説明

内部が部分的に樹脂コーティングされた缶、それを製造する方法及び装置

【課題】 その内面が、パックされた食品の品質特性を錫の最適供給により維持しながら、缶の内面の一般的外観に対する樹脂なし錫表面の悪影響を制限し、また抑制さえする特定の樹脂コーティングを提供すること。
【解決手段】 本発明は、そこから側壁(3)が延びている底要素(2)を含む本体を備える、特に食品を処理するための缶(1)に関し、前記本体の内面(9)は少なくとも部分的に錫で出来ており、前記錫表面(9)は保護樹脂(10)のコーティングにより部分的に覆われて前記錫表面(9)と前記食品缶の接触を防止し、「露出された」と呼ばれる樹脂なし錫表面は前記錫を放出するために食品に接触するようになっている。発明によれば、前記露出された錫表面は樹脂塗装された区域(12)により互いに分離された複数の「露出された」区域(11)で構成され、前記露出された錫区域(11)は前記側壁(3)の高さにわたり分布されて、特に、前記露出された錫区域(11)に対する前記食品の化学作用による外観上の悪影響を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内面の少なくとも一部が錫で出来ており、その内面が保護樹脂により部分的にコーティングされた、特に食品を適切な状態にするための缶に関する。この発明はまたそのような缶を製造する方法及び前記方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果物や、トマト含有製品のような所定の食品は通常は少なくとも部分的に錫で出来た内面を有する缶内にパックされる。熱処理及びその後の貯蔵中にも、パックされた製品は一定量の錫コーティングを吸収し、これは酸化現象を最小にすることにより製品の官能特性及び視覚特性を維持する。
【0003】
その中にパックされた製品に利用可能な錫の量を制御するために、適切な保護樹脂(保護ニス又はコーティングとも呼ばれる)により缶の内側錫表面を部分的にコーティングすることが知られている。
【0004】
そのような部分的に樹脂塗装された缶は例えば特許文献1又は特許文献2に開示されている。これらの文献において、缶本体は錫板から絞り工程により作られる。得られた缶は底要素と前記底要素の周辺から延びる側壁を備え、前記側壁の上側境界は閉鎖手段を受容するようになっている本体の上側開口を定める。缶本体は独特の樹脂塗装面を備え、これはその側壁の内面の高さの一部にわたって連続的に延びている。より正確には、前記保護樹脂塗装された区域は側壁の上側境界からその長さ未満に連続的に延びている。残りの側壁(ここではその底)は独特の露出された錫区域を形成する。
【0005】
しかしながら、現行の部分的に樹脂塗装されたこのタイプの缶は、その側壁の内面が最終消費者にとって特に外観の悪い黒化部を一般的にもたらすので、全面的に満足なものではない。この黒化部は側壁の樹脂塗装された区域(これは一般的に明るい、あるいは透明な色をしている)と対照的な露出された錫表面に対応する。この黒化現象は適切な状態とされた食品との化学反応による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第0492870号明細書
【特許文献2】欧州特許第0688615号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この問題から出発して、出願人は特に食品を処理するための新しい缶を開発したが、その内面は、パックされた食品の品質特性を錫の最適供給により維持しながら、缶の内面の一般的外観に対する樹脂なし錫表面の悪影響を制限し、また抑制さえする特定の樹脂コーティングをもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による缶は、底要素を含む本体を備えるタイプのものであり、底要素から側壁が延びており、その上側境界は、閉鎖手段を受容するようになっている上側開口を定め、前記本体の内面は少なくともその一部が錫で出来ており、前記錫表面は少なくとも部分的に保護樹脂のコーティングで覆われて前記錫と前記食品間の接触を防止し、「露出された」と呼ばれる樹脂なし錫表面は前記錫を放出するために食品と接触するようになっている。本発明によれば、前記露出された錫表面は樹脂塗装された区域により互いに分離された複数の「露出された」錫区域で構成され、前記露出された錫区域は前記側壁の高さにわたり分布される。
【0009】
この特定の缶は、パックされた食品の品質特性を錫の最適供給により維持しながら、(露出された錫表面を複数の露出された錫区域に分割することにより)缶の内面の外観に対する樹脂なし錫表面の悪影響を制限し、抑制さえする。
【0010】
好ましい実施例によれば、露出された錫区域は前記錫表面上に均一又は準均一に分布される。この特定の分布は特に食品の高さ全体にわたる錫の最適供給を可能にする。
【0011】
もう一つの特徴によれば、錫表面は樹脂塗装された区域と露出された錫区域の交互配列を備え、前記両区域はそれぞれ概ね帯形状を有し、前記両区域は側壁の高さの少なくとも一部にわたり分布され、缶本体の縦軸に垂直な平面内に配置される。
【0012】
もう一つの特徴によれば、内面の少なくとも一部が錫で出来ており、少なくとも一つのビードを有する側壁の場合、前記ビードはその表面の少なくとも一部に、露出された錫区域を備える。
【0013】
このケースの好ましい態様によれば、ビードの少なくともいくつかの「隠された」と呼ばれる部分が前記缶の底要素に向いており、前記ビードの露出された錫区域は主としてそれらの隠された部分に配置され、前記ビードの残りの表面は樹脂塗装された区域に対応する。露出された錫区域のこの特定の配置は最終消費者に対するその最適な隠しを可能にし、これは缶の内面の外観を最適化する。
【0014】
またこの場合、ビードは好都合には(それぞれ内側と外側に向かって)交互に凸及び凹状になっている湾曲形状を有し、前記缶の底要素に向いた前記凹ビードの「隠された」部分は露出された錫区域を備える。
【0015】
この場合常に、ビードは好都合には、側壁の円周上に延びており、関連する露出された錫区域は好都合には環状帯形状を有する。
【0016】
この場合、ビード上に配置された露出された錫区域は好ましくは前記ビードの全表面の5%ないし50%とする。
【0017】
本発明はまた食品を適切な状態にするための缶を製造する方法に関し、この方法は、コーティング手段を用いて保護樹脂により側壁の内面をコーティングするステップを少なくとも含む。前記コーティングステップは樹脂塗装された区域により互いに分離された複数の「露出された」錫区域を形成するように保護樹脂により前記側壁の内面をコーティングすることを含み、前記露出された錫区域は前記側壁の高さにわたり分布される。
【0018】
特定の実施例によれば、コーティングステップの間、缶及び/又はスプレーノズルは互いに対して前記缶の縦軸方向に軸移動及び/又は回転動作するように操作される。
【0019】
前記缶が少なくとも一つのビードを備える側壁を有し、前記コーティング手段が少なくとも一つのスプレーノズルを備えるもう一つの特定の実施態様によれば、コーティングステップの間、前記スプレーノズルは側壁により定められる内部容積の外側にある缶の上側開口の正面に位置し、缶の前記側壁に向かって保護樹脂をスプレーする。
【0020】
この特定の実施態様によれば、缶及び/又はスプレーノズルは互いに対して軸移動するように操作させられるのが有利であり、保護樹脂のスプレーされたものは、その上側のエッジが側壁と90°未満の角度Bを成すようになっている。
【0021】
前記コーティング手段が少なくとも一つのスプレーノズルを備えるもう一つの特定の実施態様によれば、露出された錫区域は好都合には缶とノズル間の相対位置に従ったスプレー開閉の所定のタイミングサイクルにより得られる。
【0022】
本発明はまた、特に食品を適切な状態にするための缶を製造する装置に関し、その場合、前記装置は、保護樹脂により前記缶の側壁の内面をコーティングするコーティング手段を備えるコーティングユニットを少なくとも備える。前記コーティング手段は樹脂塗装された区域により互いに分離された複数の「露出された」錫区域を形成するように保護樹脂により前記側壁の内面をコーティングするように構成され、前記露出された錫区域は前記側壁の高さにわたり分布される。
【0023】
好ましい実施態様によれば、コーティング手段は、スプレー位置において好都合には前記側壁により定められる内部容積の外側にある前記缶の上側開口の正面に配置され、前記スプレーノズルは缶本体の前記側壁の内面に向かって保護樹脂をスプレーして露出された錫区域を形成するように配置される。
【0024】
特定の実施態様によれば、スプレーノズルは、スプレーされたものの上エッジが側壁と90°未満の角度を成すように配置ている。
【0025】
本発明はまた、以下の添付図に従って、以下の明細書により、それに限定されることなく開示される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるビード付缶の模式的断面図であり、樹脂コーティングも模式的に表わされる。
【図2】ビードの特定のコーティングを模式的に示すために、図1に表わされた缶の側壁の一部の拡大図である。
【図3】内面を部分的に樹脂塗装するように適切に配置されたスプレーノズルと関連付けられた図1による缶を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示される本発明による缶1は例えば円形の底壁2を備え、その周辺から例えば円筒形の側壁3が延びている。前記側壁3の上側境界4は上側開口5を定め、通常はこれを介して食品(図示されず)が缶の中に入れられる。この上側境界4はまた閉鎖手段(図示されず)を受容するようになっている。
【0028】
底壁2と側壁3は一部品として作られてもよい。これら二つの要素2、3はまた何れかの適切な工程により結合されてもよい。
【0029】
図1及び2に示されるように、側壁3は複数のビード6を有し、これらはここではその高さの大部分にわたり配置される。
【0030】
これらのビード6、7はここでは(側壁3の全周にわたって延びている)環状型のものであり、別の実施態様においてそれらは不連続又は点状型のものであってもよい。
【0031】
これらのビード6、7は通常のビーディング工程により得ることができる。
【0032】
前記ビード6のほとんどは同一であり、概ね半円形状を有する。それらは交互に凸及び凹状になっている。すなわち、側壁3の一般表面に対してそれぞれ内側(6aと呼ばれる)と外側(6bと呼ばれる)に向いている。このタイプのビード6は通常は缶の側方耐性を増すために使用される。
【0033】
側壁3はまた下端ビード7を備え、これは例えば側方に延びるV字型凹形状を有する。
【0034】
これらのビード6、7はそれぞれ、前記缶1の底要素2に向いた第1の部分6’、7’と前記缶1の上側開口5に向いた第2の部分6”、7”を有する。より正確には、各凹ビード6b及び7の第1の部分6b’、7’及び第2の部分6b”、7”はそれぞれ前記ビードの上側及び下側部分に対応する。これは、その第1の部分6a’及び第2の部分a”がそれぞれそれらの下側及び上側部分に対応する凸ビード6aの正反対である。
【0035】
缶1は鋼母材で出来ていることが好ましく、その内面9、及びその側壁3の少なくとも内面は錫及び/又は錫合金のコーティングを有する。
【0036】
ビード付き側壁3のこの内側錫表面9は保護樹脂10により部分的にのみコーティングされている。底壁2は樹脂塗装されるが、それはまた樹脂なしでも、部分的に樹脂なしでもよい。部分的に樹脂塗装されたこの錫表面の目的は、前述のように、前記食品に所定量の錫を供給するために処理された食品に少なくとも部分的に接触していることである。
【0037】
使用される樹脂のタイプ、及びその厚さはパックされた食品の特定の機能として当業者により選択されてもよい。
【0038】
本発明によれば、側壁3の高さの部分的樹脂、及び結果としてその露出された錫表面9は露出された錫区域11(樹脂のない/樹脂なし錫区域とも呼ばれる)と樹脂塗装された錫区域12の交互配列を形成するように配置される。
【0039】
これらの露出された区域11と樹脂塗装された区域12はそれぞれ帯状であり(ここでは環状の)、缶1の縦軸1’に垂直な一般平面内に延びている。
【0040】
露出された錫区域11のこの特定の分布は(食品による酸化により黒化した)それらの外観上の悪影響を制限し、また(錫のほぼ均一な分布を可能にするために)パックされた食品の高さ全体にわたる錫の供給を行うという結果をもたらす。
【0041】
さらに、露出された錫区域11はここでは、上述のビード6、7の存在を活用することによりそれらの外観上の悪影響をより一層減らすために配列及び配置される。
【0042】
このために、図1及び2に示されるように、露出された錫区域11は(缶の底壁2に向いた)凹ビードの上側部分6b’の少なくとも一部にわたり配列され、これらの露出された錫区域11はまた(缶の上側開口5に向いた)前記凹ビード6bの下側部分6b”にわたり部分的に延びていてもよい。言い換えれば、前記錫区域11の少なくとも一部は(上側開口5から見て)上にある凸ビード6aのほぼ「陰」内にある。これらの露出された錫区域11は、上側開口5から見えない、あるいはほとんど見えないビード側面にできるだけ配置される。
【0043】
前記凸ビード6aはここではそれらの下側部分6a’において部分的に樹脂なしである。別の実施態様において、これらの凸ビード6aは全面的に樹脂塗装されてもよい。
【0044】
さらに、末端ビード7に関し、露出された錫区域11はその上側部分7’に配置され、その下側部分7”は樹脂塗装された区域12に対応する。
【0045】
詳細には、露出された錫区域は好都合には各凹ビード6b、7の5%ないし50%を呈する。
【0046】
最後に、側壁3のビードなし部分はここでは全面的に樹脂塗装される。別の実施態様において、側壁3のこのビードなし部分には露出された錫区域を設けることもできる。
【0047】
樹脂コーティングのそのような特定の模様は例えば、図3に従って下に述べられる装置により得ることができる。
【0048】
図3に部分的にのみ示されるこの特定の装置は、上記の缶1を受容する支持要素13と、缶の内面に保護樹脂10を塗布するのに適したスプレーノズル14とを備えたコーティングユニットを備える。
【0049】
図3に示されるように、スプレーは好都合には側壁により定められた容積の外側(上側境界4の上)にある、缶の上側開口5の正面に配置される。
【0050】
このノズル14は、ここでは少なくとも側壁3、及びここでは底壁2の一部にも当たるスプレージェット15を発生させるように配置される。
【0051】
前記スプレージェット15はここでは概ね垂直平面内にある薄膜の形状をしている。代わりの態様において、このスプレージェット15は円錐又は王冠の概略形状をしていてもよい。このスプレージェット15は詳細には、前記ノズル14の垂直スプレー角度Aを制限する二つの外縁16により定められる。
【0052】
缶の縦軸1’に対するノズル14の位置と、スプレージェット14の外縁16と側壁3間に形成される角度Bとはビード6、7上に生成される露出された錫区域の量を制御するように配置される。
【0053】
図3に示されるように、ノズル14は缶1の縦軸1’上、又はほぼこの縦軸上に配置される。さらに、スプレージェット15の外縁16は前記側壁3と90°未満の角度Bを成す。
【0054】
実際には、コーティングステップの間、スプレーノズル14は側壁3の内面9に向かって樹脂10を塗布する。
【0055】
それと同時に、缶1はその縦軸1’の周りに回転動作し、スプレーノズル14は固定されたままである。缶1のこの回転はその側壁3の全周の樹脂塗装を可能にする。別の実施態様において、回転動作するのはノズル14である。
【0056】
やはりこのコーティングステップの間、スプレーノズル14は側壁3により定められる内部容積まで移動することもできる。
【0057】
もう一つの実施態様において、露出された錫区域は缶とノズル間の相対位置に従ったスプレー開閉の所定のタイミングサイクルにより得られる。
【0058】
上記のように、特定のスプレーの向きは、ノズルの視線内にある側壁表面、すなわち主としてスプレージェットが当たる表面のみの樹脂塗装を可能にする。この当たり面は図1及び2に従って前に述べられた缶の樹脂塗装区域12に対応する。そのとき、スプレージェットが当たらない側壁表面の区域は露出された錫区域11に対応する。
【0059】
得られた缶はその場合、図1及び2に従って上に述べられたものと同じである。
【0060】
代わりの実施態様において、装置のコーティング手段は例えば適当なブラシ、ブラシパット、スポンジ及び/又はローラから成っていてもよい。これらのコーティング手段は上記の特定の樹脂塗装模様を得るために適切に動作する。
【0061】
要するに、発明による缶は部分的に樹脂塗装された内面を提供する。露出された錫区域はビードの隠し部分に配置され、これはそれらの視覚的悪影響をなお一層制限する。さらに、露出された錫領域は側壁の高さにわたり分布され、これは食品内への錫のより良好な分布を可能にする。
【符号の説明】
【0062】
1 缶
2 底壁
3 側壁
4 上側境界
5 上側開口
6 ビード
6a 凸ビード
6a’ 凸ビードの下側部分
6a” 凸ビードの上側部分
6b 凹ビード
6b’ 凹ビードの上側部分
6b” 凹ビードの下側部分
7 末端ビード
7’ 末端ビードの上側部分
7” 末端ビードの下側部分
10 保護樹脂
11 露出された錫区域
12 樹脂塗装された区域
13 支持要素
14 スプレーノズル
15 スプレージェット
16 スプレー角度の外縁
【図1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
底要素(2)を有する缶本体を備える特に食品を適切な状態にするための缶において、前記底要素(2)から側壁(3)が延びおり、その上側境界(4)が、閉鎖手段を受容するようになっている上側開口(5)を定め、前記本体の内面(9)の少なくとも一部が錫で出来ており、前記錫表面(9)が保護樹脂(10)のコーティングで部分的に覆われて前記錫表面(9)と前記食品間の接触を防止し、「露出された」と呼ばれる前記樹脂なし錫表面は前記錫を放出するために食品と接触するようになっている特に食品を適切な状態にするための缶であって、
前記露出された錫表面は樹脂塗装された区域(12)により互いに分離された複数の「露出された」錫区域(11)で構成され、前記露出された錫区域(11)は前記側壁(3)の高さにわたり分布されて、特に、前記露出された錫区域(11)に対する前記食品の化学作用による外観上の悪影響を制限する
ことを特徴とする特に食品を適切な状態にするための缶。
【請求項2】
前記露出された錫区域(11)は前記錫表面(9)上に均一又は準均一に分布されることを特徴とする請求項1に記載の食品を適切な状態にするための缶。
【請求項3】
前記錫表面(9)が樹脂塗装された区域(12)と露出された錫区域(11)の交互配列を備え、前記区域(11、12)はそれぞれ概ね帯形状を有し、前記区域(11、12)は前記側壁(3)の高さの少なくとも一部にわたり分布され、前記缶本体の縦軸(1’)に垂直な平面内に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品を適切な状態にするための缶。
【請求項4】
その側壁(3)が少なくともビード(6、7)を備え、その内面(9)が少なくとも部分的に錫で出来ている請求項3に記載の食品を処理するための缶であって、前記ビード(6、7)がその表面の少なくとも一部に配置された露出された錫区域(11)を備えることを特徴とする食品を処理するための缶。
【請求項5】
そのビード(6、7)の少なくともいくつかが前記缶の前記底要素(2)に向いた隠された部分(6’、7’)を有する請求項4に記載の食品を適切な状態にするための缶であって、前記ビード(6、7)の前記露出された錫区域(11)が主としてそれらの前記隠された部分(6’、7’)に配置され、前記ビード(6、7)の残りの表面が樹脂塗装された区域(12)に対応することを特徴とする食品を適切な状態にするための缶。
【請求項6】
前記ビード(6)の少なくともいくつかが交互に凸及び凹状になっている湾曲形状を有し、前記缶(1)の前記底要素(2)に向いた前記凹ビード(6b)の「隠された」部分(6b’)が露出された錫区域(11)を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の食品を適切な状態にするための缶。
【請求項7】
前記ビード(6、7)が前記側壁(3)の円周上に環状に延びており、関連する露出された錫区域(11)が環状帯形状を有することを特徴とする請求項4ないし6の何れかに記載の食品を適切な状態にするための缶。
【請求項8】
前記ビード(6、7)上に配置された前記露出された錫区域(11)が前記ビードの全表面の5%ないし50%であることを特徴とする請求項4ないし7の何れかに記載の食品を適切な状態にするための缶。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れかに記載の食品を適切な状態にするための缶を製造する方法において、コーティング手段(14)を用いて保護樹脂(10)により前記側壁(3)の前記内面(9)をコーティングするステップを少なくとも含む方法であって、
前記コーティングステップは樹脂塗装された区域(12)により互いに分離された複数の「露出された」錫区域を形成するように前記保護樹脂(10)により前記側壁(3)の前記内面(9)をコーティングすることを含み、前記露出された錫区域(11)は前記側壁(3)の高さにわたり分布される
ことを特徴とする食品を適切な状態にするための缶を製造する方法。
【請求項10】
前記コーティングステップの間、前記缶(1)及び/又は前記コーティング手段が前記缶(1)の縦軸(1’)の周りに互いに対して回転動作することを特徴とする請求項9に記載の食品を適切な状態にするための缶を製造する方法。
【請求項11】
前記缶(1)が少なくとも一つのビード(6、7)が配置された側壁(3)を有し、前記コーティング手段が少なくとも一つのスプレーノズルを備える請求項9又は10に記載の食品を適切な状態にするための缶を製造する方法であって、前記コーティングステップの間、前記スプレーノズル(14)が前記側壁(3)により定められる内部容積の外側にある前記缶(1)の前記上側開口(5)の正面に位置し、前記缶(1)の前記側壁(3)に向かって前記保護樹脂(10)をスプレーすることを特徴とする食品を適切な状態にするための缶を製造する方法。
【請求項12】
前記缶(1)及び/又は前記スプレーノズル(14)が相対的に縦方向並進動作し、前記保護樹脂のスプレー(15)が、その外縁(16)が前記側壁(3)と90°未満の角度Bを成すようになっていることを特徴とする請求項11に記載の食品を適切な状態にするための缶を製造する方法。
【請求項13】
前記コーティング手段が少なくとも一つのスプレーノズルを備える請求項9ないし12の何れかに記載の食品を適切な状態にするための缶を製造する方法であって、前記露出された錫区域(11)が前記缶(1)と前記ノズル(14)間の相対位置に従ったスプレー開閉の所定のタイミングサイクルにより得られることを特徴とする食品を適切な状態にするための缶を製造する方法。
【請求項14】
保護樹脂(10)により前記缶(1)の前記側壁(3)の前記内面(9)をコーティングするためのコーティング手段(14)を備えるコーティングユニットを少なくとも備える請求項1ないし8に記載の食品を適切な状態にするための缶を製造し、かつ/あるいは請求項9ないし13に記載の方法を実施する装置であって、前記コーティング手段(14)が、樹脂塗装された区域(12)により互いに分離された複数の「露出された」錫区域(11)を形成するように前記保護樹脂(10)により前記側壁(3)の前記内面(9)をコーティングするように構成され、前記露出された錫区域(11)が前記側壁(3)の高さにわたり分布されることを特徴とする装置。

【図3】
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【公表番号】特表2011−509895(P2011−509895A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543504(P2010−543504)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050769
【国際公開番号】WO2009/092786
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509166342)
【Fターム(参考)】