説明

内視鏡装置

【課題】発光特性に温度依存性を有する蛍光体を用いて照明光を生成する場合に、蛍光体から発生する蛍光強度の変化を軽減して、所望の色調の照明光を常に安定して得られる内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置は、発光素子LD1、及び波長変換部材59A,59Bを備え、発光素子から出射され波長変換部材を透過した透過光と、波長変換部材からの発光光とを合成した照明光を出力する光源部を有する。また、内視鏡装置は、発光素子を駆動するためのパルス駆動信号を生成する駆動信号生成部67と、蛍光体の発光効率の温度依存性に起因する照明光の光量変化量が許容限度値以下となるように、生成されたパルス駆動信号の各パルスを、更にパルス幅が短い複数の短パルスに分割した分割パルス駆動信号を生成する駆動信号変換部69と、発光素子を分割パルス駆動信号で駆動する光源制御部61とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザや発光ダイオード等の半導体光源から発せられる励起光と、この励起光により発光する蛍光体を含む波長変換部材とを有する光源を備えた内視鏡装置が開発されている。例えば、特許文献1の内視鏡装置では、光源をパルス状の駆動電流で駆動し、駆動電流のパルス数、パルス幅、又はパルス振幅のうちのいずれかを増減させることで、常に適切な積算光量及び色度となるように補正している。これにより、光源の個体差に起因する照明光の積算光量及び色度のばらつきを解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−56248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、波長変換部材の蛍光体の発光特性は温度依存性を有し、蛍光体が励起光を受け続けて温度上昇すると、発生する蛍光の分光プロファイルが変化してしまう。図7に励起光の駆動パルスと蛍光体からの出力光強度との関係を示した。光源は、供給される強度I0の駆動パルス信号により励起光を出力する。この励起光が蛍光体に照射されて蛍光体の温度が上昇すると、蛍光体の発光効率が変化して初期の発光強度からの増減を生じる。このため、光源に供給する駆動パルス通りの出力光強度が得られないことになる。
【0005】
また、波長変換部材が複数種類の蛍光体を含んで構成される場合、発生する蛍光の強度は、温度変化に伴ってそれぞれ個別に変化する。図8にG発光蛍光体と、R発光蛍光体の温度に対する発光効率の変化の様子を概略的に示した。一般にR発光蛍光体はG発光蛍光体より発光効率が低く、温度上昇に伴う発光効率の変化も各蛍光体で異なる。そのため、複数種類の蛍光体を用いる場合には、各蛍光体の発光光量のバランスが崩れ、照明光が動的に変化して設計通りの色味とならないことがある。
そこで本発明は、発光特性に温度依存性を有する蛍光体を用いて照明光を生成する場合に、蛍光体から発生する蛍光強度の変化を軽減して、所望の色調の照明光を常に安定して得られる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記構成からなる。
発光素子、及び該発光素子からの出射光で発光する蛍光体が含まれる波長変換部材を備え、前記発光素子から出射され前記波長変換部材を透過した透過光と、前記波長変換部材からの発光光とを合成した照明光を出力する光源部と、
前記発光素子を駆動するためのパルス駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
前記蛍光体の発光効率の温度依存性に起因する前記照明光の光量変化量が許容限度値以下となるように、生成された前記パルス駆動信号の各パルスを、更にパルス幅が短い複数の短パルスに分割した分割パルス駆動信号を生成する駆動信号変換部と、
前記発光素子を前記分割パルス駆動信号で駆動する光源制御部と、
を具備した内視鏡装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の内視鏡装置によれば、発光特性に温度依存性を有する蛍光体を用いて照明光を生成する場合に、蛍光体から発生する蛍光強度の変化を軽減して、所望の色調の照明光を常に安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図である。
【図2】内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
【図3】パルス駆動信号の変調制御のタイミングチャートを示す説明図である。
【図4】(A)はレーザ光源へのパルス駆動信号、(B)は一つのパルスを複数の短パルスに分割した変換パルス駆動信号を表す説明図である。
【図5】図4(B)の分割パルス駆動信号により発光する蛍光体の発光強度を概略的に示す説明図である。
【図6】(A)は休止期間Taが残光期間TLより長い場合の駆動パルスに対する波長変換部材からの出力光の強度変化を示す説明図、(B)は休止期間Taが残光期間TL以下である場合の出力光の強度変化を示す説明図である。
【図7】従来の励起光の駆動パルスと蛍光体からの出力光強度との関係を示す説明図である。
【図8】従来のG発光蛍光体と、R発光蛍光体の温度に対する発光効率の変化の様子を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図、図2は内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
内視鏡装置100は、図1に示すように、内視鏡スコープ(以下、内視鏡と称する)11と、制御装置13と、モニタ等の表示部15と、制御装置13に情報を入力するキーボードやマウス等の入力部17とを備えている。制御装置13は、光源装置19と、撮像画像の信号処理を行うプロセッサ21とを有して構成される。
【0010】
内視鏡11は、図2にも示すように、本体操作部23と、この本体操作部23に連設され被検体(体腔)内に挿入される挿入部25とを備える。本体操作部23には、ユニバーサルコード27が接続される。このユニバーサルコード27の先端は、光源装置19にライトガイド(LG)コネクタ29Aを介して接続され、また、ビデオコネクタ29Bを介してプロセッサ21に接続されている。
【0011】
内視鏡11の本体操作部23には、挿入部25の先端側で吸引、送気、送水を実施するためのボタンや、撮像時のシャッターボタン等の各種操作ボタン31が併設されると共に、一対のアングルノブ33が設けられている。
【0012】
挿入部25は、本体操作部23側から順に軟性部35、湾曲部37、及び先端部(内視鏡先端部)39で構成され、湾曲部37は、本体操作部23のアングルノブ33を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部39を所望の方向に向けることができる。
【0013】
図1に示すように、内視鏡先端部39には、撮像光学系の観察窓41と、照明光学系の照明窓43A,43Bが配置されている。各照明窓43A,43Bからは照明光が照射され、被検体からの反射光は、観察窓41を通じて撮像素子45により撮像される。撮像された観察画像は、プロセッサ21に接続された表示部15に表示される。
【0014】
撮像光学系は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子45と、撮像素子45に観察像を結像させるレンズ等の光学部材47とを有する。撮像素子45の受光面に結像されて取り込まれる観察像は、電気信号に変換されて信号ケーブル51を通じてプロセッサ21の撮像信号処理部53に入力され、撮像信号処理部53で映像信号に変換される。
【0015】
撮像素子45は、RGBの原色系カラーフィルタを備えるもの他、CMY,CMYG等の補色系カラーフィルタを備えるものであってもよい。また、撮像素子45は、撮像制御部55によりシャッタ速度や絞り等のAE信号が設定される。
【0016】
照明光学系は、光源装置19と、光源装置19に接続される一対の光ファイバ57A,57Bと、光ファイバ57A,57Bの光出射端それぞれに配置された波長変換部材59A,59Bとを有する。光源装置19は、半導体発光素子であるレーザ光源LD1、LD2と、各レーザ光源LD1,LD2を駆動制御する光源制御部61と、レーザ光源LD1,LD2からの出射光を合波するコンバイナ63と、合波した光を一対の光ファイバ57A,57Bによる2つの光路に分岐させるカプラ65とを有する。また、光源装置19は、詳細を後述するパルス駆動信号を生成する駆動信号生成部67、パルス駆動信号を変更する駆動信号変換部69、蛍光体特性情報を記憶する特性情報記憶部71を有する。
【0017】
内視鏡制御部73は、撮像信号処理部53と、撮像信号や各種情報を保存するメモリ75と、画像処理部77が接続されている。内視鏡制御部73は、撮像信号処理部53から出力される画像データを画像処理部77により適宜な画像処理を施して、表示部15に映出する。また、図示しないLAN等のネットワークに接続されて画像データを含む情報を配信する等、内視鏡装置100全体を制御する。
【0018】
レーザ光源LD1は、中心波長445nmの青色発光の半導体レーザである。レーザ光源LD1は、出射光量を光源制御部61により制御された青色レーザ光を出射し、この出射光が光ファイバ57A,57Bを通じて内視鏡先端部39の波長変換部材59A,59Bに照射される。このレーザ光源LD1としては、例えばブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが使用できる。
【0019】
波長変換部材59A,59Bは、レーザ光源LD1から出射されるレーザ光の一部を吸収して緑色〜黄色に励起発光する複数種類の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl10O37)等を含む蛍光体等)を含んで構成される。これにより、レーザ光源LD1からのレーザ光と、このレーザ光が波長変換された緑色〜黄色の励起光とが合成された白色光が生成される。なお、波長変換部材59A,59Bに使用される中心発光波長の異なる複数種類の蛍光体は、できるだけ発光の温度特性が同じ蛍光物質を選定して組み合わされている。
【0020】
レーザ光源LD2は、中心波長405nmの紫色発光の半導体レーザである。このレーザ光源LD2も光源制御部61により出射光量が制御され、内視鏡先端部39の波長変換部材59A,59Bを通じて照明窓43A,43Bから出射される。
【0021】
次に、上記構成の内視鏡装置100により被検体を観察する際の、各レーザ光源の出射光量比について説明する。
光源制御部61は、レーザ光源LD1(中心波長445nm)による白色照明光と、レーザ光源LD2(中心波長405nm)による狭帯域光とを、内視鏡制御部73からの指示に基づいて、各出射光量をそれぞれ個別に制御する。
【0022】
内視鏡の術者は、図2に示す本体操作部23の各種操作ボタン31の操作や、制御装置13側の入力部17等から入力操作を行う。内視鏡制御部73は、術者からの操作信号に基づいて光源制御部61、撮像制御部55へ制御信号を出力する。このとき、観察対象に適した照明光が内視鏡先端部39の照明窓43A,43B(図1参照)から出射される。また、撮像素子45は所望の撮像条件で被検体を撮像する。
【0023】
その際、レーザ光源LD1と、レーザ光源LD2からの光の出射光量比を、観察対象に応じて適宜変更することにより、高コントラストで診断に適した観察画像を取得できる。観察画像における血管(観察対象)と粘膜(背景画像)のコントラストは、観察対象/背景画像の比で1.4以上、好ましくは1.6以上である場合に十分な表層血管抽出能力が得られるようになる。このように、レーザ光源LD1とLD2の出射光量比は、組織表層の観察画像に明らかな変化を生じさせる。
【0024】
生体組織表層の情報が良好に映出された適正露光の観察画像を取得するためには、レーザ光源LD1とLD2の出射光量比を所望の光量比に高精度に合わせると共に、レーザ光源LD1とLD2からの出射光により生成される照明光を目標光量に精度良く合わせることが重要となる。
【0025】
光源制御部61は、各レーザ光源LD1,LD2の各目標光量P1,P2に対する個別の出射光量を、目標光量がP1,P2と変化しても出射光量比Ra:Rbを常に一定に維持するように制御する。これにより、レーザ光源LD1,LD2の出射光量比が所望の出射光量比に維持されたまま、各レーザ光源LD1,LD2の出射光量の合計が所望の目標光量に制御される。
【0026】
次に、内視鏡装置100のレーザ光源LD1,LD2の発光強度の増減制御について説明する。
まず、術者が図1に示す内視鏡11の本体操作部23に設けられた操作ボタン31を操作することにより、内視鏡制御部73が、通常観察、狭帯域光観察等の各種観察モードに切り替える制御を行う。即ち、通常観察モードでは、レーザ光源LD1,LD2の出射光量比LD1:LD2を1:0に設定し、狭帯域光観察モードでは、LD1:LD2を予めプリセットされた任意の比率に設定する。
【0027】
狭帯域光観察モードにおいては、レーザ光源LD1,LD2の双方の出力を上記の出射光量比に保持しつつ、レーザ光源LD1,LD2の合計の出射光量を目標光量にする制御を行う。
【0028】
術者が、内視鏡観察時に操作ボタン31を操作することで、観察モードを狭帯域光観察モードに切り替えると、内視鏡制御部73は、予めプリセットされた出射光量比を設定する。レーザ光源LD1,LD2の出射光量比Ra:Rbは、観察モードに応じて切り替え可能に予め複数種が用意され、それらの情報がメモリ75に記憶されている。内視鏡制御部73は、切り替えた観察モードに指定された出射光量比Ra:Rbをメモリ75から読み出して、出射光量比の情報を光源制御部61に送信する。
【0029】
光源制御部61は、内視鏡制御部73から送信された出射光量比Ra:Rbの情報を受け取る。そして、この出射光量比に基づいて、駆動信号生成部67がレーザ光源LD1,LD2を駆動する各パルス駆動信号を生成する。具体的には、標準の駆動電流値から各レーザ光源LD1,LD2の各パルス駆動信号の電流値(振幅値)をそれぞれ増減させ、かつ、各パルス駆動信号の積分強度が、標準の駆動電流値とした場合の積分強度と等しくなるように設定する。
【0030】
一方、レーザ光源LD1,LD2から出射される光量と、波長変換部材59A,59Bからの蛍光光量とを合計した全光量に対する目標光量は、前フレームの撮像画像に対する全照明光量と、その撮像画像に対するAE信号とに基づいて内視鏡制御部73が設定する。
【0031】
メモリ75には、全照明光量とAE信号に対する目標光量の値がテーブル情報として記憶されている。内視鏡制御部73は、メモリ75を参照して、次フレームに対する目標光量を求める。内視鏡制御部73は、求めた目標光量を光源制御部61に送信する。
【0032】
次に、これら設定された駆動信号の振幅と目標光量に基づいて、駆動信号生成部67はレーザ光源LD1,LD2の各パルス駆動信号を、共通するパルス変調制御により生成する。
【0033】
次に、上記共通のパルス変調制御によりパルス駆動信号を生成する具体例について説明する。
図1に示す光源制御部61は、内視鏡制御部73からの指示を受けて、レーザ光源LD1,LD2の発光量をパルス変調制御する。駆動信号生成部67は、内視鏡制御部73に接続されたメモリ75を参照してパルス駆動信号を生成する。このパルス駆動信号の変調制御は、パルス数制御(PNM:Pulse Number Modulation)及びパルス密度制御(PDM:Pulse Density Modulation)と、パルス幅制御(PWM:Pulse Width Modulation)との3種類の制御、或いはパルス振幅制御(PAM:Pulse Amplitude Modulation)を加えた4種類の制御を用いて実施される。
【0034】
図3にパルス駆動信号の変調制御のタイミングチャートを示した。垂直同期信号VDにより規定される画像の1フレームの期間内において、電子シャッタの露光期間の少なくとも一部を点灯させる駆動パルス[1]を最大光量としている。ここで、1フレーム期間は33ms、シャッタ速度は1/60sとする。また、駆動パルス[1]の周波数は120kHzであり、電子シャッタの露光期間内に2000個のパルスが含まれているものする。
【0035】
駆動パルス[1]の最大光量時から光量を減少させる場合、光量の大きい順に、第1のパルス変調領域でPNM制御、第2のパルス変調領域でPDM制御、第3のパルス変調領域でPWM制御を行い、光量を徐々に減少させる。
【0036】
まず、PNM制御においては、電子シャッタの露光期間Waの全てから、時間軸における後ろ詰めでパルス数を減少させ、点灯期間を短縮する。つまり、電子シャッタによる1フレーム内の露光期間Waに対し、駆動パルス[2]に示すように、所定の最小割合になるまで駆動パルスのパルス数を駆動開始タイミングが遅れるように減少させ、レーザ光源の点灯期間を短縮する。なお、最大光量は、電子シャッタの露光期間Waの全てでなく、1フレーム全期間の点灯であってもよく、連続点灯状態としてもよい。
【0037】
次に、駆動パルス[3]に示すように、レーザ光源の点灯期間をPNM制御により所定の点灯期間Wminまで短縮した後、PDM制御により駆動パルスを間引く処理を行う。このPDM制御においては、所定の点灯期間Wminまで短縮された点灯期間に対し、所定間隔で駆動パルスを間引くことで点灯期間内のパルス密度を減少させる。
【0038】
そして、駆動パルス[4]に示すように、駆動パルスのパルス間隔が間引き限界に達するまで、即ち、駆動パルスが所定の最小パルス密度となるまでの範囲はPDM制御を行う。
【0039】
次に、駆動パルスが所定の最小パルス数となった後は、駆動パルス[5]に示すように、PWM制御により駆動パルスのパルス幅を減少させる。駆動パルス[6]に示すように、駆動パルスのパルス幅がPWM制御限界に達するまでの範囲はPWM制御を行う。
【0040】
このように、光量を減少制御する際、最大光量から最初にPNM制御を行うことで、レーザ光源の点灯期間を短縮して、ブレによる撮像画像の画像ボケ発生を抑制できる。また、レーザ光源の非点灯時間が長くなるので、連続点灯する場合と比較して、光源自体や光路上の各光学部材の発熱を低減する効果も得られる。
【0041】
また、所定の点灯期間まで短縮された時点でPNM制御からPDM制御に切り替えることにより、適度に長い点灯期間が維持されて、動画観察時のフリッカ発生を抑制できる。PDM制御の下限であるパルス数は、PDM制御による調光分解能が粗くなることを防止できる。
【0042】
PWM制御では、各駆動パルスそれぞれのデューティ比を変更することで、間引き限界より低光量域における光量をより細かに調整でき、調光分解能が向上する。
【0043】
ところで、レーザ光源をパルス点灯制御する際、レーザ光源はスペックルノイズによる照明ムラを生じる。そこで、十分なスペックルノイズ低減効果を得るため、PWM制御におけるデューティ比は上限を設けている。
【0044】
また、実際のレーザ光は駆動の立ち上がり信号に忠実に追随することができず、ある程度の遅れ成分を有して立ち上がる。また、立下り時も同様に遅れ成分を有する。そのため、駆動パルスが極端に狭い狭幅パルスであると目標値に到達する前に立ち下がることが予想されるので、PWM制御が正確に行えるデューティ比の下限を設定している。
【0045】
上記のPNM/PDM制御、PWM制御は、目標光量に応じて切り替えられ、いずれか一つの制御が他の制御と排他的に使用される。制御可能な光量のダイナミックレンジは、各制御を組み合わせることで、キセノンランプ等の白色ランプのダイナミックレンジと同等か、それ以上になる。
【0046】
上記の変調制御されたパルス駆動信号は、所定の照明光量が得られるようにパルス数、パルス密度、パルス幅が設定されている。しかし、蛍光体の発光強度に温度依存性がある場合、意図した通りの照明光の強度が得られないことがある。特に複数種類の蛍光体を用いる場合には、各蛍光体の発光効率が個別に変化して、所望の色調からずれた照明光になることがある。
【0047】
図4(A)にレーザ光源LD1へのパルス駆動信号を示した。パルス駆動信号81の各パルス83は、振幅強度がI0、パルス幅がWであり、周期Tで連続する信号となっている。このパルス駆動信号81によりレーザ光源LD1を駆動して波長変換部材59A,59Bに光照射すると、波長変換部材59A,59Bから蛍光が生じると共に、各波長変換部材59A,59Bの温度が上昇する。すると、波長変換部材59A,59Bに含まれる蛍光体の発光特性が温度依存性を有するため、温度上昇に伴って蛍光体の発光強度が低下する。
【0048】
そこで、光源制御部61は、図4(B)に示すように、前述の一つのパルス83を更にパルス幅の短い複数の短パルス87に分割して、波長変換部材59A.59Bに連続して光照射されることを防止する。つまり、駆動信号変換部69(図1参照)は、変換前のパルス駆動信号81のパルス83に対して、そのパルス幅Wに相当する期間内で、パルス幅がW1である複数の短パルス87,87,87,・・・に分割する。短パルスへの分割は、パルス駆動信号81の各パルスに対して同様に行う。
【0049】
駆動信号変換部69は、各短パルス87を、パルス幅Wの期間内における積分強度がパルス83の積分強度と等しくなるように、その振幅強度I1と、休止期間Sとを設定する。パルス駆動信号81における一つのパルス83を、パルス幅の短い複数の短パルス87からなる短パルス群89に変換することで、波長変換部材59A,59Bへの連続光照射期間が短くなり、波長変換部材59A,59Bの温度上昇が抑えられる。これにより、波長変換部材59A,59Bが発生する蛍光の強度によって、照明光の光量や色調が変化することを防止できる。
【0050】
具体的には、図1に示す駆動信号変換部69は、まず駆動信号生成部67で生成されたパルス駆動信号における一つのパルス83の積分強度を求める。そして、駆動信号変換部69は、その一つのパルス83の積分強度が予め定めた光量変化の許容限度値を超える強度であるかを判定する。光量変化の許容限度値とは、蛍光体の発光効率の温度依存性に起因して、蛍光体からの発光光量が変化することで、観察画像の色調や輝度に無視できない影響が及ぶ最小の光量変化値である。
【0051】
ここで、光量変化の許容限度値と、一つのパルスの積分強度と光量変化量との関係を表す蛍光体特性情報は、それぞれ特性情報記憶部71に予め記憶されている。駆動信号変換部69は、一つのパルス83の積分強度に対する光量変化量を、特性情報記憶部71の蛍光体特性情報を参照して求め、得られた光量変化量と、予め定めた光量変化の許容限度値とを比較することで、積分強度の大きさを判定する。
【0052】
駆動信号変換部69が、光量変化が許容限度値を超える積分強度であると判定した場合、図4(B)に示すように、パルス駆動信号81の各パルス83をそれぞれ複数の短パルス87からなる短パルス群89に分割する。短パルス群89の各短パルス87は、一つのパルス83の積分強度値に応じてパルス数、パルス幅、パルス周期等が駆動信号変換部69により設定される。
【0053】
光源制御部61は、上記変換された分割パルス駆動信号85を用いてレーザ光源LD1を駆動する。一方、許容量以下の積分強度であると判定した場合には、駆動信号生成部67で生成されたパルス駆動信号81をそのまま用いてレーザ光源LD1を駆動する。
【0054】
図5は図4(B)の分割パルス駆動信号により発光する蛍光体の発光強度を概略的に示す説明図である。分割パルス駆動信号85によりレーザ光源LD1を駆動すると、波長変換部材59A,59Bから短パルス87に応じた断続的な照明光が出力される。レーザ光源LD1の出射光による波長変換部材59A,59Bの温度上昇期間は、短いパルス幅W1の短パルスによる駆動であるために、期間W1内に限られる。また、温度上昇期間後の休止期間Sは、波長変換部材59A,59Bの冷却期間となる。そのため、波長変換部材59A,59Bの温度変化は僅かであり、蛍光体の発光特性が大きく変化するまでには至らない。よって、各短パルスに対応して発生する蛍光光は、各短パルスで毎回同等の強度レベルとなる。
【0055】
従って、分割パルス駆動信号でレーザ光源LD1を駆動した際の波長変換部材59A,59Bからの出力光は、期間W内における積分強度が、変換前のパルス駆動信号における一つのパルス83に対する理想出力光91の積分強度と一致する。このため、照明光の色調を変化させることなく、所望の光量の照明光を安定して生成することができる。
【0056】
図6(A)は駆動パルスに対する波長変換部材からの出力光の強度変化を示す説明図である。レーザ光源LD1(図1参照)を、短パルス87が含まれるパルス駆動信号で駆動すると、短パルス87の供給タイミングに応じて波長変換部材59A,59Bから断続的な出力光が得られる。しかし、蛍光体の発光応答特性は、厳密には所定の遅れ成分があるため、励起光を受光してから発光が開始するまでの初期期間と、励起光を停止してから発光が止まるまでの残光期間は過渡状態となる。
【0057】
一方、図6(B)に示すように、休止期間Taが残光期間TL以下に設定される場合には、残光期間における強度波形の波尾が次の短パルスと重なることになる。そのため、一つの短パルスによる出力光が所望の積分強度にならず、設定する光量が得られない。そこで駆動信号変換部69は、図6(A)に示すように、複数の短パルス間の休止期間、即ち、レーザ光源LD1が点灯休止してから次に点灯開始するまでの休止期間Taが、励起光の停止後に蛍光体の発光強度が発光停止状態になるまでの残光期間TLより長くなるように分割パルス駆動信号を生成する。分割パルス駆動信号の短パルスが、それぞれ蛍光体の残光期間TLより長い休止期間Taを空けて設定されることで、各短パルスの積分強度通りの照明光を得ることができる。
【0058】
なお、蛍光体発光の応答特性は、使用する蛍光材料によって異なるため、短パルス間の休止期間Taは使用する蛍光体材料に応じて設定する。ここで、以下に一例として示す蛍光体材料に対する蛍光体発光の応答速度は、発光強度が減衰して1/eに達するまでの時間Teで表され、次のようになる。
1)青色発光蛍光体:バリウム マグネシウム アルミネイト(BaMg2Al1627
中心発光波長452nm、Te=2μs
2)赤色発光蛍光体:Y23:Eu2+
中心発光波長611nn、Te=1.1ms
3)緑色発光蛍光体:LaPO4:Ce,Tb
中心発光波長544nm、Te=2.6ms
【0059】
上記例の蛍光体材料では、特に青色発光蛍光体の減衰時間Te が短い。このため、分割パルス駆動信号の短パルスの最大周波数は、上記の青色発光蛍光体を含めて考慮すると500kHz以下であればよい。更には、他の一般的な蛍光体材料を考慮すると240kHz以下であることが望ましい。
【0060】
駆動信号変換部69(図1参照)は、駆動信号生成部67によるパルス駆動信号の一つのパルスを、上記最大周波数以下の範囲で分割する。これにより、照明光を常に正確な強度・色調で生成できる。
【0061】
上記構成の内視鏡装置によれば、キセノンランプ等の既存構成と同等の光源制御を実現しているので、既存のプロセッサをそのまま使用でき、汎用性を高めた構成にできる。更に、半導体光源の光源寿命はキセノンランプ等の白色ランプより格段に長いため、機器のメンテナンスを軽減できる。
【0062】
また、狭帯域光照明用の半導体光源としては、中心波長が360〜530nmのレーザ光源を用いることができる。このレーザ光源であれば、生体組織表層の毛細血管や微細構造の強調画像が得られる。そして、白色照明光と狭帯域光とを混合した合計光量を目標光量に設定して、被検体を照明する場合でも、白色照明光の強度を正確に調整できる。そのため、強調度合いを高精度に設定でき、良好な観察画像を得ることができる。
【0063】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。例えば、本実施形態では発光素子としてレーザ光源を用いた例を説明したが、発光ダイオードを用いてもよい。発光ダイオードには、砲弾型、表面実装型、ハイパワーLED等、各種のタイプがあるが、いずれのタイプに対しても、分割パルス駆動信号を短パルス化することで、照明光を常に正確な強度・色調で生成でき、省電力で高輝度な照明光が得られる。
また、キセノンランプ等の白色光源からの光を、フィルタリングにより特定波長のみ抽出する構成としてもよい。
また、光量制御は、撮像手段の電子シャッタによる露光制御と、発光素子の光量制御とを組み合わせて制御することもできる。また、上記の説明では2つのレーザ光源に対する出射光量の制御を説明したが、光源の数はこれに限らず、任意の数で構成することもできる。更に、出射光量制御は、駆動電流値の制御に代えて、駆動電圧値の制御とすることもできる。
【0064】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 発光素子、及び該発光素子からの出射光で発光する蛍光体が含まれる波長変換部材を備え、前記発光素子から出射され前記波長変換部材を透過した透過光と、前記波長変換部材からの発光光とを合成した照明光を出力する光源部と、
前記発光素子を駆動するためのパルス駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
前記蛍光体の発光効率の温度依存性に起因する前記照明光の光量変化量が許容限度値以下となるように、生成された前記パルス駆動信号の各パルスを、更にパルス幅が短い複数の短パルスに分割した分割パルス駆動信号を生成する駆動信号変換部と、
前記発光素子を前記分割パルス駆動信号で駆動する光源制御部と、
を具備した内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、パルス駆動信号の各パルスを、更にパルス幅の短い複数の短パルスに分割した分割パルス駆動信号で発光素子を駆動することにより、発光素子の連続点灯時間が短くなるので、波長変換部材に発光素子からの出射光が連続照射されることが軽減される。そのため、波長変換部材の温度上昇により蛍光体の発光効率が変化して、蛍光体から発生する蛍光強度が変化してしまうことが効率的に防止できる。よって、蛍光体から発生する蛍光強度の変化を軽減して、所望の色調の照明光を常に安定して得ることができる。
【0065】
(2) (1)の内視鏡装置であって、
前記パルス駆動信号における一つのパルスの積分強度と前記光量変化量との関係を表す蛍光体特性情報を記憶する特性情報記憶部を備え、
前記駆動信号変換部が、前記特性情報記憶部から前記蛍光体特性情報を参照して、前記一つのパルスの積分強度に対する前記光量変化量を求める内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、予め用意された特性情報記憶部の蛍光体特性情報を参照して、一つのパルスの積分強度に対する光量変化量を演算処理することなく簡単に求めることができる。
【0066】
(3) (1)又は(2)の内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記光量変化量が前記許容限度値を超える場合にのみ、前記分割パルス駆動信号を生成する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光量変化量が許容限度値を超える場合にのみ、分割パルス駆動信号を生成するので、分割パルス駆動信号が必要なときのみに生成され、駆動信号変換部の演算負担が軽減される。
【0067】
(4) (1)〜(3)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記パルス駆動信号における一つのパルスを分割した前記複数の短パルスの合計積分強度と、前記一つのパルスの積分強度とが一致するように、前記分割パルス駆動信号を生成する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、パルス駆動信号から分割パルス駆動信号に変換した後の信号強度が一致するので、信号変換による照明光の強度変化がなく、所望の一定光量に維持できる。
【0068】
(5) (1)〜(4)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記複数の短パルス間の休止期間を、前記波長変換部材からの発光光の残光期間より長く設定する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、波長変換部材からの発光光の残光期間内で、次に短パルスによる発光が開始されることがなくなり、短パルスの積分強度通りの照明光が得られる。
【0069】
(6) (1)〜(5)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記短パルスの最大周波数を500kHz以下に設定する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、蛍光体の応答遅れによる影響を受けることなく、照明光を正確な強度で生成できる。
【0070】
(7) (1)〜(6)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記波長変換部材が、中心発光波長の異なる複数種類の蛍光体を含んで構成される内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、発光効率の温度依存性の違いによる影響を受けることなく、複数種類の蛍光体から発生する蛍光の強度を、それぞれ一定にできる。このため、照明光の色調を常に一定にできる。
【0071】
(8) (1)〜(7)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記発光素子が、半導体発光素子である内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、エネルギ効率よく高輝度の照明光を得ることができる。
【0072】
(9) (1)〜(8)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記発光素子が青色光を出射し、
前記波長変換部材が発生する蛍光光と前記青色光とを合成することで白色光を生成する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、蛍光体によるブロードな波長帯の蛍光光を用いて白色光が生成されるため、演色性の高い照明光が得られる。
【0073】
(10) (1)〜(9)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
中心波長360〜530nmの狭帯域光を出射する狭帯域光発光手段を更に備えた内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、可視短波長の狭帯域光を被検体に照射することで、生体組織表層の毛細血管や微細模様を強調して表示できる。
【0074】
(11) (10)の内視鏡装置であって、
前記駆動信号生成部が、前記照明光と前記狭帯域光との合計光量が目標光量になるようにパルス駆動信号を生成する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、照明光と狭帯域光とを混合した合計光量を目標光量に設定し、被検体を照明することで、混合された狭帯域光の割合に応じて生体組織表層の毛細血管や微細模様の強調度合いを精度よく調整できる。
【0075】
<付記>
内視鏡挿入部の先端から所望の光量の照明光を出射する内視鏡装置であって、
前記照明光を生成する半導体光源と、
電子シャッタにより露光期間を調整する撮像手段と、
入力される目標光量に応じて前記半導体光源をパルス点灯駆動する光源制御手段と、を備え、
前記光源制御手段が、前記目標光量の高い順に、
前記電子シャッタによる1フレーム内の露光期間に対し、所定の点灯期間になるまで前記駆動パルスのパルス数を減少させて前記半導体光源の点灯期間を短縮する第1のパルス変調制御と、
前記第1のパルス変調領域における所定の点灯期間に対し、所定間隔で前記駆動パルスを間引くことで前記点灯期間内のパルス密度を減少させる第2のパルス変調制御と、
前記第2の制御範囲において最小パルス数とされた各駆動パルスに対し、パルス幅を減少させる第3のパルス変調制御と、
を行う内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、制御パラメータに、目標光量が高い順に、パルス数を減少させて点灯期間を短縮する第1のパルス変調領域、パルスを間引いてパルス密度を減少させる第2のパルス変調領域、パルス幅を減少させる第3のパルス変調領域が設定されることで、目標光量が高い場合には光源の点灯時間を短縮する制御が優先されて、撮像画像の画像ボケが抑制され、発熱が低減される。また、低い目標光量には所定の点灯期間内にパルスが複数存在するため、フリッカの発生を抑制できる。そして、異なる種類の制御を組み合わせることで、広いダイナミックレンジと、高い調光分解能を確保することができる。
【符号の説明】
【0076】
11 内視鏡
13 制御装置
19 光源装置
21 プロセッサ
45 撮像素子
57A,57B 光ファイバ
59A,59B 波長変換部材
61 光源制御部
67 駆動信号生成部
69 駆動信号変換部
71 特性情報記憶部
73 内視鏡制御部
75 メモリ
77 画像処理部
81 パルス駆動信号
83 パルス
85 変換後のパルス駆動信号
87 短パルス
89 短パルス群
91 理想出力光
100 内視鏡装置
LD1,LD2 レーザ光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子、及び該発光素子からの出射光で発光する蛍光体が含まれる波長変換部材を備え、前記発光素子から出射され前記波長変換部材を透過した透過光と、前記波長変換部材からの発光光とを合成した照明光を出力する光源部と、
前記発光素子を駆動するためのパルス駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
前記蛍光体の発光効率の温度依存性に起因する前記照明光の光量変化量が許容限度値以下となるように、生成された前記パルス駆動信号の各パルスを、更にパルス幅が短い複数の短パルスに分割した分割パルス駆動信号を生成する駆動信号変換部と、
前記発光素子を前記分割パルス駆動信号で駆動する光源制御部と、
を具備した内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記パルス駆動信号における一つのパルスの積分強度と前記光量変化量との関係を表す蛍光体特性情報を記憶する特性情報記憶部を備え、
前記駆動信号変換部が、前記特性情報記憶部から前記蛍光体特性情報を参照して、前記一つのパルスの積分強度に対する前記光量変化量を求める内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記光量変化量が前記許容限度値を超える場合にのみ、前記分割パルス駆動信号を生成する内視鏡装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記パルス駆動信号における一つのパルスを分割した前記複数の短パルスの合計積分強度と、前記一つのパルスの積分強度とが一致するように、前記分割パルス駆動信号を生成する内視鏡装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記複数の短パルス間の休止期間を、前記波長変換部材からの発光光の残光期間より長く設定する内視鏡装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号変換部が、前記短パルスの最大周波数を500kHz以下に設定する内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記波長変換部材が、中心発光波長の異なる複数種類の蛍光体を含んで構成される内視鏡装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記発光素子が、半導体発光素子である内視鏡装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記発光素子が青色光を出射し、
前記波長変換部材が発生する蛍光光と前記青色光とを合成することで白色光を生成する内視鏡装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
中心波長360〜530nmの狭帯域光を出射する狭帯域光発光手段を更に備えた内視鏡装置。
【請求項11】
請求項10記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号生成部が、前記照明光と前記狭帯域光との合計光量が目標光量になるようにパルス駆動信号を生成する内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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