内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサ
【課題】内視鏡から取り外されたケーブルを内視鏡の交換、及びプロセッサ操作の邪魔とならないように保持すると共に、内視鏡とケーブルとの着脱を容易に行える内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサを提供すること。
【解決手段】本発明の内視鏡装置は、内視鏡コネクタ113を備えた内視鏡100と、上記内視鏡が接続される装置本体2と、上記内視鏡コネクタに配設される接続部113bと接続される第1のコネクタ部43、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部42を備えたケーブル41と、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部13と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】本発明の内視鏡装置は、内視鏡コネクタ113を備えた内視鏡100と、上記内視鏡が接続される装置本体2と、上記内視鏡コネクタに配設される接続部113bと接続される第1のコネクタ部43、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部42を備えたケーブル41と、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部13と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡を備えた内視鏡装置、及び電子内視鏡に着脱自在なケーブルが接続される内視鏡用ビデオプロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から内視鏡は、医療用分野で広く利用されている。この内視鏡は、体内組織の観察、及び治療のため、体腔などに挿入される。このとき、内視鏡は、体内を自然光のみで観察することができない為、光源装置に接続され、照明手段により体内組織を照らして撮像手段により内視鏡画像を撮影する。
【0003】
また、近年では、内視鏡に撮像素子が配設された電子内視鏡が広く利用されている。このような電子内視鏡は、ビデオプロセッサと画像信号を授受する電気ケーブルによって接続される。
【0004】
例えば、特許文献1には、撮像カメラから延設するケーブルが診療ユニット本体に着脱自在に接続するコネクタを備えた診療装置が開示されている。この従来の診療装置は、診療ユニット本体との接続が行える、撮像カメラと一体的なケーブルを備えている。また、従来の診療装置の医療ユニット本体は、光源と映像信号処理部が一体となる構成である。
【特許文献1】特開2004−49708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の診療装置は、1本のケーブルによって、撮像カメラと医療ユニット本体との接続を行うものである。しかしながら、医療装置である内視鏡には、光源、及び映像信号処理部との接続を別々の端子にて行うタイプが存在する。
【0006】
このような内視鏡は、光源からの光をライトガイドによって、ケーブル、及び挿入部内に導光しており、光源と接続される側のライトガイドが挿通するケーブルが内視鏡と一体的に形成される。その一方で、内視鏡と映像信号処理部を備えたビデオプロセッサとの接続は、電気的な接続であり、使用後の内視鏡の滅菌消毒を容易とするため、内視鏡とは別体で着脱自在なケーブルが用いられる。
【0007】
このような、ケーブルは、異患者間である症例間で取り替えられる内視鏡に共通利用される。そのため、ケーブルは、症例間で内視鏡の交換時にビデオプロセッサに一方のコネクタ部が接続された状態で、他方のコネクタ部のみが内視鏡から取り外される場合が殆どである。また、使用されていないビデオプロセッサは、ケーブルの一方が接続された状態で保管される場合もある。
【0008】
しかし、ケーブルの一方のコネクタ部がビデオプロセッサと接続されたまま、他方のコネクタ部が内視鏡から外された未接続状態の場合、医療スタッフは、他方のコネクタ部をぶつけて破損してしまったり、ケーブルを引っ掛けたりする虞がある。さらに、ケーブルの上記他方のコネクタ部は、症例間での内視鏡と容易に脱着できる位置に保持される方が好ましい。
【0009】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは内視鏡から取り外されたケーブルを内視鏡の交換、及びプロセッサ操作の邪魔とならないように保持すると共に、内視鏡とケーブルとの着脱を容易に行える内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、第1の発明の内視鏡装置は、内視鏡コネクタを備えた内視鏡と、上記内視鏡が接続される装置本体と、上記内視鏡コネクタに配設される接続部と接続される第1のコネクタ部、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部を備えたケーブルと、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明の内視鏡用ビデオプロセッサは、接続部が配設された内視鏡コネクタを備える内視鏡が接続されると共に、該接続部に第1のコネクタ部が接続されるケーブルの第2のコネクタ部が接続される装置本体と、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内視鏡から取り外されたケーブルを内視鏡の交換、及びプロセッサ操作の邪魔とならないように保持すると共に、内視鏡とケーブルとの着脱を容易に行える内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の内視鏡用ビデオプロセッサについて説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図24を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。尚、図1〜図24は、本発明の実施の形態に係り、図1は内視鏡用ビデオプロセッサを示す斜視図、図2は図1の内視鏡用ビデオプロセッサの正面図、図3は保持体を示す一方の側面図、図4は図3の矢視IV方向か見た保持体の上面図、図5は図3の矢視V方向か見た保持体の下面図、図6は図3の矢視VI方向か見た保持体の正面図、図7は図3の矢視VII方向か見た保持体の背面図、図8は保持体の図3とは反対の他方の側面図、図9は保持体を正面から見た斜視図、図10は保持体を背面から見た斜視図、図11は保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着前の状態を示す部分的な斜視図、図12は保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着後の状態を示す部分的な斜視図、図13は内視鏡を示す全体構成図、図14はホワイトバランスキャップを示す斜視図、図15はスコープケーブルを示す斜視図、図16はチューブ保持キャップを示す斜視図、図17はチューブ保持キャップの横断面図、図18は各構成要素が保持体に装着前の状態を示す部分的な斜視図、図19は各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図、図20は内視鏡検査時の内視鏡用ビデオプロセッサのセット状態を示す斜視図、図21はスコープケーブルのみが接続された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図22はスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図23はスコープケーブルのプロセッサ側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図24は変形例を示し、前面方向の左側に配設された保持体のスコープコネクタ保持部にスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図である。
【0014】
図1、及び図2に示すように、内視鏡と共に内視鏡装置を構成し、内視鏡用光源装置でもある、本実施の形態の内視鏡用ビデオプロセッサ(カメラコントロールユニット、或いはビデオシステムセンタと言われることもある)1は、箱型に装置本体の外形を形成する筐体2と、筐体2の前面部に配設され、装置本体の前面部となるフロントパネル3と、を有している。この内視鏡用ビデオプロセッサ(以下、単にビデオプロセッサという)1は、内視鏡の照明光源であるハロゲンランプを備えると共に、内視鏡の撮像手段が光電変換した信号を画像解析処理し、外部に接続される図示しないモニタに内視鏡画像信号として出力する。
尚、本実施の形態の内視鏡用ビデオプロセッサ1には、内視鏡による送気送水のためのコンプレッサ、ポンプなども内蔵されている。
【0015】
フロントパネル3には、内視鏡に接続されるスコープケーブルの一方のコネクタが着脱する雌状コネクタ部4と、駆動時に点灯する電源ランプ5と、電源スイッチ6と、内視鏡が着脱される内視鏡コネクタ部7と、内蔵するハロゲンランプの切換え用の光源切換えレバー8と、内視鏡に接続される上記スコープケーブルの他方のコネクタが当接しないようにするための凹部9と、内視鏡の光学機能の各種操作をコントロールする光学機能操作部である操作パネル10と、を有している。
【0016】
操作パネル10には、複数の警告ランプ、及び複数の設定ボタン10aが配設されており、本実施の形態では、符号10bがキャリブレーション指示部であるホワイトバランス設定ボタンとなっている。尚、ユーザは、各設定ボタン10aの操作により、光源の光量、イメージ色調などの設定が行える。
【0017】
光源切換えレバー8は、装置内部に内蔵されたハロゲンランプが球切れとなった場合、予備のハロゲンランプに切り換えるためのレバーである。
【0018】
また、ビデオプロセッサ1は、吸引チューブ保持部材であるチューブ保持キャップ21、ホワイトバランスキャップ31、及び上記スコープケーブルのコネクタを保持する、着脱自在な保持体11が一側面に配設されている。
【0019】
ここで、保持体11について、図3〜図12を用いて、詳しく説明する。
図3〜図10に示すように、保持体11は、上部側からホワイトバランスキャップ31を保持するリング形状のキャップ保持部12と、スコープケーブルのコネクタの外形状に合わせて該コネクタを保持する略半筒状の凹部状に形成されたスコープコネクタ保持部13と、チューブ保持キャップ21を保持する内向のフランジ形状をしたキャップ保持部14と、が一体形成されている。
【0020】
リング状のキャップ保持部12は、上方の開口からホワイトバランスキャップ31が挿入される孔軸が所定の角度、本実施の形態では鉛直方向に対して前方のフロントパネル3の表面側へ例えば、10度〜30度に傾斜した内周面12aを有している。
【0021】
スコープコネクタ保持部13は、保持体11の前面側に向かって段状に先細りした略半筒状をしている。また、スコープコネクタ保持部13は、その前方に保持体11の前面を形成すると共に、側方、ここでは右側から略半円状に切り欠かれた内向のフランジ状の係止面13aが形成されている。
【0022】
キャップ保持部14は、上方斜め、ここでは右斜め方向から略半円状に切り欠かれたキャップ係止部14aが形成されている。
【0023】
このように構成された保持体11は、各保持部12〜14を片持ちする状態で一側部が平面形状をしており、その一側部には略L字状の切り溝15が2つ形成されている。これら切り溝15は、ビデオプロセッサ1の筐体2の側面部に保持体11が係止されるための係止溝である。
【0024】
詳しくは、図11、及び図12に示すように、本実施の形態ではビデオプロセッサ1には、フロントパネル3側から見たときに、筐体2の右側の側面に頭部に外向のフランジを有した2つの係止部18が設けられている。
【0025】
これら係止部18には、保持体11の上記一側部が筐体2に対向する方向から、それぞれ対応する保持体11の切り溝15が係入される。これにより、保持体11は、ビデオプロセッサ1の筐体2の一側面、ここでは右側面に固定される。
【0026】
ここで、ビデオプロセッサ1に接続される内視鏡について図13を用いて説明する。
内視鏡100は、図13に示すように、挿入部111と、この挿入部111の基端に接続される操作部112と、この操作部112から延設され、ビデオプロセッサ1に接続されるユニバーサルコード113と、を有している。
【0027】
挿入部111は、先端から順に、先端部111a、湾曲部111b、及び可撓管部111cが連設された軟性のチューブ体である。操作部112は、先端から順に、可撓管部111cの基端が接続された折れ止め部112aと、処置具挿通部112dを備えた把持部112bと、湾曲レバー115、送気、送水、吸引の操作、及び先端部111aに設けられる撮像手段、照明手段などの各種光学系操作を行うための複数のスイッチ114が配設された主操作部112cと、を有して構成されている。
【0028】
先端部111aには、体内の組織を撮影するためのCCD、或いはCMOSの撮像素子が内蔵され、この撮像素子により光電変換された画像信号がユニバーサルコード113を介して、ビデオプロセッサ1に出力される。
【0029】
尚、ユニバーサルコード113の延出端には、ビデオプロセッサ1に接続するコネクタ部113aが配設されている。このコネクタ部113aは、基端面側からビデオプロセッサ1の内視鏡コネクタ部7に挿入接続され、一側面に後述するスコープケーブルのコネクタが接続される電気コネクタ部113bを有している。
【0030】
本実施の形態では、先端部111aからユニバーサルコード113にかけてライトガイドが挿通しており、このライトガイドがビデオプロセッサ1内の光源を導光することで、先端部111aから被検体に向けて照明光が照射される。さらに、ユニバーサルコード113のコネクタ部113aは、図示しない送気送水用のプラグ、及び吸引用のプラグが設けられている。
【0031】
また、本実施の形態の内視鏡100は、湾曲部111bが上下の2方向へ湾曲するタイプの内視鏡であり、操作部112に設けられた湾曲レバー115の回動操作によって、湾曲部111bが上下(UP−DOWN)に湾曲される。尚、内視鏡100は、湾曲部111bが上下のみの2方向に湾曲するタイプに限定されることなく左右を含めた4方向(上下左右の操作によっては、軸回りの全周方向)へ湾曲するタイプでも良い。
【0032】
次に、上述した保持体11の各保持部12〜14に保持されるホワイトバランスキャップ31、スコープケーブルのコネクタ、及びチューブ保持キャップ21について説明する。
【0033】
先ず、ホワイトバランスキャップ31について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、キャリブレーション部材であるホワイトバランスキャップ31は、一端が閉塞した略筒状をしており、該一端に外向のフランジ32が形成されている。このホワイトバランスキャップ31は、内視鏡100の挿入部111の先端部分を収容して、内視鏡が撮影する画像のホワイトバランスを取得するために全体が白色面の穴部33を有している。このように構成されたホワイトバランスキャップ31は、後述するように、保持体11のキャップ保持部12に装着保持される。
【0034】
次に、内視鏡100に接続されるスコープケーブル41について、図15を用いて説明する。
図15に示すように、スコープケーブル41は、両端にコネクタ42,43が配設されたコイル状に巻回した、所謂カール状のケーブル線44を有している。このケーブル線44には、各コネクタ42,43が離れる方向にテンションが掛けられると、延伸し、且つ元の状態に戻ろうとする張力が発生する。
【0035】
また、各コネクタ42,43のうち、コネクタ(以下、プロセッサ側コネクタという)42は、ビデオプロセッサ1のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4に挿入接続される。このプロセッサ側コネクタ42は、凹凸が表面に形成された略板状をしており、先端面からコネクタ端子42aを有している。
【0036】
一方、コネクタ(以下、内視鏡側コネクタという)43は、内視鏡100のコネクタ部113aの一側面に配設される電気コネクタ部113bに接続される。この内視鏡側コネクタ43は、複数の段部を有して先細りとなった略円筒形状をしている。このように構成された、スコープケーブル41は、内視鏡側コネクタ43が後述するように、保持体11のスコープコネクタ保持部13に装着保持される。
【0037】
次に、吸引チューブを保持するチューブ保持キャップ21について、図16、及び図17を用いて説明する。
図16に示すように、チューブ保持キャップ21は、弾性部材、或いは合成樹脂からなり、一端が開口し、他端が閉塞したチューブ保持穴22を有する略筒状の部材である。このチューブ保持キャップ21の中途外周部には、周溝23が形成されている。また、チューブ保持穴22を形成する開口部と反対の端面は、所謂すり鉢状の曲面が形成されている。
【0038】
このように構成された、チューブ保持キャップ21は、後述するように、保持体11のキャップ保持部14に装着保持される。
【0039】
以上に説明した、ホワイトバランスキャップ31、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43、及びチューブ保持キャップ21は、図18、及び図19に示すように、ビデオプロセッサ1に固定された保持体11に夫々所定の位置で装着保持される。
【0040】
詳しくは、ホワイトバランスキャップ31は、保持体11の上方に設けられたキャップ保持部12の上方から開口部側を下部として挿入される。このとき、ホワイトバランスキャップ31は、その外周面がキャップ保持部12の内周面12aと所定の摩擦力で接触状態となり、ある程度の固定力で保持された状態となる。また、ホワイトバランスキャップ31のフランジ32がキャップ保持部12の上面部と当接して、下方への脱落が防止される。
【0041】
また、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43は、延出するケーブル線44が前方側となるように、スコープコネクタ保持部13に側方、ここでは右側から載置される。このとき、内視鏡側コネクタ43は、外形と略同じように形成された凹部状のスコープコネクタ保持部13に係合すると共に、前方側へケーブル線44の張力を受けた状態で保持される。また、内視鏡側コネクタ43は、前方側への張力により、保持体11の係止面13aにケーブル線44が延出する周囲の面が当接して固定され、スコープコネクタ保持部13からの脱落が防止される。
【0042】
一方、チューブ保持キャップ21は、チューブ保持穴22の開口部が前方となるように、上方斜め、ここでは右斜め方向からキャップ保持部14に装着される。このとき、チューブ保持キャップ21は、その外周部に形成された周溝23がキャップ係止部14aに係入され固定される。
【0043】
また、チューブ保持キャップ21の周溝23の溝幅は、キャップ係止部14aの厚さ方向の寸法よりも若干に小さく設定されている。そのため、チューブ保持キャップ21は、自己の弾性力により周溝23を形成する面がキャップ係止部14aの当接面と圧接固定するため、キャップ係止部14aからの脱落が防止される。
【0044】
以上のように構成された本実施の形態のビデオプロセッサ1は、図20に示す状態にセットされ、内視鏡検査が行われる。尚、図20では、内視鏡画像を表示するモニタなどの表示手段は図示していない。
【0045】
図20に示すように、ビデオプロセッサ1は、内視鏡コネクタ部7に内視鏡100のコネクタ部113aの端部が挿入接続される。また、スコープケーブル41は、プロセッサ側コネクタ42がビデオプロセッサ1のフロントパネル3の雌状コネクタ部4に挿入接続され、内視鏡側コネクタ43が内視鏡100のコネクタ部113aの側面に設けられた電気コネクタ部113bに接続される。
【0046】
また、内視鏡100のコネクタ部113aには、図示しない吸引装置に接続された吸引チューブ51と、送気送水用のチューブ56が接続される。また、上記吸引装置は、別体の装置、或いは病院施設に設けられた吸引システム装置である。尚、図20に示すように、内視鏡100の挿入部111を介して、被検体内に送水するための滅菌水が貯留された送水タンク55がビデオプロセッサ1の側面、紙面上において、保持体11が配設された側面と反対側の側面に配設されている。
【0047】
以上のように構成された本実施の形態のビデオプロセッサ1を用いて内視鏡検査が行われた場合、次の患者の内視鏡検査を行う症例間において、使用済みの内視鏡100が取り替えられ、洗滌された新たな内視鏡100がビデオプロセッサ1に接続される。
【0048】
このとき、医師であるユーザは、送気送水用のチューブ56、内視鏡100とビデオプロセッサ1を接続するケーブルであるスコープケーブル41の第1のコネクタ部となる内視鏡側コネクタ43、及び吸引チューブ51を内視鏡100のコネクタ部113aから取り外した後、ビデオプロセッサ1からコネクタ部113aを抜き取る。
【0049】
内視鏡100のコネクタ部113aを抜き取られたビデオプロセッサ1は、図21に示すようにスコープケーブル41の第2のコネクタ部となるプロセッサ側コネクタ42が雌状コネクタ部4と接続した状態となる。そのため、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43が未接続のままの状態となる。
【0050】
このとき、ユーザは、内視鏡側コネクタ43をスコープコネクタ保持部材となる保持体11のスコープコネクタ保持部13に上述したように載置させることができる。また、この内視鏡側コネクタ43は、ケーブル線44の張力により、保持体11の係止面13aと当接することで、スコープコネクタ保持部13内で確実に保持され、脱落が防止される。
【0051】
また、このスコープケーブル41の一端部となる内視鏡側コネクタ43は、スコープコネクタ保持部13に装着保持された状態において、図22に示すように、内視鏡100のコネクタ部113aに設けられた電気コネクタ部113bとの接続面側、本実施の形態では右方向に位置する。そのため、ユーザは、電気コネクタ部113bから取り外した内視鏡側コネクタ43を保持体11のスコープコネクタ保持部13へのアプローチが非常にスムーズに行える。
【0052】
さらに、ユーザは、内視鏡100のコネクタ部113aから取り外した内視鏡側コネクタ43をビデオプロセッサに接続される他の構成要素である内視鏡100と、コネクタ部113aに接続される吸引チューブ51、及び送気送水用のチューブ56と交差させることなく、スコープコネクタ保持部13に装着保持させることができる。尚、図22では、吸引チューブ51は、保持体11のチューブ保持キャップ21に装着保持された状態を示している。
【0053】
また、ユーザは、症例間での内視鏡100の交換時に、未使用の新たな内視鏡100をビデオプロセッサ1に接続させた状態では、コネクタ部113aの電気コネクタ部113bがスコープコネクタ保持部13に保持された内視鏡側コネクタ43側である、ここでは右側を臨んでいるため、この電気コネクタ部113bへ内視鏡側コネクタ43をアプローチし易く、電気コネクタ部113bと内視鏡側コネクタ43との接続が容易に行うことができる。
【0054】
さらに、本実施の形態のビデオプロセッサ1は、プロセッサ側コネクタ42が接続され、内視鏡側コネクタ43が保持体11のスコープコネクタ保持部13に保持されている状態では、スコープケーブル41がケーブル線44の張力により、フロントパネル3に沿って保持されるため、邪魔となることがない。
【0055】
尚、図23に示すように、保持体11のスコープコネクタ保持部13は、プロセッサ側コネクタ42も装着保持できる構成となっている。この状態においても、内視鏡側コネクタ43が内視鏡100のコネクタ部113aに接続状態では、ケーブル線44の張力によりプロセッサ側コネクタ42が保持体11の係止面13aに当接して、スコープコネクタ保持部13内で確実に保持され、脱落が防止される。
【0056】
また、本実施の形態では、ビデオプロセッサ1のフロントパネル3の正面方向に向かって右方向を臨んだコネクタ部113aの電気コネクタ部113bと、この電気コネクタ部113bが臨む方向である右側に配置された保持体11のスコープコネクタ保持部13の構成を説明したが、これに限定されることは無い。すなわち、保持体11のスコープコネクタ保持部13は、ビデオプロセッサ1に接続された状態のコネクタ部113aの電気コネクタ部113bが臨む方向と等しい方向となる、フロントパネル3の正面方向に向かって上下左右のどの位置でも良い。例えば、図24に示すように、ビデオプロセッサ1に接続されたコネクタ部113aの電気コネクタ部113bがフロントパネル3の正面方向に向かった左側に臨む場合には、保持体11のスコープコネクタ保持部13がこの電気コネクタ部113bが臨む方向である左側に配置される。
【0057】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図25〜図29を用いて説明する。尚、以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0058】
また、図25から図29は、本発明の第2の実施の形態に係り、図25は保持体を示す一方の側面図、図26は保持体を図3とは反対の他方の側面図、図27は保持体を背面から見た斜視図、図28は各構成要素が保持体に装着後の状態を示す一方向から見た部分的な斜視図、図29は図28に対して、他方向から見た各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図である。
【0059】
第1の実施の形態では、内視鏡側コネクタ43をスコープコネクタ保持部13により保持した状態では、プロセッサ側コネクタ42がフロントパネル3にある雌状コネクタ部4と接続した状態であるため、スコープケーブル41のケーブル線44の張力によって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43が保持体11の係止面13aに当接する方向に力が加わり、内視鏡側コネクタ43のスコープコネクタ保持部13からの脱落を防止している。
【0060】
ところが、この状態から、プロセッサ側コネクタ42を装置本体2のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4から取り外した場合、スコープケーブル41のケーブル線44は、重力による若干の鉛直下方への張力が発生するが、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43を充分に保持体11の係止面13aに当接して、スコープコネクタ保持部13によって保持するだけの張力を与えることができない。そのため、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43がスコープコネクタ保持部13から自然に脱落してしまう可能性がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、図25〜図27に示すように、保持体11は、保持部13に対して、設置される内視鏡用ビデオプロセッサ1のフロントパネル3が向く方向である前方側に延設され、係止面13aに対して、図27の紙面上では左下側に配設された規制部となる突起部61を有している。尚、図27の紙面上の左下側とは、内視鏡用ビデオプロセッサ1に接続される内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向であるスコープコネクタ保持部13の端部であって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43がスコープコネクタ保持部13に係合している状態において、この内視鏡側コネクタ43から前方へ延出するケーブル線44よりも下方側(図25に示す、一点鎖線Cが通るスコープコネクタ保持部13の中心よりも鉛直下方側)である。
【0062】
このように構成された保持体11は、第1の実施の形態と同様に内視鏡用ビデオプロセッサ1に装着され、スコープコネクタ保持部13によって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43を保持する。この内視鏡側コネクタ43を保持している状態で、スコープケーブル41のプロセッサ側コネクタ42が雌状コネクタ部4から取り外された場合、図28、及び図29に示すように、保持体11の突起部61は、内視鏡側コネクタ43から延出する根元付近のスコープケーブル41のケーブル線44を当接して、ここでは紙面上の右側となる内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向側へ移動することを規制する。
【0063】
すなわち、保持体11の突起部61は、内視鏡側コネクタ43を保持するスコープコネクタ保持部13の保持面に対して、対向する側の面によりスコープケーブル41のケーブル線44の一部に当接して、ケーブル線41の左右、特に内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向への動きを規制する。
【0064】
このように本実施の形態では、保持体11に突起部61を設けることで、スコープケーブル41のプロセッサ側コネクタ42が内視鏡用ビデオプロセッサ1のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4から取り外された場合でも、突起部61によって、内視鏡側コネクタ43が保持体11の保持部13からケーブル線44の揺れなどの動きによる自然脱落を防止することができる。
【0065】
また、突起部61は、上述したように、スコープコネクタ保持部13の中心位置よりも鉛直下方側に設けられることにより、内視鏡側コネクタ43の保持部13への着脱性を阻害しない構成とすることができる。
【0066】
以上の実施の形態に記載した発明は、夫々の実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0067】
例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡用ビデオプロセッサを示す斜視図。
【図2】同、図1の内視鏡用ビデオプロセッサの正面図。
【図3】同、保持体を示す一方の側面図。
【図4】同、図3の矢視IV方向か見た保持体の上面図。
【図5】同、図3の矢視V方向か見た保持体の下面図。
【図6】同、図3の矢視VI方向か見た保持体の正面図。
【図7】同、図3の矢視VII方向か見た保持体の背面図。
【図8】同、保持体の図3とは反対の他方の側面図。
【図9】同、保持体を正面から見た斜視図。
【図10】同、保持体を背面から見た斜視図。
【図11】同、保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着前の状態を示す部分的な斜視図。
【図12】同、保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【図13】同、内視鏡を示す全体構成図。
【図14】同、ホワイトバランスキャップを示す斜視図。
【図15】同、スコープケーブルを示す斜視図。
【図16】同、チューブ保持キャップを示す斜視図。
【図17】同、チューブ保持キャップの横断面図。
【図18】同、各構成要素が保持体に装着前の状態を示す部分的な斜視図。
【図19】同、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【図20】同、内視鏡検査時の内視鏡用ビデオプロセッサのセット状態を示す斜視図。
【図21】同、スコープケーブルのみが接続された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図22】同、スコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図23】同、スコープケーブルのプロセッサ側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図24】変形例を示し、前面方向の左側に配設された保持体のスコープコネクタ保持部にスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係り、保持体を示す一方の側面図。
【図26】同、保持体の図25とは反対の他方の側面図。
【図27】同、保持体を背面から見た斜視図。
【図28】同、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す一方向から見た部分的な斜視図。
【図29】同、図28に対して、他方向から見た、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1・・・内視鏡用ビデオプロセッサ
2・・・筐体
3・・・フロントパネル
4・・・雌状コネクタ部
7・・・内視鏡コネクタ部
10a・・・設定ボタン
10・・・操作パネル
11・・・保持体
13・・・スコープコネクタ保持部
13a・・・係止面
41・・・スコープケーブル
42a・・・コネクタ端子
42・・・プロセッサ側コネクタ
43・・・内視鏡側コネクタ
44・・・ケーブル線
61・・・突起部
100・・・内視鏡
113a・・・コネクタ部
113・・・ユニバーサルコード
113b・・・電気コネクタ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡を備えた内視鏡装置、及び電子内視鏡に着脱自在なケーブルが接続される内視鏡用ビデオプロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から内視鏡は、医療用分野で広く利用されている。この内視鏡は、体内組織の観察、及び治療のため、体腔などに挿入される。このとき、内視鏡は、体内を自然光のみで観察することができない為、光源装置に接続され、照明手段により体内組織を照らして撮像手段により内視鏡画像を撮影する。
【0003】
また、近年では、内視鏡に撮像素子が配設された電子内視鏡が広く利用されている。このような電子内視鏡は、ビデオプロセッサと画像信号を授受する電気ケーブルによって接続される。
【0004】
例えば、特許文献1には、撮像カメラから延設するケーブルが診療ユニット本体に着脱自在に接続するコネクタを備えた診療装置が開示されている。この従来の診療装置は、診療ユニット本体との接続が行える、撮像カメラと一体的なケーブルを備えている。また、従来の診療装置の医療ユニット本体は、光源と映像信号処理部が一体となる構成である。
【特許文献1】特開2004−49708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の診療装置は、1本のケーブルによって、撮像カメラと医療ユニット本体との接続を行うものである。しかしながら、医療装置である内視鏡には、光源、及び映像信号処理部との接続を別々の端子にて行うタイプが存在する。
【0006】
このような内視鏡は、光源からの光をライトガイドによって、ケーブル、及び挿入部内に導光しており、光源と接続される側のライトガイドが挿通するケーブルが内視鏡と一体的に形成される。その一方で、内視鏡と映像信号処理部を備えたビデオプロセッサとの接続は、電気的な接続であり、使用後の内視鏡の滅菌消毒を容易とするため、内視鏡とは別体で着脱自在なケーブルが用いられる。
【0007】
このような、ケーブルは、異患者間である症例間で取り替えられる内視鏡に共通利用される。そのため、ケーブルは、症例間で内視鏡の交換時にビデオプロセッサに一方のコネクタ部が接続された状態で、他方のコネクタ部のみが内視鏡から取り外される場合が殆どである。また、使用されていないビデオプロセッサは、ケーブルの一方が接続された状態で保管される場合もある。
【0008】
しかし、ケーブルの一方のコネクタ部がビデオプロセッサと接続されたまま、他方のコネクタ部が内視鏡から外された未接続状態の場合、医療スタッフは、他方のコネクタ部をぶつけて破損してしまったり、ケーブルを引っ掛けたりする虞がある。さらに、ケーブルの上記他方のコネクタ部は、症例間での内視鏡と容易に脱着できる位置に保持される方が好ましい。
【0009】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは内視鏡から取り外されたケーブルを内視鏡の交換、及びプロセッサ操作の邪魔とならないように保持すると共に、内視鏡とケーブルとの着脱を容易に行える内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、第1の発明の内視鏡装置は、内視鏡コネクタを備えた内視鏡と、上記内視鏡が接続される装置本体と、上記内視鏡コネクタに配設される接続部と接続される第1のコネクタ部、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部を備えたケーブルと、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明の内視鏡用ビデオプロセッサは、接続部が配設された内視鏡コネクタを備える内視鏡が接続されると共に、該接続部に第1のコネクタ部が接続されるケーブルの第2のコネクタ部が接続される装置本体と、上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内視鏡から取り外されたケーブルを内視鏡の交換、及びプロセッサ操作の邪魔とならないように保持すると共に、内視鏡とケーブルとの着脱を容易に行える内視鏡装置、及び内視鏡用ビデオプロセッサを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の内視鏡用ビデオプロセッサについて説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図24を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。尚、図1〜図24は、本発明の実施の形態に係り、図1は内視鏡用ビデオプロセッサを示す斜視図、図2は図1の内視鏡用ビデオプロセッサの正面図、図3は保持体を示す一方の側面図、図4は図3の矢視IV方向か見た保持体の上面図、図5は図3の矢視V方向か見た保持体の下面図、図6は図3の矢視VI方向か見た保持体の正面図、図7は図3の矢視VII方向か見た保持体の背面図、図8は保持体の図3とは反対の他方の側面図、図9は保持体を正面から見た斜視図、図10は保持体を背面から見た斜視図、図11は保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着前の状態を示す部分的な斜視図、図12は保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着後の状態を示す部分的な斜視図、図13は内視鏡を示す全体構成図、図14はホワイトバランスキャップを示す斜視図、図15はスコープケーブルを示す斜視図、図16はチューブ保持キャップを示す斜視図、図17はチューブ保持キャップの横断面図、図18は各構成要素が保持体に装着前の状態を示す部分的な斜視図、図19は各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図、図20は内視鏡検査時の内視鏡用ビデオプロセッサのセット状態を示す斜視図、図21はスコープケーブルのみが接続された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図22はスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図23はスコープケーブルのプロセッサ側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図、図24は変形例を示し、前面方向の左側に配設された保持体のスコープコネクタ保持部にスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図である。
【0014】
図1、及び図2に示すように、内視鏡と共に内視鏡装置を構成し、内視鏡用光源装置でもある、本実施の形態の内視鏡用ビデオプロセッサ(カメラコントロールユニット、或いはビデオシステムセンタと言われることもある)1は、箱型に装置本体の外形を形成する筐体2と、筐体2の前面部に配設され、装置本体の前面部となるフロントパネル3と、を有している。この内視鏡用ビデオプロセッサ(以下、単にビデオプロセッサという)1は、内視鏡の照明光源であるハロゲンランプを備えると共に、内視鏡の撮像手段が光電変換した信号を画像解析処理し、外部に接続される図示しないモニタに内視鏡画像信号として出力する。
尚、本実施の形態の内視鏡用ビデオプロセッサ1には、内視鏡による送気送水のためのコンプレッサ、ポンプなども内蔵されている。
【0015】
フロントパネル3には、内視鏡に接続されるスコープケーブルの一方のコネクタが着脱する雌状コネクタ部4と、駆動時に点灯する電源ランプ5と、電源スイッチ6と、内視鏡が着脱される内視鏡コネクタ部7と、内蔵するハロゲンランプの切換え用の光源切換えレバー8と、内視鏡に接続される上記スコープケーブルの他方のコネクタが当接しないようにするための凹部9と、内視鏡の光学機能の各種操作をコントロールする光学機能操作部である操作パネル10と、を有している。
【0016】
操作パネル10には、複数の警告ランプ、及び複数の設定ボタン10aが配設されており、本実施の形態では、符号10bがキャリブレーション指示部であるホワイトバランス設定ボタンとなっている。尚、ユーザは、各設定ボタン10aの操作により、光源の光量、イメージ色調などの設定が行える。
【0017】
光源切換えレバー8は、装置内部に内蔵されたハロゲンランプが球切れとなった場合、予備のハロゲンランプに切り換えるためのレバーである。
【0018】
また、ビデオプロセッサ1は、吸引チューブ保持部材であるチューブ保持キャップ21、ホワイトバランスキャップ31、及び上記スコープケーブルのコネクタを保持する、着脱自在な保持体11が一側面に配設されている。
【0019】
ここで、保持体11について、図3〜図12を用いて、詳しく説明する。
図3〜図10に示すように、保持体11は、上部側からホワイトバランスキャップ31を保持するリング形状のキャップ保持部12と、スコープケーブルのコネクタの外形状に合わせて該コネクタを保持する略半筒状の凹部状に形成されたスコープコネクタ保持部13と、チューブ保持キャップ21を保持する内向のフランジ形状をしたキャップ保持部14と、が一体形成されている。
【0020】
リング状のキャップ保持部12は、上方の開口からホワイトバランスキャップ31が挿入される孔軸が所定の角度、本実施の形態では鉛直方向に対して前方のフロントパネル3の表面側へ例えば、10度〜30度に傾斜した内周面12aを有している。
【0021】
スコープコネクタ保持部13は、保持体11の前面側に向かって段状に先細りした略半筒状をしている。また、スコープコネクタ保持部13は、その前方に保持体11の前面を形成すると共に、側方、ここでは右側から略半円状に切り欠かれた内向のフランジ状の係止面13aが形成されている。
【0022】
キャップ保持部14は、上方斜め、ここでは右斜め方向から略半円状に切り欠かれたキャップ係止部14aが形成されている。
【0023】
このように構成された保持体11は、各保持部12〜14を片持ちする状態で一側部が平面形状をしており、その一側部には略L字状の切り溝15が2つ形成されている。これら切り溝15は、ビデオプロセッサ1の筐体2の側面部に保持体11が係止されるための係止溝である。
【0024】
詳しくは、図11、及び図12に示すように、本実施の形態ではビデオプロセッサ1には、フロントパネル3側から見たときに、筐体2の右側の側面に頭部に外向のフランジを有した2つの係止部18が設けられている。
【0025】
これら係止部18には、保持体11の上記一側部が筐体2に対向する方向から、それぞれ対応する保持体11の切り溝15が係入される。これにより、保持体11は、ビデオプロセッサ1の筐体2の一側面、ここでは右側面に固定される。
【0026】
ここで、ビデオプロセッサ1に接続される内視鏡について図13を用いて説明する。
内視鏡100は、図13に示すように、挿入部111と、この挿入部111の基端に接続される操作部112と、この操作部112から延設され、ビデオプロセッサ1に接続されるユニバーサルコード113と、を有している。
【0027】
挿入部111は、先端から順に、先端部111a、湾曲部111b、及び可撓管部111cが連設された軟性のチューブ体である。操作部112は、先端から順に、可撓管部111cの基端が接続された折れ止め部112aと、処置具挿通部112dを備えた把持部112bと、湾曲レバー115、送気、送水、吸引の操作、及び先端部111aに設けられる撮像手段、照明手段などの各種光学系操作を行うための複数のスイッチ114が配設された主操作部112cと、を有して構成されている。
【0028】
先端部111aには、体内の組織を撮影するためのCCD、或いはCMOSの撮像素子が内蔵され、この撮像素子により光電変換された画像信号がユニバーサルコード113を介して、ビデオプロセッサ1に出力される。
【0029】
尚、ユニバーサルコード113の延出端には、ビデオプロセッサ1に接続するコネクタ部113aが配設されている。このコネクタ部113aは、基端面側からビデオプロセッサ1の内視鏡コネクタ部7に挿入接続され、一側面に後述するスコープケーブルのコネクタが接続される電気コネクタ部113bを有している。
【0030】
本実施の形態では、先端部111aからユニバーサルコード113にかけてライトガイドが挿通しており、このライトガイドがビデオプロセッサ1内の光源を導光することで、先端部111aから被検体に向けて照明光が照射される。さらに、ユニバーサルコード113のコネクタ部113aは、図示しない送気送水用のプラグ、及び吸引用のプラグが設けられている。
【0031】
また、本実施の形態の内視鏡100は、湾曲部111bが上下の2方向へ湾曲するタイプの内視鏡であり、操作部112に設けられた湾曲レバー115の回動操作によって、湾曲部111bが上下(UP−DOWN)に湾曲される。尚、内視鏡100は、湾曲部111bが上下のみの2方向に湾曲するタイプに限定されることなく左右を含めた4方向(上下左右の操作によっては、軸回りの全周方向)へ湾曲するタイプでも良い。
【0032】
次に、上述した保持体11の各保持部12〜14に保持されるホワイトバランスキャップ31、スコープケーブルのコネクタ、及びチューブ保持キャップ21について説明する。
【0033】
先ず、ホワイトバランスキャップ31について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、キャリブレーション部材であるホワイトバランスキャップ31は、一端が閉塞した略筒状をしており、該一端に外向のフランジ32が形成されている。このホワイトバランスキャップ31は、内視鏡100の挿入部111の先端部分を収容して、内視鏡が撮影する画像のホワイトバランスを取得するために全体が白色面の穴部33を有している。このように構成されたホワイトバランスキャップ31は、後述するように、保持体11のキャップ保持部12に装着保持される。
【0034】
次に、内視鏡100に接続されるスコープケーブル41について、図15を用いて説明する。
図15に示すように、スコープケーブル41は、両端にコネクタ42,43が配設されたコイル状に巻回した、所謂カール状のケーブル線44を有している。このケーブル線44には、各コネクタ42,43が離れる方向にテンションが掛けられると、延伸し、且つ元の状態に戻ろうとする張力が発生する。
【0035】
また、各コネクタ42,43のうち、コネクタ(以下、プロセッサ側コネクタという)42は、ビデオプロセッサ1のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4に挿入接続される。このプロセッサ側コネクタ42は、凹凸が表面に形成された略板状をしており、先端面からコネクタ端子42aを有している。
【0036】
一方、コネクタ(以下、内視鏡側コネクタという)43は、内視鏡100のコネクタ部113aの一側面に配設される電気コネクタ部113bに接続される。この内視鏡側コネクタ43は、複数の段部を有して先細りとなった略円筒形状をしている。このように構成された、スコープケーブル41は、内視鏡側コネクタ43が後述するように、保持体11のスコープコネクタ保持部13に装着保持される。
【0037】
次に、吸引チューブを保持するチューブ保持キャップ21について、図16、及び図17を用いて説明する。
図16に示すように、チューブ保持キャップ21は、弾性部材、或いは合成樹脂からなり、一端が開口し、他端が閉塞したチューブ保持穴22を有する略筒状の部材である。このチューブ保持キャップ21の中途外周部には、周溝23が形成されている。また、チューブ保持穴22を形成する開口部と反対の端面は、所謂すり鉢状の曲面が形成されている。
【0038】
このように構成された、チューブ保持キャップ21は、後述するように、保持体11のキャップ保持部14に装着保持される。
【0039】
以上に説明した、ホワイトバランスキャップ31、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43、及びチューブ保持キャップ21は、図18、及び図19に示すように、ビデオプロセッサ1に固定された保持体11に夫々所定の位置で装着保持される。
【0040】
詳しくは、ホワイトバランスキャップ31は、保持体11の上方に設けられたキャップ保持部12の上方から開口部側を下部として挿入される。このとき、ホワイトバランスキャップ31は、その外周面がキャップ保持部12の内周面12aと所定の摩擦力で接触状態となり、ある程度の固定力で保持された状態となる。また、ホワイトバランスキャップ31のフランジ32がキャップ保持部12の上面部と当接して、下方への脱落が防止される。
【0041】
また、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43は、延出するケーブル線44が前方側となるように、スコープコネクタ保持部13に側方、ここでは右側から載置される。このとき、内視鏡側コネクタ43は、外形と略同じように形成された凹部状のスコープコネクタ保持部13に係合すると共に、前方側へケーブル線44の張力を受けた状態で保持される。また、内視鏡側コネクタ43は、前方側への張力により、保持体11の係止面13aにケーブル線44が延出する周囲の面が当接して固定され、スコープコネクタ保持部13からの脱落が防止される。
【0042】
一方、チューブ保持キャップ21は、チューブ保持穴22の開口部が前方となるように、上方斜め、ここでは右斜め方向からキャップ保持部14に装着される。このとき、チューブ保持キャップ21は、その外周部に形成された周溝23がキャップ係止部14aに係入され固定される。
【0043】
また、チューブ保持キャップ21の周溝23の溝幅は、キャップ係止部14aの厚さ方向の寸法よりも若干に小さく設定されている。そのため、チューブ保持キャップ21は、自己の弾性力により周溝23を形成する面がキャップ係止部14aの当接面と圧接固定するため、キャップ係止部14aからの脱落が防止される。
【0044】
以上のように構成された本実施の形態のビデオプロセッサ1は、図20に示す状態にセットされ、内視鏡検査が行われる。尚、図20では、内視鏡画像を表示するモニタなどの表示手段は図示していない。
【0045】
図20に示すように、ビデオプロセッサ1は、内視鏡コネクタ部7に内視鏡100のコネクタ部113aの端部が挿入接続される。また、スコープケーブル41は、プロセッサ側コネクタ42がビデオプロセッサ1のフロントパネル3の雌状コネクタ部4に挿入接続され、内視鏡側コネクタ43が内視鏡100のコネクタ部113aの側面に設けられた電気コネクタ部113bに接続される。
【0046】
また、内視鏡100のコネクタ部113aには、図示しない吸引装置に接続された吸引チューブ51と、送気送水用のチューブ56が接続される。また、上記吸引装置は、別体の装置、或いは病院施設に設けられた吸引システム装置である。尚、図20に示すように、内視鏡100の挿入部111を介して、被検体内に送水するための滅菌水が貯留された送水タンク55がビデオプロセッサ1の側面、紙面上において、保持体11が配設された側面と反対側の側面に配設されている。
【0047】
以上のように構成された本実施の形態のビデオプロセッサ1を用いて内視鏡検査が行われた場合、次の患者の内視鏡検査を行う症例間において、使用済みの内視鏡100が取り替えられ、洗滌された新たな内視鏡100がビデオプロセッサ1に接続される。
【0048】
このとき、医師であるユーザは、送気送水用のチューブ56、内視鏡100とビデオプロセッサ1を接続するケーブルであるスコープケーブル41の第1のコネクタ部となる内視鏡側コネクタ43、及び吸引チューブ51を内視鏡100のコネクタ部113aから取り外した後、ビデオプロセッサ1からコネクタ部113aを抜き取る。
【0049】
内視鏡100のコネクタ部113aを抜き取られたビデオプロセッサ1は、図21に示すようにスコープケーブル41の第2のコネクタ部となるプロセッサ側コネクタ42が雌状コネクタ部4と接続した状態となる。そのため、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43が未接続のままの状態となる。
【0050】
このとき、ユーザは、内視鏡側コネクタ43をスコープコネクタ保持部材となる保持体11のスコープコネクタ保持部13に上述したように載置させることができる。また、この内視鏡側コネクタ43は、ケーブル線44の張力により、保持体11の係止面13aと当接することで、スコープコネクタ保持部13内で確実に保持され、脱落が防止される。
【0051】
また、このスコープケーブル41の一端部となる内視鏡側コネクタ43は、スコープコネクタ保持部13に装着保持された状態において、図22に示すように、内視鏡100のコネクタ部113aに設けられた電気コネクタ部113bとの接続面側、本実施の形態では右方向に位置する。そのため、ユーザは、電気コネクタ部113bから取り外した内視鏡側コネクタ43を保持体11のスコープコネクタ保持部13へのアプローチが非常にスムーズに行える。
【0052】
さらに、ユーザは、内視鏡100のコネクタ部113aから取り外した内視鏡側コネクタ43をビデオプロセッサに接続される他の構成要素である内視鏡100と、コネクタ部113aに接続される吸引チューブ51、及び送気送水用のチューブ56と交差させることなく、スコープコネクタ保持部13に装着保持させることができる。尚、図22では、吸引チューブ51は、保持体11のチューブ保持キャップ21に装着保持された状態を示している。
【0053】
また、ユーザは、症例間での内視鏡100の交換時に、未使用の新たな内視鏡100をビデオプロセッサ1に接続させた状態では、コネクタ部113aの電気コネクタ部113bがスコープコネクタ保持部13に保持された内視鏡側コネクタ43側である、ここでは右側を臨んでいるため、この電気コネクタ部113bへ内視鏡側コネクタ43をアプローチし易く、電気コネクタ部113bと内視鏡側コネクタ43との接続が容易に行うことができる。
【0054】
さらに、本実施の形態のビデオプロセッサ1は、プロセッサ側コネクタ42が接続され、内視鏡側コネクタ43が保持体11のスコープコネクタ保持部13に保持されている状態では、スコープケーブル41がケーブル線44の張力により、フロントパネル3に沿って保持されるため、邪魔となることがない。
【0055】
尚、図23に示すように、保持体11のスコープコネクタ保持部13は、プロセッサ側コネクタ42も装着保持できる構成となっている。この状態においても、内視鏡側コネクタ43が内視鏡100のコネクタ部113aに接続状態では、ケーブル線44の張力によりプロセッサ側コネクタ42が保持体11の係止面13aに当接して、スコープコネクタ保持部13内で確実に保持され、脱落が防止される。
【0056】
また、本実施の形態では、ビデオプロセッサ1のフロントパネル3の正面方向に向かって右方向を臨んだコネクタ部113aの電気コネクタ部113bと、この電気コネクタ部113bが臨む方向である右側に配置された保持体11のスコープコネクタ保持部13の構成を説明したが、これに限定されることは無い。すなわち、保持体11のスコープコネクタ保持部13は、ビデオプロセッサ1に接続された状態のコネクタ部113aの電気コネクタ部113bが臨む方向と等しい方向となる、フロントパネル3の正面方向に向かって上下左右のどの位置でも良い。例えば、図24に示すように、ビデオプロセッサ1に接続されたコネクタ部113aの電気コネクタ部113bがフロントパネル3の正面方向に向かった左側に臨む場合には、保持体11のスコープコネクタ保持部13がこの電気コネクタ部113bが臨む方向である左側に配置される。
【0057】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図25〜図29を用いて説明する。尚、以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0058】
また、図25から図29は、本発明の第2の実施の形態に係り、図25は保持体を示す一方の側面図、図26は保持体を図3とは反対の他方の側面図、図27は保持体を背面から見た斜視図、図28は各構成要素が保持体に装着後の状態を示す一方向から見た部分的な斜視図、図29は図28に対して、他方向から見た各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図である。
【0059】
第1の実施の形態では、内視鏡側コネクタ43をスコープコネクタ保持部13により保持した状態では、プロセッサ側コネクタ42がフロントパネル3にある雌状コネクタ部4と接続した状態であるため、スコープケーブル41のケーブル線44の張力によって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43が保持体11の係止面13aに当接する方向に力が加わり、内視鏡側コネクタ43のスコープコネクタ保持部13からの脱落を防止している。
【0060】
ところが、この状態から、プロセッサ側コネクタ42を装置本体2のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4から取り外した場合、スコープケーブル41のケーブル線44は、重力による若干の鉛直下方への張力が発生するが、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43を充分に保持体11の係止面13aに当接して、スコープコネクタ保持部13によって保持するだけの張力を与えることができない。そのため、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43がスコープコネクタ保持部13から自然に脱落してしまう可能性がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、図25〜図27に示すように、保持体11は、保持部13に対して、設置される内視鏡用ビデオプロセッサ1のフロントパネル3が向く方向である前方側に延設され、係止面13aに対して、図27の紙面上では左下側に配設された規制部となる突起部61を有している。尚、図27の紙面上の左下側とは、内視鏡用ビデオプロセッサ1に接続される内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向であるスコープコネクタ保持部13の端部であって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43がスコープコネクタ保持部13に係合している状態において、この内視鏡側コネクタ43から前方へ延出するケーブル線44よりも下方側(図25に示す、一点鎖線Cが通るスコープコネクタ保持部13の中心よりも鉛直下方側)である。
【0062】
このように構成された保持体11は、第1の実施の形態と同様に内視鏡用ビデオプロセッサ1に装着され、スコープコネクタ保持部13によって、スコープケーブル41の内視鏡側コネクタ43を保持する。この内視鏡側コネクタ43を保持している状態で、スコープケーブル41のプロセッサ側コネクタ42が雌状コネクタ部4から取り外された場合、図28、及び図29に示すように、保持体11の突起部61は、内視鏡側コネクタ43から延出する根元付近のスコープケーブル41のケーブル線44を当接して、ここでは紙面上の右側となる内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向側へ移動することを規制する。
【0063】
すなわち、保持体11の突起部61は、内視鏡側コネクタ43を保持するスコープコネクタ保持部13の保持面に対して、対向する側の面によりスコープケーブル41のケーブル線44の一部に当接して、ケーブル線41の左右、特に内視鏡100のコネクタ部113aが臨む方向への動きを規制する。
【0064】
このように本実施の形態では、保持体11に突起部61を設けることで、スコープケーブル41のプロセッサ側コネクタ42が内視鏡用ビデオプロセッサ1のフロントパネル3に設けられた雌状コネクタ部4から取り外された場合でも、突起部61によって、内視鏡側コネクタ43が保持体11の保持部13からケーブル線44の揺れなどの動きによる自然脱落を防止することができる。
【0065】
また、突起部61は、上述したように、スコープコネクタ保持部13の中心位置よりも鉛直下方側に設けられることにより、内視鏡側コネクタ43の保持部13への着脱性を阻害しない構成とすることができる。
【0066】
以上の実施の形態に記載した発明は、夫々の実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0067】
例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡用ビデオプロセッサを示す斜視図。
【図2】同、図1の内視鏡用ビデオプロセッサの正面図。
【図3】同、保持体を示す一方の側面図。
【図4】同、図3の矢視IV方向か見た保持体の上面図。
【図5】同、図3の矢視V方向か見た保持体の下面図。
【図6】同、図3の矢視VI方向か見た保持体の正面図。
【図7】同、図3の矢視VII方向か見た保持体の背面図。
【図8】同、保持体の図3とは反対の他方の側面図。
【図9】同、保持体を正面から見た斜視図。
【図10】同、保持体を背面から見た斜視図。
【図11】同、保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着前の状態を示す部分的な斜視図。
【図12】同、保持体が内視鏡用ビデオプロセッサの一側面に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【図13】同、内視鏡を示す全体構成図。
【図14】同、ホワイトバランスキャップを示す斜視図。
【図15】同、スコープケーブルを示す斜視図。
【図16】同、チューブ保持キャップを示す斜視図。
【図17】同、チューブ保持キャップの横断面図。
【図18】同、各構成要素が保持体に装着前の状態を示す部分的な斜視図。
【図19】同、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【図20】同、内視鏡検査時の内視鏡用ビデオプロセッサのセット状態を示す斜視図。
【図21】同、スコープケーブルのみが接続された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図22】同、スコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図23】同、スコープケーブルのプロセッサ側コネクタが保持体のスコープコネクタ保持部に保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図24】変形例を示し、前面方向の左側に配設された保持体のスコープコネクタ保持部にスコープケーブルの内視鏡側コネクタが保持された状態を示す内視鏡用ビデオプロセッサの斜視図。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係り、保持体を示す一方の側面図。
【図26】同、保持体の図25とは反対の他方の側面図。
【図27】同、保持体を背面から見た斜視図。
【図28】同、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す一方向から見た部分的な斜視図。
【図29】同、図28に対して、他方向から見た、各構成要素が保持体に装着後の状態を示す部分的な斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1・・・内視鏡用ビデオプロセッサ
2・・・筐体
3・・・フロントパネル
4・・・雌状コネクタ部
7・・・内視鏡コネクタ部
10a・・・設定ボタン
10・・・操作パネル
11・・・保持体
13・・・スコープコネクタ保持部
13a・・・係止面
41・・・スコープケーブル
42a・・・コネクタ端子
42・・・プロセッサ側コネクタ
43・・・内視鏡側コネクタ
44・・・ケーブル線
61・・・突起部
100・・・内視鏡
113a・・・コネクタ部
113・・・ユニバーサルコード
113b・・・電気コネクタ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡コネクタを備えた内視鏡と、
上記内視鏡が接続される装置本体と、
上記内視鏡コネクタに配設される接続部と接続される第1のコネクタ部、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部を備えたケーブルと、
上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
上記保持部は、上記接続部が臨む方向の上記装置本体に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
上記保持部は、上記第1のコネクタ部が上記内視鏡と接続状態において、上記装置本体と非接続状態の上記第2のコネクタ部を保持可能であることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
上記保持部は、上記ケーブルからの張力を受けて、上記第1、或いは第2のコネクタ部を当接して係止する係止面を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
上記保持部は、上記装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
上記保持部は、上記内視鏡コネクタの上記接続部が臨む方向において、上記ケーブルの位置を規制する規制部を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
上記規制部は、上記装置本体の前面が臨む側に突起し、上記接続部が臨む側の上記保持部の端部に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
上記規制部は、上記保持部の中心位置よりも鉛直下方側に配設されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
接続部が配設された内視鏡コネクタを備える内視鏡が接続されると共に、該接続部に第1のコネクタ部が接続されるケーブルの第2のコネクタ部が接続される装置本体と、
上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡用ビデオプロセッサ。
【請求項1】
内視鏡コネクタを備えた内視鏡と、
上記内視鏡が接続される装置本体と、
上記内視鏡コネクタに配設される接続部と接続される第1のコネクタ部、及び上記装置本体と接続される第2のコネクタ部を備えたケーブルと、
上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
上記保持部は、上記接続部が臨む方向の上記装置本体に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
上記保持部は、上記第1のコネクタ部が上記内視鏡と接続状態において、上記装置本体と非接続状態の上記第2のコネクタ部を保持可能であることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
上記保持部は、上記ケーブルからの張力を受けて、上記第1、或いは第2のコネクタ部を当接して係止する係止面を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
上記保持部は、上記装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
上記保持部は、上記内視鏡コネクタの上記接続部が臨む方向において、上記ケーブルの位置を規制する規制部を有することを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
上記規制部は、上記装置本体の前面が臨む側に突起し、上記接続部が臨む側の上記保持部の端部に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
上記規制部は、上記保持部の中心位置よりも鉛直下方側に配設されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
接続部が配設された内視鏡コネクタを備える内視鏡が接続されると共に、該接続部に第1のコネクタ部が接続されるケーブルの第2のコネクタ部が接続される装置本体と、
上記内視鏡コネクタが上記装置本体に接続された状態において、上記内視鏡と非接続状態の上記第1のコネクタ部側の上記ケーブルの端部を上記接続部が臨む側に保持する保持部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡用ビデオプロセッサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2008−55130(P2008−55130A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308279(P2006−308279)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]