説明

円形コーム用のコームセグメント

本発明は、コームローラ(2)の回転軸(3)の方向に互いに隣り合って配置され、歯列の周方向(10)を有し、それぞれが歯列の周方向(10)に互いに隣り合って配置された複数の歯(7)を有する複数の歯列(6、6a)を含む、綿梳き用コーミングローラの円形コーム用のコームセグメントに関し、コームセグメント(5)は、コームローラ(2)上に組み立てられた状態で、回転軸(3)のまわりを回転方向(4)に回転することができ、歯列(6、6a)が回転軸(3)に対して傾いて配置されて、歯列の周方向(10)と回転方向(4)とが進入角αをなし、2つの隣接する歯列(6、6a)間に少なくとも1つのスペーサ(8、9)、(8、9a)が設けられ、歯列の周方向(10)に垂直な方向に測定した2つの隣接する歯列(6、6a)間の歯列間隔(D1、D2)が周期的に変わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綿梳き用コーミング機械の円形コーム用のコームセグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
コーミング機械で使用するコームは公然実施として公知であり、コーミングされる綿繊維と係合する少なくとも1つのコーム要素がベース本体上に配置される。この場合に、円形コームの有効コーミング領域は、例えば、円形コームの表面線(surface line)の周縁部のうちの78°、90°、111°、または180°であってもよく、あるいは周縁部全体であってもよい。周縁部全体に沿って有効コーミング領域を有する円形コームは、360°円形コームと呼ばれる。針、針ストリップ、鋸歯状ワイヤ部分、櫛状突起、または鋸歯状打抜き部品がコーム要素として使用され、複数のコーム要素を配置したものは、コームセグメントまたはバータック(bar tack、Riegel)とも呼ばれる。
【0003】
特許文献1は、コーミングローラ上に押し付けられ、その上に確実に保持され得るコームセグメントを開示している。互いに隣り合って配置された、いずれの場合も歯数が異なるコーム要素を備えたコームセグメントは、特許文献2から公知である。
【0004】
コームセグメントは、例えば、コーミングローラの回転軸の方向に互いに隣り合って配置され、例えば、鋸歯状打抜き部品、あるいは歯付ディスクの形態の歯を備えた複数のコーム要素を有する。コームセグメントのコーミング効果は、歯の構造と、回転軸の方向および回転軸のまわりの回転方向におけるコームセグメント上の歯の配置とによって、影響を受け得る。
【0005】
繊維に作用するコーミング効果は、コーミングされる繊維への歯の係合によって保証され、コーミング効果は、例えば、コームセグメント当たりの歯数が増えるとともに、したがって、繊維への歯の係合数が増えるとともに高まる。コームセグメント上の歯数が増えることで、概してコームセグメントの横面上の配置がより密集する。これは、隣接する歯間および/またはコームセグメントの隣接する歯列間の中間空間の到達可能性を悪化させ、そのため、歯の密集度が高いコームセグメントの清浄は、不十分なものにしかならないか、または全く不可能である。一方、中間空間がもっと余裕のある構造の場合、コーミング効果が低下する。この点において、一方で、所望の高いコーミング効果と、他方で、清浄するための、すなわち、梳きとられた粒子および/または繊維構成物を除去するための中間空間の良好な到達可能性とは、コームセグメントにとっての相反する設計要件である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 30 07 245 A1
【特許文献2】DE 39 04 178 C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、付加的にコームセグメント上の中間空間の清浄が問題なく可能になるような方法で、高いコーミング効果で綿梳き用コーミングローラの円形コーム用のコームセグメントを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1に開示した特徴を有するコームセグメントによって達成される。
【0009】
本発明によるコームセグメントは、コーミングローラ上に組み込むことができ、コーミングローラの回転軸のまわりを回転方向に回転することができ、回転軸の方向に互いに隣り合って配置された複数の歯列を有する。歯列は、歯列の周方向に互いに隣り合って配置された複数の歯を含み、歯列は、歯の周縁に対応する歯列の周方向が設定角αをなすように、回転軸に対して傾いて配置される。2つの隣接する歯列間で、歯列の周方向に対して垂直な方向に測定された歯列間隔が変わるように、少なくとも1つのスペーサが、2つの隣接する歯列間に設けられ、前記歯列間隔は、例えば、スペーサのそれぞれの厚さによって決まる。回転軸を基準とした歯列の斜位と2つの隣接する歯列間の変化する歯列間隔とを組み合わせることにより、本発明によるコームセグメントでのコーミングサイクル時に、コーミングされる繊維が、コーミング効果を有するコームセグメント領域、すなわち歯列と、コーミング効果のないコームセグメント領域、すなわちスペーサとを繰り返して通り抜ける。コームセグメントの様々な歯列の歯が綿繊維に繰り返して係合することによって新たな分離が生じ、ひいては、コーミング結果が全体として向上する。さらに、本発明によれば、例えば、ブラシを用いたコームセグメントの清浄も可能であり、ブラシの毛により、特に、歯列間の歯列間隔がより大きい領域にある梳きとられた繊維を払い出すことが可能になる。コームセグメントにより、同じタイプの中間ディスクを繰り返して使用して、歯列間隔を周期的に変化させることが可能になる。それによって、コームセグメントを迅速に、かつ経済的に製造することができる。さらに、コーミングされる綿繊維に作用するコーミング効果がある状態とコーミング効果がない状態との間の周期的な相互作用により、向上したコーミング結果が得られる。
【0010】
請求項2による、スペーサとしての歯のない中間ディスクを有するコームセグメントは、使用される中間ディスクを交換することによって、歯列間隔の融通が利く素速い変更を可能にする。特定の歯列間隔は、例えば、対応するディスク厚さを有する中間ディスクにより、またはより薄いそれぞれのディスク厚さを有する複数の中間ディスクにより調整することができる。
【0011】
請求項3によるコームセグメントは、部品点数が削減され、したがって、特に迅速に、かつ経済的に組み立てることができる。さらに、一体化して形成されたスペーサを有するこのタイプのコームセグメントは、機械的負荷に対して特に頑強である。
【0012】
請求項4によるコームセグメントは、例えば、歯列間隔を変えるのに、同じタイプの中間ディスクを繰り返して使用できるようにする。このタイプのコームセグメントは、それにより、迅速に、かつ経済的に製造し、組み立てることができる。さらに、コーミングされる綿繊維に作用するコーミング効果がある状態とコーミング効果がない状態との間の相互作用により、向上したコーミング結果が得られる。
【0013】
請求項5による歯列間隔の比率を有するコームセグメントの構造は、特に有益であると分かった。歯列間隔が大きいほど、梳きとられた粒子および/または繊維構成物をそこから特にうまく掃き出すことができる。
【0014】
請求項6による、コーミングローラ上の歯列の設定角αをなす配置は、同一のコームセグメントの歯の綿繊維への繰り返し係合を可能にするのに特に有益であり、それにより、特に良好なコーミング効果が得られる。比較的大きい斜位により、コーミング効果の高い領域とコーミング効果の小さいまたは全くない領域との間の変化の頻度が増える。
【0015】
コームセグメント領域のうちのコームセグメントのコーミング効果のあるものとないものとの比率、ひいては、コーミング結果は、請求項7〜9による、歯列の周方向で測定した周縁間隔を有する歯列の隣接する歯の配置によっても影響され得る。したがって、コームセグメント上に歯を均一に分布させることで、より高い固有歯密集度が全体的に得られる。高いコーミング効果を有するコームセグメントの領域と低いコーミング効果を有するコームセグメントの領域とは、歯をグループ化して配置することで互いに対して良好に範囲を限定することができる。
【0016】
請求項10による歯係合数を有するコームセグメントは、向上したコーミング結果をもたらす。
【0017】
請求項11による平均固有歯密集度を有する歯を用いたコームセグメントの構造は、向上したコーミング効果をもたらす。
【0018】
請求項12および13による高い固有歯密集度を有するコームセグメント領域の構造は、これらのコームセグメント領域において特に高いコーミング効果が得られることから、コーミング結果に関して特に有益であると分かった。それにより、コーム製品内に残る不純物の粒径は大幅に小さくなる。
【0019】
一部のみを概略的に示した図面を用いて、下記に実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】複数のコームセグメントを有する円形コームの、コーミングローラの回転軸に対して垂直な側面図を示している。
【図2】第1の実施形態の本発明によるコームセグメントの発展形態の概略図を示している。
【図3】本発明によるコームセグメントの第2の実施形態の図2と同様な図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示す円形コーム1は、回転軸3を有する中空円筒状のコーミングローラ2を有する。総計10個のコームセグメント5が、コーミングローラ2上で回転方向4に設けられている。軸方向の延びが回転軸3に対して平行であるコームセグメント5は、円形コーム1のコーミング領域を画定する。各コームセグメント5は、同様に打ち抜かれた複数のコーム要素6を含み、複数のコーム要素6は、実質的に回転軸3の方向に並んで一列に置かれ、各コーム要素6は複数の歯7を有する。コーム要素6は、示した実施形態では前もって組み立てられて、いわゆるバータックを形成し、クランプによってコーミングローラ2に留められる。あるいは、バータックは、ねじ留めによってコーミングローラ2に連結することもできる。コーム要素6を前もって組み立てるのではなくて、グループ分けした配置でコーム要素をコーミングローラ2上に直接置き、コーミングローラ2に接着することも可能である。
【0022】
回転方向4に沿ってコーミングローラ2の回転軸3のまわりに巻き戻されたコームセグメント5が図2により概略的に示されている。コームセグメント5は、回転軸3の方向に互いに隣り合って配置された複数の歯列6を含み、ディスク厚さを有するスペーサが、いずれの場合も、2つの隣接する歯列6間にスペーサのディスク厚さを変化させて配置されている。示した実施形態では、歯列は分離した歯付ディスク6として構成され、スペーサは、歯のない中間ディスク8、9の形態の分離した構成要素として構成されている。2つの歯付ディスク6を直接互いに隣り合わせて、すなわち、バータック5に中間ディスク8、9がない状態で配置することも可能である。
【0023】
厚い方の中間ディスク9の代わりに、2つ以上の薄い中間ディスク8を歯付ディスク6間に配置することもできる。
【0024】
歯付ディスク6は、歯列の周方向10に、互いに隣り合って配置された21個の歯7を有する。この場合に、歯7の数量は単なる例として理解されたい。歯付ディスク6を有するコームセグメント5の回転軸3のまわりの回転によって、歯7の周方向が確立され、この周方向は、コーミングローラ2の回転方向4と同じである。歯付ディスク6は、回転軸3に対して傾いて配置されるので、歯列の周方向10と回転方向4とは設定角αをなす。設定角αは4°よりも大きく、特に、6°〜10°である。示した実施形態では、α=8°である。
【0025】
2つの隣接する歯付ディスク6間の歯列間隔D1、D2は、歯付ディスク6間に配置された中間ディスク8、9によって確立される。歯列間隔D1、D2は、中間ディスク8、9の厚さが異なるために、図2に示すコームセグメント5内で周期的に変わる。図2に示すコームセグメント5の実施形態では、歯列間隔は、D1=0.1mm、D2=0.3mmであり、2つの歯列間隔の比率はD2/D1=3となる。この場合に、歯列間隔D1、D2は、中間ディスク8、9の厚さと一致する。示した実施形態の歯付ディスク6の厚さは、いずれの場合も0.3mmである。図示しない代替の構成において、3つ以上の異なる歯列間隔を設けることもでき、かつ/または複数の連続する歯付ディスク6を、大きい歯列間隔D2が続く前に、狭い歯列間隔D1で配置することもできる。これらの代替の構成でも同様に、変わる歯列間隔の順番が、特に周期的に繰り返される。狭い歯列間隔D1と広い歯列間隔D2とからなる、図2に示す周期性の順番では、隣接する歯付ディスク6の歯7間に形成された中間空間へのクリーニングブラシの毛の係合を可能にする、またはその係合に有利である広い歯列間隔D2が比較的頻繁に出てくるので、特に良好に清浄することができる。
【0026】
歯付ディスク6の歯7は、歯列の周方向10に等間隔に離間して配置されている、すなわち、歯付ディスク6の2つの隣接する歯7間で、歯列の周方向10に測定した周方向の間隔d1、d2は、どこでも同じ寸法である。図2に示すコームセグメント5では、例として、21個の歯7が、いずれの場合も歯付ディスク6の1つに沿って配置されている。
【0027】
歯付ディスク6と中間ディスク8、9との周期的に変わる配置により、図2による実施形態では、第1の歯付ディスク6、薄い中間ディスク8、第2の歯付ディスク6、および厚い中間ディスク9を並べた配置で構成されたディスクセット11が形成されている。コームセグメント5は、回転軸3の方向に並んで配置された複数のかかるディスクセット11を含む。各ディスクセット11は、回転軸3の方向にセット厚さSを有する。ディスクセット11が、2つの歯付ディスク6および1つだけの中間ディスク8を有することも可能である。さらに、回転方向4に測定されるセット移行長さbは、同様に回転方向4に対して平行に延びるコーミングされる繊維12が、設定角αの結果としてコーミングプロセス時にセット厚さSを通り抜ける回転方向4に沿った長さとして確立されるので、ディスクセット11とコーミングされる繊維12とによってセット移行長さbが決まる。歯付ディスク長さBは、傾けた態様で据え付けられた歯付ディスク6の回転方向4に投影された長さである。コーミングプロセス時にコームセグメント5のコーミングされる繊維12への歯係合数を表す平均歯係合数Aは、歯付ディスク長さBのセット移行長さbに対する比率として定義される。設定角αを用いたセット移行長さbとディスクセット11のセット厚さSの幾何学的関係がb=S/(tan α)に従うとすると、理論的な平均歯係合数としてA=(B・tan α)/Sが導かれる。本発明によるコームセグメント5の平均歯係合数Aは1.3よりも大きく、特に、2〜5の範囲内である。図2に示すコームセグメント5の実施形態では、歯係合数はA=1.5である。
【0028】
固有歯密集度は、横面13に対する歯7の数によって確立される。一般に、固有歯密集度が高いほど、コームセグメント5のコーミング効果がそれだけ高まるということが当てはまる。コーミングプロセス時に歯7の先端が繊維12と係合するので、固有歯密集度は先端密集度とも呼ばれる。図2に示すコームセグメント5は、平均固有歯密集度が、すなわち、全コームセグメントの横面13に対するすべての歯付ディスク6の歯7の数が、1.72歯/mmである。コームセグメントの代替実施形態では、D1=0.1mm、D2=0.4mmであり、平均固有歯密集度は1.52歯/mmである。厚さが薄い方の隣接する中間ディスク8によって互いに離れて配置された歯付ディスク6の領域では、コームセグメント5の横面13の領域において固有歯密集度がより高くなる。これらの領域に付与された最大固有歯密集度は、少なくとも1.7歯/mmであり、特に、1.8〜2.5歯/mmである。図2に示す実施形態では、最大固有歯密集度は2.1歯/mmである。
【0029】
コーミングプロセス時に、回転方向4に互いに平行に延びる複数の繊維12が、コーミングセグメント5の歯7によって引き込まれる。この場合に、繊維12は、回転軸3に沿ったその位置に応じて歯7を避けて移動できるので、繊維12が歯7のまわりに局所的に偏向する。さらに、繊維12は、繊維方向からそれることなく、2つの歯7の間に通すことができる。この場合に、繊維12は、歯と係合した後、歯付ディスク6が斜位である結果として、厚い方の中間ディスク9を通る。繊維12が歯のない中間ディスク9の上にある間、歯との係合はなく、したがって、コーミング効果もない。歯付ディスク6は斜位であるため、コームセグメント5上で、隣接する歯付ディスク6と繊維12とが新たに係合する。図2では、低いおよび高いコーミング効果を有する様々な領域が、破線の長方形B1またはB2を用いて示されている。領域B1では、歯7が繊維12に全く係合しないか、または孤立した係合しか起こらないので、コーミング効果が全くないか、わずかなコーミング効果しかなく、それに対して、領域B2には高いコーミング効果があり、この場合に、この高いコーミング効果は、歯7の繊維12への比較的高い係合数によって引き起こされる。コーミングプロセス時に、コーミングされる繊維12は、場合により、小さいコーミング効果、または高いコーミング効果を有する複数のかかる領域B1、B2を交互に通ってもよい。したがって、有益な間欠的コーミング効果が得られる。
【0030】
図3は、コームセグメント5のさらなる実施形態を図2と同様な図で示している。図1および図2を参照して上記にすでに説明したものと同じ構成要素は、同じ参照数字を有し、再度詳細に説明することはしない。
【0031】
図3によるコームセグメント5は、図2によるコームセグメントと同じであり、中間ディスク9aもスペーサとして使用され、前記中間ディスクは、図2による中間ディスク9と比較して厚さが厚く、したがって、2つの隣接する歯付ディスク6a間の歯列間隔D2は拡張されている。歯列間隔D2は0.6mmである。2つの異なる歯付ディスク間隔D1、D2の互いの比率は、図1によるコームセグメント5よりも大きく、6である。歯付ディスク間隔D1、D2の互いの比率のさらに大きな値も可能である。さらに、その一方で、図2による実施形態と同様に、厚さが0.3mmの同じ中間ディスク9が設けられた実施形態も可能である。図3に示すコームセグメント5では、設定角は10°である。10個の歯7が、いずれの場合も、歯付ディスク6aに沿って配置されている。
【0032】
さらに、図3に示すコームセグメント5では、歯7は、いずれの場合も、歯付ディスク6aに対の形で配置されるので、歯列の周方向10に測定した、2つの隣接する歯7間の周方向の間隔d1、d3は異なる。歯列の周方向10で歯付ディスク上に、図示しないが、3つ以上の歯7からなるグループで歯7を配置することも可能である。結果的に、歯対または歯グループの2つの歯7間の周方向間隔d1は、いずれの場合も、異なる歯対または歯グループの2つの歯7間の周方向間隔d3よりも小さい。歯7のこのグループ化した配置のために、小さい、または高いコーミング効果を有する、図2による実施形態を用いて説明した領域B1、B2は、さらに区別化した形で調整でき、前もって設定できる。
【0033】
本発明によるコームセグメントの、図示しないさらなる実施形態では、スペーサが、歯列の歯に一体化して連結される。この場合に、スペーサは、歯列の歯を担持するコーム要素の足部領域の横付属部片として構成される。横付属部片は、例えば、型押し、研削、または一体品から成形する他の方法によって形成することができる。結果として、中間ディスクをなくし、コームセグメントの部品点数を削減することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綿梳き用コーミングローラの円形コーム用のコームセグメントであって、
a)前記コーミングローラ(2)の回転軸(3)の方向に互いに隣り合って配置される複数の歯列(6;6a)を備えて構成されるコームセグメントにして、前記歯列(6;6a)は、それぞれ歯列の周方向(10)に互いに隣り合って配置された複数の歯(7)を有しており、
b)前記コームセグメント(5)は、前記コーミングローラ(2)上に組み立てられた状態で、前記回転軸(3)のまわりを回転方向(4)に回転可能であり、
c)前記歯列(6;6a)が前記回転軸(3)に対して傾いて配置されていて、前記歯列の周方向(10)と前記回転方向(4)とが設定角αをなし、
d)2つの隣接する歯列(6;6a)間に少なくとも1つのスペーサ(8、9;8、9a)が設けられ、
e)前記歯列の周方向(10)に垂直な方向で測定した歯列間隔(D1;D2)が、2つの隣接する歯列(6;6a)間で周期的に変わる、コームセグメント。
【請求項2】
前記スペーサ(8、9;8、9a)が、分離構成要素として、特に、歯のない中間ディスクとして構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコームセグメント。
【請求項3】
前記スペーサが、特に、1つの歯列(6;6a)の歯(7)を担持する、歯付ディスクの足部領域上の横付属部片として、歯列(6;6a)の歯(7)に一体化して連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のコームセグメント。
【請求項4】
2つの異なる歯列間隔(D1;D2)を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項5】
前記2つの異なる歯列間隔(D1;D2)の互いに対する比率が、少なくとも3、特に、少なくとも6であることを特徴とする、請求項4に記載のコームセグメント。
【請求項6】
設定角αが4°よりも大きく、特に、6°〜10°であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項7】
1つの歯列(6;6a)の2つの隣接する歯(7)間で前記歯列の周方向(10)で測定した周方向間隔(d1、d2)が同じ寸法であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項8】
1つの歯列(6;6a)の2つの隣接する歯(7)間で前記歯列の周方向(10)に測定した周方向間隔(d1、d3)が異なることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項9】
1の歯列(6、6a)の前記歯(7)が、前記歯列の周方向(10)に対の形で、または少なくとも3つの歯(7)からなるグループで配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のコームセグメント。
【請求項10】
構造上同一の複数のディスクセット(11)が前記回転軸(3)の方向で互いに隣り合って配置され、各ディスクセット(11)は、前記回転軸(3)の方向に、互いに隣り合って配置された少なくとも2つの歯列(6、6a)およびスペーサ(8、9;8、9a)を備えて構成され、前記回転軸(3)の方向でのセット厚さSと、設定角αの結果として、コーミングされる繊維(12)がコーミングプロセス時に前記セット厚さSを通り抜ける前記回転方向(4)のセット移行長さbとを有し、セット移行長さbは、前記セット厚さSと前記設定角αを用いて、b=S/(tan α)として定義され、前記コーミングプロセス時にコーミングされる前記繊維(12)への前記コームセグメント(5)の歯係合の平均歯係合数Aは、前記セット移行長さbに対する前記歯列の周方向(10)での前記歯列(6;6a)の歯列長さBの比率として、A=B/b=(B*tan α)/Sにより定義され、前記平均歯係合数Aは1.3よりも大きく、特に、1.5よりも大きく、特に、2〜5の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項11】
前記コームセグメント(5)すべての、横面(13)に対する前記歯列(6;6a)すべての前記歯(7)が、少なくとも1.5歯/mmの平均固有歯密集度を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項12】
前記歯(7)が、コームセグメント(5)の前記横面(13)の領域で少なくとも1.7歯/mmの固有歯密集度を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のコームセグメント。
【請求項13】
前記歯(7)が、コームセグメント(5)の前記横面(13)の領域で1.8〜2.5歯/mmの固有歯密集度を有することを特徴とする、請求項12に記載のコームセグメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−532257(P2012−532257A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518873(P2012−518873)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058917
【国際公開番号】WO2011/003741
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(304034417)シュテットラー ウント ウール カーゲー (6)
【Fターム(参考)】