説明

内燃機関用点火コイル

【課題】点火コイルの大きさを変えずにスイッチング素子側の絶縁用樹脂に発生する熱応力を緩和させる構造を備えた内燃機関用点火コイルを提供することにある。
【解決手段】独立点火形の内燃機関用点火コイルであって、サイド鉄心部とセンタ鉄心部とによって磁気回路を構成し、センタ鉄心部は一端がサイド鉄心部に固着され、他端がサイド鉄心部と空隙部を設けて配置されて閉磁路が形成され、センタ鉄心部とサイド鉄心部は接合面を除いて、周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜で覆った構造とし、センタ鉄心部の周りに一次コイル部、二次コイル部を配置してコイルケース内に収容し、コイルケース内に絶縁用樹脂を封入して一体化してなる内燃機関用点火コイルにおいて、スイッチング素子側に配置されるサイド鉄心を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚はサイド鉄心の内周角部(コイル側)よりも外周角部(スイッチング素子側)が大きくなる形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関の点火プラグに火花放電を発生させるために高電圧を供給する内燃機関用点火コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関用点火コイルは、特開2005−19869号公報などで知られるように、センタ鉄心と、そのセンタ鉄心の周囲を包囲して閉磁路を形成するようにサイド鉄心が設けられている。センタ鉄心の外周にはバッテリに接続された一次コイルが巻回されるとともに、その一次コイルの外周には間隔をもってプラグに接続された二次コイルが巻回される。
【0003】
これらはコイルケースに収容され、コイルケース内に絶縁用樹脂を封入して絶縁している。また、上記センタ鉄心の片端には空隙部を設け、サイド鉄心はセンタ鉄心の両サイドに2部分に分割して構成されている。さらに前記空隙部には永久磁石が装着される。
【0004】
また、熱衝撃印加時に絶縁用樹脂にクラックが入らないようにセンタ鉄心とサイド鉄心の周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜などで覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−19869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような内燃機関用点火コイルにおいて、センタ鉄心とサイド鉄心の周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜などを覆うが、鉄心の角部では熱応力が集中するため、応力を吸収するためにある程度の肉厚が必要となる。特にスイッチング素子側ではスイッチング素子とコイル部との境界部の絶縁用樹脂に過大な応力が加わっている。
【0007】
しかし、肉厚を大きくすると点火コイルの大型化となる。特に点火コイルの高さ方向に大きくなってしまうと、エンジンの搭載性にも影響が出てくる。
【0008】
本発明の目的は、点火コイルの大きさを変えずにスイッチング素子側の絶縁用樹脂に発生する熱応力を緩和させる構造を備えた内燃機関用点火コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る内燃機関用点火コイルは、コイルを装着するセンタ鉄心部と、コイルの周囲を囲むサイド鉄心部とから閉磁路が形成され、前記センタ鉄心部と前記サイド鉄心部は前記センタ鉄心部の前記サイド鉄心部との接合面を除いて、周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜で覆った構造とし、点火コイルに流れる一次電流を導通遮断する半導体スイッチング素子が前記センタ鉄心部の長手方向に沿って配置されている点火コイルにおいて、
前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚は前記サイド鉄心部の内周角部よりも外周角部を大きく構成した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、点火コイルのサイズを小型化でき、熱衝撃印加に対する耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る内燃機関点火コイルの一実施例を示す図。
【図2】図1に記載のA−A断面図。
【図3】図2に記載の本発明のB部詳細図。
【図4】従来の形状を示す図。
【図5】従来の形状を示す図。
【図6】コアモールド外周R寸法と絶縁用樹脂の応力の関係を表す図。
【図7】コアモールド肉厚を外周角部と内周角部で段差を設けた形状を示す図。
【図8】一次ボビンに鍔を設けた形状を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1、図2には、本発明に係る内燃機関用点火コイルの一実施例が示されている。図1は内燃機関用点火コイルの構成図、図2は図1に図示の内燃機関用点火コイルのA−A線断面図である。
【0014】
図1において、内燃機関用点火コイル1は、内燃機関の各シリンダのプラグホールに装着されて点火プラグに直結し使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルである。この内燃機関用点火コイル1は、鉄心6を有し、この鉄心6は、磁気回路が構成されている。この鉄心6は、0.2〜0.7mmの珪素鋼板をプレス積層して閉磁路をなす磁路を形成している。
【0015】
このセンタ鉄心部6Aは、図2に示す如く、一次ボビン2に収納されている。この鉄心6の外周側に配設されセンタ鉄心部6Aが収納されている一次ボビン2は、熱可塑性合成樹脂により形成されている。この一次ボビン2の上には、一次コイル3が巻装され、一次ボビン2の上に収納されている。この一次コイル3は、線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層当たり数十回ずつ、数層にわたり合計百ないし三百回程度一次ボビン2に積層巻されて形成されている。
【0016】
また、この一次ボビン2の外周には、空隙をもって、二次ボビン4が配設されている。この二次ボビン4は、一次ボビン2と同様に熱可塑性合成樹脂によって成形されており、この二次ボビン4には複数個の巻溝が形成されている。この二次ボビン4の上には、二次コイル5が巻装され、一次ボビン2の上に収納されている。この二次コイル5は、線径0.03〜0.1mm程度のエナメル線を用いて合計五千ないし三万回程度二次ボビン4に分割巻されて形成されている。このように、一次ボビン2は、二次ボビン4の内側に挿入された状態となっている。また、センタ鉄心部6Aの他端と、サイド鉄心部6Bとの空隙部には、一次コイルの通電によって鉄心6を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石を挿入されていても可とする。この一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5は、コイルケース7に収納されている。
【0017】
また、一次コイル3に供給する電力は、端子8を介して供給され、この端子8には、図示していないが、コネクタが接続されるようになっている。一方、二次コイル5には、高圧端子9が接続されている。この二次コイル5には、一次コイル3の通電によって点火プラグに火花放電を発生させるための高電圧が誘起される。この二次コイル5に誘起された高電圧は、高圧端子9を介して点火プラグに供給され、この二次コイル5に誘起された高電圧の供給を受け、点火プラグは、火花放電を発生させる。
【0018】
そして、この一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5が収容されているコイルケース7には、熱硬化性樹脂で構成される絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10が封入されている。この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10は、コイルケース7の内側と、一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5との隙間に充填され、この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10を硬化させて一次コイル3、二次コイル5との絶縁を行っている。このようにコイルケース7内には、この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10によって一次コイル3、二次コイル5、一次ボビン2、二次ボビン4が絶縁され、固定されて一体化して収容されている。
【0019】
本発明の形状を図3に示す。図3は図2のB部詳細図である。図3に示すように鉄心6の嵌合部を除いて、熱衝撃印加時に絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10に発生する応力を低減させるために鉄心6の周囲をコアモールド12と称する熱可塑性樹脂もしくはエラストマもしくはゴムで覆っている。図2のB部は点火コイルに流れる一次電流をトランジスタなどの半導体を用いたスイッチング素子13とコイル部分の境界部であり、特に絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10に発生する応力は大きくなっている。
【0020】
図4、図5に図2のB部における従来のコアモールド12形状を示す。図4のようにコアモールド12の上面肉厚を均一とし、薄肉(0.2〜0.5mm)としている場合、サイド鉄心6の外周角部を覆うコアモールドのフィレット形状が小さくなってしまうため、絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10のRも小さくなり、熱衝撃印加時に絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10のR部分で応力集中が生じ、クラックが入りやすくなる。
【0021】
また、図5に示すようにコアモールド12のフィレットを大きくするためにサイド鉄心6上面の肉厚を大きくするとさらに上側に配置される一次ボビン2の高さも上がるため、点火コイルのサイズが高さ方向に大きくなり、エンジンの搭載性に影響が出てくる。
【0022】
そこで本発明ではスイッチング素子側に配置されるサイド鉄心上面のコアモールド12の肉厚をサイド鉄心6の外周角部と内周角部で変えており、内周角部の肉厚0.2mm〜0.5mmに対し、外周部の肉厚を1.0mm〜2.0mmとしている。コアモールド12外周部の肉厚は角部のフィレットR寸法を大きく形成できる肉厚としている。図6に本発明の点火コイルにおけるコアモールド12外周角部のフィレットR寸法と絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10の角部に発生する応力の関係を示す。図6より、絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10のR寸法が1mm以上となると熱応力印加時に絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10に発生する応力は低減され、それ以上R寸法を大きくしても応力値はほぼ同じ値となる。これより、コアモールド12のフィレットR寸法は1mm以上が必要である。したがって、コアモールド12外周部の肉厚を1.0mm〜2.0mmとしている。また、スイッチング素子側に配置されるサイド鉄心上面のコアモールド12の肉厚は外周角部と内周角部で段差を設けて肉厚を変更するのでは無く、緩やかなテーパで繋いだ形状としている。図7にサイド鉄心上面のコアモールド12の肉厚は外周角部と内周角部で段差を設けた場合の形状を示す。この場合、コアモールド12の外周角部のR寸法を1mm以上で形成できたとしても、内側のR寸法(図7のC寸法)は点火コイルのサイズを小さくしようとするとスペースが無く、小さいR寸法(0.2mm〜0.5mm)となってしまい、絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10の過大応力が発生し、近郊している一次ボビンと絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10の界面剥離が生じる可能性が高い。したがって、本発明のコアモールド12形状では外周部から内周部にかけてテーパ形状で繋ぎ、内側のR寸法も1mm以上形成できる形状としている。
【0023】
また、一次ボビンもコアモールド12のテーパ形状に合わせ、テーパ形状としている。一次ボビン2をテーパ形状とすることで、コネクタと電気的に接続する端子14の保持形状を損なうことが無いため、一次ボビン高さを上げる事無く形成でき、点火コイルを小型化することが可能となる。コアモールド12と一次ボビンのテーパ部の隙間は0.3mm以下としている。この隙間には絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10が充填されているため、絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10の肉厚が大きくなると熱応力印加時にコイル側へ収縮(膨張)し、外周部のフィレットR部に応力が発生する傾向となってしまうため、肉厚を薄くし収縮(膨張)の影響が少なるようにしている。
【0024】
図8に一次ボビン2形状をスイッチング素子側に鍔2aを設けた場合の形状を示す。鍔2aを設けることにより、仮に絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10のクラックがコアモールド12の角部で発生した場合でも一次ボビン2の鍔形状により、クラックの進展を抑制することができ、また、一次ボビンとコアモールド12のテーパ部付近で絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10の界面剥離が発生した場合においても鍔を設けることで界面距離を長くし、剥離の進展を遅らせることが可能となる。一次ボビン2に備える鍔2aの肉厚寸法tは0.7mm〜2mmとしている。肉厚が薄くなると鍔強度が弱くなり、絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)10で発生したクラックの進展を抑制することができず、鍔2aが破断する可能性があるために肉厚tを0.7mm以上としている。
【0025】
本実施例の特徴は以下の通りである。
【0026】
スイッチング素子側に配置されるサイド鉄心を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚はサイド鉄心の内周角部(コイル側)よりも外周角部(スイッチング素子側)が大きし、内周部から外周部にかけてなだらかなテーパで繋いだ形状とし、上面に配置される一次ボビンの形状も樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面に合わせてテーパ形状とすることによって達成される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は独立点火型の点火コイルで、プラグホールの上部にコイルを乗せる所謂プラグトップ型点火コイルに採用して公的である。鉄心の形状は実施例の形状に限らず、EI型CI型、TC型のいずれにも適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 内燃機関用点火コイル
2 一次ボビン
3 一次コイル
4 二次ボビン
5 二次コイル
6 鉄心
7 コイルケース
8 端子
9 高圧端子
10 絶縁用樹脂
11 永久磁石
12 コアモールド
13 スイッチング素子
14 コネクタと電気的に接続する端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の各シリンダのプラグホールに装着されて点火プラグに直結し使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルであって、サイド鉄心部とセンタ鉄心部とによって磁気回路を構成し、センタ鉄心部は一端がサイド鉄心部に固着され、他端がサイド鉄心部と空隙部を設けて配置されて閉磁路が形成され、センタ鉄心部とサイド鉄心部は接合面を除いて、周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜で覆い、センタ鉄心部が収納された一次ボビンの上に一次コイルを巻装して収納し、一次ボビンと空隙をもって配置される二次ボビンの上に二次コイルを巻装して収納され、一次ボビンと二次ボビンを間隔をもって配置してコイルケース内に収容し、コイルケース内に絶縁用樹脂を封入して一体化してなる内燃機関用点火コイルにおいて、
スイッチング素子側に配置されるサイド鉄心を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚はサイド鉄心のコイル側よりもスイッチング素子側が大きくなるよう構成した点火コイル。
【請求項2】
請求項1に記載した点火コイルにおいて、前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚は前記サイド鉄心部の内周角部(コイル側)を0.2mm〜0.5mmとし、外周角部(スイッチング素子側)1.0mm〜2.0mmとし、前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚は内周部から外周部にかけてなだらかなテーパ形状とすることを特徴とする点火コイル。
【請求項3】
請求項1、2に記載した点火コイルにおいて、前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の前記サイド鉄心部の外周角部(スイッチング素子側)はR1.0mm〜R2.0mmのR形状としたことを特徴とする点火コイル。
【請求項4】
請求項1〜3に記載した点火コイルにおいて、センタコアの外周に配置される一次コイルを巻装する一次ボビンの前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面形状は、前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚は内周部から外周部にかけてなだらかなテーパで繋いだ形状とほぼ平行となるように構成したことを特徴とする点火コイル。
【請求項5】
請求項1〜4に記載した点火コイルにおいて、一次ボビンと前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜との隙間を0.3mm以下としたことを特徴とする点火コイル。
【請求項6】
請求項1〜5に記載した点火コイルにおいて、センタコアの外周に配置される一次コイルを巻装する一次ボビンの前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面形状は、前記スイッチング素子側に鍔形状を設けたことを特徴とする点火コイル。
【請求項7】
請求項1〜5に記載した点火コイルにおいて、センタコアの外周に配置される一次コイルを巻装する一次ボビンの前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面形状は、前記スイッチング素子側に設けた鍔形状の肉厚は0.7mm〜2mmとしたことを特徴とする点火コイル。
【請求項8】
コイルを装着するセンタ鉄心部と、コイルの周囲を囲むサイド鉄心部とから閉磁路が形成され、前記センタ鉄心部と前記サイド鉄心部は前記センタ鉄心部の前記サイド鉄心部との接合面を除いて、周囲を樹脂被膜若しくは弾性体被膜で覆い、
点火コイルに流れる一次電流をトランジスタなどの半導体を用いたスイッチング素子を前記センタ鉄心部の長手方向に配置する点火コイルにおいて、
前記スイッチング素子側に配置される前記サイド鉄心部を覆う樹脂被膜若しくは弾性体被膜の上面肉厚は前記サイド鉄心部の内周角部よりも外周角部が大きくなる形状としたことを特徴とする点火コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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