導電ボールは電気接触体上を移動可能である。具体的には、導電ボールは第1および第2の電気接触体を有する収容室内に隣接して配置される。‘979特許の第1の実施態様の振動スイッチは、一般に重力によって閉位置(ON)にある。閉位置(ON)では、第1の電気接触体から第1および第2の導電ボールと第2の電気接触体とを介して最終的には電気端子までの電気の伝達が維持される。
【0008】
一代替実施態様において、‘979特許は、第1の電気接触体と、追加の電気絶縁プラグと、貫通穴と、電気端子とを有し、第1の電気接触体が導電筐体から隔てられているものの全体が筐体の上壁と下壁との間に配置されている点で、上記の実施態様の振動スイッチとは異なる振動スイッチを開示している。残念ながら、‘979特許の振動スイッチは多数の部分を有するために組み立て時間が長くなり、コストも増加する。
【0009】
したがって、これまで取り組まれていなかった上記の欠陥および不備への対応というニーズが当業界に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施態様は、全方向性傾斜および振動センサと、その構成方法とを提供する。簡単に述べると、中でも、システムの一実施態様は、構造的に以下のように実現することができる。センサは、第1の導電素子と、第2の導電素子と、第1の導電素子および第2の導電素子に接続された電気絶縁素子とを含む。センサは、センサの空洞内に配置された複数の導電性錘体をさらに含む。この空洞は、第1の導電素子の少なくとも1つの面と、電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成される。
【0011】
本発明は、第1の導電素子と、第2の導電素子と、電気絶縁素子と、複数の導電性錘体とを有する全方向性傾斜および振動センサを組み立てる方法を提供する発明とみなすこともできる。この点においては、このような方法の一実施態様は、中でも、第1の導電素子の少なくとも遠位部を電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップと、複数の導電性錘体を電気絶縁部材の中空中心部に配置するステップと、第2の導電素子の少なくとも遠位部を電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップとによって概括できる。
【0012】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、当業者には明らかであるか、あるいは以下の図面および詳細説明を検討することによって明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、および利点はすべてこの明細書に含まれ、本発明の範囲に含まれ、付属の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【0013】
本発明の多くの態様は、以下の図面を参照することによってよりよく理解することができる。これらの図面中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺比ではなく、本発明の原理を明確に示すことに重点を置いている。さらに、これらの図面において同様の参照符号は、いくつかの図にわたって対応する部分を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、全方向性傾斜および振動センサについて説明する。本センサは、組み立て易さと使い易さとを保証するために、最小数の連係部品を含む。図1は、本発明の第1の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサ100(以降「センサ100」)の分解斜視側面図である。
【0015】
図1において、センサ100は、第1のエンドキャップ110と、中心部材140と、第2のエンドキャップ160と、一対の球状導電ボール190として具現化された複数の錘体(以降「導電球体」)とを含む。第1のエンドキャップ110は導電性であり、近位部112と遠位部122とを有する。具体的には、第1のエンドキャップ110は、高導電性および/または低反応性金属の複合材、導電性プラスチック、または他の何れかの導電性材料から構成しうる。
【0016】
図2は、第1のエンドキャップ110の断面側面図である。この図を参照すると、第1のエンドキャップ110の各部の位置をよりよく理解しうる。第1のエンドキャップ110の近位部112は、円形であり、直径はD1、平坦な端面114を有する。近位部112の天面116は、平坦な端面114に対して直角をなす。天面116の幅は、第1のエンドキャップ110の近位部112全体の幅と同じである。近位部112は内面118をさらに含む。内面118は、近位部112の平坦な端面114と反対の側にあり、天面116は内面118に対して直角をなす。したがって、近位部112の形状は円盤状である。
【0017】
なお、図2では第1のエンドキャップ110の近位部112が平坦な端面114を有し、第2のエンドキャップ160の近位部162(図4)が平坦な面164(図4)を有するが、近位部112、162(図4)の端面を必ずしも平坦にする必要はないことを当業者は理解されるであろう。代わりに、平坦な端面114、164を凸状または凹状にしてもよい。さらに、第1のエンドキャップ110および第2のエンドキャップ160の形状を円形にせずに、正方形状にしてもよく、または他の何れかの形状にしてもよい。円形のエンドキャップ110、160の使用は、例示にすぎない。エンドキャップ110、160の主要機能は、第1のエンドキャップ110に導入された電荷が導電球体190を通り、第2のエンドキャップ160によって受け取られるための接続を提供することであるので、導電経路が維持される限りは、さまざまな形状およびサイズのエンドキャップ110、160を使用しうる。
【0018】
本願明細書に記載の天面部116と、平坦な端面114と、内面118との間の関係は例示のためのものである。代わりに、平坦な端面114および内面118のそれぞれの端部に丸みを付けるか、または他の輪郭にし、近位部112の天面116が端面114および内面118から続く自然な丸みを帯びるようにしてもよい。
【0019】
第1のエンドキャップ110の遠位部122の形状は直径D2の管状である。直径D2は、近位部112の直径D1より小さい。第1のエンドキャップ110の遠位部122は、天面124と底面126とを有する。遠位部122の底面126は、第1のエンドキャップ110の遠位部122の中心にある円筒状の間隙128の外周部を画成する。円筒状の間隙128の直径D3は、遠位部122の直径D2より小さい。
【0020】
第1のエンドキャップ110の近位部112から第1のエンドキャップ110の遠位部122への移行は、段によって画成される。この段の最上部は近位部112の天面116によって画成され、この段の中間部は近位部112の内面118によって画成され、この段の最下部は、遠位部122の天面124によって画成される。
【0021】
第1のエンドキャップ110の遠位部122は、天面124と底面126とをつなぐ外面130をさらに含む。なお、図2には外面130の断面が天面124および底面126に対して直角をなすものとして示されているが、外面130に丸みを付けても、または他の形状にしてもよい。
【0022】
図2によりよく示されているように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は、第1のエンドキャップ110の近位部112の延長部である。さらに、遠位部122の天面124、外面130、および底面126は、第1のエンドキャップ110の円筒状リップを形成する。図2にさらに示されているように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は内面132をさらに含む。内面132の直径は、円筒状の間隙128の直径D3と同じかまたはそれより小さい。図2では内面132は平坦な端面114に対して平行であるが、以下に示すように内面132を凹状、円錐形、または半球形にしてもよい。
【0023】
図1において、センサ100の中心部材140は、形状が管状であり、天面142と、近位面144と、底面146と、遠位面148とを有する。図3は中心部材140の断面側面図である。この図を参照すると、中心部材140の各部の位置をよりよく理解しうる。なお、中心部材140の形状を管状にする必要はない。代わりに、中心部材140を別の形状、たとえば正方形にしてもよいが、これだけに限定されるものではない。
【0024】
中心部材140の底面146は、直径D4の中空の中心部150を画成する。この直径D4は直径D2(図2)よりわずかに大きいので、第1のエンドキャップ110の遠位部122を中心部材140の中空中心部150(図3)内に嵌めることができる。さらに、中心部材140の天面142は、直径D5の中心部材140の外面を画成する。なお、直径D1(すなわち、第1のエンドキャップ110の近位部112の直径)は、直径D5(すなわち、中心部材140の直径)よりわずかに大きいことが好ましい。勿論、異なる寸法の中心部材140およびエンドキャップ110、160を設けてもよい。また、センサ100を組み立てるときは、中心部材140の近位面144が第1のエンドキャップ110の内面118に押し当てられる。
【0025】
第1のエンドキャップ110および第2のエンドキャップ160と異なり、中心部材140は非導電性である。一例として、中心部材140をプラスチック、ガラス、または他の何れかの非導電性材料で製造してもよい。本発明の一代替実施形態においては、中心部材140を構成する材料として、一般に使用される半田付け材料に使用される融点より高い融点を有する材料を用いてもよい。以下にさらに詳細に説明するように、中心部材140を非導電性にすると、センサ100の導電性が導電球体190によってもたらされることが確実になる。具体的には、第1のエンドキャップ110と第2のエンドキャップ160との間に中心部材140を配置することによって第1のエンドキャップ110と第2のエンドキャップ160との間に非導電性の間隙が設けられる。
【0026】
図1において、第2のエンドキャップ160は導電性であり、近位部162と遠位部172とを有する。具体的には、第2のエンドキャップ160は、高導電性および/または低反応性金属の複合材、導電性プラスチック、または他の何れかの導電性材料から構成しうる。
【0027】
図4は、第2のエンドキャップ160の断面側面図である。この図を参照すると、第2のエンドキャップ160の各部の位置をよりよく理解しうる。第2のエンドキャップ160の近位部162は、円形であり、直径はD6、平坦な端面164を有する。近位部162の天面166は、平坦な端面164に対して直角をなす。天面166の幅は、第2のエンドキャップ160の近位部162全体の幅と同じである。近位部162は、内面168をさらに含む。内面168は、近位部162の平坦な端面164と反対の側にあり、天面166は内面168に対して直角をなす。したがって、近位部162の形状は円盤状である。
【0028】
本願明細書に記載の天面部166と、平坦な端面164と、内面168との間の関係は例示のためのものである。代わりに、平坦な端面164および内面168のそれぞれの端部に丸みを付けるか、または他の輪郭とし、近位部162の天面166が端面164および内面168から続く自然な丸みを帯びるようにしてもよい。
【0029】
第2のエンドキャップ160の遠位部172の形状は直径D7の管状である。直径D7は、近位部162の直径D6より小さい。第2のエンドキャップ160の遠位部172は、天面174と底面176とを有する。遠位部172の底面176は、第2のエンドキャップ160の遠位部172の中心にある円筒状の間隙178の外周部を画成する。円筒状の間隙178の直径D8は、遠位部172の直径D7より小さい。
【0030】
第2のエンドキャップ160の近位部162から第2のエンドキャップ160の遠位部172への移行は、段によって画成される。この段の最上部は近位部162の天面166によって画成され、この段の中間部は近位部162の内面168によって画成され、この段の最下部は、遠位部172の天面174によって画成される。
【0031】
第2のエンドキャップ160の遠位部172は、天面174と底面176とをつなぐ外面180をさらに含む。なお、図4では外面180の断面が天面174および底面176に対して直角をなすものとして示されているが、外面180に丸みを付けても、または他の形状にしてもよい。
【0032】
図4によりよく示されているように、第2のエンドキャップ160の遠位部172は、第2のエンドキャップ160の近位部162の延長部である。さらに、遠位部172の天面174と、外面180と、底面176とは、第2のエンドキャップ160の円筒状リップを形成する。図4にさらに示されているように、第2のエンドキャップ160の遠位部172は内面182をさらに含む。内面182の直径は、円筒状の間隙178の直径D8と同じかまたはそれより小さい。図4では内面182は平坦な端面164に対して平行であるが、内面182を凹状、円錐形、または半球形にしてもよい。
【0033】
なお、第2のエンドキャップ160の各寸法は、第1のエンドキャップ110の各寸法と同じであることが好ましい。したがって、中心部材140の中空中心部150の直径D4は、第2のエンドキャップ160の直径D7よりわずかに大きいので、第2のエンドキャップ160の遠位部172を中心部材140の中空中心部150内に嵌めることができる。さらに、直径D6(すなわち、第2のエンドキャップ160の近位部162の直径)は、直径D5(すなわち、中心部材140の直径)よりわずかに大きいことが好ましい。また、センサ100を組み立てるときは、中心部材140の遠位面148が第2のエンドキャップ160の内面168に押し当てられる。
【0034】
図1において、一対の導電球体190は第1の導電球体192と第2の導電球体194とを含み、中心部材140の内側と、第1のエンドキャップ110の第1の遠位部122の円筒状の間隙128の一部の内側と、第2のエンドキャップ160の円筒状の間隙178の一部の内側とに収まる。具体的には、第1のエンドキャップ110の内面132、底面126、および外面130と、中心部材140の底面146と、第2のエンドキャップ160の内面182、底面176、および外面180とによってセンサ100の中心空洞200が形成され、この空洞内に一対の導電球体190が閉じ込められる。
【0035】
導電球体190の位置を図6A、6B、および7A〜7Dにさらに図示し、解説する。なお、本開示の各図は両導電球体190をほぼ対称的な球体として示しているが、一方の球体を他方の球体より大きくしてもよい。具体的には、本願明細書中に記載の導電関係が維持される限りは、より大きな両球体によって、一方が他方より大きい球体によって、より小さい両球体によって、または一方がより小さい球体によってこの導電関係を維持してもよい。なお、導電球体190の形状を卵形、円柱形、または本願明細書に記載の方法と同様の方法で、中心空洞内で移動可能な他の何れかの形状にしてもよい。
【0036】
構成要素が最小数であるために、センサ100の組み立ては極めて簡単である。具体的には、4つの構成要素、すなわち、第1のエンドキャップ110、中心部材140、導電球体190、および第2のエンドキャップ160が存在する。図5は、図1の全方向性傾斜および振動センサ100の組み立て方法を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の工程説明すなわちブロックは何れも、当該工程中に特定の論理機能を実現するための1つまたは複数の命令を含むモジュール、セグメント、コード部分、またはステップを表すものであり、本発明の当業者であれば理解しうるように、含まれている機能によっては、図示または説明されている順序以外で、たとえばほぼ同時にまたは逆順で、機能を実行しうる代替の実装も本発明の範囲に含まれることを理解されたい。
【0037】
ブロック202に示すように、第1のエンドキャップ110の遠位部122は中心部材140の中空中心部150内に嵌められるので、中心部材140の近位面144は、第1のエンドキャップ110の内面118に隣接または接触する。次に、導電球体190を中心部材140の中空中心部150の内側および円筒状の間隙128の一部の内側に配置する(ブロック204)。次に、中心部材140の遠位面148が第2のエンドキャップ160の内面168に隣接または接触するように、第2のエンドキャップ160の遠位部172を中心部材140の中空中心部150に嵌める(ブロック206)。
【0038】
本発明の一代替実施形態によると、センサ100の組み立てを不活性ガス中で行うことによって、中心空洞200の内部に不活性環境を作り、導電球体190の酸化の可能性を減らしうる。当業者には公知のように、導電球体190の酸化は、導電球体190の導電特性を低下させうる。さらに、本発明の別の代替実施形態によると、第1のエンドキャップ110と、中心部材140と、第2のエンドキャップ160とを気密シールによって接合することによって、中心空洞200内への汚染物質の侵入を防止しうる。
【0039】
センサ100の中心空洞200内における導電球体190の位置に応じて、センサ100を閉状態または開状態にできる。図6Aおよび図6Bは、本発明の第1の実施例による図1のセンサ100の閉状態の断面図である。センサ100を閉状態に維持するには、第1のエンドキャップ110に導入された電荷が導電球体190を通り、第2のエンドキャップ160によって受け取られる必要がある。
【0040】
図6Aにおいては、第1の導電球体192が第1のエンドキャップ110の底面126に接触し、導電球体192、194同士が接触し、第2の導電球体194が第2のエンドキャップ162の底面176および内面182に接触しているため、導電経路が第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160まで設けられているので、センサ100は閉状態である。図6Bにおいては、第1の導電球体192が第1のエンドキャップ110の底面126および内面132に接触し、導電球体192、194同士が接触し、第2の導電球体194が第2のエンドキャップ162の底面176に接触しているため、導電経路が第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160まで設けられているので、センサ100は閉状態である。勿論、第1のエンドキャップ110から導電球体190を介して第2のエンドキャップ160までの導電経路が維持される限りは、センサ100の中心空洞200内における第1および第2の導電球体190の他の配置も可能である。
【0041】
図7A〜図7Dは、本発明の第1の実施例による図1のセンサ100の開状態の断面図である。センサ100を開状態すなわちOFF状態に維持するために、第1のエンドキャップ110に導入された電荷は、導電球体190を通ることができないので、第2のエンドキャップ160によって受け取られない。図7A〜7Dにおいては、第1の導電球体192が第2の導電球体194に接触していないので、図示されている各センサ100は開状態である。勿論、第1のエンドキャップ110から導電球体190まで、さらには第2のエンドキャップ160までの導電経路が維持されないのであれば、センサ100の中心空洞200内における第1および第2の導電球体190の配置を違えてもよい。
【0042】
図8は、本発明の第2の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサ300の断面側面図である。本発明の第2の実施例のセンサ300は、第1のエンドキャップ110の平坦な端面114に配置された第1の瘤302と、第2のエンドキャップ160の平坦な端面164に配置された第2の瘤304とを含む。瘤302、304は、センサ300を印刷配線板(PCB)のランディングパッドに接続するための導電機構を提供する。PCBのランディングパッドにはセンサを引っ込めて取り付けることができる開口部が切り抜かれている。具体的には、本発明の第1の実施例および第2の実施例によるセンサがPCBのランディングパッドに嵌まるように、センサの寸法を選択しうる。ランディングパッド内には、第1の端子および第2の端子が存在しうる。瘤302、304の使用によって、センサ300をランディングパッドに嵌めたときに、第1の瘤302が第1の端子に押し当たり、第2の瘤304が第2の端子に押し当たるようになる。当業者はPCBのランディングパッドの基本的構造を理解されているはずであるので、本願明細書においてはランディングパッドのさらなる説明を省く。
【0043】
なお、第1および第2の実施形態のセンサの基本的形状は同じ矩形であるので、センサ100、300を収容するためのPCBの準備が簡単になる。具体的には、センサ100のサイズ(すなわち、第1および第2のエンドキャップ110、160と中心部材140とのサイズ)の穴をPCBに切り抜く。センサ100はその穴の中に落下できるが、瘤302、304が接続パッドに当たって引っ掛かるため、センサは穴を抜け落ちない。本発明の第1の実施例においては、瘤がないため、エンドキャップ110、160をPCB上に直接搭載してもよい。
【0044】
本発明の別の代替実施形態によると、2つの導電球体の代わりに3つ以上の導電球体を使用してもよく、あるいはセンサ100が動いたときに転がり易い他の形状にしてもよい。
【0045】
図9は、本発明の第3の実施例によるセンサ400の閉状態の断面図である。図9に示すように、第1のエンドキャップ410の内面412の形状は凹状である。さらに、第2のエンドキャップ420の内面422の形状も凹状である。図9のセンサ400は、本発明の第2の実施例の瘤302、304と同様に機能する第1の瘤430および第2の瘤432をさらに含む。センサ400の内面412、422が凹状であると、内面412、422の形状と重力との組み合わせによって導電球体192、194が相互に引き寄せられるため、センサ400は平常時は閉状態に維持される。
【0046】
なお、本発明の上記の実施形態は可能な実施例にすぎず、本発明の原理を明確に理解させるために示したものにすぎない。本発明の精神および原理から実質的に逸脱することなく、本発明の上記実施形態に対して多くの変形および変更を行いうる。本願明細書においてはこのような変更および変形はすべて本開示の範囲内に含まれ、付属の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサの分解斜視側面図である。
【図2】図1の第1のエンドキャップの断面側面図である。
【図3】図1の中心部材の断面側面図である。
【図4】図1の第2のエンドキャップの断面側面図である。
【図5】図1の全方向性傾斜および振動センサの組み立て方法を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の第1の実施例による図1のセンサの閉状態の断面側面図である。
【図6B】本発明の第1の実施例による図1のセンサの閉状態の断面側面図である。
【図7A】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7B】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7C】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図7D】本発明の第1の実施例による図1のセンサの開状態の断面側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例による当該全方向性傾斜および振動センサの断面側面図である。
【図9】本発明の第3の実施例によるセンサの閉状態の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサであって、
第1の導電素子と、
第2の導電素子と、
前記第1の導電素子と前記第2の導電素子とに接続された電気絶縁素子と、
前記センサの空洞内に配置された複数の導電性錘体と、
を備え、前記空洞が前記第1の導電素子の少なくとも1つの面と、前記電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、前記第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成されるセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子から第1の導電性錘体と最後の導電性錘体とを介して前記第2の導電素子まで導電経路が存在する場合は前記センサが閉状態(ON)であり、前記第1の導電素子から前記第1の導電性錘体と前記最後の導電性錘体とを介して前記第2の導電素子まで導電経路が存在しないときは前記センサが開状態(OFF)であるセンサ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子が前記電気絶縁素子に嵌合され、前記第2の導電素子が前記電気絶縁素子に嵌合されるセンサ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサであって、
前記第1の導電素子が第1の直径を前記第1の導電素子の近位部に、また第2の直径を前記第1の導電素子の遠位部にさらに備え、前記第2の直径が前記第1の直径より小さく、
前記第2の導電素子が第1の直径を前記第2の導電素子の近位部に、また第2の直径を前記第2の導電素子の遠位部にさらに備え、前記第2の直径が前記第1の直径より小さく、
前記電気絶縁素子が近位端と遠位端とを有するものとしてさらに画成され、
前記第1の導電素子の少なくとも前記遠位部が前記電気絶縁素子の近位端内に嵌まり、前記第2の導電素子の少なくとも前記遠位部が前記電気絶縁素子の遠位端内に嵌まるセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子が前記第1の導電素子の前記遠位部と反対の側に平坦な端面をさらに備え、前記第2の導電素子が前記第2の導電素子の前記遠位部と反対の側に平坦な端面をさらに備えるセンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記平坦な端面が前記第1の導電素子を第1の端子に電気的に接触させるための第1の瘤を含み、前記第2の導電素子の前記平坦な端面が前記第2の導電素子を第2の端子に電気的に接触させるための第2の瘤を含むセンサ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の寸法と前記第2の導電素子の寸法とが等しいセンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子がプラスチックとガラスとで構成される群から選択される材料で作製されるセンサ。
【請求項9】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部が、
第1の天面と、
第1の外面と、
第1の底面と、
をさらに備え、
前記第1の天面と、前記第1の外面と、前記第1の底面とが前記第1の導電素子の第1の円筒状リップを形成し、
前記第2の導電素子の前記遠位部が、
第2の天面と、
第2の外面と、
第2の底面と、
をさらに備え、
前記第2の天面と、前記第2の外面と、前記第2の底面とが、前記第2の導電素子の第2の円筒状リップを形成するセンサ。
【請求項10】
請求項9に記載のセンサであって、前記第1の底面の断面形状が凹状であり、前記第2の底面の断面形状が凹状であるセンサ。
【請求項11】
請求項9に記載のセンサであって、前記第1の底面の断面形状が平坦であり、前記第2の底面の断面形状が平坦であるセンサ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子の形状が管状であるセンサ。
【請求項13】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子の形状が正方形状であるセンサ。
【請求項14】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部の直径および前記第2の導電素子の前記遠位部の直径が前記電気絶縁素子の直径より小さいセンサ。
【請求項15】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部の一部と、前記第2の導電素子の内部と、前記第2の導電素子の前記遠位部とが、前記センサの中心室を画成し、前記中心室が不活性ガスで充填されるセンサ。
【請求項16】
第1の導電素子と、第2の導電素子と、電気絶縁素子と、複数の導電性錘体とを有するセンサを構成する方法であって、
前記第1の導電素子の少なくとも遠位部を前記電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップと、
前記複数の導電性錘体を前記電気絶縁部材の前記中空中心部内に配置するステップと、
前記第2の導電素子の少なくとも遠位部を前記電気絶縁部材の前記中空中心部内に嵌めるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、第1の瘤を前記第1の導電素子の近位部に作製し、第2の瘤を前記第2の導電素子の近位部に作製するステップをさらに含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であて、前記センサを構成する前記方法を不活性ガス中で行う方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記第1の導電素子を前記電気絶縁素子に気密嵌合するステップと、
前記第2の導電素子を前記電気絶縁素子に気密嵌合するステップと、
をさらに含む方法。
【請求項1】
センサであって、
第1の導電素子と、
第2の導電素子と、
前記第1の導電素子と前記第2の導電素子とに接続された電気絶縁素子と、
前記センサの空洞内に配置された複数の導電性錘体と、
を備え、前記空洞が前記第1の導電素子の少なくとも1つの面と、前記電気絶縁素子の少なくとも1つの面と、前記第2の導電素子の少なくとも1つの面とによって画成されるセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子から第1の導電性錘体と最後の導電性錘体とを介して前記第2の導電素子まで導電経路が存在する場合は前記センサが閉状態(ON)であり、前記第1の導電素子から前記第1の導電性錘体と前記最後の導電性錘体とを介して前記第2の導電素子まで導電経路が存在しないときは前記センサが開状態(OFF)であるセンサ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子が前記電気絶縁素子に嵌合され、前記第2の導電素子が前記電気絶縁素子に嵌合されるセンサ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサであって、
前記第1の導電素子が第1の直径を前記第1の導電素子の近位部に、また第2の直径を前記第1の導電素子の遠位部にさらに備え、前記第2の直径が前記第1の直径より小さく、
前記第2の導電素子が第1の直径を前記第2の導電素子の近位部に、また第2の直径を前記第2の導電素子の遠位部にさらに備え、前記第2の直径が前記第1の直径より小さく、
前記電気絶縁素子が近位端と遠位端とを有するものとしてさらに画成され、
前記第1の導電素子の少なくとも前記遠位部が前記電気絶縁素子の近位端内に嵌まり、前記第2の導電素子の少なくとも前記遠位部が前記電気絶縁素子の遠位端内に嵌まるセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子が前記第1の導電素子の前記遠位部と反対の側に平坦な端面をさらに備え、前記第2の導電素子が前記第2の導電素子の前記遠位部と反対の側に平坦な端面をさらに備えるセンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記平坦な端面が前記第1の導電素子を第1の端子に電気的に接触させるための第1の瘤を含み、前記第2の導電素子の前記平坦な端面が前記第2の導電素子を第2の端子に電気的に接触させるための第2の瘤を含むセンサ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の寸法と前記第2の導電素子の寸法とが等しいセンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子がプラスチックとガラスとで構成される群から選択される材料で作製されるセンサ。
【請求項9】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部が、
第1の天面と、
第1の外面と、
第1の底面と、
をさらに備え、
前記第1の天面と、前記第1の外面と、前記第1の底面とが前記第1の導電素子の第1の円筒状リップを形成し、
前記第2の導電素子の前記遠位部が、
第2の天面と、
第2の外面と、
第2の底面と、
をさらに備え、
前記第2の天面と、前記第2の外面と、前記第2の底面とが、前記第2の導電素子の第2の円筒状リップを形成するセンサ。
【請求項10】
請求項9に記載のセンサであって、前記第1の底面の断面形状が凹状であり、前記第2の底面の断面形状が凹状であるセンサ。
【請求項11】
請求項9に記載のセンサであって、前記第1の底面の断面形状が平坦であり、前記第2の底面の断面形状が平坦であるセンサ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子の形状が管状であるセンサ。
【請求項13】
請求項1に記載のセンサであって、前記電気絶縁素子の形状が正方形状であるセンサ。
【請求項14】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部の直径および前記第2の導電素子の前記遠位部の直径が前記電気絶縁素子の直径より小さいセンサ。
【請求項15】
請求項4に記載のセンサであって、前記第1の導電素子の前記遠位部の一部と、前記第2の導電素子の内部と、前記第2の導電素子の前記遠位部とが、前記センサの中心室を画成し、前記中心室が不活性ガスで充填されるセンサ。
【請求項16】
第1の導電素子と、第2の導電素子と、電気絶縁素子と、複数の導電性錘体とを有するセンサを構成する方法であって、
前記第1の導電素子の少なくとも遠位部を前記電気絶縁部材の中空中心部内に嵌めるステップと、
前記複数の導電性錘体を前記電気絶縁部材の前記中空中心部内に配置するステップと、
前記第2の導電素子の少なくとも遠位部を前記電気絶縁部材の前記中空中心部内に嵌めるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、第1の瘤を前記第1の導電素子の近位部に作製し、第2の瘤を前記第2の導電素子の近位部に作製するステップをさらに含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であて、前記センサを構成する前記方法を不活性ガス中で行う方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記第1の導電素子を前記電気絶縁素子に気密嵌合するステップと、
前記第2の導電素子を前記電気絶縁素子に気密嵌合するステップと、
をさらに含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2008−532208(P2008−532208A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551464(P2007−551464)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/001503
【国際公開番号】WO2006/078602
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507240990)シグナルクエスト,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/001503
【国際公開番号】WO2006/078602
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507240990)シグナルクエスト,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]