説明

内視鏡装置

【課題】ワイヤレス内視鏡システムにおける内視鏡装置とデータ処理装置の間の無線通信設定を、省スペースで実施できるようにすること。
【解決手段】内視鏡装置100の操作部101の操作スイッチ103を、任意のデータ処理装置200と無線通信の接続が確立していない場合は無線通信設定用として機能させ、任意の上記データ処理装置200と無線通信の接続が確立している場合は施術操作用として機能させることで、通信設定用の専用のスイッチを設ける必要を無くす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内に挿入して所定の施術を施す内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細長の挿入部を体腔内や管路内に挿入して、体腔内や管路内の被写体像をモニタ観察できる内視鏡システムが広く利用されている。
【0003】
このような内視鏡システムは、一般に、体腔内や管路内に挿入される挿入部を有する内視鏡装置と、この内視鏡装置と別体に設けられ、この内視鏡装置へ照明光を供給する光源装置と、この光源装置からの照明光を上記内視鏡装置へ導くライトガイドケーブルと、上記内視鏡装置に内蔵されて設けられ或いは着脱自在に取り付けられて設けられ、被検体を撮像して画像データを得る撮像装置と、上記内視鏡装置と別体に設けられ上記内視鏡装置で得られる画像データをモニタ表示可能な映像信号に変換するビデオプロセッサと、上記内視鏡装置からの画像データを上記ビデオプロセッサへ伝送する信号ケーブルと、上記ビデオプロセッサで得られる映像信号を映し出すモニタ装置を備えて構成されている。
【0004】
従って、内視鏡装置はライトガイドケーブルや信号ケーブルにより外部装置であるビデオプロセッサと接続されており、これにより、内視鏡装置の移動範囲が制限され、また、内視鏡装置の操作性が妨げられていた。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1では、LED(発光ダイオード)等で構成された照明装置が内視鏡装置に内蔵されることで、内視鏡装置から延出するライトガイドケーブルが取り除かれ、また、画像データに映像信号処理を施してモニタ表示可能な映像信号を得る映像信号処理回路と、この映像信号を電波で送信する送信回路が内視鏡装置に設けられ、この電波を受信して映像信号を復調するデータ処理装置が内視鏡装置と別体に設けられることで、内視鏡装置から延出する信号ケーブルが取り除かれた内視鏡システムが提案されている。
【0006】
このような内視鏡システムは、一般に、ワイヤレス内視鏡システムとも呼ばれ、内視鏡装置の移動範囲の制限が緩和され、操作性が向上するという長所を有する。
【特許文献1】特開昭60−48011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記ワイヤレス内視鏡システムでは、データ処理装置が内視鏡装置と別体に設けられているため、データ処理装置に設定されている通信設定に合わせて、送信側の内視鏡装置の通信設定を行う必要がある。
【0008】
データ処理装置と内視鏡装置の組み合わせを一意に決定し、通信設定を予め任意の固定設定する方法も考えられる。しかしながら、複数のデータ処理装置及び複数の内視鏡装置を使用している病院においては、内視鏡装置の消毒滅菌処理と検査が同時に進行されるため、データ処理装置と内視鏡装置の組み合わせが一意に決定されない。また、電波の干渉を防ぐために、データ処理装置の通信設定は各々異なる通信設定がされている。このため、内視鏡システムの使用開始時に、内視鏡装置に対して前述の通信設定を行う作業が必要となる。
【0009】
特に、内視鏡装置とデータ処理装置の無線通信を無線LANで行うためには、チャネル、SSID等の煩雑な無線設定が必要になる。しかしながら、特に内視鏡装置は、小型、軽量が求められているにもかかわらず、上記設定のための専用の入力手段を付加するためのスペースを確保しなければならず、小型化、計量化の妨げとなっている。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ワイヤレス内視鏡システムにおける内視鏡装置とデータ処理装置の間の無線通信設定を、省スペースで実施できる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の内視鏡装置の一態様は、任意のデータ処理装置と無線で通信する内視鏡装置において、
操作スイッチと、
上記操作スイッチを、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立していない場合は無線通信設定用として機能させ、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は施術操作用として機能させる制御手段と、
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内視鏡装置に専用のスイッチを設けることなく、ワイヤレス内視鏡システムにおける内視鏡装置とデータ処理装置の間の無線通信設定を行えるので、無線通信設定を省スペースで実施できる内視鏡装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る内視鏡装置を適用したワイヤレス内視鏡システムの構成を示す図である。
【0015】
この内視鏡システムは、撮影した画像データを無線通信により送信する、本発明の一実施形態に係る内視鏡装置100と、該内視鏡装置100から送信された画像データを受信し、モニタ部300に表示するデータ処理装置200と、から構成されている。
【0016】
内視鏡装置100には、該内視鏡システムに操作指示を入力するための複数のスイッチからなる操作部101が備えられている。また、データ処理装置200には、該データ処理装置200の通信設定状態を示す複数のLEDからなる通信設定表示部201が備えられている。
【0017】
図1(B)は、上記内視鏡装置100を操作スイッチの配置面から見た外観図である。
【0018】
内視鏡装置100の操作部101には、電源スイッチ102及び複数の操作スイッチ103が備えられている。操作スイッチ103には、各々スイッチを区別するための番号が付加されている。
【0019】
図2は、上記内視鏡装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0020】
内視鏡装置100は、制御部104、ROM105、RAM106、撮像部107、照明部108、無線通信回路部109、アンテナ110、操作部101、から構成されており、それら各部が図示するように相互に接続されている。また、内視鏡装置100は、電源回路部111を備え、該電源回路部111より上記各ブロックに電源を供給する。
【0021】
ここで、上記制御部104は、該内視鏡装置100のシーケンス制御を行う制御部であり、上記ROM105に格納されているプログラムに従って動作する。
【0022】
上記ROM105は、FlashROM等の不揮発メモリであり、該内視鏡装置100の制御のためプログラムデータ及び通信設定パラメータを含む各種設定情報が格納される。また、通信設定用のパラメータテーブルや施術動作用のパラメータテーブルのデータの格納エリアとしても使用される。
【0023】
ここで、上記通信設定用のパラメータテーブルは、図3(A)に示すように、スイッチ番号に対応させて、その動作と、通信設定(チャネル、SSID、WEP)が記憶されているものである。また、上記施術動作用のパラメータテーブルは、図3(B)に示すように、スイッチ番号に対応させて、その動作が記憶されているものである。
【0024】
上記RAM106は、上記撮像部107から出力される画像データの一時的なバッファリング、上記制御部104の演算等に使用するワークエリア、各種設定等を一時的に格納するエリアとして使用される。操作スイッチの動作パラメータテーブルや、通信設定パラメータを格納するエリアとしても使用される。
【0025】
上記撮像部107は、特に図示はしていないが、入射する光を結像するレンズ、結像した光を電気信号へ変換する光電変換器(CCDやCMOSセンサ等)、光電変換器から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号へ変換するA/Dコンバータ(アナログ−デジタル変換器)、A/Dコンバータからのデジタル電気信号を処理して画像データを生成するビデオプロセッサ等から構成される。
【0026】
上記照明部108は、特に図示はしていないが、該内視鏡装置100の先端部112内に配置された照射レンズ及びLEDと、該LEDを駆動するLED駆動回路等から構成される。LEDから発せられた光は、照射レンズを介して被検体の体腔内の観察部位に照射される。なお、先端部112ではなく操作部101の内部にLEDを配し、ライトガイドで先端部112に導光する構成としても良い。
【0027】
上記無線通信回路部109は、無線通信に必要な高周波回路部,符号化・復号化回路部,無線通信時のバッファメモリ等から構成され、アンテナ110が接続されている。本実施形態では、無線通信の方式として無線LANのプロトコルIEEE802.11が使用されている。データ処理装置200との無線通信を実施するためには、データ処理装置200に設定されている通信設定と同一のチャネル(使用周波数)及びSSID,WEP等の設定が必要である。
【0028】
上記操作部101は、前述したように、上記電源スイッチ102,上記操作スイッチ103で構成され、これらボタン、スイッチの状態及び状態変化を電気信号として出力する。上記操作スイッチ103は、通信接続が確立するまでは、通信設定の選択するための選択スイッチとして、また通信接続が確立後は、画像のフリーズ、静止画像の保存、映像の反転等の施術中の動作を指示するための操作スイッチとして動作する。
【0029】
上記電源回路部111は、特に図示はしていないが、バッテリ,DC/DCコンバータ等で構成され、上記電源スイッチ102がオンされたことを検知して、前述した各部へ電源を供給する。
【0030】
図4は、上記データ処理装置200の電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
このデータ処理装置200は、制御部202、ROM203、RAM204、無線通信回路部205、アンテナ206、画像信号処理部207、上記通信設定表示部201から構成されており、図示するように相互に接続されている。
【0032】
ここで、上記制御部202は、該データ処理装置200のシーケンス制御を行う制御部であり、上記ROM203に格納されているプログラムに従って動作する。
【0033】
上記ROM203は、FlashROM等の不揮発メモリであり、該データ処理装置200の制御のためプログラムデータ及び各種設定情報が格納される。
【0034】
上記RAM204は、上記無線通信回路部205で受信された画像データの一時的なバッファリング、上記制御部202の演算等に使用するワークエリア、各種設定等を一時的に格納するエリアとして使用される。
【0035】
上記無線通信回路部205は、特に図示はしていないが、無線通信に必要な高周波回路部,符号化・復号化回路部,無線通信時のバッファメモリ等から構成され、アンテナ206が接続されている。上記内視鏡装置100の無線通信回路部109と同様に無線LANのプロトコルに従って無線通信を行う。
【0036】
上記画像信号処理部207は、上記無線通信回路部205で受信された画像データをNTSC信号またはPAL信号等の映像信号に変換し、上記モニタ部300に出力する。
【0037】
通信設定表示部201は、前述したとおり、該データ処理装置200の通信設定状態を示す複数のLEDからなる。ここで、データ処理装置200の表面には、各LED近傍に、当該LEDを区別するための例えば番号が提示されている。
【0038】
なお、上記モニタ部300は、例えば液晶表示装置及びその制御回路から構成される。
【0039】
次に、本実施形態に係る内視鏡装置を含む上記ワイヤレス内視鏡システムの動作について、図5を参照して説明する。
【0040】
なお、上記データ処理装置200には、当該データ処理装置200の設置時に、その設置場所の無線環境により適切な通信設定が行われているものとする。そして、上記データ処理装置200の電源がONされると、当該データ処理装置200に設定された通信設定が、上記通信設定表示部201に表示され、内視鏡装置100からの通信接続待ち状態になる。例えば、3種類の通信設定のうち、第1の通信設定が設定されている状態では、3つのLEDのうちの、「1」の番号が提示されているLEDが点灯される。
【0041】
このような状況において、内視鏡装置100の電源スイッチ102がONされると、制御部104は、該内視鏡装置100の各機能ブロックの初期化を行う(ステップS1)。その後、制御部104は、RAM106に設けた操作スイッチの動作パラメータテーブルに、ROM105に記憶されている図3(A)に示される通信設定用のパラメータテーブルを設定して(ステップS2)、操作部101の操作スイッチ103の操作待ちとなる(ステップS3)。
【0042】
ここで、操作者は、上記データ処理装置200の通信設定表示部201に提示された通信設定状態を確認し、それに合わせて操作スイッチ103を操作する。例えば、通信設定表示部201の「1」の番号が提示されているLEDが点灯されていれば、「1」の番号が付された操作スイッチ103を操作する。
【0043】
操作スイッチ103が操作されると、制御部104は、上記RAM106に設けた操作スイッチの動作パラメータテーブルに設定されている通信設定用のパラメータテーブルより、その操作された操作スイッチ103に対応した通信設定(チャネル、SSID、WEP)を読み出し、それを通信設定パラメータとして同じくRAM106に保存する(ステップS4)。
【0044】
そして、その通信設定パラメータを使用して、制御部104は、データ処理装置200との無線通信接続動作を実施する(ステップS5)。この無線通信接続動作は、図6に示すようにして行われる。
【0045】
即ち、まず、上記RAM106に保存した通信設定パラメータを上記無線通信回路部109に設定する(ステップS5A)。その後、制御部104内に設けた図示しない無線通信接続タイマをクリアして、スタートさせ(ステップS5B)、上記無線通信回路部109に、上記データ処理装置200に対する無線通信の接続を開始させる(ステップS5C)。
【0046】
そして、上記データ処理装置200に対する無線通信が確立したか否か、即ち、本実施形態では無線LANのプロトコルに従って無線通信を行うので、ネットワークへの接続が確立されたか否かを判別する(ステップS5D)。
【0047】
ここで、まだネットワークへの接続が確立されていないと判定した場合には、上記無線通信接続タイマが所定時間を掲示したか否か、即ち、通信接続時間が経過したか否かを判別する(ステップS5E)。そして、まだ通信接続時間が経過していなければ、上記ステップS5Dに戻る。
【0048】
而して、上記データ処理装置200に対する無線通信が確立し、上記ステップS5Dにおいてネットワークへの接続が確立されたと判定されたならば、現在の通信設定パラメータをRAM106の所定エリアに保存して(ステップS5F)、上位のルーチンへ戻る。
【0049】
これに対して、ネットワークへの接続が確立されないまま、上記ステップS5Eにおいて通信接続時間が経過してしまったと判定された場合には、上記ステップS5Fの通信設定パラメータの保存を行うことなく、上位のルーチンへ戻る。
【0050】
そして、制御部104は、内視鏡装置100とデータ処理装置200の無線通信の接続が確立したか否かを判別する(ステップS6)。
【0051】
ここで、無線通信の接続が確立されていないと判定した場合には、上記ステップ3に戻り、操作スイッチの入力待ちとなる。したがって、この場合には、操作者は、再度、上記データ処理装置200の通信設定表示部201に提示された通信設定状態に合わせて操作スイッチ103を操作したり、別の操作スイッチ103を操作して、無線通信の接続の確立を試みることとなる。
【0052】
これに対して、上記ステップS6において無線通信の接続が確立されていると判定された場合には、制御部104は、RAM106に設けた操作スイッチの動作パラメータテーブルに、ROM105に記憶されている図3(B)に示される施術動作用のパラメータテーブルを設定する(ステップS7)。そして、上記撮像部107で撮像された画像データの送信を開始する(ステップS8)。
【0053】
その後、操作部101の操作スイッチ103の操作待ちとなる(ステップS9)。但しこの場合は、その操作待ちの間に、無線通信が切断されていないかどうかを確認するステップ(ステップS10)が挿入されている。
【0054】
この状態で、操作者は、無線通信によって内視鏡装置100からデータ処理装置に画像データが送信され、モニタ部300に表示された画像データを確認しながら、内視鏡装置100の先端部112を被検体の体腔内に挿入していくこととなる。
【0055】
そして、内視鏡装置100の先端部112が所望の位置姿勢となったところで、操作者は、操作部101の操作スイッチ103を操作する。
【0056】
この操作スイッチ103が操作されたならば、制御部104は、上記RAM106に設けた操作スイッチの動作パラメータテーブルに設定されている施術動作用のパラメータテーブルより、その操作された操作スイッチ103に対応した施術動作用のパラメータ(動作内容)を読み出し、それを操作コマンドとして、無線通信回路部109から、上記データ処理装置200に送信する(ステップS11)。
【0057】
このように、ステップS9(及びステップS11)とステップS10のループを繰り返し、操作部101の電源スイッチ102がOFFされるまで、操作部101の操作スイッチ103の操作に応じた操作コマンドを上記データ処理装置200に送信することとなる。
【0058】
なお、上記ステップS10において、電波状況の悪化等により無線通信が切断されてしまったと判別した場合には、制御部104は、無線通信の再接続処理に移行する(ステップS12)。
【0059】
この再接続処理の詳細は、図6を参照して上述した無線通信接続動作と同様である。
【0060】
但し、この再接続処理においては、上記無線通信接続動作のステップS5FでRAM106の所定エリアに保存した通信設定パラメータを使用して通信の確立が行われるものであり、操作部101の操作スイッチ103による通信設定の選択は行わない。
【0061】
また、この再接続処理においては、現在の通信設定パラメータをRAM106の所定エリアに保存するステップS5Fの動作は、無くても良い。
【0062】
以上のように、本一実施形態によれば、操作部101の操作スイッチ103が、通信確立までは、通信設定用のスイッチとして動作し、通信確立後は、施術動作用の操作スイッチとして動作するので、通信設定用に専用のスイッチを設ける必要がなく、省スペース、コストの削減が図れる。
【0063】
また、操作スイッチ103は、無線通信接続後は施術動作用のスイッチとして動作するので、施術中の誤操作により、通信設定が変更されることを防止できる。
【0064】
更に、無線通信の接続が確立したときに、その通信設定パラメータをRAM106に記憶しておき、その記憶された通信設定パラメータにより通信の再接続を行うので、電波状況の悪化等により無線通信が切断された場合に、操作スイッチ103を操作することなく通信の再接続が容易に行える。
【0065】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0066】
例えば、撮像部107がビデオプロセッサを含み、画像データをデータ処理装置200へ無線送信するものとしたが、ビデオプロセッサはデータ処理装置200側に持ち、デジタル電気信号を無線送信するものとしても良い。
【0067】
また、データ処理装置200に通信設定表示部201を設けずに、内視鏡装置100からのコマンドに応じてモニタ部300に通信設定を画像として表示するようにしてもかまわない。
【0068】
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0069】
(1) 任意のデータ処理装置と無線で通信する内視鏡装置において、
上記データ処理装置と無線通信の接続が確立していない場合は無線通信設定用として機能し、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は施術操作用として機能する操作手段を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【0070】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態におけるデータ処理装置200が上記データ処理装置に、内視鏡装置100が上記内視鏡装置に、操作スイッチ103が上記操作手段に、それぞれ対応する。
【0071】
(作用効果)
この(1)に記載の内視鏡装置は、操作手段が、通信確立までは、通信設定用として機能し、通信確立後は、施術動作用として機能する。
【0072】
従って、この(1)に記載の内視鏡装置によれば、通信設定用の専用のスイッチを設ける必要がなく、省スペース、コストの削減が図れる。
【0073】
(2) 上記操作手段は、当該内視鏡装置の起動後から上記データ処理装置と上記無線通信の接続が確立するまでは無線通信設定用として機能し、上記無線通信の接続が確立した後は施術操作用として機能することを特徴とする(1)に記載の内視鏡装置。
【0074】
(作用効果)
この(2)に記載の内視鏡装置は、操作手段が、無線通信接続後は施術動作用として機能する。
【0075】
従って、この(2)に記載の内視鏡装置によれば、施術中の誤操作により、通信設定が変更されることを防止できる。
【0076】
(3) 上記データ処理装置と接続が確立された上記無線通信の設定を記憶する記憶手段を更に具備し、
当該内視鏡装置が起動している状態で上記確立された上記無線通信が切断された場合、上記操作手段は上記施術操作用として機能し続けたまま、上記記憶された上記無線通信の設定により上記切断された上記無線通信の接続を再確立することを特徴とする(2)に記載の内視鏡装置。
【0077】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態におけるRAM106が上記記憶手段に対応する。
【0078】
(作用効果)
この(3)に記載の内視鏡装置は、接続が確立された上ときの無線通信の設定を記憶手段に記憶しておき、その記憶手段に記憶された通信設定により通信の再接続を行う。
【0079】
従って、この(3)に記載の内視鏡装置によれば、電波状況の悪化等により無線通信が切断された場合において、操作手段を操作することなく通信の再接続が容易に行える。
【0080】
(4) 被検体を撮像する撮像手段を更に具備し、
上記操作手段は、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は、上記撮像手段で撮像した画像データの操作用として機能することを特徴とする(1)に記載の内視鏡装置。
【0081】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態における撮像部107が上記撮像手段に対応する。
【0082】
(作用効果)
この(4)に記載の内視鏡装置は、無線通信の接続が確立している場合、操作手段が撮像手段で撮像した画像データの操作用として機能する。
【0083】
従って、この(4)に記載の内視鏡装置によれば、操作手段の操作に応じた画像データの操作が行える。
【0084】
(5) 任意のデータ処理装置と無線で通信する内視鏡装置において、
操作スイッチと、
上記操作スイッチを、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立していない場合は無線通信設定用として機能させ、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は施術操作用として機能させる制御手段と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【0085】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態におけるデータ処理装置200が上記データ処理装置に、内視鏡装置100が上記内視鏡装置に、操作スイッチ103が上記操作スイッチに、制御部104が上記制御手段に、それぞれ対応する。
【0086】
(作用効果)
この(5)に記載の内視鏡装置は、操作スイッチが、通信確立までは、通信設定用として機能し、通信確立後は、施術動作用として機能する。
【0087】
従って、この(5)に記載の内視鏡装置によれば、通信設定用の専用のスイッチを設ける必要がなく、省スペース、コストの削減が図れる。
【0088】
(6) 上記制御手段は、上記操作スイッチを、当該内視鏡装置の起動後から上記データ処理装置と上記無線通信の接続が確立するまでは無線通信設定用として機能させ、上記無線通信の接続が確立した後は施術操作用として機能させることを特徴とする(5)に記載の内視鏡装置。
【0089】
(作用効果)
この(6)に記載の内視鏡装置は、操作スイッチが、無線通信接続後は施術動作用として機能する。
【0090】
従って、この(6)に記載の内視鏡装置によれば、施術中の誤操作により、通信設定が変更されることを防止できる。
【0091】
(7) 上記データ処理装置と接続が確立された上記無線通信の設定を記憶する記憶手段を更に具備し、
上記制御手段は、当該内視鏡装置が起動している状態で上記確立された上記無線通信が切断された場合、上記操作スイッチを上記施術操作用として機能させ続けたまま、上記記憶された上記無線通信の設定により上記切断された上記無線通信の接続を再確立することを特徴とする(6)に記載の内視鏡装置。
【0092】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態におけるRAM106が上記記憶手段に対応する。
【0093】
(作用効果)
この(7)に記載の内視鏡装置は、接続が確立された上ときの無線通信の設定を記憶手段に記憶しておき、その記憶手段に記憶された通信設定により通信の再接続を行う。
【0094】
従って、この(7)に記載の内視鏡装置によれば、電波状況の悪化等により無線通信が切断された場合において、操作スイッチを操作することなく通信の再接続が容易に行える。
【0095】
(8) 被検体を撮像する撮像手段を更に具備し、
上記制御手段は、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は、上記操作スイッチを上記撮像手段で撮像した画像データの操作用として機能させることを特徴とする(5)に記載の内視鏡装置。
【0096】
(実施形態との対応)
例えば、上記一実施形態における撮像部107が上記撮像手段に対応する。
【0097】
(作用効果)
この(8)に記載の内視鏡装置は、無線通信の接続が確立している場合、操作スイッチが撮像手段で撮像した画像データの操作用として機能する。
【0098】
従って、この(8)に記載の内視鏡装置によれば、操作スイッチの操作に応じた画像データの操作が行える。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1(A)は、本発明の一実施形態に係る内視鏡装置を適用したワイヤレス内視鏡システムの構成を示す図であり、図1(B)は、一実施形態に係る内視鏡装置の外観図である。
【図2】図2は、一実施形態に係る内視鏡装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は通信設定用のパラメータテーブルを示す図であり、図3(B)は施術動作用のパラメータテーブルを示す図である。
【図4】図4は、データ処理装置の構成図である。
【図5】図5は、一実施形態に係る内視鏡装置の動作フローチャートを示す図である。
【図6】図6は、図5中の無線通信接続動作の詳細フローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100…内視鏡装置、 101…操作部、 102…電源スイッチ、 103…操作スイッチ、 104…制御部、 105…ROM、 106…RAM、 107…撮像部、 108…照明部、 109…無線通信回路部、 110…アンテナ、 111…電源回路部、 112…先端部、 200…データ処理装置、 201…通信設定表示部、 202…制御部、 203…ROM、 204…RAM、 205…無線通信回路部、 206…アンテナ、 207…画像信号処理部、 300…モニタ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のデータ処理装置と無線で通信する内視鏡装置において、
操作スイッチと、
上記操作スイッチを、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立していない場合は無線通信設定用として機能させ、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は施術操作用として機能させる制御手段と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記操作スイッチを、当該内視鏡装置の起動後から上記データ処理装置と上記無線通信の接続が確立するまでは無線通信設定用として機能させ、上記無線通信の接続が確立した後は施術操作用として機能させることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
上記データ処理装置と接続が確立された上記無線通信の設定を記憶する記憶手段を更に具備し、
上記制御手段は、当該内視鏡装置が起動している状態で上記確立された上記無線通信が切断された場合、上記操作スイッチを上記施術操作用として機能させ続けたまま、上記記憶された上記無線通信の設定により上記切断された上記無線通信の接続を再確立することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
被検体を撮像する撮像手段を更に具備し、
上記制御手段は、上記データ処理装置と無線通信の接続が確立している場合は、上記操作スイッチを上記撮像手段で撮像した画像データの操作用として機能させることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−189663(P2009−189663A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35220(P2008−35220)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】