説明

共役ポリマーの製造方法

【課題】共役ポリマーの製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマーと少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマーとを、又は、(B)少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを同一分子内に有する芳香族モノマーを互いに、エーテル溶媒中、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒、炭酸セシウム及び前記芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に、接触させることを特徴とする共役ポリマーの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
共役ポリマーは、ポリマー主鎖の一部又は全部に非局在化したπ−電子系を有するポリマーであり、例えば、光学デバイス等の製造に用いられる。
溶媒、水溶性無機塩基及びパラジウム触媒の存在下に、芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化物とを反応させて、対応するビフェニル化合物を製造する方法は、”鈴木カップリング反応”として知られており(例えば、非特許文献1参照)、かかる鈴木カップリング反応を用いて、共役ポリマーを製造する方法が知られている。例えば、特許文献1には、炭酸ナトリウム水溶液及び相間移動触媒を用いる共役ポリマーの製造方法が開示されている。しかしながら、相間移動触媒を用いているため、得られた共役ポリマーの取り出し操作が煩雑であった。また、非特許文献2には、炭酸カリウム水溶液を用いる共役ポリマーの製造方法が開示されている。しかしながら、得られる共役ポリマーの重量平均分子量(Mw)は10,000以下である場合が多く、高分子量の共役ポリマーが得られにくいという問題があった。さらに、特許文献2には、炭酸セシウム水溶液を用いる共役ポリマーの製造方法が開示されているが、得られる共役ポリマーの重量平均分子量(Mw)は約14,000と低いものであった。
【特許文献1】米国特許第5777070号公報
【特許文献2】米国特許第694929号公報
【非特許文献1】Synthetic Communications, 11(7), 513, 1981
【非特許文献2】Macromolecules 2003, vol.36, 8986-8991
【発明の開示】
【0003】
本発明は、
[1]:(A)少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマーと少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマーとを、又は、(B)少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを同一分子内に有する芳香族モノマーを互いに、エーテル溶媒中、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒、炭酸セシウム及び前記芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に、接触させることを特徴とする共役ポリマーの製造方法;
[2]:エーテル溶媒が、脂肪族エーテル溶媒である上記[1]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[3]:脂肪族エーテル溶媒が、テトラヒドロフランである上記[2]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[4]:ホスフィン化合物が、少なくとも1つのアルキル基がリン原子に結合したホスフィン化合物である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[5]:少なくとも1つのアルキル基がリン原子に結合したホスフィン化合物が、式(I)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1〜30のアルキル基を表わす。)
で示されるトリアルキルホスフィンである上記[4]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[6]:上記式(I)で示されるトリアルキルホスフィンが、トリシクロヘキシルホスフィンである上記[5]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[7]:芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜75モルの水の存在下に接触させる上記[4]〜[6]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[8]:芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜45モルの水の存在下に接触させる上記[4]〜[6]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[9]:ホスフィン化合物が、3つの置換もしくは無置換アリール基がリン原子に結合したホスフィン化合物である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[10]:3つの置換もしくは無置換アリール基がリン原子に結合したホスフィン化合物が、下記式(II)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基を表わし、l、m及びnはそれぞれ独立して、0〜5の整数を表わす。lが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。mが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。nが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。)
で示されるトリアリールホスフィンである上記[9]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[11]:上記式(II)で示されるホスフィン化合物が、トリフェニルホスフィン又はトリス(4−メチルフェニル)ホスフィンである上記[10]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[12]:芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜25モルの水の存在下に接触させる上記[9]〜[11]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[13]:少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマー、少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマー及び少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを有する芳香族モノマーが、下記式(1)〜(16)

【0004】

(式中、X及びXはそれぞれ独立して、ホウ素含有官能基又は反応性官能基を表わし、R10は反応に関与しない基を表わし、pは0〜2の整数を表わし、qは0〜3の整数を表わし、rは0〜4の整数を表わし、sは0〜5の整数を表わす。p、q、r又はsが2以上の整数を表わす場合、R10は互いに異なっていてもよい。また、芳香環の隣接する炭素原子に結合した2つのR10が互いに結合して、その結合炭素原子と一緒になって環を形成してもよい。Yは、周期律表第16族元素を表わし、Zは、−O−、−S−、−N(R20)−又は

を表わす。ここで、R20、R21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子又は反応に関与しない基を表わす。)
で示される芳香族モノマーのいずれかである上記[1]〜[12]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[14]:反応性官能基が、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である上記[1]〜[13]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[15]:ホウ素含有官能基が、下記基

(式中、R30、R31、R34及びR35はそれぞれ独立して、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を表わし、R33は2価の炭化水素基を表わす。)
のいずれかの基である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法;
[16]:2価の炭化水素基が、炭素数2〜6のアルキレン基である上記[15]に記載の共役ポリマーの製造方法;
[17]:炭素数2〜6のアルキレン基が、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基又は2,3−ジメチルブタン−2,3−ジイル基である上記[16]に記載の共役ポリマーの製造方法;を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の製造方法は、(A)少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマー(以下、芳香族モノマーMと略記する)と少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマー(以下、芳香族モノマーMと略記する)とを、エーテル溶媒中、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒、炭酸セシウム及び前記芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に、接触させて、共役ポリマーを製造する方法及び(B)少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを有する芳香族モノマー(以下、芳香族モノマーMと略記する)を互いに、エーテル溶媒中、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒、炭酸セシウム及び前記芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に、接触させて、共役ポリマーを製造する方法である。
【0006】
芳香族モノマーMのホウ素含有官能基としては、下記

(式中、R30、R31、R34及びR35はそれぞれ独立して、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を表わし、R33は2価の炭化水素基を表わす。)
で示されるいずれかの基が挙げられる。
なかでも、

で示される基が好ましい。
【0007】
30、R31、R34及びR35としては、炭素数1〜6の無置換アルキル基が好ましい。
炭素数1〜6の無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の無置換アルキル基が挙げられる。かかるアルキル基の置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基等の炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
【0008】
2価の炭化水素基としては、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、2,3−ジメチルブタン−2,3−ジイル基等の炭素数2〜6のアルキレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基が挙げられ、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。
芳香族モノマーMは、かかるホウ素含有官能基を少なくとも2つ有し、1つ以上の芳香環を有するモノマーであればよく、ホウ素含有官能基を2つ有し、1〜6個の芳香環を有するモノマーが好ましい。芳香族モノマーMが、2以上の芳香環を有するモノマーである場合、ホウ素含有官能基は、同じ芳香環に結合していてもよいし、異なる芳香環に結合していてもよい。
【0009】
芳香族モノマーMの反応性官能基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基等のハロゲン原子で置換されていてもよいアルカンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等が挙げられ、ハロゲン原子が好ましい。
芳香族モノマーMは、かかる反応性官能基を少なくとも2つ有し、1つ以上の芳香環を有するモノマーであればよく、反応性官能基を2つ有し、1〜6個の芳香環を有するモノマーが好ましい。芳香族モノマーMが、2以上の芳香環を有するモノマーである場合、反応性官能基は、同じ芳香環に結合していてもよいし、異なる芳香環に結合していてもよい。
【0010】
芳香族モノマーMのホウ素含有官能基としては、前記芳香族モノマーMのホウ素含有官能基と同様のものが挙げられ、反応性官能基としては、前記芳香族モノマーMの反応性官能基と同様のものが挙げられる。
芳香族モノマーMは、少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基を有し、1つ以上の芳香環を有するモノマーであればよく、1つのホウ素含有官能基と1つの反応性官能基を有し、1〜6個の芳香環を有するモノマーが好ましい。芳香族モノマーMが、2以上の芳香環を有するモノマーである場合、ホウ素含有官能基と反応性官能基は、同じ芳香環に結合していてもよいし、異なる芳香環に結合していてもよい。
【0011】
かかる芳香族モノマーM、芳香族モノマーM及び芳香族モノマーMが有する芳香環としては、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環等の縮合芳香環;フラン環、チオフェン環、ピリジン環、フェノキシアジン環、フェノチアジン環、ベンゾチアジアゾール環等のヘテロ芳香環等が挙げられる。
具体的には、例えば、下記式(1)〜(16)

【0012】

(式中、X及びXはそれぞれ独立して、ホウ素含有官能基又は反応性官能基を表わし、R10は反応に関与しない基を表わし、pは0〜2の整数を表わし、qは0〜3の整数を表わし、rは0〜4の整数を表わし、sは0〜5の整数を表わす。p、q、r又はsが2以上の整数を表わす場合、R10は互いに異なっていてもよい。また、芳香環の隣接する炭素原子に結合した2つのR10が互いに結合して、その結合炭素原子と一緒になって環を形成してもよい。Yは、周期律表第16族元素を表わし、Zは、−O−、−S−、−N(R20)−又は

を表わす。ここで、R20、R21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子又は反応に関与しない基を表わす。)
で示される芳香族モノマーが挙げられる。
【0013】
反応に関与しない基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルコキシ基、フェニル基、4−メチルフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基等、フェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等の炭素数2〜20のアシル基が挙げられる。
【0014】
周期律表第16族元素としては、酸素、硫黄、セレン等が挙げられる。
芳香族モノマーMとしては、例えば、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(3,5−ジメトキシ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9−オクチル−9H−カルバゾール−3,6−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、1,4−ベンゼンジボロン酸、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2−メチル−5−オクチル−1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2,5−ジブチル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン]ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,5−チオフェンジボロン酸、2,5−ビス(1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)チオフェン、2,5−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)チオフェン、2,5−ビス(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)チオフェン、2,5−ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)チオフェン、4,4’−ビフェニルボロン酸、1,1’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)−4,4’−ビフェニル、1,1’−ビス(1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)−4,4’−ビフェニル、1,1’−ビス(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−4,4’−ビフェニル、1,1’−ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−4,4’−ビフェニル、5,5’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)−2,2’−ビチオフェン等が挙げられる。
【0015】
芳香族モノマーMとしては、例えば、2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−メトキシベンゼン、ジメチル 2,5−ジブロモテレフタレート、1,4−ジブロモナフタレン、9,10−ジブロモアントラセン、1,5−ジブロモアントラセン、3,5−ジブロモピリジン、1,1’−ジブロモ−4,4’−ビフェニル、2,5−ジブロモピリジン、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルオキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロトルエン、1−ブロモ−4−クロロ−2−プロピルベンゼン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ヘキシルチオフェン、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン、5,5’−ジブロモ−3,3’−ジヘキシル−2,2’−ビチオフェン、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(4−tert−ブチル)アニリン、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(1−メチルプロピル)アニリン、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)アニリン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−n−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−ビシクロ[4,2,0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−アミン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ジアミノベンゼン、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾセレナジアゾール、4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、4,7−ビス(5−ブロモ−4−メチル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、4,7−ビス(5−ブロモ−3−メチル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、3,7−ジブロモ−10−(4−n−ブチルフェニル)−10H−フェノチアジン、3,7−ジブロモ−10−(4−n−ブチルフェニル)−10H−フェノキシアジン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(3−エトキシカルボニルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
【0016】
芳香族モノマーMとしては、例えば、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−2−エチル−3−メチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2−エトキシ−5−イソプロピルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2,3−ジイソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(3−ブチル−4−クロロ−5−エトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−ブロモ−5−(1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)チオフェン、5−ブロモ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン−2−イル)−2,2’−ビチオフェン等が挙げられる。
【0017】
(A)芳香族モノマーMと芳香族モノマーMとを接触させて共役ポリマーを製造する場合、芳香族モノマーMのホウ素含有官能基の総モル数に対する芳香族モノマーMの反応性官能基の総モル数の比が、通常0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05となるよう、芳香族モノマーM及び芳香族モノマーMの使用量が決められる。
【0018】
本発明で用いられるパラジウム触媒は、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒である。かかるパラジウム触媒としては、市販されているものを用いてもよいし、予めパラジウム化合物とホスフィン化合物を接触させて調製したものを用いてもよいし、パラジウム化合物とホスフィン化合物を、芳香族モノマーを含む反応系中に加えて、反応系内で調製してもよい。
パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。
【0019】
パラジウム化合物としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)・クロロホルム付加体、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム(II)、(2,2’−ビピリジル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)クロロニトロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、臭化パラジウム(II)、パラジウム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II、塩化カリウムパラジウム(IV)、臭化カリウムパラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(II)、塩化ナトリウムパラジウム(II)、硝酸テトラアンミンパラジウム(II)、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)テトラフルオロボレート等の0価もしくは2価のパラジウム化合物が挙げられる。なかでも、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)・クロロホルム付加体が好ましい。
かかるパラジウム化合物は、通常市販されているものが用いられる。
【0020】
ホスフィン化合物としては、少なくとも1つのアルキル基がリン原子に結合したホスフィン化合物(以下、アルキルホスフィンと略記する)、3つの置換もしくは無置換アリール基がリン原子に結合したホスフィン化合物(以下、アリールホスフィンと略記する)が挙げられる。
アルキルホスフィンとしては、少なくとも1つのアルキル基が結合したリン原子を1つ有する単座アルキルホスフィン、少なくとも1つのアルキル基が結合したリン原子を2つ有する二座アルキルホスフィン等が挙げられ、単座アルキルホスフィンが好ましい。
かかるアルキルホスフィンとしては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ブチルジアダマンチルホスフィン、アダマンチルジブチルホスフィン、シクロヘキシルジイソプロピルホスフィン、イソプロピルジシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、シクロヘキシルジ−tert−ブチルホスフィン、tert−ブチルジメチルホスフィン、ジ−tert−ブチルメチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン等の単座アルキルホスフィン、ジフェニルホスフィノメタン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,2−ジシクロヘキシルホスフィノエタン、1,3−ジシクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシクロヘキシルホスフィノブタン、1,2−ジメチルホスフィノエタン、1,3−ジメチルホスフィノプロパン、1,4−ジメチルホスフィノブタン、1,2−ジエチルホスフィノエタン、1,3−ジエチルホスフィノプロパン、1,4−ジエチルホスフィノブタン、1,2−ジイソプロピルホスフィノエタン、1,3−ジイソプロピルホスフィノプロパン、1,4−ジイソプロピルホスフィノブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)ブタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル等の二座アルキルホスフィンが挙げられる。
単座アルキルホスフィンの中でも、式(I)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1〜30のアルキル基を表わす。)
で示されるトリアルキルホスフィンが好ましい。
ここで、炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
かかるトリアルキルホスフィンとしては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ブチルジアダマンチルホスフィン、アダマンチルジブチルホスフィン、シクロヘキシルジイソプロピルホスフィン、イソプロピルジシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、シクロヘキシルジ−tert−ブチルホスフィン、tert−ブチルジメチルホスフィン、ジ−tert−ブチルメチルホスフィンが挙げられ、好ましくはトリシクロヘキシルホスフィンが挙げられる。
【0021】
アリールホスフィンとしては、式(II)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基を表わし、l、m及びnはそれぞれ独立して、0〜5の整数を表わす。lが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。mが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。nが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。)
で示されるトリアリールホスフィンが好ましく、R、R及びRがそれぞれ独立して、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であるトリアリールホスフィンがより好ましい。
【0022】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
【0023】
かかるトリアリールホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィンが好ましい。
かかるホスフィン化合物としては、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
【0024】
(A)芳香族モノマーMと芳香族モノマーMとを接触させて共役ポリマーを製造する場合のパラジウム触媒の使用量は、芳香族モノマーMと芳香族モノマーMの合計に対して、通常0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%である。
(B)芳香族モノマーMを互いに接触させて共役ポリマーを製造する場合のパラジウム触媒の使用量は、芳香族モノマーMに対して、通常0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%である。
パラジウム化合物とホスフィン化合物を、芳香族モノマーを含む反応系中に加えて、反応系内でパラジウム触媒を調製する場合のパラジウム化合物の使用量は、芳香族モノマーMと芳香族モノマーMの合計又は芳香族モノマーMに対して、通常0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%であり、ホスフィン化合物の使用量は、パラジウム化合物1モルに対して、通常0.2〜20モル、好ましくは0.8〜5モルである。
【0025】
エーテル溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の脂肪族エーテル溶媒が挙げられ、テトラヒドロフランが好ましい。その使用量が多すぎると、分子量の小さい共役ポリマーが得られやすく、また、使用量が少なすぎると、反応混合物の性状が悪くなりやすいため、用いる芳香族モノマーの全量に対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
【0026】
炭酸セシウムは、通常市販されているものが用いられる。その使用量は、芳香族モノマーM又は芳香族モノマーMの反応性官能基1モルに対して、通常1モル以上であり、好ましくは、2〜5モルである。
【0027】
本発明においては、芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に芳香族モノマーの重合反応が実施される。パラジウム触媒として、アルキルホスフィンがパラジウムに配位したパラジウム触媒を用いる場合は、芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜75モルの水の存在下に重合反応を実施することが好ましく、1〜45モルの水の存在下に重合反応を実施することがより好ましい。パラジウム触媒として、アリールホスフィンがパラジウムに配位したパラジウム触媒を用いる場合は、芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜25モルの水の存在下に重合反応を実施することが好ましい。
【0028】
(A)芳香族モノマーMと芳香族モノマーMとを接触させて重合反応を実施する場合、通常、芳香族モノマーMと芳香族モノマーMとエーテル溶媒とパラジウム触媒と炭酸セシウムと水とを混合することにより重合反応が実施される。芳香族モノマーMの全量と芳香族モノマーMの全量を混合し、重合反応を行なってもよいし、用いる芳香族モノマーMの一部と用いる芳香族モノマーMの一部とを混合して、重合反応を行なった後、得られた反応混合物と残りの芳香族モノマーMと芳香族モノマーMを混合してさらに重合反応を行なってもよい。
【0029】
(B)芳香族モノマーMを互いに接触させて重合反応を実施する場合、通常、芳香族モノマーMとエーテル溶媒とパラジウム触媒と炭酸セシウムと水とを混合することにより重合反応が実施される。
【0030】
本発明の製造方法において、重合温度は、通常0〜200℃、好ましくは10〜120℃である。
重合時間は、用いるパラジウム触媒の使用量により異なるが、通常1〜96時間である。
重合反応終了後、例えば、得られた反応混合物と、生成した共役ポリマーを溶解しない溶媒もしくはほとんど溶解しない溶媒とを混合することにより、共役ポリマーを析出させることができる。析出した共役ポリマーは、濾過等により、反応混合物から分離することができる。分離した共役ポリマーの構造や分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。
生成した共役ポリマーを溶解しない溶媒もしくはほとんど溶解しない溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
かくして得られる共役ポリマーの構造単位の具体例を以下に示す。下記式中、R10、Y、Z、p、q、rおよびsは上記と同一の意味を表わし、ZおよびYが複数の場合、互いに異なっていてもよい。

【0031】

【0032】

【0033】

【0034】

【0035】

【0036】

【0037】

【0038】

【0039】

【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。得られた共役ポリマーを、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、下記分析条件で分析し、得られた分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
GPC測定装置:CTO−10A(株式会社島津製作所製)
カラム:PLgel 5μm MIXED−C(300×7.5mm)とPLgel 5μm MIXED−D(300×7.5mm)とを直列に接続(いずれもポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:60℃、移動相:テトラヒドロフラン、流量:0.6mL/分
検出波長:254nm
【0041】
(実施例1)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン132mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.99mL及び水0.01mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:326,000g/mol、Mn:131,000g/mol

【0042】
(実施例2)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.97mLとし、水の使用量を0.03mLとした以外は、実施例1と同様に実施し、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:393,000g/mol、Mn:184,000g/mol
【0043】
(実施例3)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.85mLとし、水の使用量を0.15mLとした以外は実施例1と同様に実施し、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:404,000g/mol、Mn:196,000g/mol
【0044】
(実施例4)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.70mLとし、水の使用量を0.30mLとした以外は実施例1と同様に実施し、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:322,000g/mol、Mn:140,000g/mol
【0045】
(実施例5)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.60mLとし、水の使用量を0.40mLとした以外は実施例1と同様に実施し、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:221,000g/mol、Mn:92,000g/mol
【0046】
(実施例6)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.50mLとし、水の使用量を0.50mLとした以外は実施例1と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:162,000g/mol、Mn:65,000g/mol
【0047】
(実施例7)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を2.40mLとし、水の使用量を0.60mLとした以外は実施例1と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:138,000g/mol、Mn:70,000g/mol
【0048】
(比較例1)
実施例1において、テトラヒドロフランの使用量を3.0mLとし、水0.01mLを加えなかった以外は実施例1と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:4,000g/mol、Mn:3,000g/mol
【0049】
(比較例2)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)212mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン264mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)9.2mg、トリシクロヘキシルホスフィン11.2mg、炭酸セシウム782mg、テトラヒドロフラン5.99mL及び水0.01mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:54,000g/mol、Mn:28,000g/mol
【0050】
(実施例8)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン132mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリフェニルホスフィン5.2mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:143,000g/mol、Mn:63,000g/mol
【0051】
(実施例9)
実施例8において、テトラヒドロフランの使用量を2.94mLとし、水の使用量を0.06mLとした以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:170,000g/mol、Mn:73,000g/mol
【0052】
(実施例10)
実施例8において、テトラヒドロフランの使用量を2.85mLとし、水の使用量を0.15mLとした以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:125,000g/mol、Mn:54,000g/mol
【0053】
(比較例3)
実施例8において、テトラヒドロフランの使用量を3.0mLとし、水0.03mLを加えない以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:20,000g/mol、Mn:10,000g/mol
【0054】
(実施例11)
実施例8において、テトラヒドロフランの使用量を2.70mLとし、水の使用量を0.30mLとした以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:69,000g/mol、Mn:30,000g/mol
【0055】
(実施例12)
実施例8において、テトラヒドロフランの使用量を2.40mLとし、水の使用量を0.60mLとした以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:76,000g/mol、Mn:33,000g/mol
【0056】
(実施例13)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)2.12g、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン2.64g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)11.0mg、トリフェニルホスフィン12.6g、炭酸セシウム7.82g、テトラヒドロフラン39.6mL及び水0.4mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を48時間還流させた。得られた反応混合物を、室温まで冷却した後、トルエン60mLを加え、希釈した。希釈された反応混合物を、ナカライテスク社製セライト−545(使用量:20g)を通して、固形分を除去した。得られた濾液を濃縮し、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマー2.65gを得た。
Mw:160,000g/mol、Mn:67,000g/mol
【0057】
(実施例14)
実施例8において、トリフェニルホスフィン5.2mgに代えて、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン6.1mgを用いた以外は実施例8と同様に実施して、実施例1に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:178,000g/mol、Mn:75,000g/mol
【0058】
(実施例15)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール59mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:214,000g/mol、Mn:98,000g/mol

【0059】
(実施例16)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール59mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリフェニルホスフィン5.2mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、実施例15に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:108,000g/mol、Mn:45,000g/mol
【0060】
(比較例4)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)29mg、2M炭酸カリウム水溶液3mL、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)265mg、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mg及びテトラヒドロフラン2.00mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、実施例15に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:5,000g/mol、Mn:3,000g/mol
【0061】
(比較例5)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)23mg、2M炭酸ナトリウム水溶液3.0mL、Aliquat336(Aldrich社製)8mg、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)212mg、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール118mg及びトルエン3.00mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、実施例15に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:53,000g/mol、Mn:23,000g/mol
【0062】
(実施例17)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、N,N’−ジ(4−ブロモフェニル)−N,N’−ジ(3−エトキシカルボニルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル158mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:183,000g/mol、Mn:57,000g/mol

【0063】
(比較例6)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(3−エトキシカルボニルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル395.3mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例17に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:40,000g/mol、Mn:20,000g/mol
【0064】
(比較例7)
比較例5において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール118mgに代えて、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(3−エトキシカルボニルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル316.2mgを用いた以外は比較例5と同様に実施して、実施例17に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:20,000g/mol、Mn:10,000g/mol
【0065】
(実施例18)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、1,4−ジブロモナフタレン57mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:139,000g/mol、Mn:55,000g/mol

【0066】
(比較例8)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、1,4−ジブロモナフタレン143mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例18に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:12,000g/mol、Mn:6,000g/mol
【0067】
(比較例9)
比較例5において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール118mgに代えて、1,4−ジブロモナフタレン114mgを用いた以外は比較例5と同様に実施して、実施例18に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:84,000g/mol、Mn:36,000g/mol
【0068】
(実施例19)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン93mg、3,5−ジブロモピリジン14mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:169,000g/mol、Mn:80,000g/mol

【0069】
(比較例10)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、3,5−ジブロモピリジン36mg及び2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン231mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例19に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:72,000g/mol、Mn:31,000g/mol
【0070】
(実施例20)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン106mg、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン13mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:177,000g/mol、Mn:71,000g/mol

【0071】
(比較例11)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン46.9mg及び2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン231mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例20に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:47,000g/mol、Mn:21,000g/mol
【0072】
(実施例21)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)106mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン93mg、4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアゾール27mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:156,000g/mol、Mn:72,000g/mol

【0073】
(比較例12)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール69mg及び2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン231mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例21に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:71,000g/mol、Mn:30,000g/mol
【0074】
(実施例22)
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)60mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン132mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.6mg、トリシクロヘキシルホスフィン5.6mg、炭酸セシウム391mg、テトラヒドロフラン2.97mL及び水0.03mLを加えた。窒素雰囲気下で、得られた混合物を6時間還流させ、下記構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:272,000g/mol、Mn:132,000g/mol

【0075】
(比較例13)
比較例4において、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール147mgに代えて、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン330mgを用い、2,2−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)265mgに代えて、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)151mgを用いた以外は比較例4と同様に実施して、実施例22に示した構造単位を含む共役ポリマーを含む反応混合物を得た。
Mw:94,000g/mol、Mn:33,000g/mol

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマーと少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマーとを、又は、(B)少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを同一分子内に有する芳香族モノマーを互いに、エーテル溶媒中、ホスフィン化合物がパラジウムに配位したパラジウム触媒、炭酸セシウム及び前記芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜100モルの水の存在下に、接触させることを特徴とする共役ポリマーの製造方法。
【請求項2】
エーテル溶媒が、脂肪族エーテル溶媒である請求項1に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項3】
脂肪族エーテル溶媒が、テトラヒドロフランである請求項2に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項4】
ホスフィン化合物が、少なくとも1つのアルキル基がリン原子に結合したホスフィン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項5】
少なくとも1つのアルキル基がリン原子に結合したホスフィン化合物が、下記式(I)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1〜30のアルキル基を表わす。)
で示されるトリアルキルホスフィンである請求項4に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の式(I)で示されるトリアルキルホスフィンが、トリシクロヘキシルホスフィンである請求項5に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項7】
芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜75モルの水の存在下に接触させる請求の範囲項4〜6のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項8】
芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜45モルの水の存在下に接触させる請求の範囲項4〜6のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項9】
ホスフィン化合物が、3つの置換もしくは無置換アリール基がリン原子に結合したホスフィン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項10】
3つの置換もしくは無置換アリール基がリン原子に結合したホスフィン化合物が、下記式(II)

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基を表わし、l、m及びnはそれぞれ独立して、0〜5の整数を表わす。lが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。mが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。nが2以上の整数を表わす場合、Rは互いに異なっていてもよい。)
で示されるトリアリールホスフィンである請求項9に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の式(II)で示されるホスフィン化合物が、トリフェニルホスフィン又はトリス(4−メチルフェニル)ホスフィンである請求項10に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項12】
芳香族モノマーのホウ素含有官能基1モルに対して、1〜25モルの水の存在下に接触させる請求項9〜11のいずれかに記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項13】
少なくとも2つのホウ素含有官能基を有する芳香族モノマー、少なくとも2つの反応性官能基を有する芳香族モノマー及び少なくとも1つのホウ素含有官能基と少なくとも1つの反応性官能基とを有する芳香族モノマーが、下記式(1)〜(16)



(式中、X及びXはそれぞれ独立して、ホウ素含有官能基又は反応性官能基を表わし、R10は反応に関与しない基を表わし、pは0〜2の整数を表わし、qは0〜3の整数を表わし、rは0〜4の整数を表わし、sは0〜5の整数を表わす。p、q、r又はsが2以上の整数を表わす場合、R10は互いに異なっていてもよい。また、芳香環の隣接する炭素原子に結合した2つのR10が互いに結合して、その結合炭素原子と一緒になって環を形成してもよい。Yは、周期律表第16族元素を表わし、Zは、−O−、−S−、−N(R20)−又は

を表わす。ここで、R20、R21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子又は反応に関与しない基を表わす。)
で示される芳香族モノマーのいずれかである請求項1に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項14】
反応性官能基が、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である請求項1又は13に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項15】
ホウ素含有官能基が、

(式中、R30、R31、R34及びR35はそれぞれ独立して、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を表わし、R33は2価の炭化水素基を表わす。)
のいずれかの基である請求項1又は13に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項16】
2価の炭化水素基が、炭素数2〜6のアルキレン基である請求項15に記載の共役ポリマーの製造方法。
【請求項17】
炭素数2〜6のアルキレン基が、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基又は2,3−ジメチルブタン−2,3−ジイル基である請求項16に記載の共役ポリマーの製造方法。

【公開番号】特開2007−277534(P2007−277534A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61427(P2007−61427)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】