説明

全身性エリテマトーデスの同定およびモニタリング

個体におけるSLEの同定およびモニタリングのための方法が、提供される。本方法は、血小板の表面上の補体成分C4dを定量する工程およびそのC4dの量を、SLEを有さない個体および/または異なる時点で取得したその患者の血小板におけるC4d(参照レベル)と比較する工程を包含する。上述の方法における使用のためのキットが、上述の方法を実行するための実行可能な命令を具体的に実現するコンピュータ読み取り可能媒体とともに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
全身性エリテマトーデスを有する患者の同定および/またはモニタリングであり、この活動を実行するための方法およびキット。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景)
全身性エリテマトーデス(SLE)または狼瘡は、多くの器官が関与するようになる始原的な自己免疫疾患である。SLE患者における抗自己反応は、種々の核構成成分および細胞質性構成成分に対する自己免疫抗体によって特徴づけられる。これらの自己抗体は、それらのそれぞれの抗原に結合して、循環してそして最終的には組織において沈着する免疫複合体を形成する。この免疫複合体の沈着は、慢性的な炎症および組織損傷を引き起こす。
【0003】
疾患活動性を診断することおよび疾患活動性をモニタリングすることは、SLEを有する患者において困難なものである。診断は、困難である。なぜならば、疾患のスペクトルは広く、つまり、その疾患のスペクトルは、微細またはあいまいな症状から生命を危うくする多器官不全にまで至る。これらは、SLEとして取り違え得る多器官におよび関与する他の疾患が存在し、そして、他の疾患と取り違え得るSLEも存在する。1971年に、疾患の分類を目的とした基準(Cohen,AS,et al、1971,Preliminary criteria for the classification of systemic lupus erythematosus.Bull Rheum Dis 21:643〜648)が開発され、1982年に更新され(Tan,EM,et al,1982.The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus.Arth Rheum 25:1271〜1277)、そして、1997年にも更新された(Hochberg,MC.1997.Updating the American College of Rheumatology revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus.Arth Rheum 40:1725)。これらの基準は、様々な地理的な位置の患者が比較され得ることを確認したことを意味する。これらの11の基準のうち、連続的または同時に、そのいずれかで、4以上のものが存在すると、SLEを有する患者として分類するのに十分である。これらの基準は、他の関連する自己免疫疾患から狼瘡を区別するそれらの特徴の有用な合図の役割を果たしてきたものの、これらは、回避不能である誤認を伴うものである。これらの基準の有無を決定することはしばしば、解釈を要する。大雑把な基準を、兆候または症状の有無の判断のために適用すると、実際はSLEを有さない患者をSLE患者として診断しがちである。同様に、SLEの臨床的な発現の範囲は、11の基準によって既述されるSLEの臨床的な発現の範囲よりもずっと広く、そして、発現の各々は、患者ごとにその活動性および重篤度が変化し得る。困難な診断をさらに複雑にしていることは、SLEの症状は、その疾患の経過にそって漸進的に変化していくのであるということである。これまでに罹患していなかった器官における新たな症状が、経時的に生じる。SLEに対する決定的な試験方法は存在せず、SLEは、しばしば、誤診されている。
【0004】
疾患活動性をモニタリングすることも、SLEを患う患者を看護する際には困難なものである。狼瘡は、一連の発赤または急性疾患に進行し、その後、寛解が続く。発赤の症状は、患者ごとに相当に変化し、そして、同一の患者においてもさえも大きく変化する。この発赤の症状としては、倦怠感、発熱、全身性の関節痛、および羞明(太陽光に対する短期の曝露のあとの発疹の発生)が挙げられる。狼瘡の他の症状としては、脱毛、粘膜の潰瘍、ならびに心臓および肺の内側の炎症が挙げられ、この炎症によって、胸の痛みが生じる。赤血球、血小板、および白血球は、狼瘡において標的化され、貧血および出血の問題が生じる。より重篤であると、免疫複合体沈着および血管における慢性炎症は、腎臓を巻き込む結果となり、場合によって、腎不全に至り得る。この腎不全は、透析または腎臓移植を必要とする。血管は、狼瘡における自己免疫反応の主要な標的であるので、早発性の発作および心疾患は、珍しいものではない。しかし、時間が経過すると、これらの発赤は、不可逆的な器官損傷に至り得る。このような損傷を最小化するために、疾患の発赤の早期のより正確な検出が、適切な処置を促進させるばかりでなく、不必要な介入の頻度を低減することになるだろう。研究上視点から、個々の器官系における「炎症の範囲」または疾患活動性を一様に既述する能力または一般的な指標としての能力は、非常に貴重な研究手段である。さらに、疾患活動性の程度は、治験における反応変数として使用され得る。
【0005】
SLE診断のための最も一般的に使用される手段のうちの2つは、全身性エリテマトーデス疾患活動性指数(Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index;SLEDAI)(Bombardier,C.,D.D.Gladman,et al.(1992).Derivation of SLEDAI.A diesease activity index for lupus patients.The Committee on Prognosis Studies in SLE.Arth Rheum 35:630−40)、および全身性エリテマトーデス活動性指標(Systemic Lupus Activity Measure;SLAM;Liang,M.H.,S.A.Socher,et al(1989)Reliability and validity of six systems for the clinical assesment of disease activity in systemic lupus erythematosus.Arth Rheum 32:1107〜18)である。このSLEDAIは、9つの器官系を表す24項目を備える。これらの変数は、履歴、身体検査および臨床検査による評価によって得られる。項目の各々は、関連する器官の重要に基づいて1〜8で重み付けされる。例えば、口の中の潰瘍は、2として評点づけされるが、他方、発作は、8として評点づけされる。SLEDAIに含まれる臨床パラメータとしては、白血球数、血小板数、検尿、血清C3、C4および抗dsDNAが挙げられる。総合計最高点は、105である。上述のSLAMは、11の器官系を示す32項目を備える。これらの項目は、存在/非存在としてのみ、評点づけされるが、重篤度に応じて1〜3の階級で分類わけされる。SLAMにおける総合計最高点は、86である。SLEDAIおよびSLAMの両方は、経時変化に対して妥当性、信頼性、および感受性があることが示されており(Liang,M.H.,S.A.Socher.et al(1989)Reliability and validity of six systems for the clinical assessment of disease activity in systemic lupus erythematosus.Arth Rheum 32:1107−18)、研究プロトコルおよび臨床試験において広範に使用されている。これらの指標は、SLEにおける疾患活動性の新たに提案された血清学的マーカーまたは炎症マーカーの値を調べるときに特に有用である。
【0006】
これらの手段の明らかな有用性にかかわらず、いくつかの欠点が存在する。第一に、同じセットの患者におけるそのSLAMとそのSLEDAIとの間の完全な一致は、常に存在しているわけではない。これらの不一致に対するいくつかの考えら得る理由が存在する。SLEDAIとは異なり、SLAMとしては、疲労および発熱のような全身にわたる症状が挙げられるが、これらは、活動性SLEに起因する場合もあり得るが、そうでない場合もあり得;この活動性指数は、医師の解釈に依存する。さらに、SLEDAIは、いくつかの器官における軽度の活動性をとらえず、そして溶血性貧血のようないくつかのタイプの活動性に対する指標(descriptor)を有さない。これらの理由および他の理由のために、殆どの研究は、疾患活動性に対して一つ以上の指標を組み込む。この分野の状態の一般評論は、Ramsey−Goldman,R.and Manzi,S.Systemic Lupus Erythematosus.In:Goldnam and Hatch,Ed.Woman and Health.Academic Press,San Diego,CA 2000:704−723に見出され得る。
【0007】
補体系は、細菌および菌類の感染に対する主要な防御メカニズムとして働くことによって、体液性免疫および炎症のエフェクター機能の多くを提供する高度に制御された様式で相互作用する30以上の機能的に関連したタンパク質の複合体ネットワークからなる。このタンパク質のシステムは、3つの異なる経路(古典的経路(抗体の存在下)または第二経路(抗体の非存在下)およびレクチン経路)を介して、異質生物による侵入に対して作用する。いったん活性化されると、各経路中のタンパク質は、この反応を始めた異質抗原を撲滅することを目的とした様々な機能を果たす多分子複合体への一連の自己組織化に関わるカスケードを形成する。
【0008】
古典的経路は、通常、異質分子に結合する抗体によって引き起こされる。この古典的経路は、古典的経路に特異的で、(経路中の順序で)C1、C4、C2と呼ばれるいくつかの構成成分からなる。
【0009】
古典的経路において、第一の構成成分C1qは、抗原抗体複合体に結合し、経路を活性化する。この事象は、2つのセリンプロテアーゼC1rおよびC1sの一連の活性化に続く。活性化されたC1sは、古典的経路の最終的な2つのタンパク質、すなわちC4およびC2である2つの基質を有する。タンパク質C4は、C4aおよびC4bに開裂する。タンパク質C2は、C2aおよびC2bを形成するように開裂する。断片C4bおよび断片C2aは、C4b2aを形成するように会合し、このC4b2aは、タンパク質C3をC3aおよびC3bに開裂し、古典的経路の活性化を完成する。
【0010】
断片C4bおよび断片C3bは、第I因子によるさらなる分解をうける。この因子は、C4bを開裂させて、C4dを生じ、またC3bを開裂させて、C3dに続くiC3bを生じる。このように、補体の古典的経路の活性化は、免疫複合体のまたは他の活性化した表面上のC4dおよびiC3bを含む、多くの断片の沈着を導き得る。これらの断片は、成熟赤血球または赤血球上の補体レセプタータイプ1(CR1)に対するリガンドである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(本発明の簡潔な要約)
健康な(健常な)個体から得られる血小板と比較して、全身性エリテマトーデスを有する個体の血小板の表面上に補体C4d量の増加が見られることが見出されている。本明細書中に示されるように、血小板に結合した高レベルの補体C4dは、個体における全身性エリテマトーデスの存在と強い相関があり、そしてその個体における全身性エリテマトーデスの診断およびモニタリングに使用され得る。本発明は、全身性エリテマトーデスであると推測される患者から得られる血小板に結合する補体C4dのレベルを決定する工程およびその患者の補体C4dのレベルと健康な(健常な)個体から得られる血小板に結合する補体C4dのレベルを比較する工程を含む。一つの実施形態において、血小板に結合するC4d量は、フローサイトメトリーによる蛍光検出によって計測される。
【0012】
一つの局面において、1つの方法は、その個体における全身性エリテマトーデスを同定するために提供される。その方法は、個体から得られる血小板に結合する補体C4dを定量する工程およびその個体から得られる血小板に結合する補体C4dの量と全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られる血小板に結合する補体C4dの量を比較する工程を含み、ここで全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られる血小板に結合する補体C4dの量と比較してその個体から得られる血小板に結合する補体C4dの量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関がある。
【0013】
別の局面において、1つの方法は、個体における全身性エリテマトーデスの疾患活動性をモニタリングするために提供される。この方法は、その個体から得られる血小板に結合する補体C4dを定量する工程およびその個体から得られる血小板に結合する補体C4dの量を1以上の異なる時点でのその個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体のいずれかから得られる血小板に結合する補体C4dの量と比較する工程を含み、ここで1以上の異なる時点でのその個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体のいづれかから得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較して、その個体から得た血小板と結合した補体C4d量が多いと、その患者における活動性の全身性エリテマトーデスの存在と相関がある。
【0014】
別の局面において、個体から得られた血小板と結合する補体C4dを定量する工程およびその患者から得られた血小板と結合した補体C4dの量と、1以上の異なる時点での個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体のいずれから得られた血小板と結合する補体C4dの量を比較する工程を包含する、方法が提供され、1以上の異なる時点でのその個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較してその個体から得た血小板と結合した補体C4dの量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関がある。
【0015】
別の実施形態において、個体における全身性エリテマトーデスを同定するためのキットは、第1の標識された部分と補体C4dに特異的な抗体との結合体およびその結合体を使用して血小板に結合する補体C4dを同定することに関する指示書を備えるパッケージを備える。
【0016】
さらに別の実施形態において、方法を実行するための実行可能命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体であって、この方法は、以下:血小板の表面に沈着した補体成分C4dの決定に対応するデータを受信する工程;個体の血小板の表面に沈着した補体成分C4dに関する参照値を受信する工程;およびそのデータとその参照値とを比較する工程を包含する。
【0017】
個体において全身性エリテマトーデスを同定するための方法を実行するための実行可能命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体が提供され、その方法は、個体から得られた血小板と結合した補体C4dを定量する工程;およびその個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量と、全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合するC4dとの量を比較する工程を包含し、その全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合するC4dの量と比較してその個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、SLEの同定および/またはモニタリングを可能にする。この状態が、重篤な健康上の問題であるので、この状態に対する相対的に正確であり早期の診断の必要性が存在する。同様に、この疾患の活性をモニタリングする能力が、非常に重要である。最も一般的な意味において、本発明の方法は、患者の血小板の表面上に沈着したC4dを決定することが、SLEに関する診断マーカーとしての役割を果たすという発明者らの発見に基づく。
【0019】
SLEの発症またはそれまでの発症を診断する際に、サンプル中の血小板の表面に沈着した補体C4dが、定量される。次いで、その血小板上のC4dの量は、SLEを有していない個体の血小板の表面上に通常見出されるC4dの量と比較される。正確には、本明細書中で記載される方法は、血小板「と結合している」C4dを測定する。いくつかの方法(例えば、フローサイトメトリー)によって、インタクトな血小板の表面上のC4dが直接的測定されるが、他方、他の方法では、破砕された血小板のサンプル中において間接的にC4dが定量され、文字通りに血小板の表面上でC4dを測定しない。結果として、本明細書中で使用される場合、C4dは、血小板「と結合している」という場合、それは、C4dが血小板の表面上に存在するか、または、そのC4dが、破砕された血小板サンプル中に存在することを意味するが、いずれの場合においても、血小板の表面上に沈着したC4dの、直接的または間接的な測定である。
【0020】
SLEを有する患者における疾患活動性のモニタリングにおいて、患者の血液サンプルにおいて、上記と同じ決定がなされ、次いで、過去におけるその同一の患者から得られたサンプル中の血小板と結合したC4dの量で決定した量と比較される。
【0021】
一般的に、血液のサンプルは、その患者から得られると、EDTA(エチレンジアミントテトラアセテート)で処理して、補体活性化を阻害する。これらのサンプルは、室温または冷却状態で維持され得る。アッセイは、48時間以内に完全に行われる。
【0022】
補体C4dは、多くの方法によって定量され得る。この方法としては、フローサイトメトリー、血小板溶解物を用いたELISA、そして、ラジオイムノアッセイ(RIA)が挙げられる。1つの実施形態において、C4dは、フローサイトメトリー法によって定量され、測定が、C4dに対して特異的な、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用する、直接免疫蛍光法または間接免疫蛍光法によって行われる。代表的には、血小板C4dについての平均蛍光チャネル(mean fluorescence channel;MFC)が、決定される。フローサイトメトリーはまた、SLEを有していることが知られている患者における疾患活動性をモニタリングするために使用され得る。この方法において、第1の蛍光部分と結合化された抗C4d抗体が、血液サンプルに添加される。好ましい血小板特異的抗体は、上述の第1の蛍光部分とは検出可能に異なる第2の蛍光部分と結合体化しており、この抗体はまた、血小板上に沈着しておりかつ血液成分上に沈着していないC4dの細胞分取によって定量を容易にするために添加される。
【0023】
疾患の診断および疾患活動性のモニタリングの両方のためのフローサイトメトリーを実施する用途のためのキットもまた、提供される。キットは、パッケージ中に、本明細書中に記載の方法を実施するために必要な種々の試薬のいずれかを備える。例えば、免疫蛍光アッセイのために、それらのキットは、一般的に、標識した部分(例えば、蛍光部分)との、補体成分C4dに特異的な抗体の結合体を備え、そして、好ましくは、異なる蛍光部位との血小板特異的抗体の結合体(例えば、血小板性CD42bに特異的なモノクローナル抗体が挙げられるがこれらに限定されない)を備える。この抗体またはこれらの抗体類は、代表的には、モノクローナル性である。さらに、これらのキットは、この型のアッセイを実施する際に必要となり得る他の物質および血小板上のC4レベルを定量するために、このキットの抗C4d抗体および/または他の成分を使用するための指示書を備え、これらの物質としては、以下が挙げられる:緩衝液;ELISAまたはRIAアッセイのような場合には、放射性同位体標識抗体、二次抗体(これは、標識部位または他のタグ(例えば、アビジンまたはビオチン)と結合体化し、さらに、蛍光色素(fluorochrome)または酵素(例えば、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ)とさらに結合体化される));比色計用試薬(colorimeter reagent)。
【0024】
記載される方法およびキットにおいて有用な抗体は、公知である。抗CD42b抗体を分泌するハイブリドーマが、利用可能であり、このようなハイブリドーマとしては、例えば、Becton Dickinson Immunocytometory Systems(San Jose,CA)のハイブリドーマが挙げられる。抗C4d抗体は、Quidel Corp(San Diego,California)製のもの(#A213)であり、Rogers,J.N.Cooper et alに記載されている。アルツハイマー病におけるβアミロイドによる補体活性化は、PNAS 89:10016−10020,1992;Schwab,C.et alに記載されている。グアム島でのパーキンソン痴呆(Guam Parkinson dementia)は、反応性(reactive)小グリア細胞および補体タンパク質に関連する(Brain Res 707(2):196 1996;Gemmell,C.A flow cytometric immunoassay to quantify adsorption of complement activation products on artificial surfaces.J Biomed Mater Res 37:474−480,1997;およびStoltzner,S.E. et al Temporal accrual of complement protein in amyloid plaques in patients with Down’s syndrome with Alzheimer’s disease.Am J Path 156:489−499,2000)。C4dおよび/またはCD42bに特異的な結合試薬(例えば、Fvフラグメント、単鎖Fvフラグメント、Fabフラグメント、F(ab)2フラグメントまたは多価結合試薬が挙げられるがこれらに限定されない)は、「抗体類」または「抗体」と同義である。
【0025】
C4dおよびCD42bの値の決定が、代替的には、ELISAまたRIAのような多くの標準的な測定技術を使用して実施され得る。フローサイトメトリーに使用される、蛍光標識の代わりに、他の型の標識(例えば、放射性標識または色素標識(colorimetric label))が使用される。アッセイためのこのような試薬が使用されなければならない場合、これらのキットは、C4dに特異的な抗体(代表的には、モノクローナル抗体)および適切な標識(例えば、放射性同位体ヨウ素、アビジン、ビオチンまたは抗体(例えば、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ))と結合体化した、CD42bを備え得る。
【0026】
SLEを有する患者の診断は、正常な個体における血小板の表面上に代表的に存在するC4dの量についてのベース値または範囲と、決定したC4dの値とを比較することによって実施される。正常な個体において、C4dは、検出可能なレベルで存在しない。間接免疫蛍光法を利用するフローサイトメトリー測定を使用する場合、健常な抗体の血小板におけるC4dのMFCは、−1.17〜0.87(平均−0.39)の範囲である(表Iおよび表IV)。SLEを有する患者における血小板性C4dのMFCは、健常な患者のMFCよりも高く、−0.85〜31.67(平均2.65)の範囲である(表IIおよび表IV)。
【0027】
本発明の方法の具体的な特徴は、それまでの数週間または数ヶ月の間に、その患者において生じたSLE活性を示すかまたはそれを反映することである。この手順を使用して、それまでの数週間、または場合によっては、血小板の表面上に沈着したC4dの持続性に起因して数ヶ月の間にわたって、SLEの再発の存在を同定することは可能である。
【0028】
(自動化およびコンピュータソフトウェア)
上述のように記載される、C4dの決定およびその診断方法および疾患活動性モニタリング方法は、手動で実施され得るが、しばしば、必要な決定(または複数の決定)ならびに基底値または参照値との比較をなすために血液サンプルが自動的に分析される自動化システムおよび/または装置を使用して、都合よく実施され得る。
【0029】
したがって、一局面において、本発明は、個体における全身性エリテマトーデスを診断するかまたはモニタリングするための方法を包含して、その方法は、(a)血小板を含む個体からの血液サンプル中において、そのサンプルの血小板の表面上に沈着した補体成分C4dを自動的に決定する工程;および(b)血小板の表面上の補体C4dについて参照値と上述の決定した値を自動的に比較する工程を包含する。
【0030】
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態は、システム100を包含し、このシステム100は、コントローラ104の命令によって作動するデバイス102を備え得る。その破線は、いくつかの実装において、そのコントローラ104、または集合的に考慮されるそれらの一部分は、上述のデバイス102における1以上の要素が記載されるように作動するための命令を出し得る。したがって、本明細書中で記載された機能は、上述のシステム100においてソフトウェアが動作して、そのシステムの1以上の要素を制御するように実装される。本発明の1つの実施形態に従うデバイス102の例は、規定された様式で命令に対して応答し動作することができる汎用コンピュータである。他の例は、専用コンピュータが挙げられ、このようなコンピュータとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、サーバ、ノート型コンピュータ、インターネット対応型電話、インターネット対応型携帯情報端末(PDA)、マイクロプロセッサ、集積回路、特定用途集積回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ネットワークサーバ、Java(登録商標)仮想マシン、論理アレイ(logic array)、プログラム可能論理アレイ(programmable logic array)、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、または大型コンピュータ(large frame computer)、またはいずれかの他のコンポーネント、マシン、ツール、装置または、命令に応答してそれを実行することができる上述のものの組合せが挙げられる。さらに、上述のシステム100は、ベースラインプロセッサを備える中央処理エンジン、メモリ、および通信機能を備え得る。このシステム100はまた、通信システムを備え、複数のプロセッサが互いに通信することを可能にする。さらに、このシステム100は、ディスクドライブ、着脱可能ドライブおよび新規ソフトウェアをロードするための制御要素の形態でストレージ106を備え得る。本方法の実施形態において、1以上の参照値が、デバイス102に接続されているメモリに記憶され得る。補体C4dの決定に対応するデータを(例えば、適切な分析装置から)取得した後に、そのデバイス102は、C4dのデータを1以上の適切な参照データと比較し得る。この比較工程が起動すると、上述のデバイス102は、補体C4dの決定に対応するデータがSLEに関連付けられるか否かを自動的に決定し得る。
【0031】
コントロール104の実施形態は、上述のデバイス103がプログラムされるように相互作用し、作動するように独立して、または集合的に命令するための、例えば、そのデバイス102によって実行可能な、プログラム、コード、命令のセット、またはそれらの組合せを備え得る。コントローラ104の1つの例は、命令の実行を指示するためにデバイス102にインストールされた、ソフトウェアアプリケーション(例えば、基本ソフト(OS)、ブラウザアプリケーション、クライアントアプリケーション、サーバアプリケーション、プロキシアプリケーション、オンラインサービスプロバイダアプリケーションおよび/または専用線ネットワークアプリケーション)である。1つの実施形態において、そのコントローラ104は、Windows(登録商標)系の基本ソフトであり得る。このコントローラ104は、適切なコンピュータ言語(例えば、C/C++、UNIX(登録商標) SHELL SCRIPT、PERL、JAVA(登録商標)、JAVASCRIPT、HTML/DHTML/XML、FLASH、WINDOWS(登録商標)NT、UNIX(登録商標)/LINUX、APACHE、リレーションナルデータベース管理システム(例えば、ORACLE、INFORMIXおよびMySQLが挙げられる)およびオブジェクト指向技術を利用して実装され得る。
【0032】
1つの実施形態において、このコントローラ104は、マシン、コンポーネント、物理的装置または仮想装置、記憶媒体、またはデバイス102への命令を送達することできる伝搬信号(propagated signal)のいずれかの型で、永続的または一時的に具現化される。具体的には、コントローラ104(例えば、ソフトウェアアプリケーションおよび/またはコンピュータプログラム)は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体(例えば、ディスク、デバイスまたは伝搬信号)のいずれかで記憶されており、これらの読み取可能媒体は、デバイス102によって読み取り可能であり、その結果、そのデバイス102が、記憶媒体を読み込むと、本明細書中で記載された機能が、実行される。例えば、1つの実施形態において、そのコントローラ104は、以下の機能を実行するための種々のコンピュータ読み取り可能媒体において実施され得る:
(a)血小板の表面に沈着した補体成分C4dの決定に対応するデータを受信する工程;
(b)個体の血小板の表面に沈着した補体成分C4dに関する参照値を受信する工程;および
(c)(a)のデータと(b)の参照値とを比較する工程。
【0033】
本明細書中で引用された、刊行物および特許出願の全ては、個々の刊行物および特許出願が、具体的にかつ個々に参考として援用されるように示されたがごとく、参考として援用される。
【実施例】
【0034】
(実施例および実験データ)
以下の実施例は、例示として提供されるのであって、限定的に提供されるのではない。当業者は、本質的に類似の結果が得られるように変化または改変され得る種々の非臨界的パラメータを用意に認識する。
【0035】
(実施例1)
(健常なコントロールにおける血小板のC4dのアッセイ:ネガティブ)
25名の健常な個体について研究した。表Iにおいて示されるように、C4dは、25名の健常な個体の各々の血小板上に検出されなかった。1mLのEDTA抗凝集化末梢血のサンプルを、個体の各々から採取して、血小板の供給源として使用した。これらの血小板を、洗浄して、蛍光活性化細胞分類(Fluorescence−Activated Cell Sorter;FACS)用緩衝液に再懸濁した。C4dおよびCD42bのレベルを、C4dおよびCD42bにそれぞれ、特異的なモノクローナル抗体を使用する2色の間接的免疫蛍光法によって測定した。C4dおよびCD42bのレベルを、FACSCalibur cytometer(Becton Dickinson)を使用してフローサイトメトリーによって定量した。これらの血小板を、前方散乱および側方散乱によって同定して、CD42b蛍光および平均蛍光チャネル(mean fluorescence chnnel;MFC)を、C4dについて決定した。
【0036】
より具体的には、血液を、7.2mgのEDTA(Becton Dichkinson,Franklin Lakes,NJ)を抗凝集剤として入れたVacutainer試験管に注入し、2時間以内に処理した。全血を、リン酸緩衝化塩水(PBS)で1/10に希釈した。その希釈した全血の10μlのアリコートを、血小板を同定するためのフローサイトメトリーのために0.25μgのPE標識した抗CD42bモノクローナル抗体、および、、0.25μgの、Alexa Fluor 488(Molecular Probes,Eugene,OR)結合体化させた以下のモノクローナル抗体のうちの1つを免疫蛍光的な標識した:抗C4d(Quidel Corp.,San Diego,CA)またはアイソタイプコントロールMOPC21。サンプルを、10分間
に亘って室温でインキュベートして、次いで、0.5mlの冷PBSで希釈して、そして,FACSCaliburフローサイトメトリー(Becton Dickinson Immunocytometry System,San Jose,CA)で分析した。血小板を、前方散乱の特性およびCD42bの発現、血小板特異的マーカーによって電子装置的に開閉、通過させた。血小板に対する免疫グロブリンの非特異的な結合を、アイソタイプコントロール抗体MOPC21(American Type Culture Collection,Manassa,Virginiaより入手可能)を使用して並列的に同じアッセイを実施することによって決定した。抗C4dおよび抗CD42bの特異的結合を、それぞれ、抗C4dおよび抗CD42bで、得られたMFCから、MOPC21で得られたMFCを差し引くことによって決定した。
【0037】
(実施例2:)
(健常コントロールからSLEを有する患者を区別するための血小板性C4dのアッセイ)
この実施例は、全身性エリテマトーデスを診断するために、補体C4dに対する参照値または参照範囲を確立するための、アッセイの実施を説明する。
【0038】
この目的のために、発明者らは、外来患者診療所から、狼瘡を患う115名の患者を募集した。血小板のC4dの単一決定を、SLEの診断に関するACR基準を満たした115名および35名の健常なコントロールに関して、実施した(表I)。SLEを有する患者および健常コントロールにおけるCR1およびC4dの平均値および中央値を、表IVにおいて示す。健常個体におけるC4dに関する平均値が、−0.39であったのに対して、SLEを有する患者におけるC4dは、SLEを有する患者に対する平均値は、2.65であった(p=0.0001)。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
健常なコントロールに対して比較するSLE患者において、これらの測定の感受性および特異性は、それぞれ、39%および100%であった(表V)。
【0042】
(実施例3:)
(他の疾患を有する患者とSLEを有する患者とを区別するための血小板性C4dのアッセイ)
SLEを有する患者 対 健常なコントロールとのこれらの研究の後に、SLE以外の他の疾患を有すると診断された患者(n=103)とSLEを有する患者とを比較する研究を続けた。この比較のために、発明者らは、全身性硬化症を有する患者(n=13)、慢性関節リウマチ(n=17)、変形関節症(n=2)、C型肝炎ウイルス感染(n=14)、多発性筋炎/皮膚筋炎(n=18)、シューグレン症候群(n=2)、じんま疹様血管炎(n=1)、鎌状(赤)血球貧血(n=8)、重複症候群(overlap syndrome)/未分化結合組織性疾患(n=12)、白血病/リンパ腫(n=9)、原発性レイノー病(n=3)、血友病(n=2)、および乾癬(n=2)を有する疾患を研究する。血小板性C4dの単一の決定を、同じアッセイを使用しておこなった。SLEを有する患者についてのC4dの平均値および中央値は、他の疾患を有する患者と比較して、表IVに示す。他の疾患を有する患者におけるC4dについての平均値は、0.53であり、SLEを有する患者におけるC4dについての平均値は、2.59である(p=0.0001)。他の疾患に比べると、SLEに患者においては、これら測定の感受性および特異性は、それぞれ、39%および94%である(表V)。
【0043】
【表3】

【0044】
(実施例4)
次いで、発明者らは、SLE疾患活動性指数(Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index;SLEDAI)によって規定されるような疾患活動性を測定する際の血小板性C4dレベルの有用性を調べた。発明者らは、この研究に記録された115名の狼瘡患者の結果を提示する。一変量の線形回帰モデルを用いると、血小板性C4dは、疾患活動性の最も有意な予測因子(P=0.002)であった。
【0045】
【表4】

【0046】
上述の発明は、理解の明瞭のために、例示および実施例によってその詳細を記載してきたが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、変更および改変がなされ得るということは、本発明の技術において、当業者にとって難なく明瞭なことである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】記載なし。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における全身性エリテマトーデスを同定するための方法であって、該方法は、以下:
該個体から得た血小板と結合した補体C4dを定量する工程;および
該個体から得た血小板と結合した補体C4dの量を、全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較する工程
を包含し、
ここで、全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較して、該個体から得た血小板と結合した補体C4d量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関がある、
方法。
【請求項2】
前記個体から得られた血小板と結合したCD42bを定量する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、ここで、
補体C4dの定量が、該C4dを、第1の標識された部分と補体C4dに特異的な抗体との結合体に結合させる工程、および
該第1の標識された部分を定量する工程
を包含する、方法によって実施される、方法。
【請求項4】
前記第1の標識された部分は、蛍光発光部分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の蛍光発光部分が、フローサイトメトリー分析によって定量される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法であって、該方法は、
前記第1の標識された部分とは検出可能に異なっている第2の標識された部分とCD42bに対して特異的な抗体の結合体に、CD42bを結合させる工程;および
該第2の標識された部分を定量する工程
をさらに包含する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、ここで、前記第2の標識された部分が、蛍光発光部分である、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、ここで、前記第2の蛍光発光部分がフローサイトメトリー分析によって定量される、方法。
【請求項9】
個体における全身性エリテマトーデスの疾患活動性をモニタリングする方法であって、該方法は、以下:
該個体から得た血小板と結合した補体C4dを定量する工程;および
該個体から得た血小板と結合した補体C4dの量を、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体のいずれかから得られた血小板と結合した補体C4dの量を比較する工程
を包含し、
ここで、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較して該個体から得た血小板と結合した補体C4dの量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関がある、
方法。
【請求項10】
方法であって、以下:
該個体から得た血小板と結合した補体C4dを定量する工程;および
該個体から得た血小板と結合した補体C4dの量を、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体のいずれかから得られた血小板と結合した補体C4dの量を比較する工程
を包含し、
ここで、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と比較して該個体から得た血小板と結合した補体C4dの量が多いことが、その患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関がある、
方法。
【請求項11】
個体における全身性エリテマトーデスを同定するためのキットであって、該キットは、
以下:
第1の標識部分と、補体C4dに特異的な抗体との結合体を含むパッケージ;および
血小板と結合した補体C4dを同定するための該結合体の使用に関する指示書
を備える、キット。
【請求項12】
請求項11に記載のキットであって、ここで、前記第1の標識部分が、蛍光発光部分である、キット。
【請求項13】
請求項11に記載のキットであって、前記第1の標識部分とは検出可能に異なる第2の標識部分とCD42bに特異的な抗体との結合体を備える、キット。
【請求項14】
請求項13に記載のキットであって、前記第2の標識部分が、蛍光発光部分である、キット。
【請求項15】
方法を実行するための実行可能命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該方法は、以下:
血小板の表面に沈着した補体成分C4dの決定に対応するデータを受信する工程;
個体の血小板の表面に沈着した補体成分C4dに関する参照値を受信する工程;および
該データと該参照値とを比較する工程
を包含する、
コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項16】
個体において全身性エリテマトーデスを同定するための方法を実行するための実行可能命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該方法は、以下:
該個体から得られた血小板と結合した補体C4dを定量する工程;および
該個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量と、全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合するC4dとの量を比較する工程;
を包含し、
該全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合するC4dの量と比較して該個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量が多いことが、該患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関している、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項17】
前記個体から得られた血小板と結合するCD42bを定量する実行可能命令をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項18】
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、第1の標識された部分と、補体C4dに対して特異的な抗体の結合体に、C4dを結合し、該第1の標識された部分を定量することによって、補体C4dの定量を実行するための実行可能な命令をさらに含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項19】
前記第2の標識された部分が、蛍光部分である、請求項18に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項20】
前記第1の蛍光発光部分が、フローサイトメトリー分析によって定量される、請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項21】
請求項18に記載のコンピュータ読み取り可能媒体であって、
以下:
前記第1の標識部位とは検出可能に異なっている第2の標識部位と、CD42bに特異的な抗体との結合体に、CD42bを結合させる工程;
該第2の標識された標識部分を定量する工程
のための実行可能な命令をさらに含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項22】
前記第2の蛍光標識された部分が、蛍光発光部分である、請求項21に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項23】
前記第2の蛍光発光部分が、フローサイトメトリー分析によって定量される、請求項22に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項24】
全身性エリテマトーデスの疾患活動性をモニタリングするための方法を実行するための実行可能な命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該方法は、
以下:
該個体から得られた血小板と結合した補体C4dを定量する工程;
該個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量を、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量を比較する工程;
を包含し、
1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合するC4dの量と比較して、該個体から得られた血小板と結合するC4dの量が多いことが、該患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関する、
コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項25】
方法を実行するための実行可能命令を具体的に実装するコンピュータ読み取り可能媒体であって、該方法は、以下:
個体から得られた血小板と結合した補体C4dを定量する工程;
個体から得られた血小板と結合した補体C4dの量を、1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量を比較する工程;
を包含し、
1以上の異なる時点での該個体または全身性エリテマトーデスを有さない個体から得られた血小板と結合する補体C4dの量と比較して、該個体から得られた血小板と結合するC4dの量が多いことが、該患者における全身性エリテマトーデスの存在と相関する、
コンピュータ読み取り可能媒体。

【図1】
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【公表番号】特表2006−524342(P2006−524342A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513114(P2006−513114)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/011982
【国際公開番号】WO2004/093647
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(501102988)ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション (24)
【Fターム(参考)】