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全窒素の定量方法
説明

全窒素の定量方法

【課題】亜硝酸イオンによるジアゾ化反応を利用し、検査水の全窒素を簡単かつ安全な作業により高濃度の領域まで定量できるようにする。
【解決手段】検査水の全窒素の定量方法は、検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下で90℃から沸騰温度までの温度で加熱する工程1と、工程1を経た検査水へ亜りん酸及びその塩並びに次亜りん酸及びその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下で加熱する工程2と、工程2を経た検査水に対し、塩化バナジウム(III)と、亜硝酸イオンとの反応によりジアゾニウム塩を生成可能なジアゾ化試薬とを添加し、酸性下で加熱する工程3と、工程3を経た検査水について、ジアゾ化試薬による着色の吸光度を測定することで亜硝酸イオン濃度を測定する工程4とを含む。ジアゾ化試薬として、オルト位又はパラ位にケトン基又はニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全窒素の定量方法、特に、検査水の全窒素を定量するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒素は海洋水、湖沼水、河川水および地下水等の富栄養化に関わる原因物質の一つであることから、工場排水等での排出規制が設けられており、工場排水等は、環境への排出前に生態系の栄養源となるイオン状態の窒素(例えば、硝酸イオンや亜硝酸イオン)の定量が求められる。しかし、工場排水等は、イオン状態で窒素を含むだけではなく、各種の窒素化合物として窒素を含むのが一般的であり、この窒素化合物は環境への排出後に自然分解されることでイオン状態の窒素を発生する。このため、工場排水等は、窒素化合物から生成し得るイオン状態の窒素を含めた窒素の総量、いわゆる全窒素の定量が求められることが多い。
【0003】
工場排水等の検査水に含まれる全窒素の定量方法として、日本工業規格(JIS)において規定された紫外吸光光度法、銅・カドミウムカラム還元法および硫酸ヒドラジニウム還元法(以下、これらの方法を総括的に「JIS法」という場合がある。)が知られている(非特許文献1)。JIS法では、先ず、検査水に含まれる窒素化合物を酸化剤であるペルオキソ二硫酸カリウムを用いて酸化分解することで硝酸イオンへ変換するための前処理をする。次に、紫外吸光光度法では、前処理後の検査水に紫外線を照射することで吸光度を測定し、その結果から求めた前処理後の検査水に含まれる硝酸イオン濃度を換算することで全窒素濃度を求める。
【0004】
一方、銅・カドミウムカラム還元法および硫酸ヒドラジニウム還元法では、前処理後の検査水に含まれる硝酸イオンをさらに還元して亜硝酸イオンへ変換するための処理をする。そして、この処理後の検査水に含まれる亜硝酸イオンを定量し、亜硝酸イオンの定量結果を換算して全窒素濃度を求める。ここで、JIS法は、検査水の亜硝酸イオンの定量に関し、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法を規定している。この定量方法は、検査水に含まれる亜硝酸イオンが酸性下でスルファニルアミドと反応して生成するジアゾニウム塩をナフチルエチレンジアミンとカップリング反応させ、それにより生成するアゾ化合物による検査水の着色(発色)を吸光光度法により測定することで亜硝酸イオンを定量するものである。
【0005】
このようなJIS法は、次のような幾つかの問題点がある。
(1)JIS法の前処理における窒素化合物の酸化分解工程では、ペルオキソ二硫酸カリウムを添加した検査水を120℃程度の高温、高圧下で加熱処理する必要があるため、その操作において蒸気滅菌装置やオートクレーブのような耐圧反応器を用いる必要がある。このため、JIS法は、自動化を想定したとき、自動化装置の複雑化を招くことになる。また、この酸化分解工程は、検査水の加熱温度を120℃より低い温度にすると、未反応のペルオキソ二硫酸カリウムが検査水に残留することがあり、この残留したペルオキソ二硫酸カリウムが紫外吸光光度法での吸光度の測定や硝酸イオンの還元を阻害することで全窒素の測定結果に影響することがある。このため、この酸化分解工程では、検査水を長時間加熱し、余剰のペルオキソ二硫酸カリウムを分解するのが好ましいが、この場合は前処理に長時間を要することから、検査水の全窒素濃度を短時間で効率的に測定するのが困難になる。
【0006】
なお、酸化分解工程については、ペルオキソ二硫酸カリウムを添加した検査水を耐圧反応器を必要としない100℃以下で加熱するとともに、検査水に紫外線を照射することで酸化分解を促進する代替法が提案されている(特許文献1)。この代替法は、検査水に残留する未反応のペルオキソ二硫酸カリウムを紫外線の照射により分解することができることから、全窒素の定量結果の信頼性を高めることができるが、検査水に対して紫外線を照射するための特別な装置を必要とすることから、自動化を想定したとき、やはり自動化装置の複雑化を招くことになる。
【0007】
(2)銅・カドミウムカラム還元法および硫酸ヒドラジニウム還元法は、前処理後の検査水に含まれる硝酸イオンを亜硝酸イオンへ還元するために、それぞれ銅・カドミウムおよび硫酸ヒドラジニウムといった劇物指定の試薬を用いる必要があることから、実施上の制約がある。
【0008】
(3)JIS法における上述のような亜硝酸イオンの定量方法(ナフチルエチレンジアミン吸光光度法)は、生成するアゾ化合物による検査水の着色が非常に鋭敏であって着色強度(モル吸光係数)が高まり過ぎ、検査水における高濃度の亜硝酸イオンの正確な定量が困難であることから、亜硝酸イオン濃度の測定可能範囲を0.06〜0.6mg[NO]/Lに制限している。この範囲の亜硝酸イオン濃度は全窒素に換算すると0.02〜0.2mg[N]/L程度の微量範囲であることから、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法を用いたJIS法による全窒素の定量は、窒素化合物の含有量が多い検査水に対して適用するのが困難である。
【0009】
なお、亜硝酸イオンの定量方法としては、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法の他に、ポルフィン核にアミノ基を有するポルフィリン化合物を検査水へ添加し、当該ポルフィリン化合物と亜硝酸イオンとの反応により生成するジアゾ基を有するポルフィリン化合物の吸光度または励起時の蛍光強度を測定する方法が知られている(特許文献2)。この定量方法は、ポルフィリン化合物のソーレ吸収帯がジアゾ基の生成により減少することを利用したもので、必要な反応はポルフィリン化合物と亜硝酸イオンとの反応だけであるから、ジアゾニウム塩の生成反応とカップリング反応との二段階の反応が必要なJIS法に比べて簡単な操作で亜硝酸イオンを定量可能である。しかし、この定量方法は、特許文献2の記載(特に、段落0023)によると亜硝酸イオン濃度の測定可能範囲が0〜0.018mg[NO]/L程度であり、この範囲の亜硝酸イオン濃度は全窒素に換算すると0〜0.006mg[N]/L程度の微量範囲でしかないことから、JIS法と同じく全窒素の定量に適用するのが困難である。しかも、この定量方法は、特許文献2の記載(特に、段落0023および図4)によると、ジアゾ基を有するポルフィリン化合物を生成させるために、検査水に含まれる亜硝酸イオンの2倍モル当量以上の多量のポルフィリン化合物を用いる必要があるため、不経済であり、全窒素の定量の自動化装置を実現する上で装置の小型化を達成しにくいという問題もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】日本工業規格 JIS K 0102、工場排水試験方法(2008)(43.1.1、45.2、45.3および45.4等)
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−344381号公報
【特許文献2】特開平9−89781号公報(特許請求の範囲、段落0012、0016および0023並びに図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、亜硝酸イオンによるジアゾ化反応を利用し、検査水の全窒素を簡単かつ安全な作業により高濃度の領域まで定量できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、検査水の全窒素を定量するための方法に関するものであり、この定量方法は、検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、工程1を経た検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2と、工程2を経た検査水に対し、塩化バナジウム(III)と、亜硝酸イオンとの反応によりジアゾニウム塩を生成可能なジアゾ化試薬とを添加し、酸性下において加熱する工程3と、工程3を経た検査水について、ジアゾ化試薬による着色の吸光度を測定することで亜硝酸イオン濃度を測定する工程4とを含む。この定量方法では、ジアゾ化試薬として、オルト位若しくはパラ位にケトン基若しくはニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物を用いる。
【0014】
この定量方法では、通常、工程1において、検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する。
【0015】
本発明の定量方法の一形態では、工程4の前に、工程3を経た検査水のpHが7より大きくなるよう調整する工程をさらに含む。
【0016】
本発明の定量方法の他の一形態では、工程3において、塩化バナジウム(III)およびジアゾ化試薬とともに、検査水に対してアルコール系化合物並びに次亜りん酸およびその塩からなる化合物群から選択された少なくとも1種の化合物をさらに添加する。
【0017】
本発明の定量方法において用いられる芳香族第一級アミン化合物は、例えば、1−アミノアントラキノン、2−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ニトロアニリン、2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンおよび1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムのうちの1つである。
【0018】
他の観点に係る本発明は、検査水の全窒素を定量するための、検査水の前処理方法に関するものである。この前処理方法は、この検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、工程1を経た検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2とを含む。
【0019】
この前処理方法では、通常、工程1において、検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る全窒素の定量方法は、上述の工程1〜4を含むことから簡単にかつ安全に操作することができ、また、工程4において特定のジアゾ化試薬を用いていることから検査水の全窒素を高濃度の領域まで定量することができる。
【0021】
本発明に係る検査水の前処理方法は、工程1で用いたペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を工程2において分解することができるため、検査水の全窒素の定量精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1で測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図2】実施例1で作成した検量線を示す図。
【図3】実施例2で測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図4】実施例2で作成した検量線を示す図。
【図5】実施例3で測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図6】実施例3で作成した検量線を示す図。
【図7】参考例1で測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図8】参考例1で作成した検量線を示す図。
【図9】参考例2Aで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図10】参考例2Aで作成した検量線を示す図。
【図11】参考例2Bで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図12】参考例2Bで作成した検量線を示す図。
【図13】参考例2Cで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図14】参考例2Cで作成した検量線を示す図。
【図15】参考例2Dで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図16】参考例2Dで作成した検量線を示す図。
【図17】参考例2Eで作成した検量線を示す図。
【図18】参考例2Fで作成した検量線を示す図。
【図19】参考例2Gで作成した検量線を示す図。
【図20】参考例2Hで作成した検量線を示す図。
【図21】参考例2Iで作成した検量線を示す図。
【図22】参考例2Jで作成した検量線を示す図。
【図23】比較例1で作成した検量線を示す図。
【図24】参考例3Aで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図25】参考例3Bで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図26】参考例3Cで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図27】参考例3Dで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図28】参考例4Aで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図29】参考例4Bで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図30】参考例4Cで測定した吸光スペクトルの結果を示す図。
【図31】参考例5において、加熱時間とペルオキソ二硫酸カリウムの自己分解率との関係を調べた結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の方法により全窒素を定量可能な検査水は、特に限定されるものではないが、通常は工場排水や生活排水等の窒素の排出規制が設けられている排水の他、海洋水、湖沼水、河川水および地下水等の天然水であり、窒素化合物を含む可能性のあるものである。但し、本発明の定量方法は、窒素化合物を含まない検査水に対して適用することも可能である。
【0024】
検査水の全窒素を定量する際には、先ず、所定量の検査水を採取し、この検査水に含まれる窒素化合物を酸化分解することで当該窒素化合物を構成する窒素を硝酸イオンへ変換するための前処理をする。なお、検査水に当初から含まれる亜硝酸イオンは、この前処理において併せて酸化され、一度硝酸イオンへ変換される。また、検査水に当初から含まれる硝酸イオンは、この前処理においてそのまま硝酸イオンとして維持される。
【0025】
検査水の前処理の最初の工程(工程1)では、ペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を用い、アルカリ性下において窒素化合物を酸化分解する。ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩を用いた方法は、例えば、日本工業規格 JIS K0102 「工場排水試験方法(2008)」の45.2に挙げられた「紫外吸光光度法」において、窒素化合物を硝酸イオンへ変換するための方法として記載されており、この記載に従って実行することができる。但し、この「紫外吸光光度法」による方法は、ペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加した検査水をアルカリ性下において120℃で30分間加熱することから、その操作において蒸気滅菌装置やオートクレーブのような耐圧反応器を用いる必要がある。このため、当該方法は、本発明の定量方法の自動化を想定したとき、自動化装置の複雑化を招くことになることから支障がある。
【0026】
そこで、この工程は、自動化を想定したとき、上述の「紫外吸光光度法」において規定の方法を、耐圧容器を用いずに実行できるように変更するのが好ましい。具体的には、工程1では、検査水にペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下(好ましくはpH10以上のアルカリ性下)において、90℃から検査水が沸騰する温度まで(好ましくは100℃以下)の温度範囲で加熱するのが好ましい。
【0027】
ここで用いられるペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、通常、ペルオキソ二硫酸カリウムまたはペルオキソ二硫酸ナトリウムである。ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、通常、水溶液として検査水へ添加するのが好ましい。また、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩を添加した検査水は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムまたは水酸化バリウムなどのアルカリ性水溶液を別途添加することでアルカリ性に調整することができる。なお、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、このようなアルカリ性水溶液の溶液として検査水へ添加することもでき、この場合、検査水は、アルカリ性水溶液を別途添加しなくてもアルカリ性に調整され得る。
【0028】
ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、検査水に含まれる窒素化合物の全量を十分に酸化分解可能なように添加量を設定するのが好ましい。この観点から、アルカリ性に調整後の検査水におけるペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩の濃度は、通常、0.5〜20g/Lになるよう設定するのが好ましく、1〜10g/Lになるよう設定するのがより好ましい。
【0029】
この工程での加熱時間は、検査水に含まれる窒素化合物の全量を十分に酸化分解できる程度に設定すればよく、通常、30〜60分程度の短時間に設定することができる。
【0030】
検査水の前処理の次の工程(工程2)では、工程1を経た検査水へりん系還元剤を添加し、ハロゲン化物イオン、好ましくは塩化物イオンまたは臭化物イオンが存在する酸性下において加熱する。検査水において、ハロゲン化物イオンは、2種以上のものが存在してもよい。この工程では、工程1を経た検査水に残留するペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩が水素イオン濃度の高い酸性下において水と反応することで、硫酸水素アルカリ金属塩への分解反応が促進される。同時に、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、検査水中のハロゲン化物イオンと反応することでハロゲン酸(HXO)や次亜ハロゲン酸(HXO)等を生成するとともに自らは硫酸水素アルカリ金属塩へ変換されるため、大量に消費される。これらにより、工程1を経た検査水に残留するペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩は、速やかにかつ効率的に分解される。
【0031】
なお、この工程において生成するハロゲン酸や次亜ハロゲン酸は、検査水へ添加したりん系還元剤と反応し、ハロゲン化水素へ還元される。
【0032】
この工程では、工程1を経た検査水をハロゲン化物イオンが存在する酸性に設定する必要があるが、この設定は、通常、検査水に対して水溶性の酸およびハロゲン化物塩を添加することで達成することができる。ここで用いられる酸は、全窒素の定量結果に影響する窒素を構成元素として含まないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、りん酸およびフルオロスルホン酸等の無機酸並びに酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。一方、ハロゲン化物塩としては、水中で解離することによりハロゲン化物イオンを生成する塩、例えば、カリウムやナトリウム等のアルカリ金属の塩化物塩および臭化物塩、並びに、カルシウムやバリウム等のアルカリ土類金属の塩化物塩および臭化物塩等を挙げることができる。これらの酸およびハロゲン化物塩は、それぞれ、2種以上のものを併用することもできる。ハロゲン化物塩は、通常、上述の酸の溶液として検査水へ添加するのが好ましい。
【0033】
酸とハロゲン化物塩との組合わせとして好ましいものは、例えば、硫酸と塩化ナトリウムである。なお、検査水に対して塩酸や臭化水素酸等のハロゲン化水素酸またはその水溶液を添加すると、検査水は、それだけでハロゲン化物イオンが存在する酸性に設定され得る。
【0034】
検査水への酸の添加量は、通常、検査水のpHが3以下になるよう設定するのが好ましく、0〜1.5になるよう設定するのがより好ましい。また、検査水におけるハロゲン化物イオンの含有量は、通常、0.5〜100g/Lになるよう設定するのが好ましく、1〜50g/Lになるよう設定するのがより好ましい。
【0035】
本工程において用いられるりん系還元剤は、亜りん酸、亜りん酸塩、次亜りん酸または次亜りん酸塩である。亜りん酸塩としては、例えば、亜りん酸カリウムや亜りん酸ナトリウム等の亜りん酸アルカリ金属塩、亜りん酸二水素カリウムおよび亜りん酸二水素ナトリウム等の亜りん酸二水素アルカリ金属塩や亜りん酸水素二カリウムおよび亜りん酸水素二ナトリウム等の亜りん酸水素二アルカリ金属塩等の亜りん酸水素アルカリ金属塩、並びに、亜りん酸カルシウムや亜りん酸マグネシウム等の亜りん酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。このような亜りん酸塩は、無水物塩であってもよいし、水和物塩であってもよい。また、次亜りん酸塩としては、例えば、次亜りん酸カリウムや次亜りん酸ナトリウム等の次亜りん酸アルカリ金属塩、次亜りん酸二水素カリウムおよび次亜りん酸二水素ナトリウム等の次亜りん酸二水素アルカリ金属塩や次亜りん酸水素二カリウムおよび次亜りん酸水素二ナトリウム等の次亜りん酸水素二アルカリ金属塩等の次亜りん酸水素アルカリ金属塩、並びに、次亜りん酸カルシウムや次亜りん酸マグネシウム等の次亜りん酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。このような次亜りん酸塩は、無水物塩であってもよいし、水和物塩であってもよい。
【0036】
りん系還元剤は、それぞれが単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。なお、亜りん酸および次亜りん酸は、潮解性の観点から取り扱いが困難であることから、りん系還元剤は、通常、亜りん酸塩および次亜りん酸塩のうちから選択するのが好ましい。
【0037】
なお、この工程で用いるりん系還元剤は、硝酸イオンを還元したり過還元したりするほどの還元力を持たないため、検査水に含まれる硝酸イオンに対して作用せず、硝酸イオンを安定に維持することができる。
【0038】
りん系還元剤は、通常、水溶液として検査水に添加することができるが、上述の酸に、または、上述の酸のハロゲン化物塩溶液に溶解した溶液として検査水へ添加することもできる。
【0039】
検査水へのりん系還元剤の添加量は、通常、この工程において所要の薬剤を添加した後の検査水における濃度が0.2〜5g/Lになるよう設定するのが好ましい。
【0040】
この工程での加熱温度は、上述の各反応を速やかにかつ円滑に進行させるため、通常、80〜100℃に設定するのが好ましく、90〜100℃に設定するのがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度により異なるが、加熱温度を上述の好ましい範囲に設定したときは、5〜15分程度の短時間に設定することができる。
【0041】
本発明の定量方法では、次に、上述の前処理がされた検査水、すなわち、工程2を経た検査水に対し、塩化バナジウム(III)とジアゾ化試薬とを添加し、酸性下において反応させる(工程3)。ここでは、検査水に含まれる硝酸イオン、すなわち、検査水に当初から含まれる硝酸イオンおよび工程1において生成した硝酸イオンに対して塩化バナジウム(III)が酸性下で還元剤として作用し、硝酸イオンを還元して亜硝酸イオンへ変換する。また、生成した亜硝酸イオンは、酸性下でジアゾ化試薬と反応し、ジアゾニウム塩を生成する。ここで、塩化バナジウム(III)による硝酸イオンの還元は、ジアゾ化試薬の存在下においても阻害されず、安定に進行し得る。また、ジアゾ化試薬によるジアゾニウム塩の生成反応は、塩化バナジウム(III)の存在下においても阻害されず、安定に進行し得る。なお、塩化バナジウム(III)により酸性下で硝酸イオンを亜硝酸イオンに還元可能なことは、例えば、次の非特許文献2において知られている。
【0042】
【非特許文献2】郷康弘、分析化学、55巻、4号、259−262頁、2006年
【0043】
検査水に対する塩化バナジウム(III)の添加量は、通常、検査水に含まれる硝酸イオンの全量を亜硝酸イオンへ還元可能なように設定するのが好ましく、通常、この工程において所要の薬剤を添加した後の検査水における濃度が0.1〜2.0g/Lになるよう設定するのが好ましく、0.2〜1.0g/Lになるよう設定するのがより好ましい。
【0044】
この工程で用いられるジアゾ化試薬は、亜硝酸イオンとの反応によりジアゾニウム塩を生成可能なもの、特に、検査水への添加によりそれ自体で検査水を着色させることができるものである。このようなジアゾ化試薬としては、オルト位若しくはパラ位にケトン基若しくはニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物が用いられる。
【0045】
オルト位若しくはパラ位にケトン基若しくはニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物としては、例えば、1−アミノアントラキノン、2−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ニトロアニリン、2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノン、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム、2−アミノ−2’−フルオロ−5−ブロモベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4−フルオロ−2−ニトロアニリン、5−アミノ−2−ニトロベンゾトリフルオリド、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン、2−アミノ−5−ニトロベンゾフェノンおよび4,6−ジニトロ−o−トルイジンなどを挙げることができる。このうち、1−アミノアントラキノン、2−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ニトロアニリン、2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンまたは1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムを用いるのが特に好ましい。
【0046】
ジアゾ化試薬は、通常、溶媒に溶解した溶液として検査水へ添加するのが好ましい。ジアゾ化試薬を溶解するために用いられる溶媒としては、例えば、逆浸透膜等により膜処理することで得られる純水、蒸留水およびイオン交換水等の精製水、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン並びにメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ポリエチレングリコールおよびグリセリン等のアルコール類などが挙げられる。
【0047】
検査水へのジアゾ化試薬の添加量は、検査水に含まれる亜硝酸イオンの全量がジアゾニウム塩の生成に関与するのに十分な量に設定する必要があり、検査水に含まれるものと想定される亜硝酸イオンと少なくとも等モルに設定する必要がある。この点に関し、検査水中に含まれる窒素化合物から硝酸イオンを経て誘導される亜硝酸イオンを考慮すると、検査水に含まれる亜硝酸イオン濃度は一般的に0〜35mg[NO]/L程度の範囲と想定されることから、例えば、検査水の量を2.0mLとした場合のジアゾ化試薬の添加量は、通常、1.5μmol以上になるよう設定するのが好ましい。但し、検査水の亜硝酸イオン濃度が35mg[NO]/Lよりも大幅に低いことが判明している、または、想定されるような場合、ジアゾ化試薬の添加量は1.5μmol未満であってもよい。
【0048】
この工程において、塩化バナジウム(III)による硝酸イオンの還元反応およびジアゾ化試薬と亜硝酸イオンとの反応によるジアゾニウム塩の生成反応は、酸性下で加熱することにより進行させる。ここで、工程2を経た検査水のpHが酸性域にある場合、特に、検査水のpHが後記する好ましいpH域にある場合、本工程での硝酸イオンの還元反応およびジアゾニウム塩の生成反応は、検査水のpHを特に調整せずに進行させることができる。すなわち、本工程は、検査水に対し、ジアゾ化試薬溶液および塩化バナジウム(III)の水溶液(既述の精製水を用いて調製した水溶液)を添加して加熱することで進行させることができる。
【0049】
一方、工程2を経た検査水のpHが酸性域にない場合、または、酸性域であったとしても後記する好ましいpH域にない場合、全窒素の定量結果に影響する可能性がある窒素元素を含まずかつ本工程での反応を阻害しない酸を検査水に添加することで検査水のpHを所要の酸性域に調整し、その環境下で所要の反応を進行させる。酸としては、例えば、塩酸および硫酸などの無機酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、クエン酸およびコハク酸などの有機酸並びにこれらの水溶液を用いることができるが、通常は塩酸水溶液(希塩酸)または硫酸水溶液(希硫酸)を用いるのが好ましい。
【0050】
検査水に対する酸の添加量は、この工程での反応が円滑かつ安定に進行するように検査水を酸性に調整可能なように設定するのが好ましく、通常、検査水のpHが3以下になるように設定するのが好ましく、0〜1.5になるよう設定するのが特に好ましい。
【0051】
ここで、酸は、塩化バナジウム(III)の溶媒として検査水へ添加するのが好ましい。すなわち、検査水は、塩化バナジウム(III)の酸溶液を添加することで酸性に調整するのが好ましい。この際、酸としては、希塩酸または希硫酸を用いるのが特に好ましい。工程2の終了後の検査水のpH値によっては、そこに塩化バナジウム(III)を添加すると水酸化バナジウムとして析出してしまうことがあるが、塩化バナジウム(III)を酸溶液として添加すると、このような問題が発生せず、添加した塩化バナジウム(III)は硝酸イオンを安定に還元することができる。
【0052】
なお、塩化バナジウム(III)は、既述の精製水を用いて調製した水溶液として検査水へ添加することもできるが、この場合、検査水に対する酸の添加時期は、塩化バナジウム(III)の水溶液を添加する前が好ましい。このようにすることで、上述のような水酸化バナジウムの析出を抑えることができる。
【0053】
ジアゾ化試薬の添加時期は、検査水に対する塩化バナジウム(III)の酸溶液または酸の添加前であってもよいし、添加後であってもよく、特に限定されない。
【0054】
この工程での反応のための加熱温度は、通常、60〜100℃に設定するのが好ましい。加熱温度が60℃未満の場合は、検査水に含まれる硝酸イオンが亜硝酸イオンに還元されにくい場合がある。反応に要する時間は、加熱温度により変動し、加熱温度を高めるほどに短縮することができるが、通常、5〜120分程度である。
【0055】
この工程において、硝酸イオンの還元により生成した亜硝酸イオンは、酸により調整された酸性下においてジアゾ化試薬と反応し、ジアゾニウム塩を生成する。これにより、ジアゾ化試薬の添加により着色した検査水は、ジアゾ化試薬が亜硝酸イオンとの反応により消費されることでジアゾ化試薬自体による着色が退色するようになる。
【0056】
次に、工程3を経た検査水の吸光度を測定する(工程4)。ここで測定する吸光度は、検査水に残留しているジアゾ化試薬が検査水に付与している着色の吸光度、すなわち、ジアゾ化試薬そのものが検査水に付与する着色の吸光度である。ジアゾ化試薬による着色は、ジアゾ化試薬が検査水中の亜硝酸イオンとの反応で消費されるに従って着色強度が低下する。このため、ここで測定する吸光度と検査水におけるジアゾ化試薬濃度および亜硝酸イオン濃度とは相関性を有する。ここで測定する吸光度の測定波長は、ジアゾ化試薬が検査水に付与する着色の極大吸収波長またはその付近の波長であり、使用するジアゾ化試薬の種類により異なるため特定されるものではないが、通常は250〜600nmの範囲にある。なお、工程2で用いるりん系還元剤およびそれが工程2で反応することによる生成物は、この波長領域に吸収を持たないため、吸光度の測定に影響しにくい。
【0057】
この工程では、この工程で測定する吸光度と亜硝酸イオン濃度との関係を予め調べて作成しておいた検量線に基づいて、吸光度の測定値から検査水の亜硝酸イオン量を判定する。ここで作成する検量線は、この工程で測定する吸光度と亜硝酸イオン濃度との間の直線関係が比較的高濃度の亜硝酸イオン濃度の範囲まで良好に成立することから、検査水に含まれる亜硝酸イオンの定量可能範囲がJIS法等の従来法で可能な範囲よりも広い0〜53mg[NO]/Lの範囲になる。
【0058】
検査水の全窒素濃度は、工程4で得られた亜硝酸イオンの定量結果から換算することで求めることができる。工程4での亜硝酸イオンの上述の定量可能範囲は、全窒素換算で0〜16mg[N]/Lの広範囲に相当する。したがって、本発明の定量方法は、窒素化合物を含む検査水の全窒素濃度を測定するための方法として有効である。
【0059】
本発明の定量方法では、工程1を経た検査水に残留するペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩を工程2において分解しているため、工程1での加熱時間は、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩の分解を考慮して長めに設定する必要がなく、既述のように、検査水に含まれる窒素化合物の全量を十分に酸化分解できる程度の短時間に抑えることができる。このため、本発明による全窒素の定量に要する時間は、各工程での加熱温度により変動する(各工程は、加熱温度を高めるほどに短縮することができる)ものの、通常、作業開始から40〜200分程度の短時間に抑えることができる。
【0060】
本発明の定量方法は、工程4の前に、工程3を経た検査水のpHが7より大きくなるよう調整する工程(工程4’)をさらに含むのが好ましい。工程4において測定する吸光度は、検査水のpHが7以下のとき、pH値により数値が異なる場合があることから亜硝酸イオンの定量結果に多少の誤差を生じさせる可能性があるが、このような調整をすると、工程4において測定する吸光度はpHの影響による測定誤差が小さくなるため、亜硝酸イオン濃度の定量精度をより高めることができる。
【0061】
検査水のpHは、通常、工程3の終了後の検査水へアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩若しくは炭酸水素塩などのアルカリ化合物またはその水溶液を添加することで調整することができるが、通常は水酸化ナトリウム水溶液を添加することで調整するのが好ましい。
【0062】
本発明の定量方法において、工程3で生成したジアゾニウム塩は、それを形成するジアゾニウムイオンのジアゾニオ基(−N)が容易に分解され、その基がヒドロキシル基(−OH)に変換された化合物(以下、変換化合物という場合がある。)を生成する傾向にある。特に、工程3は、加熱下で実行することから、このような変換化合物の生成が進行しやすい。例えば、ジアゾ化試薬として1−アミノアントラキノンを用いた場合、そのジアゾニウムイオンのジアゾニオ基がヒドロキシル基に変換され、変換化合物として1−ヒドロキシアントラキノンが生成する。生成した変換化合物のヒドロキシル基は、ジアゾ化試薬のアミノ基(−NH)と同様に非共有電子対を有することから、それが結合している芳香族構造部分と共役系を形成する。このため、変換化合物は、ジアゾ化試薬の極大吸収波長の近接波長に極大吸収波長を有する別の色素として検査水を着色し、工程4において測定する吸光度に影響する可能性がある。例えば、1−アミノアントラキノンによる着色の吸光スペクトルでは480nm付近が極大吸収波長になるが、変換化合物である1−ヒドロキシアントラキノンによる着色の吸光スペクトルでは極大吸収波長が400nm付近になる。このため、工程4において、発光ダイオードのような光源を用いて吸光度を測定するとき、当該光源からは波長幅を持った光が照射されることになるため、目的の吸光度の測定において変換化合物による検査水の着色が障害になりやすい。
【0063】
そこで、本発明の定量方法の工程3では、検査水へ塩化バナジウム(III)およびジアゾ化試薬とともに、アルコール系化合物並びに次亜りん酸およびその塩からなる化合物群から選択された少なくとも1種の化合物(以下、「添加剤」という場合がある。)を添加するのが好ましい。このような添加剤を添加した場合、工程3において生成したジアゾニウム塩のジアゾニウムイオンは、ジアゾニオ基が水素原子へ速やかに還元されることで変換化合物とは別の化合物に変換される。例えば、ジアゾ化試薬が1−アミノアントラキノンの場合、この工程では、1−ヒドロキシアントラキノンの生成が抑えられ、代わりにアントラキノンが生成する。この別の化合物は、ジアゾニオ基の還元による水素原子が芳香族構造部分の共役系に関与しないことから検査水を着色しにくく、工程4での吸光度の測定に影響しにくい。
【0064】
添加剤として利用可能なアルコール系化合物としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンなどを挙げることができる。また、次亜りん酸塩としては、工程2で用いるりん系還元剤として挙げたものと同様のものを用いることができるが、次亜りん酸ナトリウム、次亜りん酸カリウムおよび次亜りん酸カルシウム並びにこれら次亜りん酸塩の水和物のうちの1つを用いるのが特に好ましい。
【0065】
なお、工程2においてりん系還元剤として次亜りん酸塩を選択し、かつ、その添加量を過剰に設定した場合、工程2を経た検査水に残留する次亜りん酸塩が変換化合物の生成を抑制し得る。
【0066】
添加剤は、通常、溶媒に溶解した溶液として検査水に添加するのが好ましい。溶媒としては、例えば、既述の精製水およびジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、添加剤は、検査水を酸性に設定するために用いられる酸やその水溶液の溶液として検査水へ添加することもできる。さらに、ジアゾ化試薬をアルコール類に溶解した溶液として検査水へ添加する場合、溶媒として用いるアルコール類を添加剤として用いることもできる。
【0067】
検査水への添加剤の添加量は、工程3での反応により生成するジアゾニウム塩のジアゾニウムイオンの全量を還元するのに十分な量に設定するのが好ましく、通常、検査水へ添加するジアゾ化試薬量と少なくとも等モルになるよう設定するのが好ましい。
【0068】
本発明の定量方法において用いられる各種の水溶液は、既述の精製水を用いて調製することが明記されている以外のものについても、既述の精製水を用いて調製したものを用いるのが好ましい。
【0069】
本発明の定量方法では、工程1および2からなる検査水の前処理をした後、工程3において検査水へ塩化バナジウム(III)とジアゾ化試薬とを同時に添加して加熱しているが、検査水の全窒素の定量に当たり、前処理後の検査水に対する工程3は、塩化バナジウム(III)を添加することで硝酸イオンを亜硝酸イオンへ還元する工程と、この工程を経た検査水へジアゾ化試薬を添加し、生成した亜硝酸イオンとジアゾ化試薬とを反応させる工程とに分けて実行することもでることもできる。したがって、本発明の前処理方法は、このような方法による全窒素の定量において用いることもできる。また、本発明の前処理方法は、工程2を経た検査水に含まれる硝酸イオンを定量することで全窒素を定量する場合においても用いることができる。
【実施例】
【0070】
試薬および分光光度計
以下の実施例等で用いた試薬および分光光度計は次のものである。
亜硝酸性窒素標準液(イオンクロマトグラフ用):和光純薬工業株式会社 コード147−06341
10重量%塩酸:和光純薬工業株式会社 コード085−07535
1mol/L塩酸:和光純薬工業株式会社 コード083−01095
10w/v%水酸化ナトリウム溶液:和光純薬工業株式会社 コード191−11555
1mol/L水酸化ナトリウム溶液:和光純薬工業株式会社 コード192−02175
0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液:上記の1mol/L水酸化ナトリウム溶液を蒸留水で5倍に希釈したもの。
0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液:上記の1mol/L水酸化ナトリウム溶液を蒸留水で10倍に希釈したもの。
1mol/L硫酸:和光純薬工業株式会社 コード198−09595
1mol/L塩化ナトリウム水溶液:和光純薬工業株式会社製の塩化ナトリウム(コード191−01665)を蒸留水に溶解して濃度調整したもの。
塩化バナジウム(III):シグマアルドリッチジャパン株式会社 コード208272
L−グルタミン酸:和光純薬工業株式会社 コード074−00505
硫酸アンモニウム:和光純薬工業株式会社 コード019−03435
ペルオキソ二硫酸カリウム:和光純薬工業株式会社 コード169−11891
水酸化ナトリウム−ペルオキソ二硫酸カリウム溶液:日本工業規格 JIS K0102「工場排水試験方法(2008)」の45.2「紫外吸光光度法」、a)試薬、4)の記載に従って調製したもの。ここで用いた水酸化ナトリウムは、和光純薬工業株式会社製の窒素測定用(コード 191−08625)であり、また、ペルオキソ二硫酸カリウムは上記のものである。
亜りん酸水素二ナトリウム五水和物:和光純薬工業株式会社 コード191−02905
次亜りん酸ナトリウム一水和物:和光純薬工業株式会社 コード193−02225
1−プロパノール:和光純薬工業株式会社 コード162−04816
ジメチルスルホキシド(試薬特級):和光純薬工業株式会社 コード043−07216
1−アミノアントラキノン:東京化成工業株式会社 コードA0590
2−ニトロアニリン:東京化成工業株式会社 コードN0118
p−ニトロアニリン:東京化成工業株式会社 コードN0119
4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム:東京化成工業株式会社 コードA0375
2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノン:東京化成工業株式会社 コードA0315
1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム:東京化成工業株式会社 コードA0279
スルファニルアミド(試薬特級):和光純薬工業株式会社 コード191−04502
ナフチルエチレンジアミン(窒素酸化物測定用):和光純薬工業株式会社 コード147−04141
分光光度計:株式会社島津製作所の商品名「UV−1600PC」
【0071】
実施例1
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を用意した。亜硝酸イオン濃度が0mg[N]/Lの亜硝酸イオン溶液は蒸留水をそのまま用い、また、他の亜硝酸イオン溶液は亜硝酸性窒素標準液を蒸留水で希釈することで亜硝酸イオン濃度を調整した。
【0072】
(検量線の作成)
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対し、1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.5g/L)1.0mL、10重量%塩酸1.15mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.2に設定した。ここで蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を93℃で10分間加熱した後、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図1に示す。
【0073】
次に、測定した吸光スペクトルから、1−アミノアントラキノンによる発色波長である480nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。各濃度の亜硝酸イオン溶液の吸光度を表1に示し、また、表1に基づいて作成した検量線を図2に示す。表1において、吸光度の変化量は、亜硝酸イオン濃度が0.0mg[N]/Lの亜硝酸イオン溶液の吸光度を基準とした場合の変化量(減少量)である。図2によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜12.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0074】
【表1】

【0075】
(評価)
日本工業規格 JIS K0808 水質監視用全窒素自動計測器(2008)の6.2.4に記載された、L−グルタミン酸および硫酸アンモニウムを窒素換算濃度(mg[N]/L)で同量ずつ含む標準試料原液を調製し、これを希釈することで全窒素濃度が6.0および12.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を用意した。
【0076】
各検査水試料に含まれるL−グルタミン酸および硫酸アンモニウムを日本工業規格 JIS K 0102「工場排水試験方法(2008)」の45.2「紫外吸光光度法」に記載の方法を参照して酸化分解した。より具体的には、同法の「c)操作」の1)〜4)に記載の方法により、水酸化ナトリウム−ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を用い、各検査水試料のL−グルタミン酸および硫酸アンモニウムを酸化分解した。但し、加熱条件は、95℃、35分に変更した。
【0077】
次に、酸化分解処理を施した各検査水試料3.0mLに対し、亜りん酸水素二ナトリウム五水和物の10重量%塩酸溶液(水分子を含めた亜りん酸水素二ナトリウム五水和物濃度10g/L)を1.0mL添加し、pHを0.2に設定した。そして、各検査水試料を93℃で10分間加熱した。続いて、各検査水試料に対して検量線の作成において用いたものと同じ1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液1.0mLと塩化バナジウム(III)の10重量%塩酸溶液(塩化バナジウム(III)濃度10.0g/L)0.15mLとを添加し、pHを0.2に設定した後、各検査水試料を93℃で10分間さらに加熱した。加熱終了後の各検査水試料について、480nmの吸光度を測定し、この吸光度から作成した検量線に基づいて各検査水試料の亜硝酸イオン濃度を判定した。結果を表2に示す。
【0078】
なお、表2のFS誤差は、フルスケール誤差の意味であり、検査水試料の全窒素濃度と検査水試料について判定した亜硝酸イオン濃度との差をレンジ幅(検量線を作成した亜硝酸イオン濃度の幅であり、本実施例では12mg[N]/Lである。)で除した値である。
【0079】
【表2】

【0080】
実施例2
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0081】
(検量線の作成)
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対し、2−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.5mL、1mol/L塩酸0.4mLおよび蒸留水0.4mLを添加し、pHを0.9に設定した。ここで蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を97℃で10分間加熱した後、反応液の315〜515nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図3に示す。
【0082】
次に、測定した吸光スペクトルから、2−ニトロアニリンによる発色波長である415nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。各濃度の亜硝酸イオン溶液の吸光度を表3に示し、また、表3に基づいて作成した検量線を図4に示す。表3に表示した吸光度の変化量は、表1と同様のものである。図4によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜6.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0083】
【表3】

【0084】
(評価)
全窒素濃度が2.0および6.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様の方法で用意した。
【0085】
各検査水試料を実施例1と同様の方法で酸化分解処理した。そして、酸化分解処理後の各検査水試料2.4mLに対し、次亜りん酸ナトリウム一水和物の1mol/L塩酸溶液(水分子を含めた次亜りん酸ナトリウム一水和物濃度5.0g/L)を0.2mL添加し、pHを1.1に設定した。そして、各検査水試料を97℃で10分間加熱した。続いて、各検査水試料に対して検量線の作成において用いたものと同じ2−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液0.5mLと塩化バナジウム(III)の1mol/L塩酸溶液(塩化バナジウム(III)濃度10.0g/L)0.2mLとを添加し、pHを0.9に設定した。そして、各検査水試料を97℃で10分間加熱した。加熱終了後の各検査水試料について415nmの吸光度を測定し、この吸光度から作成した検量線に基づいて各検査水試料の亜硝酸イオン濃度を判定した。結果を表4に示す。表4において、FS誤差は実施例1と同様の意味である(但し、レンジ幅は6mg[N]/Lである。)。
【0086】
【表4】

【0087】
実施例3
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0088】
(検量線の作成)
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対し、p−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.4mL、1mol/L塩酸0.3mL、1mol/L硫酸と1mol/L塩化ナトリウム水溶液とを同量ずつ混合した溶媒0.3mLおよび蒸留水0.4mLを添加し、pHを0.8に設定した。ここで、硫酸と塩化ナトリウム水溶液との混合溶媒および蒸留水を添加したのは、亜硝酸イオン溶液の量を後記する評価において吸光度を測定する検査水試料の量と一致させるためである。この亜硝酸イオン溶液を93℃で10分間加熱した後、反応液の280〜480nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図5に示す。
【0089】
次に、測定した吸光スペクトルから、p−ニトロアニリンによる発色波長である380nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。各濃度の亜硝酸イオン溶液の吸光度を表5に示し、また、表5に基づいて作成した検量線を図6に示す。表5に表示した吸光度の変化量は、表1と同様のものである。図6によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜6.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0090】
【表5】

【0091】
(評価)
全窒素濃度が2.0および6.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様にして用意した。
【0092】
各検査水試料を実施例1と同様の方法で酸化分解処理した。そして、酸化分解処理後の各検査水試料2.4mLに対し、亜りん酸水素二ナトリウム五水和物溶液(水分子を含めた亜りん酸水素二ナトリウム五水和物濃度30g/L)を0.3mL添加してpHを1.0に設定し、各検査水試料を93℃で10分間加熱した。ここで用いた亜りん酸水素二ナトリウム五水和物溶液は、1mol/L硫酸と1mol/L塩化ナトリウム水溶液とを同量ずつ混合した溶媒に亜りん酸水素二ナトリウム五水和物の所定量を溶解することで調製したものである。続いて、各検査水試料に対して検量線の作成において用いたものと同じp−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液0.4mLと塩化バナジウム(III)の1mol/L塩酸溶液(塩化バナジウム(III)濃度10.0g/L)0.3mLとを添加し、pHを0.8に設定した。そして、各検査水試料を93℃で10分間加熱した後、反応液について380nmの吸光度を測定し、この吸光度から作成した検量線に基づいて各検査水試料の亜硝酸イオン濃度を判定した。結果を表6に示す。表6において、FS誤差は実施例1と同様の意味である(但し、レンジ幅は6mg[N]/Lである。)。
【0093】
【表6】

【0094】
参考例1
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0095】
(検量線の作成)
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対し、1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.0mL、塩化バナジウム(III)の10重量%塩酸溶液(塩化バナジウム(III)濃度10.0g/L)0.15mL、次亜りん酸ナトリウム一水和物の10重量%塩酸溶液(水分子を含めた次亜りん酸ナトリウム一水和物濃度5g/L)1.0mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.2に設定した。pHが上記のように設定された亜硝酸イオン溶液を95℃で10分間加熱した後、反応液の350〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図7に示す。
【0096】
次に、測定した吸光スペクトルから、1−アミノアントラキノンによる発色波長である480nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。各濃度の亜硝酸イオン溶液の吸光度を表7に示し、また、表7に基づいて作成した検量線を図8に示す。表7に表示した吸光度の変化量は、表1と同様のものである。図8によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜12.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0097】
【表7】

【0098】
(評価)
全窒素濃度が4.0および12.0mg[N]/Lの2種類の検査水試料を実施例1と同様にして用意した。
【0099】
0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液にペルオキソ二硫酸カリウムを溶解し、ペルオキソ二硫酸カリウム濃度が30g/Lの溶液を調製した。各検査水試料2.5mLに対して調製した溶液を0.5mLずつ添加し、各検査水試料を95℃で60分間加熱した。続いて、検量線の作成において用いたものと同じ1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液1.0mL、塩化バナジウム(III)の10重量%塩酸溶液0.15mLおよび次亜りん酸ナトリウム一水和物の10重量%塩酸溶液1.0mLを添加し、pHを0.2に設定した。そして、各検査水試料を95℃で10分間加熱した後、反応液について480nmの吸光度を測定し、この吸光度から作成した検量線に基づいて各検査水試料の亜硝酸イオン濃度を判定した。結果を表8に示す。表8において、FS誤差は実施例1と同様の意味である(レンジ幅も実施例1と同じく12mg[N]/Lである。)。
【0100】
【表8】

【0101】
参考例2
[参考例2A]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0、6.0、8.0、10.0および12.0mg[N]/Lの7種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0102】
(検量線の作成)
用意した7種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.2g/L)2.0mLを添加し、さらに10重量%塩酸0.5mLを添加してpHを0.6に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で15分間放置して反応させた後、反応液の282〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図9に示す。
【0103】
次に、測定した吸光スペクトルから1−アミノアントラキノンによる発色波長である480nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図10に示す。図10によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜12.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0104】
[参考例2B]
pHを0.6に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で15分間放置して反応させた後、反応液に10w/v%水酸化ナトリウム溶液0.6mLをさらに加えてpHを12.4に調整してから吸光スペクトルを測定した点を除いて参考例2Aと同様に操作し、検量線を作成した。吸光スペクトルの測定結果を図11に示し、検量線を図12に示す。図12によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜12.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0105】
[参考例2C]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、2.0、4.0および6.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0106】
(検量線の作成)
用意した4種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して2−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.5mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.2に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液の240〜500nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図13に示す。
【0107】
次に、測定した吸光スペクトルから2−ニトロアニリンによる発色波長である410nmの吸光度を抽出し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図14に示す。図14によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜6.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0108】
[参考例2D]
pHを1.2に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.4mLをさらに加えてpHを12.7に調整してから吸光スペクトルを測定した点を除いて参考例2Cと同様に操作し、検量線を作成した。吸光スペクトルの測定結果を図15に示し、検量線を図16に示す。図16によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜6.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0109】
[参考例2E]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、0.5、1.0、1.5および2.0mg[N]/Lの5種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0110】
(検量線の作成)
用意した5種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対して4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムの水溶液(濃度0.6g/L)0.2mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.1に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、この反応液について4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムによる発色波長である370nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図17示す。図17によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜2.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0111】
[参考例2F]
pHを1.1に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で10分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.4mLをさらに加えてpHを12.9に調整してから4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウムによる発色波長である370nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Eと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図18に示す。図18によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜2.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0112】
[参考例2G]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、1.0、2.0、3.0、4.0および5.0mg[N]/Lの6種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0113】
(検量線の作成)
用意した6種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.0mLに対してp−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.33g/L)0.3mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.5mLを添加してpHを0.7に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、この反応液についてp−ニトロアニリンによる発色波長である380nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図19に示す。図19によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜5.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0114】
[参考例2H]
pHを0.7に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.7mLをさらに加えてpHを12.8に調整してからp−ニトロアニリンによる発色波長である380nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Gと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図20に示す。図20によると、この検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜5.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0115】
[参考例2I]
(亜硝酸イオン溶液の調製)
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0、12.0および16.0mg[N]/Lの5種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。
【0116】
(検量線の作成)
用意した5種類の亜硝酸イオン溶液のそれぞれ2.5mLに対して2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.5mLを添加し、さらに1mol/L塩酸0.2mLを添加してpHを1.3に設定した。この亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、この反応液について2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンによる発色波長である520nmの吸光度を測定し、この吸光度から亜硝酸イオン濃度を判定するための検量線を作成した。結果を図21に示す。図21によると、作成した検量線は、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜16.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0117】
[参考例2J]
pHを1.3に調整した亜硝酸イオン溶液を25℃で5分間放置して反応させた後、反応液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.5mLをさらに加えてpHを12.8に調整してから2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンによる発色波長である560nmの吸光度を測定した点を除いて参考例2Iと同様に操作し、検量線を作成した。結果を図22に示す。図22によると、作成した検量線は、いずれも、少なくとも亜硝酸イオン濃度が0〜16.0mg[N]/Lの範囲で高い直線性を示している。
【0118】
比較例1
亜硝酸イオン濃度が0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9および1.0mg[N]/Lの11種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で用意した。そして、各亜硝酸イオン溶液に対して日本工業規格 JIS K 0102、工場排水試験方法(2008)43.1.1(非特許文献1)に規定されたナフチルエチレンジアミン吸光光度法を適用し、540nmの吸光度と亜硝酸イオン濃度との関係を調べた。結果を図23に示す。
【0119】
図23によると、亜硝酸イオン濃度の定量可能範囲は0〜0.3mg[N]/Lの範囲に止まり、本法で高濃度の亜硝酸イオンを定量することはできないことがわかる。
【0120】
参考例3
[参考例3A]
実施例1と同様にして亜硝酸イオン濃度が12.0mg[N]/Lの亜硝酸イオン溶液を調製した。調製した亜硝酸イオン溶液を3本の試験管A、BおよびCのそれぞれに2.5mLずつ入れ、各試験管の亜硝酸イオン溶液へ1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.5g/L)1.0mLを加えた。また、10重量%塩酸を0.5mLずつ添加し、pHを0.5に設定した。そして、ブロックヒーターを用いて各試験管を下記の条件で加熱した後、360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図24に示す。なお、図24には、試験管Aについて、1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液を添加直後であって加熱前に同様の吸光スペクトルを測定した結果(ブランク)を併せて示している。
【0121】
試験管A:95℃で10分間
試験管B:95℃で30分間
試験管C:85℃で10分間
【0122】
図24によると、加熱後の試験管A〜Cについての吸光スペクトルは、1−アミノアントラキノンによる発色波長である480nmに近い440〜470nm付近において不一致が生じている(図24の一点鎖線枠内)。これは、480nm付近を中心として発光波長に幅のある発光ダイオードや同様に感度波長に幅のあるフォトトランジスタを用いて1−アミノアントラキノンによる着色の吸光度を測定しようとする場合、加熱温度や加熱時間の変動により吸光度の測定結果が変動することを意味し、亜硝酸イオンの定量結果が不正確になる可能性があることを示している。
【0123】
[参考例3B]
1−アミノアントラキノンのジメチルスルホキシド溶液を1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液(濃度0.5g/L)に変更した点を除いて参考例3Aと同様に操作し、360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図25に示す。なお、図25には、試験管Aについて、1−アミノアントラキノンの1−プロパノール溶液を添加直後であって加熱前に同様の吸光スペクトルを測定した結果(ブランク)を併せて示している。
【0124】
図25によると、加熱後の試験管A〜Cについての吸光スペクトルは、1−アミノアントラキノンによる発色波長である480nmに近い440〜470nm付近においても略一致している(図25の一点鎖線枠内)。これは、480nm付近を中心として発光波長に幅のある発光ダイオードや同様に感度波長に幅のあるフォトトランジスタを用いて1−アミノアントラキノンによる着色の吸光度を測定しようとする場合においても、加熱温度や加熱時間の変動により吸光度の測定結果が実質的に変動しないことを意味し、信頼性の高い亜硝酸イオンの定量結果が得られることを示している。
【0125】
[参考例3C]
亜硝酸イオン濃度が0.0、4.0、8.0および12.0mg[N]/Lの4種類の亜硝酸イオン溶液を実施例1と同様の方法で調製した。調製した4種類の亜硝酸イオン溶液2.0mLを個別の試験管に入れ、各試験管を90℃のブロックヒーターに装着した。そして、各試験管へ1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムの水溶液(濃度1.0g/L)0.8mL、10重量%塩酸水溶液0.5mLおよび蒸留水0.5mLを添加し、pHを0.5に設定した。ブロックヒーターによる亜硝酸イオン溶液の加熱温度を95℃に変更して15分間反応させた後、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図26に示す。
【0126】
図26によると、亜硝酸イオン溶液の濃度が異なることで420〜540nmの範囲での極大吸収波長が変動している。これは、測定された吸光スペクトルにおいて、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムによる着色の吸光スペクトルと、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムからジアゾニウム塩を経由して生成したヒドロキシ体(1−ヒドロキシ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム)の吸光スペクトルとが融合した状態で現れているためと考えられる。特に、亜硝酸イオン濃度が高いほど極大吸収波長が低波長側へ移動しているのは、亜硝酸イオン濃度が高いためにヒドロキシ体の生成量が相対的に多くなるためと考えられる。
【0127】
[参考例3D]
蒸留水0.5mLに替えて水分子を含めた次亜りん酸ナトリウム一水和物濃度を10g/Lに設定した次亜りん酸ナトリウム一水和物水溶液0.5mLを試験管へ加えた点を除いて参考例3Cと同様に操作し、反応液の360〜600nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図27に示す。
【0128】
図27によると、亜硝酸イオン濃度が異なる場合であっても、亜硫酸イオン濃度が12.0mg[N]/Lの場合を除いて420〜540nmの範囲での極大吸収波長は略一定している。これは、次亜りん酸ナトリウム一水和物水溶液を用いることで実験例3Cのようなヒドロキシ体の生成が抑制され、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムによる着色の吸光スペクトルが安定に得られたためと考えられる。
【0129】
参考例4
[参考例4A]
蒸留水2.5mL対してジアゾ化試薬であるp−ニトロアニリンのジメチルスルホキシド溶液(濃度0.3g/L)0.15mLを添加したジアゾ化試薬水溶液を4つ用意し、このうちの3つのそれぞれに1mol/L塩酸を0.03mL、0.06mLおよび0.09mL添加することで水素イオン濃度を0.011mol/L、0.022mol/Lおよび0.033mol/Lに調整した3種類の溶液を調製した。これらの溶液を25℃で5分間放置した後、290〜480nmの吸光スペクトルを測定した。結果を図28に示す。図28には、1mol/L塩酸を添加していないジアゾ化試薬水溶液のみについて同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
【0130】
[参考例4B]
参考例4Aで用意したものと同様のジアゾ化試薬水溶液を4つ用意し、このうちの3つのそれぞれに1mol/L塩酸に替えて1mol/L水酸化ナトリウム溶液を0.03mL、0.06mLおよび0.09mL添加することでpHを7以上に調整した3種類の溶液を調整した。これらの溶液について、参考例4Aと同様の条件で放置した後に吸光スペクトルを測定した。結果を図29に示す。図29には、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加していないジアゾ化試薬水溶液のみについて同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
【0131】
[参考例4C]
参考例4Aと同様にして水素イオン濃度を調整した3種類の溶液を調製し、これらの溶液を25℃で5分間放置した。その後、それぞれの溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.15mLを添加し、pHをそれぞれ12.6、12.5および12.3に調整した3種類の溶液を調製した。これらの溶液について、参考例4Aと同様に吸光スペクトルを測定した結果を図30に示す。図30には、参考例4Aで用意したものと同じジアゾ化試薬水溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液0.15mLのみを添加することでpHを12.7に調整した溶液について、同様の吸光スペクトルを測定した結果を併せて示している。
【0132】
[参考例4A〜4Cの説明]
参考例4Aに関する図28は、吸光スペクトルを測定した溶液の水素イオン濃度が異なることで、ジアゾ化試薬であるp−ニトロアニリンの濃度が同じであっても極大吸収波長の吸光度が異なることを示している。より具体的には、溶液の水素イオン濃度が0.011mol/L増加する毎に、極大吸収波長の吸光度は約5%低下することを示している。これに対し、参考例4Bに関する図29は、ジアゾ化試薬水溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを7以上に設定すれば、p−ニトロアニリンの濃度が同じ溶液において極大吸収波長の吸光度に大きな変化が生じないことを示している。そして、参考例4Cに関する図30は、1mol/L塩酸を添加することで水素イオン濃度を高めた溶液は、1mol/L水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを7以上に調整してから吸収スペクトルを測定すると、極大吸収波長の吸光度に殆ど変化が生じないことを示している。
【0133】
以上の結果より、検査水の亜硝酸イオンを定量するときは、ジアゾ化試薬の反応後の検査水のpHを7以上に調整してから吸光度を測定するのが好ましいものと考えられる。
【0134】
参考例5
濃度が6g/Lのペルオキソ二硫酸カリウム水溶液を調製し、これを3本の試験管A、BおよびCのそれぞれに2.5mLずつ取り分けた。試験管Aの水溶液は、1mol/L硫酸を1.0mL添加することでpHを1に調整した。試験管Bの水溶液は、蒸留水を1.0mL添加することでpHを7に調整した。試験管Cの水溶液は、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を1.0mL添加することでpHを12に調整した。このようにpH調整された各試験管の水溶液について、220nmの吸光度(吸光度A)を測定した。
【0135】
次に、各試験管を90℃のブロックヒータに差し込んで所定時間加熱した後に急冷し、220nmの吸光度(B)を測定した。そして、下記の式により、加熱下でのペルオキソ二硫酸カリウムの自己分解率を算出した。加熱時間と自己分解率との関係を調べた結果を図31に示す。
【0136】
【数1】

【0137】
図31によると、ペルオキソ二硫酸カリウム水溶液は、ハロゲン化物イオンが存在しない環境下であっても、pHを酸性域に調整した場合に短時間でペルオキソ二硫酸カリウムが自己分解することがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査水の全窒素を定量するための方法であって、
前記検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、
工程1を経た前記検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2と、
工程2を経た検査水に対し、塩化バナジウム(III)と、亜硝酸イオンとの反応によりジアゾニウム塩を生成可能なジアゾ化試薬とを添加し、酸性下において加熱する工程3と、
工程3を経た前記検査水について、前記ジアゾ化試薬による着色の吸光度を測定することで亜硝酸イオン濃度を測定する工程4とを含み、
前記ジアゾ化試薬として、オルト位若しくはパラ位にケトン基若しくはニトロ基を有する芳香族第一級アミン化合物を用いる、
全窒素の定量方法。
【請求項2】
工程1において、前記検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する、請求項1に記載の全窒素の定量方法。
【請求項3】
工程4の前に、工程3を経た前記検査水のpHが7より大きくなるよう調整する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の全窒素の定量方法。
【請求項4】
工程3において、前記塩化バナジウム(III)および前記ジアゾ化試薬とともに、前記検査水に対してアルコール系化合物並びに次亜りん酸およびその塩からなる化合物群から選択された少なくとも1種の化合物をさらに添加する、請求項1から3のいずれかに記載の全窒素の定量方法。
【請求項5】
前記芳香族第一級アミン化合物が1−アミノアントラキノン、2−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ニトロアニリン、2−アミノ−3−ヒドロキシアントラキノンおよび1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムのうちの1つである、請求項1から4のいずれかに記載の全窒素の定量方法。
【請求項6】
検査水の全窒素を定量するための、前記検査水の前処理方法であって、
前記検査水へペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を添加し、アルカリ性下において加熱する工程1と、
工程1を経た前記検査水へ亜りん酸およびその塩並びに次亜りん酸およびその塩のうちの少なくとも1種を添加し、ハロゲン化物イオンが存在する酸性下において加熱する工程2と、
を含む全窒素定量のための検査水の前処理方法。
【請求項7】
工程1において、前記検査水を90℃から沸騰温度までの温度で加熱する、請求項6に記載の検査水の前処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−53969(P2013−53969A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193441(P2011−193441)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】