説明

内装用カバー部材の取付構造

【課題】組み付け作業性が良く、部品数低減に寄与できるトリムカバー取付構造を提供する。
【解決手段】車体パネル10に装着されるトリム部材12に形成された開口部13に取り付けられて開口部13を塞ぐカバー部材20の取付構造であって、カバー部材20は索状部材16が挿通される挿通穴23が形成されたカバー本体21と、該カバー本体21の外周縁に形成されて周縁部121に重なるフランジ部22と、開口周縁部121に薄肉状のヒンジ部26を介して一体形成され、挿通穴23内に配置され初期状態からトリム部材12を挟んでフランジ部22と対向する挟持プレート25とを備え、フランジ部22には係合突起28が形成され、開口周縁部121に係合用穴122が形成され、挟持プレート25が係合用穴122に挿通されたフランジ部22の係合突起と係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の内壁をなすインナパネルを覆う板状のトリム部材に取り付けられ、そのトリム部材に設けた開口部を覆うよう取り付けられる内装用カバー部材の取付構造、特に、開口部の裏のインナパネル側に支持された索状部材を挿通可能に保持する樹脂性の内装用カバー部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両はその車室内壁の主要部が鋼板から成るインナパネルで形成され、その表面の要部がクッション性を有する素材を板状に成形してなるトリム部材で覆われ、これにより、見栄えと居住性を確保するようにしている。例えば車室上部のルーフパネルの内壁面には保形性、クッション性を有するルーフトリムが取り付け支持されている。
従来から、車両には、その車室内の座席に乗員の安全を図るためのシートベルト装置が取付けられる。例えば、3点式のシートベルト装置であると、座席側方の車体床部側に下部アンカープレートを介してベルトの一端が締結され、ベルトの上端がセンターピラーの上部アンカープレートのリング部を介してリトラクターに連結され、さらに、ベルトの中間部に遊嵌されたタングプレートが乗員の座席の他側方に連結されたバックル装置に差し込み装着・解除可能に連結されるという構成を採る。
【0003】
ところが、3人掛けの後席の中央座席用のシートベルト装置などでは、車両の構造上の理由等により上記のようなシートベルト装置の構成が採れない場合がある。このような場合には、例えば、座席近傍のルーフ部にリトラクターが備えられ、リトラクターから繰り出されるシートベルトがルーフ部の挿通穴から車室内に引き出される構造とされている。
ここでルーフ側のリトラクターはルーフトリムの内側に設けられ、ルーフトリムのリトラクターと対向する部位にシートベルトを車室内に引き出すための開口部を形成し、そこにシートベルトが挿通される挿通穴を有するリトラクターカバーを取り付けて美観確保を図ると共にリトラクターからシートベルトを挿通穴を通して引き出し可能としている。
【0004】
例えば、従来のルーフトリムに装着されるリトラクターカバーは、図9、図10に示すように、ルーフトリム100に設けた取付穴101の表側(車室対向側)にカバー本体103を、裏側(ルーフ内壁面側)に裏側部品104を配備し、両者が取り付け穴101の周縁部を挟むという構成を採る。このリトラクターカバーの組み付けでは、カバー本体103側の複数の樹脂製の締結突部105が裏側部品104に設けた係合穴106に押し込み係合され、通常時にルーフトリム100にカバー本体103を固定し、ルーフトリム100とカバー本体103間に隙間ができることを防ぎ、美観を確保するようにしている。 なお、特許文献1には、このように、ルーフ側にリトラクターを配備したシートベルト装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−362308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図9、図10に示すリトラクターカバーでは、天井材であるルーフトリム100にカバー本体103を装着するのに別部品である裏側部品104を使用している。このため、部品数の増加を招くし、組み付け作業に手間取ることとなる。なお、この点は特許文献1でも同様であり、改善が望まれている。
【0007】
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、組み付け作業性が良く、部品数低減に寄与できる内装用カバー部材の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1の発明は、車室の内壁を成す車体パネルに装着される板状のトリム部材に形成された開口部に前記トリム部材の室内側から取り付けられて当該開口部を塞ぐカバー部材の取付構造であって、前記カバー部材は、前記トリム部材の室内側と裏面側とを連通して索状部材が挿通される挿通穴が形成されたカバー本体と、該カバー本体の外周縁に一体形成されて前記開口部の周縁部に室内側から重なるフランジ部と、前記開口部の周縁に薄肉状のヒンジ部を介して一体形成され、前記挿通穴を覆うように前記挿通穴内に配置された初期状態から前記トリム部材を挟んで前記フランジ部と対向する対向状態へ回動可能に形成された挟持プレートとを備え、前記フランジ部には、その裏面側に突出されて前記対向状態の挟持プレートと係合可能な係合突起が形成され、前記トリム部材には、前記開口部の周縁部に前記フランジ部の前記係合突起が挿通される係合用穴が形成され、前記挟持プレートが、前記フランジ部との間に前記トリム部材の前記開口部の周縁部を挟持した状態で前記トリム部材の前記係合用穴に挿通された前記係合突起と係合されるよう構成したことを特徴とする内装用カバー部材の取付構造。
【0009】
本願請求項2の発明は、請求項1記載の内装用カバー部材の取付構造において、前記挟持プレートが前記フランジ部の前記係合突起と係合される係合部を備え、前記係合部が前記係合用穴内で前記係合突起と係合されることを特徴とする。
【0010】
本願請求項3の発明は、請求項1又は2記載の内装用カバー部材の取付構造において、前記カバー部材は、前記挟持プレートが設けられる側と反対側に位置するフランジ部の上方で前記フランジ部と平行に突出するよう形成されて、前記フランジ部との間に前記トリム部材の前記開口部の周縁部を挟んだ状態で係止される係止爪を備えていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内装用カバー部材の取付構造において、前記トリム部材はルーフトリムであり、前記索状部材はリトラクターから引き出されるシートベルトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、挟持プレートと係合用穴に挿通されたフランジ部の係合突起とが係合されることで、開口部の周縁部をその表裏側より確実に挟持でき、組み付け作業性が良いし、カバー本体を貫通する挿通穴を成形時に覆っていた挟持プレートが薄肉状のヒンジ部を介して折り曲げられて開口部の周縁部を裏側より挟持する部材として有効利用でき、これが部品数低減に寄与できる。
【0013】
本願請求項2の発明は、挟持プレートの係合部が係合用穴内でフランジ部の係合突起と係合するので、係合用穴を用いて挟持プレートとフランジ部とが確実に係合できる。
【0014】
本願請求項3の発明は、前記カバー部材は、その挟持プレートとフランジ部とが係合することで開口部の周縁部の一側を挟持し、挟持プレートが設けられる側と反対側に位置するフランジ部とこれと平行に突出する係止爪とで開口部の周縁部の他側を挟んで係止するので、トリムカバーの組み付け時の作業性が良い。
【0015】
本願請求項4の発明は、ルーフトリムに設けた開口部にトリムカバーであるリトラクターカバーを取り付け、リトラクターカバーの裏側の車室後席側の中央シート用のリトラクターから索状部材であるシートベルトを容易に引出し、収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としてのリトラクターカバー取付構造が適用された車両の概略平面図である。
【図2】図1の車両のルーフ内壁に適用されたリトラクター取付構造の斜視図であって、挟持プレートを組み付けする前の態様を示る。
【図3】図2のリトラクターカバー取付構造の拡大部分断面図である。
【図4】図2のリトラクターカバー取付構造の要部拡大斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図であってリトラクターカバーの挿通穴と挟持プレートの切換えを説明するもので、(a)は成形時の態様、(b)は組み付け時の態様を示す。
【図6】図1のリトラクターカバー取付構造で用いる巻取装置の装着状態を示す斜視図である。
【図7】図1のリトラクターカバー取付構造の正面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のランプカバー取付構造の概略断面図である。
【図9】従来装置で用いるルーフトリムに設けたカバー本体と裏側部品の斜視図である。
【図10】図9の従来装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態として内装用カバー部材の取付構造の一例であるリトラクターカバー取付構造を説明する。
ここで、リトラクターカバー取付構造の説明に先立ち、図1を参照して、このリトラクターカバー取付構造が適用された車両Cを説明する。
図1に示すように、車両Cの後部座席s2は、3人掛けのベンチシートであり、左右席s2r、s2lとその間の中央席s2cを車幅方向に配している。後部座席s2に設けられるシートベルト装置は、左右席s2r、s2lおよび中央席s2cのいずれも3点支持式のシートベルト装置が採用されるが、ここでは、中央席s2cの3点支持式シートベルト装置2cについてのみ説明する。
【0018】
後部座席s2の中央席s2c近傍の天井部分には、天井を構成するヘッドライニング12の裏側に後述するリトラクター14(図3参照)が設けられており、リトラクターカバー20を通してシートベルト16が車室R内に引き出し可能とされている。後部座席s2の中央席s2cの左右両側部には、それぞれ拘束用のバックル19aと固定用のバックル19bが設けられており、この2つのバックル19a、19bにシートベルト16側の拘束用タング18aと固定用タング18bが解除可能に連結される構成とされている。
図3に示すように、車室Rの天井部分には内壁を構成するルーフパネル10と、ルーフパネル10の車室Rと対向する下面側に該パネルを補強する複数のルーフ補強部材(一部を示す)11が配備され、これらルーフパネル10及びルーフ補強部材11が湾曲板状のヘッドライニング(以後単にルーフトリムと記す)12で覆われている。このルーフトリム12より図1、2に示すような車室R側よりの天井部分の美観を確保している。
【0019】
図3に示すように、ルーフパネル10とルーフトリム12との間には、シートベルト16を巻き取って収容するリトラクター14が配置されている。そのリトラクター14の下方を覆うルーフトリム12には開口部13が形成され、開口部13には、ここを塞ぐカバー部材としてのリトラクターカバー20が取り付けられ、これにより開口部13の内部を覆い、美観を確保する。なお、ルーフトリム12は保形性と美観を確保できるよう、天然繊維、繊維状樹脂を結合剤を加えて混合し、熱プレスして軽量厚板に成形されたもので、ルーフ内面全域を覆うと共に周縁部がルーフ周縁部に支持されている。
図3,6に示すように、リトラクター14はケーシング15の基部151がボルトVでルーフ補強部材11に締結され、基部151に支持されたケース152がその内部に中心軸141を介して索状部材(ここでは長いベルト状又は索状体になっているものを指すものとする)であるシートベルト16を巻取り付勢された状態で、引出し可能に巻回保持される。
【0020】
リトラクター14のケース152には引き出し口17が形成され、同引き出し口17よりシートベルト16が引き出されて後述のリトラクターカバー20の挿通穴23に挿通されている。シートベルト16には、後部座席s2の2つのバックル19a、19bに連結される金属製の拘束用タング18aと固定用タング18b(以下、両タングを総称する際はタングプレート18と記す)が設けられている。
シートベルト16の先端には固定用タング18bが取り付けられ、シートベルト16の先端手前に拘束用タング18aが遊嵌状に取り付けられる。固定用タング18bは中央席s2cの固定用バックル19bに、拘束用タング18aは中央席s2cの固定用バックル19aに差し込み装着・解除可能に連結可能であり、巻き取り時にはベルトカバー20に収容可能とされている(図3の状態参照)
図3に示すように、ベルトカバー20は開口部13に嵌合するカバー本体である主部21と主部21の周縁全体より延出するフランジ部22を有し、これらが開口部13を覆う形状をなす。
カバー本体である主部21は下向きの変形凹状を成し、浅底部211とそれに続く深底部212と、深底部212の周壁部212wに形成された略矩形の挿通穴23と、浅底部211より延出し挿通穴23と反対側に延出する一対の係止爪24とを備える。更に、挿通穴23には成形時に挿通穴23を覆う部分に配置される挟持プレート25と、その挟持プレート25の一端を主部21のフランジ側基端部213に樹脂ヒンジ部26を介して連結するよう成形される。
【0021】
図4に示すように、挿通穴23は引き出し、巻き戻しされるシートベルト16を常に遊嵌状態で挿通できるよう十分に大きな穴に形成される。この挿通穴23を覆う部分には成形時においては略矩形の挟持プレート25が配置される。
挟持プレート25は成形時に樹脂ヒンジ部26以外の挿通穴23の周縁部と所定の間隙stを保って挿通穴23より小さく形成される。このため、成形後に挟持プレート25は樹脂ヒンジ部26を回動中心として容易に弾性変形してフランジ部22側に回動変位できる。
【0022】
図5(a),(b)に示すように、フランジ側基端部213の先端位置の樹脂ヒンジ部26はフランジ部22に対し間隔h1だけ離れて形成され、挟持プレート25はフランジ部22側に回動変位した際、間隔h1だけ離れてフランジ部22と対向する。このフランジ部22と挟持プレート25の間にルーフトリム12に設けた開口部13の周縁部が位置し、同部をフランジ部22と挟持プレート25が挟持するよう形成される。
【0023】
更に、挟持プレート25の回動端側に係合部27が突き出し成形され、フランジ部22の挟持プレート25と対向する対向部221より係合突起28が突設成形される。両者はフランジ部22と挟持プレート25とがルーフトリム12の開口部13の周縁である開口周縁部121を挟持する際に,その開口周縁部121に設けた係合用穴122内で互いに先端部が重なるように形成される。
【0024】
更に、図5(a),(b)に示すように、係合部27と係合突起28との各先端部には互いが係合するフック部qをそれぞれ形成される。係止部27および係合突起28が互いに接近方向に押圧pfされることで両フックqが互いに弾性的に一旦変位した後で係合される。それにより、フランジ部22と挟持プレート25とがルーフトリム12の開口周縁部121を挟持する状態を保持できるよう構成される。
【0025】
図3に示すように、ベルトカバー20には、深底部212の挿通穴23の位置とは反対側に浅底部211が配備され、その浅底部211より挿通穴23と反対側に一対の係止爪24がフランジ部22と所定間隔t2を保って延出形成される。ここで、所定間隔t2はルーフトリム12の開口周縁部121の厚さより小さく形成され(図3中に弾性変位前の状態を2点差線で示す)、弾性変位時には所定間隔t2を拡大可能に形成される。このため、ルーフトリム12の開口周縁部121の浅底部211側に、フランジ部22と一対の係止爪24が押し込まれると(図7参照)、開口周縁部121がフランジ部22と一対の係止爪24により弾性的に挟持され、離脱を阻止されるよう形成される。
【0026】
このようなベルトカバー20の組み付け時には、これに先立ち、ルーフ補強部材11にトラクター14が締結され、それよりルーフトリム12の開口部13に対向する位置にシートベルト16を巻取り付勢された状態でトラクター14を配置する。
次いで、ベルトカバー20の挿通穴23より同部に成形されている挟持プレート25を樹脂ヒンジ部26周りに回動変位させて挿通穴23を開き、その挿通穴23にシートベルト16のタングプレート18を挿通させ下方に引き出し保持する。
【0027】
更に、ベルトカバー20の浅底部211側の一対の係止爪24をルーフトリム12の開口周縁部121の裏側(図3で上側)にフランジ部22を表側(図3で下側)に摺接させつつ押し込み、一対の係止爪24とフランジ部22とで開口周縁部121を挟み込み、次いでベルトカバー20の深底部212側を開口部13に嵌着させる。
【0028】
この際、開口周縁部121の係合用穴122内に係合突起28を表側(図5で下側)から嵌合させ、その上で、挿通穴23に作業者が指を差し込み、挿通穴23側の挟持プレート25を押圧pfし(図5(a)参照)、樹脂ヒンジ部26周りに回動変位させて、開口周縁部121の係合用穴122の裏側(図2で上側)に接近させ、次いで、係合部27を係合用穴122に嵌合させ、その上で、係合部27と係合突起28を相互に重なるように押圧pfさせ(図5(b)参照)、互いに係合させる。
【0029】
これにより、挟持プレート25とフランジ部22とで開口周縁部121を確実に挟み込む。このように、ベルトカバー20は一端が一対の係止爪24とフランジ部22とで開口周縁部121を挟み込み、他端側が挟持プレート25とフランジ部22とで開口周縁部121を挟み込み、ベルトカバー20は確実に開口周縁部121にがた無く一体的に取り付けられ、付け作業性が良い。しかも、カバー本体である主部21を貫通する挿通穴23を成形時に覆っていた挟持プレート25が薄肉状の樹脂ヒンジ部26を介して折り曲げられて開口周縁部121を裏側より挟持する部材として有効利用でき、これが部品数低減に寄与できる。
なお、この状態で、挿通穴23がリトラクターの引き出し口17と対向し、引き出し口17及び挿通穴23より引き出されるシートベルト16の引き出し量を容易に増減調整できる。
しかも、シートベルト16を引き戻した場合、シートベルト16のタングプレート18を深底部212と浅底部211とに亘り当接させて(図3に2点差線で示す状態)、収納状態を維持できる。
【0030】
一方、シートベルト16を引き出した場合、シートベルト16の先端の固定用タング18bが中央席s2cの一方側の固定用バックル19bに、拘束用タング18aが中央席s2cの他方側の拘束用バックル19aに解除可能に装着される。
このため、中央席s2cに乗員が着座した場合、3点支持式シートベルト装置2cが中央席s2cに着座の乗員の安全性を確保できる。
これにより、挟持プレート25aとフランジ部22とで互いに対向する左右端側の各開口周縁部121を確実に挟み込むので、ベルトカバー20aは確実に開口周縁部121にがた無く一体的に取り付けられる。この状態で、リトラクター14の引き出し口17と対向する側の挿通穴23aからシートベルト16を容易に引き出し、引き戻しでき、他方の挿通穴23aは、後からはめ込まれる不図示のシール部材で閉鎖される。
【0031】
上述の第1の各実施形態では、内装用カバー部材の取付構造としてリトラクターカバー取付構造を説明したが、これに代えて、図8に示すように、室内灯を成すランプカバー取付構造を構成しても良い。
この場合、ランプカバー20bがカバー本体である主部21bと、その周縁のフランジ部22bと、主部の開口側を覆うレンズカバー41と、主部21bの内部に収容されるランプソケット42と、ランプソケット42より延びる索状部材としての配線43とを備える。
【0032】
この場合、主部21bの内部に収容されるランプソケット42より延びる配線43をトリムカバー12の内側の図示しない車体側配線と接続し、その上で、ルーフトリム12の開口周縁部121bを一対の係止爪24とフランジ部22とで挟み込み、次いでランプカバー20bの主部21b側を開口部13bに嵌着させ、挿通穴23b側の挟持プレート25bを押圧し、樹脂ヒンジ部26b周りに回動変位させて、係合部27を係合用穴122内の係合突起28と相互に係合させ、挟持プレート25bとフランジ部22bとで開口周縁部121bを確実に挟み、がた無く一体的に取り付けられる。この後、レンズカバー41を主部21bの内部の締結部211bにビス212bで締め付けでき、室内灯の取り付けを容易に行うことができる。
【0033】
以上、上記各実施形態にて説明したように、本発明の内装用カバー部材の取付構造によれば、トリム部材の裏面側から挟み込むための固定用の別部品を設ける必要が無く、簡単かつ確実に内装用カバー部材をトリム部材に取り付けることが可能となる。したがって部品点数低減によるコスト低減および作業工数の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 車体パネル
12 トリム部材
121、121b 開口周縁部
122 係合用穴
13、13b 開口部
16 シートベルト(索状部材)
20 リトラクターカバー
20b ランプカバー
21、21b 主部(カバー本体)
211 フランジ側基端部
22、22b フランジ部
23、23b 挿通穴
24 係止爪
25、25b 挟持プレート
26、26b 樹脂ヒンジ部
27 係合部
28 係合突起
R 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の内壁を成す車体パネルに装着される板状のトリム部材に形成された開口部に前記トリム部材の室内側から取り付けられて当該開口部を塞ぐカバー部材の取付構造であって、
前記カバー部材は、前記トリム部材の室内側と裏面側とを連通して索状部材が挿通される挿通穴が形成されたカバー本体と、該カバー本体の外周縁に一体形成されて前記開口部の周縁部に室内側から重なるフランジ部と、前記開口部の周縁に薄肉状のヒンジ部を介して一体形成され、前記挿通穴を覆うように前記挿通穴内に配置された初期状態から前記トリム部材を挟んで前記フランジ部と対向する対向状態へ回動可能に形成された挟持プレートとを備え、
前記フランジ部には、その裏面側に突出されて前記対向状態の挟持プレートと係合可能な係合突起が形成され、
前記トリム部材には、前記開口部の周縁部に前記フランジ部の前記係合突起が挿通される係合用穴が形成され、
前記挟持プレートが、前記フランジ部との間に前記トリム部材の前記開口部の周縁部を挟持した状態で前記トリム部材の前記係合用穴に挿通された前記係合突起と係合されるよう構成した
ことを特徴とする内装用カバー部材の取付構造。
【請求項2】
前記挟持プレートが前記フランジ部の前記係合突起と係合される係合部を備え、前記係合部が前記係合用穴内で前記係合突起と係合される
ことを特徴とする請求項1記載の内装用カバー部材の取付構造。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記挟持プレートが設けられる側と反対側に位置するフランジ部の上方で前記フランジ部と平行に突出するよう形成されて、前記フランジ部との間に前記トリム部材の前記開口部の周縁部を挟んだ状態で係止される係止爪を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の内装用カバー部材の取付構造。
【請求項4】
前記トリム部材はルーフトリムであり、前記索状部材はリトラクターから引き出されるシートベルトである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内装用カバー部材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−35296(P2013−35296A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170170(P2011−170170)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】