内視鏡挿入形状検出プローブ
【課題】 既存の内視鏡の挿入形状を検出する。
【解決手段】 内視鏡挿入形状検出プローブはプローブ本体20、モジュール30、およびコネクタ40を有する。一般回路41をコネクタ40に設ける。患者回路31をモジュール30、ケーブル11、およびコネクタ40に渡って設ける。DC/DCコンバータ42を一般回路41と患者回路31とに接続する。DC/DCコンバータ42によって、患者回路31に電力を発生させる。フォトカプラ43を一般回路41と患者回路31とに接続する。光源44を一般回路41に組み込む。光源44を光供給用ファイバ21に接続する。受光素子32を曲率検出用ファイバ22に接続する。受光素子32が生成する曲率信号を出力部33、A/Dコンバータ34、パラレル/シリアル変換回路35を介してフォトカプラ43に送る。
【解決手段】 内視鏡挿入形状検出プローブはプローブ本体20、モジュール30、およびコネクタ40を有する。一般回路41をコネクタ40に設ける。患者回路31をモジュール30、ケーブル11、およびコネクタ40に渡って設ける。DC/DCコンバータ42を一般回路41と患者回路31とに接続する。DC/DCコンバータ42によって、患者回路31に電力を発生させる。フォトカプラ43を一般回路41と患者回路31とに接続する。光源44を一般回路41に組み込む。光源44を光供給用ファイバ21に接続する。受光素子32を曲率検出用ファイバ22に接続する。受光素子32が生成する曲率信号を出力部33、A/Dコンバータ34、パラレル/シリアル変換回路35を介してフォトカプラ43に送る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の使用時の挿入管の形状を検知し得る内視鏡挿入形状検出プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡の使用時の挿入管の形状を検出することが求められている。側面に光吸収部を設けた光ファイバを用いた姿勢検出センサ(特許文献1参照)などを利用して、内視鏡の挿入管の姿勢を検出することが、本件出願人などにより提案されている(特許文献2〜特許文献4参照)。
【0003】
しかし、このような内視鏡は製造時に姿勢検出センサを内視鏡の挿入管に組み込む必要があるため、既存の内視鏡の形状を検出することが出来ない点で問題であった。
【特許文献1】米国特許第6127672号明細書
【特許文献2】特開2002−253481号公報
【特許文献3】特開2003−052614号公報
【特許文献4】特開2001−169998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の内視鏡の挿入管の形状を検出するために、内視鏡の挿入管に沿って延ばされるプローブなどに姿勢検出を適用することが考えられる。このような形状検出プローブから内視鏡プロセッサや汎用パソコンなどの信号処理装置に電気信号が送られ、適当な信号処理を施すことにより内視鏡の挿入形状がモニタなどに表示される。
【0005】
ところで、安全の確保のために信号処理装置と形状検出プローブとは、絶縁することが求められている。絶縁を行なうためには、信号処理装置と形状検出プローブとの間に絶縁装置を用いる必要があり、内視鏡の挿入形状検出のために多くの装置を用いる必要がある点が問題であった。また、形状検出プローブに絶縁システムを組み込むと形状検出プローブが大型化し、使用者が使用するのに不便となる点が問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内視鏡挿入形状検出プローブは、信号処理装置に接続する一般回路を有するコネクタ部と、コネクタ部と電気的に接続される検出部と、コネクタ部と検出部とに渡って設けられ一般回路と電気的に絶縁される患者回路と、検出部内において患者回路を形成し受光量に応じた電気信号を生成する受光手段と、検出部において受光手段と光学的に接続される第1の出射部と光を入射するための第1の入射部とを有し曲がり角度に応じて第1の入射部から第1の出射部までの光の伝達量が変化し内視鏡に形成されるチャンネルに挿入可能である曲率検出手段と、コネクタ部内において一般回路と患者回路とに電気的に接続され一般回路と患者回路との電気的絶縁を保持しながら第1の出射部から出射される光に応じて受光手段が生成する電気信号である曲率信号を一般回路に伝送する信号伝送手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
なお、コネクタ部内において一般回路と患者回路とに電気的に接続され一般回路と患者回路との電気的絶縁を保持しながら信号処理装置から一般回路に供給される電力に基づいて患者回路に電力を発生させる電力発生手段を備え、患者回路において発生する電力によって曲率信号が受光手段から信号伝送手段まで送られることが好ましい。
【0008】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力によって曲率信号を増幅させる増幅手段を備えることが好ましい。
【0009】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力によってアナログ信号である曲率信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを備えることが好ましい。
【0010】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力に基づいてデジタル信号に変換された曲率信号にパラレル/シリアル変換を施すパラレル/シリアル変換手段を備えることが好ましい。
【0011】
また、曲率検出手段は、光を出射するための第2の出射部と第1の入射部とを有し光を第1の入射部から第2の出射部へ伝達する供給用光伝達手段と、供給用光伝達手段に沿って延び光を入射するための第2の入射部と第1の出射部とを有し光を第2の入射部から第1の出射部まで伝達し曲がり角度に応じて第2の入射部から第1の出射部までの光の伝達量が変化する検出用光伝達手段と、第2の出射部と第2の入射部とを一体的に覆い第2の出射部から出射される光を反射するミラーとを備えることが好ましい。
【0012】
また、コネクタ部内において一般回路を形成し、コネクタ部内において第1の入射部に光学的に接続され、第1の入射部に入射する光を発光する光源を備えることが好ましい。
【0013】
また、検出部が防水されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内視鏡挿入形状検出プローブと信号処理装置の間に絶縁装置を設けることなく、両者の絶縁が可能になる。同時に、内視鏡挿入形状検出プローブの大型化を防ぐことにより、使用者の利便性を維持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
まず、内視鏡挿入形状検出プローブ10の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した内視鏡挿入形状検出プローブの外観図である。
【0017】
内視鏡挿入形状検出プローブ10は、プローブ本体20、モジュール30、およびコネクタ40によって構成される。プローブ本体20はモジュール30に接続される。また、モジュール30は、ケーブル11を介してコネクタ40に接続される。
【0018】
図2に示すように、プローブ本体20が、内視鏡50の鉗子チャンネル51に挿入される。内視鏡50の使用時に、プローブ本体20は内視鏡50の挿入管52とともに体内などに挿入される。体内に挿入されるときに挿入管52に沿って、プローブ本体20の形状は変化する。
【0019】
プローブ本体20の形状が、モジュール30によって検出される。モジュール30に検出された形状に相当する信号は、コネクタ40を介して信号処理装置60に送られる。信号処理装置60において、入力された信号に対して所定の信号処理が行われる。所定の信号処理が行われた信号がモニタ61に送られ、プローブ本体20の形状が表示される。
【0020】
次にプローブ本体20の構成について図3を用いて説明する。図3は、プローブ本体20の透視図である。プローブ本体20は、光供給用ファイバ21、曲率検出用ファイバ22、ミラー23、およびシース24によって構成される。プローブ本体20の外径は、使用が予定される内視鏡の鉗子チャンネルの内径より細くなるように設計される。
【0021】
光供給用ファイバ21および曲率検出用ファイバ22は光ファイバであり、一端から入射された光を他端まで伝達することが可能である。光供給用ファイバ21の一端は、モジュール30の内部に設けられる光源(図2において図示せず)に光学的に接続される。光源から出射される光が光供給用ファイバ21の一端に入射され、他端から出射される。
【0022】
曲率検出用ファイバ22は光供給用ファイバ21に沿って延ばされる。また、図4に示すように、複数の曲率検出用ファイバ22が光供給用ファイバ21を芯にして取り囲むように配置される。
【0023】
光供給用ファイバ21の一端と複数の曲率検出用ファイバ22の一端は、ともに単一のミラー23によって覆われる。したがって、光供給用ファイバ21から出射される光はミラー23によって反射され、曲率検出用ファイバ22に入射される。
【0024】
光供給用ファイバ21、曲率検出用ファイバ22、およびミラー23は、シース24によって覆われる。シース24は生体適合性を有する部材によって形成される。
【0025】
曲率検出用ファイバ22は、ミラー23側の端部付近(図3符合A参照)においてミラー23とともにシース24に接着される。また、曲率検出用ファイバ22は後述するように光損失部25が設けられる付近(図3符合B参照)においてシース24に接着される。なお、シース24と曲率検出用ファイバ22との接着、およびシース24とミラー23との接着には、光を吸収可能な接着剤が用いられる。
【0026】
曲率検出用ファイバ22には、光損失部25が設けられる。光損失部25について図5を用いて説明する。曲率検出用ファイバ25は、コア26にクラッド27を被膜することによって形成される。クラッド27の一部を欠損させることにより、光損失部25が形成される。
【0027】
クラッド27を欠損させた箇所、すなわち光損失部25にはシース24との接着に用いられる接着剤が充填される。したがって、光損失部25に入射する光の一部または全部が吸収されるので、曲率検出用ファイバ22によって伝達される光は光損失部25において損失する。
【0028】
光損失部25が設けられる位置と方向とは、曲率検出用ファイバ22ごとに定められている。なお、光損失部25が設けられる位置は、モジュール30からの距離あるいはミラー23からの距離がそれぞれの曲率検出用ファイバ22に定められた長さとなるように定められる。
【0029】
また、光損失部25が設けられる方向は、曲率検出用ファイバ22の長手方向に平行な断面において、曲率検出用ファイバ22の中心から第1の径方向、または曲率検出用ファイバ22の中心から第1の径方向とは90°傾いた第2の径方向のいずれかである。
【0030】
光損失部の設けられる位置と方向について、図6、図7を用いてさらに説明する。図6は、光供給用ファイバ21の周囲の複数の曲率検出用ファイバ22における光損失部25の位置を示すための図である。図7は、光供給用ファイバ22の周囲の複数の曲率検出用ファイバ22における光損失部25の方向を示すための図である。
【0031】
図6に示すように、第1、第2の曲率検出用ファイバ22a、22bにおいては、同じ位置に光損失部25が設けられる。また、第3、第4の曲率検出用ファイバ22c、22dにおいては、同じ位置に光損失部25が設けられる。ただし、第1、第3の曲率検出用ファイバ22a、22cにおける光損失部25が設けられる位置は異なっている。
【0032】
このように、一つの組を形成する2本の曲率検出用ファイバ22には、光損失部25が同じ位置に設けられる。ただし、光損失部25の設けられる位置は、組毎に異なるように定められる。
【0033】
また図7に示すように、第1、第3の曲率検出用ファイバ22a、22cでは、ファイバの中心から第1の径方向D1に光損失部25が設けられる。一方、第2、第4の曲率検出用ファイバ22b、22dでは、ファイバの中心から第2の径方向D2に光損失部25が設けられる。
【0034】
このように、光損失部25の設けられる方向は、一つの組を形成する2本の曲率検出用ファイバ22の一方においてはファイバの中心から第1の径方向D1に定められ、他方においてはファイバの中心から第2の径方向D2に定められる。
【0035】
曲率検出用ファイバ22の出射端から出射される光の光量に基づいて、光損失部25における曲率検出用ファイバ22の曲げ角度を求めることが可能である。以下に、その原理について簡単に説明する。
【0036】
光ファイバに入射される光は、コアとクラッドの界面において全反射されることにより光量が実質的に損失されること無く、入射端から出射端まで伝達される。一方、曲率検出用ファイバ22においては、光損失部25に入射する光の一部または全部が吸収される。したがって、光損失部25に入射する光が多くなるほど、光の損失が大きくなる。
【0037】
図8に示すように、光損失部25が設けられる方向と逆の方向(図8において下方向)に曲率検出用ファイバ22が曲がるほど、光損失部25に入射する光Lは多くなる。一方、図9に示すように、光損失部25が設けられる方向に曲率検出用ファイバ22が曲がるほど、光損失部25に入射する光Lは少なくなる。
【0038】
一定の光量の光を曲率検出用ファイバ22に入射するとき、出射端からの光の出射量と光損失部25における曲げ角度とは一定の対応関係を有する。したがって、出射端における光の受光量を検出することにより、光損失部25における曲率検出用ファイバ22および挿入管52の曲げ角度が求められる。
【0039】
例えば、光損失部25の設けられる位置の異なる6本の曲率検出用ファイバ22を用いると、光損失部25が設けられる6箇所におけるプローブ本体20の曲げ角度が求められる。図10に示すように、それぞれの光損失部25が設けられるポイントPにおける曲げ角度と隣合うポイントPの距離とによってプローブ本体20の形状を検知することが可能になる。
【0040】
なお、第1、第2方向D1、D2に光損失部25が設けられた曲率検出用ファイバ22からは、それぞれ第1、第2方向D1、D2への曲げ角度が検出される。したがって、両方向への曲げ角度から、光損失部25の曲がる方向と曲げ角度とを求めることが可能である。
【0041】
次にモジュール30とコネクタ40の構成について、図11を用いて説明する。図11はモジュール30とコネクタ40の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【0042】
コネクタ40には、一般回路41が形成される。また、モジュール30、ケーブル11、およびコネクタ40に渡って、患者回路31が形成される。患者回路31は、後述の絶縁回路により一般回路41から絶縁される。
【0043】
なお、モジュール30は防水されており、内部への水の浸入が防がれる。すなわち、プローブ本体20とモジュール30との接続箇所およびケーブル11とモジュール30との接続箇所には防水キャップ(図示せず)が設けられ、モジュール30の防水が実行される。
【0044】
コネクタ40を信号処理装置60に接続すると、信号処理装置60から一般回路41に電力が供給される。一般回路41を形成する部品は、一般回路41に供給された電力によって駆動される。また、後述するように曲率検出用ファイバ22の曲げ角度に応じた信号が一般回路41から信号処理装置60に出力可能になる。
【0045】
DC/DCコンバータ42がコネクタ40に設けられ、一般回路41と患者回路31とに接続される。DC/DCコンバータ42は絶縁型DC/DCコンバータであり、一般回路41に供給されている電力に基づいて、電気的絶縁を維持しながら患者回路31に電力を発生させる。なお、安全のために患者回路31に発生させる電力は、一般回路41に供給される電力より低くなるように調整される。
【0046】
フォトカプラ(PC)43がコネクタ40に設けられ、一般回路41と患者回路31とに接続される。PC43によって、一般回路41と患者回路31との電気的絶縁が保たれながら、電気信号を患者回路31から一般回路41へ伝送可能である。
【0047】
一般回路41には、光源44が設けられる。すなわち、光源44はコネクタ40に設けられる。一般回路41に供給される電力によって、光源44を発光させる。光源44は、光供給用ファイバ21の出射端に光学的に接続される。なお、光供給用ファイバ21は、モジュール30およびケーブル11内を通り、コネクタ40まで延ばされる。前述のように、光源44から出射する光が曲率検出用ファイバ22の曲げ角度検出用の光として用いられる。
【0048】
患者回路31には、受光素子32、出力部33、A/Dコンバータ34、パラレル/シリアル変換回路35、DC/DCコンバータ42、およびPC43が設けられる。なお、受光素子32、出力部33、A/Dコンバータ34、およびパラレル/シリアル変換回路35は、モジュール30に設けられる。
【0049】
受光素子32は、曲率検出用ファイバ22の出射端に光学的に接続される。受光素子32は例えばフォトダイオードであって、受光量を検知可能である。すなわち、受光量に応じた電気信号が曲率信号として出力される。なお、曲率検出用ファイバ22ごとに受光素子32が設けられる。
【0050】
受光素子32において生成した曲率信号は、出力部33に送られる。曲率信号は出力部33において増幅され、A/Dコンバータ34に送られる。曲率信号はA/Dコンバータ34において、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0051】
デジタル信号に変換された曲率信号はパラレル/シリアル変換回路35に送られる。曲率信号は、パラレル/シリアル変換回路35においてパラレル信号からシリアル信号に変換される。シリアル信号に変換された曲率信号は、PC43に送られる。
【0052】
前述のように、曲率信号はPC43によって一般回路41と患者回路31との絶縁を保持しながら一般回路41に送られる。一般回路41に送られた曲率信号は、さらに信号処理装置60に送られる。
【0053】
前述のように、それぞれの曲率検出用ファイバ22からの出射光量に基づく曲率信号がコネクタ40を介して信号処理装置60に送られる。複数の曲率信号に対して信号処理装置60において所定の信号処理が施され、モニタ61に、プローブ本体20の形状、すなわち内視鏡50の挿入管52の形状が表示される。
【0054】
したがって、以上のような本実施形態の内視鏡挿入形状検出プローブ10によれば、内視鏡挿入形状検出プローブ10と信号処理装置60の間には、絶縁装置が不要である。内視鏡挿入形状検出プローブ10において、一般回路41と患者回路31の絶縁が行なわれるからである。
【0055】
また、絶縁は信号処理装置60に接続するコネクタ40において行なわれるので、プローブ本体20およびモジュール30の大型化を防ぐことが出来る。内視鏡挿入形状検出プローブ10の使用時に操作者が触れるのはプローブ本体20とモジュール30なので、これらの部位の大型化が防がれれば、使用に際する不便さを低減させることが可能である。
【0056】
また、光源44がコネクタ40に設けられるので、一般回路41から電力を供給させることが可能になる。したがって、患者回路31から電力が供給される場合に比べて大きな光量の光を発することが可能になる。
【0057】
また、光源44がコネクタ40に設けられるので、モジュール30内部の加熱を低減させることが可能になる。したがって、受講素子32の温度による出力誤差の発生を低減させることが可能である。
【0058】
また、大きな電力を消費する光源44が患者回路31に設けられないので、患者回路31において発生させる電力を低くすることが可能である。発生させる電力を低く保つことにより、患者回路31の温度を低く保つことが容易になる。したがって、受光素子32の温度による出力誤差の発生を低減させることが可能になる。
【0059】
また、モジュール30が防水されているので、使用中に汚れる可能性のあるプローブ本体20とモジュール30とを消毒液に漬けて消毒を行うことによる電子機器の破損を防ぐことが可能である。
【0060】
なお、本実施形態においてコネクタ40は筐体を有して、信号処理装置60の筐体に接続されるが、コネクタボードとして信号処理装置60の内部において接続される構成であってもよい。
【0061】
また、本実施形態においてパラレル/シリアル変換回路35を用いて曲率信号をシリアル信号に変換する構成であるが、無くても本実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【0062】
また、本実施形態において光源44がコネクタ40に設けられる構成であるが、内視鏡挿入形状検出プローブの外部の光源を用いてもよい。ただし、内視鏡挿入形状検出のための装置群の構成を簡略化するためには、本実施形態のようにコネクタ40に光源44を設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態を適用した内視鏡挿入形状検出プローブの外観図である。
【図2】内視鏡挿入形状検出プローブの使用形態を説明するための図である。
【図3】プローブ本体の透視図である。
【図4】光供給用ファイバおよび曲率検出用ファイバの長手方向に垂直な断面図である。
【図5】光損失部における曲率検出用ファイバの長手方向に垂直な断面図である。
【図6】光供給用ファイバの周囲の複数の曲率検出用ファイバにおける光損失部の位置を示すための図である。
【図7】光供給用ファイバの周囲の複数の曲率検出用ファイバにおける光損失部の方向を示すための図である。
【図8】曲率検出用ファイバの曲げ方向による光の伝達量の変化を説明するための第1の図である。
【図9】曲率検出用ファイバの曲げ方向による光の伝達量の変化を説明するための第2の図である。
【図10】それぞれの光損失部における曲げ角度によって挿入管の形状を検出可能であることを示すための図である。
【図11】モジュールとコネクタとの内部構成を概略的に示すためのブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
10 内視鏡挿入形状検出プローブ
20 プローブ本体
21 光供給用ファイバ
22 曲率検出用ファイバ
30 モジュール
31 患者回路
32 受光素子
33 出力部
34 A/Dコンバータ
35 パラレル/シリアル変換回路
40 コネクタ
41 一般回路
42 DC/DCコンバータ
43 フォトカプラ(PC)
44 光源
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の使用時の挿入管の形状を検知し得る内視鏡挿入形状検出プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡の使用時の挿入管の形状を検出することが求められている。側面に光吸収部を設けた光ファイバを用いた姿勢検出センサ(特許文献1参照)などを利用して、内視鏡の挿入管の姿勢を検出することが、本件出願人などにより提案されている(特許文献2〜特許文献4参照)。
【0003】
しかし、このような内視鏡は製造時に姿勢検出センサを内視鏡の挿入管に組み込む必要があるため、既存の内視鏡の形状を検出することが出来ない点で問題であった。
【特許文献1】米国特許第6127672号明細書
【特許文献2】特開2002−253481号公報
【特許文献3】特開2003−052614号公報
【特許文献4】特開2001−169998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の内視鏡の挿入管の形状を検出するために、内視鏡の挿入管に沿って延ばされるプローブなどに姿勢検出を適用することが考えられる。このような形状検出プローブから内視鏡プロセッサや汎用パソコンなどの信号処理装置に電気信号が送られ、適当な信号処理を施すことにより内視鏡の挿入形状がモニタなどに表示される。
【0005】
ところで、安全の確保のために信号処理装置と形状検出プローブとは、絶縁することが求められている。絶縁を行なうためには、信号処理装置と形状検出プローブとの間に絶縁装置を用いる必要があり、内視鏡の挿入形状検出のために多くの装置を用いる必要がある点が問題であった。また、形状検出プローブに絶縁システムを組み込むと形状検出プローブが大型化し、使用者が使用するのに不便となる点が問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内視鏡挿入形状検出プローブは、信号処理装置に接続する一般回路を有するコネクタ部と、コネクタ部と電気的に接続される検出部と、コネクタ部と検出部とに渡って設けられ一般回路と電気的に絶縁される患者回路と、検出部内において患者回路を形成し受光量に応じた電気信号を生成する受光手段と、検出部において受光手段と光学的に接続される第1の出射部と光を入射するための第1の入射部とを有し曲がり角度に応じて第1の入射部から第1の出射部までの光の伝達量が変化し内視鏡に形成されるチャンネルに挿入可能である曲率検出手段と、コネクタ部内において一般回路と患者回路とに電気的に接続され一般回路と患者回路との電気的絶縁を保持しながら第1の出射部から出射される光に応じて受光手段が生成する電気信号である曲率信号を一般回路に伝送する信号伝送手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
なお、コネクタ部内において一般回路と患者回路とに電気的に接続され一般回路と患者回路との電気的絶縁を保持しながら信号処理装置から一般回路に供給される電力に基づいて患者回路に電力を発生させる電力発生手段を備え、患者回路において発生する電力によって曲率信号が受光手段から信号伝送手段まで送られることが好ましい。
【0008】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力によって曲率信号を増幅させる増幅手段を備えることが好ましい。
【0009】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力によってアナログ信号である曲率信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを備えることが好ましい。
【0010】
また、検出部内において患者回路を形成し患者回路において発生する電力に基づいてデジタル信号に変換された曲率信号にパラレル/シリアル変換を施すパラレル/シリアル変換手段を備えることが好ましい。
【0011】
また、曲率検出手段は、光を出射するための第2の出射部と第1の入射部とを有し光を第1の入射部から第2の出射部へ伝達する供給用光伝達手段と、供給用光伝達手段に沿って延び光を入射するための第2の入射部と第1の出射部とを有し光を第2の入射部から第1の出射部まで伝達し曲がり角度に応じて第2の入射部から第1の出射部までの光の伝達量が変化する検出用光伝達手段と、第2の出射部と第2の入射部とを一体的に覆い第2の出射部から出射される光を反射するミラーとを備えることが好ましい。
【0012】
また、コネクタ部内において一般回路を形成し、コネクタ部内において第1の入射部に光学的に接続され、第1の入射部に入射する光を発光する光源を備えることが好ましい。
【0013】
また、検出部が防水されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内視鏡挿入形状検出プローブと信号処理装置の間に絶縁装置を設けることなく、両者の絶縁が可能になる。同時に、内視鏡挿入形状検出プローブの大型化を防ぐことにより、使用者の利便性を維持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
まず、内視鏡挿入形状検出プローブ10の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した内視鏡挿入形状検出プローブの外観図である。
【0017】
内視鏡挿入形状検出プローブ10は、プローブ本体20、モジュール30、およびコネクタ40によって構成される。プローブ本体20はモジュール30に接続される。また、モジュール30は、ケーブル11を介してコネクタ40に接続される。
【0018】
図2に示すように、プローブ本体20が、内視鏡50の鉗子チャンネル51に挿入される。内視鏡50の使用時に、プローブ本体20は内視鏡50の挿入管52とともに体内などに挿入される。体内に挿入されるときに挿入管52に沿って、プローブ本体20の形状は変化する。
【0019】
プローブ本体20の形状が、モジュール30によって検出される。モジュール30に検出された形状に相当する信号は、コネクタ40を介して信号処理装置60に送られる。信号処理装置60において、入力された信号に対して所定の信号処理が行われる。所定の信号処理が行われた信号がモニタ61に送られ、プローブ本体20の形状が表示される。
【0020】
次にプローブ本体20の構成について図3を用いて説明する。図3は、プローブ本体20の透視図である。プローブ本体20は、光供給用ファイバ21、曲率検出用ファイバ22、ミラー23、およびシース24によって構成される。プローブ本体20の外径は、使用が予定される内視鏡の鉗子チャンネルの内径より細くなるように設計される。
【0021】
光供給用ファイバ21および曲率検出用ファイバ22は光ファイバであり、一端から入射された光を他端まで伝達することが可能である。光供給用ファイバ21の一端は、モジュール30の内部に設けられる光源(図2において図示せず)に光学的に接続される。光源から出射される光が光供給用ファイバ21の一端に入射され、他端から出射される。
【0022】
曲率検出用ファイバ22は光供給用ファイバ21に沿って延ばされる。また、図4に示すように、複数の曲率検出用ファイバ22が光供給用ファイバ21を芯にして取り囲むように配置される。
【0023】
光供給用ファイバ21の一端と複数の曲率検出用ファイバ22の一端は、ともに単一のミラー23によって覆われる。したがって、光供給用ファイバ21から出射される光はミラー23によって反射され、曲率検出用ファイバ22に入射される。
【0024】
光供給用ファイバ21、曲率検出用ファイバ22、およびミラー23は、シース24によって覆われる。シース24は生体適合性を有する部材によって形成される。
【0025】
曲率検出用ファイバ22は、ミラー23側の端部付近(図3符合A参照)においてミラー23とともにシース24に接着される。また、曲率検出用ファイバ22は後述するように光損失部25が設けられる付近(図3符合B参照)においてシース24に接着される。なお、シース24と曲率検出用ファイバ22との接着、およびシース24とミラー23との接着には、光を吸収可能な接着剤が用いられる。
【0026】
曲率検出用ファイバ22には、光損失部25が設けられる。光損失部25について図5を用いて説明する。曲率検出用ファイバ25は、コア26にクラッド27を被膜することによって形成される。クラッド27の一部を欠損させることにより、光損失部25が形成される。
【0027】
クラッド27を欠損させた箇所、すなわち光損失部25にはシース24との接着に用いられる接着剤が充填される。したがって、光損失部25に入射する光の一部または全部が吸収されるので、曲率検出用ファイバ22によって伝達される光は光損失部25において損失する。
【0028】
光損失部25が設けられる位置と方向とは、曲率検出用ファイバ22ごとに定められている。なお、光損失部25が設けられる位置は、モジュール30からの距離あるいはミラー23からの距離がそれぞれの曲率検出用ファイバ22に定められた長さとなるように定められる。
【0029】
また、光損失部25が設けられる方向は、曲率検出用ファイバ22の長手方向に平行な断面において、曲率検出用ファイバ22の中心から第1の径方向、または曲率検出用ファイバ22の中心から第1の径方向とは90°傾いた第2の径方向のいずれかである。
【0030】
光損失部の設けられる位置と方向について、図6、図7を用いてさらに説明する。図6は、光供給用ファイバ21の周囲の複数の曲率検出用ファイバ22における光損失部25の位置を示すための図である。図7は、光供給用ファイバ22の周囲の複数の曲率検出用ファイバ22における光損失部25の方向を示すための図である。
【0031】
図6に示すように、第1、第2の曲率検出用ファイバ22a、22bにおいては、同じ位置に光損失部25が設けられる。また、第3、第4の曲率検出用ファイバ22c、22dにおいては、同じ位置に光損失部25が設けられる。ただし、第1、第3の曲率検出用ファイバ22a、22cにおける光損失部25が設けられる位置は異なっている。
【0032】
このように、一つの組を形成する2本の曲率検出用ファイバ22には、光損失部25が同じ位置に設けられる。ただし、光損失部25の設けられる位置は、組毎に異なるように定められる。
【0033】
また図7に示すように、第1、第3の曲率検出用ファイバ22a、22cでは、ファイバの中心から第1の径方向D1に光損失部25が設けられる。一方、第2、第4の曲率検出用ファイバ22b、22dでは、ファイバの中心から第2の径方向D2に光損失部25が設けられる。
【0034】
このように、光損失部25の設けられる方向は、一つの組を形成する2本の曲率検出用ファイバ22の一方においてはファイバの中心から第1の径方向D1に定められ、他方においてはファイバの中心から第2の径方向D2に定められる。
【0035】
曲率検出用ファイバ22の出射端から出射される光の光量に基づいて、光損失部25における曲率検出用ファイバ22の曲げ角度を求めることが可能である。以下に、その原理について簡単に説明する。
【0036】
光ファイバに入射される光は、コアとクラッドの界面において全反射されることにより光量が実質的に損失されること無く、入射端から出射端まで伝達される。一方、曲率検出用ファイバ22においては、光損失部25に入射する光の一部または全部が吸収される。したがって、光損失部25に入射する光が多くなるほど、光の損失が大きくなる。
【0037】
図8に示すように、光損失部25が設けられる方向と逆の方向(図8において下方向)に曲率検出用ファイバ22が曲がるほど、光損失部25に入射する光Lは多くなる。一方、図9に示すように、光損失部25が設けられる方向に曲率検出用ファイバ22が曲がるほど、光損失部25に入射する光Lは少なくなる。
【0038】
一定の光量の光を曲率検出用ファイバ22に入射するとき、出射端からの光の出射量と光損失部25における曲げ角度とは一定の対応関係を有する。したがって、出射端における光の受光量を検出することにより、光損失部25における曲率検出用ファイバ22および挿入管52の曲げ角度が求められる。
【0039】
例えば、光損失部25の設けられる位置の異なる6本の曲率検出用ファイバ22を用いると、光損失部25が設けられる6箇所におけるプローブ本体20の曲げ角度が求められる。図10に示すように、それぞれの光損失部25が設けられるポイントPにおける曲げ角度と隣合うポイントPの距離とによってプローブ本体20の形状を検知することが可能になる。
【0040】
なお、第1、第2方向D1、D2に光損失部25が設けられた曲率検出用ファイバ22からは、それぞれ第1、第2方向D1、D2への曲げ角度が検出される。したがって、両方向への曲げ角度から、光損失部25の曲がる方向と曲げ角度とを求めることが可能である。
【0041】
次にモジュール30とコネクタ40の構成について、図11を用いて説明する。図11はモジュール30とコネクタ40の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【0042】
コネクタ40には、一般回路41が形成される。また、モジュール30、ケーブル11、およびコネクタ40に渡って、患者回路31が形成される。患者回路31は、後述の絶縁回路により一般回路41から絶縁される。
【0043】
なお、モジュール30は防水されており、内部への水の浸入が防がれる。すなわち、プローブ本体20とモジュール30との接続箇所およびケーブル11とモジュール30との接続箇所には防水キャップ(図示せず)が設けられ、モジュール30の防水が実行される。
【0044】
コネクタ40を信号処理装置60に接続すると、信号処理装置60から一般回路41に電力が供給される。一般回路41を形成する部品は、一般回路41に供給された電力によって駆動される。また、後述するように曲率検出用ファイバ22の曲げ角度に応じた信号が一般回路41から信号処理装置60に出力可能になる。
【0045】
DC/DCコンバータ42がコネクタ40に設けられ、一般回路41と患者回路31とに接続される。DC/DCコンバータ42は絶縁型DC/DCコンバータであり、一般回路41に供給されている電力に基づいて、電気的絶縁を維持しながら患者回路31に電力を発生させる。なお、安全のために患者回路31に発生させる電力は、一般回路41に供給される電力より低くなるように調整される。
【0046】
フォトカプラ(PC)43がコネクタ40に設けられ、一般回路41と患者回路31とに接続される。PC43によって、一般回路41と患者回路31との電気的絶縁が保たれながら、電気信号を患者回路31から一般回路41へ伝送可能である。
【0047】
一般回路41には、光源44が設けられる。すなわち、光源44はコネクタ40に設けられる。一般回路41に供給される電力によって、光源44を発光させる。光源44は、光供給用ファイバ21の出射端に光学的に接続される。なお、光供給用ファイバ21は、モジュール30およびケーブル11内を通り、コネクタ40まで延ばされる。前述のように、光源44から出射する光が曲率検出用ファイバ22の曲げ角度検出用の光として用いられる。
【0048】
患者回路31には、受光素子32、出力部33、A/Dコンバータ34、パラレル/シリアル変換回路35、DC/DCコンバータ42、およびPC43が設けられる。なお、受光素子32、出力部33、A/Dコンバータ34、およびパラレル/シリアル変換回路35は、モジュール30に設けられる。
【0049】
受光素子32は、曲率検出用ファイバ22の出射端に光学的に接続される。受光素子32は例えばフォトダイオードであって、受光量を検知可能である。すなわち、受光量に応じた電気信号が曲率信号として出力される。なお、曲率検出用ファイバ22ごとに受光素子32が設けられる。
【0050】
受光素子32において生成した曲率信号は、出力部33に送られる。曲率信号は出力部33において増幅され、A/Dコンバータ34に送られる。曲率信号はA/Dコンバータ34において、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0051】
デジタル信号に変換された曲率信号はパラレル/シリアル変換回路35に送られる。曲率信号は、パラレル/シリアル変換回路35においてパラレル信号からシリアル信号に変換される。シリアル信号に変換された曲率信号は、PC43に送られる。
【0052】
前述のように、曲率信号はPC43によって一般回路41と患者回路31との絶縁を保持しながら一般回路41に送られる。一般回路41に送られた曲率信号は、さらに信号処理装置60に送られる。
【0053】
前述のように、それぞれの曲率検出用ファイバ22からの出射光量に基づく曲率信号がコネクタ40を介して信号処理装置60に送られる。複数の曲率信号に対して信号処理装置60において所定の信号処理が施され、モニタ61に、プローブ本体20の形状、すなわち内視鏡50の挿入管52の形状が表示される。
【0054】
したがって、以上のような本実施形態の内視鏡挿入形状検出プローブ10によれば、内視鏡挿入形状検出プローブ10と信号処理装置60の間には、絶縁装置が不要である。内視鏡挿入形状検出プローブ10において、一般回路41と患者回路31の絶縁が行なわれるからである。
【0055】
また、絶縁は信号処理装置60に接続するコネクタ40において行なわれるので、プローブ本体20およびモジュール30の大型化を防ぐことが出来る。内視鏡挿入形状検出プローブ10の使用時に操作者が触れるのはプローブ本体20とモジュール30なので、これらの部位の大型化が防がれれば、使用に際する不便さを低減させることが可能である。
【0056】
また、光源44がコネクタ40に設けられるので、一般回路41から電力を供給させることが可能になる。したがって、患者回路31から電力が供給される場合に比べて大きな光量の光を発することが可能になる。
【0057】
また、光源44がコネクタ40に設けられるので、モジュール30内部の加熱を低減させることが可能になる。したがって、受講素子32の温度による出力誤差の発生を低減させることが可能である。
【0058】
また、大きな電力を消費する光源44が患者回路31に設けられないので、患者回路31において発生させる電力を低くすることが可能である。発生させる電力を低く保つことにより、患者回路31の温度を低く保つことが容易になる。したがって、受光素子32の温度による出力誤差の発生を低減させることが可能になる。
【0059】
また、モジュール30が防水されているので、使用中に汚れる可能性のあるプローブ本体20とモジュール30とを消毒液に漬けて消毒を行うことによる電子機器の破損を防ぐことが可能である。
【0060】
なお、本実施形態においてコネクタ40は筐体を有して、信号処理装置60の筐体に接続されるが、コネクタボードとして信号処理装置60の内部において接続される構成であってもよい。
【0061】
また、本実施形態においてパラレル/シリアル変換回路35を用いて曲率信号をシリアル信号に変換する構成であるが、無くても本実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【0062】
また、本実施形態において光源44がコネクタ40に設けられる構成であるが、内視鏡挿入形状検出プローブの外部の光源を用いてもよい。ただし、内視鏡挿入形状検出のための装置群の構成を簡略化するためには、本実施形態のようにコネクタ40に光源44を設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態を適用した内視鏡挿入形状検出プローブの外観図である。
【図2】内視鏡挿入形状検出プローブの使用形態を説明するための図である。
【図3】プローブ本体の透視図である。
【図4】光供給用ファイバおよび曲率検出用ファイバの長手方向に垂直な断面図である。
【図5】光損失部における曲率検出用ファイバの長手方向に垂直な断面図である。
【図6】光供給用ファイバの周囲の複数の曲率検出用ファイバにおける光損失部の位置を示すための図である。
【図7】光供給用ファイバの周囲の複数の曲率検出用ファイバにおける光損失部の方向を示すための図である。
【図8】曲率検出用ファイバの曲げ方向による光の伝達量の変化を説明するための第1の図である。
【図9】曲率検出用ファイバの曲げ方向による光の伝達量の変化を説明するための第2の図である。
【図10】それぞれの光損失部における曲げ角度によって挿入管の形状を検出可能であることを示すための図である。
【図11】モジュールとコネクタとの内部構成を概略的に示すためのブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
10 内視鏡挿入形状検出プローブ
20 プローブ本体
21 光供給用ファイバ
22 曲率検出用ファイバ
30 モジュール
31 患者回路
32 受光素子
33 出力部
34 A/Dコンバータ
35 パラレル/シリアル変換回路
40 コネクタ
41 一般回路
42 DC/DCコンバータ
43 フォトカプラ(PC)
44 光源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理装置に接続する一般回路を有するコネクタ部と、
前記コネクタ部と電気的に接続される検出部と、
前記コネクタ部と前記検出部とに渡って設けられ、前記一般回路と電気的に絶縁される患者回路と、
前記検出部内において前記患者回路を形成し、受光量に応じた電気信号を生成する受光手段と、
前記検出部において前記受光手段と光学的に接続される第1の出射部と光を入射するための第1の入射部とを有し、曲がり角度に応じて前記第1の入射部から前記第1の出射部までの光の伝達量が変化し、内視鏡に形成されるチャンネルに挿入可能である曲率検出手段と、
前記コネクタ部内において前記一般回路と前記患者回路とに電気的に接続され、前記一般回路と前記患者回路との電気的絶縁を保持しながら、前記第1の出射部から出射される光に応じて前記受光手段が生成する電気信号である曲率信号を前記一般回路に伝送する信号伝送手段とを備える
ことを特徴とする内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項2】
前記コネクタ部内において前記一般回路と前記患者回路とに電気的に接続され、前記一般回路と前記患者回路との電気的絶縁を保持しながら、前記信号処理装置から前記一般回路に供給される電力に基づいて前記患者回路に電力を発生させる電力発生手段を備え、
前記患者回路において発生する電力によって前記曲率信号が、前記受光手段から前記信号伝送手段まで送られる
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項3】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力によって前記曲率信号を増幅させる増幅手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項4】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力によってアナログ信号である曲率信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項5】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力に基づいて前記デジタル信号に変換された曲率信号にパラレル/シリアル変換を施すパラレル/シリアル変換手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項6】
前記曲率検出手段は、
光を出射するための第2の出射部と前記第1の入射部とを有し、光を前記第1の入射部から前記第2の出射部へ伝達する供給用光伝達手段と、
前記供給用光伝達手段に沿って延び、光を入射するための第2の入射部と前記第1の出射部とを有し、光を前記第2の入射部から前記第1の出射部まで伝達し、曲がり角度に応じて前記第2の入射部から前記第1の出射部までの光の伝達量が変化する検出用光伝達手段と、
前記第2の出射部と前記第2の入射部とを一体的に覆い、前記第2の出射部から出射される光を反射するミラーとを備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項7】
前記コネクタ部内において前記一般回路を形成し、前記コネクタ部内において前記第1の入射部に光学的に接続され、前記第1の入射部に入射する光を発光する光源を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項8】
前記検出部が、防水されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項1】
信号処理装置に接続する一般回路を有するコネクタ部と、
前記コネクタ部と電気的に接続される検出部と、
前記コネクタ部と前記検出部とに渡って設けられ、前記一般回路と電気的に絶縁される患者回路と、
前記検出部内において前記患者回路を形成し、受光量に応じた電気信号を生成する受光手段と、
前記検出部において前記受光手段と光学的に接続される第1の出射部と光を入射するための第1の入射部とを有し、曲がり角度に応じて前記第1の入射部から前記第1の出射部までの光の伝達量が変化し、内視鏡に形成されるチャンネルに挿入可能である曲率検出手段と、
前記コネクタ部内において前記一般回路と前記患者回路とに電気的に接続され、前記一般回路と前記患者回路との電気的絶縁を保持しながら、前記第1の出射部から出射される光に応じて前記受光手段が生成する電気信号である曲率信号を前記一般回路に伝送する信号伝送手段とを備える
ことを特徴とする内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項2】
前記コネクタ部内において前記一般回路と前記患者回路とに電気的に接続され、前記一般回路と前記患者回路との電気的絶縁を保持しながら、前記信号処理装置から前記一般回路に供給される電力に基づいて前記患者回路に電力を発生させる電力発生手段を備え、
前記患者回路において発生する電力によって前記曲率信号が、前記受光手段から前記信号伝送手段まで送られる
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項3】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力によって前記曲率信号を増幅させる増幅手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項4】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力によってアナログ信号である曲率信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項5】
前記検出部内において前記患者回路を形成し、前記患者回路において発生する電力に基づいて前記デジタル信号に変換された曲率信号にパラレル/シリアル変換を施すパラレル/シリアル変換手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項6】
前記曲率検出手段は、
光を出射するための第2の出射部と前記第1の入射部とを有し、光を前記第1の入射部から前記第2の出射部へ伝達する供給用光伝達手段と、
前記供給用光伝達手段に沿って延び、光を入射するための第2の入射部と前記第1の出射部とを有し、光を前記第2の入射部から前記第1の出射部まで伝達し、曲がり角度に応じて前記第2の入射部から前記第1の出射部までの光の伝達量が変化する検出用光伝達手段と、
前記第2の出射部と前記第2の入射部とを一体的に覆い、前記第2の出射部から出射される光を反射するミラーとを備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項7】
前記コネクタ部内において前記一般回路を形成し、前記コネクタ部内において前記第1の入射部に光学的に接続され、前記第1の入射部に入射する光を発光する光源を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【請求項8】
前記検出部が、防水されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の内視鏡挿入形状検出プローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−44405(P2007−44405A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234314(P2005−234314)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
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