説明

内容物放出用容器ならびに、この内容物放出用容器を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品

【課題】利用者がポンプ式製品やエアゾール式製品を操作するときに、安定的に保持した状態で操作部を作動させることができるようにする。
【解決手段】ポンプ式製品やエアゾール式製品に用いられる容器本体(1)の胴部(1b)に、利用者の容器本体保持用の指に対する係合部として凹状の切り欠き状部分(1e)を設けた。また係合部のバリエーションとして凸状部や孔部を胴部(1b)に設けたものや、胴部を縦方向部分とそこから横方向にのびる横方向部分とからなるものとして胴部(縦方向,横方向)の底面を係合部とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば定量噴霧の点鼻用,洗鼻用、水虫対処用などを始めとする後述の各種のポンプ式製品やエアゾール式製品(以下、必要に応じて単に「ポンプ式製品など」という)に用いられる内容物放出用容器に関する。
【0002】
特に利用者が容器本体部分を自らの手で保持(把持)しながら容器内容物を放出操作するタイプのポンプ式製品などにおける容器本体の胴部に当該保持動作のいわば補助作用機能を呈する指係合部を形成して、当該放出操作の一層の簡単化,確実化を担保できるようにしたものである。
【0003】
ポンプ式製品などを使う場合に利用者がその容器本体部分を保持した状態で操作部をその作動モード位置に設定することが多いところ、かかる状況においても利用者の作動モード設定操作上の利便性を十分に確保することが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
【背景技術】
【0004】
一般に、ポンプ式製品やエアゾール式製品を利用者が各種内容物の収納容器側の一部を自らの手で持ちながら、その操作部を例えば押圧して内容物を放出させることが行われている。
【0005】
この内容物の収納容器側に対する利用者の保持動作を簡単・確実に行えるようにするため、容器本体の開口部側(放出口側)の首部に取り付けられるシリンダの外周面部分や当該首部自体の外周面部分に、環状の括れ部をそこに利用者の指が入り込む態様で形成した内容物放出装置が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0006】
この内容物放出装置の場合、利用者は、環状の括れ部に指を入れた安定状態で操作部を押圧して作動モードに設定することができる。
【0007】
【特許文献1】登録実用新案公報第3033213号
【特許文献2】特開2006−43470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の指係合用の括れ部は容器本体の首部やその上方部分に形成されているので、利用者がこの(容器本体の胴部よりも上方の)括れ部に指を置き、操作部を例えば押圧して内容物の放出状態を設定するときなど、容量が大きい容器本体胴部を確実に保持することができずに内容物の放出操作が不安定になりやすいなどの問題点があった。
【0009】
そこで本発明では、ポンプ式製品やエアゾール式製品に用いられる容器本体の胴部に、利用者の容器本体保持用の指に対する係合部(指係合部)を設けることにより、利用者がこの胴部などを安定的に保持した状態で操作部を作動させることができようにして、内容物放出操作時の利便性を高めることを目的とする。
【0010】
また、この指係合部を容器本体載置用の面部分としても作用させることにより、この容器本体からなるポンプ式製品などが各種場所に載置されたときに振動などを受けてもその起立状態が維持されるようにして、当該ポンプ式製品などの転倒防止を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は以上の課題を、次の構成要件からなる内容物放出用容器を用いることにより解決する。
(1)容器本体の上方に設けられる操作部(例えば後述のノズル部材3)の作動により当該容器本体の内容物が外部空間に放出される内容物放出用容器において、
前記容器本体(例えば後述の容器本体1,1’,1’’,1’’’)は、その胴部(例えば後述の胴部1b,縦方向胴部1m,横方向胴部1n)に、前記操作部の放出操作時に利用者の指で係合保持される面部分(例えば後述の天井面1f,下面1j,孔部1kの天井面,底面1p)を持つ指係合部(例えば後述の切り欠き状部分1e,凸状部1h,孔部1k,縦方向胴部1mまたは横方向胴部1nの底部)が形成されている、
ことを特徴とする内容物放出用容器
(2)上記(1)において、
前記指係合部は、前記胴部の外周面からその内側に続く天井形態の前記面部分(例えば後述の天井面1f)と、当該面部分の内側端部から当該外周面へ戻る形の下面部分(例えば後述のテーパ状面1g)とを備えた切り欠き状部(例えば後述の切り欠き状部分1e)である、
ことを特徴とする内容物放出用容器
(3)上記(1)において、
前記指係合部は、前記胴部の外周面からその外側に続く前記面部分(例えば後述の下面1j)を少なくとも備えた凸状部(例えば後述の凸状部1h)である、
ことを特徴とする内容物放出用容器
(4)上記(1)において、
前記指係合部は、前記胴部を貫通する形の孔部(例えば後述の孔部1k)である、
ことを特徴とする内容物放出用容器
(5)上記(1)において、
前記胴部は、前記容器本体の縦方向に延びる縦方向部分(例えば後述の縦方向胴部1m)と、当該縦方向部分から横方向に延びる横方向部分(例えば後述の横方向胴部1n)とからなり、
前記指係合部の前記面部分は、前記縦方向部分の外側底面(例えば後述の底面1p)または前記横方向部分の外側底面(例えば後述の底面1p)である、
ことを特徴とする内容物放出用容器
【0012】
このような構成からなる内容物放出用容器ならびに、当該内容物放出用容器を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のようにポンプ式製品やエアゾール式製品に用いられる容器本体の胴部に、利用者の容器本体保持用の指に対する係合部(指係合部)を設けているので、利用者は自らの手で容器本体の胴部などを安定的に保持しながら操作部を作動させて、内容物放出操作時の利便性を高めることができる。
【0014】
また、指係合部を容器本体の載置用面としても作用させているので、この容器本体からなるポンプ式製品などが各種場所に置かれたときに振動などを受けてもその起立状態が維持されるようにして、当該ポンプ式製品などの転倒防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図8を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0016】
本発明は、利用者が容器本体の胴部の外周面部分や底面部分などを係合保持しながら内容物放出操作を行うための内容物放出用容器を備えたポンプ式製品やエアゾール式製品も、対象としているが、以下の図1〜図8を用いた説明では単なる説明の便宜上、ポンプ式製品の場合を前提とする。
【0017】
ここで、
図1は、容器本体の胴部に指係合用の切り欠き状部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示し、
図2は、図1のポンプ式製品の操作状態を示し、
図3は、容器本体の胴部に指係合用の凸状部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示し、
図4は、図3のポンプ式製品の操作状態を示し、
図5は、容器本体の胴部に指係合用の孔部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示し、
図6は、図5のポンプ式製品の操作状態を示し、
図7は、容器本体の胴部(=縦方向胴部+横方向胴部)の底面を指係合部として用いるタイプのポンプ式製品を示し、
図8は、図7のポンプ式製品の操作状態を示している。
【0018】
なお、以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば首部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば容器本体1,1’,1’’,1’’’)の一部であることを示している。
【0019】
図1〜図8において、
1は後述の内容物を収納したポンプ式製品の容器本体(図1,図2で使用),
1’は後述の内容物を収納したポンプ式製品の容器本体(図3,図4で使用),
1’’は後述の内容物を収納したポンプ式製品の容器本体(図5,図6で使用),
1’’’は後述の内容物を収納したポンプ式製品の容器本体(図7,図8で使用),
1aは当該容器本体それぞれの(開口)首部,
1bは当該首部の下方側に続く胴部(図1〜図6で使用),
1cは当該胴部の窪み状の底面,
1dは当該底面の環状縁部分(=載置台などへの接触部分),
1eは胴部1bの外周面の一部に形成された指係合用の切り欠き状部分(図1,図2で使用),
1fは当該切り欠き状部分の略水平な天井面,
1gは当該天井面の奥部分から外周面の方に下がっていく形のテーパ状面,
1hは胴部1bの外周面の一部に形成された指係合用の凸状部(図3,図4で使用),
1jは当該凸状部の略水平な下面,
1kは胴部1bを横方向(容器本体および後述のノズルそれぞれの長手方向と略直交する方向)に貫通する態様で形成された指係合用の孔部(図5,図6で使用),
1mは容器本体1’’’の縦方向胴部(図7,図8で使用),
1nは当該縦方向胴部の下端側からこの縦方向と略直交する片側方向に延びる態様で形成された横方向胴部,
1pは当該縦方向胴部および当該横方向胴部の下端側に形成され、載置台などへの接触部分として作用する底面,
2は容器本体1の首部1aの外周面と螺子結合しているカバーキャップ,
3は当該カバーキャップに対して上下動可能なノズル部材(操作部),
3aは内容物噴射用の出力孔部,
3bはそこに利用者が指をあててから押下げることにより内容物を当該出力孔部から噴射させるための操作用の環状鍔部,
4は上流側の吸い込み弁と下流側の吐き出し弁とを備えた周知のポンプ機構,
4aはノズル部材3の下端側部分に嵌合している筒状のピストン(ステム)
4bはカバーキャップ2の内側に(その最奥部分と嵌合した状態で)設けられたシリンダ(ハウジング),
4cは当該シリンダの内部に配設されてピストン4aを上方向に付勢するコイルスプリング,
4dは上流側の吸い込み弁,
4eは下流側の吐き出し弁,
4fはシリンダ4bの下端部分の取り付けられたチューブ
をそれぞれ示している。
【0020】
ここで、天井面1f(図1,2),下面1j(図3,4),孔部1k(図5,6)および底面1p(図7,8)はそれぞれ、利用者が環状鍔部3bを操作する際の容器本体保持用の指係合部として作用する。
【0021】
また、図示省略としたが、図3,図5および図7のポンプ式製品の場合も図1で示したポンプ機構4を備えている。
【0022】
もっとも図5および図7のポンプ式製品におけるチューブ4fの曲がり態様は、図1のそれとは異なり、それぞれの胴部の形状にならうことになる。
【0023】
また、容器本体1,1’,1’’,1’’’,カバーキャップ2,ノズル部材3,ポンプ機構4などはポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。なお、コイルスプリング4cや吸い込み弁4dは金属製のものを用いることが多い。
【0024】
図1,図3,図5および図7のいわゆる静止モードでは、ピストン4aおよびこれと一体のノズル部材(操作部)3はコイルスプリング4cの付勢作用により上動した位置にあり、吸い込み弁4dと吐き出し弁4eはともに閉じて、これらの弁の間のシリンダ空間域には容器本体1,1’,1’’,1’’’それぞれの内容物が入り込んでいる。
【0025】
このシリンダ空間域に容器本体1,1’,1’’,1’’’の内容物が入り込んでいるのは、前回の放出操作の終了段階(=利用者が操作部3の押下げ操作を止めてそこから指を離した段階)で当該ノズル部材がコイルスプリング4cの付勢力によって上方向に移動し、これにともない当該シリンダ空間域の容積が増大してそこの圧力が容器本体内部(チューブ4fの内部)よりも低下し、吸い込み弁4dが開くからである。
【0026】
そして、利用者が図1のポンプ式製品を定量噴霧の点鼻用,洗鼻用、水虫対処用などとして使う場合には、例えば図2で示すように、
(11)親指を切り欠き状部分1eに入れ、薬指で当該切り欠き状部分とは反対側の外周面部分を持ち、人差し指と中指とを環状鍔部3bの対向部分に置き、
(12)ノズル部材3の出力孔部3aを鼻孔に向けた状態に設定し、
(13)人差し指と中指とで環状鍔部3bを押下げる、
ようにすればよい。
【0027】
この環状鍔部3bの押下げ操作を行うとき、利用者の親指が切り欠き状部分1eの天井面1fに当接してこれを受けるので、大径部分からなる容器本体胴部1bは利用者によって確実に保持される。そのため内容物の噴射操作が確実,安定なものとなる。
【0028】
また、利用者が図3のポンプ式製品を定量噴霧点鼻用などとして使う場合にも、例えば図4で示すように、
(21)親指を容器本体1’の凸状部1hの下面1jにあてて、人差し指と中指とを環状鍔部3bの対向部分に置き、
(22)ノズル部材3の出力孔部3aを鼻孔に向けた状態に設定し、
(23)人差し指と中指とで環状鍔部3bを押下げる、
ようにすればよい。
【0029】
この環状鍔部3bの押下げ操作を行うときも、図2の場合と同じように利用者の親指が凸状部1hの下面1jに当接するので、内容物の噴射操作が確実,安定なものとなる。
【0030】
また、利用者が図5のポンプ式製品を定量噴霧点鼻用などとして使う場合にも、例えば図6で示すように、
(31)親指を容器本体1’’の孔部1kに入れて(当該孔部の天井面にあてて)、人差し指と中指とを環状鍔部3bの対向部分に置き、
(32)ノズル部材3の出力孔部3aを鼻孔に向けた状態に設定し、
(33)人差し指と中指とで環状鍔部3bを押下げる、
ようにすればよい。
【0031】
この環状鍔部3bの押下げ操作を行うときも、図2の場合と同じように利用者の親指が孔部1k(の天井面)に当接するので、内容物の噴射操作が確実,安定なものとなる。
【0032】
また、利用者が図7のポンプ式製品を定量噴霧点鼻用などとして使う場合にも、例えば図8で示すように、
(41)親指を容器本体1’’’(胴部)の底面1pにあてて、人差し指と中指とを環状鍔部3bの対向部分に置き、
(42)ノズル部材3の出力孔部3aを鼻孔に向けた状態に設定し、
(43)人差し指と中指とで環状鍔部3bを押下げる、
ようにすればよい。
【0033】
この環状鍔部3bの押下げ操作を行うときも、図2の場合と同じように利用者の親指が横方向胴部1nなどの底面1pに当接するので、内容物の噴射操作が確実,安定なものとなる。
【0034】
以上の押下げ操作にともない図1,図3,図5および図7の周知のポンプ機構はいずれも、
(31)ピストン4aがコイルスプリング4cの弾性付勢力に抗する形で下方向に移動し、
(32)この移動により吸い込み弁4dと吐き出し弁4eとの間のシリンダ空間域の容積が減少して、当該空間域の圧力が外部空間および容器本体内部のそれぞれよりも高まり、
(33)この圧力増加により吐き出し弁4eが開き(吸い込み弁4dは閉じたまま)、それまで当該シリンダ空間域に入っていた内容物はピストン4aの内部空間を通って出力孔部3aから鼻孔側へ噴射される、
といった内容物噴射動作を行うことになる。
【0035】
そして利用者が人差し指と中指を環状鍔部3bから離すと、ピストン4aおよびこれと一体のノズル部材(操作部)3はコイルスプリング4cの弾性付勢力により上方に移動し図1,図3,図5,図7の各静止モードに復帰する。
【0036】
このピストン4aが上方に移動するとき、上述したように、吸い込み弁4dと吐き出し弁4eとの間のシリンダ空間域の容積が増加してそこの圧力が低下するので当該吸い込み弁が開く。その結果、容器本体1,1’,1’’の内容物がチューブ4fを介して当該シリンダ空間域に入り込み、そこでの圧力および吸い込み弁4dの自重などが容器本体の内部圧力より大きくなった段階で当該吸い込み弁は閉じる。このシリンダ空間域に入り込んだ内容物が次回の噴射対象となる。
【0037】
本発明が、図1〜図8で示した内容物放出用容器やポンプ式製品などに限定されないことは勿論である。
【0038】
例えば、
(41)カバーキャップ2およびポンプ機構の代わりにマウンティングキャップおよび各種のバルブ機構を用いたエアゾール式製品とする、
(42)内容物放出方向が横方向や斜方向となるような内容物放出機構を用いる、
(43)上面押圧タイプ(上面押下げタイプ)やチルトタイプ(傾動タイプ)の操作部を用いる、
(44)指係合用の切り欠き状部分1e,凸状部1h,孔部1kや底面1pの形状・向きを利用者の指と係合できる範囲内で任意のものとし、また、切り欠き状部分1eや凸状部1hを複数設けたり、環状のものにしたりする、
(45)容器本体の底面1cを平坦面として、この平坦面全体が載置台などへの接触部分となる、
(46)縦方向胴部1mおよび横方向胴部1nの底面1pを窪み状として、当該底面の縁部分がもっぱら載置台などへの接触部分となる、
(47)縦方向胴部1mの底面と横方向胴部1nの底面の高さを違えて、すなわち双方の当該底面を階段状に設定して、縦方向胴部1mまたは横方向胴部1nの一方の底面(高い方の底面)のみが指係合部として積極的に用いられる、
(48)縦方向胴部1m,横方向胴部1nの底部分(の外面)を、図示のフラット面状のものに代えて曲面状のものにする、
ようにしてもよい。
【0039】
なお、操作用の環状鍔部3bと、指係合用の天井面1f,下面1h,孔部1k(の天井面)や底面1pとの間の高さ方向(=図1などの縦方向)の距離Hは、利用者の手のサイズに合致する範囲に設定される。
【0040】
本発明が適用される製品としては、点鼻剤,洗鼻剤,水虫用剤,洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0041】
容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分などである。
【0042】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0043】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0044】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0045】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0046】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼインなどを用いる。
【0047】
各用途に応じた有効成分としては、
・点鼻剤(佐藤製薬)の塩酸ナファゾリン,マイレン酸クロルフェニラミン,塩化ベンザルコニウムなど
・洗鼻剤(ロート製薬)の精製水,塩化ナトリウム,ポリソルベート80,塩化ベンザルコニウムなど
・水虫用剤(武田薬品)の硝酸オキシコナゾール,クロタミトン,リドカイン,L−メントール,塩化ベンザルコニウムなど
・消炎鎮痛剤のサリチル酸メチル,インドメタシンなど
・除菌剤の安息香酸ナトリウム,クレゾールなど
・害虫忌避剤のヒレスロイド,ジエチルトルアミドなど
・制汗剤の酸化亜鉛など
・清涼剤のカンフル,メントールなど
・抗喘息薬のエフェドリン,アドレナリンなど
・甘味料のスクラロース,アスパルテームなど
・接着剤や塗料のエポキシ樹脂,ウレタンなど
・染料のパラフェニレンジアミン,アミノフェノールなど
・消火剤の染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなど
を用いる。
【0048】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0049】
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】容器本体の胴部に指係合用の切り欠き状部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示す説明図である。
【図2】図1のポンプ式製品の操作状態を示す説明図である。
【図3】容器本体の胴部に指係合用の凸状部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示す説明図である。
【図4】図3のポンプ式製品の操作状態を示す説明図である。
【図5】容器本体の胴部に指係合用の孔部(指係合部)を形成したタイプのポンプ式製品を示す説明図である。
【図6】図5のポンプ式製品の操作状態を示す説明図である。
【図7】容器本体の胴部(=縦方向胴部+横方向胴部)の底面を指係合部として用いるタイプのポンプ式製品を示す説明図である。
【図8】図7のポンプ式製品の操作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1:ポンプ式製品の容器本体(図1,図2)
1’:ポンプ式製品の容器本体(図3,図4)
1’’:ポンプ式製品の容器本体(図5,図6)
1’’’:ポンプ式製品の容器本体(図7,図8)
1a:容器本体それぞれの(開口)首部
1b:容器本体それぞれの胴部(図1〜図6)
1c:胴部それぞれの窪み状の底面
1d:底面の環状縁部分(=載置台などへの接触部分)
1e:指係合用の切り欠き状部分(図1,図2)
1f:切り欠き状部分の略水平な天井面
1g:切り欠き状部分のテーパ状面
1h:指係合用の凸状部(図3,図4)
1j:凸状部の下面
1k:指係合用の孔部(図5,図6)
1m:縦方向胴部(図7,図8)
1n:横方向胴部(図7,図8)
1p:縦方向胴部および横方向胴部の底面
2:容器本体首部の外周面と螺子結合しているカバーキャップ
3:上下動可能なノズル部材(操作部)
3a:内容物噴射用の出力孔部
3b:操作用の環状鍔部
4:ポンプ機構
4a:筒状のピストン(ステム)
4b:シリンダ(ハウジング)
4c:コイルスプリング
4d:上流側の吸い込み弁
4e:下流側の吐き出し弁
4f:チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上方に設けられる操作部の作動により当該容器本体の内容物が外部空間に放出される内容物放出用容器において、
前記容器本体は、その胴部に、前記操作部の放出操作時に利用者の指で係合保持される面部分を持つ指係合部が形成されている、
ことを特徴と内容物放出用容器。
【請求項2】
前記指係合部は、前記胴部の外周面からその内側に続く天井形態の前記面部分と、当該面部分の内側端部から当該外周面へ戻る形の下面部分とを備えた切り欠き状部である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出用容器。
【請求項3】
前記指係合部は、前記胴部の外周面からその外側に続く前記面部分を少なくとも備えた凸状部である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出用容器。
【請求項4】
前記指係合部は、前記胴部を貫通する形の孔部である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出用容器。
【請求項5】
前記胴部は、前記容器本体の縦方向に延びる縦方向部分と、当該縦方向部分から横方向に延びる横方向部分とからなり、
前記指係合部の前記面部分は、前記縦方向部分の外側底面または前記横方向部分の外側底面である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出用容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の内容物放出用容器を備え、かつ、その中に内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の内容物放出用容器を備え、かつ、その中に噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−62974(P2008−62974A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243217(P2006−243217)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】