説明

内部アクティブ磁場キャンセレーションを有する磁気遮蔽ルーム及びその使用

装置(50)は、当該囲い(24)の内側と外側とを規定する壁部(26)を有する囲い24を備えている。透磁性が高い材料の層(52)は、層(54)よりも囲い(24)の内側近くに位置している。背景磁場の磁力計(56)は、囲い(24)内に位置している。電気コイル構造(62)は、特定の背景磁場の最も完全な打ち消しをもたらすように製作されている。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
この発明は、磁場の測定、特に、測定が行われる領域空間における背景(バックグラウンド:background)磁場の低減に関する。
【0002】
人間の脳や人体の神経系の他の部分によって自然に生じる極めて弱い磁場を検出して測定するのに要する感度を有する生体磁気計測システムが開発されている。かかる生体磁気計測システムは、例えば米国特許5,494,033号および5,471,985号に記載されており、その開示内容は引用することによってここに組み込まれるものである。生体磁気測定においては、生体によって創生された磁場が測定され、生体の機能を理解するためだけではなく生体の疾患を診断するためにも、詳しく調べられる。
【0003】
人体によって生じる磁場は、地球により、また、全ての都会環境に存在する機器および社会基盤(インフラ)により創生される背景磁場の強度の1/10,000,000の次数(オーダ)である。生体磁気計測を実行することを希求する者にとって重要な課題は、遙かに大きくそして常時在る背景磁場が存在する中で、人体によって創生される極めて弱い磁場を測定することである。この問題を解消するための最も一般的な手法は、磁気的に遮蔽された部屋もしくは囲い(「MSR」)の中で磁気測定を行うことである。かかるMSRは、典型的には、MSRの内部を外部の電磁場から遮蔽する導電層だけでなく、MSRの内部からMSRの外部にある源(ソース)によって創生される磁場を遮蔽する役割を果たす、透磁性が高い材料でなる幾つかの層で作製される。かかるMSRの例は、米国特許5,081,071号および5,335,464号に記載されており、その開示内容は引用することによってここに組み込まれる。
【0004】
人間についての実用的な磁気測定を可能にする十分な遮蔽をもたらす磁気遮蔽ルームは、MSR外部のソースによって創生される磁場を、少なくとも100の係数で減衰させなければならず、約0.01Hzから数キロヘルツの周波数で、直流(dc)磁場と交流(ac)磁場の両方の磁場に対して効果的でなければならない。この要求の結果、好適なMSRは、磁気的に封じ込めることができる高い性能をもった遮蔽材料を大量に必要とする。好適なMSRは、高価で且つ重厚なものとなる。現在有用である典型的なMSRは、約16,000ポンドの重量があり、約500,000ドルのコストがかかる。
【0005】
これらMSRが高コストで大重量であることは、臨床上および研究上の実用を、かかるコストを負担する余裕があり、かかる構造物を収容できる建物内に恒久的なスペースを設けることができる機関に制限してきた。この制限は、効果的で、低コストで、重量がより軽く、また、典型的な臨床用および研究用の建物内への収容がより容易な、生体磁気計測のための、磁気的および電磁気的な遮蔽を与える代替的な方法を開発する努力を刺激してきた。
【0006】
代替的な方法をもたらす一つのアプローチは積極的な打ち消し(アクティブキャンセレーション:active cancellation)であった。この技法では、磁場検出器が、背景磁場を検出し、この背景磁場と反対の打ち消し(キャンセレーション)磁場を生じさせるために駆動される電気コイルに命令信号を与える。このアクティブキャンセレーションは、生体磁力計付近における周囲の磁場を減じせしめ、その結果、生体磁気測定においてより高い感度が得られる。今一つのアプローチは、空間フィルタリング(filtering)の使用であった。この空間フィルタリングでは、出力信号の或る加重和が生体磁力計に非常に近いソース(source)に対しては特に感度が高く、生体磁力計から離れた所に源を発する干渉信号に対しては遙かに感度が低い。これらの技法はある程度は好結果を得られるものであったが、MSRのコスト及び重量の低減と併せて有効な生体磁気計測に適合する感度を与えるという点からみると、所望の結果を達成するものではなかった。
従って、生体磁気測定結果を改良する一方、同時に、必要な遮蔽体のコストと重量を低減するためのより良いアプローチに対する必要性が、なお残っている。この発明は、かかる要望を満たし、更に関連した利点をもたらすものである。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、典型的な都会の病院の環境において、高い感度の磁場測定を行うための装置および方法をもたらすものである。背景磁場の影響は低減され、また、MSRの遮蔽体のコスト、重量および複雑性が低減される。本アプローチは、測定対象の人物を収容するために比較的大きなMSR囲い(エンクロージャ:enclosure)を必要とする、人体の生体磁気測定に適用される場合に特に有用である。
【0008】
本発明によれば、装置は、当該囲いの内側を規定する壁部を有する囲いを備えている。その囲いは、好ましくは、小さい部屋のサイズであり、容積が少なくとも約500立方フィート(feet)である。壁部は、当該透磁性が高い材料の層よりも、囲いの内側に対してより近くに位置する電気的に伝導性のある材料の層がないように配置された、透磁性が高い材料の層を備えている。背景磁場の磁力計はベクトル磁力計であり、囲い内で背景磁場を測定し、また、背景磁場の磁力計測出力信号を有している。囲いの内側内の電気コイル構造は、電気コイル入力を有し、背景磁場の打ち消しに資する磁場出力を生じさせる。制御可能な電流源(ソース:source)は、電気コイル入力に繋がる電流ソース出力と、電流ソース命令信号入力とを有している。背景磁場低減フィードバックコントローラは、背景磁場計測出力信号に応答するコントローラ入力(インプット:input)と、電流ソース命令信号入力に繋がるコントローラ出力(アウトプット:output)とを有している。
【0009】
好ましくは、電気コイル構造は、少なくとも3つの電気コイルを有し、それらは各電気コイルの出力磁場が同一線上になく、また、電流ソース出力は、各電流コイルの各々に接続された別個の電流ソース出力を包含している。
【0010】
囲いの壁部は、好ましくは、透磁性が高い材料の層と、この層の機械的な支持のための構造とを備えている。壁部は、1つ若しくはそれ以上の追加的な遮蔽材料の層を有していても良い。1つ若しくはそれ以上のかかる追加的な層は、電気的に伝導性を有する材料から成ることもできる。しかし、かかる追加的な層は全て、透磁性が高い材料の層の外側に配置される。透磁性が高い材料の層は、望ましくはミュー(mu)金属である。
【0011】
装置は、典型的には、囲い内のソースによって生じる磁場を検出するために配置された信号磁力計、好ましくは生体磁力計を更に備えている。信号磁力計は、高感度を得るために、超伝導量子干渉装置を有していても良い。
【0012】
背景磁場の部分的または全体的に打ち消すアクティブフィードバックシステムでは、背景磁場の磁力計および当該磁力計で計測された信号に応答して駆動されるキャンセレーションコイルは、共にMSRの囲いの内部にあるか、若しくは共にMSRの囲いの外部になければならない。さもなければ、MSRの壁部によって生じる位相遅れが、背景磁場の有効な打ち消しを妨げることになる。従来では、背景磁場の磁力計とキャンセレーションコイルを共にMSRの囲いの外部に配置するのが通例であった。というのは、もしキャンセレーションコイルが囲いの内部に配置された場合には、MSRの電気的に伝導性を有する壁部からの電磁気的な反射が、背景磁場の望ましい打ち消しと干渉すると思われる位相遅れの「イメージ(image)」場を生じさせるであろう、と信じられていたからである。しかしながら、かかるアプローチは、限られた成功をもたらすだけである。なぜなら、背景磁場の磁力計が信号磁力計から離れており、MSRの壁部の減衰効果の範囲外にあり、このことは、均一性が高い背景磁場の打ち消しに対する有用性を制限するからである。
【0013】
本アプローチは、透磁性が高い材料をMSRの壁部の内側に配置し、そして、透磁性が高い材料のシートよりも、囲いの内側に近い電気的に伝導性を有する材料のシートがないことが求められる。本アプローチは、更に、背景磁場の磁力計とキャンセレーションコイルとを、MSRの内部に配置する。囲いの内表面を構成する透磁性が高い材料の、キャンセレーションコイルにより生じる磁場に対する応答特性のために、如何なる位相遅れの「イメージ」場も低減され、その結果、背景磁場の効果的な打ち消しが行われる。透磁性が高い材料で成る最内側層を有する一部変更された壁部構造と、背景磁場の磁力計と電気コイル構造の囲い内への配置は、協働して本アプローチの利点をもたらす。
背景磁場の磁力計と電気コイル構造は、囲い内に位置しており、それにより、MSR壁部の場(フィールド:field)の減衰効果から利点が得られ、また、信号磁気計に近接しており、その結果、打ち消しフィールドは、信号磁力計で見出されたものを表す。
【0014】
本アプローチの今一つの利点は、改良されたアクティブ磁場キャンセレーションが、透磁性が高い材料の量を低減できるようにすることである。現行のMSRでは、内部磁場の所要の低減を達成するために設けられる透磁性が高い材料の層が、典型的には2−3層ある。本アプローチの改良された磁場打ち消しを用いれば、透磁性が高い材料の層は、典型的には唯一層必要なだけである。MSRのコスト及び重量は、それによりかなり低減される。なぜなら、透磁性が高い材料の大量のシートは費用が嵩むからであり、しかも、支持構造がかなり低減できるのからである。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の原理を例示的に表示した添付図面と組み合わされた、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明白であろう。しかしながら、本発明の範囲は、この好ましい実施形態に限定されるものではない。
(発明の詳細な説明)
【0016】
図1は、人間22の生体磁気測定を行うために用いられるタイプの磁気測定システムの全体的な特徴を示している。磁気的に遮蔽された部屋(MSR)としての役割を果たす囲い24は、ドア28を有する壁部26を備えている。(ここでは、「壁部」とは、側壁部を通るドア28と同じく、側壁部、上部壁つまり天井部、及び底壁部つまり床部を、まとめて包含するものである。)囲い24は、ここではベッド30上に横たわって示されている人間22を、その内側に収容するに十分な大きさである。囲い24は、ある場合には著しくより大きいけれども、典型的には少なくとも500立方フィート(feet)の容積である。シグナル(signal)磁力計32は、この場合には生体磁力計であるが、人間22にごく近接して配置されている。シグナル磁力計32は、検出器36への信号を与える磁場センサ34を備えている。磁場センサ34は感度の良いピックアップコイル(pickup coil)であり、検出器36は、生体磁気計測タイプのシグナル磁力計32用の超伝導量子干渉素子である。検出器36の出力信号38は、貫通孔を通ってシグナル電子装置40に伝導される。
【0017】
空間領域内の磁場および電磁場を低減せしめるための装置50が図2に示されている。
この装置50は、図1に示されたものと同じ要素を多数用いており、それらは実際には装置50内に在る。人間22,ベッド30,シグナル磁力計32及びシグナル電子装置40は、図2に示された要素と共に表示することによる煩雑さと混乱を回避するために、図2から省略されている。図1と共通の要素は、図2において同一の参照数字符号が付され、先行する記載がそこに組み込まれる。
【0018】
装置50は、当該囲い24の内側と外側とを規定する壁部26を有する囲い24を備えている。図3から判るように、壁部26は透磁性が高い材料の層52を備え、この層は、当該透磁性が高い材料の層52よりも囲い24の内側に近い電気伝導性材料の層が存在しないように配置される。好ましい構造では、壁部26は、機械的な支持をもたらす電気伝導性のない層54を更に備えている。第2の構造においては、この層54は、電気伝導性を有する材料で構成されているが、透磁性が高い材料の層52は、電気伝導性を有する材料の層54よりも、囲い24の内側により近く位置している。
【0019】
壁部26のこれらの構造は、磁気的に遮蔽された部屋用の、図4に示されるような代替的な壁部と対照することができる。この構造では、1つ若しくはそれ以上の(この場合には2つの)透磁性が高い材料の層52が、電気伝導性を有する材料でなる2つの層54の間に挟み込まれている。このアプローチは、後に議論されるアクティブキャンセレーション技法に修正できるものではない。なぜなら、層52ではなく層54が囲い24の内側に最も近いからである。
【0020】
透磁性が高い材料の層52は、約4000以上の初期的な透磁率を有する材料で作製されている。外部磁場に対する十分な遮蔽を付与するためには、透磁率は約4000以上でなければならない。好ましくは、層52は、ニッケル77%,鉄14%,銅5%及びモリブデン4%の成分を有し、約60000の初期透磁率を有するmu金属で作製される。典型的な実施形態では、層52は約2mmの厚さを有している。
【0021】
背景磁場の磁力計56は囲い24内に位置している。この背景磁場の磁力計56は、人間22或いは囲い24内の他の磁場源によって生じる磁場から離れた、囲い24内の環境磁場を計測する。好ましい場合においては、背景磁場の磁力計56は、背景磁場ベクトルの成分を測定できるベクトル磁力計である。図に示された背景磁場の磁力計56は、各々が各自の背景磁場の磁力計出力信号60a,60b及び60cを伴った、3つの略直交する磁場センサ58a,58b及び58cを有している。装置50は、更に、囲い24の内側内に電気コイル構造62を有している。この電気コイル構造62は、電気コイル入力に応答する磁気出力場を生じさせる。電気コイル構造62は、少なくとも1つの電気コイルを備えている。電気コイル構造62を作り上げている電気コイルの幾つかは、シグナル磁力計32の領域内で磁場勾配を生じさせるように構成されてもよい。電気コイル構造62を作り上げている電気コイルの構造の選択は、特定の背景磁場の最も完全な打ち消しをもたらすようになされる。
【0022】
好ましくは、電気コイル構造62は、各電気コイルの出力磁場ベクトルが同一線上にないように配置された、少なくとも3つの電気コイルを有している。各々の電気コイルは、別個の電気コイル入力を有している。図に示されている最も好ましい実施形態においては、電気コイル構造62は、3つの電気コイル64a,64b及び64cを有している。電気コイル64a,64b及び64cそれぞれの出力磁場ベクトルは直交している。各電気コイル64a,64b及び64cはそれぞれ電気コイル入力66a,66b及び66cを有している。
【0023】
装置50は、それぞれの電気コイル入力および電流源命令信号入力と電気的に繋がっている電流源出力有する制御可能な電流源を備えている。図に示された実施形態では、3つの独立した電流源68a,68b及び68cがある。電流源68a,68b及び68cの各々は、電気コイル入力66a,66b及び66cそれぞれと電気的に繋がっている電流源出力70a,70b及び70cを有している。各電流源68a,68b及び68cは、それぞれ電流源命令信号入力72a,72b及び72cを有している。
【0024】
装置50は、更に、背景磁場の磁力計の出力信号に応答するコントローラ入力と、電流源命令信号入力と電気的に繋がっているコントローラ出力を有する背景磁場低減フィードバックコントローラを備えている。図に示された実施形態では、背景磁場の磁力計の出力信号60a,60b及び60cのそれぞれに応答する各コントローラ入力76a,76b及び76cを有する3つの背景磁場低減フィードバックコントローラ74a,74b及び74cがある。各背景磁場低減フィードバックコントローラ74a,74b及び74cは、電流源命令信号入力72a,72b及び72cそれぞれに電気的に繋がっている各コントローラ出力78a,78b及び78cを有している。
【0025】
図5は、本発明を実施するための好ましいアプローチを示している。数字符号90で、磁気計測システム20を有する装置50が用意される。数字符号92で、装置50が稼働される。この稼働中は、2つのサブシステム(subsystem)が同時に稼働される。数字符号94で、背景磁場が測定される。この測定94では、磁場センサコイル58a−cが、シグナル磁力計32の磁場センサ34の位置で、若しくはその付近で、囲い24内の内側内の背景磁場の直交する各成分が検出される。数字符号96で、フィードバック処理により打ち消し(キャンセレーション:cancellation)磁場が設定される。背景磁場低減フィードバックコントローラ74a−74cそれぞれに、各コントローラ入力76a−76cとして、背景磁場出力信号60a−60cがそれぞれ与えられる。背景磁場低減フィードバックコントローラ74a−74cは、3つの直交する打ち消し磁場と、背景磁場の各直交成分を、好ましくはゼロにまで低減するのに要する電気コイル64a−64cへの電流を決定する。これら必要な電流は、電流源68a−68cそれぞれに各電流源命令信号入力72a−72cとして与えられるコントローラ出力78a−78cである。生じた電流は、電気コイル入力66a−66cそれぞれに対する、それ故、電気コイル64a−64cそれぞれに対する電流源出力70a−70cとしての出力である。ステップ94と96は、背景磁場の磁力計56により計測された背景磁場の各直交成分をできるだけゼロに近くなるように維持するために、線(ライン:line)98によって示されるように、連続的に繰り返される。
【0026】
ステップ94,96及び98と同時に、数字符号100で、シグナル磁力計32が稼働される。好ましい適用においては、シグナル磁力計は、人間22によって創生される磁場信号を測定する生体磁力計である。囲い24の壁部26の構造と、図2に関連付けて議論されたアクティブ磁場キャンセレーションとの組み合わせは、シグナル磁力計32の磁場センサ34付近における背景磁場をゼロ近くにし、その結果、磁場センサ34は最大感度で作動することができる。
【0027】
説明目的のために、本発明の特定の実施形態が記述されているが、本発明の真意と範囲を逸脱することなく、様々の変更および向上がなされることができる。従って、本発明は、添付された請求の範囲による制限を除いては限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】生体磁気測定用の磁気的に遮蔽された部屋の模式的な断面説明図である。
【図2】本発明の装置の模式的な説明図である。
【図3】本発明の範囲内の囲いの壁部構造の断面説明図である。
【図4】本発明の範囲内でない代替的な壁部構造の断面説明図である。
【図5】本発明を実施する方法のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該囲いの内側と外側とを規定する壁部を有する囲いであって、前記壁部が、囲いの内側に対してより近くに位置する電気伝導性を有する材料の層がないように配置された透磁性を有する材料の層を備えている前記囲いと、
前記囲い内に位置し、背景磁場の磁力計測出力信号を有する背景磁場の磁力計と、
前記囲いの内側内に位置し、電気コイル入力に応答する出力磁場を生じさせる電気コイル構造と、
電気コイル入力に繋がる電流ソース出力と電流ソース命令信号入力を有する制御可能な電流源と、
背景磁場計測出力信号に応答するコントローラ入力と電流ソース命令信号入力に繋がるコントローラ出力を有する背景磁場低減フィードバックコントローラと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記電気コイル構造は、各電気コイル入力に応答する磁場出力を生じさせ、且つ、各電気コイルの出力磁場ベクトルが同一線上にないように配置された少なくとも3つの電気コイルを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記電気コイル構造は、各電気コイルがそれぞれの電気コイル入力に応答する出力磁場勾配を生じさせ、且つ、如何なる2つの生じた出力磁場勾配も互いに重複することがないように配置された少なくとも8つの電気コイルを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項4】
前記電気コイル構造は、電気コイル入力に応答する磁場出力を生じさせる少なくとも1つの電気コイルと、電気コイル入力に応答する出力磁場勾配を生じさせる少なくとも1つの電気コイルとを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項5】
前記背景磁場の磁力計は、ベクトル磁力計であることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項6】
前記背景磁場の磁力計は、磁気傾度測定器を有していることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
前記壁部は、
透磁性を有する材料の層と、
前記透磁性を有する材料の層の外側に配置された電気伝導性を有する材料の層と、
を備えていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項8】
前記透磁性を有する材料の層は、ミュー(mu)金属を有していることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項9】
前記前記透磁性を有する材料の層は、4000以上の初期透磁率を有する材料で成ることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項10】
前記囲い内の発生源により生じる磁場を検出するために配置されたシグナル磁力計を更に備えていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項11】
前記超伝導量子干渉装置を備えていることを特徴とする請求項6の装置。
【請求項12】
前記前記シグナル磁力計は生体磁力計であることを特徴とする請求項6の装置。
【請求項13】
前記囲いの内側は、少なくとも約500立方フィートの容積を有していることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項14】
当該囲いの内側と外側とを規定する壁部を有する囲いであって、前記壁部が、透磁性を有する材料の層と、該透磁性を有する材料の層の外側に配置された電気伝導性を有する材料の最内側層とを備えている前記囲いと、
前記囲い内に位置し、背景磁場の磁力計測出力信号を有する背景磁場の磁力計と、
前記囲いの内側内に位置し、電気コイル入力を有する電気コイル構造と、
電気コイル入力に繋がる電流ソース出力と電流ソース命令信号入力を有する制御可能な電流源と、
背景磁場計測出力信号に応答するコントローラ入力と電流ソース命令信号入力に繋がるコントローラ出力を有する背景磁場低減フィードバックコントローラと、
前記囲い内のソースによって生じる磁場を検出するために配置されたシグナル磁力計と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記電気コイル構造は、各電気コイル入力に応答する磁場出力を生じさせ、且つ、各電気コイルの出力磁場ベクトルが同一線上にないように配置された少なくとも3つの電気コイルを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記電気コイル構造は、各電気コイルがそれぞれの電気コイル入力に応答する出力磁場勾配を生じさせ、且つ、如何なる2つの生じた出力磁場勾配も互いに重複することがないように配置された少なくとも8つの電気コイルを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項17】
前記電気コイル構造は、電気コイル入力に応答する磁場出力を生じさせる少なくとも1つの電気コイルと、電気コイル入力に応答する出力磁場勾配を生じさせる少なくとも1つの電気コイルとを有し、電流ソース出力は、各電気コイルの電気コイル入力に接続された別個の電流ソース出力を備えている、ことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項18】
前記前記透磁性が高い材料の層は、ミュー(mu)金属を有していることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項19】
前記透磁性が高い材料の層は、4000以上の初期透磁率を有する材料で成ることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項20】
前記シグナル磁力計は生体磁力計であることを特徴とする請求項14の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−534340(P2007−534340A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507798(P2005−507798)
【出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/019881
【国際公開番号】WO2005/016139
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506032912)
【氏名又は名称原語表記】4−D NEUROIMAGING
【Fターム(参考)】