説明

共有アンテナ通信のためのインデックスを付ける中継アンテナ

【課題】1つ以上のデバイスを経由して分散型マルチアンテナ通信を実行するために1組のワイヤレス通信デバイスについての分散処理を提供する。
【解決手段】中継リンクは1つ以上のワイヤレストランシーバ間で確立でき、そのリンクはインデックスパラメータをリモートトランシーバに配信するために利用できる。インデックスパラメータはネットワークの特定のワイヤレスノードについて構成された1組のインデックス特有の命令を識別するために使用できる。前記命令とインデックスパラメータに基づき、そのようなトランシーバはマルチアンテナ通信のためのトラフィックデータのストリームを局所的に計算、送信、あるいは受信、そして復号することができる。従って、例えば、UT間のP−Pリンクは、モバイルデバイスの計画外のコンフィギュレーションについてのマルチアンテナ通信の増大されたスループットと低減された干渉との利点を実行するために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の表示】
【0001】
35U.S.C.§119の下の優先権の主張
特許のための本願は、おのおのがこの譲受人に譲渡され、そしてこれによってここにおいて参照によって明示的に組み込まれている、2008年8月5日に出願されたユーザの間で共有するアンテナのための中継アンテナのインデックス付け技法(RELAY ANTENNA INDEXING TECHNIQUES FOR ANTENNA SHARING AMONG USERS)という名称の米国仮出願第61/086,441号と、2008年6月25日に出願されたモバイルデバイス中継器(MOBILE DEVICE RELAY)と言う名称の米国仮出願第61/075,691号と、の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
以下は、一般にワイヤレス通信に関し、そしてより詳細には分散型のマルチアンテナワイヤレス通信(distributed multiple-antenna wireless communication)に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、例えば、音声通信、データ通信およびコンテンツなど、様々なタイプの通信と通信コンテンツとを提供するために広く展開される。典型的なワイヤレス通信システムは、使用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信パワー)を共有することにより、複数の(multiple)ユーザとの通信をサポートするための多元接続システム(multiple-access systems)とすることができる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(code division multiple access)(CDMA)システムと、時分割多元接続(time division multiple access)(TDMA)システムと、周波数分割多元接続(frequency division multiple access)(FDMA)システムと、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access)(OFDMA)システムなどと、を含むことができる。
【0004】
一般に、ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のユーザ端末についての通信を同時にサポートすることができる。モバイルデバイスは、それぞれ、順方向リンクおよび逆方向リンクの上の送信を経由して1つまたは複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局からユーザ端末への通信リンクを意味し、そして逆方向リンク(またはアップリンク)は、ユーザ端末から基地局への通信リンクを意味する。さらにユーザ端末と基地局との間の通信は、単一入力単一出力(single-input single-output)(SISO)システムと、多入力単一出力(multiple-input single-output)(MISO)システムと、多入力多出力(multiple-input multiple-output)(MIMO)システムなどとを経由して確立されることができる。
【0005】
上記に加えて、アドホックワイヤレス通信ネットワークは、通信デバイスが、移動中に、そして伝統的な基地局についての必要性なしに、情報を送信し、または受信することを可能にする。これらの通信ネットワークは、ユーザ端末への、そしてユーザ端末からの情報の転送を容易にするために、例えば有線の、またはワイヤレスのアクセスポイントを経由して、他の公衆ネットワークまたは私的ネットワークに通信的に結合されることができる。そのようなアドホック通信ネットワークは、一般的に、ピアツーピア(peer-to-peer)の方法で通信する、複数のアクセス端末(例えば、モバイル通信デバイス、モバイル電話、ワイヤレスユーザ端末)を含んでいる。通信ネットワークはまた、ピアツーピア通信を容易にするために強い信号を放射するビーコンポイント(beacon points)を含むこともでき、例えば、放射されたビーコンは、ワイヤレス信号の送信および受信のためにタイミング同期化を助けるタイミング情報を含むことができる。これらのビーコンポイントは、それぞれのアクセス端末が、異なるカバレージエリア内で、そして異なるカバレージエリアを横切って移動するときに広い面積のカバレージを提供するように位置づけられる。
【0006】
いくつかのワイヤレス通信システムにおいては、中継トランシーバは、ソースノードと宛先ノードとの間の通信を容易にするために使用される。中継トランシーバは、様々なコンフィギュレーションにおいて動作することができる。例は、再送信を含み(例えば、受信信号を受信し、フィルタにかけ、そして送信し)、増幅し、そして転送し(例えば、信号を受信し、フィルタにかけ、増幅し、そして送信し)、復号し、そして転送し(例えば、信号を受信し、復号し、処理し、符号化し、そして送信し)、圧縮し、そして転送する(信号を受信し、フィルタにかけ、圧縮し、そして転送する)などを行う。他の例は、中継トランシーバにおいてインプリメント(implement)される追加の処理またはフィルタリングに基づいて存在することができる。
【0007】
一般に、中継器は、ワイヤレス通信において追加のユーティリティを提供することができる。例えば、中継器は、ソースデバイスと宛先デバイスとの間の通信の範囲を増大させるために使用されることができる。さらに、複数の中継器は、通信の範囲をさらに増大させるために、ワイヤレスリピータ構成(arrangement)などにおいて、使用されることができる。いくつかの状況においては、これらの中継器は、固定ポイント(例えば、計画された基地局)とすることができ、そして他の状況においては、中継器は、モバイル端末を備えることができる。例えば、アクセス端末またはユーザ端末が、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの両方の上で受信するように、そして送信するように構成されている場合には、アクセス端末は、別のワイヤレスノードのための中継器としての役割を果たすことができる。中継器は、固定されたノードまたはモバイルノードとすることができるので、中継ネットワークは、ワイヤレス通信における大量の柔軟性とカスタマイゼーション(customization)とを提供することができ、より低い干渉と、改善された範囲と、低減されたインフラストラクチャコストでさえも、もたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
以下は、そのような態様の基本的理解を提供するために、1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示している。この概要は、すべての企図される概要の広範な概説ではなく、そしてすべての態様の主要な、または不可欠な要素を識別するようにも、任意のまたはすべての態様の範囲を示すようにも意図されてはいない。その唯一の目的は、後で提示されるさらに詳細な説明に対する前置きとして簡略化された形式で、1つまたは複数の態様についてのいくつかの概念を提示することである。
【0009】
主題の開示のいくつかの態様においては、ピアツーピア(peer-to-peer)(P−P)ワイヤレス通信は、分散型のマルチアンテナ通信をインプリメントするために1組のユーザ端末(user terminals)(UT)の間で使用される。例として、中継リンクが、1つまたは複数のP−P UTの間で確立されることができる。そのリンクは、リモートUTに対するインデックスパラメータ(indexing parameter)、ならびにマルチアンテナ通信のためのトラフィックデータを配信するために利用されることができる。インデックスパラメータは、特定のワイヤレスデバイスのために構成される1組のインデックス特有の命令を識別することができる。命令と、インデックスパラメータとに基づいて、そのようなワイヤレスデバイスは、マルチアンテナ通信のためのストリームを別々に計算し、そして送信し、あるいは受信し、そして復号することができる。したがって、上記の例においては、UTの間のP−Pリンクは、モバイルデバイスの計画外のコンフィギュレーションについてのマルチアンテナ通信の増大されたスループットと、低減された干渉との利点と、をインプリメントするために使用されることができる。
【0010】
1つまたは複数の他の態様においては、リモートトランスミッタのインデックス付け(indexing)は、P−Pおよびアクセスポイントの通信のための分散型のマルチアンテナに関連した処理のために、提供される。そのようなアクセスポイントは、セルラ基地局と、ワイヤレスルータと、マイクロ波アクセス(microwave access)(WiMAX)アクセスポイントのためのワイヤレス相互運用性などと、を備えることができる。上記のように、インデックス付けは、P−Pデバイス(例えば、ユーザ端末)であれ、固定されたアクセスポイントであれ、それぞれのトランスミッタを区別するために、あるいはP−Pデバイスと固定されたアクセスポイントデバイスとの間でマルチアンテナ通信をインプリメントするために適したインデックス特有の命令のそれぞれの組を識別するために、使用されることができる。
【0011】
主題の開示の他の態様によれば、モバイルネットワークコンポーネントは、1組のP−P UTについてのマルチアンテナ通信を容易にするように構成されていることができる。モバイルネットワークは、UTと、そのUTの少なくとも1つのP−Pパートナーとを識別する情報を得ることができる。インデックスパラメータは、UTと、P−Pパートナーとのために生成され、そしてマルチアンテナ通信のための命令のそれぞれの組に関連づけられることができる。パラメータは、UTが、命令のそれぞれの組を区別することを可能にするために、オプショナルに命令と共に、UTへと転送されることができる。ひとたび識別された後に、UTまたはP−Pパートナーは、マルチアンテナの送信または受信を容易にする適切な1組の命令を使用し、そしてそれに関連づけられる通信の利点を得ることができる。
【0012】
主題の開示の1つまたは複数の他の態様においては、ワイヤレス通信の一方法が、提供される。本方法は、マルチアンテナ通信のための命令をインプリメントするためにワイヤレス通信デバイス(wireless communication device)(WCD)において少なくとも1つの通信プロセッサを使用することを備えることができる。命令は、第2のワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成すること、を備えることができる。さらに、命令は、パラメータを通信するためにチャネル上に中継リンクを確立することを備えることができ、そのパラメータは、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために、WCD、または第2のワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付ける。上記に加えて、本方法は、パラメータまたは命令を記憶するメモリをWCDにおいて使用すること、を備えることができる。
【0013】
上記に加えて、マルチ入力またはマルチ出力のワイヤレス通信のための装置が、開示される。本装置は、分散型のマルチアンテナ通信をインプリメントする処理命令またはパラメータを記憶するためのメモリを備えることができる。さらに、本装置は、ワイヤレスデータを送信し、または受信するためのアンテナを備えることができる。本装置は、マルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするためにそのアンテナ、またはワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付けるために、本装置とワイヤレスデバイスとの間でワイヤレス通信チャネルを形成し、そしてワイヤレスデバイスに対してパラメータを伝えるためにパラメータに基づいて命令を実行するための、通信プロセッサをさらに備えることができる。
【0014】
主題の開示の他の態様においては、ワイヤレス通信のための装置が、提供される。本装置は、WCDの以下のコンポーネント:ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するための手段と、パラメータを伝えるためにチャネル上で中継リンクを確立するための手段と、をインプリメントするために少なくとも1つの通信プロセッサを使用するための手段を備えることができ、パラメータは、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするためにWCDまたはワイヤレスデバイスのアンテナのアンテナにインデックスを付ける。上記に加えて、本装置は、パラメータまたは命令を記憶するための手段を備えることができる。
【0015】
主題の開示の追加の態様によれば、ワイヤレス通信のために構成されたプロセッサが、提供される。プロセッサは、ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するための第1のモジュールを備えることができる。さらに、プロセッサは、パラメータを通信するチャネル上で中継リンクを確立するための第2のモジュールを備えることができ、パラメータは、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために、プロセッサまたはワイヤレスデバイスに関連するアンテナにインデックスを付ける。さらに、プロセッサは、メモリにパラメータまたは命令を記憶するための第3のモジュールを備えることができる。
【0016】
主題の開示のさらに他の態様によれば、コンピュータ読取り可能媒体(computer-readable medium)を備えるコンピュータプログラムプロダクト(computer program product)が、提供される。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータに、ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するようにさせるための第1の組のコード、を備えることができる。さらに、コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータに、パラメータを伝えるためにチャネル上で中継リンクを確立するようにさせるための第2の組のコードを備えることができ、パラメータは、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために、コンピュータに、またはワイヤレスデバイスに関連するアンテナにインデックスを付ける。さらに、コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータに、パラメータまたは命令を記憶するようにさせるための第3の組のコードを備えることもできる。
【0017】
上記に加えて、マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための一方法が、開示される。本方法は、WCDと、WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るために有線またはワイヤレスの通信インターフェースを使用すること、を備えることができる。さらに、本方法は、WCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するためにプロセッサを使用すること、を備えることもできる。さらに、本方法は、WCDに対してインデックスパラメータを転送するために通信インターフェースを使用すること、を備えることもできる。
【0018】
1つまたは複数の他の態様によれば、マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための装置が、開示される。本装置は、WCDと、WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するメッセージを得る通信インターフェースを備えることができる。さらに、本装置は、WCDとワイヤレスパートナーとについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成する分散制御モジュールを備えることができ、本装置は、インデックスパラメータをWCDまたはワイヤレスパートナーへと送信するために通信インターフェースを使用する。
【0019】
さらなる態様によれば、マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための装置が、開示される。本装置は、WCDと、WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るための手段を備えることができる。さらに、本装置は、WCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するための手段、を備えることができる。上記に加えて、本装置は、インデックスパラメータをWCDへと転送するための手段、を備えることができる。
【0020】
1つまたは複数の追加の態様においては、マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするためのプロセッサが、提供される。プロセッサは、WCDと、そのWCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るための第1のモジュールを備えることができる。さらに、プロセッサは、WCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するための第2のモジュールを備えることができる。さらに、プロセッサは、インデックスパラメータをWCDへと転送するための第3のモジュールを備えることができる。
【0021】
主題の開示のさらに他の態様によれば、コンピュータ読取り可能媒体を備えるコンピュータプログラムプロダクトが、提供される。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータに、WCDと、そのWCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るようにさせるための第1の組のコードを備えることができる。コンピュータ読取り可能媒体は、WCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するようにさせるための第2の組のコードをさらに備えることができる。上記に対してさらに、コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータに、インデックスパラメータをWCDへと転送するようにさせるための第3の組のコードを備えることができる。
【0022】
上記の関連した目的の達成のために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明され、そして特に特許請求の範囲の中で指摘される特徴を備える。以下の説明と、添付の図面とは、1つまたは複数の態様のある種の例示の態様を詳細に説明している。これらの態様は、様々な態様の原理が、使用されることができ、そして説明された態様が、すべてのそのような態様と、それらの等価物とを含むように意図される様々なやり方を示しているが、しかしながら、それらの様々な方法のうちの少しを示すにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、主題の開示の態様による一例のワイヤレス中継コンフィギュレーションのブロック図を示している。
【図2】図2は、主題の開示のさらなる態様による一例のピアツーピア(P−P)ワイヤレス通信環境のブロック図を示している。
【図3】図3は、1組のP−Pユーザ端末(UT)を使用するマルチアンテナワイヤレス通信を提供する一例のシステムのブロック図を示している。
【図4】図4は、分散処理に基づいて分散型のマルチアンテナ通信を提供する一例のシステムのブロック図を示している。
【図5】図5は、いくつかの態様によるマルチアンテナ通信をインプリメントするためにP−P通信を使用するように構成された一例のUTのブロック図を示している。
【図6】図6は、他の態様によるP−Pマルチアンテナ通信を容易にするように構成された一例の基地局のブロック図を示している。
【図7】図7は、主題の開示の態様によるマルチアンテナP−P通信を提供するための一例の方法のフローチャートを示している。
【図8】図8は、さらなる態様による、1組のUTの間のマルチアンテナ通信をインプリメントするための一例の方法のフローチャートを示している。
【図9】図9は、追加の態様によるマルチアンテナP−P通信を容易にするための一例の方法のフローチャートを示している。
【図10】図10は、P−Pマルチアンテナ通信をインプリメントするための一例のシステムのブロック図を示している。
【図11】図11は、P−Pマルチアンテナ通信を容易にするための一例のシステムのブロック図を示している。
【図12】図12は、主題の開示の他の態様による一例のモバイル通信環境のブロック図を示している。
【図13】図13は、モバイル通信環境と共に使用するための一例の通信装置のブロック図を示している。
【図14】図14は、主題の開示のさらなる態様による一例のP−Pワイヤレス通信構成のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
様々な態様が、次に図面を参照して説明され、そこでは同様な参照番号は、全体を通して同様な要素について言及するために使用される。以下の説明においては、説明の目的のために、非常に多くの特定の詳細が、1つまたは複数の態様についての完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、そのような態様(単数または複数)は、これらの特定の詳細なしに実行されることができることを明らかにすることができる。他の例においては、よく知られている構造およびデバイスは、1つまたは複数の態様を説明することを容易にするためにブロック図形式で示される。
【0025】
さらに、本開示の様々な態様が、以下で説明される。ここにおける教示が、多種多様な形態で実施されることができ、そしてここにおいて開示される任意の特定の構造および/または機能が、単に代表的なものにすぎないことは、明らかなはずである。ここにおける教示に基づいて、当業者は、ここにおいて開示される一態様が、他の任意の態様とは独立にインプリメントされることができることと、これらの態様のうちの2つ以上が、様々なやり方で組み合わされることができることと、を理解すべきである。例えば、ここにおいて説明される任意の数の態様を使用して、装置は、インプリメントされ、かつ/または方法は、実行されることができる。さらに、ここにおいて説明される態様のうちの1つまたは複数に加えて、あるいはそれら以外の、他の構造および/または機能を使用して、装置は、インプリメントされ、かつ/または方法は、実行されることができる。一例として、ここにおいて説明される方法、デバイス、システムおよび装置の多くは、モバイルのアクセスネットワーク(access network)(AN)についてのセクタ間干渉回避をインプリメントするという状況において説明される。当業者は、類似した技法が、他の通信環境に対して適用されることができることを理解すべきである。
【0026】
ワイヤレス通信システムは、様々な信号メカニズムを使用することにより、ワイヤレスノードの間の情報交換をインプリメントする。一例においては、基地局は、タイミングシーケンスを確立するパイロット信号を送信するために、そしてとりわけ、信号ソースと、そのソースに関連するネットワークとを識別するために、使用されることができる。ユーザ端末(UT)などのリモートワイヤレスノードは、基地局との基本的な通信を確立するのに必要な情報を得るためにパイロット信号を復号することができる。ワイヤレス周波数や周波数の組などの追加データ、タイムスロット(単数または複数)、シンボルコードなどは、基地局から送信される制御信号の形で搬送されることができる。このデータは、その上で音声通信やデータ通信などのユーザ情報を搬送するトラフィックデータが、基地局と、UTとの間で搬送されることができるワイヤレスリソースを確立するために利用されることができる。
【0027】
ワイヤレス技術の最近の進化は、ソースノードと宛先ノードとの間でデータを送信する中継局を含んでいる。中継器は、あるノードから別のノードへと情報を受信し、処理し、そして転送するノードである。いくつかの場合には、中継器は、相対的なワイヤレスチャネルのよりよい信号対干渉雑音比(signal to interference and noise ratio)(SINR)特性をうまく利用するために単に信号を転送する。例えば、中継器が、ソースが有するよりも良いSINR特性を宛先で有する場合には、改善された通信容量またはエネルギー効率が、中継器を使用することによりもたらされることができる。他の場合には、中継器は、中継器からの追加の利点を達成するために、信号をフィルタにかけること、増幅すること、圧縮することなど、より高度な処理をインプリメントすることができる。
【0028】
主題の開示は、そのいくつかの態様において、ワイヤレス通信における容量とエネルギー効率とを増大させるためにUT−協力の使用を提供する。UT−協力を可能にする1つのやり方は、UTが、ネットワーク基地局や別のUTなど、意図された宛先に対して、他のUTへの、または他のUTからのワイヤレス信号を中継することである。主題の開示の追加の態様によれば、中継戦略は、マルチアンテナ通信システムを模倣し、そしてそのようなシステムによって提供される利点を与えることができる。マルチアンテナ通信システムの例は、多入力単一出力(MISO)システムと、単一入力多出力(single input multiple output)(SIMO)システムと、多入力多出力(MIMO)システムと、を含む。一般に、マルチアンテナシステムは、複数の送信アンテナ(例えば、SIMOシステムの中の)から同時に適切に選択された信号を送信することにより、あるいは複数の受信アンテナ(例えば、MISOシステムの中の)、または両方(例えば、MIMOシステムの中の)から受信される信号を適切に処理することにより、単一入力単一出力(SISO)システムよりも高い通信スループットレートを達成する。
【0029】
マルチアンテナシステムから得られる通信の利点は、複数の送信アンテナによって送信される信号の注意深い設計、または複数の受信アンテナにおいて受信される信号の注意深い処理に由来する。さらに、異なるアンテナによって送信される/処理される信号は、同一ではない。さらに、そのような信号は、必ずしも互いに交換可能とは限らない。さらに、受信側では、異なるレシーバアンテナにおいて受信される信号は、どのアンテナが信号を受信するかと、受信信号がどのチャネルに関連づけられるかとに基づいて、適切に、区別され、処理され、そして組み合わされる。したがって、様々なアンテナを区別する能力は、マルチアンテナシステムを容易にする。
【0030】
中央集中されたマルチアンテナ通信では、各アンテナが、共通の処理要素と直接に結合され、そしてそのような要素によって識別されるので、アンテナのインデックス付けは、比較的簡単なプロセスである。各アンテナによって送信されるべき信号は、計算され、そして固定された接続(例えば、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))、T−1などの有線ケーブル)の上でそれぞれのアンテナへと送られる。分散化されたノード(例えば、1組のUT)では、中央処理要素とそれぞれのUTとの間の固定された接続が、使用可能でないので、中央集中処理は、効果的でない。さらに、UTは、他のノードの範囲へと、そしてその範囲からローミングすることができ、それでアンテナの識別情報は、どちらも決定されない。
【0031】
主題の開示のさらなる態様は、1つまたは複数の固定されたワイヤレスアクセスポイント、固定されたワイヤレス中継器、または同様なトランシーバ局をオプショナルに含めて、ピアツーピア(P−P)UTの間でマルチアンテナシステムをインプリメントすることを提供する。そのようなシステムを達成するために、主題の開示は、1つまたは複数のワイヤレスチャネルを経由して通信的に結合される、1組のUT(単数もしくは複数)または固定されたワイヤレストランシーバに関連するリモートアンテナ、あるいはそのようなアンテナのサブセットの区別を可能にするインデックスメカニズムを提供する。1組のマルチアンテナ通信命令もまた、アンテナインデックスの関数として提供される。命令の組と、それに割り当てられるインデックスとを利用したトランシーバ(例えば、UTまたは固定局)は、マルチアンテナ通信システムの特定のアンテナによって信号を送信し、または受信するために設計された命令のサブセットを識別することができる。それ故に、インデックス付けは、個々のトランシーバが、マルチアンテナコンフィギュレーション(例えば、MIMO)において他のトランシーバとは独立に信号を生成し、または処理することを可能にし、分散処理をもたらす。したがって、主題の開示は、マルチアンテナ通信をインプリメントするために中央集中された処理要素と、固定されたアンテナとの使用を回避することができる。
【0032】
以下で説明される様々な態様は、1組のP−Pデバイス(例えば、UT)についてのマルチアンテナ通信のための分散処理の例を提供することを理解すべきである。しかしながら、固定されたアクセスポイント、固定されたワイヤレス局、固定されたワイヤレス中継器、または他の非P−Pデバイスは、分散型のマルチアンテナ通信において使用されることもできることを理解すべきである。いくつかの態様においては、少なくとも1つのUTは、マルチアンテナ通信のための中継器として利用されるが、少なくとも1つのUTは、主題の開示の様々な態様をインプリメントすることに必須ではない。例えば、固定されたトランシーバ局は、別のワイヤレスノード(例えば、セルラ基地局)についてのワイヤレス中継器としての役割を果たすことができ、または逆もまた同様であり、そして固定されたトランシーバ局と、他のワイヤレスノードとについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にすることができる。代わりに、または追加して、他のワイヤレスノードは、固定されたトランシーバ局についての中継器としての役割を果たすこともでき、マルチアンテナ通信を容易にする。したがって、ここにおいて利用されるように、中継器、または「中継リンク」という用語(単数または複数)は、ワイヤレス通信構成について言及しており、ここで、第1のノードA(単数または複数)は、第2のノードB(単数または複数)についてのワイヤレス中継器としての役割を果たすことができ、第2のノードB(単数または複数)は、第1のノードA(単数または複数)についてのワイヤレス中継器としての役割を果たすことができ、あるいは第1のノードA(単数または複数)と第2のノードB(単数または複数)とは、互いについてのワイヤレス中継器としての役割を果たすことができる。
【0033】
第1のノードA(単数または複数)と、第2のノードB(単数または複数)とは、単一のワイヤレストランシーバ、または別個のワイヤレストランシーバの一部分とすることができることも理解すべきである。したがって、前者の一例として、マルチアンテナモバイルデバイスの第1のワイヤレスアンテナ(例えば、ノードA)と、第2のワイヤレスアンテナ(例えば、ノードB)とは、独立にまたは一緒に、1つまたは複数の他のワイヤレスデバイス(例えば、他のモバイル電話または基地局)についてのワイヤレス中継器としての役割を果たすことができる。後者の一例として、ノードAとノードBとは、別個のUTに、UTと基地局とに、UTと固定された中継局となどに、結合されることができる。
【0034】
次に図面を参照すると、図1は、UT(102、106)の間のP−P通信のための一例のシステム100のブロック図を示している。P−P通信を利用して、UT(106)は、別のUT(102)についての中継器としての役割を果たすことができ、ソースから宛先へのワイヤレス通信のためのUT間の協力を可能にする。特に工業化された住民の中で、モバイル技術が広く使用されるようになるにつれて、多数の人々が、ワイヤレス通信サービスに加入し、そして個人通信デバイスとしてUTを利用している。さらに、人々は、多くの場合に一緒に(例えば、家族、作業環境、社会環境などの中で)集まるので、そしてUTは、一般的に、そのような人々によって簡単に持ち運ばれるポータブルデバイスであるので、複数のUTは、多くの場合に、互いに(UTの通信範囲と相対的に)非常に接近している。したがって、UT(102)は、与えられた時刻に別のUT(106)の通信範囲の中にあるという比較的高い確率を有する。柔軟なワイヤレスプロトコルと、適切なハードウェアまたはソフトウェアのコンフィギュレーションとの使用を通して、UT(106)は、他のUT(102)とのP−P通信に従事し、そして中継器としての役割を果たすことができる。
【0035】
順方向の通信リンク(例えば、UTへと信号を送信するために一般的に基地局によって使用されるリンク)上で、ワイヤレスチャネル強度は、多くの場合に、1組のUT(102、106)の間のP−Pチャネル(単数または複数)の対応する強度よりも小さい可能性がある。信号強度のそのような差異は、UTの少なくともサブセットが、順方向リンクワイヤレスノード(例えば、基地局、104)に対する距離に相対的に非常に接近しているときに、もたらされることができる。そのような構成を用いて、マルチアンテナ通信と、それからもたらされる利点とは、多くの場合に、順方向リンク上のP−P UTチャネルを用いて得られることができる。逆方向リンクの状況においては、ソースは、UT(102)とすることができ、そして宛先は、基地局(104)とすることができる。ソース(102)から中継UT(106)へのチャネルは、ソース(102)から宛先(104)への、または中継器(104)から宛先(106)へのチャネルよりも強くすることができる。マルチアンテナ通信は、そのような逆方向リンクにおいて、例えば、宛先(104)が、複数のアンテナを備える場合に達成されることもできる。
【0036】
さらに、中継ノード(106)は、ワイヤレス通信における容量またはエネルギー効率を改善することができる。中継ノードの使用は、ソースから中継器への(S−R)リンク、中継器から宛先への(R−D)リンク、ソースから宛先への(S−D)リンク、またはそれらの組合せのSINR特性に依存する可能性がある。図1に示されるように、ソースUT102は、宛先ノード104と、直接に、または中継UT106を経由して通信することができる。
【0037】
様々な相対的チャネル強度のシナリオが、システム100の通信構成の中に存在することができる。1つのそのようなシナリオにおいては、S−Dリンクは、S−RリンクまたはR−Dリンクよりもずっと強くすることができる。ソースUT102と、宛先ノード104との間の直接通信が、効果的にインプリメントされることができる。しかしながら、中継UT106は、依然として実用的な目的のために追加された利点を提供することができる。例えば、ソースUT102と、中継UT106とは、UT(102、106)の間のP−Pチャネルを開始することができる。P−Pチャネルを利用して、マルチアンテナ送信が、リンクされたUT(102、104)によってインプリメントされることができ、ここで各UTは、同様なトラフィックデータを備える信号の独立なストリームを宛先ノード104へと送信する。さらに、マルチアンテナ受信が、リンクされたUT(102、104)によってインプリメントされることができ、ここで各UTは、宛先ノード104によって送信される信号を独立して受信し、そして処理する。
【0038】
別のシナリオにおいては、S−Rリンクは、強度が大体等しいS−DリンクおよびR−Dリンクよりもずっと強くすることができる。そのようなシナリオにおいては、システム100は、2×1のMISOチャネルに類似していることができる。MISOチャネルにおいては、アンテナによって送信される信号は、送信情報の知識に基づいている。中継UT106は、MISOシステムを模倣し、そしてソースUT102から受信される情報を復号することができる。復号された情報は、中継UT106から宛先ノード104への通信とする(例えば、復号および転送のプロトコルと称されもする)ことができる。
【0039】
第3のシナリオにおいては、S−Rリンクは、R−Dリンクと大体等しくすることができ、これらのリンクは、両方ともにS−Dリンクよりもかなり強い。復号および転送のプロトコルが、この第3のシナリオの中で利用されることもできる。いくつかの態様においては、S−Dリンクは、無視されることができ、そしてシステム300の通信構成は、マルチ−ホップチャネル(例えば、2−ホップチャネル)として取り扱われることができる。
【0040】
さらに別のシナリオにおいては、R−Dリンクは、S−Dリンクよりずっと強くすることができる。さらに、R−Dリンクは、S−Dリンクと大体等しい強度のものとすることができる。そのようなシナリオは、1×2のSIMOチャネルに類似していることができる。レシーバ(102、106)は、複数のレシーバアンテナ(102、106)において受信される信号についての最大比合成(maximal-ratio combination)を実行することができる。中継UT106においてSIMOチャネルを模倣する際に、ソースから宛先への送信に関連のある「ソフト」情報が、ソースUT102から中継UT106へと伝えられることができる。いくつかの状況においては、中継器から宛先への通信は、強いR−Dリンクの容量制限の影響を受けやすい。したがって、「ソフト」情報は、プロセッサ108(例えば、量子化器または量子化モジュールを備える)によって、R−Dリンクによって搬送されることができる分解能へと離散化される(discretized)(例えば、離散ユニット(discrete unit)へと構文解析される(parsed))ことができる。上記の態様は、3−ノード中継(例えば、ソース、宛先および1つの中継器)に基づいて特定のシナリオを用いて論じられるが、追加の態様は、主題の開示と、添付の特許請求の範囲との範囲内の他のコンフィギュレーションを用いて(例えば、複数の中継器を使用して)実行されることができることを理解すべきである。例えば、2×1のMISOチャネルに類似した第2のシナリオにおいては、ソース送信は、復号され、そして複数の中継器から、あるいは多重化されたチャネル上で再送信されることができる。
【0041】
MIMOシステムは、複数の送信され、または受信される信号の独立性に応じて、ワイヤレス通信における大きなスループットの増大の源となることができる。信号の独立性を達成するために、信号を送信する複数のアンテナは、信号の波長の少なくとも2分の1だけ距離が分離されることができる。セルラ通信では、例えば、信号は、一般に実質的に1ギガヘルツ(GHz)または2GHzで送信される。そのような周波数についての波長の2分の1は、それぞれ約15センチメートル(cm)と7.5cmとに対応する。多数の共通のUT(102、106)のサイズに起因して、限られた数の独立なアンテナが、単一のUTに組み込まれることができ、MIMO通信に関連する利得を得る能力を制限している。しかしながら、UT(102、106)の間のP−Pリンクを使用することにより、近隣のUT(102、106)におけるアンテナの仮想アレイが、インプリメントされることができ、MIMO通信に適した独立なチャネルと、豊富な散乱環境とを提供している。したがって、そのような構成は、単一のアンテナだけを有するUT(102、106)についてさえも、MIMO技術を可能にすることができる。
【0042】
マルチアンテナ送信(例えば、MISOまたはMIMO)についての上記シナリオのいくつかによる上記を示すために、ソースUT102と、中継UT106とは、信号波長の実質的に2分の1以上だけ分離される場合、独立なストリームを送信することができる。同様に、マルチアンテナ受信(例えば、SIMOまたはMIMO)では、ソースUT102と、中継UT106とは、実質的に2分の1の信号波長によって分離されるときに、独立な信号を受信し、そして処理することができる。宛先ノード104が、複数のアンテナを備える場合には、システム100は、順方向リンクデータ(例えば、UT102へと送信される)についての、そして逆方向リンクデータ(例えば、宛先へと送信される)についてのMIMO構成をインプリメントすることができる。
【0043】
代わりに、または上記に追加して、増大された処理パワーが、宛先ノード104またはUT102に対して提供されることができる。一例においては、ここにおいて開示される態様は、追加のインフラストラクチャ(例えば、固定された中継局)なしにインプリメントされることができ、わずかな追加コスト、または追加コストなしで、MIMO−タイプ通信を可能にする。UT中継器が、組織される(例えば、ソースUT102の範囲内の適切なUTからインプリメントされる)ことができるので、通信は、特定の環境の過渡人口(transient population)に適合することができる。例えば、ショッピングエリアは、混雑しているときに強力なMIMO通信を示すことができ、ほとんど無人であるときに余り強力でない通信を示すことができる。この柔軟性を得るために固定されたハードワイヤのインフラストラクチャを効率的に展開することは難しい可能性があるのに対して、P−P UT通信を使用することにより、この利点は、最小のコストで、当然になる。
【0044】
情報の中継(例えば、ソースUT102からの信号を転送すること)を容易にするために、中継UT106は、アップリンクおよびダウンリンクのデータを受信するのと同様に送信するように構成されていることができる。異なるフレームワークが、このコンフィギュレーションを達成するために使用されることができる。周波数分割二重化(frequency division duplex)(FDD)フレームワークにおいては、中継UT106は、アップリンクおよびダウンリンクの周波数を送信することができる。時分割二重化(time division duplex)(TDD)フレームワークにおいては、中継UT106は、多重化を利用することができる。複数のUT(102、106)が、アップリンクおよびダウンリンクのデータを受信するのと同様に送信するように構成されている場合には、UT(102、106)は、互いのための中継器としての役割を果たすことができる。
【0045】
主題の開示のいくつかの態様においては、UT(102、106)の間のP−P通信は、そのような通信のためのセキュリティ、エラー訂正などを使用することができる。例えば、暗号化が、UT(102、106)の間で送信されるデータを保護するために使用されることができる。いくつかの態様によれば、暗号化は、データを送信するUT(102、106)だけに知られている秘密鍵でセキュリティ保護されるデータを備えることができる。公開鍵は、データを復号するために、受信するUT(102、106)によって使用されることができる。受信するUT(102、106)は、それ故に、公開鍵を用いて適切に復号したすぐ後に、送信されたデータが改ざんされないことを検証すると同様に送信するUTの識別情報を検証することができる。他の態様においては、暗号化は、宛先ノード(104)だけに知られており、あるいは協力的通信セッションの開始に先立って非協力的に通信される秘密鍵を備えることができる。そのような態様においては、中継UT106によって中継されるデータは、暗号化された形式であり、そして宛先ノード(104)によって暗号解読される。
【0046】
さらに他の態様によれば、P−P中継通信は、ワイヤレスリソースを共有することを促進するために公平性原理をインプリメントすることができる。それ故に、例えば、相互主義または他の公平性原理に基づいて中継通信を制限するプロトコルが、使用されることができる。さらに、ユーザは、ユーザのUTによって容易にされる中継通信の量に基づいてワイヤレスサービスクレジット(wireless service credits)を提供されることができる。それに応じて、デバイスは、そのようなリソースの適切な交換なしに、中継リソースを過剰に利用することを制限されることができる。さらに、ユーザは、デバイス上での共有を可能とするように動機付けされることができる。
【0047】
図2は、UTについてのマルチアンテナ通信を容易にするP−P通信を提供する一例のシステム200のブロック図を示している。システム200は、P−P通信においてデータを交換するように構成された1組のUT202、204を含んでいる。それに応じて、UT202、204は、アップリンクおよびダウンリンクのチャネル上で送信し、そして受信することができる。さらに、UT204、206は、P−P通信を容易にするタイミングビーコン(timing beacon)(図示されず)によって送信されるタイミングシーケンスを利用することができる。そのようなタイミングビーコンは、UT202、204が認識するように構成されている、ワイヤレスチャネル上のタイミングシーケンスを送信する固定されたトランスミッタとすることができる。代わりに、タイミングビーコンは、そのような信号を送信するモバイルトランスミッタを備えることもできる。いくつかの態様においては、タイミングビーコンは、P−P通信を容易にするために、UT202、204のうちの一方によって送信されることができる。
【0048】
上記に加えて、システム200のUT202、204は、ソースUT202と、中継UT204とを備えることができる。ソースUT202は、マルチアンテナワイヤレス通信(例えば、MISO、SIMO、MIMO)に関連する、メモリ210に記憶される命令を実行するための1つまたは複数の通信プロセッサ206を備えることができる。そのような命令は、中継UT204とのワイヤレス通信チャネル(例えば、P−Pチャネル)を形成することを備えることができる。さらに、命令は、中継パラメータ212に基づいてワイヤレスチャネル上で中継リンク208を確立することを備えることができる。中継パラメータ212と、中継リンク208とは、ここにおいて説明されるように、マルチアンテナ通信のために、独立な信号を送信すること、または独立な受信信号を処理すること、を容易にすることができる。
【0049】
主題の開示の特定の態様によれば、中継パラメータ212は、中継UT204のアンテナ208Bから、ソースUT202のアンテナ208Aを区別するインデックスを備えることができる。主題の開示のいくつかの態様においては、中継パラメータ212は、マルチアンテナ通信のための、1組のそのようなソースアンテナのうちの個々のソースアンテナ208Aと同様に、1組のそのような中継アンテナのうちの個々の中継アンテナ208Bを区別する、1組の異なるインデックスを備えることができる。一例として、中継UT204と、ソースUT202とが、おのおの一対の送信−受信のアンテナを備える場合、中継パラメータは、中継アンテナ208Bのおのおのについての、またはソースアンテナ208Aのおのおのについての、あるいはそれら両方の異なるインデックスを確立することができる。
【0050】
中継パラメータ212を利用して、中継UT204は、中継アンテナ208Bによって送信されるワイヤレスのストリーム、または信号(あるいは、例えば、1組の中継アンテナ208Bのうちの個々のアンテナによって送信される1組のワイヤレスストリーム)を生成することができる。同様に、ソースUT202は、ソースアンテナ208A(単数または複数)によって送信される追加ストリーム(単数または複数)を生成するために、中継パラメータ212に関連するソースインデックス付けを使用することができる。上記の図1に示されるように、ソースアンテナ208Aと、中継アンテナ208Bとが、それぞれのストリームの信号波長の実質的に2分の1の距離だけ分離される場合、それらのストリームは、独立であり、そしてMIMO−タイプのスループット利得を達成するために利用されることができる。上記に加えて、中継アンテナ208B(単数または複数)は、リモートトランスミッタ(図示されないが、上記の図1の104を参照)によって送信されるストリームまたは信号を受信するために、中継パラメータ212を使用することができ、そしてソースアンテナ208A(単数または複数)は、同様なストリームまたは信号(これは、例えば、リモートトランスミッタのアレイによって送信される同じ送信、または独立した送信とすることができる)を受信するために、そのようなパラメータ212を追加して使用することができる。中継UT204によって受信される信号は、マルチアンテナ受信と整合する処理のためにソースUT202へと転送されることができる。そのようなアンテナ208A、208Bが、十分な距離のものである場合には、その処理は、MISO通信またはMIMO通信と整合するスループット利得を与えることができる。
【0051】
中継パラメータ212によって提供されるインデックス付けは、マルチアンテナ通信において利用される送信/受信を容易にすることを理解すべきである。例えば、中継UT204は、中継ストリームの信号タイミング、信号周波数、信号フィルタリング、信号圧縮などを生成するためのインデックス特有の命令を使用することができる。特に、中継UT204において中継ストリームを生成するための命令は、中継アンテナ208Bのために提供されるインデックスから識別されることができる。さらに、ソースUT202は、ソースストリームを生成するために、ソースアンテナインデックスによって識別される対応する1組の命令を使用することができる。おのおのがそれぞれの中継命令およびソース命令に従って生成される中継ストリームとソースストリームとの組合せは、マルチアンテナ送信をもたらす。同様に、インデックス特有の命令は、マルチアンテナ受信をもたらすように受信されたワイヤレス信号を処理し、または中継するための中継処理命令とソース処理命令とのそれぞれの組を識別することができる。それに応じて、中継パラメータ212のインデックス付けと、インデックス特有の命令とに起因して、それぞれのP−P UT202、204は、分散型のマルチアンテナ通信に従事することができ、中央集中された処理が、独立なストリームを生成し、あるいは独立な処理をインプリメントする必要性を回避している。
【0052】
図3は、主題の開示の態様によるマルチアンテナ通信のためのP−P UTのアレイを提供する一例のシステム300のブロック図を示している。システム300は、1組のUT304A、304B、304C、304D(304A〜304D)を備える分散型のマルチアンテナ(例えば、多入力[MI]、多出力[MO]、MIMO)構成を含んでいる。図3の構成は、分散型のマルチアンテナ通信に従事するUTを示しているが、図示されるUT(304A〜304D)のうちの1つまたは複数は、主題の開示または添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、固定された中継局、基地局、または他の適切なワイヤレストランシーバで置換されることができることを理解すべきである。したがって、主題の開示の少なくとも1つの態様においては、UT304A〜304Dのうちの1つまたは複数は、固定されたトランシーバのためのマルチアンテナ通信を提供するために固定されたトランシーバ(例えば、宛先トランシーバ306)と結合することができる。
【0053】
UT304A〜304Dの構成は、1組の中継UT304B、304C、304DのおのおのとのP−Pリンクを有するソースUT304Aを備える。少なくとも1つの代替的な態様においては、ソースUT304Aと、1つまたは複数の中継UT304B、304C、304Dとの間の1つまたは複数のP−Pリンクは、別の中継UT(304B、304C、304D)、固定された中継器(例えば、宛先トランシーバ306)、または基地局(図示されず)などを経由して経路指定される間接リンク(図示されず)とすることができる。いくつかの態様においては、それぞれのUT304A〜304Dは、ネットワーク通信(例えば、宛先トランシーバ306との)のためにと同様に、P−P通信のために構成されることができる。それに応じて、UT304A〜304Dは、ワイヤレスリンク(これは、宛先306とソースUT304Aとの間のワイヤレスリンクをオプショナルに含むが、図示されてはいない)によって示されるように、宛先トランシーバと、そして破線によって示されるように、少なくともソースUT304Aと、ワイヤレスにデータを交換することができる。いくつかの態様においては、中継UT304B、304C、304Dは、さらに、それぞれの中継UT304B、304C、304Dの間でワイヤレスにデータを交換することができる。
【0054】
ソースUT304Aは、構成302における各UT304A〜304Dのアンテナを区別する1組のインデックスパラメータを生成することができる。特に、第1のインデックスは、ソースUT304Aに関連づけられ、第2のインデックスは、中継UT1304Bに関連づけられ、第3のインデックスは、中継UT2304Cに関連づけられ、そして第N+1のインデックスは、中継UTN304Dに関連づけられ、ここでNは、2より大きな整数である。それぞれのインデックスは、分散構成302のそれぞれのノード(304A〜304D)に特有のマルチアンテナの送信または受信のためにマルチアンテナ通信命令(例えば、上記の図4を参照)のそれぞれの組を識別するために、関連するUT304A〜304Dによって利用される。したがって、ここにおいて説明されるように、それぞれのUT304A〜304Dは、ソースUT304Aによって開始されるソース信号のそれぞれのバージョンを送信し、あるいは宛先トランシーバ306によって開始される宛先信号のそれぞれのバージョンを受信し、または処理することができる。
【0055】
主題の開示のいくつかの態様によれば、UT304A〜304Bは、インデックス特有のマルチアンテナ通信命令のスーパーセットをメモリに記憶することができる(例えば、マルチアンテナ通信に関連のあるすべての組を備えており、ここで個々の組は、インデックスによって識別される)。ソースUT304Aからインデックスを受信するとすぐに、中継UT304B、304C、304Dは、受信されたインデックスによって識別される適切な1組を選択することができる。他の態様においては、命令のスーパーセットは、マルチアンテナ通信を容易にするために、P−Pリンクがそこで確立された後に、ソースUT304Aによってそれぞれの中継UT304B、304C、304Dへと配信されることができる。
【0056】
図4は、主題の開示の態様による分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするための一例のシステム400のブロック図を示している。システム400は、他のワイヤレスノード(図示されず)とのワイヤレス通信のために動作可能なモバイル中継器402を備える。そのような他のワイヤレスノードは、ワイヤレスネットワークアクセスポイントなどの固定ノードと、UTなどのモバイルノードと、を備えることができる。
【0057】
モバイル中継器402は、マルチアンテナ通信のための命令を記憶するためのメモリを備えることができる。それらの命令は、実行されるときに、マルチアンテナの送信または受信を容易にするプロセッサステップを備えることができる。さらに、命令は、ワイヤレス中継構成(例えば、上記の図3を参照)の中の特定のノードにおいて送信または受信をインプリメントするための命令のサブセットを備えることができる。さらに、命令のサブセットは、それぞれのアンテナインデックスに関連づけられることができ、特定のサブセットが、受信、またはそのようなインデックスのモバイル中継器402への割当てに基づいて選択されることを可能にする。特に、命令のサブセットは、特定のノードにおいて、ワイヤレス信号の送信または受信のために特定のワイヤレスチャネルを指定することができる。さらに、命令のサブセットは、特定のノードにおいて送信または受信のために使用されるべき1組のチャネルリソースを備えることができる。例えば、そのような命令は、送信または受信のために使用されるべき周波数または波長、タイムスロット、シンボル(例えば、OFDMシンボル)の組、送信パワーなどを備えることができる。いくつかの態様においては、命令のサブセットは、特定のノードについての、符号化命令または復号命令、信号フィルタリング命令(例えば、雑音低減のための)、データ圧縮命令、セキュリティ保護通信命令(例えば、セキュリティ保護リンクを確立するための、データを暗号化する/暗号解読するための)、またはデータ検証命令(例えば、エラー訂正、エラー検出、データ確認のためのフィードバックなどを使用するための)など、あるいはそれらの組合せを備えることができる。
【0058】
したがって、モバイル中継器402は、マルチアンテナの送信または受信において、モバイル中継器402によって利用されるべき命令のサブセット(単数または複数)を識別するためのインデックスパラメータを得ることができる。いくつかの態様においては、インデックスパラメータは、モバイル中継器402とP−Pリンクを共有するソースノード(図示されず)によって提供される。他の態様においては、インデックスパラメータは、ノードインデックスパラメータを生成し、または配信するように構成された命令の別のサブセットに基づいてモバイル中継器402によって生成されることができる。インデックスパラメータを得るとすぐに、次いで、命令のインデックス特有のサブセット(単数または複数)は、送信または受信をインプリメントするために、1つまたは複数のプロセッサ406によって識別され、そして実行されることができる。さらに、モバイル中継器402は、命令の識別されたサブセット(単数または複数)が、実行されるトラフィックデータを得ることができる。トラフィックデータは、ここにおいて説明されるように、ソースノード(図示されず)によって供給される送信データ、あるいは処理されるべき、またはソースノードへと転送されるべき受信信号、を備えることができる。
【0059】
図5は、主題の開示の態様をインプリメントするように動作可能なUT502を備える一例のシステム500のブロック図を示している。UT502は、固定された、またはアドホックのワイヤレスネットワークの1つまたは複数のリモートトランシーバ504(例えば、アクセスポイント、P−Pパートナー)とワイヤレスに結合するように構成されていることができる。固定されたネットワーク通信では、UT502は、順方向リンクチャネル上で基地局(504)からワイヤレス信号を受信し、そして逆方向リンクチャネル上でワイヤレス信号に応答することができる。さらに、P−P通信では、UT502は、順方向リンクチャネルまたは逆方向リンクチャネルの上で、リモートP−Pパートナー(504)からワイヤレス信号を受信し、そしてそれぞれ逆方向リンクチャネルまたは順方向リンクチャネルの上でワイヤレス信号に応答することができる。さらに、UT502は、ここにおいて説明されるように、1つまたは複数の他のリモートトランシーバ504と一緒にマルチアンテナ通信をインプリメントするためのメモリ514に記憶される命令を備えることができる。
【0060】
UT502は、信号を受信する少なくとも1つのアンテナ506(例えば、ワイヤレスの送信/受信インターフェース、または入力/出力インターフェースを備えるそのようなインターフェースのグループ)と、レシーバ508(単数または複数)とを含み、このレシーバは、受信信号に対して典型的なアクションを実行する(例えば、フィルタにかけ、増幅し、ダウンコンバートするなどを行う)。一般に、アンテナ506と、トランスミッタ528と(一括してトランシーバと称される)は、リモートトランシーバ504(単数または複数)とのワイヤレスデータ交換を容易にするように構成されていることができる。少なくともいくつかの態様によれば、アンテナ506(単数または複数)は、リモートトランシーバ504の少なくとも1つのアンテナからアンテナ506(単数または複数)を区別するために、1つまたは複数の異なるインデックスパラメータを割り当てられることができる。
【0061】
アンテナ506と、レシーバ508(単数または複数)とは、受信シンボルを復調し、そして評価のために処理回路512(単数または複数)にそのような信号を供給することができる復調器510と結合されることもできる。処理回路512(単数または複数)は、UT502の1つまたは複数のコンポーネント(506、508、510、514、516、518、520,522、524、526、528)を制御し、および/または参照することができることを理解すべきである。さらに、処理回路512(単数または複数)は、UT502の実行する機能に関連のある情報または制御を備える1つまたは複数のモジュール、アプリケーション、エンジンなど(520、522、524)を実行することができる。例えば、そのような機能は、アンテナ506(単数または複数)についてのインデックスを得ることと、インデックスに関連する1組のマルチアンテナ通信命令を選択することと、を含むことができる。さらに、機能は、ここにおいて説明されるように、リモートトランシーバ504とのセキュリティ保護通信をインプリメントすること、マルチアンテナ通信のための適切なチャネルリソースを選択すること、インデックスの交換についてのエラーの訂正または検出を提供すること、P−P通信コンフィギュレーションのそれぞれのアンテナ(506、504)についての1つまたは複数の組の命令を構文解析すること、または同様なオペレーションを含むことができる。
【0062】
さらに、UT502のメモリ514は、処理回路512(単数または複数)に動作的に結合される。メモリ514は、送信され、そして受信されるデータなどと、リモートデバイス(504)とのワイヤレス通信を行うのに適した命令と、を記憶することができる。特に、命令は、ここにおいて説明されるように、分散型のマルチアンテナ通信をインプリメントするために利用されることができる。さらに、メモリ514は、上記の処理回路512(単数または複数)によって実行されるモジュール、アプリケーション、エンジンなど(520、522、524)を記憶することができる。
【0063】
上記に対してさらに、UT502は、リモートトランシーバ504とのセキュリティ保護通信をインプリメントするためのセキュリティモジュール516を備えることができる。いくつかの態様においては、セキュリティモジュール516は、デジタル証明書に関連する秘密鍵を保持するためのセキュリティ保護ストレージ(secure storage)518を備えることができる。秘密鍵は、データの信ぴょう性(authenticity)と完全性(integrity)とを検証するために、メモリ514に記憶され、またはUT502によって送信されるデータにデジタルに署名するために利用されることができる。他の態様においては、セキュリティ保護ストレージ518は、データを暗号化するために利用されることができる、UT502に固有の、または実質的に固有の(例えば、1組のUT、ワイヤレス端末などの間で固有の)機密データを保持することができる。機密データは、さらに、暗号化されたデータを暗号解読するためにセキュリティ保護通信を経由してリモートトランシーバ504へと供給されることができる。したがって、例えば、UT502とリモートトランシーバ504との間で交換されるトラフィックデータまたはインデックスパラメータは、セキュリティモジュール516によって、改ざん、なりすましなどからセキュリティ保護されることができる。
【0064】
主題の開示の他の態様によれば、UT502は、ここにおいて説明されるように、マルチアンテナ通信をインプリメントするための1組のワイヤレスチャネルリソースを選択するためのリソースモジュール520を備えることができる。いくつかの態様においては、選択は、インデックスパラメータに応じて、UT502、あるいはUT502の1つまたは複数のアンテナ506に割り当てられることができる。さらに、UT502は、リモートトランシーバ504とデータを交換する際に、信頼性を提供するエラー訂正モジュール522を備えることができる。例えば、エラー訂正モジュール522は、リモートトランシーバ504へと/から中継パラメータ(例えば、インデックス)を信頼できるように送信し、または受信するために、順方向エラー訂正、エラー検出、またはフィードバックを使用することができる。さらに、UT502は、マルチアンテナの送信または受信をインプリメントする際に、UT502とリモートトランシーバ504とのそれぞれのアンテナについてのそれぞれの役割を確立する構文解析モジュール(parsing module)524を備えることができる。例えば、それぞれの役割は、ここにおいて説明されるように、異なるアンテナインデックスに関連するマルチアンテナ通信命令のそれぞれのサブセットによって特徴づけられることができる。
【0065】
図6は、主題の開示の態様による一例のワイヤレス通信システム600のブロック図を示している。特に、システム600は、P−P通信のために構成された1組のUT604についてのマルチアンテナ送信を容易にするように構成された基地局を備えることができる。例えば、基地局602は、それぞれのUT604、またはそのようなUT604のアンテナによってインプリメントされるマルチアンテナ通信命令の組を生成するように構成されていることができる。さらに、命令の組は、異なるインデックスに関連づけられることができる。さらに、それぞれのインデックスは、ここにおいて説明されるように、マルチアンテナ通信をインプリメントする命令のそれぞれの組を識別するためにそれぞれのUT604へと(または、例えば、他のそのようなUT604への配信のための中継UT604へと)送信されることができる。
【0066】
基地局602(例えば、アクセスポイント、...)は、1つまたは複数の受信アンテナ606を通してUT604のうちの1つまたは複数からワイヤレス信号を得るレシーバ610と、送信アンテナ608(単数または複数)を通して1つまたは複数のUT604へと変調器622によって供給される符号化された/変調されたワイヤレス信号を送信するトランスミッタ624と、を備えることができる。レシーバ610は、受信アンテナ606から情報を得ることができ、そしてUT604(単数または複数)によって送信されるアップリンクデータを受信する信号受信側(図示されず)をさらに備えることができる。さらに、レシーバ610は、受信情報を復調する復調器612に動作的に関連づけられる。復調されたシンボルは、通信プロセッサ614によって分析される。通信プロセッサ614は、基地局602によって提供され、またはインプリメントされる機能に関連した情報を記憶するメモリ616に結合される。一例においては、記憶情報は、ワイヤレス信号を構文解析し、そして基地局602の順方向リンク送信と、UT604(単数または複数)の逆方向リンク送信とをスケジュールするためのプロトコルを備えることができる。
【0067】
少なくとも1つの態様においては、基地局602は、UT(604)と、UT(604)の少なくとも1つのP−Pパートナー(604)とを識別するデータを得ることができる。基地局602は、UTとP−Pパートナーとについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成する分散型制御モジュール618を使用することができる。例えば、インデックスパラメータは、UT(604)とP−Pパートナー(604)とを、あるいはそれらのそれぞれのアンテナを区別することができる。さらに、インデックスパラメータは、UT(604)とP−Pパートナー(604)とによりマルチアンテナ通信をインプリメントするように設計されたMIMOコンフィギュレーション命令628のサブセットに関連づけられることができる。基地局602は、メモリ616に、あるいはセキュリティ保護リンク(secure link)によって基地局602と結合された外部データベース626に、命令(例えば、MIMOコンフィギュレーション命令628と、アンテナインデックス630とを含む)を記憶することができる。基地局602は、そのような情報(628、630)を供給するためにUT(604)によって必要とされるような命令628とインデックス630とにアクセスすることができる。したがって、基地局602は、P−P UT604についてのネットワーク支援MIMO通信をインプリメントすることができ、ここで少なくとも1つのそのようなUT604は、基地局602とワイヤレスに結合される。
【0068】
上記システムは、いくつかのコンポーネント、モジュール、および/または通信インターフェースの間の相互作用に関して説明されている。そのようなシステムとコンポーネント/モジュール/インターフェースとは、そこで指定されるこれらのコンポーネントもしくはサブコンポーネント、指定されたコンポーネントもしくはサブコンポーネントのうちのいくつか、および/または追加のコンポーネント、を含むことができることを理解すべきである。例えば、システムは、ソースUT202、中継UT204、基地局602およびデータベース626、あるいはこれらまたは他のコンポーネントの異なる組合せ、を含むことができる。サブコンポーネントは、親コンポーネント内に含まれるのでなく、他のコンポーネントに通信的に結合されるコンポーネントとしてインプリメントされることもできる。さらに、1つまたは複数のコンポーネントが、集約機能を提供する単一のコンポーネントに組み合わされることができることに注意すべきである。例えば、セキュリティモジュール516は、単一コンポーネントを経由してセキュリティ保護通信とエラー訂正とを容易にするエラー訂正モジュール522を含むことができ、あるいは逆もまた同様である。それらのコンポーネントは、特にここにおいて説明されてはいないが、当業者によって知られている1つまたは複数の他のコンポーネントと、相互作用することもできる。
【0069】
さらに、理解されるように、開示された上記システムと下記方法との様々な部分は、人工知能、あるいは知識ベースまたはルールベースのコンポーネント、サブコンポーネント、プロセス、手段、方法、またはメカニズム(例えば、サポートベクトル機械、ニューラルネットワーク、エキスパートシステム、ベイジアン信念ネットワーク(Bayesian belief networks)、ファジー論理、データ融合エンジン(data fusion engines)、分類子(classifiers)...)を含むことができ、あるいはそれらから構成されることができる。そのようなコンポーネントは、とりわけ、そしてここにおいて既に説明されたものに加えて、それによってシステムおよび方法の一部分をより適応可能、ならびに効率的および知的にするように実行されるある種のメカニズムまたはプロセスを自動化することができる。
【0070】
上記に説明される例示のシステムを考慮して、開示された主題に従ってインプリメントされることができる方法は、図7〜9のフローチャートを参照してよりよく理解されるであろう。説明を簡単にする目的のために、方法は、一連のブロックとして示され、そして説明されるが、いくつかのブロックは、ここにおいて図示され、説明されるものとは異なる順序で、および/または、他のブロックと同時に、起こることができるので、特許請求の範囲の主題は、それらのブロックの順序によっては限定されないことを理解し、そして認識すべきである。さらに、必ずしもすべての例示のブロックが、以下で説明される方法をインプリメントするために必要とされる可能性があるとは限らない。さらに、以下で、そしてこの明細書全体を通して開示される方法は、コンピュータに対してそのような方法を移送することと、転送することとを容易にするために、製造の物品上に記憶されることができることをさらに理解すべきである。製造の物品という用語は、使用されるように、任意のコンピュータ読取り可能デバイス、キャリアに関連したデバイス、またはストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するように意図される。
【0071】
図7は、P−Pワイヤレス環境におけるマルチアンテナ通信のための分散処理を提供するための一例の方法700のフローチャートを示している。702において、方法700は、UTの通信インターフェースと、リモートUTとの間にワイヤレスチャネルを形成するために少なくとも1つの通信プロセッサを使用することができる。704において、方法700は、中継パラメータに基づいてワイヤレスチャネル上で中継リンクを確立することができる。特に、中継パラメータは、UTの、またはリモートUTのアンテナにインデックスを付けることができる。そのようなインデックス付けは、ここにおいて説明されるように、MISOコンフィギュレーション、SIMOコンフィギュレーション、またはMIMOコンフィギュレーションにおいて、信号を送信し、または受信するための命令のそれぞれの組を識別することにより、分散型のマルチアンテナの送信または受信を容易にすることができる。
【0072】
706において、方法700は、UTにおいて分散型のマルチアンテナ通信をインプリメントするために中継パラメータを使用することができる。例えば、中継パラメータによってUTのアンテナに割り当てられるインデックスは、アンテナについての1組の通信命令を選択するために利用されることができる。命令の選択された組をインプリメントすることにより、UTは、リモートUTから独立した複数のSIMO送信またはMIMO送信のうちの1つを生成し、あるいはリモートUTから独立した複数のMISO受信信号またはMIMO受信信号のうちの1つを受信し、または処理することができる。708において、方法700は、マルチアンテナ通信を容易にするために、あるいはUTとリモートUTとの間の後続のそのような通信を容易にするために、中継パラメータをメモリにオプショナルに記憶することができる。
【0073】
図8は、主題の開示の追加の態様による分散型のマルチアンテナ通信を提供するための一例の方法800のフローチャートを示している。802において、方法800は、UTとリモート端末との間にP−Pワイヤレスリンクを確立することができる。804において、方法800は、リモート端末に対して識別するインデックスを提供することができ、UT、またはUTのアンテナ(単数または複数)からそれらの端末、またはアンテナ(単数または複数)を区別する。いくつかの態様においては、806において、方法800は、リモート端末に対して識別するインデックスをプロビジョニング(provision)する際に、エラー検出、エラー訂正、またはフィードバックを使用することができる。そのようなプロビジョニングは、インデックスの正確な交換を容易にし、あるいは例えば、インデックスを再送信するそのようなプロビジョニングにおいて、エラーを検出する助けをする。
【0074】
808において、方法800は、インデックス特有の分散型のマルチアンテナ通信命令を得ることができる。インデックス特有の命令は、リモート端末に提供される識別するインデックスに基づいたもの(例えば、識別するインデックスに相関しない1組の命令)、またはUTに割り当てられる異なるインデックスに基づいたものとすることができる。810において、方法800は、インデックスとインデックス特有の命令とに基づいてUTについての送信パラメータ、または受信パラメータを計算することができる。812において、方法800は、UTについてのマルチアンテナ送信ストリームを生成することができる。814において、方法800は、インデックスに基づいてUTについてのチャネルリソースを選択することができる。そのようなチャネルリソースは、例えば、UTと、リモートUTとによって送信される信号の間の干渉を回避するために、識別するインデックスに基づいたUTのために割り当てられるリソースと相補的とすることができる。816において、方法800は、選択されたリソース上で計算されたストリームを送信することができる。
【0075】
818において、方法800は、UTについての信号処理を計算するために、インデックス、またはUTに割り当てられる関連したインデックスを使用することができる。820において、方法800は、計算された信号処理を用いて受信トラフィックを分析することができる。そのような分析は、信号を転送すること、信号を復号することおよび送信のための信号から抽出されるデータを符号化すること、信号をフィルタにかけること、信号を圧縮すること、信号を増幅すること、信号を暗号化することまたは暗号解読することなど、あるいはそれらの組合せ、を備えることができる。822において、方法800は、リモート端末から対応する受信信号トラフィックデータを得ることができる。824において、方法800は、例えば、リモート端末から得られる分析された受信トラフィックと、対応する受信信号トラフィックとを適切に処理することにより、交換に基づいてOFDM信号利得をインプリメントすることができる。
【0076】
図9は、主題の開示のさらなる態様によるP−P UTについてのマルチアンテナワイヤレス通信のための分散処理を容易にするための一例の方法900のフローチャートを示している。902において、方法900は、UTと、UTのP−Pパートナーとを識別するデータを得ることができる。904において、方法900は、UTと、P−Pパートナーとについての分散型のマルチアンテナ通信を容易にするインデックスパラメータを生成することができる。906において、方法900は、UTと、P−Pパートナーとにおける通信の独立なインプリメンテーションのためのそれぞれの命令にそれぞれのインデックスパラメータをマッピングすることができる。908において、方法900は、通信をインプリメントする際に使用されるべき、UTと、P−Pパートナーとについてのそれぞれのワイヤレスチャネルとリソースとを識別することができる。910において、方法900は、インデックスパラメータ、命令、または識別されたチャネルおよびリソースをUTまたはP−Pパートナーへと転送することができる。そのようなパラメータと、命令と、チャネル/リソースとに基づいて、UTと、P−Pパートナーとは、アウトバウンド信号を独立に処理し、そして送信し、あるいは分散型処理構成でマルチアンテナ通信をインプリメントするためにインバウンドワイヤレス信号を独立に受信し、処理し、または交換することができる。
【0077】
図10および11は、主題の開示の態様による1組のP−Pモバイル端末についてのMIMO通信、SIMO通信、またはMISO通信をインプリメントするために、分散処理をそれぞれ使用すること、および容易にすることのための一例のシステム1000、1100のブロック図を示している。例えば、システム1000および1100は、ワイヤレス通信ネットワーク内に、および/またはノード、基地局、アクセスポイント、ユーザ端末、モバイルインターフェースカードなどと結合されたパーソナルコンピュータなどのトランスミッタ内に、少なくとも部分的に存在することができる。システム1000および1100は、機能ブロックを含むように表され、これらの機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(例えば、ファームウェア)によってインプリメントされる機能を表す機能ブロックとすることができることを理解すべきである。
【0078】
システム1000は、1組のそのようなノードのうちの特定のノードのために構成されるマルチアンテナワイヤレス通信命令をインプリメントするためにプロセッサを使用するためのモジュール1002を備えることができる。例えば、ノードは、その組の他のノードとワイヤレスに結合されたUTとすることができる。さらに、システム1000は、そのようなノードのアドホックネットワークを形成するために、その組のノードと、1つまたは複数の他のそのようなノードとの間にワイヤレスチャネルを形成する際にプロセッサを使用するためのモジュール1004を備えることができる。さらに、システム1000は、マルチアンテナワイヤレス通信のための分散処理を可能にするためにワイヤレスチャネル上で中継器を形成するためのモジュール1006を備えることができる。例えば、ワイヤレスチャネルは、ノードが、トラフィックデータを共有することを可能にすることができる。結果として、さらなるモジュール1008は、分散処理をインプリメントするためにトラフィックデータの送信を独立して計算することができる。追加のノードがまた、トラフィックデータについての送信を独立して計算する場合には、アドホックネットワークは、SIMO送信またはMIMO送信を生成することができる。さらに、トラフィックデータの共有は、独立な受信、処理、または受信された送信の転送を容易にすることができ、アドホックネットワークについてのMISO受信またはMIMO受信をもたらす。
【0079】
システム1100は、UTと、UTのP−Pパートナーとを識別するデータを得るためのモジュール1102を備えることができる。さらに、システム1100は、UTと、P−Pパートナーとについての異なる通信インデックスパラメータを生成するためのモジュール1104を備えることができる。インデックスパラメータは、P−Pパートナーの対応するアンテナからUTのアンテナを区別するために使用されることができる。さらに、インデックスパラメータは、UTと、P−Pパートナーとにおいてそれぞれワイヤレス送信を生成し、あるいはワイヤレス送信を受信し、そして処理するための命令のそれぞれの組に関連づけられることができる。それぞれのインデックスパラメータを使用することにより、UTと、P−Pパートナーとは、SIMO通信、MISO通信、またはMIMO通信をインプリメントするために命令のそれぞれの組を識別し、そしてこれらの命令を独立して処理することができる。パラメータを搬送するために、システム1100は、UTまたはP−Pパートナーへとパラメータを、そしてオプショナルに命令を転送するためのモジュール1106を備えることができる。
【0080】
図12は、ここにおいて開示されるいくつかの態様による、アドホックワイヤレス通信を容易にすることができる一例のシステム1200のブロック図を示している。ワイヤレス端末1205において得られる同期化タイミング信号(例えば、タイミングビーコン−図示されずによって送信される)のタイミングシーケンスに基づいて、送信(TX)データプロセッサ1210は、トラフィックデータを受信し、フォーマットし、符号化し、インターリーブし、そして変調し(またはシンボルマッピングし)、そして変調シンボル(「データシンボル」)を供給する。シンボル変調器1215は、データシンボルとパイロットシンボルとを受信し、そして処理し、そしてシンボルのストリームを供給する。シンボル変調器1220は、データと、パイロットシンボルとを多重化し、そしてそれらをトランスミッタユニット(TMTR)1220へと供給する。各送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、またはゼロの信号値とすることができる。
【0081】
TMTR1220は、ワイヤレスチャネル上での送信のために適切な送信信号を生成するために、シンボルのストリームを受信し、そしてそれを1つまたは複数のアナログ信号へと変換し、そしてさらに、それらのアナログ信号を調整する(例えば、増幅し、フィルタにかけ、そして周波数アップコンバートする)。次いで、送信信号は、アンテナ1225を通して、リモート端末(1430)(単数または複数)または他のピアツーピアパートナーへと送信される。ワイヤレス端末1230においては、やはり同期化信号のタイミングシーケンスに基づいて、アンテナ1235は、TMTR1220によって送信される送信信号を受信し、そして受信信号をレシーバユニット(RCVR)1240へと供給する。レシーバユニット1240は、受信信号を調整し(例えば、フィルタにかけ、増幅し、そして周波数ダウンコンバートし)、そしてサンプルを得るために調整された信号をデジタル化する。シンボル復調器1245は、チャネル推定のために、受信パイロット信号を復調し、そしてプロセッサ1250へと供給する。シンボル復調器1245は、さらに、プロセッサ1250からダウンリンクのための周波数応答推定値(frequency response estimate)を受信し、データシンボル推定値(data symbol estimates)(これは送信されたデータシンボルの推定値(estimates)である)を得るために受信データシンボル上でデータ復調を実行し、そしてデータシンボル推定値をRXデータプロセッサ1255へと供給し、このRXデータプロセッサは、送信されたトラフィックデータを回復するためにデータシンボル推定値を復調し(例えば、シンボルデマッピングし)、デインターリーブし、そして復号する。シンボル復調器1245と、RXデータプロセッサ1255とによる処理は、ワイヤレス端末1205におけるそれぞれシンボル変調器1215と、TXデータプロセッサ1210とによる処理と相補的である。
【0082】
ワイヤレス端末1230上で、TXデータプロセッサ1260は、トラフィックデータを処理し、そしてデータシンボルを供給する。シンボル変調器1265は、データシンボルを受信し、そしてデータシンボルをパイロットシンボルと多重化し、変調を実行し、そしてシンボルのストリームを供給する。次いで、トランスミッタユニット1270は、信号を生成するためにシンボルのストリームを受信し、そして処理し、この信号は、アンテナ1235によってワイヤレス端末1205へと送信される。
【0083】
ワイヤレス端末1205において、端末1230からの信号は、アンテナ1225によって受信され、そしてサンプルを得るようにレシーバユニット1275によって処理される。次いで、シンボル復調器1280は、サンプルを処理し、そして通信チャネルについての受信されたパイロットシンボル、およびデータシンボルの推定値を供給する。RXデータプロセッサ1285は、端末1230によって送信されるトラフィックデータを回復するためにデータシンボル推定値を処理する。プロセッサ1290は、通信チャネル上で送信する各アクティブピアツーピアパートナーについてのチャネル推定を実行する。複数の端末は、ピアツーピアチャネル上で、またはそれらのそれぞれの組のピアツーピアチャネルサブバンド上で同時にパイロットを送信することができ、ここでピアツーピアチャネルサブバンドの組は、インターレースされることができる。
【0084】
プロセッサ1290と1250とは、それぞれ端末1205と端末1230とにおいて、オペレーションを指示する(例えば、制御し、調整し、管理するなどを行う)。それぞれのプロセッサ1290および1250は、プログラムコードとデータとを記憶するメモリユニット(図示されず)に関連づけられることができる。プロセッサ1290および1250は、それぞれ通信チャネルについての周波数およびインパルス応答の推定値を導き出すために計算を実行することもできる。
【0085】
システム1200について説明される技法は、様々な手段によってインプリメントされることができる。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せの形でインプリメントされることができる。デジタル、アナログ、またはデジタルとアナログとの両方とすることができるハードウェアインプリメンテーションでは、チャネル推定のために使用される処理装置は、ここにおいて説明される機能を実行するように設計された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits)(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processors)(DSP)、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing devices)(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic devices)(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays)(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、他の電子ユニット、あるいはそれらの組合せの内部にインプリメントされることができる。ソフトウェアでは、インプリメンテーションは、ここにおいて説明される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、ファンクションなど)を通したものとすることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、そしてプロセッサ1290および1250によって実行されることができる。
【0086】
図13は、1つまたは複数の態様と一緒に利用されることなどができる、複数の基地局(base stations)(BS)1310(例えば、ワイヤレスアクセスポイント)と、複数の端末1320(例えば、UT)とを有するワイヤレス通信システム1300を示している。BS(1210)は、一般に、端末と通信する固定局であり、そしてアクセスポイント、ノードB、または何らかの他の専門用語と呼ばれることもできる。各BS1310は、1302a、1302b、および1302cとラベル付けされる、図13の中の3つの地理的エリアとして示される特定の地理的エリア、またはカバレージエリアのための通信カバレージを提供する。用語「セル」は、その用語が使用される文脈に応じてBSまたはそのカバレージエリアを意味することができる。システム容量を改善するために、BSの地理的エリア/カバレージエリアは、複数のより小さなエリア(例えば、図13の中のセル1302aによる3つのより小さなエリア)1304a、1304b、および1304cへと分割されることができる。より小さな各エリア(104a、1304b、1304c)は、それぞれの基地トランシーバサブシステム(base transceiver subsystem)(BTS)によってサーブ(serve)されることができる。用語「セクタ」は、その用語が使用される文脈に応じてBTSまたはそのカバレージエリアを意味することができる。セクタ化されたセルでは、そのセルのすべてのセクタについてのBTSは、一般的に、セルについての基地局内に共通に配置される。ここにおいて説明される送信技法は、セクタ化されていないセルを有するシステムと同様にセクタ化されたセルを有するシステムのために使用されることができる。主題の説明において簡単にするために、それ以外に指定されない限り、用語「基地局」は、包括的に、セクタをサーブする固定局、ならびにセルをサーブする固定局のために使用される。
【0087】
端末1320は、一般的に、システム全体を通して分散され、そして各端末1320は、固定され、またはモバイルとすることができる。端末1320は、ここにおいて説明されるように、移動局、ユーザ装置、ユーザデバイス、または何らかの他の専門用語と呼ばれることもできる。端末1320は、ワイヤレスデバイス、セルラ電話、携帯型個人情報端末(personal digital assistant)(PDA)、ワイヤレスモデムカードなど、とすることができる。各端末1320は、与えられた任意の瞬間にダウンリンク(例えば、FL)とアップリンク(例えば、RL)との上で、ゼロ個、1つ、または複数のBS1310と通信することができる。ダウンリンクは、基地局から端末への通信リンクを意味し、そしてアップリンクは、端末から基地局への通信リンクを意味する。
【0088】
中央集中されたアーキテクチャでは、システムコントローラ1330は、基地局1310に結合し、そしてBS1310についての調整と制御とを提供する。分散アーキテクチャでは、BS1310は、必要に応じて互いと通信することができる(例えば、BS1310に通信的に結合する有線またはワイヤレスのバックホールネットワーク(backhaul network)を経由して)。順方向リンク上のデータ送信は、多くの場合に、1つのアクセスポイントから1つのアクセス端末へと、順方向リンクまたは通信システムによってサポートされることができる最大のデータレートで、またはその近くで起こる。順方向リンクの追加チャネル(例えば、制御チャネル)は、複数のアクセスポイントから1つのアクセスポイントへと送信されることができる。逆方向リンクデータ通信は、1つのアクセス端末から1つまたは複数のアクセスポイントへと起こることができる。
【0089】
図14は、様々な態様に従う、計画された、または半分計画されたワイヤレス通信環境1400の説明図である。システム1400は、互いに、および/または1つまたは複数のモバイルデバイス1404に対するワイヤレス通信信号を受信し、送信し、反復するなどを行う1つまたは複数のセルおよび/またはセクタの中に、1つまたは複数のBS1402を備えることができる。図に示されるように、各BS1402は、1406a、1406b、1406cおよび1406dとラベル付けされる4つの地理的エリアとして示される特定の地理的エリアのための通信カバレージを提供することができる。当業者によって理解されるであろうように、各BS1402は、トランスミッタチェーンとレシーバチェーンとを備えることができ、これらのチェーンのおのおのは、次には、信号の送信および受信に関連する複数のコンポーネント(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナなど、図6を参照)を備えることができる。モバイルデバイス1404は、例えば、セルラ電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星無線、全地球測位システム、PDA、および/またはワイヤレスネットワーク1400上で通信するための他の適切な任意のデバイス、とすることができる。システム1400は、ここにおいて説明されるように、ワイヤレス通信環境(1300)における同期化ワイヤレス信号送信を提供すること、および/または利用すること、を容易にするために、ここにおいて説明される様々な態様と一緒に使用されることができる。
【0090】
主題の開示において使用されるように、「コンポーネント」、「システム」、「モジュール」などの用語は、ハードウェア、ソフトウェア、実行中のソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、および/またはそれらの任意の組合せのいづれであっても、コンピュータに関連したエンティティを意味するように意図される。例えば、モジュールは、それだけには限定されないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式(executable)、実行スレッド(thread of execution)、プログラム、デバイス、および/またはコンピュータとすることができる。1つまたは複数のモジュールは、プロセス、または実行スレッドの内部に存在することができ、そしてモジュールは、1つの電子デバイス上に局所化され、または2つ以上の電子デバイスの間に分散されることもできる。さらに、これらのモジュールは、様々なデータ構造がその上に記憶されている様々なコンピュータ読取り可能媒体から実行することもできる。モジュールは、1つまたは複数のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システムにおける別のコンポーネントと、またはインターネットなどのネットワークを通して信号を経由して他のシステムと、相互作用する1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号などに従って、ローカルまたはリモートのプロセスを経由して通信することができる。さらに、ここにおいて説明されるシステムのコンポーネントまたはモジュールは、それに関して説明される様々な態様、目標、利点などを達成することを容易にするために、追加のコンポーネント/モジュール/システムによって再構成され、または補完されることができ、そして当業者によって理解されるであろうように、与えられた図面の中で述べられる厳密なコンフィギュレーションだけには限定されない。
【0091】
さらに、様々な態様が、UTに関連してここにおいて説明される。UTは、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイル通信デバイス、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、アクセス端末(access terminal)(AT)、ユーザエージェント(user agent)(UA)、ユーザデバイス、またはユーザ装置(user equipment)(UE)と呼ばれることもできる。加入者局は、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(wireless local loop)(WLL)局、携帯型個人情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、あるいは処理デバイスとのワイヤレス通信を容易にするワイヤレスモデムまたは類似したメカニズムに接続された他の処理デバイス、とすることができる。
【0092】
1つまたは複数の例示の実施形態においては、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはそれらの適切な任意の組合せの形でインプリメントされることができる。ソフトウェアの形でインプリメントされる場合、それらの機能は、コンピュータ読取り可能媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶され、あるいはその上で送信されることができる。コンピュータ読取り可能媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含めて、コンピュータストレージ媒体と、通信媒体との両方を含んでいる。ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の物理媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、スマートカード、およびフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ...)、あるいは命令またはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを搬送し、または記憶するために使用されることができ、そしてコンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体、を備えることができる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義の中に含まれる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標) disk)、およびブルーレイディスク(blu-ray disc)を含み、ここでディスク(disks)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含められるべきである。
【0093】
ハードウェアインプリメンテーションでは、ここにおいて開示される態様に関連して説明される処理装置の様々な例示の論理と、論理ブロックと、モジュールと、回路とは、ここにおいて説明される機能を実行するように設計された1つまたは複数のASIC、DSP、DSPD、PLD、FPGA、ディスクリートのゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、他の電子ユニット、あるいはそれらの組合せの内部にインプリメントされ、または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替案においては、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシーンとすることもできる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の適切な任意のコンフィギュレーションとしてインプリメントされることもできる。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、ここにおいて説明されるステップおよび/またはアクションのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを備えることができる。
【0094】
さらに、ここにおいて説明される様々な態様または特徴は、標準のプログラミング技法および/またはエンジニアリング技法を使用した方法、装置、または製造の物品としてインプリメントされることができる。さらに、ここにおいて開示される態様に関連して説明される方法またはアルゴリズムについてのステップおよび/またはアクションは、ハードウェアの形で直接に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの形で、あるいはそれら2つの組合せの形で実施されることができる。さらに、いくつかの態様においては、方法またはアルゴリズムについてのステップまたはアクションは、機械読取り可能媒体、またはコンピュータ読取り可能媒体の上のコードまたは命令のうちの少なくとも1つ、あるいは任意の組合せまたは組として存在することができ、この媒体は、コンピュータプログラムプロダクト(computer program product)の中に組み込まれることができる。ここにおいて使用されるような用語「製造の物品」は、適切な任意のコンピュータ読取り可能デバイス、またはコンピュータ読取り可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するように意図される。
【0095】
さらに、言葉「例示の(exemplary)」は、ここにおいては、1つの例(example)、インスタンス(instance)、または例証(illustration)としての役割を果たすことを意味するように使用される。ここにおいて「例示の」として説明されるどのような態様または設計も、必ずしも他の態様または設計よりも好ましい、あるいは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。もっと正確に言えば、例示のという言葉の使用は、具体的なやり方(concrete fashion)で概念を提示するように意図される。本願において使用されるように、用語「論理和(or)」は、排他的「論理和」ではなくて、包含的「論理和」を意味するように意図される。すなわち、別の方法で指定されない限り、あるいは文脈から明らかでない限り、「Xは、AまたはBを使用する(X employs A or B)」は、普通の包含的な置換のうちの任意のものを意味するように意図される。すなわち、Xは、Aを使用する、Xは、Bを使用する、あるいはXは、AとBとの両方を使用する、である場合、そのときには「Xは、AまたはBを使用する」は、上記のインスタンスのうちのどれの下でも満たされる。さらに、本願と、添付の特許請求の範囲とにおいて使用されるような冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、単数形に指示されるように別の方法で指定されない限り、あるいは文脈から明らかでない限り、一般に、「1つまたは複数(one or more)」を意味するように解釈されるべきである。
【0096】
さらに、ここにおいて使用されるように、用語「推測する(infer)」または「推論する(inference)」ことは、一般にイベントまたはデータを経由して取り込まれるような1組の観察からシステム、環境、またはユーザの状態について推論するプロセス、またはそれらの状態を推測するプロセスを意味する。推論は、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために使用されることができ、あるいは例えば状態の上での確率分布を生成することができる。推論は、確率論的であり、すなわちデータおよびイベントの考察に基づいた関心のある状態の上での確率分布の計算とすることができる。推論はまた、1組のイベントまたはデータから、より高レベルのイベントを構成するために使用される技法を意味することもできる。そのような推論は、それらのイベントが、時間的に近接して相関づけられても相関づけられなくても、そしてそれらのイベントおよびデータが、1つまたは複数のイベントおよびデータのソースに由来していようと、1組の観察されたイベントおよび/または記憶されたイベントデータから新しいイベントまたはアクションの構築をもたらす。
【0097】
上記で説明されているものは、特許請求の範囲の主題の態様の例を含んでいる。特許請求の範囲の主題を説明する目的のためにコンポーネントまたは方法のあらゆる考えられる組合せについて説明することは、もちろん可能ではないが、当業者は、開示された主題の多数のさらなる組合せおよび置換が可能であることを認識することができる。したがって、開示された主題は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲の内部に含まれるすべてのそのような変更、修正、および変形を包含するように意図される。さらに、用語「含む(includes)」、「有する(has)」、または「有している(having)」が、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかの中で使用される限りでは、そのような用語は、「備えている(comprising)」が、請求項におけるトランジショナルワード(transitional word)として使用されるときに解釈されるように、用語「備えている(comprising)」と同様にして包含的であるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
マルチアンテナ通信のための命令を実行するためにワイヤレス通信デバイス(WCD)において少なくとも1つの通信プロセッサを使用すること、前記命令は、
第2のワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成すること、
分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために前記WCDまたは前記第2のワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付けるパラメータを通信するために、前記チャネル上で中継リンクを確立することを備える、および
前記パラメータまたは前記命令を記憶するために、前記WCDにおいてメモリを使用すること
を具備してなる方法。
【請求項2】
マルチアンテナ送信ストリームの計算のために前記の通信プロセッサとパラメータとを使用すること、をさらに具備してなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算は、前記WCDにおいてインプリメントされ、そして対応する送信ストリームについての計算は、前記第2のワイヤレスデバイスにおいてインプリメントされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中継リンクは、前記のWCDと第2のワイヤレスデバイスとにおける分散処理に基づいて、多入力(MI)、多出力(MO)、または多入力/多出力(MIMO)のワイヤレス通信を容易にする(facilitates)、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
マルチアンテナ受信のための受信ストリームを処理するために前記の通信プロセッサと中継パラメータとを使用すること、をさらに具備してなり、マルチアンテナ受信の対応する受信ストリームのための処理は、前記第2のワイヤレスデバイスにおいてインプリメントされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワイヤレス通信チャネルは、前記のWCDと第2のワイヤレスデバイスとの間の少なくとも1つの中継ノードを具備してなる間接リンクである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記の送信または受信をインプリメントする、前記WCDについてのワイヤレスリソースを選択するために前記インデックス付けを使用すること、をさらに具備してなる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のワイヤレスデバイスの前記アンテナについてのインデックスを提供する際に前記中継リンクを使用すること、をさらに具備してなる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記中継リンク上で前記パラメータを供給する際に転送のエラー訂正、エラー検出、またはフィードバックを使用すること、をさらに具備してなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
インデックス付けは、前記のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントする際に前記アンテナについての役割を確立すること、を具備してなる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
インデックス付けは、前記の送信または受信をインプリメントするマルチ端末中継器の中のおのおのの送信または受信のアンテナについての異なる識別子を提供すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
多入力または多出力のワイヤレス通信のための装置であって、
分散型のマルチアンテナ通信をインプリメントするために処理の命令またはパラメータを記憶するためのメモリと、
ワイヤレスデータを送信し、または受信するためのアンテナと、
前記装置とワイヤレスデバイスとの間にワイヤレス通信チャネルを形成するために、前記マルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするために前記アンテナまたは前記ワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付けるためのパラメータを搬送するために、前記パラメータに基づいて前記命令を実行するための通信プロセッサと
を具備してなる装置。
【請求項13】
前記通信プロセッサは、前記ワイヤレスデバイスにおいて生成される対応する送信ストリームとは異なる、前記通信のための送信ストリームを生成するために前記パラメータを使用する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ワイヤレスデバイスは、前記装置のP−Pパートナー、固定中継器、またはネットワークアクセスポイントである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記の命令と分散処理とは、前記の装置またはワイヤレスデバイスのアンテナを使用するMI、MO、またはMIMOの通信を容易にする、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記通信プロセッサは、マルチアンテナ受信のための受信信号を復号するために前記パラメータを使用する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記ワイヤレス通信チャネルについてのセキュリティ保護通信をインプリメントするセキュリティモジュール、をさらに具備してなる請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記分散処理と一緒に前記装置についての送信または受信のリソースを選択するために前記パラメータを使用するリソースモジュール、をさらに具備してなる請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記パラメータを前記ワイヤレスデバイスへと搬送する際に信頼性を提供するエラー訂正モジュール、をさらに具備してなる請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記エラー訂正モジュールは、前記増大された信頼性を提供する際に、転送のエラー訂正、エラー検出、またはフィードバックを使用する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントする際に前記装置と前記ワイヤレスデバイスとのそれぞれのアンテナについてのそれぞれの役割を確立する構文解析モジュール、をさらに具備してなる請求項12に記載の装置。
【請求項22】
前記構文解析モジュールは、前記それぞれのアンテナについての異なる識別子を提供し、ここにおいて、
それぞれの識別子は、それぞれの処理命令をインプリメントするために前記通信プロセッサと、前記ワイヤレスデバイスのプロセッサとによって使用され、そして
前記それぞれの処理命令は、複数のワイヤレスアンテナを通して(across)MI、MOまたはMIMOの通信を調整するように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
ワイヤレス通信のための装置であって、
WCDの以下のコンポーネントを実行するために少なくとも1つの通信プロセッサを使用するための手段、
ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するための手段、
分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために前記WCDまたは前記ワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付けるパラメータを搬送するために前記チャネル上で中継リンクを確立するための手段、および
前記パラメータまたは前記命令を記憶するための手段
を具備してなる装置。
【請求項24】
前記ワイヤレスデバイスにおいて計算される対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ送信のストリームを計算する、または
前記ワイヤレスデバイスにおいて処理される対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ受信の受信ストリームを処理する、
のうちの少なくとも一方を行うために前記の通信プロセッサとパラメータとを使用するための手段、をさらに具備してなる請求項23に記載の装置。
【請求項25】
ワイヤレス通信のために構成されたプロセッサであって、
ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するための第1のモジュール、
パラメータを通信するために前記チャネル上で中継リンクを確立するための第2のモジュール、前記パラメータは、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために前記プロセッサに関連するアンテナ、または前記ワイヤレスデバイスのアンテナにインデックスを付ける、および
前記パラメータまたは前記命令をメモリに記憶するための第3のモジュール
を具備してなるプロセッサ。
【請求項26】
前記ワイヤレスデバイスにおいて計算される対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ送信のストリームを計算する、または
前記ワイヤレスデバイスにおいて処理される対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ受信の受信ストリームを処理する、
のうちの少なくとも一方を行うために前記中継パラメータを使用するための第3のモジュール、をさらに具備してなる請求項25に記載のプロセッサ。
【請求項27】
コンピュータに、ワイヤレスデバイスとのワイヤレス通信チャネルを形成するようにさせるための第1の組のコード、
パラメータを搬送するために、前記チャネル上で中継リンクを確立するようにさせるための第2の組のコード、前記パラメータは、前記コンピュータに、分散型のマルチアンテナの送信または受信をインプリメントするために前記コンピュータまたは前記ワイヤレスデバイスに関連するアンテナにインデックスを付ける、および
前記コンピュータに、前記パラメータまたは命令を記憶するようにさせるための第3の組のコードとを備えるコンピュータ読取り可能媒体
を具備してなるコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項28】
前記コンピュータに、
前記ワイヤレスデバイスにおいて計算される前記送信の対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ送信のストリームを計算する、または
前記ワイヤレスデバイスにおいて処理される前記受信の対応するストリームとは異なる、マルチアンテナ受信の受信ストリームを処理する、
のうちの少なくとも一方を行うために前記の通信プロセッサと中継パラメータを使用するようにさせるための第2の組のコード、をさらに具備してなる請求項27に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項29】
マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための方法であって、
WCDと前記WCDの可能性のある(potential)ワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るために有線またはワイヤレスの通信インターフェースを使用すること、
前記のWCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータ(indexing parameter)を生成するためにプロセッサを使用すること、および
前記インデックスパラメータを前記WCDへと転送するために前記通信インターフェースを使用すること
を具備してなる方法。
【請求項30】
前記のWCDまたはワイヤレスパートナーにおいて前記マルチアンテナ通信をインプリメントするための命令のそれぞれの組にそれぞれのインデックスパラメータを関連づけること、をさらに具備してなる請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記のWCDまたはワイヤレスパートナーに割り当てられるインデックスパラメータは、前記通信のための前記のWCDまたはワイヤレスパートナーによって使用されるべき1組の前記命令を識別する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記マルチアンテナ通信のためのデータを交換するために、前記のWCDとワイヤレスパートナーとについてのワイヤレスチャネルを識別すること、をさらに具備してなる請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記インデックスパラメータは、前記マルチアンテナ通信をインプリメントする際に、前記のWCDとワイヤレスパートナーとについてのそれぞれの役割を確立する、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための装置であって、
WCDと前記WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するメッセージを得る通信インターフェース、
前記のWCDとワイヤレスパートナーとについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成する分散型制御モジュール、および
を具備してなり、前記のWCDまたはワイヤレスパートナーへと前記インデックスパラメータを送信するために前記通信インターフェースを使用する装置。
【請求項35】
前記分散型制御モジュールは、前記のWCDまたはワイヤレスパートナーにおいて前記マルチストリーム通信をインプリメントするための命令のそれぞれの組にそれぞれのインデックスパラメータを関連づける、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記WCDに割り当てられるインデックスパラメータは、前記通信のために前記WCDによって使用されるべき1組の前記命令を識別する、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記マルチアンテナ通信をインプリメントする際に前記のWCDとワイヤレスパートナーとの間のデータ交換のためのワイヤレスチャネルを識別するリソースモジュール、をさらに具備してなり、前記WCDは、ユーザ端末(UT)である、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記インデックスパラメータは、前記マルチアンテナ通信をインプリメントする際に前記のWCDとワイヤレスパートナーとについてのそれぞれの役割を確立する、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記ワイヤレスパートナーは、UT、ネットワークアクセスポイント、またはワイヤレス中継器である、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするための装置であって、
WCDと前記WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るための手段、
前記のWCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するための手段、
前記インデックスパラメータを前記WCDへと転送するための手段、および
を具備してなる装置。
【請求項41】
前記WCDに割り当てられるインデックスパラメータは、前記通信のために前記WCDによって使用されるべき1組の前記命令を識別する、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
マルチアンテナワイヤレス通信を容易にするためのプロセッサであって、
WCDと前記WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るための第1のモジュールと、
前記のWCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するための第2のモジュールと、
前記インデックスパラメータを前記WCDへと転送するための第3のモジュールと、
を具備してなるプロセッサ。
【請求項43】
前記WCDに割り当てられるインデックスパラメータは、前記通信のために前記WCDによって使用されるべき1組の前記命令を識別する、請求項42に記載のプロセッサ。
【請求項44】
コンピュータに、WCDと前記WCDの可能性のあるワイヤレスパートナーとを識別するデータを得るようにさせるための第1の組のコード、
前記コンピュータに、前記のWCDまたはワイヤレスパートナーについてのマルチアンテナ通信のための分散処理を容易にするインデックスパラメータを生成するようにさせるための第2の組のコード、および
前記コンピュータに、前記インデックスパラメータを前記WCDへと転送するようにさせるための第3の組のコードとを備えるコンピュータ読取り可能媒体
を具備してなるコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項45】
前記WCDに割り当てられるインデックスパラメータは、前記通信のために前記WCDによって使用されるべき1組の前記命令を識別する、請求項43に記載のコンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−13106(P2013−13106A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−175228(P2012−175228)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【分割の表示】特願2011−516351(P2011−516351)の分割
【原出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
2.BLU−RAY DISC
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】