説明

全粒穀粉及びその製造方法並びにそれを使用した食品

【課題】全粒穀粉を効率的に製造する方法及び美味な食品を製造することができる全粒穀粉を提供すること。
【解決手段】小麦、ライ麦及びライ小麦からなる群から選ばれるイネ科の頴果に加水した後、ふすまの水分含有量が11質量%以下となるように乾燥して粉砕することを特徴とする全粒穀粉の製造方法である。また、全粒穀粉の100質量%が目開き450μmの篩いを通過し、さらに96質量%が目開き250μmの篩いを通過することを特徴とする前記方法により製造した全粒穀粉である。さらに、前記全粒穀粉を使用した食品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全粒穀粉及びその製造方法並びにそれを使用した食品に関する。
【背景技術】
【0002】
日本人の栄養素摂取量は、第二次世界大戦後の食生活の変化に伴って大幅に変化した。
その結果、脂質などが過剰に摂取されるようになった反面、食物繊維は減少し、栄養素のバランスが良いとはいえない。
食物繊維摂取目安量は男性で約25g/日、女性で約20g/日だが、実際の摂取量はその60〜70質量%程度にとどまっている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
食物繊維には、数々の疾病予防効果などがあり、代表的な機能は以下のとおりである。
1.腸の顫動運動を活発にし、排便をスムーズにする。
2.排便量と排便回数を多くし、腸疾患の予防に寄与する。
3.咀嚼回数を増し、唾液分泌量も増加させることで、食事の満足感を得やすくする。
4.糖の吸収速度を緩やかにすることで、糖尿病などの予防及び治療効果を持つ。
5.食品中の有害物質の吸収を阻害する。
6.コレステロールの再吸収及び脂質の吸収を抑制する。
7.腸内細菌叢を改善する。
【0004】
健康の維持向上の面からは、食物繊維の摂取量を増加させる必要がある。
食物繊維の摂取量を増すにはいくつか方法があるが、主食たる穀物由来食品に玄米や全粒小麦粉などを使用すれば、比較的多量の食物繊維を継続的に摂取できるために効果が高い。
具体的な食物繊維含有量は、例えば全粒小麦粉で11.2質量%であり、小麦粉の2.5〜2.8質量%と比べて明らかに多い(例えば非特許文献1参照)。
【0005】
食物繊維の摂取のために、欧米諸国では小麦やライ麦などの全粒穀粉を使用したパン、パスタ、菓子などの食品が製造され、広く摂食されている。
日本でも、全粒小麦粉を使った食品は一部で利用されているが、その量は極めて限定されており、国民の食物繊維摂取量を引き上げるには至っていない。
全粒穀粉を使った食品が好まれないのは、食感や食味が劣り、外観も悪くなるためである。
食物繊維増量のために小麦ふすまなどを食品に加える場合もあるが、全粒穀粉と同様の欠点により、広く受け入れられるには至っていない。
【0006】
小麦やライ麦、ライ小麦の全粒穀粉は、ロール式や臼式、衝撃式などの粉砕機により製造される。
それら穀物のふすまは、胚乳部と比較すると極めて粉砕されにくい。
粉砕された胚乳の粒径が概ね200μm以下であるのに対し、大部分のふすまの粒径は500μm〜2.5mmである。
ふすまの粒度分布をさらに細かくしたい場合、ふすま主体の粗い部分のみを篩い分け、ハンマーミルなどで再粉砕する方法が採られるが、その場合も最大粒径は1mmの目開きを抜ける程度が目安となる(例えば非特許文献3参照)。
【0007】
全粒穀粉中のふすまをさらに細かく粉砕するのに、ふすま部分を焼成した後に粉砕する方法が知られているが、その場合にも最大粒径は500μmを抜ける程度にとどまる(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−204411号公報
【非特許文献1】厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準(2005年版) 平成16年11月22日、インターネット〈URL=http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2a.html>
【非特許文献2】科学技術庁資源調査会編、「五訂日本食品標準成分表 」、大蔵省印刷局、平成12年11月22日
【非特許文献3】エリーザー S. ポスナー 及び アーサー N. ヒブス(Elieser S.Posner and Arthur N.Hibbs)著、「ホイートフラワー ミリング セカンド エディション (Wheat Flour Milling Second Edition)」、 アメリカンアソシエーション オブ シリアル ケミスツ (American Association of Cereal Chemists) 発行、平成17年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、全粒穀粉を効率的に製造する方法及び美味な食品を製造することができる全粒穀粉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、イネ科植物である小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果に加水した後に、ふすま(頴果の皮部)部分の水分含量が11質量%以下となるように乾燥すると、ふすまが細かく粉砕され易くなることを見出した。
さらに、前記頴果を粉砕して製造した全粒穀粉において、粒度構成が450μm未満が100%であり、250μm未満が96質量%以上である場合に、食感が大幅に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、小麦、ライ麦及びライ小麦からなる群から選ばれるイネ科の頴果に加水した後、ふすまの水分含有量が11質量%以下となるように乾燥して粉砕することを特徴とする全粒穀粉の製造方法である。
また、全粒穀粉の100質量%が目開き450μmの篩いを通過し、さらに96質量%が目開き250μmの篩いを通過することを特徴とする前記方法により製造した全粒穀粉である。
さらに、前記全粒穀粉を使用した食品である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の全粒穀粉の製造方法を使用することで高品質の全粒穀粉を効率的に得ることができる。
また、本発明の方法により得られたふすまの粒度の細かい全粒穀粉を使用することで食感のよい食品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の全粒穀粉とは、小麦、ライ麦又はライ小麦の頴果を粉砕した、頴果全体を含む粉末状の穀粉をいう。
本発明の全粒穀粉は前記穀粉の2種以上の混合物も含むものである。
すなわち、小麦、ライ麦、ライ小麦のうち2種または3種の頴果の混合物を粉砕するか、小麦、ライ麦、ライ小麦の頴果を個別に粉砕した後に2種または3種を混合したものも本発明の全粒穀粉に含まれる。
しかし、粉砕後に篩い分けし、ふすまや胚芽など、穀粒の一部を除去した小麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉は、穀粒全部が含まれてはいないので、本発明の全粒穀粉には含まれない。
また、前記した3種以外の穀物、例えば米やトウモロコシは、穀粒の皮部の構造が異なるために、本発明の製造方法は使用できない。
【0013】
本発明の全粒穀粉の製造方法は、穀物に加水し、乾燥した後に、粉砕することを特徴とする。
この処理を行うことで、ふすまの粒径が細かい全粒穀粉を製造することができる。
【0014】
加水は、頴果を水に浸漬する方法や、頴果に水を噴霧する方法、頴果に水を加えて均一になるように攪拌する方法などがあるが、頴果の表面が濡れてふすまが水を吸収すれば良く、特段方法は問わない。
加水量は、ふすまが水を吸収して膨らむのに必要なだけ加える必要がある。
最低限の必要量は、ふすまの水分が20質量%程度になる量であるが、過剰の水を加えてもふすまが水を吸収しきれないだけである。
従って、通常の処理では過剰量の水を加えるのが簡便で良い。
さらに、穀粒を水中に浸漬することで、全粒穀粉の色調の改良や、にが味の低減といった副次的な効果も得られるので、水中への浸漬が最も好ましい加水方法である。
【0015】
加水処理を行う時間(水を加えてから乾燥を開始するまでの時間)は、1分以上30分以下が好ましい。
小麦に加水を行うと、ふすまが吸水して膨潤する。
穀粒に加水して約30分以上放置すると、胚乳部まで水分が浸透して穀粒の水分が上昇しすぎるため、乾燥に要する時間とコストが急増してしまい、好ましくない。
ただし、加水後に30分を超えて放置しても、ふすまの水分が11質量%以下となるように乾燥すれば、細かく粉砕することは可能である。
【0016】
乾燥は、ふすま部分の水分含有量が11質量%以下となるように行う。
水分含有量は、乾燥時間、温度、湿度などにより容易に調整することができる。
乾燥方法は加熱乾燥、通風乾燥、真空凍結乾燥などの方法が使用できるが、ふすまの水分を前記の範囲まで下げることができれば、方法は特段問わない。
ただし、小麦とライ小麦は、食品の加工性に大きく関連するグルテンが、過剰な熱をかけると傷んでしまう。
従って、製造する全粒穀粉がグルテンの性質を利用している食品に使われると想定される場合には、50℃以上に加熱することは好ましくない。
ふすま部分を砕け易くするには、水分含有量が11質量%以下であればよく、極端に低い水分(例えば0質量%)でも効果は変わらない。
しかし、乾燥にはコストがかかるため、過剰に乾燥することは実際の製造では避けるため、水分含有量の実用的な下限は8〜9質量%程度と考えられる。
なお、本発明における水分含有量とは、135℃常圧乾燥法により測定した値をいう。
【0017】
小麦の皮部は数層の細胞からなっている。
それらの細胞層は通常は押し潰されて、各層が密着した状態になっている(図1)。
その状態では、種々の方向を向いた繊維が折り重なって、互いに補強し合っているため、細かく粉砕することが非常に困難である。
小麦に加水をすると表皮の細胞は吸水して膨らむ。
その後乾燥するとややしぼむものの、加水前の状態と比べるとかなり膨らんだ状態となる(図2)。
この状態では、各層は離れているために、粉砕機にかけると加水/乾燥処理前の小麦よりも細かく粉砕することができる。
ライ麦やライ小麦でも、同様のメカニズムにより、加水/乾燥処理を行うと全粒穀粉中のふすまを細かく粉砕することができる。
ふすまの繊維は水分が高いと曲がり易く砕け難いが、水分が下がると脆くなり砕け易くなる。
従って、本発明の方法でふすまを細かく粉砕するには、ふすま部分の水分を11質量%以下にする必要がある。
【0018】
従来の全粒穀粉の製造方法において、粉砕機としてハンマーミルを使用した場合は、一回の粉砕で穀物のふすまを細かく粉砕することは困難であった。
そのため、前述の粒度まで粉砕するには、粗い部分を再度粉砕するという操作を行う必要があるが、2〜3段階の粉砕工程が必要となり、製造に手間とコストがかかってしまう。
また、高速回転のピンミルを使用した場合は、ふすまを細かく粉砕することができる反面、澱粉の損傷が多くなりすぎたり、高熱の発生により穀粉が変質したりして、二次加工性に悪影響及ぼしてしまう。
本発明の方法によれば、ふすまの粉砕効率が向上しているので、従来方法に比べ同じ粉砕工程でふすまをより細かく粉砕でき、粉砕時の過剰な発熱が抑えられるために加工性における問題が発生せず、食感のよい全粒穀粉を比較的低コストで提供することができる。
【0019】
穀物に加水/乾燥を行うことによる効果は、粉砕効率の向上のみに止まらない。
穀物に加水をする際に、水に浸漬する方法を採ると、比重差による異物除去や、洗浄効果による汚れの除去といった精選効果を付加することができる。
穀類の洗浄には通常は乾式精選が使用され、多段階の機械を通すが、水への浸漬を行う場合には、乾式精選工程のかなりの部分を省略することができ、製造設備の簡略化が可能となる。
穀物を加水処理後乾燥すると、全粒穀粉から作るパンなどの加工食品の色調が明るくなる。
これは、ふすまが細かくなるために、大粒のふすま片が目立たなくなるためと考えられる。
加水処理を水中への浸漬とした場合には、ふすま中の色素が水に溶解して失われている可能性もある。
全粒穀粉の原料に白色の穀粒(例えば白小麦)を使用すれば、さらに色調良好な食品を製造することができる。
加水処理として水中への浸漬を行う場合、全粒穀粉から作った食品のにが味がわずかだが抑えられる傾向がある。
これは、タンニンなどのにが味成分が水に溶出して減少しているためと考えられる。
【0020】
全粒穀粉に含まれるふすまは、粗いと食品の食感に悪影響を与えるため、細かく粉砕することが好ましい。
全粒穀粉を使用しでパンや菓子などの加工食品を製造する場合、ふすま粒子のサイズが食感に大きく影響する。
食品に粗いふすま片が入っていると、咀嚼時に上下の歯の間にふすま片が挟まる場合がある。
穀物のふすまは強靭なため歯で噛み切ることは困難であり、咀嚼時にふすまを噛むと不快と感じる。
さらに、食品から分離したふすま片が口の中に張り付いたり、食品の表面にざらつきを感じたり、粗いふすま片が口の中に残ることで口溶けが悪く感じたりと、穀物のふすまはいろいろな面で食品の食感に悪影響を与える。
【0021】
ふすまを250μmの篩いを通過する程度まで粉砕すると、食感における違和感がほとんどなくなる。
また、250μmの篩い上に残るふすまでも、450μmの篩いを通過するものならば、全粒穀粉に4%以下含まれていても食感にほとんど違和感を与えない。
胚乳部分は砕け易いため、細かな粒子になってしまうので、全粒穀粉中で250μmを超えるような粒子は、ほとんど全部がふすまの破片である。
従って、本発明の全粒穀粉は100質量%が目開き450μmの篩いを通過し、さらに96質量%が目開き250μmの篩いを通過する粒度構成となっている。
【0022】
本発明の方法により製造した全粒穀粉は、小麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉が使用されている食品全般にこれらの一部又は全部の代わりとして使用することができる。
前記食品の代表例としては、パン(食パン、菓子パン、食卓パン、ハースブレッド、揚げパンなどを含む)、麺類(うどん、中華麺、皮類、焼きそば、そばなど)、洋菓子(スポンジケーキ類、ビスケット類、パウンドケーキ類、タルト、醗酵菓子類、パイ、パンケーキなど)、和菓子(どら焼きや鯛焼きなどの焼き物、せんべい類、饅頭類、カステラなど)、お好み焼き類(お好み焼き、たこ焼き、もんじゃ焼きなど)、天ぷら、ドーナッツなどを挙げることができる。
本発明の全粒穀粉は従来の全粒穀粉よりも食感に優れるため、穀粉への配合量を従来より大幅に増すことができるとともに、飽きることなく継続して食べることができる。
従って、本発明の全粒穀粉を使用した食品により、食物繊維の摂取量を大幅に増加させることが可能となる。
ただし、全粒穀粉を使用しても通常の食品と変わらない食味、食感となるため、プラシボ効果が得られない場合がある。
【実施例】
【0023】
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
[試験例1]
穀粉中のふすまの粒度が食品の食感にどのように影響するかを検証した。
検証は、一定の粒度に揃えた小麦ふすまを市販のパン用小麦粉に10%混合して食パンを作り、食感を官能評価する方法で行った。
小麦などの穀粒中のふすまは20%前後であり、ふすまを10%混合するということは、全粒小麦粉を全小麦粉中の50%使用することに相当する。
一般に全粒穀粉を食品に使用する場合、加工性や食味、食感などの制限から、全穀粉中の50%程度が混合比の上限とされている。
ただし、このことは本発明の全粒小麦粉を50%を超えて使用することを否定するものではない。
【0024】
食パンの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1)市販のパン用小麦粉1800g、粒度調整したふすま200g、パン用酵母60g、上白糖100g、食塩40g、脱脂粉乳40g、イーストフード2g、水1340mlをパン用ミキサーに投入し、低速で2分間、中速で3分間、高速で1分間混合を行った。
(2)生地にショートニングを100g加え、低速で1分間、中速で3分間、高速で4分間混合を行い生地の捏ね上げ温度が28℃となるように調整した。
(3)生地を27℃で60分間醗酵した後に、230gずつに分割して丸め、20分間室温で醗酵させた。
(4)生地をモルダーで棒状に整形し、食パンの型(3斤用)に6本ずつ詰め、38℃で33分間醗酵させた。
(5)生地を入れた型に蓋をし、210℃のオーブンで35分間焼成した。
(6)焼成後室温で1時間冷却した後に袋詰めし、翌日に15mm厚にスライスして熟練のパネラー10名により以下の評価基準で評価を行った。
【0025】
○ ふすまの混入を感じない
△ 注意して食べればふすまの混入がわかる
× ふすまの混入がはっきりわかる
【0026】
前記粒度調整したふすまの粒度を表1に示す
なお、表中「150−200」とあるのは、目開き200μmの篩いを抜けるが、目開き150μmの篩い上に残ることを表わしており、他も同様である。
前記ふすまの粒度は、市販の小麦ふすまをレッチェ社製超遠心粉砕機で粉砕し、所定の目開きの篩いで篩い分けて調製した。
【0027】
結果を表1に示す。
【表1】

【0028】
目開き250μmの篩いを抜ける小麦ふすまを入れた食パンは食感に違和感がなく、目開き250μmの篩い上に残るが目開き450μm篩いを抜けるふすまを入れた食パンでは、違和感はあるが軽微であった。
【0029】
[試験例2]
市販のパン用小麦粉にふすまを10質量%添加して、食パンによる食感の評価を行った。
使用したふすまは、目開き250μmの篩いを抜けるものを主体とし、それよりも粗いものを一定量加えた。
使用したふすまの粒度構成を表2に示す。
なお、表2に示すふすまの粒度構成は、ふすまを含む穀粉中におけるふすまの比率を表しているため、合計が10質量%となっている。
使用したふすまは、市販の小麦ふすまをレッチェ社製超遠心粉砕機で粉砕し、所定の目開きの篩いで篩い分けて調製した。
食パンの製造及び評価は試験例1と同様に行った。
【0030】
結果を表2に示す。
【表2】

【0031】
この試験は全粒小麦粉を小麦粉中50質量%使用した場合を想定したものである。
全粒小麦粉中で250μmを越える粒子は、ほぼ全量がふすまである。
したがって、全粒小麦粉の100質量%が目開き450μmの篩いを通過し、96質量%が目開き250μmの篩いを通過するように粒度調整すれば、パンの食感が改良される。
食パンのクラムは小麦粉を使う製品の中でも最もソフトな部類に入り、ふすまが混入していると違和感を感じ易い。
したがって、前記粒度条件を満たした全粒小麦粉では、小麦粉を使用するほとんど全ての食品の食感を改良できる。
さらに、ライ麦やライ小麦のふすまの性質も小麦とほとんど変わらないので、同様の粒度条件を満たす全粒穀粉により、食感の改良が可能となる。
【0032】
[実施例1〜6、比較例1〜3]
全粒穀粉製造における適切なふすまの水分含有量を確認するための試験を行った。
実施例1〜4、比較例1〜2は、米国産小麦HRW(Hard Red Winter、水分含有量12.1質量%)を水中に3分間浸漬し、送風乾燥した後に水分含有量を測定し、少量の加水または乾燥により水分含有量を調整した後に、24時間放置して胚乳部とふすまの水分がほぼ等しくなるようにした。
その後、前記小麦を槙野産業株式会社製ピンミル(4500回転)で粉砕し、篩い分けて粒度比率を測定した。
実施例5〜6、比較例3は、水中に3分間浸漬し、送風乾燥(乾燥時間で水分含有量を調整)した直後に粉砕した以外は実施例1と同様にして粒度比率を測定した。
なお、実施例5〜6および比較例3の水分は乾燥直後の小麦をブラベンダー社製テストミルで製粉してふすま部分を採り分けて測定した。
(実施例1〜4、比較例1〜2の水分は穀粒全体での測定結果だが、水分平衡に達しているため、穀粒の水分とふすまの水分はほとんど同じ値となる。)
したがって表3中の水分は、ふすま部分の水分含有量である。
【0033】
結果を表3に示す。
【表3】

【0034】
ふすまの砕け方は水分に依存し穀粒の水分平衡に関係なく、ふすま部分の水分が11.0質量%以下であれば、全粒穀粉に適した粒度にふすまが粉砕されることが確認できた。
【0035】
[実施例7〜13、比較例4〜10]
本発明の全粒穀粉製造方法が各種穀物及び粉砕方法で利用できるかを確認した。
原料穀物として、小麦の各種銘柄、1CW(カナダ産No.1 Canada Western Red Spring)、PH(オーストラリア産 Prime Hard)、WW(米国産 Western White)、ホクシン(国内産麺用小麦)及びカナダ産ライ麦を使用した。
粉砕方法は、ハンマーミル(竹内鉄工所製)、ピンミル(槙野産業製,4500回転)、石臼(フォルマー社製,2段階処理)を使用した。
実施例7〜13は加水及び乾燥処理を行っており、ふすまの水分含有量を10.5質量%に調整した。
水分含有量の調整は実施例1と同様に行った。
比較例4〜10は、それぞれ実施例7〜13と同じ穀物及び粉砕方法を使用しているが、加水は行わず、乾燥処理により水分を10.5質量%に調整した後に粉砕を行った。
【0036】
結果を表4に示す。
【表4】

【0037】
加水及び乾燥処理は、粉砕方法によらず共通の効果があり、加水及び乾燥処理を行うことで小麦及びライ麦のふすまが細かく粉砕されることが確認された。
【0038】
[実施例14〜18、比較例11〜15]
加水処理方法及び時間、乾燥方法、粉砕方法(ピンミルの回転速度)原料小麦の銘柄を変えて全粒小麦粉を試作し、食パンにより製パン性と食感を評価した。
食パンの製造はパン用小麦粉1800gとふすま200gの代わりに市販のパン用小麦粉1000gと全粒小麦粉1000gを使用する以外は試験例1と同様に行った。
実施例14〜18、比較例11と13では、小麦の水分を10.0質量%になるように乾燥してから粉砕し、全粒小麦粉を作った。
比較例12では、小麦の乾燥は行っておらず、全粒小麦粉製造時の小麦水分は12.4質量%であった。
小麦の粉砕には槙野産業株式会社製のピンミルを4500回転で使用したが、比較例13のみ目開き450μmの篩いを全量抜けるように、回転数を調整し、6600回転で使用した。
【0039】
全粒穀粉製造条件、全粒穀粉の粒度、食パン評価結果を表5に示す。
なお、食感評価及び加工性評価は熟練のパネラー10名により以下の評価基準で行った。
【0040】
食感評価基準
○ ふすまの混入を感じない
△ 注意して食べればふすまの混入がわかる
× ふすまの混入がはっきりわかる
加工性評価基準
○ 通常の小麦粉と同等
△ 作業性、食パン品質がやや劣る
× 生地性、食パン品質が劣る
【0041】
【表5】

【0042】
加水乾燥処理を行った小麦から作る全粒小麦粉は、製パン性、食感とも良好であった。
加水及び乾燥の処理を行わなかった比較例11と12ではふすまによる咀嚼時の違和感やざらつきが感じられた。
市販の全粒小麦粉を使用した比較例14は、比較例12と似た食感であり、ふすまを感じるために食感が劣った。
比較例13は、パン生地が硬くてべたつくために作業性が劣った。
さらに、パンの容積も大幅に劣っていた。
食感にふすまの違和感はないものの、硬くてねちゃつく感じが強いため、総合的な食感では劣っていた。
比較例13は、粉砕時の衝撃が大きすぎたために、過度の発熱でグルテンが変性したり、澱粉の損傷が高くなりすぎたりしたため、製パン性が劣ったものと推定される。
この結果から、単に粒度構成を合わせるだけでは良い全粒穀粉は得られず、ふすまを粉砕し易い状態にしたうえで粉砕することの重要さが確認できた。
実施例14と15は実施例17と比べて食パンのクラム色調が若干明るく、にが味などの異味も若干薄い傾向があった。
これは、単に加水するよりも過剰量の水に浸漬することで、洗浄の効果と、にが味成分や色素の除去の効果が加わるためと考えられる。
白小麦のPHを使用した実施例16は赤小麦の1CWを使用した実施例14と15に比べて食パンのクラム色調が明るかった。
この結果より、色調が重要な食品には、当然のことながら白色の穀物の使用が好ましいことが確認された。
【0043】
[実施例19、比較例16、17]
フランスパンによる評価試験を行った。
実施例19は実施例9の全粒小麦粉を使用して得たフランスパンである。
比較例16は比較例6の全粒小麦粉を使用して得たフランスパンである。
比較例17は市販のフランスパン用粉のみを使用して得たフランスパンである。
【0044】
フランスパンの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1)小麦粉1Kg、 食塩20g、 インスタントドライイースト7g、
VC1%溶液1ml、モルト4g、水650mlをミキサーで捏ねて生地を得た。
全粒小麦粉を使用する場合は、市販のフランスパン用小麦粉と全粒小麦粉を等量混合して使用した。
VC1%溶液とは、ビタミンC1gを99mlの水に溶解したものである。
捏練時間は低速で5分、高速で3分とした。
捏ね上げ温度は24℃となるように調整した。
(2)捏ね上がった生地を27℃の醗酵室で120分間醗酵し、パンチ(ガス抜き)をした後にさらに27℃で60分間醗酵した。
(3)醗酵した生地を350gに分割し、手作業でバタールの形に整形した。
(4)整形した生地を30℃で1時間醗酵し、クープ(切れ込み)を入れて、240℃で30分間焼成した。
(5)焼成後に室温で30分間間冷却し、熟練のパネラー10名により官能評価を行った。
【0045】
実施例19と比較例16のフランスパンは、比較例17に比べて生地性と加工時の作業性はほぼ同等、パンのボリュームは若干劣り、色調やや赤味が強いものの、製品としては十分許容範囲内であった。
比較例16のフランスパンは、クラムにざらつきを感じ、咀嚼時にやや違和感があったが、実施例19ではふすまを感じず、比較例17と大差ない食感であった。
この結果より、加水及び乾燥処理をして製造した全粒小麦粉を使うことで、全粒小麦粉を使用したフランスパンの食感を改良できることが確認された。
【0046】
[実施例20、比較例18〜20]
ライ麦パンによる評価試験を行った。
実施例20は実施例13の全粒ライ麦粉を使用して得たライ麦パンである。
比較例18は比較例10の全粒ライ麦粉を使用して得たライ麦パンである。
比較例19は市販の全粒ライ麦粉(450μm抜け92質量%,250μm抜け84質量%)を使用して得たライ麦パンである。
比較例20は市販のライ麦粉(250μm抜け100質量%)を使用して得たライ麦パンである。
【0047】
ライ麦パン(ミッシュブロート)の製造及び評価は以下のとおり行った。
(1) ライ麦粉500g、粉末サワー種50g、水400mlをミキサーで5分間混捏して前生地を作り、室温で16時間醗酵させた。
(2) 醗酵させた前生地をミキサーに投入し、さらに市販のパン用小麦粉1Kg、ライ麦粉500g、食塩34g、イースト36g、水880mlを加え、低速3分間、中速1分間混捏して生地とした。
(3) 捏ね上がった生地を10分間寝かせた後に、400gに分割し、丸めて型に入れた。
(4) 32℃で40分間醗酵した。
(5) 醗酵した生地を型から出し、クープ(切り込み)を入れて230℃で45分間焼成した。
(6) 室温で1時間冷却した後に、熟練のパネラー10名により官能評価を行った。
【0048】
実施例20及び比較例18〜20の製パン作業性及びパンボリューム、外観、内相は互いに大きな差なかった。
食感においては、比較例18と19でクラムにざらつきがやや感じられたが、実施例20と比較例20ではざらつきを感じなかった。
この結果より、加水及び乾燥処理をして製造した全粒ライ麦粉を使うことで、ライ麦粉を使用したライ麦パンとほぼ同等の食感を得られることが分かった。
【0049】
[実施例21、比較例21]
クッキーによる評価試験を行った。
実施例21は実施例11の全粒小麦粉を使用して得たクッキーである。
比較例21は比較例8の全粒小麦粉を使用して得たクッキーである。
クッキーの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1) バター130gに粉糖90gを加え、ミキサーで2分間混合した。
(2) 卵黄(鶏卵)30gを加え、2分間混合した。
(3) 小麦粉200g、アーモンドプードル50g、食塩1.4gを加えて1分間混合し、生地とした。
小麦粉は、実施例11又は比較例8の全粒小麦粉と、市販の薄力小麦粉とを等量混合して使用した。
(4) 生地を直径3cmの円柱状に整形し、冷凍した後に1cmの幅の円盤状に切断した。
(5) 生地を天板に並べ、170℃のオーブンで14分間焼成した。
(6) 室温で冷却した後に熟練のパネラー10名により官能評価を行った。
【0050】
製菓作業性及びクッキー外観は、実施例21と比較例21の間に大きな差はなかった。
比較例21のクッキーは咀嚼時にジャリジャリした感じが少しあり、食べた後に口内にふすまが残ってざらつきを感じるが、実施例21ではそのような違和感はなかった。
この結果より、加水及び乾燥処理をして製造した全粒小麦粉を使うことで、全粒小麦粉使用クッキーの食感を改良できることが確認された。
【0051】
[実施例22、比較例22]
パウンドケーキによる評価試験を行った。
実施例22は実施例11の全粒小麦粉を使用して得たパウンドケーキである。
比較例22は比較例8の全粒小麦粉を使用して得たパウンドケーキである。
パウンドケーキの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1) 小麦粉200g、ベーキングパウダー4g、上白糖180g、バター180gをミキサーで2分30秒間混合した。
小麦粉は、実施例11又は比較例8の全粒小麦粉と、市販の薄力小麦粉とを等量混合して使用した。
(2) 鶏卵(全卵)180gを加え4分間混合した。
(3) パウンドケーキ用の型に350gの生地を詰めた。
(4) 170℃のオーブンで40分間焼成した。
(5) 室温で冷却した後に、熟練のパネラー10名が官能評価を行った。
【0052】
製菓作業性及びクッキー外観は、実施例22と比較例22の間に大きな差はなかった。
比較例22は咀嚼時にふすまを噛む感じが少しあり、ざらつきも若干あるが、実施例22ではそのような違和感はなかった。
この結果より、加水及び乾燥処理をして製造した全粒小麦粉を使うことで、全粒小麦粉を使用したパウンドケーキの食感を改良できることが確認された。
【0053】
[実施例23、比較例23、24]
麺による評価試験を行った。
実施例23は小麦(ASW(オーストラリア産Australian Standard White))に加水後乾燥処理を行い、その後粉砕して得た全粒小麦粉を使用して得たうどんである。
比較例23は小麦(ASW)を水分調整せず粉砕して得た全粒小麦粉を使用して得たうどんである。
比較例24は市販のうどん用小麦粉を使用して得たうどんである。
【0054】
実施例23の全粒小麦粉製造時の小麦への加水方法は水への浸漬とし、乾燥は通風乾燥を用いた。
乾燥後の水分は10.5質量%であり、24時間放置して穀粒内の水分が平衡に達するようにした。
粉砕方法はフォルマー社製石臼による二度挽きであり、全粒小麦粉の粒度構成は450μm抜けが100質量%、250μm抜けが97質量%であった。
比較例23の全粒小麦粉は、加水後乾燥処理を行わなかった以外は実施例23と同様にして全粒小麦粉を製造した。
粒度構成は450μm抜けが96質量%、250μm抜けが92質量%であった。
使用した小麦(ASW)の水分は10.3質量%であった。
【0055】
うどんの製麺及び評価は以下のとおり行った。
(1)小麦粉500gに食塩10g、水170mlを加えて5分間ミキシングし、生地を得た。
小麦粉としては、市販のうどん用小麦粉に、前記ASWから作った全粒小麦粉を20質量%混合して使用した。
うどんを含む麺類には全粒小麦粉を使うことは稀であり、使用しても少量(例えば10質量%以下)に限定される。
それは色調や食感などが大きく劣化するためである。
そのため、本試験でも他の加工製品よりは全粒小麦粉使用量を少なくした。
(2)前記生地を製麺ロールにより整形1回、複合2回、圧延3回行い、最終の麺帯の厚みを2.5mmとし10番の切歯で切り出し麺線を得た。
麺線の長さは約25cmとした。
(3)前記麺線100gを、重量で1リットルの茹で水(pH5.5に調整)で20分間茹で、冷水で冷却して30分置いた後に、熟練のパネラー10名により官能評価を行った。
【0056】
実施例23と比較例23は、暗く黄色味がかった色調であり、外観では双方とも比較例24よりも劣った。
実施例23は比較例24に比べて若干のざらつきを感じ、食感において僅かに劣っていた。
比較例23では、実施例23よりもざらつきが強かった。
また粘りが弱めであり、粘弾性のバランスが劣っていた。
この結果より、加水及び乾燥処理をして製造した全粒小麦粉を使ったうどんは、全粒小麦粉を使わない場合よりは色調が劣り、食感も若干劣るが、粒度が粗い全粒小麦粉を使う場合よりは食感が大幅に改良されることが確認できた。
【0057】
[実施例24、比較例25]
お好み焼きによる評価試験を行った。
実施例24は実施例12の全粒小麦粉を使用して得たお好み焼きである。
比較例25は市販の内麦使用全粒小麦粉(450μm抜け93質量%,250μm抜け84質量%)を使用して得たお好み焼きである。
【0058】
お好み焼きの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1)カツオ出し汁200mlに小麦粉200g、ベーキングパウダー8g、食塩5g、調味料(MSG)8g、みりん20mlを加え、ホイッパーで混合した。
小麦粉には、市販の中力小麦粉と、前記全粒小麦粉を等量混合して使用した。
(2)前記混合物に、おろした山芋10gを加えて軽く混合し、生地とした。
(3)前記生地50gに、千切りにしたキャベツ50gを加えて混合した。
(4)前記キャベツを加えた生地を200℃に加熱した鉄板の上に載せ、1cm程度の厚さになるように形を整え2分間焼成、ひっくり返して5分間焼成し、再度ひっくり返して3分間焼成した。
(5)焼成後に市販のお好み焼き用ソースを塗った。
(6)熟練のパネラー7名により、官能評価を行った。
【0059】
実施例24に比べて比較例25のお好み焼きは、若干ざらつきを感じた。
また、ふすま片が口内や歯の裏に貼り付くことがあり、食感が劣っていた。
この結果より、本発明による全粒小麦粉は、現在市販されている全粒小麦粉よりもお好み焼きに向くことが確認された。
【0060】
[実施例25、比較例26]
天ぷらによる評価試験を行った。
実施例25は加水後乾燥処理を行ったライ小麦(北海道産)を粉砕して得た全粒ライ小麦粉を使用した天ぷらである。
比較例26は加水せず、水分10.5%まで乾燥したライ小麦(北海道産)を粉砕して得た全粒ライ小麦粉を使用して得た天ぷらである。
【0061】
実施例25の加水処理は水への浸漬、乾燥処理は真空凍結乾燥を用い、乾燥後に水分平衡に達した時点の水分含有量は10.5質量%であった。
実施例25、比較例26ともに、レッチェ社製超遠心粉砕機を使用して全粒ライ小麦粉とした。
実施例25で使用した全粒ライ小麦粉の粒度構成は、450μm抜け100質量%,250μm抜け97質量%であった。
比較例26で使用した全粒ライ小麦粉の粒度構成は、450μm抜け99質量%,250μm抜け92質量%であった。
【0062】
天ぷらの製造及び評価は以下のとおり行った。
(1) 市販の薄力小麦粉50gと全粒ライ小麦粉50gを混合した穀粉に、冷水150mlを加えて軽く混合し、天ぷらバッターとした。
(2)皮を剥いた車えびに市販のうち粉をまぶし、前記天ぷらバッターに浸して衣をつけた。
(3)175℃に熱した食用油中に投入して2分30秒間揚げた。
(4)油を切った後に、10人の熟練のパネラーにより官能評価を行った。
【0063】
比較例26の天ぷらは、ジャリジャリとふすまを噛んだ感じがするのに対し、実施例25の天ぷらは違和感のない食感であった。
本発明による全粒ライ小麦粉は、通常の小麦粉に比べると天ぷらの色調がやや劣るものの、食感には特段問題がなく、美味な天ぷらを作ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】加水及び乾燥処理を行っていない小麦皮部断面の顕微鏡写真である。
【図2】加水及び乾燥処理により、ふすま(皮部)が膨らんだ状態になっていることを示す乾燥処理後の小麦皮部断面の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0065】
1 ふすま(皮部)
2 胚乳部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦、ライ麦及びライ小麦からなる群から選ばれるイネ科の頴果に加水した後、ふすまの水分含有量が11質量%以下となるように乾燥して粉砕することを特徴とする全粒穀粉の製造方法。
【請求項2】
全粒穀粉の100質量%が目開き450μmの篩いを通過し、さらに96質量%が目開き250μmの篩いを通過することを特徴とする請求項1に記載の方法により製造した全粒穀粉。
【請求項3】
請求項2に記載の全粒穀粉を使用した食品。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−104393(P2008−104393A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289349(P2006−289349)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【Fターム(参考)】