説明

内容証明郵便の内容証明システム

【課題】 内容証明郵便が偽造された場合でも、不正があったことを検証することができる内容証明郵便の内容証明システムを提供する。
【解決手段】 二次元コードシールは、識別ID情報とURL情報と郵便局の署名情報とが二次元コード情報として記録され、二次元コードリーダライタは、二次元コードシールから識別ID情報を読み取る手段を有し、端末装置は、郵便局保管用郵便物の記載内容情報を入力する入力手段と、二次元コードリーダライタで読み取った識別ID情報と、記載内容情報と、郵便局の署名情報とを、サーバに送信する手段とを有し、サーバは、端末装置から受信した識別ID情報と記載内容情報と郵便局の署名情報とを関係付けてデータベースに登録する手段と、識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、データベースの登録情報に基づき真贋判定を行う手段と、判定結果情報をインターネットを介して返信する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、郵便局で受け付ける内容証明郵便について、その郵便物の内容が不正に改ざんされたり、内容証明郵便でないのに内容証明郵便と偽って騙そうとした場合でも、受取人が、受け取った内容証明郵便について正規な内容証明郵便であるのか否かを検証することができる内容証明郵便の内容証明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便局で内容証明郵便を受け付ける場合には、郵便物に記載された内容と、差出人の住所や氏名と、受取人の住所や氏名とが記載された3枚の内容証明書を準備して提出する。
これら3枚の内容証明書は、差出人控え用、受取人郵送用、郵便局保管用、に分類される。
そして、郵送された内容証明郵便の郵便物の内容を証明する際には、郵便局保管用の郵便物の内容に基づいて、内容証明郵便の真贋判定や改ざんの検証を行なうことになる。
【0003】
また、既に真贋判定や改ざんの検証を行う技術としては、事実証明に対応する情報を二次元コード化して、その二次元コードを印刷物に印刷することで、印刷物に記載された内容と、二次元コードの情報とを比較することで、真贋判定や改ざんの検証を行う技術が公知となっている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2004−188895号公報
【0005】
しかしながら、郵便局で内容証明郵便の受付を行う際に、差出人を待たせた状態で、その郵便物の内容を端末装置で入力し、事実証明に対応する情報を二次元コード化して、その二次元コードを印刷物に印刷しなければならず、特に郵便局が忙しい時間帯などには、郵便物内容の入力処理に時間がかかりすぎて、その場で対応する余裕がないのが現実であるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、郵便局で内容証明郵便の受付を行う際に、差出人を待たせることなく短時間で差出人控え用郵便物を返却する処理を行うことができ、その郵便物の内容が不正に改ざんされたり、内容証明郵便でないのに内容証明郵便と偽って騙そうとした場合でも、受取人が、受け取った内容証明郵便について正規な内容証明郵便であるのか否かを検証することができる内容証明郵便の内容証明システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内容証明郵便の内容証明システムは、郵便局に内容証明郵便物の郵送依頼を行う際に、差出人が郵便局に提出する差出人控え用郵便物と、受取人用郵便物と、郵便局保管用郵便物と、に貼付する二次元コードシールと、通信可能に接続された、二次元コードリーダライタを有する端末装置と、郵便局のサーバと、からなる内容証明システムであって、前記二次元コードシールは、識別ID情報と、内容証明郵便物の内容の検証処理を行う際に利用するURL情報と、郵便局の署名情報と、が二次元コード情報として記録され、前記二次元コードリーダライタは、前記郵便局保管用郵便物に貼付された二次元コードシールから前記識別ID情報を読み取る手段を有し、前記端末装置は、前記郵便局保管用郵便物の記載内容情報を入力する入力手段と、前記二次元コードリーダライタで読み取った識別ID情報と、前記入力手段から入力された記載内容情報と、郵便局の署名情報とを、前記サーバに送信する手段とを有し、前記サーバは、前記端末装置から受信した識別ID情報と記載内容情報と郵便局の署名情報とを関係付けてデータベースに登録する手段と、インターネットを介して、識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、前記データベースに登録されている情報に基づいて、真贋判定を行う手段と、真贋判定の結果情報を、インターネットを介して返信する手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の内容証明郵便の内容証明システムは、前記サーバは、インターネットを介して識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、前記データベースに登録されている情報に基づいて、受信した識別ID情報と関係付けられて登録されている記載内容情報を、インターネットを介して返信する手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
したがって、本発明の内容証明郵便の内容証明システムは、郵便局で内容証明郵便の受付を行う際に、郵便局で差出人控え用郵便物と、受取人用郵便物と、郵便局保管用郵便物とに二次元コードシールを貼り、差出人控え用郵便物を差出人に返却するだけで、差出人控え用郵便物の返却をする処理を短時間で行うことができ、また、その郵便物の内容を確認する場合でも、インターネットを介してデータベースに登録された情報にもとづいて検証することができるので、郵便物の内容が不正に改ざんされたり、内容証明郵便でないのに内容証明郵便と偽って騙そうとした場合でも、受取人が、受け取った内容証明郵便について正規な内容証明郵便であるのか否かを検証することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムを、図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムの構成概要が示されている。
郵便局に内容証明郵便物の郵送依頼を行う差出人1は、予め内容証明郵便物として、差出人が郵便局に提出する差出人控え用郵便物2aと、受取人用郵便物2bと、郵便局保管用郵便物2cとを用意して、それら3つの郵便物を郵便局3の受付窓口に提出する。
【0011】
郵便局3には、差出人控え用郵便物2aと、受取人用郵便物2bと、郵便局保管用郵便物2cと、に貼付するための二次元バーコードシール4が、予め複数枚用意され保存されている。
更に、郵便局3には、通信可能に接続された、二次元コードリーダライタ5を有する端末装置6と、郵便局のサーバ7とが備えられている。
そして、保管されている二次元コードシール4には、識別ID情報と、内容証明郵便物の内容の検証処理を行う際に利用するURL情報と、郵便局の署名情報と、が二次元コード情報として記録されている。
尚、二次元コードシール4に記録される識別ID情報と、URL情報と、郵便局の署名情報とは、郵便局3の受付窓口において、差出人1から内容証明郵便を受け付けた後に、二次元コードリーダライタ5で書き込んで記録させてもよい。
【0012】
二次元コードシール4に記録される識別ID情報は、二次元コードシール4毎に異なる固有のID情報であり、また、URL情報は、通信回線を介して内容証明郵便物の内容の検証処理を行う際に利用するサイトを特定可能な情報であって、URL情報を携帯電話の読取手段で読み取ることで、簡単にアクセスできるように記録されている。
また、郵便局の署名情報は、二次元コードシール4に記録されている情報が改ざんされることを防止するために記録されている。
これらの二次元バーコードシール4は、裏面側に粘着剤が塗布されており、差出人1から郵便局3に内容証明郵便の申込みを受け付けた場合に、差出人控え用郵便物2aと、受取人用郵便物2bと、郵便局保管用郵便物2cと、に貼付できるように構成されている。
【0013】
二次元コードリーダライタ5は、内容証明郵便物に貼付される二次元コードシール4に記録されている識別ID情報とURL情報と郵便局の署名情報とを読み取る手段を有しており、読み取られた識別ID情報と郵便局の署名情報は端末装置6に送信される。
また、端末装置6は、郵便局保管用郵便物の記載内容情報を入力するキーボードなどからなる入力手段8と、二次元コードリーダライタ5で読み取った識別ID情報及び郵便局の署名情報と、前記入力手段8から入力された記載内容情報とを、サーバ7に送信する手段とを有している。
【0014】
サーバ7は、端末装置6から受信した識別ID情報と記載内容情報と郵便局の署名情報とを関係付けてデータベース9に登録する手段と、インターネット10を介して、識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、前記データベース9に登録されている情報に基づいて、真贋判定を行う手段と、真贋判定の結果情報を、インターネット10を介して返信する手段とを有している。
【0015】
図2には、データベース9に登録される情報が示されている。
サーバ7が端末装置6から受信した、識別ID情報11と、記載内容情報12と、郵便局の署名情報13とは、データベース9にそれぞれ関係付けられた状態で登録されている。
また、データベース9に登録されている情報は、インターネット10を介して通信可能に接続されている通信端末により情報の検索ができるようにシステム化されている。
【0016】
図1には、通信端末として、二次元コードリーダ機能を有する携帯電話器14が示されている。
携帯電話器14は、携帯電話通信網15を介してインターネット10に接続可能になっていて、例えば、内容証明郵便物として受取人用郵便物2bを受け取った受取人16が、その記載内容が改ざんされていないか確認したい場合には、携帯電話器14の二次元コードリーダ機能を利用して、受取人用郵便物2bに貼付されている二次元コード4から識別ID情報とURL情報と郵便局の署名情報との読み取りを行い、インターネット10を介してURL情報に基づいてアクセスを行った後に、これらの情報をサーバ7に送信することで、データベース9に登録されている情報に基づいて、真贋判定を行うことができるようにシステム化されている。
【0017】
サーバ7は、インターネット10を介して識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、データベース9に登録されている郵便局の署名情報13に基づいて真贋判定を行い、その判定結果情報を携帯電話器14に送信する。
また、サーバ7は、インターネット10を介して識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、データベース9に登録されている識別ID情報に関係付けられている記載内容情報12を抽出して、その記載内容情報12を携帯電話器14に送信することもできる。
これにより、受け取った受取人用郵便物2bが本当に内容証明郵便として郵送された郵便物であるのかの確認をすることができ、更に、内容証明郵便として郵送された記載内容の確認も行うことができるようになっている。
【0018】
次に、本発明の内容証明郵便の内容証明システムにおける処理手順を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すフローチャートの処理手順では、郵便局3に用意されている二次元バーコードシール4に、識別ID情報と、内容証明郵便物の内容の検証処理を行う際に利用するURL情報と、郵便局の署名情報と、が二次元コード情報として予め記録して保存されている場合について説明する。
【0019】
郵便局3は、内容証明郵便物として受付窓口で受け付けた、差出人控え用郵便物2aと、受取人用郵便物2bと、郵便局保管用郵便物2cと、にそれぞれ二次元バーコードシール4を貼付する。(ステップS1)
そして、差出人控え用郵便物2aは、受付窓口で差出人1に返却する。(ステップS2)
また、受取人用郵便物2bは、通常の郵送処理ルートに回して郵送処理する。(ステップS3)
また、郵便局保管用郵便物2cについては、二次元コードリーダライタ5により、二次元コードシール4に記録されている識別ID情報と郵便局の署名情報とを読み取る。(ステップS4)
【0020】
更に、郵便局の職員が、端末装置6のキーボードなどからなる入力手段8を使用して、郵便局保管用郵便物2cに記載されている記載内容情報の入力を行う。(ステップS5)
端末装置6は、二次元コードリーダライタ5で読み取られた識別ID情報と郵便局の署名情報と、入力手段8で入力された記載内容情報とをサーバ7に送信する。(ステップS6)
サーバ7は、受信した識別ID情報と郵便局の署名情報と記載内容情報とを、データベース9に関係付けて登録する。(ステップS7)
以上の処理により、内容証明郵便の内容証明システムに係る登録処理が完了する。
【0021】
次に、内容証明郵便の内容証明システムを利用して、インターネットを介してデータベースに登録された情報にもとづいて、内容証明郵便が偽造されてないか、また、郵便物の内容が不正に改ざんされていないかなどを効率的に検証する場合の処理手順について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0022】
検証処理は、二次元バーコードシール4に基づいて、誰でも必要なときに行うことができるが、図1では、受取人16が検証を行う場合が示されているので、この場合について説明する、
受取人16は、携帯電話器14の二次元コードリーダ機能を利用して、受取人用郵便物2bに貼付されている二次元コード4から識別ID情報とURL情報と郵便局の署名情報との読み取りを行う。(ステップS11)
そして、読み取ったURL情報に基づいてアクセスを行った後に、識別ID情報と郵便局の署名情報をサーバ7に送信する。(ステップS12)
【0023】
サーバ7は、識別ID情報と郵便局の署名情報を受信すると、データベース9に登録されている識別ID情報に関係付けられている記載内容情報12と郵便局の署名情報13を抽出する。(ステップS13)
そして、郵便局の署名情報13に基づく検証処理を行う。(ステップS14)
この検証結果情報と、記載内容情報12とを、サーバ7から携帯電話器14に送信する。(ステップS15)
携帯電話器14は、サーバ7から受信した検証結果情報と、記載内容情報とをディスプレイに表示させる。(ステップS16)
以上の処理により、受取人16は、受け取った受取人用郵便物2bが本当に内容証明郵便として郵送された郵便物であるのか、更に、内容証明郵便として郵送された記載内容の確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムの構成概要である。
【図2】本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムに係り、データベースの登録情報である。
【図3】本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムに係り、データベースに情報の登録を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る内容証明郵便の内容証明システムに係り、データベースに登録された情報から検証処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
1 差出人
2a 差出人控え用郵便物
2b 受取人用郵便物
2c 郵便局保管用郵便物
3 郵便局
4 二次元バーコードシール
5 二次元コードリーダライタ
6 端末装置
7 郵便局のサーバ
8 入力手段
9 データベース
10 インターネット
11 識別ID情報
12 記載内容情報
13 郵便局の署名情報
14 携帯電話器
15 携帯電話通信網
16 受取人


【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便局に内容証明郵便物の郵送依頼を行う際に、差出人が郵便局に提出する差出人控え用郵便物と、受取人用郵便物と、郵便局保管用郵便物と、に貼付する二次元コードシールと、通信可能に接続された、二次元コードリーダライタを有する端末装置と、郵便局のサーバと、からなる内容証明システムであって、前記二次元コードシールは、識別ID情報と、内容証明郵便物の内容の検証処理を行う際に利用するURL情報と、郵便局の署名情報と、が二次元コード情報として記録され、前記二次元コードリーダライタは、前記郵便局保管用郵便物に貼付された二次元コードシールから前記識別ID情報を読み取る手段を有し、前記端末装置は、前記郵便局保管用郵便物の記載内容情報を入力する入力手段と、前記二次元コードリーダライタで読み取った識別ID情報と、前記入力手段から入力された記載内容情報と、郵便局の署名情報とを、前記サーバに送信する手段とを有し、前記サーバは、前記端末装置から受信した識別ID情報と記載内容情報と郵便局の署名情報とを関係付けてデータベースに登録する手段と、インターネットを介して、識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、前記データベースに登録されている情報に基づいて、真贋判定を行う手段と、真贋判定の結果情報を、インターネットを介して返信する手段とを有することを特徴とする内容証明郵便の内容証明システム。
【請求項2】
前記サーバは、インターネットを介して識別ID情報と郵便局の署名情報を受信した場合に、前記データベースに登録されている情報に基づいて、受信した識別ID情報と関係付けられて登録されている記載内容情報を、インターネットを介して返信する手段とを有することを特徴とする請求項1記載の内容証明郵便の内容証明システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−287298(P2008−287298A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128699(P2007−128699)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】