説明

内蔵フィルタ機能を備えた微細構造高圧ノズル

【課題】医療用流体を噴霧するための高圧アトマイザ用内蔵フィルタ機能を備えた微細構造の高圧ノズルを提供すること。
【解決手段】本発明は、板状本体の微細構造化により生成される複数のチャンネルを含む微細構造ノズルに関する。このノズルのチャンネルは、互いに隣接する列に配列されて基板から突出した突起の間に配置される。この微細構造基板は、蓋板で覆われている。チャンネルは、形状、断面積、及び長さに従って狭い境界内に形成される。このノズルは、一次構造体としてフィルタを収容し、二次構造体は、フィルタから下流に配列される。ノズルは、例えば吸入器と共に用いられ、薬物を含有する液体からエーロゾルを生成することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用流体を噴霧するための高圧アトマイザ用内蔵フィルタ機能を備えた微細構造の高圧ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入療法は、喘息又はCOPDのような呼吸器疾患を治療するのに益々重要になってきている。
クロロフルオロカーボン作動式の高圧ガス製剤が禁止されたために、肺に吸入するためのエーロゾルを生成するのに同様に有効か又はそれよりも優れる手法の開発が益々成功を収めている。
【0003】
国際特許出願WO91/14468及びWO97/12687は、肺に吸収されるように誂えられた液滴分布の耐用性良好な水性基材による高圧ガスなしのエーロゾルを供給するだけでなく、公知の高圧ガス推進吸入器の大きさと同等の便利な大きさであることを特徴とする吸入器を製造する新しい手法を提供している。
【0004】
「Respimat(登録商標)」としても公知のこの噴霧器は、液体医薬品溶液を好ましくは20マイクロリットル未満の量に単一作動で噴霧して平均粒径10ミクロン未満のエーロゾルにすることができる。その結果、治療的に有効な用量の薬物を少量で患者に投与することができる。
【0005】
この噴霧器では、医薬品溶液は、最初にリザーバから一体化バルブ本体を備えたカニューレを通して圧力チャンバ内にポンプで送られ、そこから500バールまでの高圧を用いてノズルを通して肺に供給するためのエーロゾルに変換され、スプレーされる。この圧力は、各作動の前に患者が僅かな力を加えることによって再びテンションがかけられた、つる巻きバネにより発生する。テンションをかける作用と同時に、圧力チャンバは、医薬品溶液で満たされる。この機構の詳細は、WO97/12687の図6a及び図6bに示されている。
【0006】
このアトマイザは、本質的に、以下のものから構成される。
−上部ハウジング部、
−上部ハウジング部内のノズル、
−上部ハウジング部に連結され、下部ハウジング部が配置されたバネハウジング、
−バネハウジングにより形成された内側空間に挿入することができる貯蔵容器、及び
−一体化バルブ本体を有し、貯蔵容器からノズルに向けて延びる中空プランジャ。
【0007】
上部ハウジング部には、ポンプハウジングもあり、その一端にノズル又はノズル配列を備えたノズル本体が配置されている。中空プランジャもポンプハウジングの中に開口している。これとノズルの間に圧力チャンバが存在する。
【0008】
バネハウジングは、回転可能に上部ハウジング部に連結され、バネは、上部ハウジング部内のテンション固定機構を通じた回転運動により最終的にテンションが与えられる。
バネにテンションを与えることにより、バネハウジングの上部部分に配置され、そこから中空プランジャが吊り下げられている動力取出フランジが移動する。
【0009】
バルブ本体を備えた中空ピストンは、WO97/12687に開示されている装置に対応するものである。
使用されるノズルは、好ましくは、マイクロエンジニアリングにより生成されたノズル又はノズル本体である。この種の微細構造ノズル本体は、例えば、WO94/07607又はWO99/16530に開示されている。WO99/16530のノズルは、本発明の出発点である。従って、WO99/16530の明細書全体、特にEP1017469B1で請求された実施形態をその全ての特徴と共に参照する。
【0010】
ノズル本体は、互いに確実に固定された好ましくはガラス及び/又はシリコンの2つのシートから成り、その少なくとも一方は、ノズル入口端をノズル出口端に連結する1以上の微細構造チャンネルを有する。ノズル開口部を備えたノズル出口端は、ノズル入口端から反対側にあることが好ましい。
ノズル入口端は、流体入口又は複数の流体入口を有する。1つ又は複数の入口は、1つ又は複数の前置フィルタとして構成することができる。代替的に、前置フィルタは、流れの方向の入口/複数の入口の下流に別々に連結することができる。
【0011】
前置フィルタを通過した後、流体は、複数の突起により形成された主フィルタを通って流れる。
流れの方向で見て、主フィルタの背部には、既に濾過された流体のための濾液収集チャンバがある。
流体収集チャンバから、流体は、好ましくは1または2以上のノズル開口部を備えたノズルの形態に構成された出口に移動する。
【0012】
主フィルタは、列、好ましくはジグザグ形に配列されて好ましくは平坦な基板から突出した複数の突起、及び従って基板の一体部分を含む。基板は、好ましくは平らな蓋板で完全に覆われる。これによって、突起、基板、及び蓋板間に複数のチャンネルが形成される。これらのチャンネルは、フィルタノズルの入口側から出口側までの通路を形成する。突起の周りの区域の基板と突起の列内の蓋板との間隔は、流体が一連のチャンネルに入る突起側のチャンネルの幅と大きさがほぼ等しい。濾過されていない流体は、1または2以上の縦長の入口スロットを通してフィルタに入る。入口スロットは、フィルタの入口側の基板から突出する突起とほぼ同じ高さである。
【0013】
基板は、シリコンから成ることが好ましい。この板は、好ましくは、上方からガラス板で覆われる。
ノズルを生成するために、以下の段階が実行される。
−一群の基板を構成する段階、
−一群の基板を接合して板を互いに覆う段階、及び
−個々のノズル配列を分離する段階。
【0014】
基板は、好ましくは、それ自体公知の方法でエッチング技術により構成される。上述の構造体の高さは、2と40ミクロンの間、通常は3と20ミクロンの間、好ましくは約4と14ミクロンの間、特に5と7ミクロンの間である。基板に用いる材料は、好ましくは単結晶シリコンであり、理由は、それが廉価であり、僅かな表面粗度を有して十分に平坦及び平行な状態(すなわち、ウェーハ)で入手可能であり、次の連結工程中に接着剤又は他の材料を更に付加することなく蓋板に取り付け可能であるからである。複数のノズル配列を平行に生成するために、複数の構造化基板は、シリコンウェーハで作られる。
構成した後に、シリコン板を清浄にする。シリコン板は、次に、陽極結合により蓋板に取り付けられる(1968年8月13日にPomerantz他に付与された米国特許第3,397,278号参照)。
【0015】
適切な蓋板は、例えば、アルカリホウケイ酸ガラス、例えば、「Pyrex」(#7740、Corning製)又は「Tempax」(Schott製)のようなガラスのシートとすることができる。これらは、シリコン及びガラスの陽極結合により取り付けることができる。
結合工程の後に、複合構造体は、高速回転円形ダイヤモンドソーを用いて個々の単位(例えば、正方形)に分割される。
【0016】
この公知のフィルタは、上述の種類の吸入器(Respimat(登録商標))のためのこの種のノズルを経済的に生成する目的を達成するように試みたものである。
驚くべきことに、現在では、ノズルがその全体でより一様なスプレーパターンと、ノズルの内部の微細構造の構成が修正された場合に長期の使用に有利であることとを示すことが見出されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
これらの技術的背景に対して、本発明の目的は、複数のノズルを通して平均的スプレーパターンを改善することである。
更に別の目的は、ノズル内の流れ抵抗の実質的な増大を回避することである。
別の目的は、「Respimat(登録商標)」型の吸入器において本発明によるノズルを用いることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、問題の型のノズルにおいて、フィルタ構造体と異なる第2の型の微細構造が、フィルタ構造体とノズル出口の間の領域、すなわち、濾液収集チャンバに形成されることで達成される。この第2の型の微細構造は、以降では二次構造体と呼び、フィルタ構造体は、一次構造体として分類される。この二次構造体は、一次構造体の流れの方向で後側に置かれる。
【0019】
本発明によれば、濾液収集チャンバに二次構造体を形成するために付加的な内蔵要素が構成される。これらは、基板の底から蓋板まで延びる円筒形隆起であることが好ましい。これらは、断面が円形の円筒であることが好ましい。
高さが濾液収集チャンバの高さに対応する内蔵要素を用いることが有利である。
内蔵要素は、基板から形成することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、内蔵要素は、列A及びB内及び列A及びB間が好ましくは等距離間隔のABAB配列で平行な列に配列される。隣接する列A及びBは、内蔵要素の直径だけ流れの方向に変位されることが好ましい。断面が円形の内蔵要素を用いると、内蔵要素の各々が正六角形の中心を形成し、各角度が隣接する内蔵要素(六角形デザイン)により形成される幾何学形状を生成する。勿論、これは、縁部に位置決めされた内蔵要素には単に部分的か又は全く当て嵌まらない。
【0021】
内蔵要素の寸法は、実質的に流れ抵抗を増大させないように選択される。これは、内蔵要素間に間隔を作り、各間隔が液体が通過するための貫流チャンネルを形成し、それによって実質的に液体に透過性の得られる流れ方向に垂直な断面積が、フィルタ構造体により形成される貫流チャンネルの対応する有効断面積よりも大きくなることにより達成される。従って、ノズル内の液体の流れ特性は、主フィルタの構造により最も強い影響を受ける。
【0022】
内蔵要素の断面は、好ましくは、貫流する流体の流れ抵抗が最小限になるようなものである。これには、丸いか又は長円形の断面が好ましい。
上述の断面の代わりに、三角形、台形、又は矩形とすることもできるが、隅部は、流れの方向に整列させる必要がある。
有利な態様においては、互いに対する内蔵要素の寸法及び間隔は、流体の表面張力を利用することにより、それらが溶液の蒸発性に影響を及ぼすようなものである実施形態が存在する。
【0023】
最も好ましくは、内蔵要素の間隔は、0.005mm〜0.02mmの範囲である。好ましい特徴によれば、内蔵要素自体の直径は、0.005mm〜0.02mmの範囲である。この間隔は、ジグザグ形のフィルタ構造体を形成する構造体の最も小さい間隔よりも大きいことが必要である。
内蔵要素の密度は、好ましくは、200,000〜300,000/平方センチメートル、より好ましくは、250,000/平方センチメートルである。
しかし、凹状又は代替的に凸状の周囲壁を有する内蔵要素を構成することも有利であることが証明されている。
【0024】
有利な態様においては、主フィルタの構造は、ノズル内部の全幅に亘ってジグザグ構成に延びる突起である。この構成におけるスパイクは、入口及び出口の方向に交互に向いている。流れの主方向に直角な仮想中心線は、この構成をほぼ同じ大きさの2つの区域に分割する。
主フィルタの内蔵要素のジグザグ配列のために、流体の方向は、流れの本来の方向から見て実質的に直角に変化する。その後、流体収集チャンバ内で流れの方向は再び変化し、この時は、90°未満の内角で第1の回転方向と反対の方向に戻る。
上述の突起は、ジグザグ形の構成を構築するためにフィルタの全幅に亘って並列に配列することができる。
【0025】
第1の好ましい実施形態では、内蔵要素は、流れ方向にジグザグ構成の背部の出口側に形成される。内蔵要素は、ジグザグ形の構成の仮想中心線からノズル開口部まで延びることができる。
代替的に、第2の実施形態では、内蔵要素は、入口の方向に突出するフィルタシステムのスパイクのまさにその中に形成することができるが、ジグザグ形の構成の前の領域を除くことが好ましい。
第3の代替的な実施形態では、内蔵要素は、ジグザグ構成の前部及び背部の両方で流れの方向に配列することができる。
【0026】
代替的な実施形態では、主フィルタの突起は、カスケード状にいくつかの列に配列することができる。フィルタの入口側の近くに配列された突起は、フィルタのより出口側に配列された突起よりも大きくすることができる。
カスケードに配列された突起の各列の周りの区域における平坦な基板と平坦な蓋板との間隔は、流体がチャンネルの列に入る突起の側のチャンネルの幅とほぼ同じである。この間隔は、チャンネルの幅の半分と2倍の間である。この間隔は、流れの方向に見て列から列に減らすことができる。従って、チャンネルは、流体に対するその入口端で実質的に正方形の断面を有する。
【0027】
全ての実施形態において、突起の周辺域の平坦な基板と主フィルタの突起の列内の平坦な蓋板との間隔は一定とすることができる。間隔は、フィルタの入口側に近い列の端部の領域よりもフィルタの出口側に近い列の端部の領域内で大きくすることができる。この間隔は、好ましくは、突起の列の一端から他端まで略直線的に増大させることができる。
【0028】
突起の2つの隣接する列の向き合う側面は、第1の列の突起間の全てのチャンネルから流体が流れ込み、そこから流体が隣接する列の突起間の全てのチャンネルの中に流れ込む密着チャンバを形成する。主フィルタの突起の第1の列の前部には、濾過されていないか又は粗く濾過された流体がその中に搬送され、そこから流体が第1の列の突起間の全てのチャンネルの中に流れ込む縦長断面の収集チャンバが存在する。突起の最後の列の背部には、最後の列の全てのチャンネルからその中に流体が入り、濾過された流体がそこから排出される断面が縦長の濾液収集チャンバがある。
【0029】
主フィルタの突起は、流れの方向に見て直線又は湾曲した柱の形態を取ることができる。更に、突起は、あらゆる望ましい断面、好ましくは円形又は多角形断面の好ましくは直線状の支柱の形態とすることができる。
柱の間に延びるチャンネルの長さは、流体に対する入口側のその高さの少なくとも2倍の大きさである。チャンネルの断面は、ほぼ正方形又は樽形又は台形であり、後者の場合、台形の長い辺は蓋板で形成することができる。チャンネルの長さは、例えば、5〜50μm、高さは2.5〜25μm、幅は2.5〜25μmとすることができる。チャンネルの幅は、出口側に向けて増大させることができる。
【0030】
主フィルタの突起の列の間隔は、入口側のチャンネルの幅の2倍の大きさであることが好ましい。突起の列は、互いに平行に延びることができ、蛇行パターン又は好ましくはジグザグに延びることができる。ジグザグパターンに配列された列は、互いに対して角度2〜25°で傾斜することができる。
【0031】
濾過される粒子は、ジグザグ構成に配列された突起の列の結果、フィルタの出口側の近くに位置する流体入口側の区域に最初に堆積し、突起の列間の空間は、フィルタの出口側の領域から開始して徐々に増大する。突起の2つの列間の入口空間が濾過される粒子でほぼ完全に充填されるまでは、フィルタは、完全に遮断されず、フィルタ機能も使い尽くされているわけではない。
【0032】
フィルタの分離の程度は、チャンネルの寸法の変動が限られているために、比較的明確に定められる。このフィルタには、濾過される流体に対するいかなる流入分配装置も又は流体が濾過された状態で流体に対するいかなる濾液収集装置も必要ではない。
濾過流体は、濾液収集チャンバ内でノズルまで運ばれる。これは、互いに向けて傾斜した2つの開口部を有することが好ましい。それによって流体は、ノズル開口部の背部で合流するように互いの方向に向けられた2つの流れにノズルによって分割される。
【0033】
好ましい実施形態では、最初に一次フィルタ構造体、及び次に二次構造体が、ノズル内の流れ方向に形成される。フィルタ構造体は、ノズル内に形成された空洞の全幅に亘って、及びノズル内に形成された空洞の全長の好ましくは30〜70%、より好ましくは40〜50%に亘って延びている。好ましくは、フィルタ構造体は、ノズル入口の直後又はノズル入口で開始される。特に好ましい実施形態では、フィルタ区域は、予備の粗いフィルタ及び細かい主フィルタという2つの型のフィルタシステムを有する。粗いフィルタは、チャンバの幅に亘って平行に形成された構造的要素の単一の列で構成することができる。主フィルタは、上述のジグザグ構成を有することが好ましい。二次構造体は、次に、フィルタの端部とノズル出口の間の区域に形成される。
【0034】
本発明によるノズルは、上述の方法により金属、シリコン、ガラス、セラミック、又はプラスチックで生成することができる。基板は、蓋板と同じ材料か又は別の材料で作ることができる。このフィルタは、例えば30MPa(300バール)までの高圧作動に適切である。
本発明によるノズルの製造においては、従来技術で公知の方法と異なり、ガラス板に固く取り付けられた微細構造シリコンウェーハの下側に、個々のノズルがこの板から形成される前に粘着フィルムが設けられる。
【0035】
本発明による微細構造フィルタノズルは、吸入投与のためのエーロゾルを生成するために溶媒に溶解した医薬品組成物を濾過して噴霧するのに特に重要である。適切な溶媒は、水、又はエタノール、又はその混合物である。適切な医薬製剤には、例えば、「Berotec」(臭化水素酸フェノテロール)、「Atrovent」(臭化イプラトロピウム)、「Berodual」(臭化イプラトロピウム+臭化水素酸フェノテロール)、サルブタモール(硫酸縁又は遊離塩基として)、「Combivent」(臭化イプラトロピウム+サルブタモール)、「Oxivent」、臭化チオトロピウム、及びその他が含まれる。
【0036】
本発明は、従って、上述の本発明によるノズルだけでなく、それらの大量生産、そのように生産されたノズル、並びにこれらのノズルを収容し、それを用いて医学的に活性な吸入製剤を好ましくは噴霧することができる吸入器、好ましくは「Respimat(登録商標)」型の吸入器も含むものである。
【0037】
本発明による微細構造フィルタノズルは、上述したものに加え、以下の利点を有する。
−小さな区域に亘って多数のチャンネルがあるために、一部のチャンネルが流体からの汚染物で遮断されていても作動可能なままである。この特性は、ノズルと組み合わされたフィルタの有用性に決定的に重要である。薬物を分配するためのアトマイザに用いる時には、所定の使用期間内にアトマイザが故障すると使用者に対して深刻な結果をもたらす場合がある。
【0038】
−チャンネルは、形状、断面積、及び長さに関して狭く形成される。1つの特定的な実施形態によれば、フィルタ内の全てのチャンネルの寸法は同じである。
−チャンネルの断面は、例えばその下流のノズルの断面に適合するように、他の要件に合うように適応させることができる。
−小さなフィルタ容積内に大きな濾過表面を収容することができる。
−流体の流れは、それがジグザグ構成に配列された列の間のチャンネルに入る前に、チャンネル内の流れに垂直に実質的に向けられる。
−開口フィルタ表面(全てのチャンネルの断面積の合計)は、全フィルタ表面の少なくとも50%である。
−特に高密度の内蔵要素がある時には、フィルタのデッドボリュームは小さい。
−ノズルは、小さな不良率で多数を大量生産することができる。
−濾液収集チャンバにおける製薬流体内の結晶化又は沈殿工程は、内蔵要素により低減される。
−最後に、ノズルの構造に対する本発明による変更は、大量生産において永久的に均一なスプレーパターンを示さないノズルの割合が、0.1〜0.5%から0.001〜0.005%まで、ほぼ100倍低減されたことを意味している。
ここで、図面を参照して本発明をより詳細に以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
上部ハウジング部(77)は、その端部にアトマイザノズル用のホルダ(79)が装着されたポンプハウジング(78)を含む。ホルダ内には、本発明によるノズル本体(80)及びフィルタ(55)がある。固定機構の動力取出フランジ(56)に固定された中空プランジャ(57)は、ポンプハウジングのシリンダ内に部分的に突出している。その端部で、中空プランジャは、バルブ本体(58)を担持する。中空プランジャは、シール(59)により密封される。上部ハウジング部内部には、バネが緩むと動力取出フランジが当接する止め(60)がある。動力取出フランジ上には、バネが付勢されると動力取出フランジが当接する止め(61)がある。バネが付勢された後に、固定部材(62)は、止め(61)と上部ハウジング部内の支持体(63)との間を移動する。作動ボタン(64)は、固定部材に連結される。上部ハウジング部は、マウスピース(65)で終端し、その上に配置することができる保護カバー(66)により密封される。
【0040】
圧縮バネ(68)を備えたバネハウジング(67)は、スナップ式ラグ(69)及び回転軸受により上部ハウジング部上に回転可能に装着される。下部ハウジング部(70)は、バネハウジングの上に押し付けられる。バネハウジング内部には、噴霧される流体(72)のための交換可能な貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器は、ストッパ(73)により密封され、それを通して中空プランジャが貯蔵容器内に突出し、その端部で流体(活性物質溶液の供給源)に浸漬される。
【0041】
機械的計数器のためのスピンドル(74)は、バネハウジングの覆いに装着される。上部ハウジング部に面するスピンドルの端部には、ドライブピニオン(75)がある。スピンドル上にはスライダ(76)が着座している。
薬物含有流体からエーロゾルが生成されるアトマイザは、図1に示すノズルと同様の構成の本発明によるノズルを収容している。
【0042】
ここで、好ましい実施形態を以下に説明する。与えられる数値は、20%偏差を含む好ましい数値である。この種のノズルは、幅2.6mm、長さ約5mmの基板を有する。約2mmの幅に亘ってジグザグに配列された40列の突起を含むことが好ましい。各列は、長さ1.3mmである。突起は、長さ10μm、幅2.5μmの矩形柱であり、基板から5μm突出する。柱間には、高さ5μm、幅3μmのチャンネルがある。二次構造体の内蔵要素の直径は0.01mmである。内蔵要素の間隔も0.01mmである。ノズル内への流体入口側には、長さ200μm、幅50μmで基板から100μm突出する10個の矩形柱の列がある。これらの柱の間には、高さ100μm、幅150μmのチャンネルがある。柱の列の前に、約300μmの間隔で、幅約22mm、高さ100μmの入口スロットがある。
【0043】
ジグザグ構成に配列された柱の列の背部には、高さ5μmで幅が2mmから次第に狭くなり、高さ5μm及び幅8μmの矩形断面のノズルの中に開口する濾液収集チャンバがある。このノズル開口部は、基板の微細構造化と同時に生成されたものである。
また、図1に示すように、入口側のスパイク53と出口側のスパイク54の間のほぼ中間で列3のジグザグ形の配列を通って延びる中心線52がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】最初は開口しており次いで蓋板(図示せず)で覆われる側から見たフィルタノズルの実施形態を示す図である。基板(1)は、縁領域(2a、2b)間で微細構造にされる。突起の列(3)は、ジグザグに配列され、列は、互いに角度αで傾斜する。ジグザグ配列の前部の流体入口側には、前置フィルタとして働く突起(4)の別の列がある。突起(4)の前部には、入口スロット(5)があり、これを通して濾過されていない流体がフィルタに入る。この実施形態では、フィルタに隣接して、濾過された流体が現れるノズル(6)がある。ノズルは、基板の一体部分である。フィルタ列(3)とノズル(6)の間の空間は、濾液収集チャンバである。この中には、基板と蓋板の間に二次構造体(50)が配置される。この二次構造体は、この2つの板の間に延びる多数の内蔵要素(51)を含む。右側に示す部分拡大は、この状況を示している。内蔵要素(51)間の間隔は、中心から中心までが0.02mmであることが好ましい。同様に、内蔵要素(51)の直径は、0.01mmであることが理想的である。
【図2】突起(7)がこの場合は矩形柱である、列(3)内の突起の配列の拡大図である。
【図3】突起(7)が、樽形断面のチャンネル(8)がその間に存在する凹状の湾曲した縦方向の辺を有する、図2のA−A線に沿う突起の列を通る断面図である。
【図4】それぞれの場合でフィルタの最初に開口している側から見た突起のいくつかの実施形態を示す図である。図面は、矩形柱(11)、幅が一定で短辺が丸みを帯びた縦長柱(12)、翼状の柱(13)、幅が一定で短辺が傾斜した柱(14)、及び円セグメントの形状に湾曲した柱(15)を示している。図面はまた、正方形支柱(16)、三角形支柱(17)、丸い支柱(18)、及び八角形支柱(19)を示している。
【図5】様々な柱を通る断面、特に、矩形断面(21)、凹状湾曲縦方向辺を有する断面(22)、台形の長辺が基板(1)に連結する台形断面(23)、台形の短辺が基板(1)に連結する台形断面(24)、及び2つの湾曲縁を有する柱(25)を通る断面を示す図である。
【図6】突起がその形状に関係なく異なる大きさの点で示された、突起の様々な配列を示す図である。突起は、マトリックス(31)、又は直線状の列(32)、又は蛇行形(33)、又はジグザグ形(34)に配列することができる。列(35)、蛇行形、又はジグザグ形(36)に配列された複数の突起は、互いの背部にカスケード状に配列することができる。
【図7】流体の流入(41)の方向に対する柱の向きを示す図である。柱(42)は、流入方向に平行に配列され、柱(43)は、流入方向に垂直に配列され、柱(44)は、流入方向に対して様々な量だけ傾斜している。
【図8a】WO97/12687の図6aと同一であり、有利な態様において本発明による水性エーロゾル製剤を吸入することができる噴霧器(Respimat(登録商標))を説明する、バネが付勢されたアトマイザを通る縦方向断面を示す図である。
【図8b】WO97/12687の図6bと同一であり、有利な態様において本発明による水性エーロゾル製剤を吸入することができる噴霧器(Respimat(登録商標))を説明する、バネが弛緩したアトマイザを通る縦方向断面を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 基板
2a、2b 縁領域
3 突起(7)の列
4 突起(前置フィルタ)
5 入口スロット
6 ノズル
7 突起
8 チャンネル
11、12、13、14、15 柱の形態の突起(7)
16、17、18、19 支柱の形態の突起(7)
21 柱の矩形断面
22 凹状長辺を備えた柱の断面
23 柱の台形断面(長辺が取り付けられたもの)
24 柱の台形断面(短辺が取り付けられたもの)
25 縦方向縁部に丸みを付けた柱
31 突起(7)のマトリックス状配列
32 突起(7)の直線状配列
33 突起(7)の蛇行形配列
34 突起(7)のジグザグ形配列
35 いくつかの列に配列された突起(7)
36 カスケード状に配列された突起(7)
41 流体のための入口開口部
42 入口開口部に平行に整列した柱
43 入口開口部に垂直に整列した柱
50 二次構造体
50a 濾液収集チャンバ
51 内蔵要素
52 中心線
53 入口側のスパイク
54 出口側のスパイク
55 フィルタ
56 動力取出フランジ
57 中空プランジャ
58 バルブ本体
59 シール
60 止め
61 止め
62 固定部材
63 支持体
64 作動ボタン
65 マウスピース
66 保護カバー
67 バネハウジング
68 圧縮バネ
69 スナップ式ラグ
70 下部ハウジング部
71 貯蔵容器
72 流体
73 ストッパ
74 スピンドル
75 ドライブピニオン
76 スライダ
77 上部ハウジング部
78 ポンプハウジング
79 ホルダ
80 ノズル本体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタと、濾過されていない流体の入口と、濾過された流体の出口を有する微細構造ノズルであって、
実質的に平坦な基板(1)と、該基板に取り付けることができる蓋板と、一次構造体として構成された主フィルタとを備え、
該主フィルタは、前記基板(1)の一体構成要素として且つ前記基板(1)から突出しするように並べて配列され列(3)とされた複数の突起(7)を備え、
該突起は、前記入口から前記出口まで前記ノズルを通る流体通路を形成するチャンネル(8)によって互いに離間され、同時に前記蓋板は、該蓋板が前記基板に取り付けられたとき、該突起(7)及び該チャンネル(8)を覆う微細構造ノズルであって、
流れの方向で前記主フィルタの後側に配置された濾液収集チャンバ(50a)を更に備える微細構造ノズルにおいて、
基板(1)及び/又は蓋板に作用し、0.005mmから0.02mmの直径を有する複数の内蔵要素(51)を備えた二次構造体(50)が、前記濾液収集チャンバ(50a)に配置されている、
ことを特徴とする微細構造ノズル。
【請求項2】
フィルタと、濾過されていない流体の入口と、濾過された流体の出口を有する微細構造ノズルであって、
実質的に平坦な基板(1)と、該基板に取り付けることができる蓋板と、一次構造体として構成された主フィルタとを備え、
該主フィルタは、前記基板(1)の一体構成要素として且つ前記基板(1)から突出しジグザグ状に配置されて並べて配列され列(3)とされた複数の突起(7)を備え、
該突起は、前記入口から前記出口まで前記ノズルを通る流体通路を形成するチャンネル(8)によって互いに離間され、同時に前記蓋板は、該蓋板が前記基板に取り付けられたとき、該突起(7)及び該チャンネル(8)を覆う微細構造ノズルであって、
流れの方向で前記主フィルタの後側に配置された濾液収集チャンバ(50a)を更に備える微細構造ノズルにおいて、
基板(1)及び/又は蓋板に作用し、流れの方向でジグザグ構成の前及び大まかにその後側に形成される複数の内蔵要素(51)を備えた二次構造体(50)が、前記濾液収集チャンバ(50a)に配置されている、
ことを特徴とする微細構造ノズル。
【請求項3】
前記内蔵要素(51)の直径は、0.005mmから0.02mmである、
請求項2に記載の微細構造ノズル。
【請求項4】
前記内蔵要素(51)は、円筒状外周壁を有する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項5】
前記内蔵要素(51)は、互いに0.005mmから0.02mmの間隔を有する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項6】
前記内蔵要素(51)の直径は、0.01mmである、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項7】
前記内蔵要素(51)は、凹状外周壁を有する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項8】
前記内蔵要素(51)は、凸状外周壁を有する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項9】
前記内蔵要素は、前記基板から前記蓋板まで支柱状に延び、かつ該蓋板の一体部分である、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項10】
前記突起(7)は、前記フィルタの幅全体に亘って並んで配列されている、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項11】
前記二次構造体(50)は、前記ジグザグ構成の前記出口の側に中心線(52)まで形成されている、
請求項2ないし10のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項12】
前記二次構造体(50)は、前記ジグザグ構成の前記出口の側に、前記入口の方向に突出する点の中に形成されている、
請求項2ないし10のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項13】
前記突起の周りの領域における前記基板と突起(7)の列(3)内の前記蓋板との間隔が、前記流体がチャンネル(8)の列に入る部分での突起(7)の側のチャンネル(8)の幅とほぼ同じ大きさである、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項14】
並べて配置され列にされた複数の突起(7)が、基板(1)から突出し該基板の一体部分であり、
突起のいくつかの列(3)が、カスケード状に配列され、
前記チャンネル(8)の断面は、流れの方向に見て前記流体が流れる方向と直交する方向に列から列へ減少し、
前記フィルタの入口側近くに配列された突起(3)は、突起(3)の間隔が該フィルタのより出口側に配列された突起(3)よりも小さくなるように、より大きく又はより多数にされ、
カスケード状に配列された突起(7)の各列の周りの領域における前記基板と前記蓋板との間隔が、前記流体がチャンネルの列に入る突起(7)の側のチャンネルの幅とほぼ同じ大きさであり、さらに、
前記フィルタのほぼ幅全体に亘って延び、該フィルタの入口側の前記基板から突出する突起(7)とほぼ同じ高さである、前記濾過されていない流体の縦長の入口スロット(5)と、
前記フィルタのほぼ幅全体に亘って延び、該フィルタの出口側の前記基板から突出する突起(7)とほぼ同じ高さである、前記濾過された流体のための縦長の出口スロットと、が設けられている、
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項15】
平坦な基板(1)及び平坦な蓋板である、
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項16】
前記フィルタの全ての構造は、専ら前記基板(1)に形成される、
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項17】
突起(7)の周りの領域における前記平坦な基板(1)と突起(7)の列(3)内の前記平坦な蓋板との間隔が、前記流体がチャンネル(8)の列に入る突起の側のチャンネルの幅の半分と2倍の間である、
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項18】
数列の並んだ突起(7)の列が設けられて、前記突起(7)の隣接する二列の対向する側面が凝集チャンバを形成し、該凝集チャンバに全てのチャンネルからの流体が第1列の突起間に流れ込み且つ該凝集チャンバから流体が流れ方向で次の列の突起間のすべてのチャンネルに流れてくる、
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項19】
前記収集チャンバ(50a)は、前記入口スロット(5)と突起(4)の第1の列との間で縦長断面部分を有し、該断面部分に前記濾過されていない流体が運ばれ、該断面から流体が前記第1の列の突起間の全てのチャンネルの中に流入し、
前記収集チャンバ(50a)は、突起の最後の列と前記出口スロットとの間に縦長断面部分を有し、該断面部分に前記最後の列の全てのチャンネルからの流体がその中に流入し、該断面部分から前記濾過された流体が排出される、
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項20】
突起が、流れの方向に見て、直線又は湾曲している柱(11、12、13、14、15)の形態であり、又は
突起が、支柱(16、17、18、19)の形態である、
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項21】
チャンネル(8)が、流体入口側で、長さがチャンネルの高さの少なくとも2倍であり、その断面が一定である、
請求項1ないし20のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項22】
チャンネル(8)が、前記チャンネルの長さに亘って一定のほぼ正方形断面の柱の間に延び、該チャンネル(8)が、長さ5μmから50μm、高さ2.5μmから25μm、及び幅2.5から25μmである、
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項23】
チャンネルの断面が樽形又は台形であり、該台形の長辺が好ましくは前記蓋板により形成された、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項24】
チャンネル(8)が、前記流体の入口側でほぼ正方形断面を備え、該断面が、前記流体の出口側に向けて幅広になる、
請求項1ないし23のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項25】
突起の列の間隔が、入口側の前記チャンネルの幅の大きさの好ましくは2倍である、
請求項1ないし24のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項26】
突起が、
互いに平行に延びる列(31)、又は
2°から25°の角度αで互いに向けて傾斜した蛇行パターンの列(33)で
配列されている、
請求項1ないし25のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項27】
突起が、2°から25°の角度αで互いに向けて傾斜している、
請求項2ないし25のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項28】
突起(7)の周りの領域における前記平坦な基板(1)と突起の列(3)内の前記平坦な蓋板との間が一定の間隔である、
請求項1ないし27のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項29】
前記基板(1)及び蓋板間の間隔が流れの方向にテーパが付いている、
請求項1ないし27のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項30】
突起(7)の周りの区域における前記平坦な基板(1)と突起の列内の前記平坦な蓋板との間隔が、前記フィルタの入口側近くに位置する列の端部領域から該フィルタの出口側近くに位置する列の端部領域に向けて増大する、
請求項1ないし29のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項31】
基板(1)が、等方性又は異方性の湿潤又は乾燥エッチング又はこれらの方法の組合せにより、好ましくは異方性乾燥エッチングにより構成された、
請求項1ないし30のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項32】
蓋板が、陽極接合によって付着させた、シリコンで作られた基板(1)及びガラスで作られた、
請求項1ないし31のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項33】
前記濾液収集チャンバ(50a)は、流れの方向に円錐形にテーパが付けられ、前記出口として少なくとも1つのノズル(6)を有する、
請求項1ないし30のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項34】
蓋板が、直接結合によって付着させた、シリコンで作られた基板(1)及びシリコンで作られた、
請求項1ないし31のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項35】
液体が通過するための貫流チャンネルを各々が形成する前記内蔵要素間の間隔は、該液体に対して実質的に透過性である流れの方向に垂直な得られる断面区域が、前記主フィルタの構造によって形成された該貫流チャンネルの対応する有効断面積よりも大きいようなものである、
請求項1ないし34のいずれか1項に記載の微細構造ノズル。
【請求項36】
請求項1ないし35のいずれか1項に記載の微細構造フィルタを含む、
吸入療法のためのアトマイザ。
【請求項37】
請求項1ないし35のいずれか1項に記載のノズルを生成する方法であって、
1つの段階において、フィルタ構造体の形態の微細構造、二次構造体、ノズル入口、及びノズル出口が、多数のノズルに対してシリコンウェーハの一方の面にエッチングされ、
次の段階において、ガラス板が、前記シリコンウェーハのこの面にしっかりと取り付けられ、
独立した段階において、前記シリコンウェーハは、粘着フィルム上に置かれ、
最後の段階において、前記シリコンウェーハ及びガラス板を含み、前記粘着フィルムを該シリコンウェーハの下側にしたアセンブリから、ダイヤモンドソーを用いて、個々のノズルが該ガラス板側から開始して生成される、
ことを特徴とする方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−529754(P2008−529754A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516032(P2006−516032)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006768
【国際公開番号】WO2005/000476
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】