説明

内蔵キャパシタ及びその製造方法

【課題】本発明は、新たな構造を有するキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるキャパシタは、金属基板、前記金属基板に形成された金属酸化膜、前記金属酸化膜の第1面に形成された第1電極層、及び前記金属酸化膜の第2面に形成された第2電極層を含む。また、本発明によるキャパシタ製造方法は、金属基板の第1面及び第2面にフォトレジストパターンを形成するステップ、前記フォトレジストパターンをマスクにして前記金属基板に対して酸化処理を遂行して前記金属基板に選択的に金属酸化膜を形成するステップ、及び前記金属酸化膜の第1面及び第2面に各々第1電極層及び第2電極層を形成するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年10月30日付で出願された韓国出願番号10−2008−0107370に対し、優先権の利益を主張し、この出願は本明細書に参照として併合される。
本発明は、内蔵キャパシタ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、内蔵キャパシタ(Embedded Capacitor)を製造するための多様な研究がなされている。
【0003】
例えば、内蔵キャパシタの絶縁体としてチタン酸バリウム(barium titanic oxide)をプリント回路基板(Printed Circuit Board)に適用することが試みられているが、チタン酸バリウムは900℃以上の高温で成形されるため、高温に耐えれないエポキシ樹脂を基盤とするプリント回路基板に適用が不可能であり、歩留まりや費用が多くなる問題がある。
【0004】
したがって、プリント回路基板に適用できるように低温成形または塑性を必要としない内蔵キャパシタに対する研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新たな構造を有するキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、新たな構造を有する内蔵キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、高温塑性無しで製造できるキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、放熱効果に優れる内蔵キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるキャパシタは、金属基板、前記金属基板に形成された金属酸化膜、前記金属酸化膜の第1面に形成された第1電極層、及び前記金属酸化膜の第2面に形成された第2電極層を含む。
【0010】
本発明による内蔵キャパシタは、多層回路基板の内に配置された金属基板、前記金属基板に形成された金属酸化膜、前記金属酸化膜の第1面に形成された第1電極層、前記金属酸化膜の第2面に形成された第2電極層、前記金属基板の第1面及び第2面に形成されて前記第1電極層及び第2電極層を囲む絶縁層、及び前記絶縁層を貫通して前記第1電極層及び第2電極層と各々電気的に連結されるビア及び前記ビアと電気的に連結された回路パターンを含む。
【0011】
本発明によるキャパシタ製造方法は、金属基板の第1面及び第2面にフォトレジストパターンを形成するステップ、前記フォトレジストパターンをマスクにして前記金属基板に対して酸化処理を遂行して前記金属基板に選択的に金属酸化膜を形成するステップ、及び前記金属酸化膜の第1面及び第2面に各々第1電極層及び第2電極層を形成するステップを含む。
【0012】
本発明による内蔵キャパシタ製造方法は、金属基板の第1面及び第2面にフォトレジストパターンを形成するステップ、前記フォトレジストパターンをマスクにして前記金属基板に対して酸化処理を遂行して前記金属基板に選択的に金属酸化膜を形成するステップ、前記金属酸化膜の第1面及び第2面に各々第1電極層及び第2電極層を形成するステップ、前記第1電極層及び第2電極層を囲むように前記金属基板の第1面及び第2面に絶縁層を形成するステップ、及び前記絶縁層を貫通して前記第1電極層及び第2電極層と各々電気的に連結されるビア及び前記ビアと電気的に連結された回路パターンを形成するステップを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、新たな構造を有するキャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
【0014】
本発明によれば、新たな構造を有する内蔵キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
【0015】
本発明によれば、高温塑性無しで製造できるキャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
【0016】
本発明によれば、放熱効果に優れる内蔵キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の層を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0019】
図面において、各層の厚さやサイズは説明の便宜及び明確性のために誇張し、省略し、あるいは概略化して図示された。また、各構成要素のサイズは実際のサイズを全的に反映するのではない。
【0020】
以下、添付した図面を参照して実施形態による内蔵キャパシタ及びその製造方法について詳細に説明する。
【0021】
図1乃至図6は、本発明の実施形態による内蔵キャパシタ製造方法を説明する図である。
【0022】
図1を参照すると、金属基板10が用意される。金属基板10は、0.3〜100μmの厚さを有し、アルミニウム、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金、チタン、チタンを主成分とするチタン合金のうち、いずれか1つで形成される。例えば、金属基板10はアルミニウムとすることができる。
【0023】
そして、金属基板10の上面及び下面にフォトレジストパターン11を形成する。フォトレジストパターン11は、上記基板の上面及び下面に互いに対応する位置に形成される。
【0024】
図2を参照すると、フォトレジストパターン11が形成された金属基板10に対し酸化処理を遂行する。
【0025】
金属基板10に対し酸化処理を遂行することによって、フォトレジストパターン11が形成されない部分には金属酸化膜20が形成される。金属酸化膜20はキャパシタの誘電体として機能をする。金属酸化膜20は、アルミニウム酸化膜、アルミニウム合金酸化膜、チタン酸化膜、チタン合金酸化膜、マグネシウム酸化膜、及びマグネシウム合金酸化膜とすることができる。
【0026】
例えば、金属基板10はアルミニウムで形成され、金属基板10に陽極酸化処理(anodizing)を遂行することで、金属酸化膜20としてアルミニウム酸化膜(Al23)を形成することができる。
【0027】
図3を参照すると、金属基板10に対し酸化処理を遂行して選択的に金属酸化膜20を形成した後、フォトレジストパターン11を除去する。
【0028】
図4を参照すると、金属酸化膜20が形成された金属基板10の上面及び下面に導電層30を形成する。導電層30はスパッタリングまたは蒸着により形成され、例えば、導電層30は銅(Cu)材質で形成されることもできる。
【0029】
図5を参照すると、導電層30をパターン形成して金属酸化膜20の上に第1電極層31及び第2電極層32が形成されるようにする。
【0030】
したがって、第1電極層31、金属酸化膜20、及び第2電極層32で形成されるキャパシタが製作される。
【0031】
実施形態では、7μmの厚さのアルミニウム基板に陽極酸化処理を遂行した。陽極酸化処理は電極とアルミニウム基板の距離を15cm、電圧を50V、温度を18℃にして30分間遂行した。その結果、アルミニウム酸化膜、第1銅電極層、及び第2銅電極層により形成されたキャパシタは100pF/mmの静電容量を有し、2MΩの面抵抗(Rs)を有する。
【0032】
一方、金属基板10を酸化処理して誘電層として金属酸化膜20を形成し、金属酸化膜20の上面及び下面に第1電極層31と第2電極層32を形成することによって製作されたキャパシタは多層プリント回路基板に内蔵(embedded)される。
【0033】
図6を参照すると、金属基板10の上面及び下面に絶縁層40を形成する。絶縁層40は樹脂材質で形成され、例えばエポキシ樹脂が使用される。
【0034】
そして、絶縁層40を貫通して第1電極層31及び第2電極層32と電気的に連結されるビア51を形成し、ビア51と電気的に連結されるように絶縁層40の上下に回路パターン52を形成する。
【0035】
また、絶縁層40及び回路パターン52の上下に追加的に絶縁層、ビア、及び回路パターンを繰り返して形成することもできる。
【0036】
したがって、上記キャパシタは、絶縁層、ビア、及び回路パターンを含む多層プリント回路基板に内蔵される。上記キャパシタは多層プリント回路基板の中間層に配置されたり、上側または下側に偏った層に配置されることもできる。
【0037】
実施形態によるキャパシタにおいて、金属基板10は熱伝導性に優れるので、多層プリント回路基板の内部に位置する場合、プリント回路基板の内部で発生した熱を速かに外部に排出することができる長所を有する。
【0038】
また、実施形態によるキャパシタにおいて、誘電体を陽極酸化処理により形成するので、高温の塑性工程が要求されず、樹脂材質を基盤とするプリント回路基板に効果的に内蔵できる長所を有する。
【0039】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるのではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0040】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、キャパシタ及び内蔵キャパシタに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板と、
前記金属基板に形成された金属酸化膜と、
前記金属酸化膜の第1面に形成された第1電極層と、
前記金属酸化膜の第2面に形成された第2電極層と、
を含むことを特徴とする、キャパシタ。
【請求項2】
前記金属基板は、0.3〜100μmの厚さで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記金属酸化膜は前記金属基板に部分的に形成され、前記金属酸化膜は前記金属基板の第1面及び第2面に露出されることを特徴とする、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金、チタン、チタンを主成分とするチタン合金、マグネシウム、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金のうち、いずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項5】
多層回路基板の内に配置された金属基板と、
前記金属基板に形成された金属酸化膜と、
前記金属酸化膜の第1面に形成された第1電極層と、
前記金属酸化膜の第2面に形成された第2電極層と、
前記金属基板の第1面及び第2面に形成されて前記第1電極層及び第2電極層を囲む絶縁層と、
前記絶縁層を貫通して前記第1電極層及び第2電極層と各々電気的に連結されるビア及び前記ビアと電気的に連結された回路パターンと、
を含むことを特徴とする、内蔵キャパシタ。
【請求項6】
前記絶縁層はエポキシ樹脂で形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の内蔵キャパシタ。
【請求項7】
前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金、チタン、チタンを主成分とするチタン合金、マグネシウム、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金のうち、いずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項5に記載の内蔵キャパシタ。
【請求項8】
金属基板の第1面及び第2面にフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンをマスクにして前記金属基板に対して酸化処理を遂行して前記金属基板に選択的に金属酸化膜を形成するステップと、
前記金属酸化膜の第1面及び第2面に各々第1電極層及び第2電極層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする、キャパシタ製造方法。
【請求項9】
前記金属基板は0.3〜100μmの厚さで形成されることを特徴とする、請求項8に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項10】
前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金、チタン、チタンを主成分とするチタン合金、マグネシウム、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金のうち、いずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項8に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項11】
金属基板の第1面及び第2面にフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンをマスクにして前記金属基板に対して酸化処理を遂行して前記金属基板に選択的に金属酸化膜を形成するステップと、
前記金属酸化膜の第1面及び第2面に各々第1電極層及び第2電極層を形成するステップと、
前記第1電極層及び第2電極層を囲むように前記金属基板の第1面及び第2面に絶縁層を形成するステップと、
前記絶縁層を貫通して前記第1電極層及び第2電極層と各々電気的に連結されるビア及び前記ビアと電気的に連結された回路パターンを形成するステップと、
を含むことを特徴とする、内蔵キャパシタ製造方法。
【請求項12】
前記絶縁層はエポキシ樹脂で形成されたことを特徴とする、請求項11に記載の内蔵キャパシタ製造方法。
【請求項13】
前記金属基板は、アルミニウム、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金、チタン、チタンを主成分とするチタン合金、マグネシウム、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金のうち、いずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項11に記載の内蔵キャパシタ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−505556(P2012−505556A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532029(P2011−532029)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006341
【国際公開番号】WO2010/050773
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】