説明

円筒状部材固定機構および転写装置。

【課題】円筒状部材を確実に固定することが可能な円筒状部材固定機構およびそれを備えた転写装置を提供する。
【解決手段】気体導入部材1の気体導入空間1cに導入された気体は、複数の気体導出孔1bを通して気体導入部材1の外部、すなわち気体導入部材1と可撓性シート2との間の空間に導かれる。気体導入部材1の一端部と可撓性シート2の一端部との間、および気体導入部材1の他端部と可撓性シート2の他端部との間は気密に封止されている。それにより、一定以上の圧力で気体が導入されると、その気圧によって可撓性シート2が外方に膨張する。したがって、可撓性シート2の外周面が金属箔4の内周面の全体を外方に押圧する状態になる。その結果、金属箔4が気体導入部材1に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状部材を固定するための円筒状部材固定機構およびそれを備えた転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば樹脂材料からなる長尺状フィルムの表面に、種々の形状の凹凸を転写する転写装置がある。このような転写装置は、例えば一対のローラを備え、そのうち一方のローラの外周面に凹凸が形成される。この一対のローラにより長尺状フィルムを所定の線圧で狭持しながら搬送する。これにより、ローラの外周面の凹凸が長尺状フィルムの一面に転写される。
【特許文献1】特開平6−79548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ローラの凹凸は、繰り返しの使用によって劣化する。凹凸の劣化の度にローラを交換することは、コストの増大を招く。そこで、表面に凹凸を有する金属箔を円柱部材の外周面に固定して使用することが提案されている。この場合、凹凸の劣化時に、金属箔のみを交換すればよいので、コストの増大が抑制される。
【0004】
金属箔を円柱部材に固定するために、例えば、円柱部材の外周面に軸方向に延びる溝が形成される。そして、金属箔の一側辺および他側辺が溝に位置するように、円筒状部材の外周面に金属箔が巻回される。その状態で、金属箔の一側辺および他側辺を溝に押し込むように、溝に嵌合部材が嵌合される。これにより、金属箔の一側辺および他側辺が溝に固定され、金属箔が円柱部材に固定される。
【0005】
しかしながら、この固定方法では、使用時に、金属箔の一側辺または他側辺が溝からずれることがある。その場合、金属箔の弛みが発生する。このような金属箔の弛みを抑制するために、一側辺と他側辺とがシームレスで接合された円筒状の金属箔を用いることが望ましい。
【0006】
ところで、円筒状の部材を円柱部材に固定する方法としては、例えば特許文献1に記載される技術がある。特許文献1には、円筒状の部材に形成されたキー溝に円柱部材のキーを自動嵌合させる方法が記載されている。
【0007】
しかしながら、金属箔は剛性が低いので、上記の方法を用いて金属箔を円柱部材に固定した場合、金属箔を円筒状に一定に保持することができない。また、長尺状フィルムに凹凸を転写する際には、金属箔に大きな力が加わる。そのため、金属箔を円筒状に保持することがさらに困難となる。
【0008】
本発明の目的は、円筒状部材を確実に固定することが可能な円筒状部材固定機構およびそれを備えた転写装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の発明に係る円筒状部材固定機構は、円筒状部材を固定する円筒状部材固定機構であって、内部に気体導入空間を有するとともに外周面に気体導出孔を有する円筒状の気体導入部材と、気体導入部材の外周面を覆うように気体導入部材に取り付けられる円筒状の可撓性部材と、気体導入部材の一端部と可撓性部材の一端部との間を気密に封止するとともに気体導入部材の他端部と可撓性部材の他端部との間を気密に封止する封止手段と、可撓性部材の外周面を覆うように円筒状部材が配置された状態で、気体導入部材の気体導入空間に気体を導入する気体導入手段とを備えたものである。
【0010】
この円筒状部材固定機構においては、円筒状の気体導入部材の外周面を覆うように円筒状の可撓性部材が取り付けられ、封止手段により気体導入部材の一端部と可撓性部材の一端部との間が気密に封止されるとともに気体導入部材の他端部と可撓性部材の他端部との間が気密に封止される。そして、可撓性部材の外周面を覆うように円筒状部材が配置された状態で、気体導入手段により気体導入部材の気体導入空間に気体が導入される。
【0011】
気体導入部材の気体導入空間に導入された気体は、気体導出孔を通して気体導入部材の外周面と可撓性部材の内周面との間の空間に導かれる。一定以上の圧力で気体が導入されると、その圧力によって可撓性部材が外方に膨張する。それにより、可撓性部材の外周面が円筒状部材の内周面の全体を外方に押圧する状態になる。その結果、円筒状部材が気体導入部材に固定される。
【0012】
この場合、円筒状部材の全体がほぼ均一な力で内側から押圧されるので、円筒状部材の剛性が低い場合であっても、円筒状部材を一定の形状に保持しつつ気体導入部材に確実に固定することができる。
【0013】
(2)可撓性部材は、シリコンゴムまたはフッ素ゴムを含んでもよい。この場合、シリコンゴムおよびフッ素ゴムは耐熱性を有するとともに高い強度を有するので、可撓性部材の劣化が抑制され、交換のためのコストが低減される。
【0014】
(3)円筒状部材は、金属箔からなってもよい。この場合、金属箔の全体が可撓性部材によってほぼ均一な力で内側から押圧されるので、金属箔が円筒状に一定に保持された状態で気体導入部材に確実に固定される。
【0015】
(4)第2の発明に係る転写装置は、フィルム部材に凹凸を転写する転写装置であって、外周面に凹凸を有する円筒状部材と、円筒状部材を固定するための円筒状部材固定機構と、加圧ローラとを備え、円筒状部材固定機構は、内部に気体導入空間を有するとともに外周面に気体導出孔を有する円筒状の気体導入部材と、気体導入部材の外周面を覆うように気体導入部材に取り付けられる円筒状の可撓性部材と、気体導入部材の一端部と可撓性部材の一端部との間を気密に封止するとともに気体導入部材の他端部と可撓性部材の他端部との間を気密に封止する封止手段と、可撓性部材の外周面を覆うように円筒状部材が配置された状態で、気体導入部材の気体導入空間に気体を導入する気体導入手段とを備え、気体導入部材は、円筒状部材にフィルム部材が接触した状態で第1の軸の周りで回転可能に設けられ、加圧ローラは、フィルム部材を円筒状部材に押圧しつつ第1の軸と平行な第2の軸の周りで回転可能に設けられたものである。
【0016】
この転写装置においては、円筒状部材固定機構により、外周面に凹凸を有する円筒状部材が固定される。円筒状部材固定機構においては、円筒状の気体導入部材の外周面を覆うように円筒状可撓性部材が取り付けられ、封止手段により気体導入部材の一端部と可撓性部材の一端部との間が気密に封止されるとともに気体導入部材の他端部と可撓性部材の他端部との間が気密に封止される。そして、可撓性部材の外周面を覆うように円筒状部材が配置された状態で、気体導入手段により気体導入部材の気体導入空間に気体が導入される。
【0017】
気体導入部材の気体導入空間に導入された気体は、気体導出孔を通して気体導入部材の外周面と可撓性部材の内周面との間の空間に導かれる。一定以上の圧力で気体が導入されると、その圧力によって可撓性部材が外方に膨張する。それにより、可撓性部材の外周面が円筒状部材の内周面の全体を外方に押圧する状態になる。その結果、円筒状部材の剛性が低い場合であっても、円筒状部材が気体導入部材に確実に固定される。
【0018】
気体導入部材に固定された円筒状部材にフィルム部材が接触する状態で、気体導入部材が第1の軸の周りで回転するとともに、加圧ローラがフィルム部材を円筒状部材に押圧しつつ第1の軸と平行な第2の軸の周りで回転する。これにより、円筒状部材の外周面の凹凸が、フィルム部材の表面に転写される。
【0019】
この場合、膨張した可撓性部材によって円筒状部材の全体がほぼ均一な力で内側から押圧されるので、フィルム部材から円筒状部材に反力が加わっても、円筒状部材の変形が防止される。それにより、フィルム部材の表面に確実に凹凸を転写することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、円筒状部材の剛性が低い場合であっても、円筒状部材を一定の形状に保持しつつ気体導入部材に確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態に係る円筒状部材固定機構およびそれを備えた転写装置について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、円筒状部材固定機構の一例として円筒状の金属箔を固定するための金属箔固定機構について説明する。
【0022】
(1)金属箔固定機構
図1は、本実施の形態に係る金属箔固定機構の主要部を示す分解斜視図である。図1に示すように、金属箔固定機構100は、円筒状の気体導入部材1、円筒状の可撓性シート2および半円環形状の固定部材3a〜3dを備える。
【0023】
気体導入部材1は中空構造を有し、内部に気体導入空間1c(後述の図3参照)を有する。気体導入部材1の一端部には気体導入口1aが設けられる。後述のように、気体導入口1aから気体導入空間1cに気体が導入される。気体導入部材1の外周面には、複数の気体導出孔1bが形成される。複数の気体導出孔1bは、気体導入部材1の周方向に沿うように複数の列(本例では2列)をなし、各列において等角度間隔で配置される。
【0024】
なお、複数の気体導出孔1bの配置は特に限定されないが、気体導入部材1の長さ方向に均等に配置されるとともに、気体導入部材1の軸心P1に関して回転対称に配置されることが好ましい。また、複数の気体導出孔1bの形状は特に限定されず、円形または三角形等であってもよい。また、気体導入部材1の長さ方向に長尺状に延びるように複数の気体導出孔1bが形成されてもよい。
【0025】
可撓性シート2としては、耐熱性を有しかつ強度が高い材料を用いることが好ましい。具体的には、シリコンゴムまたはフッ素ゴム等が挙げられる。また、これらの材料に鉄、ニッケル等の金属または無機物等のフィラーを添加してもよく、また、強化繊維と上記材料との複合体をシートとして使用してもよい。さらに、これらの材料からなるシートを例えばアルミニウム等からなる箔または板に積層することにより可撓性シート2を作製してもよい。
【0026】
なお、可撓性シート2の厚みは例えば1mm以上10mm以下であり、3mm以上5mm以下であることが好ましい。また、可撓性シート2の内径は、気体導入部材1の外径と可撓性シート2の内径とはほぼ等しく設定され、例えば50mm以上200mm以下であり、100mm以上150mm以下であることが好ましい。
【0027】
気体導入部材1の外周面を覆うように、可撓性シート2が取り付けられる。その状態で、可撓性シート2の一端部を押しつけるように気体導入部材1の一端部に固定部材3a,3bが取り付けられ、可撓性シート2の他端部を押しつけるように気体導入部材1の他端部に固定部材3c,3dが取り付けられる。さらに、図示しないねじにより、固定部材3a〜3dが気体導入部材1にそれぞれ固定される。
【0028】
この場合、固定部材3a,3bによって可撓性シート2の一端部と気体導入部材1の一端部とが周方向の全体にわたって気密に接触した状態で固定される。同様に、固定部材3c,3dによって可撓性シート2の他端部と気体導入部材1の他端部とが周方向の全体にわたって気密に接触した状態で固定される。
【0029】
なお、固定部材3a,3bが円環形状に一体的に形成されてもよく、固定部材3c,3dが円環形状に一体的に形成されてもよい。また、円環形状の固定部材を予め可撓性シート2の一端部および他端部にそれぞれ固定してもよい。
【0030】
(2)金属箔の固定方法
次に、金属箔固定機構100による金属箔の固定方法について説明する。図2は、金属箔固定機構100に金属箔が取り付けられた状態の外観射視図である。また、図3は、金属箔固定機構100に金属箔が取り付けられた状態の断面図である。
【0031】
図2に示すように、可撓性シート2の外周面を覆うように、円筒状に成形された金属箔4が取り付けられる。金属箔4は、ニッケルまたは銅等からなる。金属箔4の外周面には所定の形状の凹凸が形成されている。
【0032】
金属箔4の厚みは例えば50μm以上300μm以下であり、150μm以上200μm以下であることが好ましい。また、金属箔4の内径は、可撓性シート2の外径よりも僅かに大きいことが好ましく、具体的には、可撓性シート2の外径よりも0.5mm以上3mm以下の範囲で大きいことが好ましい。
【0033】
金属箔4に形成される凹凸の凹部の深さ(凸部の高さ)は、例えば0.05μm以上50μm以下である。凹凸の形状としては、例えば複数の半球状の凹部が六方配置されたマイクロレンズアレイが挙げられる。この場合、各凹部の径は例えば0.2μm以上10μm以下であり、隣接する凹部間の距離は例えば0.3μm以上12μm以下である。
【0034】
ここで、金属箔4の作製方法の一例について説明する。まず、例えばポリイミドからなり、一面に凹凸が形成されたフィルム状の金型マスタを用意する。その金型マスタを、凹凸が形成された面が内側となるように円筒状に湾曲させ、一端側辺と他側辺とを互いに固定する。
【0035】
この円筒状の金型マスタの内周面において、例えばニッケルまたは銅を用いた電鋳処理を行う。これにより、外周面に凹凸が形成された円筒状の金属箔4が得られる。その後、金属マスタの一側辺と他側辺とが分離され、金属マスタが金属箔4から取り外される。この場合、金属箔4の外周面に離型処理を施してもよい。
【0036】
なお、上記のように、円筒状の金型マスタを用いた電鋳処理によって円筒状の金属箔4を作製する代わりに、平面状に作製した金属箔4の一側辺と他側辺とを互いに溶接することにより円筒状の金属箔4を得てもよい。
【0037】
図3に示すように、気体導入部材1の気体導入口1aには、ロータリジョイント11を介して気体供給管12が接続される。気体供給管12には、気体供給源13から気体(例えば空気)が供給される。この場合、気体導入部材1が気体供給管12に対して回転する状態であっても、気体供給管12およびロータリジョイント11を通して気体導入空間1cに気体を導入することができる。
【0038】
気体導入空間1cに導入された気体は、複数の気体導出孔1bを通して気体導入部材1の外部、すなわち気体導入部材1と可撓性シート2との間の空間に導かれる。上記のように、気体導入部材1の一端部と可撓性シート2の一端部との間、および気体導入部材1の他端部と可撓性シート2の他端部との間は気密に封止されている。
【0039】
それにより、一定以上の圧力で気体が導入されると、その気圧によって可撓性シート2が外方に膨張する。その結果、可撓性シート2の外周面が金属箔4の内周面の全体を外方に押圧する状態になる。このようにして、金属箔4が気体導入部材1に固定される。
【0040】
本実施の形態においては、気圧によって膨張した可撓性シート2により、金属箔4の全体がほぼ均一な力で内側から押圧される。それにより、金属箔4を円筒形状に保持した状態で気体導入部材1に確実に固定することができる。
【0041】
なお、気体導入空間1cに導入される気体の圧力は例えば0.2MPa以上1.0MPa以下であり、0.5MPa以上0.7MPa以下であることが好ましい。
【0042】
(3)転写装置
図4は、金属箔固定機構100を備えた転写装置の模式的斜視図である。図4に示すように、転写装置150は、金属箔固定機構100、金属箔4、加圧ローラ21、および搬送ローラ22〜24を有する。
【0043】
上記のようにして、金属箔固定機構100により円筒状の金属箔4が固定される。金属箔固定機構100の気体導入部材1、可撓性シート2および固定部材3a〜3d(図1)ならびに金属箔4により、転写ローラ50が構成される。この転写ローラ50に近接するように、加圧ローラ21が配置される。加圧ローラ21としては、金属製のローラ、表面が樹脂でコートされたローラ、または発熱機構を有する加熱ローラ等を用いることができる。
【0044】
転写ローラ50の軸心(気体導入部材1の軸心)P1と加圧ローラ21の軸心P2とは、互いに平行となるように設定される。
【0045】
転写ローラ50の一方側に搬送ローラ22,23が配置され、他方側に搬送ローラ24が配置される。搬送ローラ22〜24により、例えばポリイミドからなる長尺状フィルム55が搬送される。
【0046】
搬送ローラ23,24の間において、長尺状フィルム55が転写ローラ50と加圧ローラ21との間に導かれる。転写ローラ50および加圧ローラ21は、長尺上フィルム55を所定の線圧で狭持しながら搬送する。これにより、転写ローラ50の金属箔4の凹凸が長尺上フィルム55の一面に転写される。
【0047】
本実施の形態では、金属箔4の全体がほぼ均一な力で内側から圧迫されるので、長尺上フィルム55への凹凸の転写時においても、金属箔4が弛んだり変形したりすることなく円筒形状に一定に保持される。それにより、長尺上フィルム55の一面に凹凸を確実に転写することができる。
【0048】
なお、転写ローラ50および加圧ローラ21による長尺上フィルム55への線圧は、例えば1N/cm以上10N/cm以下に設定される。この場合、金属箔4を確実に円筒形状に保持しつつ長尺上フィルム55の一面に凹凸を確実に転写することができる。
【0049】
(4)他の実施の形態
上記実施の形態では、固定部材3a〜3dによって可撓性シート2および気体導入部材1の両端部が互いに固定されるが、これに限らず、接着剤等により可撓性シート2および気体導入部材1の両端部が互いに固定されてもよい。
【0050】
金属箔固定機構100の気体導入部材1に、例えば誘電加熱による発熱機構を設けてもよい。その場合、長尺上フィルム55を加熱しながら凹凸を転写することができる。
【0051】
また、転写装置150は、長尺上フィルム55を加熱しながら凹凸を転写する熱転写式の転写装置であってもよく、凹凸の転写後に光によって長尺状フィルム55を硬化させる光硬化転写式の転写装置であってもよい。
【0052】
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0053】
上記実施の形態では、金属箔固定機構100が円筒状部材固定機構の例であり、可撓性シート2が可撓性部材の例であり、固定部材3a〜3dが封止手段の例であり、ロータリジョイント11、気体供給管12および気体供給源13が気体導入手段の例であり、長尺状フィルム55がフィルム部材の例である。また、軸心P1が第1の軸の例であり、軸心P2が第2の軸の例である。
【0054】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、円筒状部材を円柱部材に固定するために有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施の形態に係る金属箔固定機構の分解斜視図である。
【図2】金属箔固定機構に金属箔が取り付けられた状態の外観射視図である。
【図3】金属箔固定機構に金属箔が取り付けられた状態の断面図である。
【図4】金属箔固定機構を備えた転写装置の模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
1 気体導入部材
1a 気体導入口
1b 気体導出孔
1c 気体導入空間
2 可撓性シート
3a〜3d 固定部材
11 ロータリジョイント
12 気体供給管
13 気体供給源
21 加圧ローラ
22〜24 搬送ローラ
55 長尺上フィルム
100 金属箔固定機構
150 転写装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状部材を固定する円筒状部材固定機構であって、
内部に気体導入空間を有するとともに外周面に気体導出孔を有する円筒状の気体導入部材と、
前記気体導入部材の外周面を覆うように前記気体導入部材に取り付けられる円筒状の可撓性部材と、
前記気体導入部材の一端部と前記可撓性部材の一端部との間を気密に封止するとともに前記気体導入部材の他端部と前記可撓性部材の他端部との間を気密に封止する封止手段と、
前記可撓性部材の外周面を覆うように前記円筒状部材が配置された状態で、前記気体導入部材の前記気体導入空間に気体を導入する気体導入手段とを備えたことを特徴とする円筒状部材固定機構。
【請求項2】
前記可撓性部材は、シリコンゴムまたはフッ素ゴムを含むことを特徴とする請求項1記載の円筒状部材固定機構。
【請求項3】
前記円筒状部材は、金属箔からなることを特徴とする請求項1または2記載の円筒状部材固定機構。
【請求項4】
フィルム部材に凹凸を転写する転写装置であって、
外周面に凹凸を有する円筒状部材と、
前記円筒状部材を固定するための円筒状部材固定機構と、
加圧ローラとを備え、
前記円筒状部材固定機構は、
内部に気体導入空間を有するとともに外周面に気体導出孔を有する円筒状の気体導入部材と、
前記気体導入部材の外周面を覆うように前記気体導入部材に取り付けられる円筒状の可撓性部材と、
前記気体導入部材の一端部と前記可撓性部材の一端部との間を気密に封止するとともに前記気体導入部材の他端部と前記可撓性部材の他端部との間を気密に封止する封止手段と、
前記可撓性部材の外周面を覆うように前記円筒状部材が配置された状態で、前記気体導入部材の前記気体導入空間に気体を導入する気体導入手段とを備え、
前記気体導入部材は、前記円筒状部材にフィルム部材が接触した状態で第1の軸の周りで回転可能に設けられ、
前記加圧ローラは、前記フィルム部材を前記円筒状部材に押圧しつつ前記第1の軸と平行な第2の軸の周りで回転可能に設けられたことを特徴とする転写装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−52206(P2010−52206A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217846(P2008−217846)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】