説明

内視鏡、内視鏡装置、内視鏡レンタル支援システム

【課題】貸し出し先における内視鏡の不正使用を防止する。
【解決手段】レンタル業者12は、依頼者26からの申し込みを受け付けて、病院27へ内視鏡11を貸し出す。内視鏡11には、その使用を制限する使用制限手段と、使用制限の実行及び解除を行うために用いられる登録情報を記憶するEEPROM11aとが設けられている。在庫管理端末19は、貸し出し対象の内視鏡11のEEPROM11aに対して、照合情報及び使用量の上限値からなる登録情報を書き込む。内視鏡11は、使用制限を実行した状態で貸し出される。被検者36に対しては、前記照合情報と照合される認証情報を記憶した認証カード33が配布される。病院27において、認証カード33によって使用制限が解除される。また、使用量が上限値を超えた場合には、使用制限が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内を撮影する内視鏡、内視鏡装置、及びこれらを用いた内視鏡レンタル支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、内視鏡を貸し出すレンタルサービス及びそのサービスを提供するためのレンタル支援システムが提案されている。このレンタル支援システムは、医療施設などの依頼元から、貸し出しの依頼をオンラインで受け付ける受付端末を備えており、受け付けた依頼情報の管理や依頼内容に応じた内視鏡の手配を、コンピュータを利用して実現している。また、貸し出し先から回収された使用済み内視鏡は、洗浄や消毒などのリプロセス処理が施された後、倉庫に保管される。このレンタル支援システムでは、リプロセスの完了情報や、倉庫内の内視鏡の在庫状況を、受付端末で参照できるように管理される。
【0003】
特許文献2及び特許文献3には、貸し出した内視鏡の使用量を測定して、保守点検の時期の把握や使用量に応じた課金処理を行う技術が開示されている。これらのシステムでは、内視鏡と通信可能に接続されるプロセッサなどの周辺装置に内視鏡の使用量を測定する測定手段が設けられており、周辺装置は、測定した使用量と内視鏡から取得したIDとを関連付けて記録する。使用量は、例えば、内視鏡とプロセッサとの接続回数や内視鏡の使用時間である。こうして記録された使用量に基づいて、点検時期が把握され、使用量に応じた料金の算出が行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内視鏡のレンタルサービス、特に、医療用の内視鏡のレンタルサービスにおいては、内視鏡の動作不良や内視鏡を通じた二次感染が、被検者の人体や生命に危険を及ぼすため、貸し出し対象の内視鏡の整備状態や洗浄状態を含む品質の管理には高い管理レベルが求められる。そのため、レンタルサービスを提供するレンタル事業者は、細心の注意を払って品質管理体制を構築する必要がある。
【0005】
しかし、レンタル事業者の管轄において品質管理がどれだけ徹底されていても、貸し出し先において、契約内容を遵守した適正な使用がなされなければ、二次感染を含む医療事故の発生を防止することは困難である。例えば、契約された使用量を超えて内視鏡が使用されたり、貸し出した内視鏡がレンタル事業者に無断で転貸されると、整備や洗浄が不完全な状態で内視鏡が使用される原因となり、医療事故が発生する危険性も高まる。
【0006】
貸し出した内視鏡で医療事故が発生すると、例えレンタル事業者に帰責事由が無い場合でも、レンタル事業者のサービスへの信頼が大きく損なわれる可能性が高い。上記従来技術では、こうした問題に対する対策がなんら考慮されていない。そのため、内視鏡のレンタルサービスを事業化するに当たっては、貸し出し先における内視鏡の不正な使用を防止するための対策が要望されていた。
【0007】
上記従来技術では、内視鏡の使用量を測定しており、測定した使用量が、周辺装置を介してオンラインでレンタル事業者に送信されるようにしている。この技術を利用して、レンタル業者が、貸し出した内視鏡の使用量をリアルタイムで監視することができれば、予め契約された上限値を超えた使用がなされた場合には、使用者に対して使用の中止を求めるといった対策をすることができる。
【0008】
しかしながら、使用量を送信する主導権は、貸し出し先に委ねられており、貸し出し途中に内視鏡の使用量をレンタル業者で把握することは事実上困難である。また、貸し出す内視鏡に設けたメモリに内視鏡IDとともに使用量を記憶する技術も記載されているが、これによっても、使用量の把握は内視鏡の回収後にならざるを得ず、上記問題の対策にはならない。さらに、上述のとおり、貸出先における内視鏡の不正な使用には、使用量が超過する場合以外にも、無断で転貸される場合もあり、上記従来技術では、いずれの場合の対策にもなり得なかった。
【0009】
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたもので、その目的は、貸し出し先における内視鏡の不正な使用を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内視鏡は、被検体内を撮影する内視鏡において、前記内視鏡の使用を制限する使用制限手段と、前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするために用いられる登録情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。この内視鏡をレンタル機器として利用することで、貸し出し先における不正な使用を防止することができる。
【0011】
前記登録情報は、前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含む。
【0012】
前記内視鏡には、前記照合情報と照合される被照合情報を入力する被照合情報入力手段と、前記照合情報と前記被照合情報を照合する照合手段とを設け、前記使用制限手段が、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記前記使用制限を解除することが好ましい。被照合情報は、例えば、前記内視鏡で検査を受ける正当な権限を有する権利者、又は、前記内視鏡を使用する正当な権限を有する権利者であることを認証するための認証情報である。これによれば、被照合情報が入力されない間は、前記内視鏡の使用が制限されるので、正当な権限を有する権利者以外に対して、前記内視鏡が使用されることを制限することができる。
【0013】
前記内視鏡には、前記内視鏡の使用量を測定する使用量測定手段と、前記使用量の実測値が前記上限値を超えたか否かを判定する判定手段とを設け、前記使用制限手段が、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記使用制限を実行することが好ましい。これによれば、予め定められた使用量を超えて内視鏡を使用することを防止することができる。
【0014】
前記使用制限手段は、前記判定手段によって前記実測値が前記上限値を超えたと判定された場合でも、所定の実行条件が満足されるまで、前記使用制限を実行しないことが好ましい。これにより、例えば、検査中に内視鏡の使用制限が実行された場合の不都合を回避することができる。前記実行条件は、例えば、一定時間の経過又は再起動である。
【0015】
前記照合結果及び前記判定結果のうち、少なくとも1つを表示する表示手段を設けることが好ましい。
【0016】
撮影された画像を格納する画像メモリ、又は、前記画像メモリが着脱自在にセットされ、前記画像メモリにアクセスして前記画像を記録する記録手段を備えることが好ましい。これにより、検査施設の手を煩わすことなく、被検者に対して検査画像を提供することができる。
【0017】
本発明の内視鏡装置は、被検体内を撮影する内視鏡と、前記内視鏡と通信可能に接続される周辺装置とからなる内視鏡装置において、前記内視鏡の使用を制限する使用制限手段と、前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするための登録情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。前記周辺装置は、例えば、前記内視鏡が出力する撮像信号に基づいて画像を生成するプロセッサである。
【0018】
前記登録情報は、前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含む。
【0019】
前記内視鏡装置は、前記照合情報と照合される被照合情報を入力する被照合情報入力手段と、前記照合情報と前記被照合情報を照合する照合手段とを備えており、前記使用制限手段が、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記使用制限を解除することが好ましい。
【0020】
前記内視鏡装置は、前記内視鏡の使用量を測定する使用量測定手段と、前記使用量の実測値が前記上限値を超えたか否かを判定する判定手段とを備えており、前記使用制限手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記使用制限を実行することが好ましい。
【0021】
前記内視鏡は、前記プロセッサが生成した前記画像を受信する受信手段と、前記画像を画像メモリに記録する記録手段とを備えていることが好ましい。
【0022】
本発明の内視鏡レンタル支援システムは、内視鏡又は前記内視鏡を含む内視鏡装置をレンタル機器として貸し出すレンタルサービスを支援する内視鏡レンタル支援システムにおいて、前記レンタル機器は、その使用を制限する使用制限手段と、前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするために用いられる登録情報を記憶する記憶手段とを有しており、依頼元端末から通信ネットワークを通じてオンラインでレンタルの申し込み情報を受け付ける受付手段と、前記レンタル機器を貸し出す前に、前記登録情報を生成し、前記レンタル機器の記憶手段に前記登録情報を書き込む登録情報書き込み手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
前記登録情報は、前記レンタル機器前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含む。
【0024】
前記照合情報と照合される被照合情報を生成する被照合情報生成手段を備えていることが好ましい。被照合情報は、例えば、上記のとおり正当な権限を有する権利者であることを認証するための認証情報である。
【0025】
前記レンタル機器が貸し出し先から回収された後、前記記憶手段から前記登録情報を消去して前記記憶手段を初期化する初期化手段を備えていることが好ましい。
【0026】
前記レンタル機器に設けられた画像メモリにアクセスして、前記画像メモリから撮影された画像を読み出す画像読み出し手段と、読み出した画像が保管され、前記画像をオンラインで要求元へ配信する画像サーバとを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、内視鏡を含むレンタル機器にその使用制限の実行又は解除するための登録情報を記憶させて、貸し出しを行うようにしたから、貸し出し先における内視鏡の不正な使用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
内視鏡レンタルサービスの概要を示す図1において、内視鏡レンタル支援システム10は、内視鏡11のレンタルサービスを提供するレンタル業者12が行う業務を、コンピュータを用いて支援するシステムである。レンタル業者12は、レンタルの申し込みを受け付ける受付センタ13と、貸し出し用の内視鏡11を保管する保管センタ14を保有している。保管センタ14には、回収した使用済みの内視鏡11に対して洗浄,消毒,滅菌などを行う洗浄装置16と、洗浄済みの内視鏡11を保管する保管庫17が設置されている。
【0029】
内視鏡レンタル支援システム10は、受付センタ13に設置される受付サーバ18と、保管センタ14に設置される在庫管理端末19と、DB(データベース)サーバ21とを備えており、これらはLAN(Local Area Network)22によって相互に通信可能に接続されている。受付サーバ18は、ルータ23を介して、公衆系の通信ネットワークであるインターネット24に接続されており、インターネット24を通じてオンラインでレンタルの申し込みを受け付ける。DBサーバ21には、受付サーバ18が受け付けた受付情報と、在庫として保有している内視鏡11を管理するための管理情報とを格納するDBが構築されており、DBサーバ21は、受付サーバ18及び在庫管理端末19からのリクエストに応じて、DB内の情報検索とDBの更新を行う。
【0030】
内視鏡のレンタルサービスでは、レンタルを申し込む依頼者と貸し出される内視鏡11の使用者が、ともに内視鏡検査を行う医療施設(例えば、病院、診療所、検診センタ)となるのが標準的であるが、本例では、依頼者と使用者が一致しない例で説明する。具体的には、企業の健康保険組合が、その組合員の集団検診を行うためにレンタルを申し込む依頼者26となり、医療施設である病院27が、貸し出された内視鏡11を使用する使用者となる例で説明する。本例のレンタルサービスは、例えば、順番を示す括弧付き数字が付された手順で行われる。
【0031】
依頼元端末28は、例えば、パーソナルコンピュータであり、インターネット24上のWebサイトにアクセスしてWebページを閲覧するためのブラウザがインストールされている。依頼元端末28は、キーボードやマウスなどの入力デバイスによって操作される。依頼元端末28は、操作指示が入力されると、受付サーバ18へアクセスして、図2に示すレンタル申し込み画面31をダウンロードして、その画面31をモニタに表示する。レンタル申し込み画面31から申し込み情報が入力されて、送信指示がなされると、依頼元端末28は、入力された申し込み情報を受付サーバ18へ送信する。こうして、レンタル申し込みが行われる。
【0032】
図2に示すように、レンタル申し込み画面31には、レンタル希望日,内視鏡種別及び本数,依頼者種別,依頼者名,希望検査施設,会員コード,被検者情報の各項目からなる申し込み情報を入力する入力欄31a〜31gが設けられている。入力欄31aには、レンタルの貸し出し日及び貸し出し日数が入力される。
【0033】
入力欄31bでは、内視鏡の種別が指定される。内視鏡には、検査種別(用途)に応じて、上部消化管用、下部消化管用などの種別があり、入力欄31bには、その種別情報が入力される。入力欄31bには、異なる種別の複数の内視鏡の申し込みを1回の申し込みで行えるように、種別及び本数を入力する入力ボックスが複数組設けられている。
【0034】
入力欄31cでは、依頼者の種別が、医療施設,健康保険組合,その他の3つの選択肢から選択して指定される。各選択肢にはチェックボックスが設けられており、選択は、チェックボックスをチェックすることにより行われる。本例においては、依頼者26が健康保険組合なので、健康保険組合のチェックボックスがチェックされている。入力欄31dには、依頼者名(例えば「○×会社健康保険組合」)が入力される。
【0035】
入力欄31eでは、依頼者26が希望する検査施設(レンタル業者12から見れば内視鏡11の使用者)が指定される。入力欄31eの入力ボックスをマウスのポインタでクリックすると、複数の検査施設が含まれる選択メニューが表示される。選択メニューに表示される検査施設は、例えば、レンタル業者12と提携した医療施設であり、レンタルの内視鏡11を受け入れて、その内視鏡11を使用して検査が可能な医療施設である。選択メニューは、例えば、プルダウン形式で表示され、そのメニューから所望の検査施設が選択されて指定される。これにより、依頼者26の希望に適う検査施設を選べるようにしている。なお、医療施設が依頼者となり、自ら使用する内視鏡のレンタルを申し込む場合には、希望検査施設の入力は不要である。
【0036】
会員コードの入力欄31fには、レンタル業者12が依頼者26に対して発行した会員コードが入力される。会員コードの入力により、依頼者名や依頼者種別の入力を省略可能としてもよい。新規の申し込みの場合には、会員コードの入力は省略される。
【0037】
被検者情報の入力欄31gでは、内視鏡検査を受診する被検者の情報が入力される。被検者は、本例の場合では、健康保険組合の組合員となる。入力欄31gには、入力ボタン31hが設けられており、入力ボタン31hをクリックすると、氏名,年齢,性別,住所などの詳細な項目を入力するための入力ウインドウ(図示せず)が開く。依頼者26は、入力ウインドウから、受診予定の被検者に関する情報(氏名、性別、年齢など)を入力する。また、入力欄31gには、入力ウインドウを使用せずに被検者情報を送付するためのチェックボックス(「後で送信する」)が設けられている。被検者情報を記載したリストを、電子メールやFAX等を用いて後で送信する場合には、チェックボックスにチェックを入れる。
【0038】
申し込みボタン31jは、入力した申し込み情報を送信指示するボタンであり、キャンセルボタン31kは、入力した内容をキャンセルするボタンであり、閉じるボタン31mは、レンタル申し込み画面31を閉じるボタンである。
【0039】
図1に戻って、受付サーバ18は、依頼元端末28からの申し込み情報を受信すると、受付処理を行う。受付処理では、DBサーバ21に対して申し込み情報を転送して、受付情報の記録要求と、在庫問い合わせ要求を発行する。DBサーバ21は、記録要求に従って、受付情報を記録し、在庫問い合わせ要求に従って、在庫の有無(レンタル希望日に指定された種別の内視鏡11が指定本数分あるか否か)を検索して、受付サーバ18に検索結果を応答する。
【0040】
受付サーバ18は、在庫があることを確認した場合には、その在庫を確保するために、DBサーバ21に対してDBの更新要求を発行する。DBサーバ21は、更新要求を受けて、該当する内視鏡11が予約済みであることを示す情報をDBに記録する。この後、受付サーバ18は、受付番号を発行し、依頼元端末28に対して、受付処理が完了した旨の受付完了通知を送信する。
【0041】
受付完了通知送信後、受付サーバ18は、保管センタ14の在庫管理端末19へ出庫準備依頼を発行する。出庫準備処理では、依頼者26に発行する認証カード33、及び貸し出し対象となる内視鏡11内に設けられたEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)11aへの情報登録が行われる。情報登録処理は、保管センタ14のスタッフの操作指示に従って、在庫管理端末19によって実行される。
【0042】
認証カード33は、病院27において、被検者36が、貸し出された内視鏡11で内視鏡検査を受ける正当な権限を有することを認証するための認証情報(被照合情報)が登録されるカードである。認証カード33としては、例えば、情報を記憶するICメモリを内蔵したICカードが使用される。内視鏡11のEEPROM11aには、予め貸し出し時に照合情報が登録されており、認証カード33の認証情報は、EEPROM11aの照合情報と照合される。後述するように、内視鏡11には、不正な使用を防止するための使用制限機構が設けられており、内視鏡11は、使用制限が実行された状態で貸し出される。認証情報と照合情報は、内視鏡11の使用制限の解除をするための情報として利用される。
【0043】
出庫準備処理が完了した後、在庫管理端末19を通じて、内視鏡11の貸し出し先となる病院27の受付端末34に対して、内視鏡11の配送日が通知される。また、依頼者26に対しては、情報登録済みの認証カード33が発送される。認証カード33は、依頼者26によって、被検者36へ配布される。一方、情報登録済みの内視鏡11は、貸し出し日に合わせて病院27へ配送される。
【0044】
検査日には、被検者36が病院27へ登院して、内視鏡検査を受ける。病院27の医師37は、貸し出された内視鏡11を用いて、内視鏡検査を行う。この検査の際に、認証カード33によって内視鏡11の使用制限が解除される。
【0045】
病院27において、内視鏡11は、プロセッサ38と接続されて使用される。プロセッサ38は、内視鏡11から撮像信号を得て画像を生成するプロセッサである。検査が終了すると、使用済みの内視鏡11は、レンタル業者によって回収される。保管センタ14では、回収された使用済みの内視鏡11を再使用可能にするためのリプロセス処理が行われる。
【0046】
リプロセス処理は、洗浄装置16による洗浄処理と、洗浄終了後に行われる後処理とからなる。ここで、洗浄処理には、洗浄液による洗浄に加えて、消毒液による消毒、オートクレーブなどの滅菌のうち少なくとも1つが含まれる。洗浄が終了した内視鏡11は、保管庫17へ収納される。
【0047】
後処理は、内視鏡11のEEPROM11aからの情報を読み出す情報読み出し処理と、EEPROM11aを初期化する初期化処理からなる。後処理は、例えば、内視鏡11を保管庫17に収納した状態で、在庫管理端末19によって行われる。また、在庫管理端末19は、後処理完了後、その完了通知を受付サーバ18へ通知する。受付サーバ18は、その通知を受けて、依頼者26に対して代金請求処理を行う。
【0048】
本例のレンタルサービスの概要は、以上の通りである。以下、上記サービスを支援する内視鏡レンタル支援システム10の各部の構成について説明する。
【0049】
図3に示すように、DBサーバ21は、受付サーバ18及び在庫管理端末19によって共用されるデータベースサーバであり、各装置18,19から受付情報や管理情報を受信して、そのデータを保管するデータストレージとしても機能する。DBサーバ21には、受付情報や管理情報の検索を容易にできるように、DB41が構築される。DBサーバ21は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、データベースを管理するソフトウエアであるDBMS(Data Base Management System)をインストールすることによって構成される。
【0050】
DB41は、受付情報が格納される受付テーブル(TBL)42,内視鏡11の管理情報が格納される管理テーブル(TBL)43から構成される。受付サーバ18は、1件の申し込みを受け付ける毎に、申し込み情報に基づいて、図4(A)に示す受付レコード42aを1件生成する。受付レコード42aは、受付テーブル42に、受付順に格納される。受付レコード42aは、受付番号,受付日時,依頼者情報,内視鏡種別及び本数,貸し出し日,貸し出し日数,検査施設,被検者情報,代金請求などの複数のデータフィールドからなる。申し込み情報の各項目は、それぞれに対応するデータフィールドに記録される。
【0051】
被検者情報のデータフィールドには、被検者名や被検者IDなどの被検者情報が記録されるが、申し込み情報とは別に、複数の被検者情報を収録したリストファイルを受け付けた場合には、被検者情報のデータフィールドには、リストファイル名(例えば、被検者リスト12478)が記録される。図4(C)に示すように、リストファイルは、DB41に、リスト情報44として格納される。リスト情報44と受付レコード42aとは、リストファイル名によって相互参照が可能になっている。また、返却日のデータフィールドには、返却日が記録され、代金請求のデータフィールドには、請求済みか未了かを表す情報が記録される。
【0052】
図4(B)に示す管理レコード43aは、在庫として抱える内視鏡11を管理するための情報であり、在庫管理端末19によって、内視鏡1本毎に生成される。管理レコード43aは、内視鏡ID,内視鏡種別,最終洗浄日時,最終貸し出し日,受付番号,最終返却日,最終点検日などの複数のデータフィールドからなる。内視鏡IDは、内視鏡11毎に付与される固有の識別情報である。最終洗浄日時,最終貸し出し日,最終返却日,最終点検日は、それぞれ、当該内視鏡11が最後に、洗浄,貸し出し,返却,点検された日時を表す情報であり、これらのデータフィールドは、在庫管理端末19によって更新される。
【0053】
受付番号は、受付時の在庫確認後に当該内視鏡11を確保するために受付サーバ18によって記録される。この受付番号が管理レコード43aに記録されているか否かによって、当該内視鏡11に貸し出しの予約がされているか否かが識別される。また、受付番号によって、受付レコード42aと管理レコード43aは、相互参照可能に対応付けられる。
【0054】
また、DB41には、これらのデータの他に、会員の名称、住所、連絡先などの会員情報を記録する会員マスタファイル、提携先の検査医療施設の名称、住所、連絡先などの情報を記録する検査医療施設マスタファイル、レンタル料金の体系を定めた課金情報を記録する課金マスタファイルなどが含まれており、これらのデータも受付サーバ18及び在庫管理端末19から参照可能に格納されている。
【0055】
受付サーバ18は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、レンタル受付プログラムをインストールすることによって構成される。受付サーバ18は、CPU51,メモリ52,HDD53,LANポート54,コンソール56を備えており、これらはデータバス57を介して接続されている。コンソール56は、操作画面やデータを表示するディスプレイと、キーボードやマウスを含む入力デバイスからなる。
【0056】
HDD53には、オペレーティングシステムなどの制御プログラムやレンタル受付プログラム58、レンタル申し込み画面31のデータなどがインストールされている。メモリ52は、CPU51が処理を実行するための作業用のメモリである。CPU51は、HDD53に格納されたプログラムをメモリ52へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、装置各部を統括的に制御する。LANポート54は、LAN22を介して通信を行うための通信制御を行うネットワークインタフェースである。
【0057】
CPU51は、レンタル受付プログラム58が起動されると、申し込み受付部51a,出庫準備依頼部51b,代金請求部51cとして機能する。申し込み受付部51aは、依頼元端末28からのアクセスを受け付けて、レンタル申し込み画面31の配信処理を実行するとともに、レンタル申し込み画面31を通じて入力された申し込み情報を受信して、上記受付処理を実行する。申し込み受付部51aは、申し込み情報に基づいて、受付レコード42aを生成する。また、依頼内容(内視鏡種別及び本数)に応じた内視鏡11の管理レコード43aに受付番号を記録して、内視鏡11を確保する。受付処理終了後、受付完了通知を依頼元端末28へ送信する。
【0058】
出庫準備依頼部51bは、在庫管理端末19に対して、出庫準備依頼を発行する。代金請求部51cは、依頼者26に対してレンタル代金の請求処理をする。請求処理では、予め依頼者26から届け出を受けた金融機関に対して、決済情報が送信される。代金請求部51cは、在庫管理端末19から、回収した内視鏡11のリプロセスが終了した旨の通知を受けると、請求処理を実行する。
【0059】
在庫管理端末19は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、在庫管理プログラムをインストールすることによって構成される。在庫管理端末19は、CPU61,メモリ62,HDD63,USB(Universal Serial Bus)ポート64,LANポート66,コンソール67を備えており、これらはデータバス68を介して接続されている。コンソール67は、操作画面やデータを表示するディスプレイと、キーボードやマウスを含む入力デバイスからなる。
【0060】
HDD63には、オペレーティングシステムなどの制御プログラムや在庫管理プログラム69がインストールされている。メモリ62は、CPU61が処理を実行するための作業用のメモリである。CPU61は、HDD63に格納されたプログラムをメモリ62へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、装置各部を統括的に制御する。
【0061】
LANポート66は、LAN22を介して通信を行うための通信制御を行うネットワークインタフェースである。USBポート64は、周知のように、USB規格に準拠した通信インタフェースであり、パソコンとその周辺装置との接続を行うための標準的な通信インタフェースである。USBポート64には、認証カード33にアクセスして情報の読み出しや書き込みを行う、認証カード用のリーダライタ71が接続される。
【0062】
CPU61は、在庫管理プログラム69が起動されると、準備依頼受付部61a,情報登録部61b,後処理部61cとして機能する。準備依頼受付部61aは、受付サーバ18が発行する準備依頼を受け付ける。準備依頼を受信すると、在庫管理端末19のコンソール67にはその旨の表示がなされ、保管センタ14のスタッフに内視鏡11の出庫準備処理の実行を促す。
【0063】
情報登録部61bは、保管センタ14のスタッフによってコンソール67を通じて入力される操作指示に従って、認証カード33及びEEPROM11aへの情報登録を行う。
【0064】
図5に示すように、リーダライタ71は、認証カード33が装填されるスロットを備えている。スタッフは、未記録の認証カード33をスロットに装填して、出庫準備処理を実行すべき内視鏡ID、申し込みの受付番号、情報登録指示を、在庫管理端末19へ入力する。この操作指示が入力されると、情報登録部61bは、DBサーバ21のDB41にアクセスして、必要な情報を読み出して、認証カード33に登録すべき認証情報を生成する。認証情報を生成した後、その書き込み指示をリーダライタ71に与える。リーダライタ71は、書き込み指示に従って、認証情報を認証カード33へ記録する。
【0065】
一方、情報登録部61bは、認証カード33に対応する照合情報を、内視鏡11のEEPROM11aに対して登録する。登録は、EEPROM用のリーダライタ72を用いて行われる。リーダライタ72は、例えば、保管庫17に設置された、内視鏡11を収納する収納ラック76に設けられている。収納ラック76には、複数本の内視鏡11が収納可能であり、リーダライタ72は、その本数分設けられる。内視鏡11は、例えば、コネクタを介してリーダライタ72と接続された状態で、収納ラック76内に保管される。リーダライタ72は、例えば、LAN22を介して、在庫管理端末19と通信可能に接続される。
【0066】
情報登録部61bは、コンソール67から登録指示が入力されると、前記認証情報に対応する照合情報を生成し、その照合情報の書き込み指示をリーダライタ72に与える。リーダライタ72は、書き込み指示に従って、照合情報をEEPROM11aに書き込む。在庫管理端末19の後処理部61cは、回収された内視鏡11のEEPROM11aから情報を読み出して、DB41を更新する。そして、情報読み出し後、EEPROM11a内の照合情報等を消去して、EEPORM11aを初期化する。
【0067】
図6に示すように、EEPROM11aには、例えば、内視鏡ID,洗浄情報,照合情報,使用量情報,照合結果が格納される。内視鏡IDとしては、例えば、製造時にメーカで記録されるIDや、レンタル業者12によって付与される識別用のIDが使用される。洗浄情報としては、最後に洗浄が行われた最終洗浄日時が記録される。この最終洗浄日時は、洗浄装置16によって記録される。在庫管理端末19は、EEPROM11aに記録された最終洗浄日時を参照して、管理レコード43aの最終洗浄日時を記録する。
【0068】
照合情報には、例えば、依頼者情報,検査医療施設,被検者情報,検査(使用)予定日が含まれる。認証カード33のICメモリ33aには、これら照合情報と同じ情報が、認証情報として登録される。これら照合情報と認証情報が照合され、両者が一致した場合に、内視鏡11の使用制限が解除される。認証カード33は、被検者36によって病院27に持ち込まれるので、被検者36が検査を受診するまでの間に、被検者36に割り当てられた内視鏡11が別の検査に使用されることが防止される。
【0069】
なお、本例で示した照合情報及び認証情報の各項目は、一例であり、各項目の組み合わせはこれに限るものではない。例えば、これらのうち、いずれか1項目でもよいし、これらの項目に加えて、さらに別項目を加えてもよい。また、これらの各項目を、認証カード33やEEPROM11aにそれぞれ登録だけはしておき、そのうちの1項目を照合対象の項目として使用してもよい。また、被検者情報などのID情報をパスワードと利用しているが、これらの項目とは別に、専用のパスワードを生成して使用してもよい。
【0070】
使用量情報は、内視鏡11が所定の使用量を超えて不正に使用されないようにするために記録される情報である。使用量情報としては、例えば、プロセッサ38と内視鏡11との接続回数及び接続時間を含む使用量の上限値、接続回数及び接続時間の実測値が格納される。
【0071】
使用量上限値は、貸し出し日数を含むレンタル契約の内容に応じて設定され、出庫準備処理の際に、在庫管理端末19によって記録される。例えば、貸し出し日数が1日の場合には、使用量上限値が1日と設定され、2日の場合には、2日と設定される。もちろん、日数単位ではなく時間単位で定めてもよい。接続回数は、プロセッサ38と接続可能な回数であり、例えば、1回の検査に必要な接続回数が上限値として設定される。使用量上限値は、貸し出し日数が1日の場合でも、2日を設定するといったように、ある程度余裕を持たせた値を設定してもよく、レンタル業者12によって適宜設定が可能である。
【0072】
接続回数及び接続時間の実測値は、後述するように、内視鏡11自体で測定されて記録される。実測値が上限値を超えた場合には、内視鏡11の使用制限が実行される。また、実測値は、内視鏡11の回収後、在庫管理端末19によって読み出され、管理レコード43aに記録される。管理レコード43aに記録された実測値は、例えば、保守点検の時期を見極めるための情報として利用される。また、その実測値を、依頼者26への請求代金を算定する基礎として利用してもよい。
【0073】
照合結果は、認証情報と照合情報が一致したか否かのいずれかが記録される。使用量判定結果は、実測値が上限を超えたか否か(超過or上限値内)が記録される。照合結果及び使用量判定結果も、実測値と同様に、内視鏡11によって記録される。これら使用量情報、照合結果及び使用量判定結果は、照合情報とともに初期化処理の対象となり、回収後に読み出された後、消去される。
【0074】
図7に示すように、内視鏡11は、接続されたプロセッサ38からの給電を受けて動作する。内視鏡11は、被検者36の体腔内に挿入される可撓性の挿入部を備えている。挿入部の先端には、観察窓81が設けられており、観察窓81の内部には、撮影レンズ82と、CCD83などの固体撮像素子が設けられている。また、先端には、照明窓が設けられており、ライトガイドによって導光される光が、照明窓から被観察部位に向けて照射される。
【0075】
内視鏡11は、CCD83及びEEPROM11aの他、ドライバ84,コネクタ86,制限スイッチ87,切り替え回路88,CPU89,タイマ91,表示器92,操作ボタン93,カードリーダ94を備えている。
【0076】
ドライバ84は、制御信号に基づいてCCD83を駆動する。CCD83から出力されるアナログの撮像信号は、コネクタ86を介してプロセッサ38に入力される。制限スイッチ87は、例えば、スイッチングトランジスタであり、ドライバ84とコネクタ86を結ぶ信号経路上に配置されている。制限スイッチ87がオフされると、信号経路が遮断されて、撮像信号のプロセッサ38への入力が阻止される。オンされると、信号経路が導通されて、プロセッサ38への入力が許容される。制限スイッチ87のオンオフは、切り替え回路88によって切り替えられる。制限スイッチ87は、オフの状態で貸し出される。
【0077】
CPU89は、内視鏡11の装置各部を制御する。カードリーダ94は、内視鏡11の本体に設けられており、認証カード33を着脱自在に装填可能なスロット94aを備えている。カードリーダ94は、認証カード33にアクセスして登録された認証情報を読み取る。CPU89は、カードリーダ94から認証情報を受け取り、EEPROM11aから読み出した照合情報との照合処理を行う。照合処理の結果、両者が一致しない場合には、使用制限を解除せず、両者が一致した場合には、CPU89は、切り替え回路88を通じて制限スイッチ87をオンして、使用制限を解除する。照合結果は、CPU89によってEEPROM11aに書き込まれる。
【0078】
また、CPU89は、プロセッサ38と内視鏡11の接続を検知する接続検知手段として機能する。接続の検知は、コネクタ86を通じて、プロセッサ38と接続されたときの信号線の電圧変化などを検出することにより行われる。タイマ91は、接続時間を測定する測定手段である。タイマ91は、プロセッサ38との接続が検知されると、作動して計時を開始する。
【0079】
CPU89は、タイマ91で測定された接続時間に基づいて、EEPROM11a内の接続時間の実測値を、所定時間間隔で更新する。CPU89は、接続時間の実測値と、予め設定された使用量上限値とを比較して、実測値が使用量上限値を超えたか否かを判定する。実測値が使用上限値を超えた場合には、切り替え回路88を介して、制限スイッチ87をオフする。この判定は、実測値の更新間隔に合わせて繰り返し行われる。
【0080】
なお、本例では、実測値の更新や判定を所定時間間隔で行っているが、これは、内視鏡11が、プロセッサ38から給電を受けて動作しているため、実測値の更新や判定のタイミングを、接続終了時とすると、適切に更新や判定が行われない可能性があるからである。したがって、例えば、内視鏡11にバッテリを内蔵して、プロセッサ38からの給電を受けずに、更新や判定が確実に行われるようにすれば、接続中は、更新や判定を行わずに、接続終了の際に、更新と判定を実行するようにしてもよい。
【0081】
表示器92は、例えば、液晶表示器であり、使用者にメッセージを報知する。表示されるメッセージには、カードリーダ94への認証カード33の挿入を促すメッセージ(例えば、「認証カードを挿入してください」)、認証情報と照合情報の照合結果(例えば、「パスワードが一致しないので、使用制限を解除できません。あるいは、パスワードが一致したので、使用制限を解除しました」)、使用量の実測値と上限値の判定結果(例えば、「使用量が上限を超えたため、使用制限を実行しました」)が含まれる。さらに、CPU89が使用量の上限値から実測値を控除した値に基づいて、使用可能な残量(時間、日数及び接続回数)を表示してもよい。
【0082】
操作ボタン93には、静止画の画像データを記録するためのレリーズボタンや、プロセッサ38のモニタの画像表示を一時停止するフリーズボタンが含まれる。操作ボタン93の操作信号は、CPU89を経由して、プロセッサ38へ入力される。
【0083】
プロセッサ38は、CPU101,コネクタ102,信号処理部103,画像処理部104,表示制御部105,HDD106,LANポート107を備えている。CPU101は、装置各部を制御する。コネクタ102は、コネクタ86と接続され、内視鏡11からの撮像信号を受信するとともに、CPU101からの制御信号を内視鏡11へ送信する通信インタフェースである。
【0084】
信号処理部103は、アナログの撮像信号のゲイン調整や、撮像信号をデジタルな画像データへ変換するA/D変換を行う。画像処理部104は、画像データに対して種々の画像処理を施す。表示制御部105は、画像処理済みの画像データに基づいて表示用画像を生成して、モニタ109へ出力する。また、画像処理部104は、レリーズボタンの押下により静止画の記録指示が入力された場合には、撮影された静止画の画像データをHDD106に出力して保存する。動画を保存する場合には、動画の画像データがHDD106に出力されて保存される。
【0085】
LANポート107は、LAN22を介して通信を行うための通信制御を行うネットワークインタフェースである。プロセッサ38は、LANポート107を介して、例えば、画像ファイリング装置と接続され、LANポート107は、保存した画像データを画像ファイリング装置へ転送するための出力ポートとして用いられる。
【0086】
以下、図8〜図10のフローチャートを参照しながら、上記構成による作用を説明する。レンタル申し込みから出庫準備までのフローを示す図8において、受付サーバ18が起動されると、申し込みを受け付ける待機状態に入る。依頼元端末28からのアクセスを受け付けると、依頼元端末28へレンタル申し込み画面31を配信する。依頼元端末28は、レンタル申し込み画面31を通じて入力された申し込み情報を受付サーバ18に送信する。
【0087】
受付サーバ18は、申し込み情報を受信すると、受付処理を実行する。受付処理では、申し込み情報に基づいて受付レコード42aを生成し、これを受付テーブル42へ格納する。また、内視鏡11の種別及び本数を検索条件としてDBサーバ21へ送信して、該当する内視鏡11の在庫の有無を確認する。在庫が確認できた場合には、その内視鏡11の管理レコード43aに受付番号を記録して、管理テーブル43を更新し、内視鏡11を確保する。そして、受付サーバ18は、在庫管理端末19に対して、受付番号を記録した内視鏡11の出庫準備依頼を発行する。受付処理が完了すると、受付サーバ18は、依頼元端末28に対して受付完了通知を送信する。
【0088】
保管センタ14のスタッフは、在庫管理端末19に出庫準備依頼が届いている場合には、在庫管理端末19を使用して出庫準備を行う。スタッフは、在庫管理端末19を操作して、依頼対象の内視鏡IDを確認し、その内視鏡11に対する情報登録指示を入力する。情報登録指示が入力されると、在庫管理端末19は、申し込み情報に基づいて、図6に示す照合情報を生成し、LAN22及びリーダライタ72を通じて、指定された内視鏡11のEEPROM11aに照合情報を登録する。また、この照合情報に対応する認証情報を、リーダライタ71にセットされた未記録の認証カード33へ登録する。
【0089】
LAN22及びリーダライタ72を通じて、内視鏡11のEEPROM11に情報が登録されるので、情報登録のために内視鏡11を保管庫17から運び出したり、スタッフが保管庫17に赴く必要がなく、出庫準備作業を簡単に行うことができる。
【0090】
在庫管理端末19は、情報登録が完了した後、配送日を病院27へ通知する。出庫準備処理が完了すると、スタッフによって、情報登録済みの認証カード33が依頼者26へ発送され、依頼者26によって、被検者36に認証カード33が配布される。また、内視鏡11は、使用制限が実行された状態(制限スイッチ87がオフ)で出庫され、貸し出し日に間に合うように、病院27へ配送される。
【0091】
検査日には、被検者36が認証カード33を持参して病院27で検査を受ける。医師37は、被検者から認証カード33を受け取って、内視鏡検査を開始する。内視鏡11は、コネクタ86を介してプロセッサ38に接続される。内視鏡11は、プロセッサ38に接続されると、プロセッサ38から給電を受けて作動を開始する。
【0092】
図9に示すように、CPU89は、プロセッサ38との接続を検知すると、認証カード33の装填を促す案内メッセージを表示器92に表示する。認証カード33がカードリーダ94へ装填されると、CPU89は、EEPROM11a内の照合情報と認証カード33内の認証情報とを照合する。照合により、両情報が一致した場合には、CPU89は、切り替え回路88を通じて、制限スイッチ87をオンして、使用制限を解除する。一方、一致しない場合には、使用制限を解除せずに、表示器92に警告メッセージを表示する。
【0093】
このように、被検者36が持参する認証カード33内の認証情報によって、内視鏡11の使用制限を解除するようにしているから、被検者36以外の検査に内視鏡11が不正に使用されることがない。レンタル業者12にとっては、不正使用が防止されることにより、貸し出した内視鏡11に起因する不測の医療事故の発生を未然に防ぐことができる。また、被検者36に対しては、レンタル業者12によって適切に整備された状態の内視鏡11によって検査が受けられるという、安心感を与えることができる。
【0094】
使用制限が解除されると、CPU89は、EEPROM11a内の接続回数の実測値を更新する。また、接続時間の計時が開始され、EEPROM11a内の接続時間の実測値が所定時間間隔で更新される。そして、CPU89は、これらの実測値と上限値の比較を、実測値が更新される毎に行う。CPU89は、使用量が上限値を超えた場合には、制限スイッチ87をオフして、使用制限を実行する。使用制限を実行した場合には、規定の使用量を超えたので内視鏡11が使用不能にされた旨の警告メッセージが、表示器92に表示される。このように、内視鏡11の使用量を監視して、規定の使用量を超えた場合に、使用制限を行うようにしたので、予め契約した使用量を超えて、内視鏡11が不正に使用されることが防止される。このため、内視鏡11が適切な点検時期を超えて使用されることが防止され、貸し出し先における医療事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0095】
検査を終了した内視鏡11は、病院27から保管センタ14へ回収される。保管センタ14へ回収されると、使用済みの内視鏡11は、洗浄装置16で洗浄される。この洗浄の際に、洗浄装置16によって、EEPROM11a内に最終洗浄日時が記録される。洗浄処理が終了すると、内視鏡11は保管庫17へ収容され、後処理が開始される。
【0096】
図10に示すように、在庫管理端末19が起動されて、スタッフによって、指定した内視鏡11の後処理の指示が入力されると、在庫管理端末19は、LAN22及びリーダライタ72を通じて、後処理を実行する。リーダライタ72によってEEPROM11aから使用量の実測値が読み出されると、在庫管理端末19は、その実測値をDB41の管理テーブル43に記録する。また、受付テーブル42にアクセスして、受付レコード42aに返却日を記録する。返却日を記録した後、在庫管理端末19は、受付レコード42a内の受付番号をクリアする。これにより、当該内視鏡11に次の予約が入れられるようになる。在庫管理端末19は、EEPROM11aから必要な情報の読み出しを終了した後、EEPROM11a内の登録情報を消去して、初期化する。在庫管理端末19は、後処理が完了すると、後処理完了通知を受付サーバ18に送信する。受付サーバ18は、後処理完了通知を受信すると、依頼元へ代金請求処理を実行する。
【0097】
上記実施形態では、認証情報が登録された認証カードを用い、認証カードを内視鏡へセットすることにより、内視鏡への認証情報の入力を行い、照合処理が実行されるようにしているが、内視鏡へ認証情報を入力する手段は、上記に限定されるものではない。例えば、暗証番号や暗証コードなどの認証情報を入力するための操作パネルを内視鏡に設けて、その操作パネルから認証情報を入力するようにしてもよい。また、内視鏡と接続されるプロセッサや、プロセッサと接続される画像ファイリング装置などの周辺装置から、コネクタを通じて内視鏡へ認証情報を入力するようにしてもよい。
【0098】
これらの場合には、例えば、被検者が認証情報を内視鏡検査を行う病院のスタッフに告げて、スタッフが認証情報を入力する。また、被検者が入力してもよい。また、これらの場合には、内視鏡に認証カードがセットされるカードリーダを設ける必要はない。さらに、これらの場合には、認証情報を登録した認証カードを依頼者へ送付しなくてもよく、認証情報を電子メールなどによって依頼者へ通知するようにしてもよい。この場合には、例えば、受付サーバ18が依頼元端末28へ認証情報を通知する。
【0099】
上記実施形態では、内視鏡の使用制限として、内視鏡によって検査を受ける被検者の認証による使用制限とともに、使用量を監視して使用量に応じた使用制限の両方を行う例で説明したが、いずれか一方だけでもよい。
【0100】
上記実施形態では、使用量が上限値を超えた場合には、直ちに内視鏡が使用不能になる例で説明したが、検査中に突然使用不能になって観察画像が確認できなくなってしまうと、すでに内視鏡が挿入されている被検体の観察や処置に支障が生じる。そのため、使用量が超えたと判定された場合でも、所定の実行条件が満足されるまでの間、使用制限が実行されないようにするとよい。所定の実行条件は、当該検査が終了するまでの間、観察や処置に支障が生じないようにするための条件であり、具体的には、以下のとおりである。
【0101】
例えば、図11に示すように、使用量が上限値を超えた場合には、CPU89が、使用量判定結果として使用量超過フラグをEEPROM11aに書き込み、接続が終了するまでは、使用制限を行わず、警告のみを行う。そして、次回の接続により内視鏡が再起動した際には、CPUが使用量超過フラグの有無を判定し、使用量超過フラグが書き込まれている場合には、使用制限を実行する。
【0102】
また、使用量が上限値を超えた場合でも、警告のみを行って、一定時間が経過する間、使用制限の実行を猶予するようにしてもよい。この場合には、CPU89は、使用量が上限値を超えたと判定したときに、タイマ91による計時を開始し、一定時間の経過を待って使用制限を実行する。
【0103】
また、上記実施形態では、使用制限手段として、撮像信号の信号経路を遮断する制限スイッチを用い、撮像信号が出力されないようにする例で説明したが、撮像信号が全く出力されないようにするのではなく、出力する解像度や画素数を落とすようにしてもよい。これによれば、使用制限を実行した場合でも、低画質の観察画像が得られるので、観察や処置に最小限必要な視野を確保できる。
【0104】
また、使用制限の内容としては、例えば、観察は可能だが、静止画の保存はできないなど、一部の機能を制限するようにしてもよい。また、撮像信号ではなく、制御信号の信号経路や給電経路を遮断するようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、使用量が上限値を超えたか否かの判定を、使用時間や接続回数に従って実測値を更新し、更新した実測値と上限値とを比較して行っているが、予め記録した上限値から、使用時間や接続回数を控除して、上限値が0になったときに使用量が上限値を超えたと判定するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、使用時間と接続回数の両方を使用量として使用しているが、いずれか一方だけでもよい。また、使用量としては、静止画の撮影枚数を使用してもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、警告や案内のメッセージを表示する表示器として、液晶表示器を使用した例で説明しているが、もちろん、液晶表示器に限らず、インジケータランプ、音声表示器など、各種の表示器を使用してもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、内視鏡のEEPROMに照合情報を記録する例で説明したが、照合情報を記録する内視鏡用の内部メモリとしては、EEPROM以外でもよく、例えば、RFIDタグを利用してもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、内視鏡に、制限スイッチ、EEPROM及びCPUを設け、内視鏡で、使用制限の解除や実行を判定するようにしているが、使用制限を行うための構成の全部又は一部を、プロセッサや画像ファイリング装置など、内視鏡と通信可能に接続される周辺装置に設けてもよい。この場合には、例えば、周辺装置が内視鏡のCPUの代わりに、内視鏡のEEPROMから照合情報を読み出して、使用制限の解除をするか否かを判定したり、使用量を測定して、使用量の実測値が上限値を超えたか否かを判定する。また、内視鏡とプロセッサをセットでレンタルするような場合には、プロセッサ内に照合情報や使用量の上限値を登録する記憶手段を設け、プロセッサで使用制限の解除や実行の判定を行うとともに、内視鏡に対して制御信号の出力を制限するといった使用制限を行うようにしてもよい。
【0110】
ところで、被検者の中には、内視鏡の検査結果だけでなく、検査時に撮影した検査画像を欲するものもいる。しかし、医療施設は、多忙を極めているため、そうした被検者の要望には応えにくいという問題があった。そこで、以下に、レンタル用の内視鏡を利用して、そうした要望に応えることが可能な実施形態を以下に示す。
【0111】
図12において、内視鏡110は、画像データの記録が可能な容量を持つメモリカード111が着脱自在に装填される。ここで、内視鏡110は、図7に示す内視鏡11と共通する部分が多いため、共通部分については、便宜上、共通の符合を付す。メモリカード111は、例えば、CFカードである。
【0112】
内視鏡110は、上記内視鏡11と同様に使用制限機能を備えており、メモリカード111は、ICカードを用いた上記認証カード33と同様に機能する。すなわち、メモリカード111には、被検者の認証を行うための認証情報が登録され、被検者36によって病院27に持ち込まれる。内視鏡110には、メモリカード111にアクセスして情報の読み出しと書き込みを行うメモリカード用のリーダライタ112が設けられている。リーダライタ112は、メモリカード111を着脱自在にセットされるスロット112aを備えている。リーダライタ112は、スロット112aに装填されたメモリカード111にアクセスして、メモリカード111から認証情報を読み出しと、メモリカード111への画像データの書き込みを行う。
【0113】
CPU89は、プロセッサ38に対して、HDD106に保存された静止画の画像データの送信をリクエストする。プロセッサ38は、送信リクエストに応答して、コネクタ102を介して内視鏡110に対して、画像データを送信する。コネクタ86で受信した画像データは、リーダライタ112によってメモリカード111に書き込まれる。検査終了後、メモリカード111は、被検者36によって持ち帰られる。これにより、被検者36は、検査画像を受け取ることができる。なお、静止画を記録する例で説明したが、メモリカード111に容量があれば、静止画に加えて動画を記録してもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、メモリカードに検査画像を記録して、被検者36に提供する例で説明したが、メモリカードの代わりに、内視鏡のEEPROMに記録してもよい。この場合には、図13に示すように、例えば、保管センタ14において実施される後処理において、在庫管理端末19が、リーダライタ72を通じて、内視鏡11のEEPROM11aから、被検者情報とともに検査画像を読み出す。在庫管理端末19は、EEPROM11aからの検査画像の読み出しが完了した場合には、EEPROM11a内の検査画像を消去する。これにより、個人情報がレンタル用の内視鏡を通じて不用意に流出することが防止される。検査画像の消去は、例えば、後処理部61cによって、登録情報の消去を行う初期化のタイミングで行われる。
【0115】
読み出した検査画像は、在庫管理端末19から、LAN22を通じて、画像サーバ121にアップロードされる。画像サーバ121の制御部121aは、画像格納エリア121bに、検査画像を、被検者IDに関連付けて格納する。
【0116】
画像サーバ121は、インターネット24に接続されており、インターネット24を通じて検査画像の配信要求を受け付ける。被検者36は、ブラウザがインストールされたパーソナルコンピュータなどの端末から画像サーバ121にアクセスする。画像サーバ121は、画像配信要求を受信すると、ID入力画面を要求元端末へ配信する。このID入力画面で、例えば、被検者IDが入力されて、そのIDが画像サーバ121へ送信される。画像サーバ121の制御部121aは、そのIDに対応する検査画像を、画像格納エリア121b内から検索する。被検者IDに対応する検査画像がある場合には、その検査画像を要求元へ配信する。対応する検査画像が無い場合には、その旨のメッセージを配信する。
【0117】
これにより、内視鏡のEEPROMに検査画像を記録するようにした場合でも、被検者に対して検査画像を提供することが可能となる。検査画像は、被検者IDによって認証された端末へ配信されるので、個人情報が不用意に流出することはない。よりセキュリティを重視する場合には、被検者IDとは別にパスワードを発行して、パスワード照合により、配信を許可するようにしてもよい。
【0118】
このように内視鏡のEEPROMを、検査画像を格納する画像メモリとして用いれば、CFカードなどのメモリカードを用いずに、検査画像を提供することが可能になる。また、画像提供サービスにメモリカードを使用すると、メモリカードの代金を利用料に転嫁せざるを得ないので、サービスの利用料が高額化する懸念があるが、内視鏡のメモリと画像サーバを使用して画像提供を行えば、そうした懸念もなく、利用料を低額化することができる。なお、内視鏡とプロセッサをセットで貸し出す場合には、プロセッサのHDDを画像メモリとして使用してもよい。
【0119】
上記実施形態では、受付サーバによって、レンタルの申し込みの受付処理を行って、在庫管理端末によって、出庫準備処理と後処理を行う例で説明したが、これらの処理を1つの装置で行うようにしてもよい。
【0120】
上記実施形態では、在庫管理端末によって、回収後の内視鏡の後処理(情報読み出し及び初期化)を行う例で説明したが、在庫管理端末の代わりに、洗浄装置によって行ってもよい。この場合には、洗浄装置には、内視鏡のコネクタと接続して、内視鏡の内部メモリの情報を読み出し、読み出した情報を、ネットワークを通じて外部に出力する情報出力機能が備えられる。また、画像の読み出し及び画像サーバへのアップロードを、在庫管理端末の代わりに洗浄装置に行わせてもよい。
【0121】
上記実施形態では、依頼者として、企業などの法人の健康保険組合を例に説明したが、依頼者は、法人に限らず個人でもよい。依頼者が個人となる場合のレンタルサービスの利用例としては、例えば、依頼者が、内視鏡のレンタルの申し込みをし、そのレンタル内視鏡で検査を受ける権利を、依頼者の近親者や大切な友人など、依頼者がその人の健康を気づかって内視鏡検査を受けてもらいたいと考えている相手に対して、あたかもギフト券のようにプレゼントするといった利用例が考えられる。内視鏡検査には少なからず苦痛が伴うため、内視鏡検査を受けることに消極的な人や、自ら検査を申し込むことを億劫がって敬遠している人も多く、そのような人に対しては、こうしたサービスが、検査を受ける良い機会を与えることにもなる。
【0122】
また、レンタルサービスの形態として、内視鏡をレンタルする依頼者と、貸し出された内視鏡を使用する使用者とが一致しない例で説明したが、これに限らず、本発明は、依頼者と使用者が一致する標準的な形態(例えば、医療施設がレンタルを申し込む場合)のレンタルサービスにも適用することが可能である。
【0123】
また、内視鏡単体をレンタル機器としてレンタルする例で説明したが、内視鏡と、プロセッサや画像ファイリング装置などの周辺装置からなる内視鏡装置をレンタル機器としてもよい。
【0124】
また、医療用内視鏡を例に説明したが、本発明は、工業用内視鏡など、医療用内視鏡以外にも適用することが可能である。
【0125】
また、上記実施形態では、本発明を、レンタルサービスを支援するシステムの形態で説明したが、方法やプログラムの形態にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】内視鏡レンタルサービスの概要を説明する説明図である。
【図2】レンタル申し込み画面の例を示す説明図である。
【図3】受付サーバと在庫管理端末の概略構成図である。
【図4】受付レコードと管理レコードの説明図である。
【図5】後処理の説明図である。
【図6】EEPROM及び認証カードに記録される情報の例を示す説明図である。
【図7】内視鏡装置の構成図である。
【図8】レンタル申し込みから出庫準備までの手順を示すフローチャートである。
【図9】内視鏡の使用制限の解除及び実行の手順を説明するフローチャートである。
【図10】内視鏡の回収後の手順を示すフローチャートである。
【図11】検査途中で使用制限が実行されないようにする例のフローチャートである。
【図12】メモリカードを使用して被検者に検査画像を提供する場合の内視鏡装置の構成図である。
【図13】内視鏡のEEPROMをしようして被検者に検査画像を提供する場合の説明図である。
【図14】図13の例の検査画像のダウンロード手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
10 内視鏡レンタル支援システム
11 内視鏡
11a EEPROM
12 レンタル業者
13 受付センタ
14 保管センタ
16 洗浄装置
17 保管庫
18 受付サーバ
19 在庫管理端末
21 DBサーバ
26 依頼者
27 病院
28 依頼元端末
33 認証カード
33a ICメモリ
36 被検者
38 プロセッサ
41 DB
51 (受付サーバの)CPU
51a 申し込み受付部
51b 出庫準備依頼部
51c 代金請求部
61 (在庫管理端末の)CPU
61a 準備依頼受付部
61b 情報登録部
61c 後処理部
86 コネクタ
87 制限スイッチ
88 切り替え回路
89 CPU
91 タイマ
92 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内を撮影する内視鏡において、
前記内視鏡の使用を制限する使用制限手段と、
前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするために用いられる登録情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記登録情報は、前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
【請求項3】
前記照合情報と照合される被照合情報を入力する被照合情報入力手段と、
前記照合情報と前記被照合情報を照合する照合手段を備えており、
前記使用制限手段は、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記使用制限を解除することを特徴とする請求項2記載の内視鏡。
【請求項4】
前記内視鏡の使用量を測定する使用量測定手段と、
前記使用量の実測値が前記上限値を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記使用制限手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記使用制限を実行することを特徴とする2又は3記載の内視鏡。
【請求項5】
前記使用制限手段は、前記判定手段によって前記実測値が前記上限値を超えたと判定された場合でも、所定の実行条件が満足されるまで、前記使用制限を実行しないことを特徴とする請求項4記載の内視鏡。
【請求項6】
前記実行条件は、一定時間の経過又は再起動であることを特徴とする請求項5記載の内視鏡。
【請求項7】
前記照合結果及び前記判定結果のうち、少なくとも1つを表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の内視鏡。
【請求項8】
撮影された画像を格納する画像メモリ、又は、前記画像メモリが着脱自在にセットされ、前記画像メモリにアクセスして前記画像を記録する記録手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の内視鏡。
【請求項9】
被検体内を撮影する内視鏡と、前記内視鏡と通信可能に接続される周辺装置とからなる内視鏡装置において、
前記内視鏡の使用を制限する使用制限手段と、
前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするための登録情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
前記周辺装置は、前記内視鏡が出力する撮像信号に基づいて画像を生成するプロセッサであることを特徴とする請求項9記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記登録情報は、前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9又は10記載の内視鏡装置。
【請求項12】
前記照合情報と照合される被照合情報を入力する被照合情報入力手段と、
前記照合情報と前記被照合情報を照合する照合手段を備えており、
前記使用制限手段は、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記使用制限を解除することを特徴とする請求項11記載の内視鏡装置。
【請求項13】
前記内視鏡の使用量を測定する使用量測定手段と、
前記使用量の実測値が前記上限値を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記使用制限手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記使用制限を実行することを特徴とする11又は12記載の内視鏡装置。
【請求項14】
前記内視鏡は、前記プロセッサが生成した前記画像を受信する受信手段と、前記画像を画像メモリに記録する記録手段とを備えたことを特徴とする請求項10〜13いずれか記載の内視鏡装置。
【請求項15】
内視鏡又は前記内視鏡を含む内視鏡装置をレンタル機器として貸し出すレンタルサービスを支援する内視鏡レンタル支援システムにおいて、
前記レンタル機器は、その使用を制限する使用制限手段と、前記使用制限手段による使用制限の実行又はその解除をするために用いられる登録情報を記憶する記憶手段とを有しており、
依頼元端末から通信ネットワークを通じてオンラインでレンタルの申し込み情報を受け付ける受付手段と、
前記レンタル機器を貸し出す前に、前記登録情報を生成し、前記レンタル機器の記憶手段に前記登録情報を書き込む登録情報書き込み手段を備えたことを特徴とする内視鏡レンタル支援システム。
【請求項16】
前記登録情報は、前記レンタル機器前記使用制限手段による使用制限を解除するための照合情報、及び前記使用制限を実行するために予め定められた使用量の上限値のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15記載の内視鏡レンタル支援システム。
【請求項17】
前記照合情報と照合される被照合情報を生成する被照合情報生成手段を備えていることを特徴とする請求項16記載の内視鏡レンタル支援システム。
【請求項18】
前記レンタル機器が貸し出し先から回収された後、前記記憶手段から前記登録情報を消去して前記記憶手段を初期化する初期化手段を備えていることを特徴とする請求項15〜17いずれか記載の内視鏡レンタル支援システム。
【請求項19】
前記レンタル機器に設けられた画像メモリにアクセスして、前記画像メモリから撮影された画像を読み出す画像読み出し手段と、
読み出した画像が保管され、前記画像をオンラインで要求元へ配信する画像サーバとを備えたことを特徴とする請求項15〜18いずれか記載の内視鏡レンタル支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−160312(P2009−160312A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2542(P2008−2542)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】