内視鏡用アタッチメントおよび内視鏡装置
【課題】内視鏡挿入部による観察に際して、狭い挿入隙間を挿通させることが可能であって、かつ、簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部中央に保持することが可能な内視鏡用アタッチメントを提供する。
【解決手段】内視鏡用アタッチメント11は、内部に内視鏡挿入部が挿通するガイドチューブ8の外周に摺動可能に挿入され、長手方向の押圧圧縮によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部15aを備えた拡張チューブ15と、拡張チューブ15の先端と当接可能な抜け止めリング14と、拡張チューブ15の内周部に挿入され、変形量を規制するスペーサ16と、ガイドチューブ8の外周に挿入され、基端側にクリップ部18を備えており、拡張チューブ15の基端側端部位置を規制する押し込みチューブ17と、を具備する。
【解決手段】内視鏡用アタッチメント11は、内部に内視鏡挿入部が挿通するガイドチューブ8の外周に摺動可能に挿入され、長手方向の押圧圧縮によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部15aを備えた拡張チューブ15と、拡張チューブ15の先端と当接可能な抜け止めリング14と、拡張チューブ15の内周部に挿入され、変形量を規制するスペーサ16と、ガイドチューブ8の外周に挿入され、基端側にクリップ部18を備えており、拡張チューブ15の基端側端部位置を規制する押し込みチューブ17と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置の内視鏡挿入部に装着される内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から被検体の内部を観察あるいは測定するために、細長で先端にCCDなどの観察手段が設けられた挿入部を備えた内視鏡が利用されているが、観察あるいは測定時、該内視鏡の挿入部の観察部分を保持する部位を被検体内部の中央に保持する構造に関して各種の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された内視鏡用センタリングデバイスは、内視鏡挿入部に装着され、被検体内部の観察を正確に行うためのセンタリングデバイスであり、本センタリングデバイス7Yは、図18の従来の内視鏡構成図に示すように内視鏡装置1Yの内視鏡挿入部2Y、または、該挿入部のガイドチューブ(図示せず)に装着可能とする。
【0004】
上記センタリングデバイス7Yは、デバイス本体10Yと、先端側凸部11Yと、板状部15Yを備えている。該板状部15Yは、デバイス本体10Yの外方に突出して配されるほぼ半円状の板部からなる。該デバイス7Yが装着された内視鏡挿入部2Yの先端2Yaは、板状部15Yによって上記被検体内部の径方向中心に保持され、上記被検体内部の観察をより正確に行うことができる。
【0005】
また、特許文献2に開示された内視鏡用測定アタッチメントは、内視鏡挿入部に装着され、被検体内部に挿入された状態の内視鏡による該被検体の内部の測定を正確に行うためのものである。図19の従来の内視鏡測定アタッチメントまわりの構成図に示すように上記内視鏡用測定アタッチメント30Zは、本体ブロック31Zと、本体ブロック31Zに設けられた当接ブロック32Zと、先端部が本体ブロック31Zに固定され、被検体SZの内部に挿入される細長の挿入部33Zと、挿入部33Zの基端側に設けられた把持部(図示せず)とを備えている。本体ブロック31Zには内視鏡挿入部2Zの端部に配される測定手段を備えた先端部3Zが固着されている。
【0006】
挿入部33Zは、第一の内視鏡2Zに沿って保持されるガイドチューブ10Zを挿通している。ガイドチューブ10Zのガイドチューブ挿入部11Z上に固定手段15Zが配されいる。固定手段15Zは、ガイドチューブ挿入部11Zの外周面に軸方向に延設されるとともに、周方向に複数配設された板バネ16Zと、ガイドチューブ挿入部11Zの基端側に設けられ、板バネ16Zの湾曲操作を行う切替操作部(図示せず)と、上記切替操作部による操作を板バネ16Zに伝達させる牽引ワイヤ18Zとからなる。
【0007】
被検体SZの内部の幅を測定する場合、内視鏡挿入部2Zと測定アタッチメント30Zが装着されたガイドチューブ10Zとを被検体Sの内部に隙間を挿通させて挿入する。該挿入状態で上記切替操作部の操作により牽引ワイヤ18Zを介して固定手段15Zの端部を移動させ、図19に示すように板バネ部16Zを変形させて外方側に膨らませ、被検体SZの内壁に当接させた状態にする。この当接状態ではガイドチューブ挿入部11Zが上記内壁の中央部位置に保持されるので先端部3Zに備えられた上記測定手段による測定を精度よく行うことができる。
【0008】
さて、送電線鉄塔構造として鋼管支柱を用いるものがある。この構造では鋼管支柱の間がトラス構造の複数本の補強用鋼管(以下、鋼管と記載する)51で連結されている。上記鋼管51は、図20の鋼管連結部まわりの斜視図に示すように連結板52を介して溶接部52aにて上記鋼管支柱に結合されている。鋼管51の連結板52側の端部には蓋部材53が溶接にて固着されているが、鋼管51の内周面に対して隙間53aが設けられており、鋼管51の内には塵埃等が堆積し、鋼管内面を腐食させる可能性がある。
【0009】
そこで、保守作業として所定の期間毎に内視鏡を用いて上記鋼管内面を観察する必要がある。蓋部材53には中央寄りに内視鏡挿入用として幅bの縦長開口部53bが設けられる。但し、幅bは、野鳥等が入れないような狭い幅とする。上記内視鏡により鋼管内部の観察を行う場合、内視鏡挿入部を蓋部材53の開口部53bから挿入する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−227126号公報
【特許文献2】特開2009−229688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが上述した送電線鉄塔の鋼管51の内面を内視鏡により観察するために特許文献1に開示されたような内視鏡用センタリングデバイス7Yを備えた内視鏡装置1Yを用いるとすると、鋼管51に設けられた狭い開口部53bから該センタリングデバイス7Yを挿入することができず、観察を行うことができない。
【0012】
また、特許文献2に開示された内視鏡用測定アタッチメント30Zを適用する内視鏡挿入部2Zを用いれば、該挿入部2Zを上述した狭い開口部53bに挿通させた後、上記アタッチメント30Zの板バネ部16Zを鋼管51の内周に当接するまで膨らませることで挿入部2Zの先端部3Zを鋼管51の内周中央部に保持して観察することができる。しかしながら、上述のように板バネ部16Zを膨らませるには上記挿入状態で上記切替操作部の操作により牽引ワイヤ18Zを介して鋼管51内にある固定手段15Zの端部を所定位置まで移動させる必要があり、微妙な操作が不可欠であり、熟練を要するといった問題があった。
【0013】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、鋼管等の被検体内部を内視鏡により観察、または、測定するに際して、内視鏡挿入部を狭い挿入隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部中央に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメント、および、該アタッチメントを適用する内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の内視鏡用アタッチメントは、内視鏡挿入部に装着されて、該内視鏡挿入部を被検体内部に保持するための内視鏡用アタッチメントであって、上記内視鏡挿入部の外周に摺動可能に挿入され、非圧縮状態では上記内視鏡挿入部の軸方向に沿って延在しており、長手方向の押圧によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部を備えた拡張部材と、上記内視鏡挿入部の先端側に装着され、上記拡張部材の先端と当接可能な抜け止め部材と、上記拡張部材の内周部に長手方向にスライド可能に挿入され、上記拡張部の変形量を規制する変形量規制部材と、上記内視鏡挿入部の外周にスライド可能に挿入され、上記拡張部材の端部に当接し、長手方向に押圧する押し込み部材と、を具備している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば検体内部を内視鏡により観察、または、測定する際に内視鏡挿入部を狭い挿入隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメントおよび該内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態である内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置全体の構成を示す斜視図
【図2】図1の内視鏡装置において、上記内視鏡用アタッチメントを取り外した状態を示す内視鏡装置の斜視図
【図3】図1の内視鏡装置における上記内視鏡用アタッチメントの斜視図
【図4】図3の内視鏡用アタッチメントを構成する拡張部材と抜け止め部材の斜視図であって、拡張部材の拡張部が長手方向に延在した状態(膨らんでいない状態)を示す。
【図5】図4の拡張部材の拡張部が外方に向けて膨らんだ状態を示す斜視図
【図6】図3の内視鏡用アタッチメントの長手方向断面図であって、拡張部が延在している状態を示す。
【図7】図6のA−A断面図
【図8】図6のB−B断面図であって、図8(A)はクリップ部材がロック状態にあるときを示し、図8(B)はクリップ部材がロック解放状態にあるときを示す。
【図9】図3の内視鏡用アタッチメントの長手方向断面図であって、拡張部が外方に膨らんだ状態を示す。
【図10】図9のC−C断面図
【図11】図3の内視鏡用アタッチメントの先端にて抜け止め部材の抜け止めリングを取り外すときの状態を示す断面図
【図12】図3の内視鏡用アタッチメント先端の抜け止め部材における抜け止めリング保持具の断面図
【図13】図3の内視鏡用アタッチメントを鋼管内に挿入する過程を示す状態図であって、図13(A)は、挿入直前の状態を示し、図13(B)は、挿入中の状態を示し、図13(C)は、挿入後、拡張部を広げた状態を示す。
【図14】図3の内視鏡用アタッチメントのスペーサに対する変形例としてのコイルバネ式スペーサを組み込んだときの断面図であって、図14(A)は、拡張部が延在状態(膨らんでいない状態)にあるときを示し、図14(B)は、拡張部が膨らんだ状態を示す。
【図15】図3の内視鏡用アタッチメントのクリップ部材に対する第一の変形例としての板バネ式クリップの斜視図
【図16】図15に示す変形例の板バネ式クリップを装着した内視鏡用アタッチメントの拡張部材まわりの断面図
【図17】図3の内視鏡用アタッチメントのクリップ部材に対する第二の変形例としてのコレットチャック式クリップの断面図
【図18】従来の内視鏡用センタリングデバイスを適用した内視鏡構成図
【図19】従来の内視鏡測定アタッチメントまわりの構成図
【図20】送電線鉄塔構造における鋼管連結部まわりの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。
【0018】
本実施形態の内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置1は、図1〜3に示すように本装置の制御を行う電気制御部3を内蔵する本体部2と、LCD表示部4と、内視鏡挿入部7を操作するための操作部5と、上記挿入部7と、挿入部7が挿通し、貫通するガイドチューブ8とを具備しており、更に、上記ガイドチューブ8の先端側には、挿入部7の湾曲部を含む先端部を被検体内部の径方向中心に位置させるための内視鏡用アタッチメント(以下、アタッチメントと記載する)11が装着される。
【0019】
挿入部7は、可撓性挿入部7aと、可撓性挿入部7aの基端側に連結され、湾曲操作が可能な湾曲部7bと、湾曲部7の先端に配され、観察用CCDと照明部とを内蔵する挿入先端部7cとからなる。挿入部7は、挿入部基端部を操作部5の接続部6に固定して操作部5に装着される(図2)。
【0020】
ガイドチューブ8は、可撓性を有する管部材からなり、内部には挿入部7が貫通状態で挿通される。詳しくは、ガイドチューブ8に挿入部7を挿通し、挿入部7の湾曲部7bおよび挿入先端部7cをガイドチューブ8の先端側に装着されている後述する抜け止めユニット12から露呈させた状態でガイドチューブ基端側の固定支持部9の接続部6に対してビス等により着脱可能に固定される(図1)。
【0021】
後述するようにアタッチメント11の装着時、あるいは、スペーサ16の交換時に固定支持部9を固定用接続部6から分離して、ガイドチューブ8を挿入部7に対して先端側方向に相対移動させて、挿入部7の先端部7cをガイドチューブ8の内部に引き込む必要がある(図11)。
【0022】
アタッチメント11は、図1,4,6に示すように抜け止めユニット12と、拡張部材である拡張チューブ15と、変形量規制部材であるスペーサ16と、押し込み部材である押し込みチューブ17とからなる。
【0023】
抜け止めユニット12は、図4,6,7,11に示すように抜け止めリング保持具13と、抜け止め部材である抜け止めリング14とからなる。
【0024】
抜け止めリング保持具13は、先端部分に複数のすり割り加工され、内径側に弾性変形可能な口金部13aを備えている。口金部13aの外周部には凹部13bが設けられている。抜け止めリング保持具13の基端側は、ガイドチューブ8の先端部に固定支持されている。
【0025】
抜け止めリング14は、保持具13の凹部13bに嵌入される。この嵌入状態では抜け止めリング14は、先端側端面14bが凹部13bの前方に当接し、先端方向への抜け出しが防止される(図6,9)。また、抜け止めリング14の基端側端面14aが外周側段部を形成する。この段部には後述する拡張チューブ15の先端面15bが当接し、拡張チューブ15の先端方向への移動が規制される(図6,9)。ガイドチューブ8の固定支持9を外して、挿入部7を相対的にガイドチューブ8内に引き込んだ状態で、口金部13aを内径側に変形させると(図11)、抜け止めリング14を抜け止めリング保持具13から取り外すことができ、アタッチメント11の装着、あるいは、アタッチメント11のスペーサ16の交換が可能となる。
【0026】
拡張チューブ15は、ウレタン樹脂あるいはテフロン(登録商標)樹脂等の可撓性管部材からなり、両管端部15b,15cの間が管長手方向に沿った切れ目15dで周方向が複数に分割されて(本実施形態の場合は6分割)延在する弾性変形可能な拡張部15aを備えている(図3〜5)。本実施形態では3本の拡張チューブ15がガイドチューブ8の先端部の外周に長手方向に沿って直列の状態でスライド可能に挿入されている。
【0027】
スペーサ16は、軸方向長さB(図9)を有する円管部材からなり、各拡張チューブ15の拡張部15aの内側に挿入され、かつ、ガイドチューブ8の外周部にスライド可能に挿入される(図4,6)。
【0028】
スペーサ16の挿入状態の拡張チューブ15の両端を互いに接近するように管長手方向に圧縮すると、拡張部15aが上記延在状態(膨らんでいない状態)から外径方向に向けて逆U字状に膨らむように弾性変形する(図5)。さらなる圧縮変形を行うと、拡張チューブ15の先端側および基端側の管状端部15b,15cの各内面がスペーサ16を挟み込むようにして当接し、拡張チューブ15の長手方向の圧縮量が規制される。この圧縮量規制によりスペーサ16の軸方向長さBに応じた拡張部15aの外周方向への膨らみ変形量、すなわち、膨らみ直径Dが得られる(図9,10)。
【0029】
スペーサ16は、軸方向長さBの異なるものが用意されている。従って、後述するように軸方向長さBの異なるスペーサ16を選択して装着することによって拡張部15aの膨らみ直径Dが設定できる。
【0030】
押し込みチューブ17は、可撓性コイルパイプ、あるいは、可撓性樹脂製チューブ等の可撓性管部材からなり、ガイドチューブ8の外周に挿入されており、基端側にストッパ機構部であるクリップ部18が設けられている(図6)。
【0031】
クリップ部18は、図8(A)に示すように幅Hの長円断面形状を有し径方向に弾性変形が可能である。ガイドチューブ8に挿入され、クリップ部18の外周部が解放された状態にあるとき、ガイドチューブ8に対して側方E点で当接して摩擦力が働くように嵌入しており、押し込みチューブ17の相対移動を規制する(ロック状態)。すなわち、管長手方向の位置決めがなされる。また、図8(B)に示すようにクリップ部18の上下方向に力Fを加えると上記側方E点での摩擦力がなくなり、押し込みチューブ17はガイドチューブ8に対して管長手方向にスライド移動が可能な状態になる(ロック解放状態)。
【0032】
アタッチメント11は、ガイドチューブ8の先端部に装着された状態では、拡張チューブ15が管状端部(先端側)15bが抜け止めリング14に当接してガイドチューブ8に対する先端側方向への抜け出しが規制され、さらに、押し込みチューブ17の先端部17aが拡張チューブ15の管状端部(基端側)15cに当接することでアタッチメント11のガイドチューブ8に対する管長手方向の位置規制がなされる。
【0033】
クリップ部18の幅Hは(図8)、被検体である鋼管51の開口53bの幅bより小さい。また、拡張部15aが延在状態(膨らんでいない状態)にある拡張チューブ15の外径も鋼管51の開口53bの幅bより小さい。従って、クリップ部18を含むアタッチメント11は、ガイドチューブ8、挿入部7とともに開口53bから鋼管51の内部に挿入が可能である。
【0034】
押し込みチューブ17のクリップ部18をロック解放状態とすると、押し込みチューブ17を先端側方向に相対移動させることができる。この相対移動により押し込みチューブ17の先端部17aで拡張チューブ15が先端側に向けて圧縮され、拡張部15aを延在状態(膨らんでいない状態)から逆U字状に膨らんむ状態へ変形させることが可能である。この押し込みチューブ17の相対移動量は、上述したようにスペーサ16により規制される。
【0035】
上述した構成を有する内視鏡装置1により、例えば、被検体である送電鉄塔の補強用の鋼管51(図20)の内周面の観察を行う場合の操作について、図13(A),(B),(C)等を用いて説明する。
【0036】
アタッチメント11を含むガイドチューブ8および挿入部7を鋼管51の内部に挿入するに先立って、鋼管51の内径寸法に対応した軸方向長さBを有するスペーサ16を選択して拡張チューブ15内に挿入する必要がある。
【0037】
なお、スペーサ16を取り替えるには、一旦、ガイドチューブ8の固定支持部9を外してガイドチューブ8を挿入部7に対して先端側にずらして、挿入部7の先端部7cをガイドチューブ8の内部に引き込む(図11)。そこで、抜け止めユニット12の口金部13aを内径側に変形させて抜け止めリング14を抜き取る(図11)。この抜き取り状態で拡張チューブ15をガイドチューブ8より前方に移動させてスペーサ16を入れ替え、再度、抜け止めリング14を嵌め込む。この入れ替え操作後、再度、固定支持部9を接続部6に固定し、ガイドチューブ8から挿入部7の湾曲部7b、先端部7cが露呈した状態にする(図4,6)。
【0038】
ガイドチューブ8および挿入部7を鋼管51の内部に挿入する直前の状態では、押し込みチューブ17は、拡張チューブ15を非圧縮状態である押圧しない位置に後退させて拡張部15aを延在状態(膨らんでいない状態)に保持する(図13(A))。この状態のまま、挿入部7とガイドチューブ8上の拡張チューブ15、押し込みチューブ17までを鋼管51の開口部53b(図20)から挿入する。クリップ部18は挿入しない(図13(B))。
【0039】
上記挿入状態で押し込みチューブ17のクリップ部18を操作してロック解放状態にして押し込みチューブ17をガイドチューブ8に対して先端側に相対移動させ、拡張チューブ15を圧縮する。拡張チューブ15の長手方向の長さがスペーサ16によって規制されるまで押し込み、クリップ部18をロック状態にする。この押し込み操作により拡張部15aが膨らみ直径Dまで膨らみ、鋼管51の内周部に当接する(図10,13(C),20)。この拡張部当接状態では挿入部7先端側が鋼管51の軸中心位置に保持され、挿入部湾曲部7bを湾曲させながら挿入部先端部7cによる鋼管51の内周面の観察を行うことができる。
【0040】
鋼管51の観察箇所が内部の深い場所であるとき、例えば、長さ数m〜10m先の奥部であるときは、クリップ部18もともに鋼管開口部53aから管内部に挿入し、内部の観察を行う。
【0041】
以上、説明した本実施形態のアタッチメント11を適用する内視鏡装置1によれば、拡張チューブ15の内部に装着するスペーサ16を採用することによって拡張チューブ15の長手方向の所望の圧縮状態とすることが可能であり、微妙な調節操作を行うことなく、拡張部15aの膨らみ直径Dを被検体の鋼管51の内径に確実に合わせることができる。
【0042】
そして、スペーサ16の長さの異なるものを用意し、選択することで種々の内径を有する被検体に対応することができ、しかも、観測直前でもスペーサ16を交換することが可能であり、即応性に優れている。また、スペーサ16の交換は、前述した方法で抜け止めユニット12の抜け止めリング14を外すことで簡単に行うことができる。
【0043】
拡張部15aは前述したようにU字状に変形するので、膨らんだ外周部に異常な力が作用したとき、U字状部が挫屈し、長手方向に加わる力が軽減され、クリップ部18のずれが防止できる。
【0044】
それぞれ拡張部15aを備えた複数本の拡張チューブ15(本実施形態では3本)を採用することで拡張片15aによる挿入部7の被検体内部での保持力、保持位置安定度を向上させることができる。なお、複数本の拡張チューブ15を一体化した構造のものを適用することも可能である。さらには、拡張部15aの膨らみ直径を先端側に向けて徐々に減じた一体型拡張チューブも提案できる。
【0045】
押し込みチューブ17に後端部に簡単なロック、解放操作が可能なクリップ部18を配することで拡張チューブ15の長手方向の圧縮移動と固定保持を容易に切り替えることができる。
【0046】
クリップ部18の幅Hを被検体の挿入開口部53cの幅bより小さく設定することで該クリップ部18を含めてアタッチメント11を被検体内部に挿入することが可能となる。従って、クリップ部18が被検体の外部にあるとき、拡張チューブ15の長手方向に圧縮操作を行って拡張部15aの膨らみ変形量を規定しておき、その後、クリップ部18を含めたアタッチメント11の被検体内部への挿入を行うことにより、被検体の長手方向の深い部分の観察が可能になる。
【0047】
また、押し込みチューブ17の長さを適切な長さとすることで、拡張チューブ15を長手方向に圧縮操作するためのクリップ部18を含めた押し込みチューブ17の移動が容易になる。
【0048】
上述した実施形態では、ガイドチューブ8は、基端側を内視鏡側操作部5の接続部6に固定支持部9を固定して支持されている。これに対してガイドチューブ8を押し込みチューブ17の基端側の近傍位置で分割し、分割されたより短いガイドチューブ8の先端側分を挿入部7に対して分離可能に結合する構成も提案できる。この構成の場合、上述した拡張部材15の装着やスペーサ16の交換作業時、ガイドチューブ8の内部に上記挿入部7の先端側を引き込む際、押し込みチューブ17の基端側の近傍にてガイドチューブ8を挿入部7から分離することにより上述した挿入部7の引き込み作業が容易になる。
【0049】
また、アタッチメント11をガイドチューブ8を介さず直接、挿入部7に装着する構成を採用することも可能である。この場合、挿入部7に抜け止めリング14を直接、ビス等で固定する。従って、スペーサ15を交換するには、抜け止めリング14を挿入部7から取り外すことになる。
【0050】
アタッチメント11が適用される内視鏡装置による観察被検体としては、鋼管51以外、鋼板製や木製等のダクトであってもよい。
【0051】
上述した実施形態に適用したスペーサ16に替わる変形例として図14(A),(B)に示すコイルバネ式スペーサ16Aを適用することも可能である。
【0052】
本変形例のコイルバネ式スペーサ16Aは、圧縮コイルバネからなり、図14(A)に示すように拡張チューブ15が非圧縮状態にあるとき、ほぼ自由状態に伸張しており、拡張部15aが長手方向に延在している(膨らんでいない状態)。図14(B)に示すように拡張チューブ15が圧縮されて、スペーサ16Aが密着状態になると、拡張部15aが外径方向に膨らみ、所定の膨らみ状態になる。
【0053】
本変形例の圧縮バネ式スペーサ16Aによれば、拡張チューブ15が非圧縮状態にあるとき、伸張することからより確実な拡張部15aが延在する状態(膨らんでいない状態)が得られ、アタッチメント11の鋼管51内への挿入が容易になる。また、圧縮バネ式スペーサ16Aの場合、バネの巻き数を変えることで圧縮時の密着長を変えることができる。
【0054】
上述した実施形態に適用したストッパ機構部であるクリップ部18に替えて図15,16に示す第一の変形例の板バネ式クリップ18Aを適用することも可能である。
【0055】
本変形例の板バネ式クリップ18Aは、図15に示すようにV字状に折り曲げた板バネ材からなり、対向する位置にガイドチューブ8に嵌入する穴18Aaが設けられる。クリップ18Aは、図16に示すようにガイドチューブ8に装着された状態で先端側に移動させ、拡張チューブ15を押圧、圧縮して拡張部15aを膨らませた状態でガイドチューブ8上に固定(ロック)される。拡張チューブ15を解放するにはクリップ18Aを軸方向に窄める。
【0056】
板バネ式クリップ18Aは、構造が簡単であり、かつ、ロック、解放を確実に行うことができる。なお、クリップ18Aと拡張チューブ15の間に押し込みチューブ17を介在させることは可能である。
【0057】
さらに、上述した実施形態に適用したストッパ機構部であるクリップ部18に替えて図17に示す第二の変形例のコレットチャック式クリップ18Bを適用することも可能である。
【0058】
本変形例のコレットチャック式クリップ18Bは、図17に示すようにガイドチューブ8に嵌入する爪部を有する本体部18Baと、ナット部18Bbからなる。クリップ18Bは、ガイドチューブ8に挿入し先端側に移動させ、拡張チューブ15を押圧、圧縮して拡張部15aを膨らませた状態でナット部18Bbを締め付け固定(ロック)する。
【0059】
コレットチャック式クリップ18Bによれば、ロックをより確実に行うことができる。なお、クリップ18Bと拡張チューブ15の間に押し込みチューブ17を介在させることは可能である。
【0060】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
上述のように本発明の内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置は、検体内部を内視鏡により観察、または、測定する際に内視鏡挿入部を狭い隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置としての利用が可能である。
【符号の説明】
【0062】
7…内視鏡挿入部
11…内視鏡用アタッチメント
14…抜け止めリング(抜け止め部材)
15…拡張チューブ(拡張部材)
15a…拡張部
16…スペーサ(変形量規制部材)
16A…コイルバネ式スペーサ(変形量規制部材)
17…押し込みチューブ(押し込み部材)
18…クリップ部(ストッパ機構部)
18A…板バネ式クリップ(ストッパ機構部)
18B…コレットチャック式クリップ(ストッパ機構部)
51…鋼管(被検体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置の内視鏡挿入部に装着される内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から被検体の内部を観察あるいは測定するために、細長で先端にCCDなどの観察手段が設けられた挿入部を備えた内視鏡が利用されているが、観察あるいは測定時、該内視鏡の挿入部の観察部分を保持する部位を被検体内部の中央に保持する構造に関して各種の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された内視鏡用センタリングデバイスは、内視鏡挿入部に装着され、被検体内部の観察を正確に行うためのセンタリングデバイスであり、本センタリングデバイス7Yは、図18の従来の内視鏡構成図に示すように内視鏡装置1Yの内視鏡挿入部2Y、または、該挿入部のガイドチューブ(図示せず)に装着可能とする。
【0004】
上記センタリングデバイス7Yは、デバイス本体10Yと、先端側凸部11Yと、板状部15Yを備えている。該板状部15Yは、デバイス本体10Yの外方に突出して配されるほぼ半円状の板部からなる。該デバイス7Yが装着された内視鏡挿入部2Yの先端2Yaは、板状部15Yによって上記被検体内部の径方向中心に保持され、上記被検体内部の観察をより正確に行うことができる。
【0005】
また、特許文献2に開示された内視鏡用測定アタッチメントは、内視鏡挿入部に装着され、被検体内部に挿入された状態の内視鏡による該被検体の内部の測定を正確に行うためのものである。図19の従来の内視鏡測定アタッチメントまわりの構成図に示すように上記内視鏡用測定アタッチメント30Zは、本体ブロック31Zと、本体ブロック31Zに設けられた当接ブロック32Zと、先端部が本体ブロック31Zに固定され、被検体SZの内部に挿入される細長の挿入部33Zと、挿入部33Zの基端側に設けられた把持部(図示せず)とを備えている。本体ブロック31Zには内視鏡挿入部2Zの端部に配される測定手段を備えた先端部3Zが固着されている。
【0006】
挿入部33Zは、第一の内視鏡2Zに沿って保持されるガイドチューブ10Zを挿通している。ガイドチューブ10Zのガイドチューブ挿入部11Z上に固定手段15Zが配されいる。固定手段15Zは、ガイドチューブ挿入部11Zの外周面に軸方向に延設されるとともに、周方向に複数配設された板バネ16Zと、ガイドチューブ挿入部11Zの基端側に設けられ、板バネ16Zの湾曲操作を行う切替操作部(図示せず)と、上記切替操作部による操作を板バネ16Zに伝達させる牽引ワイヤ18Zとからなる。
【0007】
被検体SZの内部の幅を測定する場合、内視鏡挿入部2Zと測定アタッチメント30Zが装着されたガイドチューブ10Zとを被検体Sの内部に隙間を挿通させて挿入する。該挿入状態で上記切替操作部の操作により牽引ワイヤ18Zを介して固定手段15Zの端部を移動させ、図19に示すように板バネ部16Zを変形させて外方側に膨らませ、被検体SZの内壁に当接させた状態にする。この当接状態ではガイドチューブ挿入部11Zが上記内壁の中央部位置に保持されるので先端部3Zに備えられた上記測定手段による測定を精度よく行うことができる。
【0008】
さて、送電線鉄塔構造として鋼管支柱を用いるものがある。この構造では鋼管支柱の間がトラス構造の複数本の補強用鋼管(以下、鋼管と記載する)51で連結されている。上記鋼管51は、図20の鋼管連結部まわりの斜視図に示すように連結板52を介して溶接部52aにて上記鋼管支柱に結合されている。鋼管51の連結板52側の端部には蓋部材53が溶接にて固着されているが、鋼管51の内周面に対して隙間53aが設けられており、鋼管51の内には塵埃等が堆積し、鋼管内面を腐食させる可能性がある。
【0009】
そこで、保守作業として所定の期間毎に内視鏡を用いて上記鋼管内面を観察する必要がある。蓋部材53には中央寄りに内視鏡挿入用として幅bの縦長開口部53bが設けられる。但し、幅bは、野鳥等が入れないような狭い幅とする。上記内視鏡により鋼管内部の観察を行う場合、内視鏡挿入部を蓋部材53の開口部53bから挿入する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−227126号公報
【特許文献2】特開2009−229688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが上述した送電線鉄塔の鋼管51の内面を内視鏡により観察するために特許文献1に開示されたような内視鏡用センタリングデバイス7Yを備えた内視鏡装置1Yを用いるとすると、鋼管51に設けられた狭い開口部53bから該センタリングデバイス7Yを挿入することができず、観察を行うことができない。
【0012】
また、特許文献2に開示された内視鏡用測定アタッチメント30Zを適用する内視鏡挿入部2Zを用いれば、該挿入部2Zを上述した狭い開口部53bに挿通させた後、上記アタッチメント30Zの板バネ部16Zを鋼管51の内周に当接するまで膨らませることで挿入部2Zの先端部3Zを鋼管51の内周中央部に保持して観察することができる。しかしながら、上述のように板バネ部16Zを膨らませるには上記挿入状態で上記切替操作部の操作により牽引ワイヤ18Zを介して鋼管51内にある固定手段15Zの端部を所定位置まで移動させる必要があり、微妙な操作が不可欠であり、熟練を要するといった問題があった。
【0013】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、鋼管等の被検体内部を内視鏡により観察、または、測定するに際して、内視鏡挿入部を狭い挿入隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部中央に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメント、および、該アタッチメントを適用する内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の内視鏡用アタッチメントは、内視鏡挿入部に装着されて、該内視鏡挿入部を被検体内部に保持するための内視鏡用アタッチメントであって、上記内視鏡挿入部の外周に摺動可能に挿入され、非圧縮状態では上記内視鏡挿入部の軸方向に沿って延在しており、長手方向の押圧によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部を備えた拡張部材と、上記内視鏡挿入部の先端側に装着され、上記拡張部材の先端と当接可能な抜け止め部材と、上記拡張部材の内周部に長手方向にスライド可能に挿入され、上記拡張部の変形量を規制する変形量規制部材と、上記内視鏡挿入部の外周にスライド可能に挿入され、上記拡張部材の端部に当接し、長手方向に押圧する押し込み部材と、を具備している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば検体内部を内視鏡により観察、または、測定する際に内視鏡挿入部を狭い挿入隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメントおよび該内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態である内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置全体の構成を示す斜視図
【図2】図1の内視鏡装置において、上記内視鏡用アタッチメントを取り外した状態を示す内視鏡装置の斜視図
【図3】図1の内視鏡装置における上記内視鏡用アタッチメントの斜視図
【図4】図3の内視鏡用アタッチメントを構成する拡張部材と抜け止め部材の斜視図であって、拡張部材の拡張部が長手方向に延在した状態(膨らんでいない状態)を示す。
【図5】図4の拡張部材の拡張部が外方に向けて膨らんだ状態を示す斜視図
【図6】図3の内視鏡用アタッチメントの長手方向断面図であって、拡張部が延在している状態を示す。
【図7】図6のA−A断面図
【図8】図6のB−B断面図であって、図8(A)はクリップ部材がロック状態にあるときを示し、図8(B)はクリップ部材がロック解放状態にあるときを示す。
【図9】図3の内視鏡用アタッチメントの長手方向断面図であって、拡張部が外方に膨らんだ状態を示す。
【図10】図9のC−C断面図
【図11】図3の内視鏡用アタッチメントの先端にて抜け止め部材の抜け止めリングを取り外すときの状態を示す断面図
【図12】図3の内視鏡用アタッチメント先端の抜け止め部材における抜け止めリング保持具の断面図
【図13】図3の内視鏡用アタッチメントを鋼管内に挿入する過程を示す状態図であって、図13(A)は、挿入直前の状態を示し、図13(B)は、挿入中の状態を示し、図13(C)は、挿入後、拡張部を広げた状態を示す。
【図14】図3の内視鏡用アタッチメントのスペーサに対する変形例としてのコイルバネ式スペーサを組み込んだときの断面図であって、図14(A)は、拡張部が延在状態(膨らんでいない状態)にあるときを示し、図14(B)は、拡張部が膨らんだ状態を示す。
【図15】図3の内視鏡用アタッチメントのクリップ部材に対する第一の変形例としての板バネ式クリップの斜視図
【図16】図15に示す変形例の板バネ式クリップを装着した内視鏡用アタッチメントの拡張部材まわりの断面図
【図17】図3の内視鏡用アタッチメントのクリップ部材に対する第二の変形例としてのコレットチャック式クリップの断面図
【図18】従来の内視鏡用センタリングデバイスを適用した内視鏡構成図
【図19】従来の内視鏡測定アタッチメントまわりの構成図
【図20】送電線鉄塔構造における鋼管連結部まわりの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。
【0018】
本実施形態の内視鏡用アタッチメントを適用する内視鏡装置1は、図1〜3に示すように本装置の制御を行う電気制御部3を内蔵する本体部2と、LCD表示部4と、内視鏡挿入部7を操作するための操作部5と、上記挿入部7と、挿入部7が挿通し、貫通するガイドチューブ8とを具備しており、更に、上記ガイドチューブ8の先端側には、挿入部7の湾曲部を含む先端部を被検体内部の径方向中心に位置させるための内視鏡用アタッチメント(以下、アタッチメントと記載する)11が装着される。
【0019】
挿入部7は、可撓性挿入部7aと、可撓性挿入部7aの基端側に連結され、湾曲操作が可能な湾曲部7bと、湾曲部7の先端に配され、観察用CCDと照明部とを内蔵する挿入先端部7cとからなる。挿入部7は、挿入部基端部を操作部5の接続部6に固定して操作部5に装着される(図2)。
【0020】
ガイドチューブ8は、可撓性を有する管部材からなり、内部には挿入部7が貫通状態で挿通される。詳しくは、ガイドチューブ8に挿入部7を挿通し、挿入部7の湾曲部7bおよび挿入先端部7cをガイドチューブ8の先端側に装着されている後述する抜け止めユニット12から露呈させた状態でガイドチューブ基端側の固定支持部9の接続部6に対してビス等により着脱可能に固定される(図1)。
【0021】
後述するようにアタッチメント11の装着時、あるいは、スペーサ16の交換時に固定支持部9を固定用接続部6から分離して、ガイドチューブ8を挿入部7に対して先端側方向に相対移動させて、挿入部7の先端部7cをガイドチューブ8の内部に引き込む必要がある(図11)。
【0022】
アタッチメント11は、図1,4,6に示すように抜け止めユニット12と、拡張部材である拡張チューブ15と、変形量規制部材であるスペーサ16と、押し込み部材である押し込みチューブ17とからなる。
【0023】
抜け止めユニット12は、図4,6,7,11に示すように抜け止めリング保持具13と、抜け止め部材である抜け止めリング14とからなる。
【0024】
抜け止めリング保持具13は、先端部分に複数のすり割り加工され、内径側に弾性変形可能な口金部13aを備えている。口金部13aの外周部には凹部13bが設けられている。抜け止めリング保持具13の基端側は、ガイドチューブ8の先端部に固定支持されている。
【0025】
抜け止めリング14は、保持具13の凹部13bに嵌入される。この嵌入状態では抜け止めリング14は、先端側端面14bが凹部13bの前方に当接し、先端方向への抜け出しが防止される(図6,9)。また、抜け止めリング14の基端側端面14aが外周側段部を形成する。この段部には後述する拡張チューブ15の先端面15bが当接し、拡張チューブ15の先端方向への移動が規制される(図6,9)。ガイドチューブ8の固定支持9を外して、挿入部7を相対的にガイドチューブ8内に引き込んだ状態で、口金部13aを内径側に変形させると(図11)、抜け止めリング14を抜け止めリング保持具13から取り外すことができ、アタッチメント11の装着、あるいは、アタッチメント11のスペーサ16の交換が可能となる。
【0026】
拡張チューブ15は、ウレタン樹脂あるいはテフロン(登録商標)樹脂等の可撓性管部材からなり、両管端部15b,15cの間が管長手方向に沿った切れ目15dで周方向が複数に分割されて(本実施形態の場合は6分割)延在する弾性変形可能な拡張部15aを備えている(図3〜5)。本実施形態では3本の拡張チューブ15がガイドチューブ8の先端部の外周に長手方向に沿って直列の状態でスライド可能に挿入されている。
【0027】
スペーサ16は、軸方向長さB(図9)を有する円管部材からなり、各拡張チューブ15の拡張部15aの内側に挿入され、かつ、ガイドチューブ8の外周部にスライド可能に挿入される(図4,6)。
【0028】
スペーサ16の挿入状態の拡張チューブ15の両端を互いに接近するように管長手方向に圧縮すると、拡張部15aが上記延在状態(膨らんでいない状態)から外径方向に向けて逆U字状に膨らむように弾性変形する(図5)。さらなる圧縮変形を行うと、拡張チューブ15の先端側および基端側の管状端部15b,15cの各内面がスペーサ16を挟み込むようにして当接し、拡張チューブ15の長手方向の圧縮量が規制される。この圧縮量規制によりスペーサ16の軸方向長さBに応じた拡張部15aの外周方向への膨らみ変形量、すなわち、膨らみ直径Dが得られる(図9,10)。
【0029】
スペーサ16は、軸方向長さBの異なるものが用意されている。従って、後述するように軸方向長さBの異なるスペーサ16を選択して装着することによって拡張部15aの膨らみ直径Dが設定できる。
【0030】
押し込みチューブ17は、可撓性コイルパイプ、あるいは、可撓性樹脂製チューブ等の可撓性管部材からなり、ガイドチューブ8の外周に挿入されており、基端側にストッパ機構部であるクリップ部18が設けられている(図6)。
【0031】
クリップ部18は、図8(A)に示すように幅Hの長円断面形状を有し径方向に弾性変形が可能である。ガイドチューブ8に挿入され、クリップ部18の外周部が解放された状態にあるとき、ガイドチューブ8に対して側方E点で当接して摩擦力が働くように嵌入しており、押し込みチューブ17の相対移動を規制する(ロック状態)。すなわち、管長手方向の位置決めがなされる。また、図8(B)に示すようにクリップ部18の上下方向に力Fを加えると上記側方E点での摩擦力がなくなり、押し込みチューブ17はガイドチューブ8に対して管長手方向にスライド移動が可能な状態になる(ロック解放状態)。
【0032】
アタッチメント11は、ガイドチューブ8の先端部に装着された状態では、拡張チューブ15が管状端部(先端側)15bが抜け止めリング14に当接してガイドチューブ8に対する先端側方向への抜け出しが規制され、さらに、押し込みチューブ17の先端部17aが拡張チューブ15の管状端部(基端側)15cに当接することでアタッチメント11のガイドチューブ8に対する管長手方向の位置規制がなされる。
【0033】
クリップ部18の幅Hは(図8)、被検体である鋼管51の開口53bの幅bより小さい。また、拡張部15aが延在状態(膨らんでいない状態)にある拡張チューブ15の外径も鋼管51の開口53bの幅bより小さい。従って、クリップ部18を含むアタッチメント11は、ガイドチューブ8、挿入部7とともに開口53bから鋼管51の内部に挿入が可能である。
【0034】
押し込みチューブ17のクリップ部18をロック解放状態とすると、押し込みチューブ17を先端側方向に相対移動させることができる。この相対移動により押し込みチューブ17の先端部17aで拡張チューブ15が先端側に向けて圧縮され、拡張部15aを延在状態(膨らんでいない状態)から逆U字状に膨らんむ状態へ変形させることが可能である。この押し込みチューブ17の相対移動量は、上述したようにスペーサ16により規制される。
【0035】
上述した構成を有する内視鏡装置1により、例えば、被検体である送電鉄塔の補強用の鋼管51(図20)の内周面の観察を行う場合の操作について、図13(A),(B),(C)等を用いて説明する。
【0036】
アタッチメント11を含むガイドチューブ8および挿入部7を鋼管51の内部に挿入するに先立って、鋼管51の内径寸法に対応した軸方向長さBを有するスペーサ16を選択して拡張チューブ15内に挿入する必要がある。
【0037】
なお、スペーサ16を取り替えるには、一旦、ガイドチューブ8の固定支持部9を外してガイドチューブ8を挿入部7に対して先端側にずらして、挿入部7の先端部7cをガイドチューブ8の内部に引き込む(図11)。そこで、抜け止めユニット12の口金部13aを内径側に変形させて抜け止めリング14を抜き取る(図11)。この抜き取り状態で拡張チューブ15をガイドチューブ8より前方に移動させてスペーサ16を入れ替え、再度、抜け止めリング14を嵌め込む。この入れ替え操作後、再度、固定支持部9を接続部6に固定し、ガイドチューブ8から挿入部7の湾曲部7b、先端部7cが露呈した状態にする(図4,6)。
【0038】
ガイドチューブ8および挿入部7を鋼管51の内部に挿入する直前の状態では、押し込みチューブ17は、拡張チューブ15を非圧縮状態である押圧しない位置に後退させて拡張部15aを延在状態(膨らんでいない状態)に保持する(図13(A))。この状態のまま、挿入部7とガイドチューブ8上の拡張チューブ15、押し込みチューブ17までを鋼管51の開口部53b(図20)から挿入する。クリップ部18は挿入しない(図13(B))。
【0039】
上記挿入状態で押し込みチューブ17のクリップ部18を操作してロック解放状態にして押し込みチューブ17をガイドチューブ8に対して先端側に相対移動させ、拡張チューブ15を圧縮する。拡張チューブ15の長手方向の長さがスペーサ16によって規制されるまで押し込み、クリップ部18をロック状態にする。この押し込み操作により拡張部15aが膨らみ直径Dまで膨らみ、鋼管51の内周部に当接する(図10,13(C),20)。この拡張部当接状態では挿入部7先端側が鋼管51の軸中心位置に保持され、挿入部湾曲部7bを湾曲させながら挿入部先端部7cによる鋼管51の内周面の観察を行うことができる。
【0040】
鋼管51の観察箇所が内部の深い場所であるとき、例えば、長さ数m〜10m先の奥部であるときは、クリップ部18もともに鋼管開口部53aから管内部に挿入し、内部の観察を行う。
【0041】
以上、説明した本実施形態のアタッチメント11を適用する内視鏡装置1によれば、拡張チューブ15の内部に装着するスペーサ16を採用することによって拡張チューブ15の長手方向の所望の圧縮状態とすることが可能であり、微妙な調節操作を行うことなく、拡張部15aの膨らみ直径Dを被検体の鋼管51の内径に確実に合わせることができる。
【0042】
そして、スペーサ16の長さの異なるものを用意し、選択することで種々の内径を有する被検体に対応することができ、しかも、観測直前でもスペーサ16を交換することが可能であり、即応性に優れている。また、スペーサ16の交換は、前述した方法で抜け止めユニット12の抜け止めリング14を外すことで簡単に行うことができる。
【0043】
拡張部15aは前述したようにU字状に変形するので、膨らんだ外周部に異常な力が作用したとき、U字状部が挫屈し、長手方向に加わる力が軽減され、クリップ部18のずれが防止できる。
【0044】
それぞれ拡張部15aを備えた複数本の拡張チューブ15(本実施形態では3本)を採用することで拡張片15aによる挿入部7の被検体内部での保持力、保持位置安定度を向上させることができる。なお、複数本の拡張チューブ15を一体化した構造のものを適用することも可能である。さらには、拡張部15aの膨らみ直径を先端側に向けて徐々に減じた一体型拡張チューブも提案できる。
【0045】
押し込みチューブ17に後端部に簡単なロック、解放操作が可能なクリップ部18を配することで拡張チューブ15の長手方向の圧縮移動と固定保持を容易に切り替えることができる。
【0046】
クリップ部18の幅Hを被検体の挿入開口部53cの幅bより小さく設定することで該クリップ部18を含めてアタッチメント11を被検体内部に挿入することが可能となる。従って、クリップ部18が被検体の外部にあるとき、拡張チューブ15の長手方向に圧縮操作を行って拡張部15aの膨らみ変形量を規定しておき、その後、クリップ部18を含めたアタッチメント11の被検体内部への挿入を行うことにより、被検体の長手方向の深い部分の観察が可能になる。
【0047】
また、押し込みチューブ17の長さを適切な長さとすることで、拡張チューブ15を長手方向に圧縮操作するためのクリップ部18を含めた押し込みチューブ17の移動が容易になる。
【0048】
上述した実施形態では、ガイドチューブ8は、基端側を内視鏡側操作部5の接続部6に固定支持部9を固定して支持されている。これに対してガイドチューブ8を押し込みチューブ17の基端側の近傍位置で分割し、分割されたより短いガイドチューブ8の先端側分を挿入部7に対して分離可能に結合する構成も提案できる。この構成の場合、上述した拡張部材15の装着やスペーサ16の交換作業時、ガイドチューブ8の内部に上記挿入部7の先端側を引き込む際、押し込みチューブ17の基端側の近傍にてガイドチューブ8を挿入部7から分離することにより上述した挿入部7の引き込み作業が容易になる。
【0049】
また、アタッチメント11をガイドチューブ8を介さず直接、挿入部7に装着する構成を採用することも可能である。この場合、挿入部7に抜け止めリング14を直接、ビス等で固定する。従って、スペーサ15を交換するには、抜け止めリング14を挿入部7から取り外すことになる。
【0050】
アタッチメント11が適用される内視鏡装置による観察被検体としては、鋼管51以外、鋼板製や木製等のダクトであってもよい。
【0051】
上述した実施形態に適用したスペーサ16に替わる変形例として図14(A),(B)に示すコイルバネ式スペーサ16Aを適用することも可能である。
【0052】
本変形例のコイルバネ式スペーサ16Aは、圧縮コイルバネからなり、図14(A)に示すように拡張チューブ15が非圧縮状態にあるとき、ほぼ自由状態に伸張しており、拡張部15aが長手方向に延在している(膨らんでいない状態)。図14(B)に示すように拡張チューブ15が圧縮されて、スペーサ16Aが密着状態になると、拡張部15aが外径方向に膨らみ、所定の膨らみ状態になる。
【0053】
本変形例の圧縮バネ式スペーサ16Aによれば、拡張チューブ15が非圧縮状態にあるとき、伸張することからより確実な拡張部15aが延在する状態(膨らんでいない状態)が得られ、アタッチメント11の鋼管51内への挿入が容易になる。また、圧縮バネ式スペーサ16Aの場合、バネの巻き数を変えることで圧縮時の密着長を変えることができる。
【0054】
上述した実施形態に適用したストッパ機構部であるクリップ部18に替えて図15,16に示す第一の変形例の板バネ式クリップ18Aを適用することも可能である。
【0055】
本変形例の板バネ式クリップ18Aは、図15に示すようにV字状に折り曲げた板バネ材からなり、対向する位置にガイドチューブ8に嵌入する穴18Aaが設けられる。クリップ18Aは、図16に示すようにガイドチューブ8に装着された状態で先端側に移動させ、拡張チューブ15を押圧、圧縮して拡張部15aを膨らませた状態でガイドチューブ8上に固定(ロック)される。拡張チューブ15を解放するにはクリップ18Aを軸方向に窄める。
【0056】
板バネ式クリップ18Aは、構造が簡単であり、かつ、ロック、解放を確実に行うことができる。なお、クリップ18Aと拡張チューブ15の間に押し込みチューブ17を介在させることは可能である。
【0057】
さらに、上述した実施形態に適用したストッパ機構部であるクリップ部18に替えて図17に示す第二の変形例のコレットチャック式クリップ18Bを適用することも可能である。
【0058】
本変形例のコレットチャック式クリップ18Bは、図17に示すようにガイドチューブ8に嵌入する爪部を有する本体部18Baと、ナット部18Bbからなる。クリップ18Bは、ガイドチューブ8に挿入し先端側に移動させ、拡張チューブ15を押圧、圧縮して拡張部15aを膨らませた状態でナット部18Bbを締め付け固定(ロック)する。
【0059】
コレットチャック式クリップ18Bによれば、ロックをより確実に行うことができる。なお、クリップ18Bと拡張チューブ15の間に押し込みチューブ17を介在させることは可能である。
【0060】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
上述のように本発明の内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置は、検体内部を内視鏡により観察、または、測定する際に内視鏡挿入部を狭い隙間を挿通させることが可能であって、かつ、該挿入状態にて簡単な操作で上記挿入部先端を被検体内部に保持することが可能であり、構造も簡単な内視鏡用アタッチメントおよび該アタッチメントを適用する内視鏡装置としての利用が可能である。
【符号の説明】
【0062】
7…内視鏡挿入部
11…内視鏡用アタッチメント
14…抜け止めリング(抜け止め部材)
15…拡張チューブ(拡張部材)
15a…拡張部
16…スペーサ(変形量規制部材)
16A…コイルバネ式スペーサ(変形量規制部材)
17…押し込みチューブ(押し込み部材)
18…クリップ部(ストッパ機構部)
18A…板バネ式クリップ(ストッパ機構部)
18B…コレットチャック式クリップ(ストッパ機構部)
51…鋼管(被検体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡挿入部に装着されて、該内視鏡挿入部を被検体内部に保持するための内視鏡用アタッチメントにおいて、
上記内視鏡挿入部の外周に摺動可能に挿入され、非圧縮状態では上記内視鏡挿入部の長手方向に沿って延在しており、押圧圧縮によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部を備えた拡張部材と、
上記内視鏡挿入部の先端側に装着され、上記拡張部材の先端と当接可能な抜け止め部材と、
上記拡張部材の内周部に長手方向にスライド可能に挿入され、上記拡張部の変形量を規制する変形量規制部材と、
上記内視鏡挿入部の外周にスライド可能に挿入され、上記拡張部材の端部に当接し、上記拡張部材の長手方向の基端側端部を押圧する押し込み部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡用アタッチメント。
【請求項2】
上記内視鏡挿入部の外周にガイドチューブが挿入されており、上記拡張部材と上記抜け止め部材と変形量規制部材および押し込み部材は、それぞれ上記ガイドチューブに挿入されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項3】
上記変形量規制部材は、上記拡張部材の内周部に入れ替えが可能であることを特徴とする請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項4】
上記押し込み部材は、上記挿入部、または、上記ガイドチューブに対して固定、または、解放するためのストッパ機構部を備えていることを特徴とする請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメントと、
上記内視鏡用アタッチメントを装着可能な内視鏡挿入部と、
を備えていることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項1】
内視鏡挿入部に装着されて、該内視鏡挿入部を被検体内部に保持するための内視鏡用アタッチメントにおいて、
上記内視鏡挿入部の外周に摺動可能に挿入され、非圧縮状態では上記内視鏡挿入部の長手方向に沿って延在しており、押圧圧縮によって外方に向けて弾性変形可能な複数の拡張部を備えた拡張部材と、
上記内視鏡挿入部の先端側に装着され、上記拡張部材の先端と当接可能な抜け止め部材と、
上記拡張部材の内周部に長手方向にスライド可能に挿入され、上記拡張部の変形量を規制する変形量規制部材と、
上記内視鏡挿入部の外周にスライド可能に挿入され、上記拡張部材の端部に当接し、上記拡張部材の長手方向の基端側端部を押圧する押し込み部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡用アタッチメント。
【請求項2】
上記内視鏡挿入部の外周にガイドチューブが挿入されており、上記拡張部材と上記抜け止め部材と変形量規制部材および押し込み部材は、それぞれ上記ガイドチューブに挿入されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項3】
上記変形量規制部材は、上記拡張部材の内周部に入れ替えが可能であることを特徴とする請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項4】
上記押し込み部材は、上記挿入部、または、上記ガイドチューブに対して固定、または、解放するためのストッパ機構部を備えていることを特徴とする請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1、または、2に記載の内視鏡用アタッチメントと、
上記内視鏡用アタッチメントを装着可能な内視鏡挿入部と、
を備えていることを特徴とする内視鏡装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−137666(P2012−137666A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290803(P2010−290803)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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