説明

共同ザッピングのためのシステム、装置および方法

本発明はテレビなどコンテンツ項目受信用装置のシステム、コンテンツ項目受信用装置を制御する方法およびコンテンツ項目受信用装置と通信するためのリモコン・ユニットに関する。そのシステムは、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーについては同じコンテンツ項目を自動的に選択するよう前記装置を制御するための選択制御手段(120、130、140)を有する。選択制御手段はケーブルネットワークのヘッドエンドに位置していてもよい。選択制御手段は選択制御回路(120)、ユーザー・プロファイル・ユニット(130)および/またはオペレーター・インターフェース(140)を有しうる。受信機に送信するための選択制御データが、たとえば同じユーザー嗜好をもつユーザーについての共同ユーザー・プロファイルおよびEPGデータを使って生成されうる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビなどコンテンツ項目受信用装置のシステム、コンテンツ項目受信用装置を制御する方法およびコンテンツ項目受信用装置と通信するためのリモコン・ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,493,688号はテレビ番組を受信するためのチューナー、ユーザー・プロファイルを取得するためのユーザー・プロファイル手段およびザップ制御手段を有するテレビを記載している。前記ザップ制御手段は、前記ユーザー・プロファイルに基づいてプラスのレーティングをもつ番組を放送するチャンネルのみを含む、チャンネルのザップ・サークルを定義する。該ザップ・サークル内のチャンネルは、チャンネル・プリセット番号またはそれぞれのプラスのレーティングに従って注文されうる。番組が変わる、すなわち番組が終わるときは常に、ザップ・サークルは再分類されて、ある時点でチャンネル上で放送される番組のレーティングに依存して当該サークルのチャンネルが追加されたり除外されたりする。ザップ・サークルを通じたザッピングは、リモコン・ユニットにある従来式のザップ・キー、たとえばチャンネル+/−ボタンを使うことによって実現される。前記ユーザー・プロファイルは上述した仕方でテレビを制御するためのリモコン・ユニットに転送されうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知のテレビにおいては、ユーザーは手動で番組を選択しなければならない。チャンネル間のザッピングの既知の方法は多数のテレビチャンネルがある場合には好適ではない。ザップ・サークルに含められるテレビチャンネルの数が多すぎることになりうるからである。よって、チャンネル間のザッピングは非常に時間がかかることになりうる。その上、チャンネル数が多い場合、ユーザーにとって番組とチャンネルの組み合わせにレーティングを付けるのは非常に煩わしいものとなりうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術の欠点を解消し、ユーザーからの最小限の入力でコンテンツ項目の選択を実行するコンテンツ項目受信用装置を提供することが本発明の目的の一つである。
【0005】
前記目的は、前記コンテンツ項目受信用装置が、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーについては自動的に同じコンテンツ項目を選択するよう当該装置を制御するための選択制御手段を有することによって実現される。
【0006】
本発明によれば、コンテンツ項目受信用装置は、ユーザーの興味に基づいたコンテンツ項目をユーザーに提供し、ユーザー入力なしに自動的にコンテンツ項目を選択するよう構成されている。そのような諸装置のシステムは、自動的に同じコンテンツ項目を選択するよう当該装置を制御するための選択制御手段を有する。前記諸装置は実質同じユーザー嗜好をもつユーザー、すなわちコンテンツに関して似通った関心をもつユーザーには同じコンテンツ項目を提供する。前記システム中の諸装置は、選択制御手段から選択制御データを取得し、それに従ってコンテンツ項目を選択するよう構成されていることができる。前記選択制御手段はたとえば、逐次的選択のためのコンテンツ項目のリストを取得し、それに応じて前記選択制御データを生成するよう構成されていることができる。本発明に基づくシステムは、装置を米国特許第6,493,688号から知られるテレビよりも簡単にすることができ、当該装置は既知のテレビに組み込まれる必要のあるユーザー・プロファイル手段およびザップ制御手段といったいかなる手段も有さなくてもよいという利点がある。
【0007】
前記システムのテレビ番組受信用テレビ受信機には、似通ったユーザー嗜好をもつユーザーの諸テレビ受信機が含まれうる。本発明によれば、前記諸テレビ受信機は関心対象の番組に同調したままでおり、そのような番組の間で自動的に切り換えを行うよう構成されることができる。よって、ユーザーが手動で関心のある番組に切り換える必要はある。
【0008】
本発明のある実施形態によれば、前記選択制御手段は、コンテンツ項目を同時に選択するよう諸装置を制御するよう構成されている。たとえば、前記選択制御手段は前記諸装置に、ある時点において全コンテンツ項目を同期的に選択するよう命じてもよい。あるいはまた、前記諸装置は、同じ時点においてある第一のコンテンツ項目を、その後は同じ諸コンテンツ項目を選択するよう制御されてもよい。同じ諸コンテンツ項目は同じ長さだからである。こうして、諸ユーザーが同じ時間に同じコンテンツ項目を提示されることができる。
【0009】
あるさらなる実施形態では、前記選択制御手段は前記諸装置を、ある第一のコンテンツ項目およびある第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成されており、前記第一および第二のコンテンツ項目はユーザー嗜好に従って相続く。たとえば、前記第一および第二のコンテンツ項目は、同じコンテキストに関係したコンテンツ項目、異なる時間に異なるチャンネルで放送される最新テレビニュース番組、同じプロデューサーの映画、同じ歌手もしくはバンドの歌などでありうる。
【0010】
あるさらなる実施形態では、前記選択制御手段は前記諸装置を、前記第一のコンテンツ項目の受信の中断に反応して前記第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成されており、前記第一および第二のコンテンツ項目は同じ放送ライブイベントに関係している。たとえば、放送ライブイベントに関係した前記第一のテレビ番組はコマーシャルによって中断されうる。前記装置は、そのライブイベントのユーザーへの提示の望ましくない中断を避けるために、たとえばある別のテレビチャンネルで放送されているある第二のテレビ番組を自動的に選択するよう構成されうる。たとえば、F1レースのテレビ中継番組は複数のチャンネルで放送される傾向があるものであるが、しばしばコマーシャルによって中断される。
【0011】
別の例では、前記選択制御手段は前記諸装置を、前記第一のコンテンツ項目の続きである前記第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成される。前記諸装置は、ある第一のチャンネル上であるテレビ番組のある第一の部分およびある第二のチャンネル上で前記テレビ番組のある第二の部分を選択するよう制御されうる。前記第一および第二の部分はあるテレビショー番組に論理的に後続する部分でありうる。
【0012】
あるさらなる実施形態では、本発明のシステムはさらに、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーの共同ユーザー・プロファイルおよび後続のコンテンツ項目の制御スケジュールを取得するためのユーザー・プロファイル手段を有しており、前記選択制御手段は、前記制御スケジュールを取得して前記諸装置をそれに従って制御するよう構成されている。前記共同ユーザー・プロファイルは前記制御スケジュールを取得するために使用されうる。これは、単一のユーザー・プロファイル手段によって実行されうる。米国特許第6,493,688号のように個々の装置のための個々のユーザー・プロファイル手段が必要でないことは本発明の利点である。
【0013】
米国特許第6,493,688号によれば、現在放送されている、すなわち何らかの時点で放送されているテレビ番組の集合がザップ・サークル内で配列される。この従来技術とは対照的に、本発明のユーザー・プロファイル手段は逐次的に選択されるべきコンテンツ項目のスケジュールを生成する。
【0014】
あるさらなる実施形態では、前記選択制御手段は、前記諸装置から隔たった当該選択制御手段の側にいるオペレーターの入力を取得するよう構成されている。前記オペレーターは、当該選択制御手段に命令を与えて前記諸装置をそれに従って制御させるのである。たとえば、ケーブルテレビプロバイダー、衛星テレビプロバイダーまたはテレビ放送局の側にいるオペレーターは、異なるテレビチャンネル上で放送されている番組の概覧が与えられていることがある。その概覧に基づいて、そのオペレーターは似通ったユーザー嗜好をもつユーザーのためのテレビ番組間の切り換えについての決定をしうる。たとえば、ユーザーはコマーシャルを見たくないときにそのようなサービスを申し込むことが考えられる。前記サービスの枠組みにおいては、ある特定のテレビチャンネルの放送局のオペレーターは、たとえば自分の入力を前記選択制御手段に与えて、その特定のチャンネル上でコマーシャルが放送されている間別のテレビチャンネルを選択するサービスに申し込んでいるユーザーの装置を制御することができる。前記ユーザー・プロファイル手段が前記共同ユーザー・プロファイルに基づいて前記制御スケジュールを前記選択制御手段に提供するようにするよりも、そのオペレーターがマニュアルで操作する、すなわち、前記選択制御手段にリアルタイムで命令を与えることが有益であることがある。オペレーターの作業のほうが高品質となりうるからである。別の例では、まず前記制御スケジュールを生成するために前記ユーザー・プロファイル手段が使われることができ、次いで前記オペレーターが前記制御スケジュールを訂正するか、および/または前記諸装置を制御するための前記選択制御手段に提供されることを承認するかできるようになっていてもよい。
【0015】
本発明によれば、コンテンツ項目受信用装置は、ある別のコンテンツ項目受信用装置と同じコンテンツ項目を自動的に選択するための選択制御データを受信するための手段を有している。ここで、前記両装置のユーザーは実質同じユーザー嗜好を有している。当該装置は前記選択制御データを、別の位置にある前記選択制御手段から受信しうる。当該装置はユーザーに、似通ったユーザー嗜好をもつ諸ユーザーについての他の諸装置と同じコンテンツ項目を自動的に提供するよう構成されている。
【0016】
本発明はまた、コンテンツ項目受信用装置と通信するためのリモコン・ユニットをも記載する。ここで、前記リモコン・ユニットは、別のコンテンツ項目受信用装置と同じコンテンツ項目を自動的に選択するよう当該装置を制御するよう構成されている。ここで、前記両装置のユーザーは実質同じユーザー嗜好を有している。
【0017】
本発明の目的はまた、諸コンテンツ項目受信用装置を制御する方法が、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーについては同じコンテンツ項目を自動的に選択するよう前記諸装置を制御するステップを有することにおいても実現される。
【0018】
これらのことを含む本発明のさまざまな側面について、付属の図面を参照しつつさらに述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に基づくシステムは、コンテンツ項目を送信するための送信機および前記コンテンツ項目を受信するための諸装置すなわち諸受信機を有しうる。たとえば、前記送信機および前記諸装置はケーブルネットワーク内に位置していることができる。図1は、自動的に同じコンテンツ項目を選択するよう前記諸装置を制御するための選択制御手段を有する送信機100の実施形態を示している。この送信機は、コンテンツデータと選択制御データを多重化するためのマルチプレクサ110を有しうる。たとえば、この送信機はテレビ信号などのビデオ信号を受信または局所的に取得するよう構成されていてもよい。前記信号はさらに、MPEG-2ビデオ符号化規格に従ってマルチメディアコンテンツデータビットストリームにエンコードされる。別の例では、前記コンテンツデータはすでにMPEG-2基本ビットストリームとして利用可能であってもよい。
【0020】
前記送信機はさらに、選択制御データを生成するよう構成された選択制御回路120を有していてもよい。前記選択制御回路はユーザー・プロファイル・ユニット130および/またはオペレーター制御インターフェース140に結合されていてもよい。これらは、前記選択制御回路に、テレビなどの受信機がコンテンツ項目を自動的に選択できるようにするために好適な選択情報を提供するよう構成されていてもよい。前記選択情報は、コンテンツ項目の単純なリストなどのコンテンツ項目の集合、XMLスクリプトなどのザッピング・スクリプトまたはその他のメタデータでありうる。
【0021】
前記コンテンツ項目の集合は、コンテンツに関して似通った嗜好をもつユーザーについて得られうる。そのようなユーザーはたとえば、映画のジャンルについて似通った嗜好をもつのでもよいし、同じコンテンツプロバイダーをより好むのでもよいし、あるいは単に同じテレビチャンネルを見ることを好むのでもよい。
【0022】
前記送信機は、似通ったユーザー嗜好をもつユーザーを同定するために、前記諸受信機に問い合わせをするよう構成されていることができる。前記受信機は、前記ユーザー・プロファイル・ユニットにユーザー嗜好を示すユーザーデータを提供するよう構成されていることができる。ユーザー嗜好とはたとえば、ユーザーのテレビ視聴活動の履歴についての情報、ユーザーの年齢、性別、職業などの人口構成情報、単にそのユーザーが今見ているテレビチャンネルの識別情報などである。
【0023】
前記ユーザー・プロファイル・ユニットは、たとえば、似通ったユーザー嗜好をもつユーザーの共同ユーザー・プロファイルを取得するよう構成されていることができる。前記ユーザー・プロファイル・ユニットはすでに利用可能な共同ユーザー・プロファイルを受信してもよいし、あるいは既知の諸方法を使って前記共同プロファイルを生成してもよい。前記共同ユーザー・プロファイルの確立は、当該ユーザーと他のユーザーとの間、および当該ユーザーのプロファイル中でインデックスされているコンテンツとデータベース中の他のコンテンツとの間のプロファイルの類似性を基礎として行うことができる。また、異なるユーザーのテレビ視聴活動履歴についての情報が比較されてもよい。当該ユーザーの暗黙的および/または明示的なコンテンツ項目のレーティングと他のユーザーのレーティングとの間の類似性の相関を調べてもよい。該相関に基づいて、似通ったユーザー嗜好をもつユーザーのサブセットが選択されうる。
【0024】
本発明の実施形態の一つでは、前記受信機は、ユーザーがあるユーザー・プロファイルに加入できるようにするよう構成されうる。たとえば、前記ユーザーが加入できるよう、前記ユーザー・プロファイル・ユニットにおいて複数のユーザー・プロファイル、たとえばステレオタイプ的なユーザー・プロファイルまたはコミュニティー・ユーザープロファイルが利用可能であってもよい。
【0025】
共同ユーザー・プロファイルまたはあるユーザー集団の似通ったユーザー嗜好を示すその他のデータが取得されたのち、前記ユーザー・プロファイル・ユニットは、選択情報を自動的に確立するためにたとえばEPGデータ(Electronic Programme Guide[電子番組表])を解析してもよい。前記EPGデータは放送テレビ番組に関するデータレコードでありうる。利用可能な各番組は、そのチャンネル、開始および終了時刻、タイトル、出演俳優名、クローズドキャプションおよびステレオが利用可能かどうか、そしておそらくはその番組の簡単な説明といった当該番組についての情報を含む単一の対応するデータレコードを有していることができる。ある期間、たとえば2週間にまたがるこうしたデータは、典型的には、サーバー、たとえばケーブルシステムのヘッドエンドにおいて、ケーブルシステムによる放送のために一度事前整形される。前記ユーザー・プロファイル・ユニットは、前記共同ユーザー・プロファイルを使って前記EPGデータをフィルタ処理してその後の番組の制御スケジュールを形成するよう構成されていることができる。取得された番組スケジュールは、異なるテレビチャンネル上である諸時点に放送されるテレビ番組を含みうる。別の例では、前記ユーザー・プロファイル・ユニットはテレビ番組以外のコンテンツ項目の制御スケジュールを確立するよう構成されうる。たとえば、前記コンテンツ項目は、当該受信機がコンテンツを受信できるメディア・コンテンツ・データベース(図示せず)に保存されている映画またはその他の記録されたコンテンツでありうる。前記データベース中のコンテンツ項目はインデックス付けされ、前記送信機が当該受信機にそれぞれのコンテンツ項目を前記データベースから受信するよう命令できるような一意的な識別子が割り当てられていてもよい。この目的のため、前記選択情報にコンテンツ項目の識別子が含められてもよい。
【0026】
前記ユーザー・プロファイル・ユニットによって生成される単純な選択情報の例を下の表に示す。
【0027】
【表1】

上の表の選択情報は、異なるソースからの、しかし連続的なスケジュールからのコンテンツ項目を示している。前記諸受信機がそのような選択情報を受信して前記選択情報に従ってコンテンツ項目間で自動的に切り替えをするとき、複数のユーザーが同時に同じコンテンツ項目を提示されうる。このようにして、似通ったユーザー嗜好をもつユーザー集団は関心のある番組に同調したままでいる。
【0028】
コンテンツ項目についての追加的な情報、たとえばEPGデータ中で与えられるテレビ番組の要約に基づき、前記ユーザー・プロファイル・ユニットは、ユーザー嗜好に従ってコンテンツ項目が逐次的に構成される前記選択情報を生成するよう構成されていてもよい。相続くコンテンツ項目は同じプロデューサー、同じテーマまたはコンテキスト、同じ映画俳優などに関係するものであることができる。
【0029】
前記ユーザー・プロファイル・ユニットは、前記選択情報内にコンテンツ項目のシーケンスを入れることができる。該シーケンスのあるコンテンツ項目は、そのシーケンスにおける直前のコンテンツ項目の続きである。たとえば、上に示した表では、テレビ番組1は映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』であり、テレビ番組2は映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』であるなどである。これらの番組は同じストーリー・シリーズからのものであり、ユーザーは両方のテレビ番組を好みうる。これらの番組の間の関係はそのタイトル、出演俳優、似通ったストーリーなどから容易に見出すことができる。『アイドルズ(Idols)』のような娯楽ショーはあるテレビチャンネルで始まって別のテレビチャンネルに続くもので、上記のようなコンテンツ項目の同様の例である。
【0030】
オペレーター・インターフェース140も前記選択情報を生成するために使用されうる。前記オペレーター・インターフェースは前記オペレーターに、それぞれのテレビチャンネル上で放送されるテレビ番組、さまざまなデータベースに保存されているコンテンツ項目などの概覧を提供する。たとえば、放送テレビ番組、EPG表中に整形されたEPGデータ、保存されているコンテンツ項目をブラウズするためのメディア・データベース・インターフェースが、専用ビデオディスプレイ上で当該オペレーターに示されてもよい。EPG表は典型的には、特定の放送チャンネルまたはケーブルチャンネルを表す行と、特定の時間枠、たとえば30分の時間枠を表す列を用いて示される。複数の行、複数の列が画面上に同時に表示できる。
【0031】
前記オペレーター・インターフェースはさらに、当該オペレーターが表1に示されたような書式で前記選択情報を入力できるようにするグラフィカルユーザーインターフェースおよび実際にその選択情報を入力するためのコンソールを有していてもよい。テレビでは、さまざまな自動的コマーシャル検出器が知られている。しかし、そのような検出器は時に信頼できず、一部のコマーシャルが検出できないことがある。本発明によれば、前記オペレーター・インターフェースは、オペレーターが手動で命令を当該オペレーター・インターフェースに入力することを許容するよう適応されることができ、それにより受信機を別のテレビチャンネルに切り換えるなどするための望ましい選択情報を生成するようにできる。
【0032】
本発明の実施形態の一つでは、前記オペレーターは、自分の選択をたとえば前記選択制御回路120にアップロードすることによって他のユーザーと共有するユーザーであってもよい。
【0033】
前記選択制御ユニットが前記選択情報を取得したのち、前記選択制御データが生成され、マルチプレクサに加えられる。前記選択制御データは、たとえば米国特許第5,633,683号に記載されているようにコンテンツ項目とともに送信されうる。MPEG-2規格に基づく基本ビットストリームからなる番組はパケットとして送信され、そのデータストリームを結合するためには番組関連付け表が使用される。前記選択情報は対応するシンタックスで前記番組表中の記述子を使って提示されうる。
【0034】
本発明は図1に示された実施形態に限定されるものではない。当該システムの別の実施形態では、前記選択制御手段は、諸コンテンツ項目受信用装置にとって、インターネットまたはその他のネットワークを介してアクセス可能であってもよい。たとえば、前記選択制御手段は、前記選択制御手段を可能にするコンピュータプログラムを実行するインターネット・サーバーを使って実現することができる。受信機はインターネットを介した選択制御手段との双方向通信を許容する通信手段を有していてもよい。
【0035】
本発明のシステムは、必ずしも送信機をケーブルネットワークのヘッドエンドに、受信機をケーブルネットワークのバックエンドに有していなくてもよい。送信機のいくつかの部分が受信機側にあってもよいし、あるいは送信機が別の仕方で実装されてもよい。
【0036】
図2を参照すると、コンテンツ項目受信用装置、すなわち受信機の実施例が示されている。受信機200はチューナー210、マイクロプロセッサ220およびタイマー(図示せず)を有しうる。チューナー210は、コンテンツ項目および選択制御データを電気伝導体、光ファイバーケーブル、衛星配送、携帯電話ネットワーク配送、データ担体を通じてあるいは他の任意の方法において受信するよう構成されている。
【0037】
前記マイクロプロセッサは、米国特許第5,633,683号から知られている仕方で、受信データから選択情報を取得し、その受信情報に示されているようにコンテンツ項目を自動的に受信するようチューナーを制御することができる。チューナーがそのコンテンツ項目を正しい時間に、かつ他の受信機と同期して受信することを保証するため、前記タイマーが送信機の選択制御ユニットと同期されていてもよいし、あるいは他の受信機のタイマーと同じ仕方で補正されてもよい。
【0038】
受信機200は、コンテンツ項目を受信するためにさまざまなコンテンツ・ソースに結合されていてもよい。該受信機はまた、ユーザー・インターフェース230およびコンテンツ提示手段240をも有しうる。ユーザーは、たとえば普通のディスプレイなどの前記提示手段およびキーボード(図示せず)もしくはリモコン・ユニット250を通じてユーザーと対話するコンピュータプログラムによって実現されるユーザー・インターフェースを使用して、上述したようにユーザー・プロファイル・ユニット130に保存されているユーザー・プロファイルに加入することができる。前記マイクロプロセッサはまた、ユーザー・プロファイル・ユニット130にユーザーのザッピング履歴のようなユーザーデータを提供するよう構成されていてもよい。
【0039】
受信機100に送信された前記選択情報はXMLスクリプトとして提示されてもよい。そのXMLスクリプトを既知の仕方で構文解析して実行するようCPUが構成されていてもよい。
【0040】
本発明の実施形態の一つでは、受信機はリモコン・ユニット250を通じて選択制御データを取得するよう構成されていてもよい。フィリップスによって製造されているプログラム可能リモコンi-Prontoなどのリモコン・ユニットは、前記選択制御データをインターネットを通じてダウンロードするよう構成されることができる。リモコン・ユニットは、マイクロプロセッサ220と同じ仕方で選択制御データを処理するよう構成されていることができる。そのようなリモコンは通常、チューナー210を制御することができる。このように、当該リモコン・ユニットは、当該ユーザーに興味のあるテレビチャンネルの間で自動的にザッピングを開始するようテレビを制御することができる。
【0041】
あるさらなる実施形態では、携帯電話のような専用デバイスが選択制御ユニットから選択制御データを取得するよう構成されうる。制御プロトコル、たとえばネットワーク接続されたテレビによってサポートされるUPnPプロトコルを使って、専用デバイスはそれに従ってチューナー210を制御できる。携帯電話はチューナーを制御するためにブルートゥース通信手段を有していてもよい。
【0042】
前記コンテンツ提示手段は、テレビのディスプレイ、ビデオレコーダー、DVDプレーヤー、ホームシネマシステム、携帯オーディオプレーヤー、携帯ビデオプレーヤーまたは携帯電話ディスプレイのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0043】
本発明の実施形態の一つでは、前記コンテンツ提示手段は、「スケジュールに従う」モードで動作するよう構成設定されたビデオレコーダーである。そのレコーダーは選択制御データを受信し、その選択制御データを使って該選択制御データにおいて示されているテレビ番組を自動的に録画する。このように、異なるチャンネルにおいて放送されるショー/テレビ番組が前記選択制御データに基づいて自動的に録画され、ユーザーの入力は必要とされない。既知のビデオレコーダーにおいては、ユーザーがビデオレコーダーをN(>1)チャンネルに散らばっているテレビ番組を録画するようビデオレコーダーをプログラムするとき、ユーザーは手動でN個の項目を当該ビデオレコーダーの録画リストに入力しなければならない。この手動入力はチャンネル数が多いと非常に時間がかかることがある。
【0044】
図3は、本発明の方法の実施形態を示している。当該方法は、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーについて同じコンテンツ項目を自動的に選択するよう諸装置を制御するステップを有する。当該方法は、本発明に基づくシステムの動作を記述する。ステップ310において、コンテンツ項目を受信するための複数の装置からユーザーデータが受信される。ステップ320において、コンテンツ項目について同じ嗜好をもつユーザーのための共同ユーザー・プロファイルがユーザー・プロファイル・ユニット130によって取得される。ステップ330において、前記共同ユーザー・プロファイルおよびたとえばEPGデータに基づいてユーザー・プロファイル・ユニットによって選択情報が取得され、選択制御回路120に加えられる。ステップ340において、受信機に送信するための選択制御データが生成される。ステップ350において、前記選択制御データがたとえば送信機100によって前記諸装置に送信される。ステップ360において、受信された選択制御データに基づいて、前記諸装置がその「コミュニティー」のユーザーについて同じコンテンツ項目を自動的に選択するよう制御される。
【0045】
本発明の装置および方法の機能はさまざまなプログラムプロダクトによって実装されうる。そうしたプログラムプロダクトはいくつかの方法でハードウェアと組み合わせられたり、あるいは異なる他の諸装置に置かれたりしてもよい。記載されている実施形態の諸変形および諸修正が本発明の概念の範囲内で可能である。たとえば、動詞「有する」およびその活用形の使用は請求項において定義されている以外の要素またはステップの存在を排除するものではない。本発明はいくつかの異なる要素を有するハードウェアによって、また好適にプログラムされたコンピュータによって実装されることができる。いくつかの手段を列挙する装置請求項において、これらの手段のいくつかは同一のハードウェア項目によって実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に基づく送信機の実施形態の機能ブロック図である。
【図2】本発明に基づく受信機の実施形態の機能ブロック図である。
【図3】本発明の方法の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ項目受信用装置のシステムであって、実質同じユーザー嗜好をもつユーザーについて自動的に同じコンテンツ項目を選択するよう前記諸装置を制御するための選択制御手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記選択制御手段が、コンテンツ項目を同時に選択するよう前記諸装置を制御するよう構成されていることを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記選択制御手段が、前記諸装置を、ある第一のコンテンツ項目およびある第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成されており、前記第一および第二のコンテンツ項目がユーザー嗜好に従って相続くことを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記選択制御手段が、前記諸装置を、前記第一のコンテンツ項目の受信の中断に反応して前記第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成されており、前記第一および第二のコンテンツ項目が同じ放送ライブイベントに関係していることを特徴とする、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記選択制御手段が、前記諸装置を、前記第一のコンテンツ項目の続きである前記第二のコンテンツ項目を選択するよう制御するよう構成されていることを特徴とする、請求項3記載のシステム。
【請求項6】
実質同じユーザー嗜好をもつユーザーの共同ユーザー・プロファイルおよび後続のコンテンツ項目の制御スケジュールを取得するためのユーザー・プロファイル手段をさらに有しており、前記選択制御手段が前記制御スケジュールを取得して前記諸装置をそれに従って制御するよう構成されていることを特徴とする、請求項1または3記載のシステム。
【請求項7】
前記選択制御手段が、前記諸装置から隔たった当該選択制御手段の側にいるオペレーターの入力を取得するよう構成されており、前記オペレーターが、当該選択制御手段に命令を与えて前記諸装置をそれに従って制御させることを特徴とする、請求項1または3記載のシステム。
【請求項8】
実質同じユーザー嗜好をもつ前記ユーザーが同じテレビチャンネルのユーザーであることを特徴とする、請求項1または7記載のシステム。
【請求項9】
前記選択制御手段が、少なくとも一つの携帯電話またはリモコン・ユニットを有する無線通信手段を使うことによって、少なくとも一つのコンテンツ項目受信用装置と通信するよう構成されていることを特徴とする、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも一つの装置が、テレビ、ビデオレコーダー、DVDプレーヤー、ホームシネマシステム、携帯オーディオプレーヤー、携帯ビデオプレーヤーまたは携帯電話のうちの少なくとも一つであるコンテンツ提示手段を有することを特徴とする、請求項1ないし9のうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項11】
コンテンツ項目受信用装置であって:
実質同じユーザー嗜好をもつ当該装置のユーザーについて、自動的に他のコンテンツ項目受信用装置と同じコンテンツ項目を選択するための選択制御データを受信する手段、
を有することを特徴とする装置。
【請求項12】
コンテンツ項目受信用装置と通信するためのリモコン・ユニットであって、実質同じユーザー嗜好をもつ前記装置のユーザーについて、自動的に他のコンテンツ項目受信用装置と同じコンテンツ項目を選択するよう前記装置を制御するよう構成されていることを特徴とするリモコン・ユニット。
【請求項13】
コンテンツ項目受信用装置を制御する方法であって、実質同じユーザー嗜好をもつ前記諸装置のユーザーについて、自動的に同じコンテンツ項目を選択するよう前記諸装置を制御するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項14】
実行されたときにプログラム可能デバイスをして請求項11記載の装置として機能できるようにすることを特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506339(P2007−506339A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526777(P2006−526777)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051743
【国際公開番号】WO2005/029859
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】